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2013-05-09 第183回国会 参議院 外交防衛委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十五年五月九日(木曜日)    午前十一時十分開会     ─────────────    委員異動  三月二十六日     辞任         補欠選任         水野 賢一君     小野 次郎君  三月二十八日     辞任         補欠選任         広田  一君     櫻井  充君  三月二十九日     辞任         補欠選任         櫻井  充君     広田  一君  四月二十四日     辞任         補欠選任         猪口 邦子君     塚田 一郎君      荒木 清寛君     山本 博司君  四月二十五日     辞任         補欠選任         塚田 一郎君     猪口 邦子君      山本 博司君     荒木 清寛君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         加藤 敏幸君     理 事                 大野 元裕君                 柳田  稔君                 宇都 隆史君                 末松 信介君                 荒木 清寛君     委 員                 石井  一君                 風間 直樹君                 北澤 俊美君                 榛葉賀津也君                 広田  一君                 猪口 邦子君                 佐藤 正久君                 島尻安伊子君                 松山 政司君                 若林 健太君                 山本 香苗君                 小野 次郎君                 佐藤 公治君                 山内 徳信君                 舛添 要一君    国務大臣        外務大臣     岸田 文雄君        防衛大臣     小野寺五典君    副大臣        外務大臣    松山 政司君        防衛大臣    江渡 聡徳君    大臣政務官        防衛大臣政務官  佐藤 正久君    事務局側        常任委員会専門        員        矢嶋 定則君    政府参考人        警察庁長官官房        審議官      鈴木 基久君        外務大臣官房長  越川 和彦君        外務省北米局長  伊原 純一君        外務省中南米局        長        山田  彰君        水産庁資源管理        部長       須藤 徳之君        防衛省防衛政策        局長       徳地 秀士君        防衛省運用企画        局長       黒江 哲郎君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○理事補欠選任の件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○平成二十五年度一般会計予算内閣提出、衆議  院送付)、平成二十五年度特別会計予算内閣  提出衆議院送付)、平成二十五年度政府関係  機関予算内閣提出衆議院送付)について  (外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国  際協力機構有償資金協力部門)     ─────────────
  2. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) ただいまから外交防衛委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  昨日までに、水野賢一君が委員辞任され、その補欠として小野次郎君が選任されました。     ─────────────
  3. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 理事補欠選任についてお諮りいたします。  委員異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。  理事選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 御異議ないと認めます。  それでは、理事荒木清寛君を指名いたします。     ─────────────
  5. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  委嘱審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、政府参考人として警察庁長官官房審議官鈴木基久君外六名の出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 去る七日、予算委員会から、五月九日の一日間、平成二十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門について審査委嘱がありました。  この際、本件を議題といたします。  審査委嘱されました予算について、順次政府から説明を聴取いたします。岸田外務大臣
  8. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 平成二十五年度外務省所管予算案について概要説明いたします。  平成二十五年度一般会計予算案において、外務省は六千八十二億五千九百五十一万九千円を計上しています。これを前年度と比較いたしますと、一・五%の減額となっております。  他方、ODA予算は、外務省所管分として、対前年度比〇・七%の増額の四千二百十一億五千六百八十五万一千円となっております。一般会計予算案における外務省所管ODA予算は、三年連続の増額となる予算を計上しております。  私は、外交責任者として、日本世界の平和と安定を脅かす危機脅威から我が国を守り、平和と繁栄を確保していく外交を推し進めていくとともに、基本的価値に立脚した戦略的外交展開し、日本考え方や信念を世界に発信し、信頼を勝ち得ていく所存です。  平成二十五年度予算案の作成に当たっては、こうした考えを踏まえつつ、以下申し上げる二つの予算上の重点項目を掲げ、めり張りを付けた上で必要な予算を計上いたしました。  第一に、普遍的価値に基づく戦略的外交のダイナミックな展開です。この重点項目の下に、日米同盟強化近隣諸国との関係強化協力推進のための経費を計上しました。  現下の地域の厳しい安全保障環境世界中の様々な脅威対処するためには、我が国外交安全保障基軸たる日米同盟強化が不可欠です。また、近隣諸国との関係を重視し、大局的・戦略的視点を持って協力推進することが重要です。さらには、領土保全等への対応、平和で安全な国際環境構築地球規模課題への取組強化人間安全保障推進対外発信強化についても注力していきます。  第二に、成長経済基盤強化に資する外交です。  世界経済グローバル化が加速する中、我が国経済再生に取り組むことは、我が国の国力を強化し、世界の更なる発展に貢献する道でもあります。そのため、日本経済再生に資する経済外交強化する所存です。  具体的には、成長するアジア経済圏等新興国途上国の活力を取り込んでいくため、ODA在外公館をも活用しつつ、地域中小企業も含めた日本企業や自治体の海外展開を積極的に支援します。また、戦略的な海外投資経済連携推進するとともに、日本経済の存立の基盤であるエネルギー、鉱物資源食料等の安定的かつ安価な確保のため、資源外交強化します。  以上述べてきた政策を着実に実施するためには、外交実施体制抜本的強化が焦眉の課題です。在外公館整備在外公館職員の再配置を含む体制整備推進すると同時に、情報収集分析能力及び情報保全を含む外交実施体制強化します。  以上が、平成二十五年度外務省所管予算案概要でございます。  また、当省関係政府関係機関収入支出予算について申し上げます。独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門におきましては、収入一千八百億六千六百九十三万七千円、支出一千七億九千九百八十六万三千円となっております。  加藤委員長を始め委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。
  9. 加藤敏幸

  10. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 平成二十五年度の防衛省関係予算について、その概要を御説明申し上げます。  平成二十五年度予算においては、周辺国による軍事力近代化及び軍事的活動活発化や、東日本大震災という未曽有の大災害の経験を踏まえ、国民生命財産領土領海領空を断固として守り抜くため、平成二十五年度の防衛力整備等についてに基づき、防衛力整備を着実に実施することとしております。  具体的には、各種事態への実効的な対応及び即応性向上日米同盟強化、国際的な安全保障環境の一層の安定化への取組、効果的、効率的な防衛力整備を重視しつつ、防衛省自衛隊国民から期待される役割を果たす上で必要な事業と、このための所要額を計上することができたと認識をしております。  平成二十五年度の防衛省所管一般会計歳出予算額は四兆七千五百三十一億九千七百万円であり、これに財務省所管予算五億八千百万円を加えた防衛関係費一般会計歳出予算額は四兆七千五百三十七億七千八百万円となり、前年度の当初予算額に比べ三百九十九億九千六百万円の増となっております。  新たな継続費の総額は、平成二十五年度護衛艦建造費で七百五十八億九千九百万円、平成二十五年度潜水艦建造費で五百三十一億三千六百万円となっております。また、国庫債務負担行為限度額は、武器購入航空機購入弾薬購入武器車両等整備提供施設整備等で一兆六千五百三十四億三千四百万円となっております。  また、東日本大震災からの復旧復興に係る経費を、復興庁一括計上分として、平成二十五年度一般会計とは別途、東日本大震災復興特別会計に計上しております。東日本大震災により被災した自衛隊施設装備品等復旧については、歳出予算額五百六十二億九百万円、国庫債務負担行為限度額六百五十一億三千七百万円を計上しております。  次に、平成二十五年度の防衛省関係予算において、特に重点を置いた施策について御説明申し上げます。  第一に、各種事態対応する即応性向上です。任務等の遂行に不可欠な情報機能指揮通信能力強化するとともに、装備品可動率向上等即応性強化のための施策推進します。  第二に、領土領海領空防衛です。南西地域を始めとする我が国周辺における情報収集警戒監視及び安全確保に関する能力島嶼防衛のための輸送力機動力防空能力サイバー攻撃弾道ミサイル攻撃への対応能力向上重点的に取り組みます。  第三に、大規模特殊災害等への対応能力向上です。大規模自然災害や特殊な災害に際して、国民生命財産を守るため、東日本大震災の教訓を踏まえた自衛隊災害対処能力強化します。  第四に、日米同盟強化です。米軍抑止力を維持しつつ、沖縄県を始めとする地元負担の軽減を図るため、在日米軍兵力態勢見直し等についての具体的措置を着実に実施します。  第五に、国際的な安全保障環境の一層の安定化への取組です。アジア太平洋地域を始めとする国際的な安全保障環境の一層の安定化を図るため、人道支援災害救援その他の分野における能力構築支援などの各種協力、二国間及び多国間の対話等を更に推進します。また、大量破壊兵器弾道ミサイル拡散防止、テロ、海賊への対処国連平和維持活動等活動に主体的かつ積極的に対応するため、自衛隊による国際活動基盤強化等に取り組みます。  第六に、効果的な防衛力の効率的な整備です。我が国における財政事情がますます厳しさを増す中、優先度効率性を踏まえた防衛力整備実施するために、装備品等の効率的な取得のための取組推進します。  以上に加え、基地対策等推進教育研究体制強化などの諸施策実施してまいります。  これをもちまして、平成二十五年度防衛省関係予算概要説明を終わります。  加藤委員長を始め理事委員各位の御指導をよろしくお願いいたします。
  11. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 以上で説明の聴取は終わりました。  この際、お諮りいたします。  外務省及び防衛省関係予算大要説明につきましては、いずれもこれを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  12. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  これより質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。
  13. 大野元裕

    ○大野元裕君 民主党・新緑風会の大野元裕でございます。  今日は、御説明のございました、予算委員会から委嘱を受けました二十五年度の予算に関し御質問させていただきたいと思いますが、その前に、この極めて重要な予算に関し委嘱審査がしっかりと実施ができるかどうか、正直危ぶまれるところでございました。そういった意味で、やはり与党それから政府方々にはしっかりとした国会運営というものを改めてお願いをさせていただきたいと思います。  さて、質問通告を出しておりませんが、今御説明をいただきましたところで、外務大臣の方から、私は、外交責任者として、日本世界の平和と安定を云々というお話がございましたので、通告はしておりませんが、お話をちょっとお伺いしたいんですけれども、今般の川口委員長外交訪問に関しまして、我が方の外務省としては、その外交責任者として、報告あるいはそれに対する評価、そういったものをしっかりと受けてされておられるかどうか、それをまずお伺いしたいと思います。
  14. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、我が国を取り巻くこの戦略的な環境、大変今厳しいものがあると考えております。特に、アジア太平洋地域における戦略的環境、刻々と変化する厳しいものを強く感じているところであります。その中にありまして、この外交責任、大きいものがありますが、議員外交というものの大切さも感じるところでございます。  今回の川口委員長訪中につきましては、事前に便宜供与の要請を外務省において受けておりました。そして、当初の二十四日までの訪中の予定が二十四日の段階で二十五日まで延長されるということについては、二十四日の段階連絡を受けました。そして、二十五日の状況につきましても、大使館において川口委員長から連絡を、二十五日終わった後、受けたということでございます。その状況につきまして、外務省としましても公電をこの報告として受け取っている、こういった状況にあります。
  15. 大野元裕

    ○大野元裕君 日程の話はよく分かりました。会談等報告をお受けになり、それに対して外務省として、外交責任者としてどういう評価をされておられるかということを聞いているわけでございます。
  16. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 川口議員からは、私はまだ直接この訪中につきまして報告は受けておりません。二十五日まで訪中されたということにつきまして、事務的な連絡等関係部局から報告を受けているところであります。  日中関係、大変厳しい局面にある中にあって、議員外交という切り口も大変重要な切り口ではないかと認識しておるところでございます。
  17. 大野元裕

    ○大野元裕君 私も、議員外交重要性、極めて同じ感覚でございます。しかしながら、外交責任者としてという話がございましたので、是非また別の機会にその御評価なり報告の中身というものは聞かせていただきたいと思っております。  それでは、早速、質問、三十分という短い時間でございますので、若干提出した質問と順番が変わりますが、御容赦をいただきたいと思っております。  まず、今まさに議員外交外遊の話がありました。お配りをさせていただきました報道等によると、閣僚半数超外遊、多過ぎ、こういう報道もあります。私は必要な外交はしっかりとやっていただいた方がいいとは思いますが、まず、外務大臣外務政務三役も含めると相当外遊に出られているようですけれども、ちょっと概要を教えていただけますですか。
  18. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 外務政務三役につきましては、まず、私自身中南米、そしてロサンゼルスを訪問をさせていただきました。また、松山外務大臣におきましては、フランス、リトアニア、デンマーク、フィンランド、こうした地域を、そして、鈴木外務大臣、モンゴルを訪問させていただきました。そして、あべ外務政務官、エチオピア、ジブチ、さらに、若林外務政務官、タイ、こうした地域訪問させていただいております。
  19. 大野元裕

    ○大野元裕君 防衛大臣、いかがでございましょうか。
  20. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) ゴールデンウイーク中の海外出張ですが、私は二十九日から一日の間にワシントン訪問させていただき、ヘーゲル新国防長官ほか国防省担当者との会談をさせていただきました。江渡大臣は、五月一日から五日の朝になりますが、イタリアに防衛交流の方で訪問させていただいております。また、左藤章政務官につきましては、四月二十五日から四月三十日の間、南スーダンジブチ自衛隊を派遣している部隊に訪問、視察をさせていただいております。また、佐藤正久政務官におきましては基本的に国内におりまして、防衛省としましては、どの日におきましても政務三役は必ず在京している、そのような日程に組まさせていただいておりました。
  21. 大野元裕

    ○大野元裕君 私は、かつてこの外交防衛委員会におきまして、現在のルールは正直厳し過ぎると思っていて、松本剛明外務大臣のときですけれども、少なくとも外務大臣については、しっかりと外に出て日本の国益を主張できるような立場を取るべきだと主張してきた人間でございますので、野党になっても同じ感覚を持っております。その意味では、是非大臣には頑張っていただきたいと思います。  しかしながら、こういう論評もあります。ゴールデンウイークには、これは去年の話です、ほとんどの閣僚外遊することになっていて、個別に内容を聞いていると手数が掛かるので、参議院自民党国対では、昨日の朝各省庁に連絡し、個別の日程等をヒアリングをした。以下ちょっと略させていただきますけれども、九名の安全保障会議メンバーのうち七名が不在になる、このような中で外交上の重大問題が発生した際にどうやって対応するのだろうか、危機管理の精神に欠けている、ゴールデンウイーク海外出張の設定一つ取っても、この内閣には国家国民を守るという強い気持ちが全くないことがよく分かる。  これはどの方のお書きになったものかというと、実は去年、世耕さん、今こちらの、国会の方に各大臣出張日程を御説明になられた御党の官房長官がお書きになっている文章でございます。  この資料を見ていただくとお分かりになるように、今回も同様に赤い印付けてありますけれども、七名の閣僚の方が安保会議構成メンバーでお出になられております。さらに、私にとっては非常に残念なのは、先ほど申し上げたとおり、外交是非日程を見付けて積極的にやっていただきたい、これはもうそのとおりなんですが、しかし今、自衛隊諸君のことを考えると、北朝鮮ミサイルの問題について、大臣命令に従って極めて厳しい環境の中で様々な方々が汗を流しておられる、そういう状況であります。  そのような中で、果たして去年と同様に七名の方がお出になるということ、これは各大臣の、個別の大臣の方が、全体を申し上げる話ではないかもしれません、しかし、特に防衛大臣におかれては、それについてまずどうお考えなのか、個別の自衛隊諸君に対して私はやはり説明をするべきではないかと思いますが、いかがでございましょうか。
  22. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) おっしゃるとおり、今、ミサイル防衛を含めて、北朝鮮対応を含めて、中国もありますし、大変今緊張感を持って対応させていただいております。  そういう中で、例えば今回、新国防長官と私はまだ電話会談しかしておりません。一度も直接会談をしていないという中で、どうしても、国会の様々なスケジュールの中で、ワンチャンスで、この機会に訪米をして日米関係をしっかり再構築するということ、これは大事だということで判断をさせていただきました。  私自身は、二十九日の十一時の飛行機で行き、一日の十五時二十五分の飛行機で帰ってまいりました。ワシントンだけ、そしてペンタゴンだけということで最小限の日程にさせていただいたと思っております。また、それ以外の二十七日から六日の間のことについては基本的に在京にしております。数日地元に戻ったときもありますが、そこは在京調整もさせていただいております。  以上です。
  23. 大野元裕

    ○大野元裕君 その重要性は、訪問重要性を私否定しているものではありません。自衛隊諸君に対して大臣の名前で命令をお出しになっていて、彼らは極めて厳しい状況に置かれている。  しかも、これ拝見するところでは、防衛大臣防衛省の場合には副大臣一人しかいないと私も理解をしておりますけれども、大臣と副大臣がどうも重なるところがあるようでございます。聞くところによると数時間とは聞いておりますけれども、しかしながら、大臣と副大臣の両方のお方が、この極めて重要な危機管理事態において陣頭指揮を執る体制になかったというのは、私は大臣是非まず御見解をお伺いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  24. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 正確に言いますと、五月の一日、私が成田に着きましたのが三時、江渡大臣成田を出発したのが十一時ということで、約数時間、この間不在のときがありましたが、このタイミングにおきましては左藤章政務官在京ということで対応していただきましたので、政務三役ということであれば漏れはなかったというふうに思っております。
  25. 大野元裕

    ○大野元裕君 言い合いになりますからこれでやめておきますけれども、左藤政務官自体も三十日にお戻りになっていらっしゃるんですね。その状況の当然引継ぎ、これに万全に遺漏なきと信じたいですけれども、しかしながら、周りの方から、これ新聞に出ているんですね。それぞれの隊員の諸君、その御家族、そういった方々も見られている中で、命令を出されている大臣は、やはり士気にもかかわると私は思いますし、その意味ではしっかりとした体制をしいていただくことが重要だと思うし、なおかつ、去年官房長官がおっしゃられているように、平時ですら七名の安保会議構成員が出るということは問題である、人の命を大事にしないとまで、そういう指摘もございますので、是非防衛大臣におかれては、もちろん相手が、北朝鮮が正直言って我々にとっては問題になるわけですけれども、そうとはいえ、出されている自衛隊諸君方々是非とも考えていただきたいとお願いをさせていただきたいと思います。  話題を少し変えさせていただきますが、では外務大臣にお伺いいたします。  今回の予算について関連してでございますが、外務省人員要求及び、外務省というのは非常に重要ではありますが、特殊な語学等も必要だと思いますけれども、そういった教育体制についてはどうなっているんでしょうか。
  26. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 外務省としましては、領土をめぐる問題ですとか日米同盟基軸とする近隣諸国との安全保障協力、さらには新興国成長力を取り込むための経済外交推進、こうした重要課題に対して能動的かつ機動的に取り組むため必要な人員要求したところでありますが、その中にありまして、御指摘のように、我が国外交の幅が拡大している中、語学、あるいは地域、あるいは分野専門家の育成、大変重要だと認識をしております。  当省としましては、職員語学力向上につきましては格別の意を用いており、現在国会で審議していただいております平成二十五年度予算案におきまして、語学力向上を含む研修関連予算につき前年度比約三千五百万円増、一三%の増加ですが、こうした予算お願いしているところでございます。このように、専門家の育成等優秀な人材に是非心を用いていきたいと考えております。
  27. 大野元裕

    ○大野元裕君 私もその点については全く同感でございますし、外務省における専門知識あるいは語学、この重要性というものはそれぞれ外務省職員認識していると私も思っています。  しかしながら、大臣、一つ腑に落ちないことがあるのは、前回、予算委員会で私は大臣に安倍政権の危機管理体制についてお伺いをさせていただきました。あのときに、アルジェリアに応援をした約五十名の、本官の方も含めてですけれども、全ての方の中で、アルジェリアのいわゆる一般の方がしゃべる言語であるアラビア語の人間は何人派遣されていましたかとお伺いをさせていただきましたが、もう一度ちょっとお答えいただけますか。
  28. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) アルジェリアの事件に対しましては、このアルジェリアにおきまして、政府と公式な場において使用される言語、フランス語ということもあり、フランス語の専門家を中心に対応に当たったというのが現実でありました。そうしたことで、アラビア語を専門とする日本職員はこの現地対策本部には派遣されていなかったというのが実情でございます。
  29. 大野元裕

    ○大野元裕君 そうなんです。確かに、政府、上の方の人はしゃべれますけれども、これ、この間も御指摘したので繰り返しは余り避けますけれども、例えばその地域において情報を収集するとか、さらには、もしかすると当時の、拘束していた犯人グループと交渉するということであればアラビア語が必要だったかもしれない。  そのアラビア語については、私は問題はなかったんですかとあのとき大臣にお伺いをしましたら、現地職員対応するので十分であると、こうおっしゃったと私は理解しており、それは相違ないでしょうか。
  30. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 今回の事件につきましては、先ほど申し上げましたような体制で臨ませていただきました。今回の事件においては、現地の職員等をも活用する形で対応させていただきました。  しかしながら、御指摘のように、今後のこと、また日本外交そのものを考えますときに、このアラビア語を含む語学専門家の養成は大変重要な課題だと認識をしております。
  31. 大野元裕

    ○大野元裕君 大臣、やっていることと言っていることが違うんですよ。要するに、既に優秀な、アラビア語だけではなくてフランス語の方もそちらにおられますけれども、優秀な方おられます。これからもどんどん育成する必要があります。それをただ使わなければ、お金付けても無駄になるということに私はなると思います。  アルジェリアの場合には、恐らく政府としてしっかりとした全面的な力を傾注して対応されたことだと私は思います。そのときに、せっかくこういった予算要求するわけですから、私、やめろと言っているんじゃないんです、やらなかったからやめろと言っているんじゃないんです、やるんですから、こういうこれだけのことをやるわけですから、本当はもっとあってもいいと思っています。しかしながら、それは政務三役がしっかりと手を突っ込んで、やはりこれだけの人材を投入せいと、そういう指揮命令がなくてはいけなかったんではないかと。  これは、今予算の話していますのでアルジェリアの反省云々とは言いませんが、ただ、やっていることと言っていることが違うと、国民に対しても、これだけのものが必要で要求するんですということを国会の場で審議をさせていただく、国民の方にも御納得がいただけないと私は思いますので、要求する以上しっかりと使っていただきたいと思いますが、最後にちょっとお願いします。
  32. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 今回のアルジェリアの事件につきましては、外務省としましても、また政府全体としましても検証作業を進め、政府におきましても、先日有識者における検証作業を終え、近々これに対する対応も明らかにしたいと考えておりますが、しっかりと御指摘も踏まえながらこれからのありようについて考えていきたいと考えております。  そして、予算につきましても、御指摘踏まえて、今後のこの予算の活用という部分において努力をしていきたいと思います。
  33. 大野元裕

    ○大野元裕君 是非よろしくお願いいたします。  防衛大臣にお伺いをさせていただきます。  防衛予算について、厳しい中で、私も大変御苦労をされた予算だろうということはまずもって推察をさせていただきます。そのような中で、表にもさせていただいたんですけれども、私の理解では、防衛予算というのは、国家を守る、国民の命を守る極めて重要なものとして、当然の話ながら戦略があり、そしてそれに対するしっかりとした戦術の組み方があり、そして、さらにはそれが装備品やあるいは人員や様々なものに下りていくものだと私は理解をしております。  自民党政権になって極めて早い時期に、いわゆる二二大綱、防衛の大綱の、平成二十三年以降の防衛の大綱についての二二大綱の廃止をお決めになられました。今回の平成二十五年度の概算要求の下敷きとなる戦略、根拠はどういったものでしょうか。
  34. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 廃止というよりも見直しということで私どもは表現をさせていただいております。特に、昨年の北朝鮮、人工衛星と称するミサイル発射、中国による我が国周辺海空域における活動の急速な拡大、我が国を取り巻く環境というのは二二大綱以降も更に一層厳しくなっていると思っております。  また、米国は国防戦略指針の下に、アジア太平洋地域におけるプレゼンスを強化して、我が国を含む同盟国との連携、協力強化も志向しております。そしてまた、一昨年発生いたしました、北澤前防衛大臣いらっしゃいますが、大変お力いただきました東日本大震災、これも様々な教訓が二二大綱以降、得られていると思っております。  このようなことを踏まえまして、現下の状況に即応して我が国防衛体制強化していくための大綱の見直しということを今回検討させていただきたい、そのように思っております。
  35. 大野元裕

    ○大野元裕君 済みません、どこが根拠かよく分からなかったんですが。  防衛省のホームページを見ると、平成二十五年度の防衛予算の編成の準拠となる方針というのがここにあります。これが恐らく、我々がこれまでやってきた一般論でいうと、二二大綱に基づく中期防衛力整備計画、この要するに柱になる理由のところではないかと推察をいたしますけれども、これ実は中身、表の一覧で、真ん中が、実はほとんど中身は一緒なんですけれども、額は違いますけれども、項目が一緒なんですが、左側の方は二二大綱に基づく中期防衛力整備計画のいわゆる大きな柱のところで、右側のところが今回の二十五年度の防衛予算編成方針の、まさにこれに出てくるものを基本的に全て書き込みました。左側のところは、野田政権のときの概算要求のときにまさにそこから持ってきたものでございます。  私、どこが違うのかよく分からないんですね。実際の問題として、予算要求されているところ、それから書いてあるものも、確かに一部字句が違うものの、例えば周辺海空域の安全確保、それが新しいのでは、周辺における安全確保能力向上ということで同じものを要求をしています。島嶼部に対する攻撃の対応能力。周辺における情報収集警戒監視防空能力。島嶼部のための輸送力機動力防空能力。要するに、中身というか持ってきた根拠自体がほぼ、ないものがない。二二大綱の中期防の整備計画。  要するに、新しいものをここで持ってきて準拠する方針として書く理由というのがちょっとよく分からない。あるいは、見直しをされるのであれば、もしかすると一六大綱に基づくということなんでしょうか。ちょっとそこのところを御説明いただけないでしょうか。
  36. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 先ほどお話ししましたように、二二大綱以降様々な安全保障環境が変わっているということの中で、私ども、そういうことで今回対応を検討させていただいております。  そして、これは大野委員の方でまとめられていただいた、そういう資料だと思いますが、具体的に、私ども、平成二十五年度、今御審議いただいております予算におきましては、例えば昨年九月の概算要求の時点から加えまして、南西地域警戒監視等のための自衛官の充足、あるいはE767、E2Cの運用拡大を支えるための燃料、部品等の確保、あるいは警戒監視態勢強化のためのレーダー更新の追加、それから災害対処拠点となるような駐屯地の耐震改修、このような予算を追加をさせていただいております。その中で現下の様々な危機に関して対応させていただきたい、そのように思っております。
  37. 大野元裕

    ○大野元裕君 指摘しているのは考え方の問題でございます。戦略なき予算というのが、私は海外に見られることは決して日本にとってもいいことではないということを申し上げているわけでございます。もちろん、見直しした後のそれについてはまた別な話だと思いますけれども、そこについては是非。  時間がないのでちょっと別なことをお伺いしたいんですが、今、人員の充足の話もございましたが、給与の問題がございます。今日は佐藤政務官にお越しをいただいておりますので、是非お伺いをしたいんですけれども、例の公務員の人件費七・八%、これは自衛官には適用しませんというような発言をされたり、私自身佐藤政務官から直接スピーチとして、昨年十一月、青森でお聞きをしましたが、民主党政権下で自衛隊員の給与が下がったのは問題だと、自民党になったら必ず上げる、約束しますとおっしゃっておられました。今回の予算の中に自衛官の給与の増はどこに含まれているのか、教えていただきたいと思います。
  38. 佐藤正久

    大臣政務官佐藤正久君) お答えいたします。  自衛隊員の給与削減、復興財源に対して自衛隊員の給与の七・八%分を充当するということについては、自民党の方ではこれは問題点を指摘させていただき、当時の政府・民主党の提案の二年というものを半年間、自衛隊員は特別扱いをする、削減を猶予するということをさせていただきました。  それについて、私がその発言の中で、自民党になったら必ず上げるといったスピーチをしたというのは認識のちょっと違うような感じがします。現在の法案というのは時限立法でありまして、来年の三月三十一日まで暫定的に削減するというもので、これ自動的にあります。  これは委員会ですので正確な議論をやりたいと思っております。昨年の十一月、青森の方には私は当時の大野大臣政務官とは一緒に行っておりません。いつの時点の話、ここは国会ですので、昨年の十一月に青森、それは多分違うと。私は十一月は青森の式典には行っておりませんので、あやふやな記憶で議論するというのは余りよくないと思いますので、そこは正確にお願いしたいと思います。
  39. 大野元裕

    ○大野元裕君 失礼しました。青森ではなくて北海道の駐屯地でございます。そこでおっしゃったと思います。  要するに、時限立法なので終わったら給料上がると、そういう理解なのでしょうか。
  40. 佐藤正久

    大臣政務官佐藤正久君) 私がそこで言ったのは、五点言わせていただいたと思っています。  一つは、今回、任務あるいは活動範囲が広がっている、即応態勢が高まっている。その一方で、予算は増えず、あるいは人員が減っている、これが一点。  二点目、これは、予算については二十五年度の概算要求、これは二十四年度を比べても要求段階からマイナスだと、これが二点目。  三点目、自衛隊員の定数削減については当時の政府・民主党の方から削減法案が出ておりますが、これは参議院の方で、今我々は反対なので、自民党は反対でそれを止めている、これが三点目。  四点目として、今言った給与削減については、我々は、これは二年間丸々削減というのはおかしいということで、一年を要求し、結果として半年間のものになったと。  そこで言ったことは、一般公務員と自衛隊員との違い、いざというときに国家国民のために命を懸けて任務を遂行する自衛隊員と一般公務員の違いという、この部分については国会で正々堂々と議論をするということを五点として言わせていただいたというふうに記憶しています。
  41. 大野元裕

    ○大野元裕君 いや、その理由はおっしゃっていました。理由もおっしゃった上で、必ず上げます、約束しますとおっしゃっていたので、したがって、どこに書いてあるんですかというのを私はお伺いをしたわけでありますが、どこら辺で、済みません、自衛隊の給与は上がったのか教えていただけますか。
  42. 佐藤正久

    大臣政務官佐藤正久君) 私の記憶では、そこで自衛隊員の給与を上げるというふうに言った記憶はございません。私も、自衛隊員の給与、元自衛官ですから、これは人事院勧告に基づいて給与が今の場合は算定されると分かっておりますので。  上げるということを言ったわけではなくて、あのとき言ったのは、今言ったように、一般公務員と自衛隊員との違いというものをしっかりとこれは国会で議論をするということを申し上げて、当時自民党の衆議院の政権公約の一つとして、自衛隊員の数と予算を上げますというふうに公約をし、選挙を戦い、勝利をしたと。その後でということで、その後、防衛大臣の下でいろいろ努力をさせていただいて、自衛隊員の予算については十一年ぶりに増額、隊員については二十年ぶりに増員、そして事務官については十八年ぶりに約三百名の査定をさせていただいたということですので、隊員の給与については……
  43. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) もう時間が来ておりますので。
  44. 佐藤正久

    大臣政務官佐藤正久君) はい。  給与については、当然、今時限立法ですから、その後、三月三十一日までにまた新たな法律が出れば別ですけれども……
  45. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 答弁をまとめていただいて。
  46. 佐藤正久

    大臣政務官佐藤正久君) 基本的にはそれは元に戻るということだと思っています。
  47. 大野元裕

    ○大野元裕君 時間がないのでこれで終わりますけれども、給与増について私は言ったと。白副大臣も当時おられましたけれども、当時の副大臣もおられましたけれども、私はしっかりと聞いてはおりました。これをここで言ってもほとんど無駄な議論なので、そこはやめておきますが。  佐藤政務官は元自衛官として自衛官の方々に大変期待をされておられますので、その辺りについては、私は選挙のためとは思いたくないですけれども、是非そういったリップサービス等で終わるような政務官であってほしくはないし、そうじゃない人だと私は信じておりますので、是非そこのところは、平成十六年の大綱以降、毎年二千人ずつ減らしてきた自民党でございますので、しっかりとそこをリカバーしていただくということをお約束をいただきたいと思います。  以上で質問を終わります。
  48. 荒木清寛

    荒木清寛君 まず、外務大臣外交実施体制抜本的強化ということについてお尋ねします。  二十五年度予算では、南スーダンとアイスランドに大使館の実館が設置をされます。かつて自公政権時代に打ち出しました百五十大使館体制について、今後その実現を目指していくのか。新年度は南スーダンとアイスランドでありますので、二十六年度以降に向けて具体的にどのような方針でこの大使館体制強化をしていくのか、お尋ねします。
  49. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 我が国在外公館ですが、我が国の国益を実現する拠点として様々な機能を有しており、その役割、誠に大きいものがあると認識をしております。  在外公館の新設に際しましては、二国間の貿易投資ですとか、在留邦人数、進出企業数といった指標、その時々の国際情勢等を注視しながら、政治経済上の利益など様々な要素を勘案しつつ、総合的に判断をしているところです。  そして、今後の大使館の整備体制についてですが、平成十八年に設置されました、自民党そして公明党、それぞれの政党において設置されました外交強化に関する特命委員会の下でこの百五十大使館体制という体制が提言されております。これを踏まえまして、提言で重点期間とされました平成十九年度から二十一年度にかけて十六の大使館が新設されたと承知しておりますが、今後の在外公館整備目標につきましては、政府全体の財政状況、そして主要国の設置状況を踏まえまして、是非近いうちに新たな目標を設置したいと我々は考えております。    〔委員長退席、理事柳田稔君着席〕
  50. 荒木清寛

    荒木清寛君 次に、在外邦人の安全確保について同じく外務大臣にお尋ねします。  アルジェリア人質事件を受けまして、与党PTでも提言をいたしました。また、先般は政府の有識者懇談会が四月二十六日に提言をしたわけでありまして、二つの提言をしっかり受け止めて実施をしていただきたい、このように思います。  特に、直近の有識者懇談会の提言を見ますと、今直ちに実施可能又は実施すべきことということで、海外で行うこととしましては、一言で言うと駐在企業と政府の情報共有システムの確立等がうたわれております。また、日本国内で行うことということについては、特に平素からの安全対策、テロ対策、危機管理に関する研修、訓練は重要である、こういう指摘があります。  ふだん訓練をしていないことが危機状況ですっとできるわけないわけですから、官民を通して、やはり出ていく前にそういう訓練なり研修をするということは大事だと私は考えます。こうした点について二十五年度予算等でどう対応するのか、大臣にお尋ねします。
  51. 松山政司

    ○副大臣松山政司君) お答えいたします。  外務省としましては、四月二十六日に有識者懇談会より提出をされました報告書による提言に基づきまして、また、検証委員会報告書、与党の在外邦人の安全確保に関するPTの報告書、また、外務省の対策チームによる検討、これも踏まえて、直ちに実施することが可能な措置を迅速に実際の施策に生かしていきたいというふうに考えております。  また、御指摘の官民の情報共有システムの確立でございますが、これは在アルジェリア邦人に対するテロ事件以降、安全対策連絡協議会の拡充強化、海外の安全官民協力会議、そして既存の官民協力体制の活性化などに既に取り組んでいるところでございます。今後は、緊急事態発生時の安否の確認、渡航情報の情報の発信の強化、また在留邦人情報の一層の把握に取り組んでいきたいと思っております。    〔理事柳田稔君退席、委員長着席〕  中長期的に検討すべきことの一つとして挙げられています在外公館の警備体制強化でございますが、治安関連の情報収集体制の充実と、邦人避難の最後の手段としての在外公館の警備体制、この強化に取り組んでいく考えでございます。その他の中長期に検討すべきことにつきましては、報告書の提言も踏まえて、実施に向けて引き続き準備、検討を迅速に進めることとしたいと思います。
  52. 荒木清寛

    荒木清寛君 今言及はありませんでしたが、国内での官民の危機管理に関する訓練の充実もしっかりやっていただきたい、このように思います。  次に、外務大臣中小企業海外展開支援についてお尋ねします。  前政権下ではございますが、昨年度、ODAを活用した中小企業の海外支援事業が新たに始まったことは大変評価をしておりますし、倍率も高かったと、このように聞いております。  そこで、昨年度の事業の実施状況課題についてどう大臣評価しているかお尋ねしますし、今年度も含めて、今後この中小企業の海外支援の充実、特にODAを活用した支援策をどう充実していくのか、お尋ねします。
  53. 松山政司

    ○副大臣松山政司君) 御指摘のとおり、昨年度よりこのODAを活用した中小企業海外展開を積極的に後押しをしています。  中小企業による途上国での調査支援、また無償資金協力による途上国政府への中小企業の製品の供与、また民間連携ボランティア制度を活用した中小企業途上国における人脈形成支援等の事業を行っています。特に、中小企業による調査支援につきましては、三倍以上の応募から選ばれた企業によってアジアの途上国を中心に四十二件のODA案件化の可能性調査が行われております。現地の商工会議所及び参加企業からは、中小企業単独では会えないような政府要人に自社製品を直接PRできたということで大変高い評価をいただいておりまして、更に拡充してほしいという要求も来ているところでございます。  今後こうした調査結果をODA案件化としていろいろやってほしいという強い要望が参加企業を中心に寄せられておりますので、この期待にこたえるために、今年度政府予算案の中に中小企業が自社の製品を活用して技術協力を行うための予算二十億円を新たに計上をさせていただいているところでございます。国会の御承認をいただければ、こうした予算も活用して中小企業の期待にこたえていく予定でございまして、是非とも国会の御承認をお願いしたいというふうに思います。
  54. 荒木清寛

    荒木清寛君 次に、同じく外務大臣にミレニアム開発目標についてお尋ねします。  これはMDGsと言うそうですが、二〇一五年までの国際開発目標ということで、貧困削減を始め八つの目標、二十一のターゲット、六十の指標ということで取り組んでいる最中であります。一定の成果は上げておりますが、しかしまだ残された課題は大きいと承知をしております。  そして、日本もこのMDGsについては積極的に関与してきたわけでありますが、ポストミレニアム開発目標について、どう我が国がリーダーシップを取ってこの目標を作り推進をしていくのか、大臣の決意を伺います。
  55. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘のポストMDGsですが、この策定は今後の国際協力の在り方に影響を与える大きな議論だと認識をしております。  我が国は二〇一一年にコンタクトグループを立ち上げ、主要関心国、機関、あるいは財団、市民社会、研究者等とコンタクトグループを通じまして実質的な議論を主導してきたという経緯があります。また、国連総会、IMF・世銀総会東京会合の際にも関連イベントを主導させていただきました。このような日本のリーダーシップは国際社会から高く評価されていると認識をしております。  現在、国連事務総長が立ち上げたポスト二〇一五年開発目標に関するハイレベルパネルというパネルが存在しますが、今月末の報告書作成に向けた議論を現在行っております。今後、様々な形で国連加盟国間の議論が本格化していく見込みであります。  我が国は、その中にありまして、人間安全保障の理念に基づく効果的なポストMDGsの策定を目指しております。その観点からは、例えば保健分野におきましては、全ての人が基礎的な保健医療サービスが受けられるようにするユニバーサル・ヘルス・カバレッジの実現を重視しております。  また、自然災害分野におきましては、個人の生命や生活に直接的な影響を与えることに鑑み、防災をポストMDGsにおいて取り組むべきということを我が国、強く主張をしております。二〇一五年初めに日本で第三回の国連防災世界会議が開催される予定であり、相乗効果を持たせながら議論を是非主導していきたいと考えております。  こうした分野を中心に、ポストMDGsの議論、重視しながら議論をリードしていきたいと考えております。
  56. 荒木清寛

    荒木清寛君 ポストMDGsにつきましては、是非国民も積極的にかかわれるような仕組みを考えてもらいたい、このように思います。国際連帯税というような構想もありますし、あるいはフェアトレードというようなことを推進をしている方もたくさんいらっしゃるわけでありますから、国民も参加できるようなそういう枠組みを是非考えていただきたい、要請しておきます。  防衛大臣に一問だけお尋ねいたします。  新年度予算には次期戦闘機F35A二機の調達の予算も含まれております。これは、F35の取得につきましては武器輸出三原則等の例外とすると、そういう閣議決定で導入することになっております。官房長官談話で例外扱いということになっております。その官房長官談話では、米国政府の一元的な管理の下、部品が目的外使用をされたりユーザー国以外に移転したりしないよう厳格な管理がなされるということが前提になっているわけでありますが、こういう米国が厳格な管理を行うということをどのような形で担保というか確認しているのか、お尋ねします。
  57. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 御指摘ありますように、今回、F35、この取得につきましては、これは取得が不可欠であるということ、これは現在の安全保障環境の中で我が省として判断をさせていただき、現在この取得に向けて予算要求もさせていただいております。その中で今回、官房長官談話ということで発出するということになりました。  今御指摘のありますように、部品の移転については、政府の一元的な管理下の下、そして国連憲章の目的と原則に従う国のみに移転が限定されること、F35ユーザー国以外への移転が厳しく制限されることなど厳格な管理が行われることを前提として、今回、武器輸出三原則等によらないということになりました。  今御指摘のありましたように、このことについての確認については、私ども、米国側としっかりとした今回、対応を協議をさせていただいておりますし、また累次にわたり日本の立場というのは米側に説明をさせていただいております。先般会談いたしましたヘーゲル国防長官においても、このF35について話題を上げ、私の方から日本対応について説明をさせていただきました。
  58. 荒木清寛

    荒木清寛君 終わります。
  59. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。    午後零時七分休憩      ─────・─────    午後一時開会
  60. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) ただいまから外交防衛委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、平成二十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  61. 小野次郎

    小野次郎君 みんなの党の小野次郎です。  昨日質問通告したときとちょっと質問の順番を今朝変えましたので、警察庁の方、お見えになっていると思いますが、冒頭、一問だけ警察庁に質問させていただいて、その後、予定の質問に入りたいと思いますが。  アルジェリアの事件の後、グアム島でも邦人旅行者の犯罪被害が発生しました。みんなの党は、犯罪被害者給付制度を海外の日本人被害者にも適用拡大する法案を既に準備しました。各党に今御相談に回っているところですが、与野党を超えてほとんどの政党が趣旨には賛同だという意向を示しておられます。  政府としても海外での事件被害者に適用されるような法改正を検討しているやに聞いておりますが、問題は、閣法としての法案提出の時間的なめどをお伺いしたいと思います。
  62. 鈴木基久

    政府参考人鈴木基久君) お答え申し上げます。  犯罪被害者に対する経済支援については、私どもといたしましても極めて重要な課題であると認識しております。  現在、第二次犯罪被害者基本計画に基づき設置されております有識者等の検討会において、犯罪被害給付制度の拡充及び新たな制度の創設について検討が行われているところでございます。当該検討会においては、本年秋ごろに中間取りまとめを行う予定であり、そして本年度内を目途に結論を出すこととされておるところでございまして、政府といたしましては、その結論を踏まえた対応を行うものと思料しております。
  63. 小野次郎

    小野次郎君 伺っている趣旨は、法案として出てくるのはいつごろですかということなんですけど、今のお話だと、本年度末に出るということは、早くても来年の四月以降でなきゃないということですか。
  64. 鈴木基久

    政府参考人鈴木基久君) 現在、政府といたしましては、検討会において検討をしておるところでございます。  今ほど答弁申し上げたとおり、検討会の日程として確定しておりますのは、本年度内を目途に結論を出すということにされておるということでございます。
  65. 小野次郎

    小野次郎君 了解したとかしないとかじゃなくて、承りましたので、それで分かりました。  じゃ、警察庁はこの一問ですので、どうぞ、もしあれであれば。
  66. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 鈴木審議官、退席いただいて結構です。
  67. 小野次郎

    小野次郎君 今日は委嘱審査ではありますけれども、外務大臣防衛大臣質問できるという機会でございますので、日ごろお伺いしたいと思っていることを直截に質問させていただきます。日ごろから両大臣小野寺大臣岸田大臣、それぞれ極めて堅実に国務大臣の大任をお務めになっているというふうに私は認識しておりますけれども、なおその上で二、三お聞きしたいことを質問させていただきたいと思います。  まず、防衛大臣の方からなんですが、例の射撃管制レーダー照射事件、一月にございました。十九日と三十日と二つの事案があったので、質問の中で第一事案とか第二事案と申し上げますが、十九日と三十日という理解でございますけれども。最初、いわゆる艦載のヘリコプターに照射された事件、十九日の事件、そして三十日には、たしかイージス艦ですか、護衛艦に対して照射されたと、二度あるわけですが、それぞれについて、照射されたと少なくとも我が方の自衛隊員が認識したときに、現場部隊ではどのような危険回避なり、あるいは、当然これは軍事力でもあるわけですから、一定の場合によっては反撃の態勢を取るということもあると思うんですが、そういった危険回避なり反撃準備の行動に移ったのか。二度の、十九日の事案、三十日の事案についてそれぞれ御説明いただきたいと思います。
  68. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) ただいま御指摘の二つの事案につきまして、護衛艦あるいは我が方のヘリが具体的に現場でどのような対応を取ったかと。その詳細を明らかにしますと、これは言わば手のうちを明らかにすることになりますので、お答えできる範囲に限界があるということを是非御理解をいただきたいわけですが、一般論として、こういう形で火器管制レーダーの照射を受けるということになりますと、護衛艦におきましてもあるいは艦載ヘリにおきましても、相手方の状況を注意深く監視をしながらいわゆる安全を確保するための退避行動を取るというのが一般的な手順でございます。  そういう意味でいいますと、今回の事案におきましても、その種の一連の動作をヘリにつきましても護衛艦につきましても適切に行ったということでございます。
  69. 小野次郎

    小野次郎君 一つは、じゃ、退避行動というおっしゃられ方だとすると、別に、いわゆる一般的な意味の反撃に移る準備というようなことではなくて、むしろ危険から回避するという、退避するという趣旨の行動だけだったということですか。
  70. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) 具体的に申しますと、まさに回避、退避ということでございますので、針路を変えて距離を取るということでございます。
  71. 小野次郎

    小野次郎君 ヘリコプターについては数名の乗員だろうと思います。護衛艦についてはかなりの乗員も乗っておられると思うんですが、もうちょっと、別に国防上の機微なところを話せと言っているんじゃないんですけれども、艦内ではどういう動きになったんですか、全艦員に対してどういう動きを取らせたんですか。
  72. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) 今御指摘のように、ヘリにつきましては数人、護衛艦につきましては約二百名乗員がおるわけですけれども、これは、艦内あるいはヘリの機上におきましてレーダーの照射といったものを機械的に感知をいたしまして、それを警報等で艦内あるいは機内で共有されることになります。これを受けまして、艦長あるいは機長の命令を受けて、先ほど私が申し上げたような行動を取るということでございます。  また、これはこれまでも国会の場等でも御質問ございましたけれども、その際にもお答えをいたしておりますが、当然のことながら、現場では非常に高い緊張感が走ったということを聞いてございます。その中でも、先ほど申し上げましたように、きちんとした退避のための行動が取れたということでございます。
  73. 小野次郎

    小野次郎君 その警報というのは、いろいろ火災発生とかいろんな種類の警報が多分隊内で決めているんだと思いますが、レーダー照射だということが乗っていた艦員全体に分かるような内容のものなんですか。
  74. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) ヘリの場合と護衛艦の場合とでそれはもちろん搭載しているものに違いはございますけれども、護衛艦につきましては、これは指揮を執る者が分かるという形で認識ができる、そういうものでございます。
  75. 小野次郎

    小野次郎君 指揮を執る者というのは、各部署の責任者は分かるということですか。
  76. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) 操艦あるいは武器の使用等について責任を有する幹部は認識ができると、そういうものでございます。
  77. 小野次郎

    小野次郎君 それでは、伺えば伺うほど、やはり艦内の緊張というのは、緊張というのか、ある意味では不安、恐怖と言ってもいいかもしれません、それに対して別に逃げたわけじゃなくてきちんと対応を取ったということだと思いますから、それにしても高度の緊張が走ったわけですね、二百名以上の方について。  その一月三十日の事案がどうして六日も報告が遅れたのか、もう一度改めてお伺いしたいと思います。
  78. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) まず、第一の事案の一月十九日の事案につきましては、疑わしい、これは火器管制レーダーの照射を受けたのではないかという、そういう事案の発生を受けまして、この件につきましては防衛大臣及び総理に直ちに報告を行ったわけですけれども、その後更に詳細な分析を行った結果、中国の海軍艦艇からレーダーの照射を受けたという可能性は高いと、ただし、それが対外的に正当性を持って主張するというそれだけ十分な材料があるかというところに、ここは必ずしも十分ではないんではないかということで慎重を期すという必要があったわけでございます。  そのために、防衛大臣から私に対しまして、十九日の事案の後に、今後このような疑いのある事案が発生した場合には、事柄の性質上重大な影響を与えるものであるということで、まずは詳細な分析をしっかり行うべしという指示をいただいたということでございます。
  79. 小野次郎

    小野次郎君 事件は現場で起きているんだという言葉がありますけれども、今の話というのは、フォーレンジックというか、何かを立証するという手順としては慎重に行うのは分からないわけではないですけれども、現場でこういう大変緊張が走っているということについて、詳細に分析を行うために二度目のときは数日掛かったということですけど、この詳細な分析を行うようにというのは、総理又は防衛大臣から第一事案の報告の際に受けた指示なんですか。
  80. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) 先ほどお答え申し上げたとおり、第一の事案が起きまして、その後報告をし、さらに、その内容が必ずしも相手方に申入れを行うというに足るものではないという結果が判明した後に防衛大臣から私が指示を受けたと、そういうことでございます。
  81. 小野次郎

    小野次郎君 私は、現場の指揮官なり現場の乗組員からすれば、こういう仕組みを聞くと上層部に対して不安があると思いますよ。現場がこれだけの対応を取った、取らざるを得ない事態になったのに、そのことが自衛隊を統括している大臣とか総理大臣のところに何日も上がっていないというのはやっぱり不正常なんじゃないですか。
  82. 黒江哲郎

    政府参考人(黒江哲郎君) 先ほどもお答え申し上げましたけれども、そのこと自体、火器管制レーダーの照射を受けるということ自体が極めて特異な事情でございます。この点につきまして、万が一にもそれが火器管制レーダーの照射ではなかったということがあってはいけないということもこれは大変重要な要素であろうというふうに考えてございます。その点を踏まえて防衛大臣から指示があったというふうに私は認識をしております。
  83. 小野次郎

    小野次郎君 今後ということだけでは済まされませんけど、今度またこういうことがあったときもやっぱり六日間掛かるということですか。
  84. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 当時のことを改めてお話をさせていただきますと、一月十九日報告があった中、私もこれは大変重要な事案だとは思いました。そして、第一報ということで総理にはお伝えをさせていただきました。ただ、その後、じゃ、これを外交的にまず抗議を行うということに当たって、正直言って初めての私にとっても事案でありますし、防衛省にとっても過去このような公表するような事案がないということでありましたので、それは明確に特定の相手国、どの船ということが当然想定されるわけですから、しっかりとした根拠、それを示すことができるかということで省内で相談をした中で、やはり明確な証拠ということをしっかり取れるような状況では当然ヘリコプターですからなかったということでありますので、そのことを、しっかりとしたことを対応してほしいと私の方から局長の方にはお話をさせていただきました。  そこで、局長の方がそれを非常に重く感じて、恐らく三十日、事案が発生した段階で、このときにはしっかりとした証拠を取ることができました。そして、その証拠はあくまでも分析をして初めて証拠ということになるわけですから、証拠として分析をする、その分析の本部は実は横須賀の方にございます。その専門の部隊に情報を持ってくるまでの間、実は事案が発生した場所というのはかなり遠隔地にありましたので、当然そこに輸送の部分で対応するために艦船を向かわせ、そして艦船からデータを受け取り、また艦船から持ち帰り、そして沖縄から空輸をして横須賀の部隊で分析をするということに五日ほど多分掛かったんだと思います。その日程の中でどうしても私どもの方に来た報告が遅くなったということでありまして、この一連の流れについては国会で何度かお話をさせていただく中で、やはりまず第一報をきちっと政治レベルに上げるべきではないかという御指摘もいただきました。  総理からの指示もありまして、今は徹底して、万が一このような疑わしい事案があったとしても、速やかに政治レベルに上げて私どもの判断を聞くようにということで指示をさせていただいております。
  85. 小野次郎

    小野次郎君 判断まで受けなくてもいいかもしれませんけれども、耳に入っておくことは必要だと思いますよ。普通、我々の一般社会で言っても、例えば一一〇番が掛かった、パトカーが飛んでいく。一一九番が掛かった、救急車が飛んでいく。だけど、ほとんどの事案はそんなシリアスな問題でないことが多いんですよ。だからといって報告しないで済むものではないですよね。例えば、火災報知機が鳴った、鳴ったけど原因が分からないから原因が分かるまでは報告しないなんというので済まないですよ、それは。だって、二百人の方が危険回避の行動を取っているわけですから、一線で。それはやっぱり小野寺大臣の手となり足となるような思いで隊員のことを考えなければ、理由が分からないから上げないというのは非常に反省すべきだと私は指摘させていただきます。  そして、二月五日になって、この防衛省自身からいただいたペーパーを見ると、四時に大臣から総理報告、そして五時半から六時二十分ごろに外交チャネルで中国側に申入れして、七時ごろ公表。これ僕、テレビでも見ました。大臣が何かロビーのようなぶら下がり形式でやっていますけど、どうして国民への広報の方が外交ルートを通じての中国への抗議よりも後なんですか。そこの理由がよく分からない。
  86. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) まず、このような事案が発生した中で、私どもとしては、通常、まず相手国に対してこういうことがありましたということで通告をして、そしてその後、通告が終わった後直ちに公表ということが手順として適当と判断をさせていただきました。  そこの時間は私ども極力短くさせていただきたいと思いまして、あの当日は夕方に報告があった中で、総理と御相談をし、公表すべしと。ただ、その前提としては、やはりまず中国側に、このようなことが起きていると、これは大変けしからぬということで、在京の大使、そしてその後北京においても抗議をさせていただき、その抗議が終了したことをもって速やかに公表させていただいたという手順にさせていただきました。
  87. 小野次郎

    小野次郎君 私はその手順についても、外務省は従来どちらかといえば外と先にやって国内の方はその経過を説明するみたいな感じでいますけど、やはりこういう問題、次に触れていく問題にもありますけど、国内のやはり認識なり理解なり支援というのをベースに外に向かっていくという姿勢でなければならないんじゃないかと私は思います。  質問の聞き方変えますけれども、この十九日の事案に対して、直ちに公表とか中国に対して抗議などの対応を取らないままおいたことが、この三十日事案、これは我々が望んだことではないですけど、結果としてこういう事案をまた招来してしまったという可能性はないですか。
  88. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 十九日の事案、この発生があった報告を受けたときには、私自身もそうですし、恐らく防衛省の中でも、そのようなことが本当にあるのかということで緊張もしましたし、また、万々が一、例えば様々な機材、当然ヘリコプターに積んでいる警報機材について、本当にしっかりと作動した内容なのかどうか、そういうことを、ある面ではよほど確信をした上ではないとこれは国際問題に発展する事案にもなりますので、そういう確認の上に確認、慎重の上に慎重、そのことを取らせていただきました。  これは累次、国会でも、また小野委員からも御指摘をいただいておりますが、例えば何度か同じような過去事例があって、対外的に公表するような事例があって、そして今回起きたことがそのことと同じようなことだということで、ある面で確信が持てるような事案であれば、それは速やかに対外的に抗議をし公表するということも選択肢ではあったと思うんですが、極めてまれな事案であっただけに、私どもとしては対外的に抗議をし、国際的にも日本の主張が明確にお話ができるような、そのような十分なデータ、それを取り得たかといいますと、当時の照射を受けた対象は艦船搭載用のヘリコプターでありますので、そのような装置を十分には持っていないということがありましたので、私どもとしては、その時点では判断というのは、やはりしっかりとしたデータを取るということが大切だということに対応させていただいたんだということであります。
  89. 小野次郎

    小野次郎君 言うまでもないことですけど、別に中国の船だけではなくて、ほかの周辺国もそうですけど、海でも空でも日常起きていることは、どれぐらいのレスポンスタイムというんですかね、日本側の反応があるかということを多分偶然ではなくて常に相手もまた見ているんだと思うんですね。反応がないとなれば、もうちょっと奥まで入ろうかと、あるいはもうちょっと目立つ行為を取ろうかとなってくるんで、そういう意味では、十九日の事案に対して少なくても外向けにアクション取ってないというのは、やはりまた私は問題だったんじゃないかなと、反省すべき点ではないかというふうに思います。  今、防衛大臣、二度ほどおっしゃいました。明確な証拠とかおっしゃいましたけれども、実は中国側は、当初は一言で言えば知らないというふうに中国の外務当局は言っていましたけど、次第に、そういう事実はないんだと、火器管制レーダーを照射したという事実はないというふうな論調に変わってきたと私は理解していますが、日本側が照射事実を公表しておきながら、中国側がそんな事実ないというふうに反論してきたときに、エビデンスを明らかにできると最初たしか報道では伝えられたのが、明らかにされないままに放置されているのはどういう理由なんですか。
  90. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) こういう情報収集で得たデータというのは、公表するかどうかは検討するというのが当時からの一貫した内容でありました。  そして、検討する中で、当然国際的な世論の動き、それを私どもは注視をしておりました。諸外国それぞれ反応していただき、例えば米国の国務省の報道官は、これは日本の主張ということを明確に対応して、二月五日には地域の平和、安定及び経済成長を台なしにしかねないという内容をお話ししておりますし、また二月十一日には、我々は同盟国日本から説明を受け、同事案が実際に発生していると納得するに至ったというようなお話がございます。また、その後累次、様々対外的な会議で私がこの話を持ちかけると、対外的には日本の主張が正しいということで理解を得ていただいております。  また、中国側も当時は様々な反論をした時期もありましたが、その後この話についてはほとんど中国側から何か発言があるということもないというふうに思っておりますし、現時点で日本の主張というのは、これは国際社会の中でしっかりと受け止めていただいていると思っておりますので、あえてこの時点で更に私どもの手のうちを明らかにするような対応は必要はないんではないかと現在では感じております。
  91. 小野次郎

    小野次郎君 現在ではっておっしゃったんで、当初はちょっと違ったんじゃないかと私は思いますが。  だけど、大臣、これは外務大臣質問した方がいいかもしれませんが、前の尖閣諸島で中国船長がぶつかってきた事件のときも私は当時の内閣にも大分同じことを言ったんですけれども、日本国民が確実に確信を持って我が方の主張が正しいんだというふうに、信頼というんですか、持てないと外交は成り立たないと思うんですよね。  外交チャネルでとか国際会議の場でどうだというのではなくて、やっぱり日本人にしてみれば、最初はそうだと思っていたけど、だんだん相手は事実無根だと言い出して、その証拠が出るかという話になっていたら、検討のまま、出ないままになってしまって、そうすると、十何億の中国人の方は中国政府が言っているやつをそのまま報道になり、こちら側は最初の公表の部分だけを聞いているということになったんじゃ、今になってみて五分五分だなというふうになってしまうんじゃないですか、その思いが。そこが僕は一番、外交の基本は、まず国内の国民に公表して理解を求めて、それをバックにして外交をするんじゃないと、日本人の方がどっちだったんだろうというんでは済まないんじゃないかということをお伺いしたいんですけれども。
  92. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 御指摘のように、外交を進めるに当たって国民の理解、また国民の議論、大変重要だということ、強く認識をしております。様々な政策を進める上においても、そして国際的に発言するに当たっても、国民の理解、後押し、大変重要だと認識をしております。  外交において、国と国同士の様々な交渉、もちろん重要でありますが、パブリックディプロマシーというような考え方、国民レベルで働きかける、こうした外交のありよう、これも重要と感じます。そういった点からも、国民の理解を得つつ外交を進める、こうした丁寧な取組が求められると我々も感じております。
  93. 小野次郎

    小野次郎君 話題を変えますが、PM二・五の大気汚染の問題ですけれども、中国国内でも大きな被害が出ているようです。我が方は大気、昔の公害と言ったんですね、公害の経験もありますし、最先端のそういった発生防止、観測の技術も持っているわけですけれども、さっきの話題みたいなことも日中間にありますけれども、同時にまた日中間で協力できる分野もあるわけで、具体的にこの中国のPM二・五の汚染対策を、先方には発生源防止対策をお願いし、こちらはそれに対する様々な援助を、技術援助をするというような内容の国際協定を締結を提案するお考えはないでしょうか。
  94. 松山政司

    ○副大臣松山政司君) お答えいたします。  最近の中国における深刻な大気汚染については、在留邦人の健康への影響の観点と、また日本環境にも大変大きな影響を与えかねない問題として、政府としても高い関心を持って注視をいたしております。  本件にかかわる日中協力ですが、本年の二月に双方の当局間で意見交換を行いまして、さらに四月にその結果を踏まえて、日中双方の政府関係者、地方自治体、研究機関、そして民間企業の参加する大気汚染セミナーというものを実施をしてまいりまして、中国側とは累次、意思疎通を重ねてきておるところでございます。  また、今月五日から六日でありますが、福岡県で行われました日中韓環境大臣会合におきましても、大気汚染対策を含む環境政策について意見交換を行いまして、新たに大気汚染に関する三か国間の政策対話の設置に合意をしたところでございます。  引き続いて、中国側との話合いを通じて更なる協力の可能性について検討を進めてまいりたいと思っております。なお、日中間には環境保護分野におきまして包括的な協力枠組みを定めた環境保護協力協定というものがございまして、この協定も踏まえて、関係省庁とも連携を取りながら国民の安心が得られるよう引き続き全力で取り組んでまいりたいと思います。
  95. 小野次郎

    小野次郎君 国民の健康って、日本国民のことを今おっしゃったんだと思います。私が言っているのは、それは大事ですよ、言っている趣旨は、中国の大気汚染対策に日本として協力できるんじゃないですかと、PM二・五の対策に日本の方が中国に対して協力できる部分があるんじゃないかと、そういう協定を結ぶつもりはないかということをお伺いしたんですが、今、日中間でいろんなチャネルで協議しておられるというんで、一応今日はそれで承っておきますが、是非具体的に、いい話なんですから提案されてはいいんじゃないかということを引き続き御検討いただきたいと思います。  次の質問に移りますが、これは防衛省お願いします。  集団的自衛権の議論がよく出てくるようになりましたが、私は、米軍と共同行動を取っている場面で米軍側が侵害攻撃を受けた場合には、集団的自衛権の議論でなくても、というか議論でなくて、我が国防衛に必要な範囲で個別的自衛権の行使として我が方が反撃その他必要な対応を取ることが可能なんじゃないかと思うんですが、御見解を賜りたいと思います。
  96. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) お答え申し上げます。  個別具体的にどういう状況の中で全体として何が起きているかということを抜きに、特定の個別の場面だけを切り出して、そこで法的な議論をするというのはなかなか難しいものがございますけれども、あえて法的な一般論として、これまでの政府としての考え方に基づいて御説明をさせていただくと、先生が今おっしゃられた米軍と共同行動を取っている場面で米軍が侵害攻撃を受けたという場合に、そこでのその共同行動というものが一体どういう共同行動なのかということにもそれはよるわけですけれども、ポイントは、米軍の部隊に対する攻撃というものが我が国に対する武力攻撃、我が国に対する急迫不正の侵害と認められるかどうかということでございます。  この点につきましては、これまでの政府としてのかねてよりの考え方として、我が国に対する武力攻撃が発生をしていて、それで我が国が個別的自衛権を発動をしていて米軍と共同行動を取っていると。このような状況の中で、その侵害を加えている、武力攻撃を行っている国の側から、アメリカの、米軍の艦船、来援してきている米軍の艦船に対する攻撃があれば、この侵害を排除するということは我が国の個別的自衛権の行使として認められると、これはかねてよりそういう御答弁はございますが、それ以外のものについてはまさに個別の判断によるということでございまして、通常は難しいものと考えております。
  97. 小野次郎

    小野次郎君 通常は難しいって今言ったんですか。ちょっと最後が聞き取れなかったんですが。
  98. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) まさに我が国に対する武力攻撃と認められるかどうかということでございますので、米軍に対する攻撃というものが我が国に対する攻撃というふうに認められるということは通常は考えられないのではないかということでございます。
  99. 小野次郎

    小野次郎君 私は、だって、元々一般論で、前提で共同行動を取っているときと言っているんですよ。ばらばらに動いているときと言っているんじゃないんですよ。  それで、今局長のおっしゃっている、我が国に対する侵害と認められる場合と認められない場合、共同行動を取っているときに区別できるんですか。
  100. 徳地秀士

    政府参考人(徳地秀士君) そこでの共同行動という言葉の意味感なんだろうというふうに思いますが、繰り返しになりますが、我が国に対する武力攻撃があって、既に我が国が個別的自衛権を発動している場面において、共同行動、その意味で、その共同対処行動を行っている米軍に対する攻撃があったという場合に、その侵害を排除するということは我が国の個別的自衛権の行使として認められると、これは従来から申し上げているところでございます。
  101. 小野次郎

    小野次郎君 最後に一つだけ聞かせてください。  外務大臣、集団的自衛権の行使の問題は別の問題を僕ははらんでいると思うんです。つまり、アメリカの敵は日本の敵というふうに世界規模で、地球上全てのところで取られることになるわけですが、それは、我が方の自衛隊もそういう準備をせず今まで来たと思うし、のみならず、世界中で平和的に活動している我が国一般国民に対する危険も一挙に拡大するというふうに、僕はおそれがあると思うんですけれども、これについての御認識を伺いたいと思います。
  102. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) この集団的自衛権の問題につきましては、御案内のとおり、現在、安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会、安保法制懇と言われている懇談会で議論が行われております。そして、政府として、こうした議論が進む中にあって、懇談会の結論や議論の方向性を予断するような発言は控えなければなりませんし、議論の結論を待ちたいと思いますが、しかし、この懇談会の議論そのものが、日本の安全にとって何が最適なのかをこの懇談会で議論していただいているわけですので、この集団的自衛権の行使についても、今おっしゃったような、我が国の一般国民の危険が増大するような結論を導くということは想定されないのではないか、そうあってはならないというふうに思っております。  是非この懇談会の議論において、我が国の安全にとって何が最適なのか、こういった視点でしっかりとした結論を出していただくよう我々は待ちたいと思いますし、その結論を待って、どう対応するかしっかり検討していきたいと思っています。
  103. 小野次郎

    小野次郎君 ありがとうございました。質問を終わります。
  104. 佐藤公治

    佐藤公治君 生活の党、佐藤公治でございます。  今日、両大臣委員会でお会いするのは初めてでございまして、どうも最初からほかの委員方々みたいにすぐさま質問に移れなくて、前段の部分では、まず、副大臣もいらっしゃいますので、皆様方に御就任のお喜びを申し上げたいと思います。  岸田大臣におきましては、与野党、党は違っていても、同じ広島ということであるのであれば、同じような思いを持ちながら、この国のかじ取りをより良い方向にしていただくことを是非是非お願いを申し上げたいと思います。  質問通告を幾つかさせていただいているんですけれども、今日、参議院にとりまして異常な事態ともいうべき本会議で、川口もう前委員長と言ってよろしいんでしょうか、解任決議ということが可決されたような状況でございます。私も本会議場におりまして、周りのやじがすさまじいんでびっくりするんですね。ちょっと私、メモしてみましたら、視野が狭いとか柔軟性がない、対応できないのか、せせこましい、おまえが言う資格があるのか、国民が笑っている、状況変化に対応できないのか、きゃんきゃんくだらないことを言うな、礼儀に欠ける、もう終わり終わり、こんなやじがそこいらじゅうから飛んでいた解任決議だったと思います。  そこで、岸田外務大臣にお尋ねしたいかと思います。  外務大臣としてというよりも、やはり自民党の大きなグループのしかるべき立場の人間であり、また、大臣になる前までは自民党の中でまとめられていた責任者でもあったかと思います。こういった流れの一連のこと全て御存じだとは思いませんが、なぜこういうことが、わざわざ解任決議を出すような事態が起きているのか、そのそもそも論なんですね。  今日、僕は改めてこの解任決議の趣旨説明を聞いても、間違っていることを言っているとは思えないんですね。そういったことに対して、ちょっと議員としての岸田外務大臣の、党務をいろいろと御経験する中、また議会を長くやられている中、こういったことが起きている元々の本質論というか、問題点というのはどうお思いになられているのか、答えていただけたら有り難いかと思います。  ただ、僕は、今後の、今日の質問でもそうですけれども、もう何か細かいことを知っている、知らないとかそんなことで揚げ足を取って皆さん方と御議論するつもりもございませんので、どうか自分の、やっぱり大臣の皆さん方々の思いを語っていただくことが大事だと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
  105. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 大変重要であり、また答えるのに大変様々な要素が絡んできますので難しい御質問をいただいたと感じていますが、まず外交の立場から申し上げるならば、今我が国の置かれている国際社会における状況考えますときに、様々な外交手段が用いられなければならない。その中にありまして、議員外交というものは大変重要であるということ、これは一般論としてまず一つ感じます。  その一方で、今回の国会におけるこの与野党のやり取りを見ておりまして、こうした問題と併せて、議会における様々な手続とかやり取りがあります。要は、我が国のこの議会制民主主義を守っていくに当たりまして、こうした国会をどう運営していくのか、国会の規則をどう運用していくのか、これは大変大きな課題だと存じます。そうした視点から、国会におきましては、国対あるいは議運の関係者の皆様方がそれぞれのやり取りをされたのだと認識をしております。  その内容につきましては、私の立場からどうこう申し上げることは控えなければならないと存じますが、そうした要素も踏まえながら、議会においていろいろと御努力をされ、議論をされ、そして一つ結論が出た、こうしたことだと認識をしております。
  106. 佐藤公治

    佐藤公治君 大変大事なことをおっしゃられていたかとも思います。  多分、大臣はもう政府の方にいる人間であり、与党とは余り関係ないというか、線を引かれる部分もあるのかもしれませんが、でも私は、事実上この国において政府と与党というのは一体化しているというような前提に立って物を申させていただければ、やはり議会制民主主義において手続とか時間というのはコストでもあると思うんですね、そういう部分がきちっと必要なところ。  私は何が一番言いたいのかというと、そういったことを余りにも暴走したようなやり方を取っていくと、非常にこれからいろんな大事な議論の中で危険な要素が多々あるように思えて、岸田大臣は長く自民党のまとめる、しかるべき立場にいらっしゃった方でもございますので、是非とも私は、今日こうやってこの委員会が実は初めて開かれること自体も、なぜこういうことが起きているのか、やはりもう少し丁寧にきちっとこの立法府、議会の中での在り方をみんな謙虚に、原点に立ち返り考えていく必要性があるんじゃないかと。それは、やはり立場的に言えば、与党・政府方々がより一層謙虚に、やはり原点に立ち返り議会を進めていただくこと。  だって、皆さん、そう思いませんか。この外交防衛委員会、今日、今国会初めて開かれるわけですよね。それが予算委嘱審査ということで、本来ならば委嘱審査、これも時代の流れで大きく変わったのかもしれませんけれども、質問も随分時代の流れとして変わってきた。昔は、皆さん議員の方々が出られると、地元のことを取り上げながらそこにおける予算付けの調整をするなんという場だとも言われておりました。  その点を言えば、岸田大臣がいらっしゃいますので、日本国のこと、世界のことが第一番目です。でも、広島のことも、いろんな外交に関して使える地域的ネタがありますので、そういう意味でフルに使っていただけると僕は信じておりますのでよろしくお願いを申し上げたいとは思いますが、どうかこの今の外交防衛委員会、そして今日の川口委員長の解任決議、何か議会全体、議員がみんなちょっと何か少し勘違いをし始めているのかなという心配をしているところでもあります。  私、こちらに民主党の先生方、みんな座っていらっしゃいます、私も一時期一緒に同志としてやらせていただきました。本当に、前政権政党のときに私が外交防衛委員長もさせていただきましたが、かなり丁寧に一生懸命やっていた。それがために、みんな苦労していた姿を見ていると。もう一回、今の現政権与党の方々におきましては、もう一度原点に立ち返り、謙虚にこの議会の運営、そして政府としての在り方の進め方を少し考えていただきたいかと思いますが、岸田外務大臣、どうですか。
  107. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) ちょっと私の立場から具体的にどうこう申し上げるのは控えなければなりませんが、一般論として、こうした国会の議論、手続について丁寧に進めていくということ、これは大変重要な視点だと私も認識をいたします。
  108. 佐藤公治

    佐藤公治君 済みません、前段階が随分長くなっちゃいまして、そろそろ質問に移らせていただきたいかと思いますけれども。  確かにこの予算委嘱審査、この資料だけでも委員方々御覧になって、膨大な量がありますよね。これを全部一つ一つチェックしながら、たかだか三十分、一時間でこれをどうやっていくのか、非常に僕はいつもいつも頭に疑問を持ちながらさせていただいております。  そういった中で、大枠のところで少しお話を聞きたいんですけれども、ちょっとTPPに関して、少し両大臣に関してお考えなり認識をまずもって聞かせていただければ有り難いと思いますが。  どうも、去年の暮れに総選挙がありました、TPPのことが多少かき消されたような選挙だったとも思いますが、両大臣のまずTPPに関しての、大臣になる前というか選挙前のスタンスと、そして今、現段階でのお考えをどう思われているのか、岸田外務大臣、そして小野寺防衛大臣、お一人お一人に簡単に答えていただけたら有り難いと思います。
  109. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、選挙前におきましては、我々自民党は、聖域なき関税撤廃が前提であるならばTPP交渉には参加しない、これを選挙公約として掲げさせていただきました。そして、あわせて、J—ファイルという書類に、文書におきまして、留意すべき五項目を挙げて選挙に臨んだ、こうしたことでありました。私も、その公約、そしてJ—ファイル、これを念頭に選挙を戦わせていただきました。  そして、その後、選挙が終わりまして、今年の二月、安倍総理が日米首脳会談に臨み、そしてその中で、聖域なき関税撤廃は前提ではないと、全てが交渉で決まるということを確認し、それを初めて文書で確認するということが行われ、交渉参加に向けて議論が進んだということであります。そして、日米間で協議が行われ、また、参加国からの日本の交渉参加への支持の取付け、こういったものが行われ、そして今、作業が進み、七月に向けて日本の交渉参加ができるかどうかが今議論されている、こういった状況にあります。  こうした流れの中で、我が国としては、自由貿易というのは我が国外交の基本であります。経済連携を通じて新たな秩序をつくっていく。そして、こうしたTPPを始めとする経済連携を一つの基盤としながら、更に大きな経済連携、FTAAP等、大きな経済連携にもつなげていく、こうした大きな経済の枠組みを考えていかなければならないというふうに思っていますし、また、こうした基本的な価値観を共有する国々とともにこの地域において新しいルールを作っていくというのは安全保障面からも意義ある取組ではないか、このように思っています。  しかしながら、これはあくまでもこの交渉において国益をしっかり守った上での話であります。この交渉が始まって既に三年たっております。この段階で交渉に入るということ、我が国にとりましては大変厳しい交渉が予想されます。これからが日本外交力、交渉力が問われるところだと感じています。是非、強い交渉力を持って国益を守るべく全力で取り組んでいかなければいけない、このように感じております。
  110. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 私も閣僚になる前、選挙においても例外なき関税撤廃を前提とするTPP交渉にはこれは反対をするということで公約をさせていただき、自分の選挙でもそのことを訴えさせていただきました。その後、安倍総理とオバマ大統領との会談の中で、この例外なき関税撤廃を前提ということがないということが担保されたということでありますので、岸田大臣と同様に今、安倍内閣の一員としてしっかりこの問題に対応することが必要だと思っております。  私自身地元は東北の純農村、漁村地域であります。この問題を大変重視する地元住民の方々がたくさんおります。政府一丸としてしっかりとした交渉力を持って、この問題に国益を最大限高めるように努力していくこと、それが今の内閣で課せられた大きな役割だと思っております。
  111. 佐藤公治

    佐藤公治君 岸田大臣は選挙前には余りTPPのことには触れていませんでしたよね。そうすると今の御説明が、今思われていること、考えていらっしゃることだというふうに思える部分があるんですが。  さあ、小野寺大臣小野寺大臣は選挙前、時間差はあったかもしれませんが、いろいろと過去の記録を見させていただくと、TPP参加交渉に反対しておりますと明確に、集会等々にも出たり、御発言をされております。今のお話からすると随分様変わりをしてしまったようにも思える部分がある、その条件というものがどうなのかということの話合い、深掘りした議論もあるかもしれませんが。  ここにもインターネット上に小野寺大臣のコメント等々が、ちょっと前のことですけれども、出ております。政府が進めようとしている参加交渉には反対しておりますと、明確なお話。その理由は、参加交渉を検討している政府自身がTPPの内容を全く理解していないにもかかわらず、TPP参加がバラ色のようなメリットを日本に与えてくれるがごとく宣伝し、あたかも農業が参加交渉の障壁となっているがごとく扱われているからですみたいなことが書いてございます。つまり、ここに書いてあるということは、前政権政党のときですよね、これは、二〇一一年三月七日というと。
  112. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 済みません。それは何の文書ですか。
  113. 佐藤公治

    佐藤公治君 これは活動報告、TPP参加交渉反対集会、小野寺先生のお話で出ているということなんですけれども、これは、こういったことを言った覚えはございませんか。
  114. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 済みません。その出典は何のところから出ている内容かを教えていただけないでしょうか。
  115. 佐藤公治

    佐藤公治君 小野寺先生の活動報告というのに、こういうのに出ているんですけれども。
  116. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 済みません。質問通告がないのと、それから二〇一一年の三月七日ということですと、三・一一のちょっと前の話ということになるんでしょうか。  佐藤先生に明確にお話をさせていただくと、私は、TPPの問題が突然菅総理からお話が出た後に、たまたま別の公務がありましてワシントンに行きまして、USTRに行って実はお話を聞いた初めての多分議員だと思います。そのときに全く日本側に情報がしっかり入ってこないということを懸念をし、そしてその後、自民党の中でも多くの仲間の議員と、やはりこの内容についてはもっとしっかり明確に通報していただきたいということで活動してまいりました。  恐らく、いろんなところで様々発言をしておりますが、当時、私ども野党という立場でありまして、情報がしっかり入ってこない、そういう中での全体としての動きの中で、私どもとしては、これはすぐに進むことは大変心配であるという中で発言した一環ではないかと思っております。
  117. 佐藤公治

    佐藤公治君 それならそれでいいんですよ。ただ、ここにおっしゃられていることが、大臣がもしも事実だとするんであれば、政府はTPPの内容を全く理解していないというようなことがあったとするのであれば、今の政権は理解をかなりされているのかということにもなるかと思います。  それと同時に、ここで言っていることは、本当に僕、小野寺大臣のこのときの発言を支持したいんですよ、ぐらい、まさに政府がTPP参加交渉に入るのであれば、TPPの内容をしっかり理解し、国民に対してその内容と予想されるであろう全てのメリット、デメリットを説明し、さらに参加交渉に入る前に国を挙げて万全な対策を取る必要がある、これは本当にそのとおりだと思います。  こういうことで言っていくと、大臣がおっしゃられていたことと今の立ち位置といったことが随分様変わりしているように私には見える部分がありますけれども、その辺の様変わりをした理由、そういったことを含めて御説明を少し簡単にいただけますでしょうか。
  118. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今お話がありました、私がUSTRに行って一番初めに驚いたのは、例外なきこれは関税撤廃なんだということ、その前提での説明がありました。これは、私どもの地域に、例えば関心な産業が抱えるその地域にとっては大変重要な問題だと、課題だということを情報として得たものですから、じゃ、これをそのまま当てはめるとこれは例外なき関税撤廃が前提なんだと、そうなれば大きな影響が出る、そういうことで私ども政府に何度もお話をさせていただきました。国会でも多分聞いたこともあるんだと思いますが、その中ではほとんど何の情報も出てこない。そしてまた、例外なき関税撤廃を前提ということがあくまでも前提だということで話が進んでおりました。その中でのお話であります。  私どもとして、今回、自民党として今選挙に向かうに当たり、前回の選挙ですが、やはり例外なき関税撤廃ということは、これは明確に反対をしなければいけない。それがないということを担保した中で、これはやはり外交交渉の中で様々いろんな交渉ができるんだろうということで話を詰め、最終的には選挙の公約ということでまとめさせていただきました。党内としてその方向でまとまったということでありますので、私は選挙でそのことを公約として地元の農業団体にもお話をさせていただきました。私が常に選挙でお話をさせていただいたのは、例外なき関税撤廃を前提とするTPP交渉参加には反対ということであります。
  119. 佐藤公治

    佐藤公治君 いいように取っていけばというような話にもなり得ると思うんですけれども、私は、このころの実は大臣のいろいろと映像も見てみたんですけれども、そのときの思いと、私はこのTPP参加交渉は反対の立場です、だからそれを貫いてもらいたいなというお願いができるかなという思いで今日質問もしているんですけれども、もう閣僚になっちゃった以上しようがないのかなと、また長いものに巻かれちゃっているのかなという気もしないでもない部分もございます。  ただ、そこで僕、大臣、一つ思うことは、先ほど岸田外務大臣がおっしゃった重要な一点があるんですよ。それは安全保障面という観点ということ、こういったことというのは余り出てこない部分があります。  どうですか、防衛大臣、この安全保障面、自衛隊防衛省というところのトップになった御本人として、このTPPと安全保障という観点を、こういう部分を見たときに、考えたときにどういうふうなお考えをお持ちになられますでしょうか。
  120. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今までは議員としての御質問でお答えをさせていただきました。  防衛大臣として、安全保障環境を携わる立場として考えますのは、やはり日米同盟強化、これが日本安全保障の基本のスタンスということになると思います。その強化の中で、これは経済連携だけではない、文化交流、あるいは防衛交流ももとよりありますが、日米関係をより強固にしていくということ、これは大切だと。  そしてまた、今回、安倍総理とオバマ大統領が様々な意見交流、そして日米間の再確認をさせていただいた中で、このTPPの中での例外なき関税撤廃を前提としないということに関しては、私は日米同盟強化の一つの道筋として評価できることだと思っております。
  121. 佐藤公治

    佐藤公治君 この安全保障面という部分も実は非常な大事な視点だと思いますけれども、ただ、本当に大きくかじを切り過ぎていることに私たちは危惧するところがあり、また心配をしています。まさにこれは不平等条約となり得るような私は条約、そういう心配がある上では、今交渉参加といったことは見送るべきだ、するべきではないと。  やはり、まだまだ自分たちの足腰、土台、それは経済外交防衛、全てにおいての土台をもう少しつくり上げ、そして国内の、もう少しやはり国民のいろんな議論や覚悟も踏まえた上で進むべきであり、FTA、EPAを先にどんどん進めること、こういったことによって、経済連携、そしてまた安全保障分野でも、我々の土台をつくり上げていくことが最優先課題じゃないかというふうには私は思っております。  このTPPに関しては、このまま話をしていてもなかなか議論がかみ合わない部分もあり、細かいことは各委員会予算委員会でもされておりますので、これはこれぐらいにさせていただきたいと思いますけれども。  少し外務大臣の方、もう時間が二、三分しかないので、もう何を聞いても中途半端になってしまうかと思いますけれども、防衛大臣、済みません、先ほどからもレーダー照射の件の御質問もございました。質問を一気に飛ばしまして、日中間の偶発的な衝突事故を避けるために、海上連絡メカニズムの構築について、四月二十六日、防衛当局間の協議が開始されたと報道されておりますけれども、こうした危機管理メカニズムの構築は一日も早く構築する必要があると考えておりますが、現在の協議の進捗状況を少しお伺いをし、また、どうやってそれを進めていくのか、お答え願えれば有り難いと思います。
  122. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) 今委員から御指摘ありました四月二十六日、北京におきまして日中防衛当局間における協議を行いました。本協議には、我が国から徳地防衛政策局長ほかが参加し、中国側は関友飛中国国防部外事弁公室主任との間、局長級であります、そして日中の防衛交流地域情勢について幅広い意見交流を行いました。  この中では、当然私どもの方からも、昨年九月の尖閣国有化以降、中国側がずっと応じておりませんでした日中防衛交流、この停滞について前に進め、そして海上連絡メカニズムの運用開始を含む防衛交流の累次の機会を行いましょうということで話をさせていただいたこともございます。そして今、局長級での協議が行われましたので、今後、またこの協議の内容を持ち帰りまして、今省内で検討させていただいていると思っております。  いずれにしても、今回、尖閣は我が国固有の領土で疑いのないことでありますが、この周辺で様々、今緊張感があることも事実でございます。間違った形で衝突事案につながらないように、これは日中の防衛当局でしっかりとした連絡体制を取ることも重要だと思っております。
  123. 佐藤公治

    佐藤公治君 外務大臣にお尋ねいたします。  防衛大臣の方から今いろいろと御答弁がありました。外交はまさにあめとむち、握手とステッキなんてよく言われる部分、でも、そのあめとむちというような言い方をする、これは失礼な言い方もあるかもしれませんが、そこには、前提は、やっぱり太いパイプ、信頼関係があった上で効果を発していくべき外交というのが基本だと思います。  今、中国のことのお話が出ましたけれども、外務大臣としては、この中国とのきちっと信頼関係、あるべきパイプというのが今あり得るのか、今それが断ち切れているのか、これからつくろうとしているのか、どういう御認識でいらっしゃるのか、お答え願えれば有り難いと思います。
  124. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、日中関係我が国にとりまして最も大切な二国間関係のうちの一つであります。世界第二と第三の経済大国との関係が安定しているということは、両国民にとって利益であるばかりではなくして、アジア太平洋地域、この地域の平和と繁栄にもかかわる大変重要な課題だと思っています。両国はその責任を担っているわけですので、是非大局的な見地から、戦略的互恵関係の原点に戻ってしっかりと冷静に対応していかなければいけない、このように思っています。  そして、この両国間のパイプにつきましては、この大切な二国間関係、しっかりと意思疎通を図るということ、対話をすることの重要性、これは当然のことでありまして、まず基本的な姿勢としましては、我が国はこの対話のドアはいつもオープンであるということ、これは安倍総理を始め、再三繰り返しているところです。  現実におきましては、防衛、あるいは日中韓FTA交渉等、事務的な交渉は当然存在するわけですし、また先日は環境大臣会合、三国間で行われる、こうした個別のテーマを通じては様々な意思疎通は図っているところでありますし、そして、それ以外にも様々なレベルでこうした意思疎通を図るべく努力をしているのが現実ですが、残念ながらまだ、こうした個別のテーマは別としまして、この両国間において大きな関心事等も含めて政治レベルでのしっかりとした対話にまでは至っていない、これが現実であります。  是非、様々な課題、個別の意思疎通、パイプをしっかり積み上げながら、しっかりとした政治レベルでの対話につなげていくべく更なる努力をしていかなければいけない、このように感じております。
  125. 佐藤公治

    佐藤公治君 今いろいろと外務大臣はお述べになりましたけれども、やはり本当に、しょせんお互い人間同士、そこにおける信頼関係というのは時間が掛かるものであり、そういったことにも今後配慮しながら是非ともいい関係構築をしていただけたらと思いますけれども、今もう目の前にいろんな危機が迫っております。  その意味で、先ほど、話を戻します。本当に今、議会も政府・与党も全てが何かこう乱暴に物を進めているような状況に私は見えて、そうならないように丁寧に、そしてきちっと議論を積み重ね、手続を取り、時間が多少掛かることは民主主義のコストでございますので、そこのところを原点に立ち返りながら謙虚に物を進めていただきますことをお願い申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  126. 山内徳信

    ○山内徳信君 今、日本国民の目は、尖閣列島をめぐる中国の動き、台湾の動き、そしてその動きに対して、尖閣は日本固有の領土であると、国際的に見ても法的に見てもこれは日本のものであるということを強く主張していらっしゃいます。是非、その線を貫いてほしいという立場でございます。  ところが、その尖閣の海域で、今日まで日本と台湾との日台漁業協定をめぐる動きは多くの国民には伝わっていないと思います。政治の世界でも行政の世界でも大きな問題としては取り上げられていない。どうもこの問題では、日本側は尖閣をめぐって台湾を日本の味方に引き入れてというふうな、そんな感じの交渉をしてきたなと。そのことによって、昔から今日まで尖閣は沖縄の漁民の良好な豊かな漁場として漁民たちを中心にして活躍をしておる、そういう海域でございます。  そこで、この日台漁業協定は四月の十日に調印されたというふうになっております。その日台漁業協定の中心になって頑張っておるのは外務省ですか、それとも水産庁ですか、どちらですか。まず、それを聞いておきたいと思います。
  127. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) 日台民間漁業取決め、これは日台間における海洋生物資源の保存及び合理的な利用並びに操業秩序の維持について大変重要な取決めだと認識しております。  我が国の国益にとっても大変重要な課題でありますので、これはもう政府一体となって、外務省、水産庁、関係省庁連携しながらこの問題に当たっております。
  128. 山内徳信

    ○山内徳信君 これからは非常に重要なルールづくりの作業に入っていくわけです。  そこで、そういう台湾側と日本を代表してルール作成に出ていく主管は水産庁なのか外務省なのかを私は聞いておるんです。
  129. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) これは、まず日台民間漁業取決め、これは民間の取決めですので、これは我が政府としましても大変重要な関心を持ってこの取決めについて注視をしておりますが、この交渉そのものは民間の交渉ということになります。
  130. 山内徳信

    ○山内徳信君 いや、そういうことを私は聞いておるんじゃないんです。窓口として対応するのは、台湾もそういうふうな、いわゆる漁業組合みたいなところが窓口になっておると、このことは聞いておるんです。  水産庁、ここにおりませんか。今までの協定の締結に向けて水産庁が日本側の交渉の当事者として出ていってやってきたのかと、ちょっと伺っておきたいです。
  131. 須藤徳之

    政府参考人(須藤徳之君) 水産庁資源管理部長の須藤でございます。  先ほど外務大臣がおっしゃられましたとおり、この交渉は交流協会と亜東関係協会の間での取決めをつくるということでございましたので、それをバックアップする形で政府一丸となって参加、交渉を行ってきたというところでございます。  もちろん、漁業の現場における問題というのは……
  132. 山内徳信

    ○山内徳信君 細かい説明は私は聞いていないから。私が聞くから。
  133. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 済みません、委員長の許可を取ってください。  じゃ、引き続き須藤部長。
  134. 須藤徳之

    政府参考人(須藤徳之君) 漁業の現場における問題を解決するため、操業ルールなどを取り決める必要がございます。このような問題は、まさに漁業者との関係でいろいろお話をお伺いさせていただく立場にございます水産庁がリードしていくべきだというふうに考えてございます。
  135. 山内徳信

    ○山内徳信君 水産庁がリードしていくということを今伺いました。  もう一つ確認をしておきたいんですが、この協定をめぐる前の段階で、沖縄側からの、いわゆる八重山とか宮古とかそういう漁業組合関係者を含めて、沖縄全体の漁業組合の責任者たちが要請をしに行ったときに関係省庁に出向いておりますが、さらにその結果を沖縄側に報告にも行かれております。  私は、そういう経過をちょっと読ませていただいた上ででございますが、沖縄側からの要請に対しまして、外務省の副大臣松山さん、いらっしゃいますか、松山さんだと思います、副大臣と書かれていましたから。(発言する者あり)そこら辺間違っていたら、もう固有名詞は言わぬで副大臣としておきます。
  136. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) やり取りはちょっと整理をしたいと思いますので、後ほど。
  137. 山内徳信

    ○山内徳信君 副大臣としておきます。副大臣のお言葉として、沖縄の漁業者の意向は理解していると、頭越しに協定を締結することはしませんと、こういう趣旨のお話をされておるわけです。そして、沖縄側の関係者もその言葉に、水産庁とか外務省に大きな期待を寄せていたわけですが、協定が結ばれて、そして今月の七日に初めて台湾で台北市で漁業委員会が開かれております。そこで操業ルールの策定を話合いをする予定であったわけですが、そういう策定の話合いはまとまらないでそのまま終わっておると、こういうふうに聞いております。そこでああだこうだとは私は質問をしませんから、須藤さん。それをやってももう意味はないんです。  したがって、副大臣が言われたように、頭越しではせぬで、皆さん方の声も生かして今後進めていきますと。そして、水産庁の長官も沖縄まで行かれたと思います。ところが、問題は、台湾側と今後どういうふうに詰めていくかということが大事と思います。そういうことで、これは外務大臣と水産庁の方に、今後、沖縄側からの要望どおり詰めていきますという決意を伺っておきたいんです。
  138. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、御指摘の副大臣鈴木俊一副大臣かと存じます。  その上で、この本件取決めの署名が沖縄県漁業関係者に懸念を与えていることについては、我々重く受け止めなければならないと考えております。私自身も、先月末、仲井眞沖縄県知事を始めとした沖縄県漁業関係者から要望書をいただいております。  政府としては、この沖縄県関係者の意向と懸念を踏まえて、日台漁業委員会で台湾側と議論していくことを通じて本取決めの円滑な実施確保され、もってその目的が達成されることを期待したいと思っていますし、また、こうした影響につきましても、沖縄の漁業関係者の意見も十分聞きながらしっかりまず把握をし、そして、政府として、関係省庁として必要な対策があるのであるならばしっかり検討していかなければいけない、このように感じております。
  139. 須藤徳之

    政府参考人(須藤徳之君) お答えいたします。  七日に開催されました日台漁業委員会におきましては、取決め水域における操業の在り方を含めた日台漁業委員会での協議を継続して行っていくという結論になったところでございます。沖縄の関係の、特に漁業者を中心といたします方々、大変これからの状況について御心配をされていることを重く受け止めてございます。  私どもといたしましては、第一回の委員会におきまして、次回会合は、この取決めを作られてございます交流協会、亜東関係協会との間で相談して決められるというふうに定められておりますけれども、日台漁業委員会での安全操業などに関するこの協議、非常に重要でございますので、私ども農林水産省として、地元の漁業者の方々の声を受け止めたしっかりとした協議、これができる限り速やかに行われるように努力してまいりたいと考えてございます。
  140. 山内徳信

    ○山内徳信君 外務大臣の決意と、今水産庁の決意を伺いました。私はそのことは沖縄の関係者にも伝えておきたいと思います。  ところが、七日の漁業委員会では、結局台湾は強気だ、強気で水掛け論をやっておる、そういうふうな印象を受けております。しかも、平行線で、ずっと引っ張っていこうと。ところが、今マグロの最盛期でしょう。そして、漁獲量の話も付いていない、漁船の数の話も付いていない。そういう状況でございますから、今水産庁言われたように、漁業関係者が心配しないように、次の漁業委員会ではいい方向付けをしたいと、こういう趣旨のお話だったと思います。是非その線で頑張っていただきたい。  そして、漁民たちは一歩も引かないと。それはそうでしょう。昔からその海域はマグロとかカツオとか、そういう操業をやってきたのが尖閣諸島でしょう。だから、そういう意味では、日本外交はこの日台漁業協定で結んだその協定を、そして委員会でもそういう伝統的な立場にあった人々の要求や願いが実現するような外交交渉をすることによって、今の問題になっている尖閣列島問題も外交力を発揮することができるんです。そうでしょう。漁業関係では負けていて尖閣列島をめぐる問題で勝てるなんという話はないんです。そういうふうにして是非外務省も水産庁も頑張っていただきたいということを申し上げておきます。  そして、今漁民たちが心配しておりますのは、やはりその安全操業についても、これちゃんとしたルールがあって初めてできる話でございますから是非お願いしたいし、そしてこの協定の発効は、これをめぐっても両方対立をしておるじゃないですか。日本側は五月十日、協定発効日はね、そうでしょう。相手は、台湾は、いや調印した日だと、こういうふうに言っておるのがおるじゃないですか。したがいまして、しっかり、水産庁長官を始め須藤さん、頑張っていただきたい、そういうことを申し上げまして、私からの質問はこれで終わります。  どうぞ、水産庁はお引き取りください。
  141. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 須藤管理部長におかれましては、御退席よろしくお願いいたします。
  142. 山内徳信

    ○山内徳信君 時間が限られておりますから、少し、これも外務省防衛省に頑張っていただこうという意味質問でございますが、二番を今残しておいて、四番目の方に入ります。これは沖縄から海兵隊をハワイの方にという件でございます。防衛大臣外務大臣、この写真、後で必要でしたら、是非活用していただきたいと思います。  この方がハワイ州の現在の州知事、ニール・アバクロンビーさんです。私は、この人には二年前にも沖縄でお目にかかりました。そして、私の名前と、参議院議員という名前と、それから読谷村長の名前入りの感謝状を差し上げてあります。  アバクロンビーさんはかつてアメリカの下院議員でございました。上院にはダニエル・イノウエさんがいらっしゃいました、残念なことに他界されましたが。そういう関係、お付き合いがありまして、現職のころに私は六回アバクロンビーさんにお目にかかっておるんです。  そして、二年前に沖縄に来られたときに、それとなく情報を流してくださいました。沖縄で問題になっている海兵隊、それはアメリカの立場から見るとアメリカの兵士だと、ハワイとして考えてもいいということを側近を通して情報を出していらっしゃいました。  そして、私は早速沖縄の関係者に、沖縄からハワイに出向いてニール・アバクロンビーさんに沖縄の気持ちを伝えた方がいいと思うと。そうしたら、その人は、そうだねと。県会議員クラスが最初いいのかなというふうなお話がありまして、県会議員がハワイに行きましてハワイ州知事にお目にかかっておるんです。それは、昨日会っていますね。五月八日にニール・アバクロンビーさんに会いまして話をしておりますと。結論を申し上げますと、海兵隊を沖縄から迎えてもいい、今すぐならば二千五百人はハワイが受け入れていいと、こういうふうなお話でございます。  したがいまして、普天間は辺野古、普天間は辺野古と言って十七年もたっておるんです。それでもなお普天間が動くとは、いろんな分断、懐柔の動きもありますが、やはり沖縄全体とした辺野古移設は難しい、とても不可能だというのが沖縄側の考えです。そして、このニール・アバクロンビーさんもこうおっしゃっておるんですね。多くの基地が今も残っておる、太平洋戦争が続いているような状況だと、こういうふうにおっしゃっておるんです。  私は、去年の十二月にアメリカ行ってきました。そして、いろんな関係者に会ったんですが、海兵隊は本国に移った方がいいということを何名もおっしゃっておるんです。ところが、防衛省外務省も、日米合意ということで辺野古、辺野古とおっしゃっておりますが、それは、今の時代にあれだけの海を埋め立てて恒久的な基地を造るというのは、それは時代錯誤ですよ。  小野寺大臣、私は沖縄のモズクが好きだと、かつて外務省にいらっしゃるときおっしゃいましたね。私は非常にうれしかった。  そして、金武、宜野座、あの太平洋側に面している漁業組合は、そこに基地を造るのは反対だと、そういう決議をしましたね。被害のない西海岸で漁をしておるような人々がこの前、そこは自分たち被害ないからといって決議したのかもしれませんが、大変なひんしゅく買っていますよ。海を守る中心になるべきは漁民だろうと。その漁民が、漁業組合が、県知事に出した公有水面埋立ての申請書に合わせて決議をする。沖縄防衛局が日参をして仕掛けておるわけですよ。そんなことはもうやめた方がいい。  したがって、ハワイとかその他の選択肢をやはり検討していただきたいと。そして、是非防衛省外務省の立場からハワイのアバクロンビーさんに公式に会っていただいて、是非問題になっておる海兵隊のハワイへの移転に力を貸してほしいと、この際は日本政府が頭を下げてお願いに行くべきだと思います。  そういうことをお伝えしまして、後ろ向きでなければ、一言ずつ決意のほどを伺っておきたいと思います。外務大臣からどうぞ。
  143. 岸田文雄

    国務大臣岸田文雄君) まず、アバクロンビー・ハワイ州知事がこの在沖縄海兵隊のハワイでの受入れについて前向きであること、これは日米両政府とも報道等を通じて承知をしております。そして、二〇一二年四月の2プラス2の共同発表におきましては、在沖縄海兵隊の定員約九千人のうち約四千人がグアムに移転し、約五千人が本土も含むハワイ等に移転するということになっております。  この知事の受入れというのは、このどの部分を受け入れるというおつもりなのか、ちょっと私も十分把握はしておりませんが、いずれにせよ、この問題を考えるに当たりまして、米軍再編において、地理的により分散し、運用面でより抗堪性のある米軍体制を実現するという、国防戦略上の必要性、十分考慮していかなければならないと認識をしております。  こうした認識の下に、現状、現在の在沖縄海兵隊の移転計画、着実に進めるということが沖縄負担軽減を早期に実現することにつながると考えておりますが、様々な御意見につきましては謙虚に耳を傾けたいと存じます。
  144. 小野寺五典

    国務大臣小野寺五典君) モズクのお話を覚えていただいていてありがとうございます。沖縄太モズク、特にホワイト・ビーチに近接する津堅島周辺の漁場、ここからほとんど買わせていただいて、私の地元、三陸の気仙沼でモズク酢を作らせていただいております。今でも大変感謝をしております。  その中で、今米軍基地のハワイへの移転の話がございました。私どもが常々考えますのは、沖縄の皆様に過重な負担をお掛けをしている、これは特に日米関係、そしてそれの必要性というのは東アジア全体の安全保障環境に大変重要な意味を持つからだというふうに思っております。沖縄の地政学的な状況があり、沖縄に日本の中の基地が過度に集中していること、これは私も含め日本国民全部が重く受け止めなきゃいけない現状だと思っております。  その中で、今回、少しでも負担の軽減という中で、昨年の2プラス2の協議におきまして、現在、米軍基地の移転という議論が進んでおります。岸田外務大臣からのお話がございましたが、これはハワイ、グアム、オーストラリア、そういう中で少しでも沖縄の基地負担が軽減できるように今後とも努力をしていきたい、そのように思っております。
  145. 山内徳信

    ○山内徳信君 あと三分ぐらいありますから、問題点の指摘だけにとどめておきたいと思います。  オスプレイの訓練は、政府もアメリカ軍もちゃんと決めたとおり守っておると言いますが、守らぬ側にとって、人にとって、守っておる守っておると言うんです。  そして、嘉手納飛行場の北にある読谷村、そこにトリイ・ステーションという陸軍の通信施設があるんです。そこは通信施設なんです。オスプレイがそこまで飛んできて、しかも今月の二日は役場に通達をした数よりもはるかに多くて、オスプレイの訓練をやっておるんですね。二日は、通達は四機と言っていたそうですが、七機来て、午前九時半から六十九名の兵士が降りておるんですね。五月三日は七機来て、これまた七十二名。どうして通信施設がオスプレイのそういう訓練場になるのかと。それは、彼らはいろんな理由を言うでしょう。いろんな理由を言って使っていこうと、こういうふうなことでは駄目ですよ。  そして、伊江島も最初のころ、一トンぐらいの重さのあるコンクリートを宙づりにして、その伊江島の訓練場の周囲は全部農耕地なんです。そして、伊江島の訓練場を飛び立つときに粉じんを巻き上げて、真っ白い粉じんが煙みたいに立ち込めて周囲の野菜とか農作物を、上に白い粉じんが降ってきますから、そういう被害を与えておるんですね。この間は、訓練場から周囲にそれていって農耕地に落ちておるんです。二十メートルぐらい近くに農業者がいたと、こういうことなんです。  そこで、申し上げておきますが、普天間にまた十二機、今十二機行っていますね、加えてあと十二機配備をするという、そういう動きがあるんですね。そして、今度は嘉手納飛行場にもオスプレイを、CV22オスプレイを配備をすると。  私は、沖縄は戦場なのかと。私だけの気持ちじゃなくて、沖縄の人はそう思っていますよ。だから、この間も、七日に、東門美津子市長も北谷町長も、嘉手納町長も含めて米軍に抗議に行って、防衛局にも抗議に行っているんです。いつまでこういうふうに恐怖にさらすのかと、こう言うんです。  したがって、追加配備と嘉手納飛行場へのオスプレイ配備をやめてほしいという要求を申し上げまして、答弁は要りません。答弁は、やってもらうと、そうではない答弁しかしないから、是非やめていただきたい。こういうことを申し上げて、質問終わります。ありがとうございました。
  146. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 以上をもちまして、平成二十五年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管防衛省所管及び独立行政法人国際協力機構有償資金協力部門についての委嘱審査は終了いたしました。  なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 加藤敏幸

    委員長加藤敏幸君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後二時三十五分散会