○高木(美)
分科員 ありがとうございます。
私も、改めて動物が果たす役割を認識させられたのは、やはり、一昨年の東
日本大震災でございました。
そのときに、特に福島におきましては、一斉に避難をしたということから、どうしても、数日たてば帰ってこられるだろう、きょうだけだろう、いろいろな
状況の中で、例えば家畜を飼っていらっしゃる農家については、牛や馬を置き去りにしてきた、家族のようなものなんだとおっしゃるんです。また、ペットにつきましても、置いて避難できない、でも、連れていくわけにもいかない。そういう
状況の中で、先ほど、生活の伴侶としてと
大臣は御
答弁の中でおっしゃっていらっしゃいましたが、まさにそういう
自分の家族のような存在をそのまま置いてきた、こういう
状況がありました。
私は、この両方から、多くの陳情といいますか要請をいただきまして、特に、家畜につきましてはすぐに、農水省は安楽死にする、こういう
お話をいただきまして、それが進むだろうと思っていたら、これが結局は進んでいなくて、そのために、
最後、牛や馬は餓死をしたというのが大半であった。しかも、ふんにまみれて、そして死んでいったというその姿を多くの
方たちが見まして、特に私も、獣医師会の
方たちからそういう話を多く伺いました。
これではいけないということで、農水省にも申し入れに行かせていただきまして、要請をさせていただき、その結果、いわゆる放射性物質を浴びた研究用の家畜としてということで、一時期保存をし、飼育をし、最終的には今ほぼその役割を終えているというふうには聞いております。
ただ、人に命をささげるというこの家畜の存在、それに対して人がどのように遇していくかということ、これがやはり人としてのあり方ということもそのときに教わる思いでございまして、実は、私の公明党のある南相馬市の市会
議員も家畜を飼っておりまして、そして泣いていらっしゃるんですね。もう家族なんだ、置いてなんかいけないよ、何とか助けてもらいたい、助けるすべがあるだろう、こう言って、
お話を伺いまして、それをもとに私
たちは要請をさせていただき、最終的にその家畜も研究用として供されることになりまして、最終的にはその使命を終えたという
状況でございます。
本来でいえば、
本当に
最後は、そうしてふんにまみれて、また餓死してというのではなくて、せめて
最後はきれいなところで、おなかいっぱい食べさせてというのが、人間に供してくれる家畜に対するあるべき対応なのではないかということも私は
感じた次第でございます。
また、あわせて、ペットにつきましても、これを何とか避難また確保してほしいということで、多くの動物愛護団体から要請をいただき、
環境省に働きかけながら、何回かの捕獲作業をしていただきましたが、もうそこには、家畜が野生化していたり、またペットも野生化をしている、またその子供がもう既に生まれていて、そこが今、イノシシが家庭の中に入って家を荒らしていて、帰るたびに、もう二度と帰れない、
本当につらい思いをしているんだ、そういうお声も、避難されている
方たちから今も伺っているところでございます。
ただ、いずれにしましても、今
大臣がおっしゃるとおり、家畜そしてペット、こことどのように私
たちが今後も対応していくか、そこが大事なところだと思っております。
今、鳥インフルエンザ、H7N9型が席巻をしておりまして、我が国にもこの脅威が伝えられているところでございます。人と動物のグローバル化、スピード化に伴いまして、狂犬病も含めた新興・再興感染症の
発生も増加しておりますし、国際的かつ重大な社会経済問題を引き起こす要因ともなっております。
こうした危機への備え、そしてまた、先ほど
大臣からもありましたペットにつきましても、今、犬猫などの飼養頭数が二千八百万頭とも伝えられておりまして、十五歳以下の子供の人口を凌駕するまでに増加をしておりまして、高齢化に伴い、まさに子供、孫にかわる存在として一緒に暮らしている、こういう
状況があります。
したがいまして、家庭動物の飼育が増加をすることにより保健衛生の向上に対する社会的関心も高まっておりまして、動物の診療機会の増加とともに、診療提供に対する飼育者からの要請も高度化し、かつ多様化をしております。これに対して、質の確保についての飼育者の要請にどのように応えていくか、この必要性も生まれております。
こうしたことを総合的に考えてまいりますと、人の医療の世界でも、多種の専門職によるチーム医療が推進されております。
産業獣医師、この方は、一人で手術の用意をして、後片づけも一人で行う。獣医療の世界で専門職、国家資格であるのは獣医師唯一という、ここは私は
余りに異常なのではないかと思っておりまして、どうしても、それをサポートする人材の養成というのは急務であると考えております。
また、一方で、家庭動物の世界でも、動物看護師という補助者が専門的に勉強してきましても、今度は動物病院でアルバイトのように、いらした
方たちからみなされて、専門知識があってきちんと
お話ししても、なかなかそれをそのまま受けとめてもらえない、いろいろなそういう思いもあられるようです。したがいまして、こうした感染症も含めた専門知識が要求される中で、唯一の国家資格が獣医師のみというこの事態は一日も早く改善されるべきと考えております。
そこで、この国家資格化につきましては、五年前、参議院の
予算委員会で我が党の山口代表も、獣医師の偏在是正と動物看護師の国家資格化について
質問をいたしまして、当時の若
林大臣から、「一定の教育レベルあるいは資格認定基準といったようなものをできるだけそろえた上で、このような動物看護師の制度化について措置、対応していきたい」という御
答弁をいただいております。
また、さらに、家畜伝染病予防法の改正の折には、二十三年三月二十二日になりますが衆議院、参議院両方の附帯
決議におきまして、やはり、「(動物看護師など)の制度化について検討すること。」という附帯
決議も盛り込まれ、また、動物愛護管理法改正の、これは衆議院の
環境委員会の
決議というところでございますが、ここにつきましても、やはり同様の
決議がなされたところでございます。
こういう背景を考えまして、今農水省がどのように取り組まれているのか、現状につきましてお伺いいたします。