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上田分科員 わかりました。なかなか難しい問題だというふうには
思います。
先ほど
大臣がおっしゃったとおり、厚生年金というのは、二階
部分は、その企業に限らず、幅広く、
方々から保険料をもらって、そしてそれを給付を行っているわけでありますから、そこに影響があるようなことがあれば、それはもう一企業やそこの社員だけで済まないことでありますので、当然、こういうような措置というのがやむを得ないのだろうというふうに
思います。
ただ、今も申し上げましたとおり、給付を受けている側からすると、その理由ということはなかなか得心がいかないというのは当然のことだろうというふうに
思いますので、引き続き、そういう
意味では、国としても、そういうきちんとした対応というか説明もぜひ
お願いしたいというふうに
思いますので、またよろしく
お願いをいたします。
次に、ちょっとまた別の話題でありますけれども、医学検査データの信頼性
向上について御質問をしたいというふうに
思います。
体の健康状態をはかる上で、健康診断のときに、いろいろな項目、血液をとったり、また尿の検査だとか、いろいろな検査をします。そうした臨床検査データというのは、まさに
自分自身としての健康状態を理解する上で非常に基礎的な資料になるものであります。
そうであれば、同じ健康状態であれば、いつどこで測定をしたとしても大体同じような数値になるのではないか、そういうふうに私も従来理解しておりましたし、また、それが本来あるべき形なんじゃないかというふうに
思います。
しかし、どうも現状は、検査手法が違っていたり、また、使われる試薬とか検査機器の調整などということもございます、そうしたさまざまな理由で、同じ検体、同じときに同じ人からとった検体であったとしても、それについて検査を行うと、数値に相当なばらつきが出ているというふうに聞いております。
民間団体でもあります
日本臨床衛生検査技師会においては、数年前から、こうしたデータをなるべく同じものに標準化をしたいというようなさまざまな
取り組みも行っているというふうに聞いております。通告をしたときに資料もお渡しをさせていただいたんですけれども、これがその臨床衛生検査技師会が使った資料でございます。
ちょうどこういうグラフが三枚ございまして、一枚目が、グルコースといって、糖尿病の診断のときに使われる指標でございます。そして、二枚目が、クレアチニンといって、腎臓疾患の検査に使われるものでありまして、三枚目が、LDといって、肝
機能の検査に使われるものでございます。
このグラフを見ていただくと、これは同じ検体を使ってさまざまな施設で検査をした、そのときのデータなんですが、実に非常に幅広く分布をしております。この二〇〇三年にやったときにはこれだけ幅広かった、それを、いろいろ検査の手法であるとか検査機器の調整などもやりながらやっていくと、二〇一一年、八年たった後には随分と狭くなってきたというような効果も上がっているということであります。
例えば、今言った中なんかでも、この三枚目の資料などを見てみますと、LD、これは肝
機能の指標となるものでありますけれども、これは、二〇〇三年の場合を見てみますと、LDのいわゆる標準値と言われているのが、多少いろいろな試料で幅はあるみたいですけれども、百二十から二百四十
程度というのが多く示されています。そうすると、同じ検体を使ったとしても、これだったら正常と出るし、こっちだったら異常と出るわけでありますので、そういうのが現状、現実だというふうに伺いました。
やはり、これでも、この三つのケースとも、いろいろなそういう標準化に向けての努力をすると、随分とばらつきというか誤差が狭まってくる、そうした効果は上がってきているということがおわかりになっていただけるんじゃないかというふうに
思います。
私も毎年、健康診断を受けて、こういうようなさまざまな検査をいたします。そのときのデータというのは、やはり
自分が健康状態を
自分で理解し、管理をしていく、そしてまた、これから病気になるというようなことを未然に防ぐという
意味でも非常に重要な指標なんじゃないかというふうに
思います。やはりこういう、例えばグルコースの値が高いようであれば、ちょっと節制をするとか、そういったことによって病気を未然に防ぐということが十分可能なわけでありますので。
ところが、このように、実際同じときにとったものであったとしても、場所が違うと全然違うデータが出てくるというのでは、なかなかこれは理解が難しい、どういうふうに理解していいのか難しい面があるんじゃないかというふうに
思います。そういう
意味では、標準化が進めば、健康の自己管理にも大きく寄与するのではないか。
ちょっとまた話は別ですけれども、これだけデータにばらつきがあると、これは、
医療機関で病気になって診察を受けるときに、毎回毎回同じような検査を実施するということで、患者の側からすると疑問に思うんですけれども、ただ、やはり、場所によってこれだけ違うとなれば、やらなくちゃならないのかなというふうに思わざるを得ません。そういう
意味では、どうしても検査が重複をするということの原因にもなるんじゃないかというふうに
思います。これは、患者にとっても物理的にも負担だし、また、
医療費の増嵩にもつながっているのではないか、
一つの要因ではないかというふうに
思います。
こういった標準化がもっと進んで、必ず同じ値というのは、なかなかこれは難しいんでしょうけれども、ある
程度信頼できる範囲になるようになれば、こうした事態というのは随分改善をできるのではないかというふうに
思います。したがって、こういう検査データの標準化というのはとても重要な
取り組みであるというふうに
考えています。
現状では、こういった民間団体だけで標準化事業を実施しているわけでありますけれども、国としても、こういう民間の団体が行っている、かなりこれは公益的な面があるというふうに
思いますので、その
計画を立てる、あるいは実施についてもう少し関与する、あるいは必要に応じて助言をする、そういうことをしていけば、一民間団体がやっているというだけでは、なかなか信頼感という
意味ではもう
一つ不足する
部分があると思うんですけれども、国が一定のかかわりを持ってくれば、やはりその信頼感というのはかなり大きくなるんじゃないかというふうに
思います。
こうした非常に公益性の高い
取り組みとも
考えられますので、国としてももっと積極的にかかわりを持ち、また、今はそういう
意味では予算的な助成は全く行われておりませんけれども、そうしたことについても
検討に値するのではないかというふうに思っておりますけれども、
厚生労働省としてお
考えはいかがでしょうか。