○畑
委員 生活の党の畑
浩治でございます。
本日は、まず、公共事業の水準について議論をさせていただきたいと存じます。
早速、
質問に入らせていただきます。
資料もお配りして、「公共事業関係費の推移」という資料をつけております。公共事業費というのは、二十四年度、当初が四・六兆ですね。そして、この前の補正を入れて七兆。結局、補正の部分は、十五カ月予算と言われていますから、二十五年度に入るというのが適当な考え方だとして、二十五年度、実質約八兆円、まあ十兆近くになるわけです。
結局、この推移を見てみるとわかるのは、でこぼこがあるわけですよね。これまでも、急激に、
経済対策ということで公共事業費を積み増してきた。ただ、その後が、山が高ければ谷も深いわけです。その反動減ということも心配なわけですが、こうやって反動がなってきたということが見てとれるんだろうと
思います。
公共事業費をふやすこと、このことは、これはこれでいろいろ評価はありますが、実際問題として、急激に減るトレンドの中で、建設業者が減ってきたし、また従業員も減ってきた、こういう現状の中では、急に工事がふえても消化し切れないということがあるわけです。しかし、では、ふやせばいいかというと、結局、この水準ではいけないわけですから、また減るかもしれないと思えば、業者も恒常的にふやすというわけにはいかない。そういうジレンマというか、大変なことがあるわけです。
この中で、実際に加速すべき被災地の復興にも実はしわ寄せが来ているというのは、何回も、この
委員会も含めて議論されているところであります。要は、資材価格とか人件費が高騰して、入札不調が多くなっております。全国的な公共事業費の積み増しの中で、被災地はただでさえ足りないものが足りなくなっているということで、一定額以上は応札しますけれども、入札に参加しますけれども、一定の額以下のものはもう応札しないんだという入札不調もふえております。
今、復興事業の推進の必要性がある中で、全国的な公共事業を急激にふやしたということが今回の補正も含めた予算の
状況なんですが、結局、今振り返って、このような問題の中で顕在化している公共投資の水準ですね、これは、あるべき水準、オール・ジャパンの水準という
意味ですが、ここをやはり一回議論するときに来ているんじゃないのかなという気がしております。
社会資本整備というのは、短期間で変動を繰り返せるものじゃなくて、中長期的観点が必要なものだと
思います。だから、公共事業が云々という場合に、急激にふやして減らすとかそういう中で、公共事業の
経済効果はないんだとかいろいろあるんだという議論がありますが、本当は、公共事業というものが
経済政策の具にされるのは、私は不幸なことだと
思います。国土政策として必要なものがどのぐらいなのか、そしてそれを粛々とあるべき水準でやる、そういう当たり前の発想が今必要なんだろうと私は
思います。
そういう
意味で、私は、公共投資は中長期的に一定の水準でいくべきだと
思います。それも、補正で積み増すとかそういうのじゃなくて、国土政策の観点から、当初予算で数字としてどれぐらい必要なのか、その議論をしっかり財政当局とクリアした上で続けていくべきものだと私は
思います。
その中で、公共投資の水準はどれぐらいが適当かという議論、これは難しいわけです。二月四日だか五日の本
会議で
安倍総理も難しいというお答えがあったように、簡単ではないんですが、やはり今議論すべきだろうと
思います。
これをちょっと開いて、次のページ、裏なんですけれども、公共投資がどれぐらい必要なのかという
一つの試算の資料をつくってみました。この資料の見方を申し上げますと、縦軸がGDPに対する公共投資の割合です。そして、横軸が国土面積と海岸線距離の割合というものです。ちょっとおもしろい、斬新な資料だと
思いますが。
まず、今、欧米は三%から四%だと言われていまして、
日本も、ちょっと高いように見えますが、大体、
世界標準に入っているということです。
そして、横軸の、国土面積分の海岸線距離で言えることは、海岸線距離が長い国というのは、御存じのとおり、公共事業費はどうしてもかかるわけです。考えてみても当たり前だと思うんですが、海岸線が長いということは、治水、海岸整備、港湾整備にかかるわけで、交通の整備だって、細長い国だったらその交通整備はかかってきて、四角い国とは違って公共事業はかかる。これは当たり前で、この当たり前のことが、実は整理してみるとクリアに出てきたなと
思います。
この点々々という、これは私が勝手に線を引いたんですが、相関関係が非常にあるなと
思います。JPというのはジャパンですが、
日本はもう御存じのとおり
世界で第一級の海岸線の長い国。次に出てくるのがNZ、ニュージーランドなんですよね、南半球の似たような島国ですが。あと、オランダとかイタリアとか、GEはドイツ、AUSはオーストリアですが、こういうのが出てくる。
これを見てわかるように、実は、A分のD、国土面積分の海岸線距離がゼロから一〇の間にだんご
状態で上にありますけれども、実は、こういう国は国土条件からすれば公共事業費は多いわけです。USAとかスウェーデン、フランス、オーストラリア、ポーランド。結局、
日本は
世界のトレンドの中にあるというのがこれで見てとれると
思います。四%前後で、これでいいのかどうかということなんです。
これでいいという議論もあるでしょうが、実は
日本が欠けているのは、もちろん御存じのとおり、地震が多い、災害の多い、国土条件が大変脆弱な国なので、私はかつて、民主党
時代なんですが、新たな
戦略的国土地域政策を推進する議員連盟というのをつくりまして、民主党は公共事業を減らす一方ではなくてちゃんとした議論をした人もいたわけですが、この幹事長として、五%から六%が公共事業として必要だろうという
提言をまとめたことがあります。四パープラス一パーですよね。
要は、何を言いたいかというと、行け行けどんどんでふやすのは確かに問題なわけですよ。ただ、減らす一方であるのも問題だと。
もう一回この資料に戻ってもらうと、実は民主党が減らしたわけじゃないんです、公共事業費。御存じのとおり、自民党政権
時代から減るトレンドにあるわけですよね、
平成十年ぐらいから。
だから、今、公共事業をめぐる議論で不幸なのは、公共事業反対派は、今度の補正予算を見てもわかるように、公共事業を理念なく積み増したんじゃないか、
意味ないんじゃないかと言います。公共事業反対派は、まだまだ切れる、こんなのはまだまだ多いと言います。結局、両方の議論がかみ合わないわけですよね。
今議論すべきなのは、では、どれぐらいの水準なんですか、こういう議論をしなきゃいけないんだろうと私は
思います。
そういう前提で、きょうは麻生副
総理に来ていただいていますが、
財務大臣として、財政政策の観点からぜひお聞きしたいと思っていましたが、公共投資というのは一定水準でいった方がいいという私の
思いなんですが、それに対するコメントと、そして、簡単じゃないんですが、
個人の考えでもいいんですが、どれぐらいの水準がいいという感じなのか、ちょっとそこのコメントをいただければと
思います。