○
荒木参考人 特定失踪者問題
調査会の
荒木でございます。
お手元に、
資料といたしまして、ポスターと、それから、一番上に「ポスターの訂正」と書いた二枚紙の
資料がございます。時間の関係もございますので、できるだけ簡潔にお話をさせていただきたいと思います。
要望事項といたしまして、まず第一件、最近、報道等もあり話題になっております、
昭和四十二年に北海道雄武町沖で船が
失踪した圭運丸
事件の件でございます。
これにつきまして、現在
拉致の
疑いが非常に高くなっておりまして、私どもも、
拉致濃厚ということで先般判断をいたしました。これに関して
海上保安庁に対し要請等をいたしているんですが、残念ながら、
海上保安庁の方からは、当時の
状況、そして現在の
調査状況について、御
家族にも一切報告がなされておりません。我々引き続き
調査をしてまいりますけれども、これは、海の中に船が今あるということだけはわかっている
事件でございまして、やはり
海上保安庁の積極的な
情報開示が必要でございますので、改めましてお願いをいたしたいと思います。
それから、これとも関連するんですが、現在、
警察、自衛隊、公安
調査庁、それから
海上保安庁、そして入管などの各組織の連携というのは、事実上ほとんどとられていないと言っても過言ではないと思っております。担当の、地元の各
地域の個人の信頼関係でやっている部分が関の山でございまして、現実には連携はできていない。これも、連携してやりますというようなことではなくて、具体的にどういうふうに今の
状況を変えていくのかということをやっていただきたいと思います。
また、もし
政府の方でそれができないのであれば、逆に、私どもの方に各省庁の担当者を派遣していただく等のこともしていただいて
情報の収集を行っていく必要があるのではないか。どういう形であれ、やらなければいけないことですので、
方法をお考えいただきたいというふうに思います。
それから、
救出が
実現しない場合の問題ということでございますが、今回、
国会の中がねじれの解消ということになりました。これはつまり、もうブレーキのかかるものは何もなくなったということでございまして、これでできなければ、それはもう明らかに
政府の責任問題であるというふうに私は思っております。
相手は、あの奄美沖の工作船でもわかるように、自分
たちが自決することを覚悟して、
日本に入ってきて
工作員が
拉致しております。こちら側も犠牲を出す覚悟がなければ、
拉致被害者を取り返すことは絶対にできないというふうに思っております。実際に犠牲者が出るかどうかは別として、その覚悟は最低限必要であり、あくまでこれをしっかりと現政権で
解決するというふうに言われている
安倍政権において
実現をしていただきたい、明確にしていただきたいというふうに思います。
それから、私どもが重視しております
山本美保さんにかかわるDNAデータの偽造
事件。これは内容について詳しくお話ししている時間はございませんけれども、現在、DNAのデータについて、各
特定失踪者の御
家族などに各
県警等からデータの採取を行っておりますが、私どものところには、本当に応じていいんでしょうかという声があちこちから寄せられております。自分のところのものも、どこか関係ない遺体と結びつけられて、自殺しましたというようなことになってしまったらかなわないということが御
家族の懸念としてございます。
我々は、そういうことはないでしょうからやってくださいというふうに言っているんですが、やはりその根本となるこの問題を、
政府みずからメスを入れて、解明をしていただきたいと思います。
それから、
警察の
情報開示に関しまして先ほど来もお話が出ておりますが、各
県警のホームページにそれぞれの県にかかわる
失踪者の
情報を出しております。これ自体は大変な進展でございまして、私どもとして評価をしているんですけれども、ごらんいただければわかるように、どの
県警のホームページも非常にわかりにくい内容になっております。その県に関係のない、御
家族が今そこに住んでいるということだけで載っかっている方もおられて、実際に
失踪したと思われる県のホームページには載っかっていない等々のことがございます。ですから、一括して
警察庁ないし
拉致問題対策本部のホームページにこれを載っけていただきたいというふうに思います。
あと、
最後に、私ども、
北朝鮮に向けて短波放送を行っております。二〇〇五年から行っておりますが、当時から
拉致被害者が聞いていたという話がございまして、これをさらに充実させるために、ぜひ中波放送の
実現をしたいと思っております。
国会としても御
協力をいただければと思います。
ありがとうございました。