○椎名
委員 おはようございます。みんなの党の椎名毅でございます。
本日は、一昨日に引き続きまして
質疑時間を頂戴いたしまして、まことに感謝を申し上げたいと思います。我が党は
法務委員が私一人しかおりませんので、毎回私ばかりで大変恐縮しておりますけれ
ども、どうぞ御容赦いただければというふうに思っております。
一昨日の
質疑、及び与党側の四月十二日の
質疑、及び本日の
質疑において、恐らく論点は大体整理されてきたかというふうに思っております。私から一昨日提示させていただきました問題
意識を含めて、恐らく問題になるであろう論点ということを改めて確認させていただきます。
結局、本法の
運用の問題なんだろうというふうに思っております。
運用に当たりまして、DV
被害、それから児童
虐待等で
被害を受けている
子供を保護するためにこの
返還拒否の事由というものを
運用していくということについては、
基本的には当然なんだろうというふうに思っております。
そして、二十七条、二十八条のたてつけ、これは、原則としては、
常居所地国の
法律それから司法
制度を信頼して、要件がそろったら原則として
返還、そして例外として、二十八条二項の
返還拒否に該当する事由があった場合には
返還されない、こういう法のたてつけなわけですけれ
ども、これに乗じて、DV等、それから児童
虐待等というところについて、虚偽ないし疑惑のあるものについてこの
運用が拡大解釈されて、虚偽などのDV、それから児童
虐待といったものについて拡大解釈されて、これが
返還拒否されてしまうということについての
運用面の懸念があるといったところだというふうに思います。この
返還に関する例外に関しても、せんだっての棚瀬
参考人からも、なるべく限定的に解釈されるべきであろうというふうに御指摘をいただいたところでございます。
この
運用のあり方について、私自身、最後に締めくくりとして改めて
質疑をさせていただきたいというふうに思っております。
実は、一昨日に
質疑を行った後、また新しく私のもとに話を聞いてほしいという方がやってきまして、その方からいろいろ話を聞いてまいりました。
日本人同士の結婚で、米国にいたんですけれ
ども、
子供を連れて一時帰国をしたいと
配偶者の方から申し入れられて、子連れで一時帰国ということをしたわけですけれ
ども、その結果、結局、やはり米国には戻りたくないというようなことでございまして、
日本の家裁に離婚の調停等を申し入れられた。離婚の調停が申し入れられて、結局不調になり、その後、監護権者の指定に関する審判、それから面会
交流の審判と立て続けに行っている。結局、面会
交流の審判を含めて、トータル四年間ぐらいずっと
子供に会えていないという
状況があるということだそうです。特に、面会
交流に関し、最終的には連れ去った側が監護権者という形で確定したところでございますが、面会
交流については審判としてずっと係属しているという
状況なんだそうです。
こういったところで、時間について
伺いたいわけです。
棚瀬
参考人は、子の
返還に関する審判については時間が敵であるというようなことを指摘していたと思います。そして、ハーグ国際私法
会議において統計がとられている中で、国際的な事案において大体どのくらいの時間が子の
返還の手続にかかっているという話は、せんだって、一昨日の
質疑で
外務省の方々からお話をいただいたかと思います。大体、
返還拒否事由がない事案で百数十日、それから
返還拒否事由がある事案で二百数十日というような形で争いがなされているというようなことだと思います。
私自身が
伺いたいのは、今、本法
施行に当たりまして、
法務省として、大体どの程度の時間で子の
返還手続が
運用されることを想定しているのかということが聞きたいわけです。
特に
日本の家裁につきましては、私も少ないながら家事手続をやったことがあるわけですけれ
ども、家事の申し立てをすると、大体一カ月半後ぐらいに第一回の審判の期日等が入るわけです。それから、大体月に一回ぐらい期日が入っているわけです。気づくと大体六月ぐらいになっていて、六月になると、裁判所は夏休みですからとか言われて、七月、八月は何となく期日が入らないで、九月ぐらいに期日が入るという形になったりするわけでございます。こういった形で、気づいたら家事の手続をやっている中でどんどんどんどん時間がかかってしまうという
運用が実務的になされていることもあろうかと思います。
他方で、例えば今、刑事の世界で、特に公職選挙法のお話で百日裁判という裁判がございます。
法律の
運用で、要するに、裁判にかかる時間を短くしていくことというのも法の定めとしてはできるわけでございます。
そんな中で、本法について、こういった百日裁判みたいな形で期間をなるべく早くするような
運用を指定しないで、現状の家事の
運用に基づいてやるということなんでしょうけれ
ども、どのくらいの時間がかかるという想定でしょうか。