○椎名
委員 ありがとうございます。みんなの党の椎名毅でございます。
本日は、国際的な子の
奪取の
民事上の
側面に関する
条約の
実施に関する
法律案ということで
質疑のお時間を頂戴いたしました。大変感謝を申し上げたいというふうに思っております。
さきの三月十五日でございますけれども、三月の十三日に行われました谷垣
大臣の所信に対する
質疑で、この
条約及びこの
条約の
実施法である本法について取り上げさせていただきました。改めて、各条項を深掘りして
考えて、
質疑させていただきたいと思います。前に
質問された
方々と重なる部分もあろうかと思いますけれども、御容赦いただければというふうに思っております。
さきの
大臣所信に対する
質疑の際に、これが終わった後、さまざまな
方々からいろいろな反響を実はいただきました。全く見知らぬ
方々から私の会館の事務所に電話がありまして、
国内における
子供の連れ去りの問題についてよくぞ取り上げてくれた、ようやく我々にも光が当たったというような
指摘をたくさんいただいた次第でございます。
この問題というのは、先ほど来、
日本維新の会の
先生方含め、取り上げていただいているところではございますけれども、引き続き注視して
検討していかなければならない問題であるという問題意識に基づいて、私自身、本法について
質疑をさせていただきたいと思います。
昨日ですけれども、衆議院本
会議で、国際的な子の
奪取の
民事上の
側面に関する
条約、いわゆる
ハーグ条約ですが、これが全会一致で承認されたところでございます。この
ハーグ条約が批准されるということは大変好ましいことだと私自身も
考えております。当然ですが、私自身も昨日の
条約の承認について賛成票を投じたわけでございます。
しかし、私の懸念事項と申しますのは、
国内の
実施法において、この
ハーグ条約の精神を没却するような、そんな
運用がなされるのであれば、本
条約を締結する
意味がなくなってしまうのではないかという
観点で、問題意識を持っております。
私自身の問題意識を具体的に申し上げますと、まず第一に、
ハーグ条約の締結に関連しまして、
外務省及び
法務省との間で、消極的なセクト主義とでも申しましょうか、縦割りの弊害と表現をする
方々もいらっしゃるかと思いますけれども、本
条約の締結について、押しつけ合った結果として先送りをしてきたのではないか。さらに言うと、先送りの理由については、
ハーグ条約の加盟に伴って、
我が国の
離婚後の親子
関係に関する
考え方に
影響があるのではないかというような理由をもって先送りしてきたんじゃなかろうかというような仮説を持っております。
さらにもう
一つ、私自身の持っている懸念事項といたしまして、本
条約に加盟したところで、
DVによる
被害者を
保護するというような大義名分というか美名のもとで、そうではない
DV冤罪と言われるような
事案についてまで
保護されてしまうことになって、実際にこの
条約の精神を骨抜きにしてしまうのではないかというような危惧を持っております。
こういった問題意識から、まず大前提として、
条約そのものについて
幾つか確認するところからスタートさせていただければというふうに思います。
まず、先ほど
民主党の田嶋
委員からも
質疑でございました、本
条約の締結に先立って
保護すべき国益ということで、実際に
我が国の国民が
当事者になる
ケースを
保護しなければならないということでございました。これ自体は本当にそのとおりだというふうに申し上げたいと思います。
これに加えて、私が物すごく懸念をしていること、それは何かということですが、国際的な
日本の
司法に対する信頼の
確保という
観点についてどのように
考えているのかということを伺いたいと思います。すなわち、現在、
日本という国が
子供の連れ去りを許容する国であるという形で、
日本の
司法制度に対する国際的な信頼がおとしめられているというようなこともあるのではないかというふうに危惧をしているわけでございます。
この点について、これも国益である、これを
保護していかなければならないというようなことを伺いたいと思いますが、問題意識を伺えればと思います。
外務省の方、
お願いします。