○玉木
委員 ますますよくわからなくなったんですが、前半のことはよくわかりました。二%毎年成長していくので、それを算数的に言うと、一・〇二を十回掛ける、十乗したものを三兆円に掛ければ三・六六兆円なんで、三・七兆円ぐらいになる。残りの〇・三とか〇・四兆円分があるいは生産性の向上等々でできるということなんでしょうか。
私は、申し上げたいのは、内閣府がそもそも、実質二%成長するという計算で今回の再興計画も出しておられます。これは実は民主党
政権下も、名目三パー、実質二パーということを言っていました。私は極めて懐疑的でした。
なぜかというと、ごらんになっていただければわかるんですが、内閣府が計算するときの実質二%を達成するときの前提条件で幾つか書かれているのを読んでいただきたいんです。人口が減っていきます。生産は、もう大臣
御存じのとおり、成長は三つの要素で成り立ちます。労働力があって、資本があって、そして生産性の向上、いわゆるイノベーション等々で起きていく。この三つの要素が成長を支える三要素ですけれども、
我が国は人口が減少していきます。その意味では、人口減少、労働力、レーバーのところを補う、補って余りある生産性の向上がなければ、プラスの成長は達成できないんですね。
内閣府が計算している、なぜ二%も達成できるかというと、数字のトリックがありまして、生産性の向上のところをいじっているんです。いじっているというか、どういう前提になっているかというと、一九八三年から一九九三年の、
日本において最も成長したあのバブルの時期、あの時期の生産性の拡大を前提に計算しております。
我々、これから人口が減って、そういう中で生産性の向上を、あの八〇年代の後半から九〇年代の前半を前提にして、これから十年本当にできるのかということについては、私、与党時代から疑問を投げかけていました。加えて、
農業においては、もっと、いわゆる生産年齢人口といいますか労働力が減っていきます。その中でこの二%を達成しようとするには、多分、生産性の伸びは、二%どころか三パー、四パー、五パーなければ、ここで掲げている生産性の増加は見込めないと思うんですね。
ですから、機械的に計算するのはいいんですけれども、今、
農家の皆さんは、本当にどうなるんだという不安の中で、これからの
営農計画、あるいは、息子に継いでいいのか、孫に継いでいいのか、心配しているので、ここについては、単に数字を置いたということではなくて、品目
ごとに、では、米はどうなんだ、畜産物はどうなんだ、野菜はどうなんだ、それぞれの生産額はどれだけ伸びていくのか、コストの減少についてはどれぐらいできるのか、そういったことをもっと正確に計算して国民の皆さんにお示しをするのが誠実なやり方だと私は思っているんです。
もう
一つ申し上げますと、三兆から六兆にするのもいいんですが、私は、唯一もしできるとしたら、一人当たりの
農家の所得を倍にするという目標は現実性があると思っております。集約を進めて、つまり、GDPに占める
農業の生産額の割合を変えなくても、それを担う人がある程度集約されて、一人当たりの取り分、一人当たりの
農業GDPというものを上昇させることはこれからの政策の
一つの整合性の中でできると思っているので、とにかく三を六にしましょうとか、そういう粗っぽい倍増計画ではなくて、一人当たりの所得を本当に倍増していくんだ、あるいは生産性を、例えばイスラエルは
日本の
農業の生産性の四倍から五倍あります。ですから、
農業技術をもっと革新的なことを入れれば、
日本の
農業の生産性を高めることは可能だと思っています。
ですから、再興戦略の中にも、キー・パフォーマンス・インディケーターということをよく入れていますけれども、そのパフォーマンス・インディケーターに一体何を選ぶのかということについては
農業の分野でよくよく考えていただいて、単に倍になりますよというような粗っぽい議論ではなくて、誠実な数字に基づいた議論をやっていただきたいというふうに思っています。
もう
一つ、これに関して
質問をさせていただきたいのは、輸出についてであります。
輸出も、今の約五千億程度のものを倍増するということを言っておりますけれども、お手元に配っている数字をちょっと見ていただきたいんですが、グラフです。これも
農水省にいただいた資料をもとにつくったんですが、現在の約五千億弱の
農林水産物の輸出というのは青で書いています。実は、リンゴとかお米がどんどん輸出されているというイメージとは違って、現在においても、そもそも輸出の四割は水産物が占めるというカウントになっています。
そんな中でこれから何を伸ばしていくんだ、トータル一兆円に倍増させていくためには何を伸ばすんだというところに、加工食品が圧倒的に伸びるようになっているんですが、ここにも例示がありますけれども、みそ、しょうゆ、菓子類あるいは清涼飲料水、こういったものがここにカウントされるんです。
ここで
質問なんですが、ここで言うみそ、しょうゆ、例えばみそに絞りましょうか。一〇〇%輸入大豆でつくられたみその輸出が倍増することも、ここで言う輸出の倍増にカウントされるのか、あるいは六次
産業化のGDP上のカウントに入るのかどうか。この点、イエス、ノーで
お答えいただければと
思います。