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篠原委員 今のところ、そのぐらいの答弁しかできないと思います。
これからは五分間、私の講義を聞いていただきたいと思います。
コウギは二つの
意味がありまして、まずはレクチャーと、そしてプロテストの両方の
意味があります。どういうことかというと、これこそ国が乗り出さなくちゃいけないです。
輸出も民間でいいです。それから、
HACCPの
導入も、こういうのがありますよというけれども、民間でいいです。だけれども、農薬の規制なんていうのは誰がやるんですか。これこそ国が強権を発動してやらなければいけないと思います。
ミツバチも死んでいるというのは、
世界じゅうで誰でも知っているんです。しかし、原因が特定できない。今度、
TPPでも全く同じ問題、食の安全の基準のときに、科学的な根拠があるなしというのが大問題になります。それは、絶対予防原則で、だめだというのがわかっていて、本当にそれが原因かどうかわからなくたって、私は禁止すべきだと思います。
これが、ミツバチの大量死ということで問題になり始めたのが、一九九〇年代のフランスなんです。今、
長島政務官からお答えいただいたとおり、菜の花、ヒマワリ、これの花粉、葉っぱにもあるんですけれども、これでばたばた死ぬ。今、カメムシと、
日本では因果関係が明らかになっているんです。カメムシ防除、駆除のために、水田でこのネオニコチノイド系の農薬を散布したとき、それがオーケーになって許可されて、やった後からミツバチが大量に死に出したんです。
因果関係はパーフェクトじゃないですよ、何かストレス原因説とか言われて、人間と同じなんですよ。それで、いろいろな複合的な原因があると。当たり前です。花粉症だって、複合的な原因があるんです。杉の花粉だけじゃなくて、その前に、変な空気をあれだけいっぱい吸っているからなんです。私のように、長野県のきれいな空気で育ってきたのが、今に罰が当たって、来年からなるかもしれませんけれども、花粉症にならないです。減らず口をたたいているんですね。
だけれども、何かやはり、いろいろな人工的なものをいっぱいとられた人の方が確実に花粉症にもなりやすくなっているんだと。あるんです。だけれども、これが絶対だなんて言えないんですよ。
それで、農薬というのは、有機塩素系の農薬、有機燐になって、このネオニコチノイドになっているんです。
長島さんは山古志村で農家の生まれ、私も
農業だ。これは、ごく一部の人は二度聞いたことがあるとか言っていたが、二度は言っていないと思うんです。一度はこの
委員会でも言ったことがあると思うんです。私は、有機
農業とか農薬に対しては厳しい態度をずっととり続けてきたんです。
日本有機
農業研究会霞が関出張所員と呼ばれていました。有機
農業なんて全く市民権を得ていないころからやっていたんです。
なぜかというのを後で聞かれたんですよ。なぜそういうふうになっていったのか、思い当たるのが
一つあるんです。ほかの
農林水産省の役人なんか、全然そんなのはあっけらかんのかんで、
関心を持ってくれていない。それで、
篠原さんだけが、何でそういうことを
考えて、いろいろやってくれたんだと言われたときに、僕は、すなわち原因と結果を、もとの総理と違いまして、自分のことを客観的になんか見れません。
わからなかったんですが、ふっと思い出したところ、我が家は、長野はリンゴなので、リンゴ、桃、ラ・フランス、私の弟が跡をとって、専業農家です。私は真面目でした。今も真面目な国
会議員です。朝から晩まで働いています。
農業もちゃんと手伝いました。農薬の散布のときも、私がいないとちゃんと散布ができない。スピードスプレーヤーではないんです。ホースでやっているんです。大変です。
横にこのぐらいの高さの土管があるんですね。団塊の世代の皆さんはおわかりになると思いますよ。そこに農薬をぶち込んで、そしてかきまぜて、ホースでもってぴいぴいやっているわけです。私はじいさんに怒られた、孝、また出てないぞ、何やっているんだと。消毒がばたばた滴り落ちる中、ホースがリンゴの木にひっかかったりしないようにしているのが私の役割です。
それからもう
一つ、何か詰まったぞと。今
考えると恐ろしいんです。でかい土管の中の農薬の攪拌を私がこうやってするんです、詰まっているのを。どれだけ悪い空気を吸ったか。ちょっと口が悪くなったのは、そのせいかもしれません。
それで、パラチオン、ホリドールです。
長島政務官はおわかりだと思うんですが、ホリドール、自殺に使われて、一九七一年に禁止になりました。だけれども、それまで何年も使っておいて、大分後になってから、発がん性がある、催奇性がある、非常にひどい薬だったなんて言われたって、その前にさんざっぱら吸い込んだ私なんかはどうなるんですか。私はいいです。だけれども、私の子孫のところには確実に悪影響が出ているはずです。
私の母親がじいさんと大げんかしました。うちの母親は農薬をぶつと、消毒をぶつと言うんですけれども、次の日、半日は寝込まないと農作業をできないんです。うちの母親は、無学な何にもわからない母親ですけれども、自分は子供を産んでいるからいい、だけれども、ちっちゃい子供には手伝わせたくないと言って抗議して、おかげで私は、摘果だとか袋かけだとか収穫とか、みんなその後も続けて作業をしましたけれども、農薬作業からだけは解放されたんです。こういう原体験があります。それが多分あったんだろうと私は思います。やはりこれはちゃんとやってもらわなくちゃならない。
それで、立派な国は立派な国でちゃんとやっているんですよ。今、私からするとなまくらな答弁でしたけれども、フランスとドイツとイタリアとスロベニアでは、クロチアニジン、
日本ではダントツと呼ばれていまして、断トツに危険な薬だと思いますけれども、これは禁止されているんですよ、とっくの昔に、二〇〇六年に。
そして、それにかわるフィプロニルという薬がフランスでは使われ出した。フランスが早いんです。そうしたら、フランスは二〇〇四年にそれも禁止している。皮肉なことに、その二〇〇四年に
日本でその新しい薬が認可されて使われ始めている。こういうイタチごっこを繰り返しているわけです。
だから、薬害エイズ事件がありました。アメリカではとっくに禁止されている。
日本では平気で使っている。今これだけインターネットで
外国の
状況もわかるんです。彼らがでたらめに禁止しているわけじゃないんですよね。同じことを言っている。人間には影響がないと言っているんです。そんなことはわからないです。BSEは新型クロイツフェルト・ヤコブ病と関係ないとイギリスは言っていたんです。だから、イギリス
国民は
政府の言うことをもう信じません。遺伝子組み換えにも物すごく厳しいんです。
悪いことがあったら、すぐ禁止しようじゃありませんか。ほかの国もやっているんです。それなのに、
日本は大量に使っちゃうんです、真面目ですから。これは
政府が一大決心をして即刻やめていく。
「サイレント・スプリング」というのがあります。もう書いています。「ア・スプリング・ウイズアウト・ビーズ」、二〇〇八年で
日本語でも翻訳されています。アメリカの学者が本を書いているんです。ミツバチのいない春、ミツバチを食べているほかの鳥もいなくなっていってしまう、そして人間にも類が及ぶんです。
これはひょっとして
HACCPよりも、ひょっとしてじゃなくたって
HACCPよりも、
TPPよりも、何よりも私は大事なことだと思う。我々
日本人の生命を守るためです。それから、地球生命全体を守るためです。
日本は率先してそういうことをやっていくべきだと私は思います。ぜひこのことを肝に銘じておいていただきたいと思います。
それで、いっぱい現下の農政問題について聞きたいんですが、通告はしておいたんですが、時間がなくなりましたので、大事なことだけをちょっと聞かせていただきたいと思います。
けちをつけるわけではないんですが、いろいろ景気のいいことをやっていただくのはいいんですが、与党自民党が
農業・
農村所得倍増目標十カ年
戦略の公約というのを言っていますよね。
私は支持者訪問を真面目にやっているんですよ。そうすると、今までは民主党の農政のことでいろいろ批判されていましたけれども、これについて、何をまたばかなことを言っているんだ、誰が信じるかと。生の声ですよ。公約であんな立派なことを言っておいて、さっさと
TPPに入りやがってと。私が言っているんじゃないですよ、私はもっと美しい言葉を使いますから。また、うそにうそを塗り固めて、十年で所得倍増なんて誰ができる、それだったら、あんたらやれと言いたくなる、それはやってほしい、だけれども、これは本当にそういうことを言って、やっていっていいんでしょうかと。
政府・与党で、
政府はこれについて、今のところ、どういう
対応をされる予定なんでしょうか。