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新藤国務大臣 私は、日本の国の問題点というのがもう整理は大分されてきていると思うんですね。
戦争が終わって、まずは復興だ。それから復興の後に、万博や新幹線が通りましたけれども、そして、それぞれの
地方が頑張って経済成長をなし遂げようではないか、こういうことが行われました。しかし一方で、
地方から
都市部への人口の移動、それから第一次産業から第二次産業、第三次産業への労働力の移行というのが行われたというふうに思っています。そして、高度経済成長が飽和に達しようとするところで、今度は均衡ある発展をなし遂げようではないか、こういうことになりました。しかし、バブルがはじけて以降、その後の私
たちの国の
目標というものが明確になっているんだろうか、実は、私はそういう問題意識をずっと持っているんです。
そして、今の少子高齢化、人口減少、そして都市への集中による都市問題、一方で、
地方の過疎化や
自立性の弱体化、こういったものが起きていて、これらを総合的に、どのように日本の国を直していかなくてはいけないのか。
その
意味において、これまでのやり方、まずは整備の整っていない
地域にひとしくナショナルミニマムとしての社会資本を整備しましょう、これはもう一段落したと思うんです。ですから、今度は、今は
地方にはお年寄りがどんどん多くなって、そして、町の中では人はたくさん来るけれども住みづらくなって生活も厳しい、こういう
状況を直さなければいけないのは誰もが感じていて、そして、そのために、今の国の政治が飽き足らない、こういう中で
政権交代が行われたわけだと思います。そして、試行錯誤の結果、さらにまた
政権交代が起きて、立党の原点を
見直しつつ、新しい考え方を導入できないか、こういう工夫をしたいということで今我々がここにいるわけであります。
あらゆる
意味で、今までのやり方を続けていては、それは今の状態を維持できるけれども、向上することができないのではないかというのは、
国民が
皆さんお感じになっているのではないかというふうに思います。
ちょっと脱線して恐縮ですが、私
たち日本は、少なくとも近代になって明確な国家
目標を持っていたと思うんです。それは、まず明治維新です。それから、殖産興業でした。そして、戦争が終わった後の戦災復興。それから、経済成長。高度成長でもいいと思います。そして、均衡発展。その先をどうするんだ。これは、私は今、安倍
内閣の一員として、また、これから安倍
内閣として進めていく中で、この国家
目標を明確にみんなで共有できるものを定めようではないか、こういうことを提案しております。
私
たちは、今これだけの景気が悪い中で、世の中が不安の中で、
努力している人だらけです。今この御時世に、手を抜いて、今までよりも少しペースダウンして会社
経営をしていこうと思っている人は、余りというよりも、多分いません。それから、我々一人一人も、何とかこの状態を打開するために必死の
努力を、これまで以上のことをやっていると思うんですね。でも、国力が上がらないのはなぜなんでしょうか。もしかすると、それは、力が間違った
方向に向かっているのか。それとも、分散されていて、みんなの
努力が一つになっていないから、だから効果を発揮できないんじゃないかとも思っています。
もちろん、シンプルに一つで解決するわけではないんです。でも、少なくとも、私
たち国家、我々の先輩方は、そして
国民は、明確な国家
目標をその
時代その
時代で共有していたんです。何を共有すべきかは、幾つかのテーマはもう出てきています。そういったことはヒントがたくさんあるんです。ならば、それを
国民が共有するような形が必要だ、このように思うのであります。
そして、なぜ今が
転換点かといえば、これは、このままいったのでは、国は下り坂に行くどころか、もしかしたら崖からおりるように国力が下がる可能性もあります。いっときそういうことがありました。リーマンの後もそうでしたし、その後の世界的な変化に
対応して、前
政権ではとてもその
部分が苦労された、このように思います。
いまだにその危機は解消されていません。ですから、ここのところで頑張って、もう一度今の目の前の暮らしを立て直しつつ、将来の国の
目標を定めて、そこに向かって頑張る体制をつくれるようになるのか、それとも、言いながらもできないで、もがきながらも落ちていってしまうのか、まさにそのタイミングを迎えているとするならば、ここで
転換しなくてどうするんだ、こういう思いで私は政治をやらせていただいているつもりであります。
及びませんが、そういう思いでやらせていただいておりますし、安倍
内閣の全閣僚がそうしたことを共有して、安倍総理のもとで私
たちはこういう
政権を運営していくんだ、こういう思いでございます。