○佐々木(憲)
委員 私は、日本共産党を
代表して、〇増五減の小
選挙区
区割り法案に反対の討論を行います。
本
法案の
審議に当たって、自民、公明両党は、十六日夜の議院運営
委員会で一方的に
委員会付託を強行し、昨日、与野党の合意なく、与党単独で
委員会を開会し、与党だけで
審議を行いました。さらに、きょうで
質疑を打ち切り、強引に採決まで行おうとしていることに強く抗議をしておきたい。
議会の運営は、本来、与野党の合意の
もと、円満に行うべきであります。とりわけ、
選挙制度は民主主義の根幹であり、土台であります。全ての
政党会派が参加して
議論すべきものであります。与党の多数をもって強行することは、議会制民主主義を根底から破壊することになりかねません。
まず、一票の
格差をめぐる一連の
違憲判決について言っておきたい。
立法府の怠慢を指摘したと言いますが、そもそも、現行の小
選挙区比例
代表並立制の出発点に問題があります。
一九九三年、政治改革と称して小
選挙区比例
代表並立制の導入が提案されたとき、我が党は、小
選挙区制は、
選挙制度の基本である民意の公正な議席への反映をゆがめ、比較第一党が虚構の多数を得ることで強権政治を推し進めようとするものだとして反対しました。同時に、小
選挙区の
区割りが発足時から二倍を超える
格差を容認していることは、
投票価値の平等を踏みにじる
違憲立法だと批判しました。
出発点から問題のある制度を二十年近くも維持し続けてきた
各党の
責任が厳しく問われているのであります。
本
法案は、小
選挙区〇増五減法に基づき、小
選挙区の
区割りを
画定しようとするものですが、私
たちは、
もともとこの〇増五減に反対をしてきました。
〇増五減は、
最高裁が
違憲状態とした一人
別枠方式による配分を実質的に残して、
格差が二倍を超える
選挙区をとりあえずなくすという、まさにこそくな
びほう策であります。しかも、これを推し進めた民主、自民、公明などの党は、〇増五減で小
選挙区を固定化した上、比例定数の大幅削減を主張し、提案してきたのであります。これは、制度の抜本改革を棚上げするもので、到底認められません。
選挙制度は民主主義の根幹であり、多様な民意をいかに正確に議席に反映するかというのが基本原則であります。
衆議院選挙制度の改革をめぐっては、一年半前から十六回、全ての
政党が参加して
各党協議が行われました。そこでは、現行の小
選挙区比例
代表並立制が民意を著しくゆがめており、民意を反映する抜本改革が必要だということが
民主党以外の多くの
政党の共通
認識となりました。
現行の小
選挙区並立制が根本的欠陥を持っていることは、この制度の
もとでの六回の総
選挙結果が浮き彫りにしております。
二〇〇五年総
選挙では自民党が二百九十六議席、二〇〇九年は
民主党が三百八議席、昨年末は自民党が二百九十四議席と、第一党が圧倒的な議席を獲得しました。いずれの
選挙も、小
選挙区での第一党の得票率は四割台にもかかわらず、七から八割もの議席を占めているのであります。得票率と獲得議席に著しい乖離を生み出し、議席に反映しない
投票、死に票が過半数に上っております。民意の反映を大きくゆがめる小
選挙区制の害悪は明白であります。
また、一票の
格差問題についても、小
選挙区制の
もとでは、地域別の
人口変動に応じて
格差の拡大は避けられず、必然的に
格差是正を繰り返さざるを得ないことになり、
投票権の平等の原則とは両立しないのであります。
したがって、これらの問題を解決するため、現行小
選挙区並立制の廃止を決断すべきです。
我が党は、小
選挙区制を廃止し、
全国十一ブロックの比例
代表制を提案しておりますが、民意を正確に反映する
選挙制度に抜本改革すべきであります。
最後に、昨年の民主、自民、公明の三党合意をてこに、
国会議員定数の削減を推し進めようとする動きがあることは看過できません。
定数削減は、
もともと消費税増税を押しつけるための身を切る改革として
民主党政権が持ち出してきたものであり、〇増五減に続いて、今自公が準備している案も、
民主党提出の
法案も、その中心は比例定数の削減であります。
小
選挙区の
投票価値の平等が問題となっているとき、比例定数の削減を持ち出すのは筋違いであるということであります。民意をさらに切り捨てる、極めて不当なものであります。そもそも、我が国の
議員定数は、先ほどの
質疑でも明らかになりましたように、国際的に見ても歴史的に見ても少ないものであり、定数削減を行う合理的な根拠は存在しないのであります。
以上、反対討論を終わります。