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2013-04-04 第183回国会 衆議院 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会 第6号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十五年四月四日(木曜日) 午前九時三十三分
開議
出席委員
委員長
保岡
興治
君
理事
石原
宏高
君
理事
奥野
信亮
君
理事
原田 義昭君
理事
平沢
勝栄
君
理事
ふくだ峰之君
理事
泉 健太君
理事
佐藤 茂樹君
青山
周平
君 安藤 裕君
井野
俊郎
君 石川
昭政
君 大串 正樹君 大塚 拓君 今野 智博君
白須賀貴樹
君 助田 重義君 田所 嘉徳君
高橋ひなこ
君 中村 裕之君 鳩山 邦夫君
藤井比早
之君 宮内 秀樹君 宮川 典子君
務台
俊介
君
村井
英樹
君
山田
賢司
君 吉川 赳君
大西
健介
君
岡田
克也
君
奥野総一郎
君 後藤 祐一君
中根
康浩
君
井上
英孝君 坂元 大輔君
中丸
啓君 丸山 穂高君
村上
政俊
君
國重
徹君
遠山
清彦
君 井出
庸生
君
佐々木憲昭
君
玉城デニー
君 …………………………………
参考人
(
選挙プランナー
・
一般社団法人日本選挙キャンペーン協会専務理事
)
三浦
博史
君
参考人
(
慶應義塾大学大学院政策
・
メディア研究科客員教授
)
夏野
剛君
衆議院調査局
第二
特別調査室長
岩尾 隆君
—————————————
委員
の異動 四月四日
辞任
補欠選任
井野
俊郎
君
山田
賢司
君
長坂
康正
君
青山
周平
君
務台
俊介
君
村井
英樹
君
岡田
克也
君
大西
健介
君
村上
政俊
君
中丸
啓君
井上
義久
君
遠山
清彦
君 同日
辞任
補欠選任
青山
周平
君
長坂
康正
君
村井
英樹
君
務台
俊介
君
山田
賢司
君
井野
俊郎
君
大西
健介
君
中根
康浩
君
中丸
啓君
村上
政俊
君
遠山
清彦
君
井上
義久
君 同日
辞任
補欠選任
中根
康浩
君
岡田
克也
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
公職選挙法
の一部を改正する
法律案
(
逢沢一郎
君外五名
提出
、
衆法
第三号)
公職選挙法
の一部を改正する
法律案
(
田嶋要
君外五名
提出
、
衆法
第一号) ————◇—————
保岡興治
1
○
保岡委員長
これより
会議
を開きます。
逢沢一郎
君外五名
提出
、
公職選挙法
の一部を改正する
法律案
及び
田嶋要
君外五名
提出
、
公職選挙法
の一部を改正する
法律案
の両案を一括して議題といたします。 本日は、両
案審査
のため、
参考人
として
選挙プランナー
・
一般社団法人日本選挙キャンペーン協会専務理事三浦博史
君及び
慶應義塾大学大学院政策
・
メディア研究科客員教授夏野剛
君に御
出席
をいただいております。 この際、両
参考人
に一言御挨拶申し上げます。 本日は、御多用中のところ本
委員会
に御
出席
をいただきまして、まことにありがとうございます。両
参考人
におかれましては、それぞれのお
立場
から忌憚のない御
意見
をお述べいただきたいと存じます。 次に、議事の
順序
について申し上げます。 まず、
三浦参考人
、
夏野参考人
の
順序
で、お一人十分
程度
御
意見
をお述べいただき、その後、
委員
の
質疑
にお答えいただきたいと存じます。 念のため申し上げますが、発言する際には
委員長
の許可を得ることとなっております。また、
参考人
は
委員
に対し
質疑
することはできませんので、あらかじめ御了承願いたいと存じます。 それでは、まず
三浦参考人
にお願いいたします。
三浦博史
2
○
三浦参考人
ただいま御紹介賜りました
選挙プランナー
の
三浦博史
でございます。
大変僣越
ではございますけれども、多少のお時間をいただきまして、
選挙
の現場に携わっている者の一人として、このたびの
ネット解禁
について、
与党案
がよしとされている
論点
について、私なりの
意見
を述べたいと
思い
ます。 冒頭に、まだ決まっていないようでありますが、あすのこの
委員会
で、与野党間の合意がなされ、本法案が成立するかもしれないという
マスコミ報道
を聞き、ここにおられる全ての
議員
の
先生方
の御尽力に、心からの敬意と謝意を表したいと
思い
ます。
選挙戦
におきまして、
日本
の
常識
、
世界
の
非常識
と言われるものの代表的な例の
一つ
が
ネット規制
であります。同時に、今回は
関係
ございませんけれども、
世界
の
選挙
の
常識
であるドア・ツー・ドア、すなわち
戸別訪問禁止
につきましても、これは
世界
の
非常識
に該当しますので、ぜひ近
未来
、御検討を賜りたいと存じます。 さて、本来、私は、
ネット
上での
規制
はできない、また、すべきではないという
完全自由化論者
であります。しかし、問題は、
第三者
というふうに位置づけられておりますが、
主役
たる、
主権者
たる
有権者
の
立場
に立った
法改正
でなければならないということであります。 不測の
事態
により、
有権者
に対し、
想定外
の迷惑をかけたり、
日常
の
コミュニケーション事情
に
支障
を来したり、
社会
的な
混乱
や秩序を乱すことが絶対にあってはならない。仮にあるとしましても、それを
最小限
にとどめるということが、私は、
政治
の責任の
一つ
ではないかというふうに考えております。
有権者
が、今回の
法改正
によりまして、できる限り
混乱
することなく、コンプライアンスを守りつつ、また、悪質かつ巧みな
投票誘導
などの
事態
が起こらないよう十分
配慮
をいただいた上で、段階を踏んで
完全自由化
をしていくことが
セカンドベスト
というふうに考えている次第でもございます。 それでは、
論点
に移りたいと
思い
ます。 まず、
有料バナー広告
を
政党
のみに限定することについてでありますが、これは第一に、
テレビ
や
ラジオ
でのCMなど、他の
有料広告
との
整合性
の問題があると
思い
ます。 現行の
公職選挙法
におきましては、
テレビ
や
ラジオ
での
政党
による
広告
、
政策宣伝
は認められておりますが、
候補者個人
による
選挙広告
は認められておりません。
政治活動
については禁止されていないという御
指摘
もあるようですが、御承知のように、
民放連等
による
自主規制
も相まって、
立候補表明
以降、
特定
の
期間
に当たりましては、
売名行為
や
選挙運動
にわたる
表現
や
出演等
、厳しく
規制
されているのが
実情
と言えます。
有料バナー広告
を
政党
のみならず
候補者個人
まで広げて認めるのであれば、
テレビ
や
ラジオ
での
候補者個人
の
有料選挙広告
も認めなければ
整合性
はとれないと考える次第でございます。 第二に、
選挙運動費用
の
法定制限額
があるので、問題はないのではないかという御
指摘
、御
意見
もありますが、裏を返せば、
法定制限額
以内であれば幾らでも
有料広告
ができるという解釈ともなります。 大体、先日行われた総
選挙
も、
参議院選挙
におきましても、
法定制限額
ぎりぎりの
収支報告
を出している
候補者
は皆無に近いのが
実情
であります。 一例を挙げてみますと、
総務省
の
平成
二十二年七月十一日執行の
参議院比例代表選出議員選挙
における
公職
の
候補者
の
選挙運動
に関する
収支報告書
の概要によれば、百八十七名の立
候補者
の
平均
の
支出総額
は一千十万二千八百八十八円となっています。
法定選挙運動費用額
は五千二百万円であるため、
平均値
とはいえ、あえて無理に推測をすれば、残りの四千万円
程度
を
有料バナー広告
に投入することも可能となるわけであります。これを
候補者
が実行した場合、
ネット
上ではかなりの露出が予想されます。 ちなみに、同年の
最高額
の
候補者
の方は、約三千三百万円でありました。それでも二千万円弱の余裕があると言えます。これでも十二分に
有料広告
が可能なわけであります。 そしてもう
一つ
は、
公職選挙法
の
精神
から逸脱するのではないかということであります。
我が国
の
公職選挙法
は、昭和二十五年施行の古い
法律
とはいえ、徹底して
機会均等
の
精神
が貫かれていると言えます。
法定制限額
の設定もその
一つ
でありますが、米国にはそうした
制限
がなく、例えば
テレビコマーシャル
の予算も、
スーパーPAC
の
外部団体
を含めれば、青天井が
実情
であります。 しかし、
我が国
では、確かに
時代
おくれの面は否めないものの、大半の
印刷物等
におきましても、
量的制限
を課すことにより、当落が
資金力
の大小になるべく左右されにくくなるように
配慮
されていると
思い
ます。
論点
となっている
候補者個人
の
有料バナー広告
を可とすることは、前述のような
法定制限額
以内におさまるにしましても、
資金力
のある
候補者
にとっては、少なくともサイト上に限っては、
投票誘導
が多少なりとも優位に働くであろうことは容易に想像がつきます。 次に、
第三者
による
メール配信
を不可とすることが妥当と思われる
論点
についてですが、まず
一つ目
は、善意の
有権者
への十分な
配慮
がなされなければならないというふうに考えております。
完全自由化
して、
罰則規定
、これは
禁錮刑
、
罰金刑
、
公民権停止
などがございますが、これが周知徹底されないうちに
選挙戦
に突入すれば、
一般
の
有権者
がみずからの熱い
思い
を
メール
で
送信
した結果、
思い
がけず
刑事告発
をされることもあり得ます。
取り締まり当局
の手間も、恐らく膨大なものになるに違いありません。
ネット解禁
によって、
投票率
の向上や
選挙コスト
の軽減、
有権者
の
政党
、
候補者比較
が容易になるなどの
メリット
が期待される反面、
罰則規定
や
ルール
が十分に周知されていない
第三者
、特に
選挙
の
主役
である
有権者
が少なからず
選挙違反
に問われることも想定され、そうした
事態
は避けるべきというふうに考えております。 こうしたことを避けるためにも、まずは
メール
の
配信
を
政党
及び
候補者個人
のみにとどめ、
ルール
の
周知徹底状況
など、しばらく様子を見た上で
第三者
までその
範囲
を広げていくなど、段階的な措置で
混乱
を
最小限
にとどめる
配慮
が必要と考えている次第でございます。
二つ目
は、過度の
落選運動
を回避しなければならないと思っております。 昨年の
韓国
における
国政選挙
、特に
大統領選挙
におきましては、
ネット
上で多くの悪質かつ行き過ぎた
落選運動
が展開されました。
企業
や
法人
、
個人
が
特定候補
への
落選運動
のための
メール
を一斉に
配信
することも可能となった場合、海外の
サーバー
を使えば、少なくとも
公示期間
中、
刑事告訴
はもとより、削除を求める
行為
や事実認定は事実上不可能と思われます。
韓国
では、不正な
選挙運動
を
監視
、
規制
するための
委員会
や
監視団
が設置されましたが、それでも大きな
混乱
が後半戦では生じております。 私が一番大切な
論点
と思っているのは、
情報
の
信憑性
、
信頼性
という問題であります。
テレビ
、
ラジオ
、新聞などの媒体については、
有権者
はその
情報発信源
から発信される
情報
に対し、
自己評価
とはいえ、
一定
の
信頼性
、
信憑性
のランクづけや
判断
が可能であります。
政党
や
候補者個人
から発信された
情報
についても、先入観に基づくかもしれませんが、
個人差
はあるといっても、
一定
の
信頼性
や
信憑性
は得られると思われます。 しかし、その
範囲
を
第三者
にまで広げた場合、特に、
第三者
には
企業
、
法人等
も含まれるため、恐らく
企業
、
法人
が
特定
の
候補者支援
の一環として、
選挙運動
に関する
メール
を
配信
する
対象者
を獲得するための
運動
が組織的に繰り広げられ、仮にそれを断った場合の
社会
的問題や、それを承諾した場合でも、大量の
選挙運動
に関する
メール
が
対象者
に届くという
事態
も予測され、
政党
や
候補者
からの
メール
が開きにくくなったり、
日常
の
メール
のやりとりにも
支障
を来すことにもなりかねません。大量の
選挙運動メール
が短
期間
に集中して届くことで、
メール
が見られなくなる、信用しなくなるといった、一時的な負の
社会現象
を生むおそれも
懸念
されます。 まだまだ申し上げたいことはございますが、大切なことは、
主権者
たる
有権者
の
立場
に立った
法改正
でなければならないということであります。
我が国
では、
東日本大震災
時に
世界
から称賛された秩序ある
治安維持
の
状況
を見てもわかりますように、さまざまな
予防策
を講じておくことにより、大きな
混乱
や弊害を生まないものと確信しております。 御清聴ありがとうございました。(
拍手
)
保岡興治
3
○
保岡委員長
ありがとうございました。 次に、
夏野参考人
にお願いいたします。
夏野剛
4
○
夏野参考人
御紹介にあずかりました
慶應大学
の
夏野
でございます。 私は、
皆さん
もう
御存じ
かもしれませんが、ずっと
ネット業界
におりまして、また、今回大きな
話題
になっている
メール
についても、さんざんひどい目に遭ってきたといいますか、いろいろな
対処
をしてきた、そういう経験もございますので、そういうバックグラウンドをもとに、きょうはメーンに、
インターネット
における
電子メール
の
第三者
への
解禁
について、
与党案
と
野党案
の一番の違いはこの
メール
の扱いというふうに伺っておりますので、こちらについての
意見
を述べさせていただきたいと
思い
ます。 その前に、ここにいらっしゃる
皆さん
は、
ネット選挙運動
の
解禁
に向けてポジティブなスタンスを持っていらっしゃる方が多いと思うんですけれども、その方々には釈迦に説法ですが、ぜひ一言申し上げたいのは、この十五年間に
日本
の
社会
あるいは
世界
がどれだけ
IT技術
によって進化したかということに
思い
をはせていただきたいんです。 例えば
航空券
は、今や国内線の
航空券
の七〇%以上が、
個人
が
ウエブ
で決済する
時代
になっている。これは、
航空会社
の
ビジネスモデル
が根本から実は変わっているんですね。あるいは
証券会社
の
証券取引
は、ほぼ全部
ウエブ
上で行われるようになりました。 十五年前の
常識
は、個別に
営業マン
が
電話
をしてやっている
世界
、もう今はなくなってしまいました。今、例えば
ショッピングモール
なんというところに行きますと、地方の酒屋さんが高級なワインを
日本全国
に向けて売っている
時代
です。これは、商圏というものがもうなくなってしまったんですね。全ての
事業形態
、全ての
ビジネス
が、
IT
によって、この十五年間で激変しているんです。 しかしながら、今回
話題
になっている
公職選挙法
も含めて、
社会
の
制度
、あるいは
日本
の
企業
も、年功序列、
終身雇用
、
新卒一括採用
を初めとして、二十年前、三十年前と同じことをやっていることが、私は、この二十年間の
日本
が元気がない最大の
理由
だと思っているんです。 これは、ほかの国を見ていただければ、
御存じ
のように、例えばアメリカ、別にほかの国が全ていいわけではありませんけれども、ほかの国はそれなりに、
社会
の
制度
にどんどん
IT
とか
状況
の変化というのを反映させているのに対して、
日本
の
社会システム
、あるいは
会社
の仕組み、
民間
もかなりおくれています。
民間
の仕組み、あるいは
大学
の
教育制度
も含めて、余りにこの
IT
というもの、あるいは新しいものを受け入れるのをゆっくりやってきた、余りやってこなかった。これが
日本
の
未来
にどれだけの
影響
を与えるかということをぜひ念頭に置きながら、きょうの
お話
をお聞きいただければというふうに思っております。
電子メール
の
第三者
への
解禁
に絞って
お話
をさせていただきますけれども、
御存じ
のように、
インターネット
はもう既に
生活基盤
になっています。お手元の資料を見ていただければおわかりのように、二ページ目です、
インターネット
上のアプリケーションで一番使われているのが
メール
という
状況
です。ただ、もちろん、ここには世代間の格差がございまして、極端な話を言ってしまいますと、五十代以上と四十代以下では全然
使用形態
が違うのも事実です。 ただ、先ほどの
お話
にもありましたような、これから
お話
しする
迷惑メール等
に関しても、実は、使っていない方にはほとんど迷惑はかからないという
現実
もあるのが今回の
迷惑メール
です。ですから、そういう意味でいうと、
電話等
に比べれば全然ましかもしれません。
街宣車
に比べれば全然ましかもしれません。そういうようなこともあります。
個人
間の
インターネット
の
コミュニケーション
は本当に変貌しています。
メール
に関して言いますと、これだけ広く使われておりますけれども、最近は
商業用
のいわゆる
メール
というのもかなりふえてきましたので、
個人ベース
でいいますと、
皆さん
が常に検討されていらっしゃる
SNS等
も含めて、そういった
代替物
も使いながら、いわゆる五十以下の
ユーザー
というのは、
メール
だけではない、複合的な
方法
で
個人
間の
コミュニケーション
をしているというのが現在の
現実
でございます。 ここの中で、
公職選挙法改正
に向けた
与党案
における、
選挙運動用電子メール
の
解禁主体
を
候補者
、
政党等
に限るということは、実は、これだけ
個人
がたくさんの
コミュニケーション
をしている中では、かなり複雑な、あるいは
有権者
にとって非常にわかりにくい内容になる
可能性
があるということをぜひ今回御
指摘
させていただきたいと思っているんです。 例えば、
誰々
さんが当選した方がいいんじゃないかなと、
ツイッター
でつぶやいてもいいのに、
メール
で送ったらだめというのは、これは非常にわかりにくいですね。あるいは、みんなで投票しようよ、
誰々
さんに投票しようよなんということを、口頭で言ってもいいし、
ツイッター
で言ってもいいし、
フェイスブック
で言ってもいいけれども、
メール
はだめ、これはよくわからないですね。そういうことが起こり得るということでございます。 この
与党案
が
第三者
への
解禁
を見送った
理由
は三点あるとお伺いしています。 一点目は、成り済ましや
誹謗中傷
の
取り締まり
が困難であるということなのでございますけれども、これは、実は
電子メール
に限った話ではございません。
SNS
、
ツイッター
や
フェイスブック
でも成り済ましの問題はたくさんありますし、
皆さん
、恐らく、同じ名前の
ツイッター
の
アカウント
で全然知らない人がやっているというのを発見された方はいらっしゃると思うんですけれども、これは
電子メール
に特別な話ではないということですね。にせ
アカウント
というのは常に存在し得る話なので、これがいいとはもちろん申しませんけれども、
メール
に限った話ではないということは御理解いただきたいと
思い
ます。 それから、先ほど
三浦
さんもおっしゃっていました
迷惑メール
の
被害拡大
ですけれども、実は、
日本
は、携帯に対する
迷惑メール
が物すごく多く発生したのが二〇〇一年ごろでございまして、このころから、各ISP、特に
メールサーバー
を管理している
人たち
というのは、かなり
迷惑メール対策
をやってきています。これは業者によって
やり方
が全部異なっていますし、そのロジックは公開されておりません。公開すると、それをくぐりますので。ただ、
大量送信メール
と言われるものに対しては、
ユーザー保護
の観点から、かなりいろいろな
対策
が進んでいるというふうに認識していただいて結構だと
思い
ます。 これは実際に、今、
商業用
の
迷惑メール
というのがたくさん存在する
現実
に
対処
するためになっております。ですから、これが全て
選挙用
の
メール
にそのまま適用できるとは考えておりませんけれども、
大量送信
で
一般消費者
の
国民生活
に
影響
が出るようなことが一時的に起こったとしても、これに対する技術的な
対処方法
というのは存在しているということは事実としてあると
思い
ます。 ただ、それでも、悪意を持ってやろうと思う人間がかいくぐってくるのは
現実
としてございます。ですから、完全にこれを排除することはできません。できませんが、それよりも、
一般
の
国民
が簡単に
コミュニケーションツール
を使って
政治
に対して
議論
するという
メリット
との
比較
で考えると、私は、
一般
の
国民
が自由に
ITツール
を使って
議論
することの方が
国民
的な
メリット
が大きいんじゃないかというふうに思っております。 そして、最後の
論点
は、
事前承諾
がない
メール配信
による
逮捕者続出
の
懸念
というのが三点目にあるというふうにお伺いしています。 これは、
事前承諾
を得るということが前提になっている
メール
の
送信
なので、
第三者
が
事前承諾
を得ずに、たまたま友達にこういう
メール
を送ってしまって、
最悪
は
公民権
の
停止
を含むようなことになるのではないかという
懸念
でございますけれども、これについては、私は、
事前承諾
というものを
個人
に求める時点でかなり無理があるんじゃないかなというふうに思っています。
議論
の中心が、
政党
及び
候補者
あるいは組織として
メール
を送る
人たち
に対してどういう
規制
をするかという
議論
で行われたということは重々認識しておりますけれども、
第三者
という概念の中には、
一般国民
の普通の
個人
が自分の友人あるいは
関係者
に何か
コミュニケーション
するということが入ってしまいますので、そこで、
誰々
さんがいいんじゃないかなという
メール
を私信として送ったものが、
最悪
は
刑事罰
になるということになりますと、これはとても
一般国民
としては理解がしがたく、なおかつ、その
規制
に誰もがひっかかる
可能性
があるわけですね。そのような
規制
は、私は、合理的かつやむを得ない最低限のものとは言いがたいと
思い
ますので、
最悪
の場合、憲法第二十一条の通信の自由とか
表現
の自由というものと抵触する
可能性
があるんじゃないかとまで私は思っております。 そういう面でいいますと、このような
理由
から、
第三者
への
選挙運動メール
の
解禁
というものを私は強く希望したいと思っています。
第三者
の
メール
には、
事前承諾
も不要と考えております。
候補者
や
政党等
が
第三者
に成り済ますことで
文書図画
の頒布を免れるような
行為
には、現状の
罰則規定
でも十分に対応できると考えておりますので、
解禁
を希望している次第です。 ただ、それでも
第三者
への
選挙運動メール
を
解禁
しないということであれば、逆に、具体的な
選挙運動メール
というものの
規定
、一体どこまでが許されてどこまでが許されないのかというのを明示していただかないと、例えば、私
自身
、
判断
がつかない
グレーゾーン
というのが広がってしまう
可能性
があります。 より複雑な
規制
や仕組みというものを設けることは
国民
の利益につながりませんので、ぜひこの点は御留意いただいて、今後の
議論
につなげていただければなというふうに思っております。 以上でございます。ありがとうございました。(
拍手
)
保岡興治
5
○
保岡委員長
ありがとうございました。 以上で
参考人
の
意見
の開陳は終わりました。
—————————————
保岡興治
6
○
保岡委員長
これより
参考人
に対する
質疑
を行います。
質疑
の申し出がありますので、順次これを許します。
平沢勝栄
君。
平沢勝栄
7
○
平沢委員
自民党の
平沢勝栄
でございます。
三浦参考人
、そして
夏野参考人
には、大変に貴重な御
意見
、ありがとうございました。お二人の
意見
は、
共通点
は、
ネット選挙
は絶対に必要だ、
日本
が早くこれを導入して今の
選挙
の
やり方
を変えるべきだ、この点については、お二人の考えは全く
共通
だろうと
思い
ます。 そして、お二人の書かれた本をいろいろ読ませていただきましたけれども、そしてまた今も
お話
ありましたけれども、
ネット選挙
には、いろいろな
メリット
もありますけれども、同時に
デメリット
があって、それで、
先ほどお話
がありましたように、
デメリット
を
最小限
に食いとめなきゃならないということだろうと
思い
ます。 そこでお聞きしたいと思うんですけれども、
誹謗中傷
、成り済ましとか、こういったいろいろな問題が心配されているわけです。私
個人
も、二〇〇九年の八月三十日、あの民主党さんが大勝された
選挙
のとき、その直前に全くでたらめのことを
ネット
に書かれまして、これがどんどん拡大していくわけですね。 中身は、
タレント
が
女性
と一緒にいて、そしてその
女性
が亡くなったときに
タレント
は何もしなかったということで、なぜすぐ
警察
は捕まえないんだと。その後捕まるんですけれども、なぜすぐ捕まえないんだ、
警察
が捕まえないのはおかしいんじゃないかと。私が働きかけたんじゃないかとかなんとか
ネット
に書かれて、どんどん拡散していくんです。私
自身
は、それはもう全く、
タレント
の名前も知らない、聞いたこともない。なぜわかったかというと、駅で立っていたら、通行人の方が、こういうのが
ネット
に出ていますよということで教えていただいたということなんです。 ですから、こういうことは別に
ネット選挙
を
解禁
しようが
解禁
しまいが起こることでしょうけれども、
ネット選挙
を
解禁
すれば、当然のことながら、
ネット選挙
に対してある
程度
のオーソライズを与えたということになりますし、当然のことながら、
ネット
を見る人が物すごくふえますから、
影響
も、こういったでたらめを書かれたとき、被害が出ても被害回復が
選挙
中は極めて難しい。私の場合も、
選挙
が終わってから弁護士で対応したんですけれども、
選挙
中というのは限られた時間ですから、その間の被害回復というのは極めて難しいということになるわけです。
誹謗中傷
、成り済まし等のいわば事実無根の、要するに相手に対する嫌がらせ、こういったものに対する
対策
については、
三浦参考人
と
夏野参考人
はどうお考えになられるか、ちょっと教えていただけますか。
三浦博史
8
○
三浦参考人
私なりの
意見
を申し上げさせていただきますと、アメリカは、御承知のように大変なネガティブキャンペーンで、ただ、
日本
と違うのは、
日本
では、昔から怪文書というのがあって、差出人不詳で、書いてあることは、今、
平沢
先生がおっしゃったように事実無根ということがありますが、アメリカは、ほとんど事実に基づいたネガティブキャンペーンであります。 大事なことは、向こうはネガティブキャンペーンがすごいんですが、十のことを例えば民主党のA候補がやれば、共和党のB候補は十か二十やり返すという、お互いに、体力、予算、人員、そういったものがほぼ互角に、二大
政党
で大体そろっているんですね。
日本
では、やられ損というか、
選挙
中にやられますと対応のしようがない。もっと言うと、じっくり今から、ちょっと無礼な言い方をすると、
夏野
さんみたいなプロの方が一生懸命私のネガティブキャンペーンを周到に用意されて、公示日にそれをばらまかれたら、十七日間で、私のサイトで幾らそれに反論しても、なかなか徹底しない。そういうふうに、やられ損というか、そういった
時代
背景があると
思い
ます。 ですので、
誹謗中傷
、成り済ましにつきましては、これは今回の
ネット解禁
に
関係
なく出てくると
思い
ますので、ここら辺につきましては、
関係
当局とか、あるいは、
韓国
のように
監視
委員会
を強化するとか、各
政党
でそういったものを徹底して
監視
するとか削除させるとか、あるいは、公的とは言いませんけれども、
一般
有権者
が、ああ、これは作為的にやっているひどい
メール
だな、あるいは掲示だなとわかるような、そういったサイトの立ち上げとかいったことも、官民ともに
監視
していかなければいけないと
思い
ます。
夏野剛
9
○
夏野参考人
私
自身
も、いろいろと
ネット
に書かれることが多うございまして、特に前職の通信
会社
の役員をやっていたときは、事実無根なことをいろいろ書かれたりした経験がございます。 今おっしゃった成り済ましや
誹謗中傷
というのは、本当に
社会
を反映した、暗黒の部分といいますか、非常に悪意を持ったところなんですけれども、これはもう、先生も御
指摘
のように、
ネット選挙
そのものと実は
関係
ないところに存在して、例えば、いわゆる発行部数の非常に少ないようなメディアと言われる中にも、そういうことをやっているところもある。 ただ、
ネット選挙
の
解禁
の一番いいところは、
ネット
で反論ができるようになるということですね。つまり、今までは、そういううわさをばらまかれたときに、
選挙
期間
中であると、ホームページで反論
一つ
できない。ですから、それがまことしやかに語られるなんということがありました。あるいは、先ほど先生がおっしゃられたように、自分は気づいていなかったということ、これが
ネット選挙運動
の
解禁
によって、きちんと自分で反論できる、それは事実無根ですよと。 しかも、
立場
のある
候補者
の方々が反論するということは、そこにうそをついているということはもっと大きなリスクを背負っているわけですから、これはもちろん、それを信じる信じないというのは
国民
の側にありますけれども、少なくとも、きちんと反論できて、しかも、その
影響
度合いというのは
候補者
の方の方が大きいというのは、むしろ健全な方向に行くのではないかと私は思っております。 それから、やはり、
ネット選挙
を
解禁
することで、可視化されるということは大きな意味があります。つまり、可視化というのは、今までは、そういうことを言われていても、知らない間にそういううわさが広まっているとか、先ほど
三浦
さんがおっしゃった怪文書なんというのは、本当に、
信憑性
がなければないほど信じられるみたいなところがありますから、これに対して、これから毎日、御自分の名前をグーグルで検索することになると
思い
ます。検索すると出てきます。出てきたことに対して、きちんと、異論があるのであれば反論する。しかも、グーグルあるいはサーチエンジンで出てこなければ
影響
度合いは少ないですから、そういう意味で、可視化されるということで健全な
議論
が促進される面もあるのではないかな、このように思っております。
平沢勝栄
10
○
平沢委員
ありがとうございました。
国民
の
皆さん
も含めて一番心配しているのはこの点だろうと思うんですけれども、例えば、この
候補者
を何とか落としたい、気に食わないということで、国内でやった場合には、
日本
の
警察
は、それでもある
程度
はできると
思い
ますけれども、私は、国外からもし集中的にやられた場合には、
日本
の
警察
は、捜査協力をやっても、なかなかこれは難しいだろうと思うんです。 そこでお聞きしたいんですけれども、例えば、
特定
の国が、この
政治
家は自分の国にとっては気に食わないということで、国家的に、集中的に
特定
の
候補者
にいろいろな形でサイバー攻撃をかけた場合、被害回復というのは極めて難しいし、捜査当局も、
選挙
中はもとより、
選挙
が終わっても検挙というのはなかなか難しいだろうと
思い
ますけれども、こういったことについてはどうお考えになられるか。
三浦参考人
、ちょっと済みません。
三浦博史
11
○
三浦参考人
私の
立場
ではちょっと分を越えていると
思い
ますけれども、それは
日本
の、
日本
国に対するセキュリティーの問題だと
思い
ます。したがいまして、
選挙
に限らず、ありとあらゆる場でそういったサイバー攻撃はあり得ると
思い
ますので、今回の
法改正
によって、そうしたことがないように、
関係
当局というか、
先生方
のお力で、そういったものを
政党
、
候補者
関係
なく防いでいただく努力をしていただきたいと
思い
ます。
平沢勝栄
12
○
平沢委員
では、
夏野参考人
にも、簡単に。
夏野剛
13
○
夏野参考人
ありがとうございます。 サイバーテロあるいはサイバー攻撃に関しては、非常に大きな問題であると認識しております。 ただ、
政治
家の方
個人
をターゲットにして、ある国家がということは、あり得ないことではありませんけれども、その
メリット
、
デメリット
を考えたときに、それがどれだけの意味があるのかということでいうと、発生
可能性
というのはそんなに大きくないのではないかな、
個人
の方を狙ったのは。あるいは、
政党
単位ではあり得る話ではありますけれども、ある
特定
の国というのは本当に
特定
の国だと
思い
ますので、
一般
の国ということでいうと、国家単位のというのはかなり例外的なことになるのではないかなというふうに思っています。 一方で、組織的な攻撃、あるいは
サーバー
がダウンするようなことというのはあり得ないことではないんですけれども、これは、実は
インターネット
の
世界
では、
日常
茶飯事とは言いませんが、よく起こっていることで、多くの場合は、これは経済的な
メリット
あるいは
政治
的な
メリット
の重さを考えながらやっています。 これは本当にイタチごっこですけれども、最近は非常にトラッキングの技術が進んでおりますので、これは下手にやってしまうと、本当にトラックされて、アイデンティファイされる
可能性
が高くなりますので、やる側も相当な覚悟がますます必要になってきているという
現実
だけ申し上げます。
平沢勝栄
14
○
平沢委員
世界
にはいろいろな国があるわけで、なかなかこれは難しい問題だろうと
思い
ますけれども、これは
一つ
の大きな課題だろうと
思い
ます。 そこで、費用についてお聞きしたいんですけれども、今回のお二人のいろいろな著作物を読んでみますと、費用がかからなくなる、ビラをつくったり、あるいは切手代とか、そういったものが随分かからなくなるという
メリット
があると同時に、今度、
ネット
というのを、御自分が、あるいはスタッフがやればいいんですけれども、当然のことながら、専門家に委託する、そして、
誹謗中傷
対策
であるとか
ウエブ
サイト
対策
とかいろいろなことについて委託するということは起こり得るわけでございまして、そして、もう既に私たちのところにいろいろなそういったダイレクト
メール
が送られてきているわけです。 要するに、費用が一方でかからない、今までのような形ではかからないけれども、別な形で、請負をお願いするというか、委託することによる費用というのが新たに起こってくるんじゃないかなと。これは、いいところに頼めば、効率的、効果的な
ネット
対策
をやろうとすれば、逆に費用もかかるということも言われていますけれども、これについては
三浦参考人
はどうお考えでしょうか。
三浦博史
15
○
三浦参考人
今の御
指摘
は、私は、当初は、
ネット選挙
が
解禁
になれば、産地直売の通信販売みたいなもので、間を抜けば安く買えるというふうに思って、コストがかからなくなると思っておりましたが、この
ネット解禁
に従いまして、いろいろな業者が私どものところにもたくさん来ます。それが、安くなるんじゃなくて、これを防止するためにはこれだけの金額が必要とか、知事選なんかでも、こういうことをするんだったらこの金額を下さいとか、いろいろ来るんですね。正直言って、それをやって本当にできるかどうかもわかりませんけれども、コストが必ずしも安くなるということではないと
思い
ます。 アメリカも、
選挙
費用の中で、オンライン
関係
、随分経費がふえております。オバマ陣営でも、多分七倍ぐらいかな、前々回よりもふえていると
思い
ますけれども、それは、やはり経費をかければかけるだけいいものができるとか、今回は、ビッグデータを含めていろいろな使い方があったと
思い
ますので、そういう点では、必ずしも、
ネット選挙
が
解禁
になるとコストが安くなるというばかりではないので、私どもも含めて、
先生方
も十分に検証していただいて、いろいろお使いになっていただきたいと
思い
ます。
平沢勝栄
16
○
平沢委員
時間もありませんので、今度は
夏野参考人
にちょっとお聞きしたいと思うんですけれども、
夏野参考人
の書かれた中に、
ネット
を使えないというのはもうリーダーに全くふさわしくない、こういうことが書かれてあります。そうかなとも思うと同時に、全てがそうかなという気もしないでもないわけで、ある意味では、例えば
ネット
を極めてすぐれた
会社
に委託してやった人が逆にいいということにもなってしまいかねない問題も出てくるわけでございます。 そもそも、
ネット
がわからなかったら
政治
家として全く資質がないということが言えるのかどうか。私はそういうふうにもちょっと読めるんですけれども、その辺について、
夏野参考人
、ちょっと教えていただけますか。
夏野剛
17
○
夏野参考人
私が、常日ごろから
日本
のリーダーはもうちょっと
ネット
に対して積極的になるべきだと申し上げている
理由
は、一点でございます。 一点は何かというと、リーダーというのは、
政治
家の
皆さん
だけではなくて、経済界のリーダーも含めてなんですが、より多くの
人たち
、つまり自分がリードする
人たち
と、自分の目的あるいは意思を共有して、そして組織の力としてパワーを出していくということが目的ですよね。それをするために、
インターネット
というツールは非常に効率的なツールなんです。 例えば、二万人の社員がいても、全社員に
メール
一つ
送れば、自分と意思共有ができるんですね。今までの
日本
の
社会
ですと、社長、副社長、専務、常務、取締役、執行役員に担当部長に部長、次長、こんな段階が全部あって、伝言ゲームするたびに社長の意思なんというのは下まで伝わらないというのが当たり前でしたが、今は、社長が動画で全社員に向けて意思表明すればいける。 つまり、リーダーとして組織の力を最大限に生かそうとしたときに、
ネット
を使わないという選択肢は今ないだろうと。 もちろん、リーダーの中でも、五人のチームのリーダーだったら、
ネット
を使わなくてもいいんです。ただ、少なくとも、何千人、何万人、何十万人、特に、ここにいらっしゃるような、何十万人、何万人の票を、サポートを受けて出てきていらっしゃる方は、より多くの、密度の濃い
コミュニケーション
を、
ネット
を通じれば、
有権者
の方、御自分に投票いただいた方とできる、このツールを使わない手はないのではないか。 アメリカの新聞記事に出ていましたけれども、欧米のリーダー、
政治
経済のリーダーの七五%が
ツイッター
の
アカウント
を持っているという数字が先日報道されました。
日本
のリーダーはどれぐらいのパーセンテージかわかりませんが、一桁以下であることは事実だと
思い
ます。この現状を私は非常に憂えるものなので、そういう
表現
をさせていただきました。 また、
政治
家そのものの資質かどうかは、私は存じ上げません。申しわけありません。
平沢勝栄
18
○
平沢委員
時間が来たから終わります。ありがとうございました。
保岡興治
19
○
保岡委員長
次に、
遠山
清彦
君。
遠山清彦
20
○
遠山
委員
公明党の
遠山
清彦
でございます。 まず、きょうおいでいただきました両
参考人
、
三浦
さんと
夏野
さんに感謝を申し上げたいと
思い
ます。お忙しいところ、ありがとうございました。 私は、今回この倫選特に出されております、自民党、公明党、維新の会共同提案の法案の
提出
者でございまして、法案の中身について、各党協議会を経て、私どもで起草させていただいた一人でございます。そういった
立場
から、
夏野参考人
の書類を読みますと、私どもの案にかなり厳しい批判をされているわけでございますが、私ばかりしゃべってもあれなんですけれども、若干反論させていただいて、質問をさせていただきたいと
思い
ます。 先ほど来、
夏野参考人
のおっしゃっていることは、私はほとんど、九割同意なんですね。例えば、私
自身
は
ネット
を多用している
政治
家の一人でございまして、ほぼ毎日、
ツイッター
、
フェイスブック
で発信をしております。それから、自分のホームページの更新も、自分
自身
のスマートフォンからやっております。 そういう意味では、
ネット
の有用性というものを十分に私なりに理解して使っているわけですが、しかし、その
立場
からいっても、今回、
第三者
、いわゆる
一般
の
有権者
の方々に
メール
を
解禁
することについては、慎重にならざるを得ないという結論に至りました。 一点、まず
夏野
さんにお伺いしたいんですが、先ほど、
ネット
を使えば反論ができるとおっしゃいました。それはそのとおりです。ですから、私たちの案でも、
ツイッター
、
フェイスブック
、ブログその他の
ウエブ
サイト全般で、
第三者
も含めて自由に
解禁
していますから、そこで反論すればいいんですね。 ところが、
メール
の場合は可視化できないんですね。できませんね。先ほど
夏野参考人
御
自身
が、
政治
家が自分に対して非難中傷されたとしても、キーワードで検索すれば出てくるから反論できるとおっしゃいましたが、例えば、悪意のある、ある
第三者
の方が十万人の方に
メール
を送る、これは今可能なんですね。なぜなら、携帯
電話
の番号の組み合わせだけで、
メール
十万人分、勝手につくれますから。ですから、そこに
メール
をばあっと送る。ある
政党
、
特定
の
政党
あるいは
特定
の
候補者
に対する非難中傷をばあっと書く、それで十万人ぐらいの人に
メール
で送る。でも、
メール
で送った場合は、
メール
で送ったことイコール、
ネット
上で検索しても出てきませんね。つまり、そこが密室性が高いんですよ。
メール
だと可視化されないという問題がありますけれども、この点についてどうお考えになりますか。
夏野剛
21
○
夏野参考人
まず、
遠山
先生が先ほどおっしゃられた、携帯
電話
に対してアドレスの組み合わせで十万件送れるということに対しては、これはできた時期はございましたけれども、今かなり厳しい状態になっています。これは、
御存じ
のように、携帯キャリアの方でかなりの
迷惑メール
の防止をやっておりますので、単純な組み合わせは、今でも続いておりますが、かなりできなくなっている。十万というのはかなり難しくなってきているのが現状だと
思い
ます。 ただ、もしそういったことが行われたとして、間違いなく誰かが
ウエブ
にアップするでしょう、こういう
メール
が来たと。逆に言うと、それがされなければ限定的な
影響
しか出ないので、
選挙
活動に
影響
は出ないでしょう。 こういう密室性の問題はジレンマを抱えておりまして、
ネット
というのは、広く明らかにすればするほど
影響
力は増しますけれども、密室性を高めれば高めるほど、単に私信の
世界
に近づいていきます。 ある
特定
の組織の中での
メール
を回していて、
候補者
の中傷をしたとします。これは外に出てこない。しかも、ある
特定
の組織の中だけでやっている以上は、恐らく
影響
力も限定的でしょう。あるいは、
メール
を使わなくても同じようなことができるでしょう。つまり、
メール
を使ったから効果が倍増したということにはならないと思うんですね。 そういうふうに考えてみますと、
メール
の密室性というのは、本当に
第三者
がさらに
第三者
に
影響
を与える規模になったときには、間違いなく発見されるというのが
ネット
の
常識
だと
思い
ます。 一方で、
ネット
の自浄作用というのがございまして、本人じゃない人が反論することというのが
ネット
上ではよくあります。例えば、私が動画サービスに出て、何かいろいろこういうことをしゃべっていますと、物すごい
誹謗中傷
的なことを書かれるんですが、そんなことを書くやつはここに来るなという、今度はクリーンな方向に行く
意見
が出てきたりして、つまり、これはやじの
世界
と一緒なんですね。 ですから、今回、
第三者
のものを禁止するということは、
メール
においてもそうなんですが、恐らく、
誹謗中傷
的な
メール
が出ると、それが大きな
影響
力を持つと、そんなのはうそだよという
メール
が
第三者
から出てくると思うんです、本当でなければ。 そういうものがありますので、そういう意味でいうと、
現実
世界
にむしろ近いのではないかなというふうに考えてございます。
遠山清彦
22
○
遠山
委員
参考人
、大変貴重な御
意見
だと
思い
ますが、今、最後の方で、言われている本人じゃない、ほかからやじのように反論が出てくるのが
ネット
の
世界
とおっしゃったんですが、それはまさに、ソーシャル・
ネット
ワーク・サービスとかブログ上は、衆人環視の中で行われますから、誰かが書いた投稿を不
特定
多数の人が見て、それについて、名誉を侵害された人以外の方々も書けると
思い
ますが、
メール
の場合は、先ほど
夏野
さんがおっしゃったように、それがそういう場所に投稿されない限りわからないという
可能性
があるわけでございますから、そういう意味では、完全に可視化されていないという問題があるということは
指摘
をしておきたいと
思い
ます。 それからもう
一つ
、実は、
総務省
の資料によりますと、これは
夏野
さんも
三浦
さんもよく
御存じ
だと
思い
ますが、
日本
で流通する
メール
というのは一日当たり二十億通でございます。その一日二十億通流通している
日本
の
メール
の七割が
迷惑メール
。ですから、数でいうと十四億通の
迷惑メール
が毎日飛び交っているというのが現状でございます。さらに、この十四億通の
メール
のうち、九割以上が外国発の
迷惑メール
ということになっております。 実は、ここから問題点は、私どもの案でも、民主党、みんなの党さんの案でも、外国の
サーバー
経由のこういった
迷惑メール
的手法による成り済ましや
誹謗中傷
の
選挙運動
用
メール
は、全く取り締まれないという
現実
がございます。ですから、問題は、これは我々の案でもそうなんです。
選挙運動
の
期間
というのは短いわけでございますので、この短い
期間
中に、外国の
サーバー
経由で
日本
の
有権者
に対して、
メール
という、先ほど来
議論
しておりますけれども、やはり普通のソーシャル
ネット
のプラットホームに比べると、
メール
の場合は密室性が高いのは間違いないわけですね、もともと私信ですから。誰かがオープンにしなければ、ずっと私信なわけですから。そういう手段を使って、例えば投票日二日前にそういった
メール
が大量に出回った場合は、投票日までの二日間の間にそこで侵害された名誉を回復する措置というのは、特に外国
サーバー
経由の
メール
の場合、極めて難しいと
思い
ますけれども、そこは技術的に乗り越えられるんでしょうか。
夏野剛
23
○
夏野参考人
まさに
遠山
先生が今御
指摘
いただいた、現状でも十四億通の
迷惑メール
が流通しており、しかし、
皆さん
はそれで大変な
混乱
に陥っているかということと同じ
お話
だと思っております。 つまり、技術的にかなり対応が進んでいる。冒頭に私申し上げましたように、
迷惑メール
の歴史というのは、この十年間、十二年ぐらいですね、かなりいろいろな対応がとられていますし、毎日が実は戦いなんです。 例えば、ISPの
メールサーバー
を持っている主体者は、毎日、手をかえ品をかえやってくる
迷惑メール
に対して、それがお客さん、
皆さん
に届かないように処理しています。これは、ロジックとしては、
大量送信
の、つまり同じIPアドレスからかなりの通数が出てきたときには遮断するとか、いろいろな
方法
をとっておるんですが、逆に、
遠山
先生御
指摘
のように、投票日の二日前にかなりの
影響
力のあるような大量の
メール
をきちんと届けようとすると、恐らくこれにひっかかります。例えばG
メール
の
迷惑メール
フォルダを見ていただければ、ほとんどが外国から来る
迷惑メール
がフィルタリングされていると思うんですけれども、技術的にはかなり対応が進んでいるということは申し上げておきたいと
思い
ます。 ただし、これで一〇〇%安全かということは、一〇〇%安全ということは
インターネット
技術の
世界
ではございませんので、これは一〇〇%の保証はできません。そういうリスクがあることは事実だと確かに思っております。 ただ、これよりも、だからといって
第三者
が送れない、どこまで書いたら自分は捕まるかもしれないというような曖昧性を
国民
に提供してしまうのは、どちらが
メリット
、
デメリット
なんだろうかという点で、私は、むしろそういう
第三者
を許容した方がいいんじゃないかというスタンスでおります。 以上です。
遠山清彦
24
○
遠山
委員
私も
夏野参考人
の
お話
を伺って、大分また勉強になった点がございます。 私も、
個人
的には、別に
第三者
の
皆さん
に
電子メール
を
解禁
することに将来的に反対ではないんです。ただ、今
インターネット
上で起こっているいろいろなサイバー犯罪、この間、遠隔操作で誤認逮捕が四名も起こってしまったという事件もありましたけれども、問題は、全ての
国民
が
夏野
さんのような
IT技術
のレベルではないということが
一つ
あるかと思うんですね。
迷惑メール対策
も、
メール
は使っているけれども、
迷惑メール対策
を全くやっていない田舎のおじちゃん、おばちゃんというのはたくさんいらっしゃると思うんですね。それから、都会のそういう
対策
をしっかりやっている方もいらっしゃるし、そこは平準化されていないだろうと思うんです。その辺が少しまだやはりちゅうちょせざるを得ないところ。 あとは、実際に
電子メール
の手法を
解禁
したときに、実は、
解禁
してみたら、悪意を持って
選挙運動
用
メール
で
誹謗中傷
する人はそんなにいないということが明らかになってくればいいと思うんですが、ただ、第一段階としては、
政治
家や
候補者
に
送信
主体を限って、あるいは
政党
に限って実施をしてみて、そこでの実施
状況
というのを検証した上で
一般
の方々に
解禁
をした方が、より慎重な対応ではないかというふうに思っております。 ちょっと時間の
関係
で、
三浦参考人
にも一問伺いたいんですが、
三浦参考人
は、
候補者
に
有料広告
、バナー
広告
を
解禁
した場合の問題点について御
指摘
がございました。私もそういう認識を持っているわけでございますが、今、例えば、
政治
家
個人
も、お金をかけて
テレビ
に自分だけのCMを出すということは、別に
法律
で禁じられていないんですね。ところが、
テレビ
の民放連を初め、そういう
政治
家
個人
のCMは出さないと自粛をしている、決めているから出ないということなんです。ですから、私は、そこから類推するに、
インターネット
で
候補者個人
のCMを
解禁
したとしても、恐らく多くの
ネット
を使っている
会社
の方が、
個人
はやめてくださいと言うのではないかなと思っております。 そこの
整合性
を
三浦
さんは
指摘
をされているわけですが、仮に、
インターネット
で
政治
家
個人
のCMは有料でいいですよというふうになった場合、例えば、全国に三百の小
選挙
区が今あって、
インターネット
というのは地理的境界線がないメディア媒体ですので、自分が住んでいない地域の
政治
家の、小
選挙
区の
候補者
のCMがやたら
ネット
上にあふれると、これは一言で言うと非常に迷惑なんじゃないかなと。東京に住んでいる人が大阪六区の
候補者
のCMを
ネット
でたくさん見せられても困るわけでございまして、こういった問題というのは予想されますか。この点を
三浦
さんにお聞きしたいと
思い
ます。
三浦博史
25
○
三浦参考人
答えになるかどうかわかりませんけれども、今の
テレビ
CMができないのは、
選挙広告
は禁止されているわけですよね。
政治
及び政策については、それは
判断
ということだと
思い
ます。 しかし、今回の場合には、
ネット
におきましては、
選挙広告
、
有料広告
をもし
個人
にオーケーとするのであれば、それは民放連
関係
なく、多分、恐らくほとんどの業者の方も何の
支障
もなく
有料広告
を出稿させると
思い
ます。したがいまして、多くのものが氾濫すると
思い
ます。 以上でございます。
遠山清彦
26
○
遠山
委員
三浦
さん、
政治
家
個人
の
ネット
広告
的なものが氾濫をした場合に、それは
有権者
にとって
選挙
の
判断
材料として適切なものなのかそうでないのか。 つまり、
政党
の
広告
が出て、そこから
選挙運動
用の
ウエブ
サイトにリンクするということは私どもの案でも容認をしているわけでございまして、そこから個別の
候補者
に、
政党
ウインドーに入っていくということは私たちも想定しているわけですけれども、そうではなくて、
政治
家あるいは
候補者
個々人が、
選挙
によっては千人以上の方々が出てきて
ネット
に
広告
を打つということが、果たして
選挙
の公正という点からいって望ましいのかどうか。
夏野
さんも含めてお二人にお答えいただいて、終わりたいと
思い
ます。
夏野剛
27
○
夏野参考人
インターネット
広告
は、非常に効果が検証しやすうございます。つまり、
インターネット
広告
と今までの
広告
の一番の違いは、クリックレートが全部出ます。クリックレートが悪いものに回す予算は恐らく
皆さん
ないと
思い
ますので、最初のころに
遠山
先生がおっしゃるような
懸念
が起こる
可能性
はあります。しかし、各
候補者
が、今、ジオIPといいまして、例えばロケーションを限って
広告
を出すとかいう技術もございますので、知恵を働かせて、当然、限られた
選挙
資金の中でどうやるかという
お話
をやられると
思い
ますので、最初からそうだとは申し上げませんが、きちんとそういう形になっていくのが、経済合理性としてあると
思い
ます。 それから、
先ほどお話
しになった、要は、田舎と都会ということでいいますと、これは携帯の
メール
のデータしかございませんけれども、携帯の
メール
でいいますと、都会と田舎で
メール
の発信通数はほとんど変わらないんですね。ですから、地方と都会の格差というのは、実は
インターネット
でいうと、
日本
はそんなに大きくないと推測されるんですが、ただ、年代によってはもちろんそういうことはあります。 実は、
迷惑メール
防止法ができた経緯の中で、ISPに対する責任
規定
がかなり厳しくなりましたので、今、デフォルトで
迷惑メール対策
がオンになっています。特に携帯はそうですね。普通のISPも、G
メール
は、
御存じ
のようにグーグルがやっているサービスなんかを見ますとデフォルトでオンになっていて、時々大事な
メール
がその
迷惑メール
フォルダに入っていたりしますけれども。なので、デジタルデバイドがこれに
影響
するかどうかというのはそんなに大きい問題ではないかなというふうに私は思っていますし、そもそも、使わない方にはほとんど迷惑がかからないという点もございますので、それだけ添えさせていただきます。 ありがとうございます。
三浦博史
28
○
三浦参考人
こういう場でふさわしくない発言かもしれませんけれども、
候補者
を認めると、中には泡沫候補とか、愉快犯的に、非常に楽しいバナーを張っているけれども当選には
関係
ない、こういう方々も出てくると思われます。そして、全くそれは無視されるのではなくて、やはり
一定
の効果というか、
投票誘導
もあり得ると
思い
ますので、私は、今回につきましては、
候補者
の
有料広告
は認めない方がいいというふうに思っている次第であります。
遠山清彦
29
○
遠山
委員
以上で終わります。ありがとうございました。
保岡興治
30
○
保岡委員長
次に、後藤祐一君。
後藤祐一
31
○後藤(祐)
委員
民主党の後藤祐一でございます。 まず、
三浦博史
参考人
と
夏野
剛
参考人
のこれまでの
インターネット
選挙
解禁
に向けたさまざまな活動、そしてきょうの御
質疑
に、改めて感謝を申し上げたいと
思い
ます。 きょうは、
候補者
、
政党
以外の、
第三者
と言っていいのかわかりませんが、これらの方による
メール
送信
が
話題
になっていますので、主にそこに絞って
議論
をしたいと
思い
ます。 先ほどの
三浦参考人
の、これはペーパーで配られておりますけれども、三つほど、この
第三者
メール
を認めるべきでないという
理由
を拝見させていただきましたので、それぞれについてお二人にお聞きしたいと思うんです。 まず、配られている紙の二ページ目の一番下のところに、これがまず
一つ目
の
理由
ということなんでしょうが、一番下から四行目に、「
罰則規定
や
ルール
が十分に周知されていない
第三者
が、少なからず
選挙違反
に問われることも想定され、そうした
事態
は避けなければならない」というふうにあります。これは、さりげなく友達に
第三者
が
メール
を送ってしまって、この人、いいと思わないですか、入れませんかというような
メール
、今でもやっちゃっている人はいると思うんです。そういった方が罰せられるようになるという意味においては、むしろ自民、公明、維新案の方がこの
懸念
は大きいように私には思えるんですが、この点について、両
参考人
の御
意見
を伺いたいと
思い
ます。
三浦博史
32
○
三浦参考人
私の場合、ちょっと、
メール
だけというか
インターネット
だけがほかの
選挙
ツールとは全く違う、異質なものというふうには考えておりません。あくまでも、いろいろな
選挙
キャンペーングッズあるいは
選挙
ツールのうちの
一つ
の手段が
インターネット
、
メール
であると考えております。 したがいまして、普通にやっている、
文書図画
と言われておりますけれども、そういったものにおいても、これは
選挙運動
でやっていいもの、これはまずいものということについては、ほとんどの
政党
、
候補者
、ボランティア、スタッフの方々に、コンプライアンスを含めて、
先生方
、事務所を含めて徹底されていることと存じます。 ですから、その
範囲
であれば周知徹底されていると
思い
ますけれども、
企業
、団体、
個人
等が
メール
は全てオーケーとなれば、そこは、何ら
規制
されていないというふうなことが多分先行して、何をやってもいいんだろうということで、私は、何もわかっていないというか、何をやってもいいと思っている
人たち
が違反に問われるということを
懸念
しているわけであります。 以上です。
夏野剛
33
○
夏野参考人
私も同様に、同様といいますのは、危ないのではないかと本当に思っております。 これは何かといいますと、やはり
第三者
という定義と、それから
選挙運動
用
メール
の定義というのが非常に
国民
にはわかりづらい、今の法案では。特に、今先生がおっしゃったような何げない
コミュニケーション
、
個人
対
個人
の
コミュニケーション
は、恐らく現時点でも行われていると
思い
ます。これを完全に、
第三者
はだめなんだから
皆さん
はやらないでくださいねと幾ら宣伝したところで、実際には存在していると思うんですね。 この存在しているものの中から恣意的に、この人はこういうことを言ったというのを、
個人
的に恨みがある人が例えば
警察
に訴えるとか、そういう形で恣意的にある
特定
の人だけが、自分としては普通にやっていたことを
理由
にもし例えば逮捕されるようなことがあれば、これは非常に大きなリスクになって、もしそういう例が何個か出てくると、私は、
国民
が萎縮してしまうんじゃないかというふうに思っています。
ツイッター
と同じことを
メール
でやったらだめというのは、これは非常にわかりにくい話です。実際には、
ツイッター
でつぶやいたことが
メール
で転送されることもあるわけですね。
フェイスブック
でつぶやいたことが
メール
で転送されることもあるわけです。では、このケースはどうなるんだというふうになると、それは本人が送っていないからいいのか、あるいは最終形が
メール
という形になっているのでだめなのか、この辺も非常に運用上困ると
思い
ますので、先生の御
懸念
は私も同意いたします。
後藤祐一
34
○後藤(祐)
委員
ありがとうございます。
三浦参考人
の
二つ目
の点、その次のページの、過度の
落選運動
を回避しなければならないという点に関してですけれども、これについては、
選挙
期間
より前は今でも同じですし、二つの法案で差はないと
思い
ます。そして、
選挙
期間
中についても、虚偽事項を公表するような形については、これは別途、虚偽事項公表罪、二百三十五条二項ということで罰せられますから、これも二つの案において差はないと
思い
ます。ですから、この虚偽事項公表罪に当たらない形で、かつ
選挙運動
に当たらないようなものは今でも可能なわけですから、これはやれちゃうわけですよね。 ですから、結局、悪意を持って行う
誹謗中傷
メール
は、どういう
規制
をしても行われてしまうでしょうし、海外の
サーバー
を使って外からやったらというような
お話
が先ほどありましたけれども、これは今でも、違法ですが、やろうと思えばできてしまいますし、しかも、それを捕捉することは大変難しいわけです。また、
メール
以外の、
SNS
を使えば、こういった
落選運動
というのは、両方の案、どちらでも可能にしようということになっているわけです。もちろん虚偽はだめですよ。 そう考えますと、悪意を持った人の
行為
についてはどうやっても防ぎようがないし、そして、事実であれば、事実を介して行うことについては、
SNS
でやることは両方の案において可能なわけですから、やはり
メール
のところだけをだめにするという
理由
は、余り、この
二つ目
の先生の説明されている
理由
でも納得がいかないような気がするんですけれども、これについてお二人の御見解をいただきたいと
思い
ます。
三浦博史
35
○
三浦参考人
今の後藤先生の御
指摘
ですけれども、
選挙
は戦争、戦いでありますので、何でも起こり得ると
思い
ます。後藤先生を落選せしめようと思った場合に、例えば後藤先生の支援者を装ったとは言いませんが、
企業
、団体、
法人等
が、たくさんの、先生への通知をした
メール
を集めまして、そして
公示期間
の、投票日の二日前か三日前に、実は後藤さんというのはTPP問題について、こういう席では賛成と言っている、こういう席では反対と言っている、これは事実ですね、そういったことについて私は後藤先生を応援するのはやめることにいたしましたと、そういったようなこともできるわけですね。 ですから、私が申し上げたいのは、
メール
に限らず、
選挙運動
は何でもありでありますから、今回はまずは様子を見て、そして、本当に秩序がなるべく乱れない、そういったことの様子を見て
完全自由化
に踏み切った方がいいと主張しているわけであります。
夏野剛
36
○
夏野参考人
電子メール
は二つの大きな違った側面を持っていると私は思っています。
一つ
は私信の部分ですね。これは
電話
のかわりに
メール
としてやるということが
一般
個人
間でも行われておりますので、ここにおいては、
電話
をかけるのは自由なのに
メール
が
規制
されるというのは非常にわかりにくい。 一方で、
電子メール
の
規制
の
理由
になっている多くのものが、悪意のある
第三者
の団体、
個人
ではそんな
大量送信メール
を余りやらないでしょうから、団体ということになりますね。つまり、
メール
の側面として
大量送信
ができるという側面があって、これを悪用して大きな打撃を与えるんじゃないかということが御
懸念
の一番大きいところとして、私、きょう
お話
を伺っていて感じておるんですが、であれば、そういう側面の
規制
とかそういう側面の
ルール
というものの検討をした方がいいのではないかというふうに思っています。 つまり、
大量送信メール
ということと
個人
間の私信としての
メール
というのを分けた
議論
というのがどこかで必ず必要になると思うんですね。これは今後いろいろな形で
議論
される中で、ぜひその側面を検討していただかないと、後藤先生がおっしゃったような
混乱
が起こる
可能性
が極めて高いのではないかというふうに思っております。
後藤祐一
37
○後藤(祐)
委員
ありがとうございます。 三つ目に、
情報
の
信憑性
、
信頼性
というところを
三浦参考人
は挙げておられますけれども、これもやはり
SNS
でも同じことではないのかなという気がするんですね。この
理由
であるとするならば、
SNS
も禁止しなきゃいけないような気がするんですが、これについて、お二人の御見解をいただきたいと
思い
ます。
三浦博史
38
○
三浦参考人
ここは実際にやってみないと難しい問題だと
思い
ます。 ただ、アメリカなんかの場合は、
夏野
さんに聞かないとわかりませんけれども、私どものレベルで聞いているところでは、
一般
に、
テレビ
が言っていることも
有権者
は余り信用しない。そして、
メール
も
ネット
上のことも、うわさ話も余り信用しない。そういったものになれているというか、
判断
しながら
有権者
は投票するというふうに伺っております。
日本
の場合は、まだそういったことになれていませんので、
選挙
に関しましては、したがって、そういうなれていないところに、いろいろなところから
メール
が来た場合に、自分が
関係
していた同窓会であったり
企業
であったり団体であったり、来た場合に、それぞれを
判断
する、ここから来ているから、この書いてあることが本当とかうそとか、いいとか悪いとかということは、なかなか難しいのではないかな。 実際に、
韓国
でもそうした例があると
思い
ますので、私は、先生がおっしゃる
懸念
はあると
思い
ます。お願いしたいことは、
懸念
されることについては、一応、
政治
の責任をもってそれを
最小限
に食いとめていただきたいのと、あと一点、ちょっと申し上げたいのは、先ほど、十万通のアトランダムなことは難しいというふうにおっしゃいましたが、それを聞いていて思ったのは、多分、私が
関係
すれば、一万通を十回すれば大丈夫かなというふうにもなるわけであります。
選挙
は何でもありですので、そうしたことに対しても対応を、ぜひ事前に防いでいただくということをお願いしたいと
思い
ます。
夏野剛
39
○
夏野参考人
SNS
と
メール
で、今先生が御
指摘
になった点で違いがあるかということに関しては、違いはないと
思い
ます。全く同じだと
思い
ます。 以上でございます。
後藤祐一
40
○後藤(祐)
委員
ありがとうございました。 いずれにしろ、余り完璧性を求めたりとか無謬性を求めたりというのは役所の悪い癖でありまして、これは本当に、
議員
立法でもありますし、議会にかかわる話ですから、もしかしたらこういうことが起こるのではないかということを気にし過ぎて萎縮させるということはできるだけ避けた方がいいという意味で、できれば、民主党、みんなの党案の方が望ましいのではないかということを改めて申し上げたいというのと、残り時間が少しで、ちょっと、全く別の提案を二つほどさせていただきたいと思うんです。
一つ
は、この
ネット選挙
が盛んになってきますと、
政治
家の品定めというか評価、こういったものがいろいろできるようになると思うんですね。 例えば、ここでこういう審議をしているということは、世の中の人は知りません。
テレビ
入りの予算
委員会
なんかは、確かに
国民
は見るかもしれません。大臣なんかは
テレビ
に出たり新聞に出たりはあるかもしれませんが、その他の、こういったところでみんな真面目にやっているわけですね。そこでの発言というのが、結構、それを見ただけで、この
政治
家はちゃんと仕事をしているなというのと、何言っているんだ、この人は、この大臣は答弁が全然なっていないなと結構わかるんです、
先生方
はよくわかると
思い
ますけれども。 それをぜひ
ネット
の
世界
できちんと評価するような
運動
というのがいろいろな形で起きてくると、
政治
家というものがもう少しきちんとやらなきゃやばいなという危機感を持って仕事をすると、
日本
の
政治
のレベルが上がっていくんじゃないのかなという気がいたします。 それともう
一つ
は、この
ネット選挙
の
解禁
によって、
投票率
の向上というのが
一つ
大きな効果としてあると思うんですけれども、投票義務づけ法についてどう
思い
ますか。これは
ネット選挙
と
関係
ありません。 オーストラリアは、投票に行かないと二十ドルの罰金です、約二千円の罰金です。これについてはいろいろな
議論
があると
思い
ます。罰金までやるのかどうかはいろいろ
議論
があると
思い
ます。例えば、ちゃんと投票へ行っていた人は、次、住民税が千円安くなりますよとか、
やり方
はいろいろあると
思い
ますけれども、私は、これは物すごくきくんじゃないかなというふうに思っている一人なんですけれども、この二つの提案について、ちょっともう時間がそろそろありませんが、お二人の御見解をいただきたいと
思い
ます。短目で。済みません。
夏野剛
41
○
夏野参考人
私も、後藤先生のおっしゃるとおりだと思っていまして、やはり
政治
家の
皆さん
、国のリーダーとしての
政治
家の
皆さん
というのは、確固たる信念とか
意見
を持っている方が多くいらっしゃいますので、それがより多くの方に伝わるということは、これは
ネット選挙
の一番大きな
メリット
だというふうに思っております。 ちなみに、現在は、この
会議
はニコニコ動画で生放送されておりますので、今現在でいいますと一万八千人の方がごらんいただいていますので、大丈夫でございます。NHKよりは負けるかもしれませんけれども、大丈夫でございます。 もう
一つ
の点で、投票の義務づけなんですけれども、私
個人
の
意見
としては、この投票の義務づけをやる前にやることがたくさんあるのではないかというふうに思っています。つまり、投票のしやすい環境を完全につくっているかという点です。 例えばどういうことかといいますと、なぜ日曜日にやるのかということについて、これは高度成長期に日曜日しか休みがなくて、平日はサービス残業で忙しい
時代
はこれでよかったのかもしれませんが、今のような
時代
になると、日曜に出勤している方も多いですし、それから、むしろ平日の夜十二時まで投票にした場合は、恐らく
投票率
は上がると思うんですね。 つまり、日曜日は、私のように子供がいると忙しいんです。ディズニーランドも行かなきゃいけないし、いろいろなところに行かなきゃいけない。そういう家族サービスとかいろいろなことをやらなくていい人は日曜日の朝から投票所に行ってもいいんですが、それはどちらかというと高齢者の方になっていくわけですね。あるいは、投票所も、近隣の小学校というのは基本的に駅から遠いところです。これは何で駅にしないのかといった、特に都会の場合ですね、ほかにもやるべきこと、あるいは少なくとも検討すべきことがたくさんある中で、いきなり
国民
に投票義務づけというのはまだちょっと早いのかなというのが私の
個人
的感想でございます。
三浦博史
42
○
三浦参考人
一番目につきましては、私ども、いろいろな方々に、
候補者
の
比較
ドットコム、そういったサイトの立ち上げを今お願いしているところでありますし、二番目の問題につきましては、モチベーションアップはすばらしいと
思い
ます。投票に行った方に対しては商店街が割引するとか云々もありますけれども、ただ、罰則は
個人
的には反対であります。 以上です。
後藤祐一
43
○後藤(祐)
委員
終わります。どうもありがとうございました。
保岡興治
44
○
保岡委員長
次に、
中丸
啓君。
中丸啓
45
○
中丸
委員
日本
維新の会、
中丸
啓でございます。
三浦
、
夏野
両
参考人
には、大変お忙しい中、本日は貴重な
お話
を頂戴しまして、改めてお礼を申し上げます。 それでは、質問に入らせていただきます。 先ほどの質問からいろいろとネガティブな御
意見
も多くて、新しいことにチャレンジするときというのは、人間、不安が先行するものというのは仕方ないと思うんですが、ちょっと私の
意見
を述べさせていただきますと、私のところで大体一日二百通ぐらい
迷惑メール
が来ます。
夏野参考人
もおっしゃっていらっしゃいましたが、大体それは
迷惑メール
フォルダに振り分けられていまして、ほとんど読まずにぽいというのが
実情
でございます。 私は、その辺に関しては、例えば、成り済まし、
誹謗中傷
メール
、
皆さん
お気になさっているようですが、もともと、
選挙
ポスターの下に怪文書を張られたりとか、
選挙
区内にポスティングされたりとか、そういったことは今までもあったことで、ゼロになるのは不可能かなというふうには
思い
ます。ただ、今回、我々
日本
維新の会は、今回の法案にもちろん賛成をして一緒に提案させていただいているわけではありますけれども、いきなり全面
解禁
はちょっと様子を見た方がいいかなというような視点もあるのかなと私は
個人
的には思っております。 そういった中で、特に
夏野参考人
とは、そもそも携帯
電話
に
日本
でE
メール
が飛ぶようになったのをつくられた方だというふうに思っていまして、そのころから同じところで、私は地方ではありましたけれども、そういった仕事をずっとさせていただいていまして、いろいろなパーティーとかも参加させていただいたりしている中で、その移り行く過程をずっと見てきた者として思うのは、今後、
韓国
それからアメリカのそういう
インターネット
での
選挙
活動
解禁
になって、ARだとか、そういった新しいスマホ向けアプリだったりとか、それでいろいろ例えば街頭演説会場がGPSで追っかけてこられる。そういういろいろなものがある中で、今の現状では、まだそこまで
日本
の対応というのはできていない、私が調べる限りでは。そういった中で今後どのようになっていくのかという御所見をお伺いしたいと
思い
ます。お二人にお願いします。
三浦博史
46
○
三浦参考人
お隣
韓国
では、人口五千万のうち三千二百万人がスマホを使っている。もっとびっくりするのは、二十代、三十代は文候補が圧倒的に強いにもかかわらず、六十代、七十代も、半数以上がスマホを使って朴候補を応援していたという報道も東亜日報等でございました。 これからどうなるかということでありますけれども、今現在のスマホを含めた
ネット
の利用
状況
が、三年、五年、十年たてば、もう当たり前というふうになると
思い
ます。ただ、
中丸
先生おっしゃったように、私は、
インターネット
の
選挙
が
解禁
になるということは悲願でありましたけれども、しかし、だからといって、これで
選挙
が一変して、これまでの
選挙
ががらっと変わったり、当選される
先生方
の顔ぶれががらっと変わるということはないと思っております。あくまでも
一つ
の手段でありますから、それを粛々と、
主権者
たる
有権者
皆さん
の視点に立ってやっていただければいいと思っております。 以上です。
夏野剛
47
○
夏野参考人
私も
三浦
さんと同じような
意見
でございまして、
インターネット
がどんなに出てきても、これは、いわば、
選挙
活動を昔は歩いてやっていたのが車で回れるようになった
程度
の違いとしか僕は思えないんですね。つまり、
皆さん
、
候補者
の方あるいは
選挙
で当選される方の資質というのをより広く知らしめる手段として
インターネット
があるだけで、
候補者
の資質がない方がどんなに
インターネット
で宣伝しても、
インターネット
で宣伝したから当選するということは極めて難しいと思うんです。 むしろ、個々人の
意見
の相違がクリアになって誤解が減るという
メリット
がたくさんある中で、負のところをいかにうまくコントロールしていくかということが
社会
的課題で、新しいテクノロジーが出てくると、これは
社会
的に適応するのにちょっとだけ時間がかかりますから、ここに困難が生じるのは仕方がないことではありますけれども、これをうまく利用して、より公明正大で
議論
闊達な
選挙
活動につながるのではないかというふうに予測しております。
中丸啓
48
○
中丸
委員
ありがとうございます。 私、ちょっと今回の法案の中で、こういう場合はどうなるのかなというところで気になったところが
一つ
ございますので、お二方のまた御
意見
を頂戴したいと思うんですが。
ネット
上にマニフェストや記事やビラ、こういうものを掲載するのはオーケーということで、それを当然
メール
等に添付することもいいという中で、それを紙媒体に印刷した時点で頒布することが
公職選挙法
の百四十二条の
規定
にひっかかるというふうになっていると思うんですが、これを、自分のところが意図的にやれば問題ですけれども、例えば、自分の対立候補が、相手の候補にあるビラを印刷して駅前で成り済まし、まさにリアルな成り済ましで配った場合、どういうふうになるとお考えになりますか。
三浦博史
49
○
三浦参考人
今現在でも、
選挙
によってはそうした嫌がらせ的な、本来、内部文書や内部事務連絡のものを大量に駅等でばらまくといったことも一部にはあるやに聞いております。大事なことは、そういった不正を働く者は、徹底的に、
監視団
をつくって、現場を押さえて、そして当局に引き渡す、こうしたことが一番得策だと
思い
ます。
夏野剛
50
○
夏野参考人
私も同
意見
で、やる方も相当なリスクがあると
思い
ますので、現場を押さえられると確実にアウトですから、相当勇気が要るんじゃないかと。
現実
には、件数はそんなに多くないんじゃないかと思っております。
中丸啓
51
○
中丸
委員
私も、リスクが多過ぎて多分誰もやらないだろうとは
思い
つつも、ここで発表しておけば牽制球にはなるのかなという意味で質問をさせていただきました。 それから、次の質問なんですけれども、
ネット
上の動画も
解禁
になると。動画は
解禁
になるけれども、制作
会社
にお金を払うとこれは買収
行為
に当たる、そういう難しいところがあって、手弁当でつくればいいという
お話
なんですが、例えばそれを、通常に、
インターネット
上は誰でもアクセスできるんですけれども、これを、では、いろいろなところの大型街頭ビジョンとかで、同時中継で、
ネット
で接続して出ているからいいじゃないかということで、ばあんと流した場合というのはどういうふうになるとお考えですか。
三浦博史
52
○
三浦参考人
ビジョン
広告
で流すこと自体が、
候補者個人
は今禁止されておりますので、できないと
思い
ます。
夏野剛
53
○
夏野参考人
大型ビジョンで流すときには相当なお金がかかりますので、多分、
候補者
単位でやられるのは相当難しいんじゃないかと
思い
ますが、一方で、例えば
ネット
の
選挙
番組とかあるいは
テレビ
局の番組がビジョンで流されることはあると思うんですけれども、それは、大型ビジョンに流れるようなコンテンツをつくっているところは、ある
一定
の公平性を期したメディア的な役割を果たさなければ逆に視聴者がついてこないので、その辺は均衡が保たれるのかなというふうに考えております。
中丸啓
54
○
中丸
委員
ありがとうございます。 今の御
意見
も総合して、やはり、特に動画というものは非常に重要である。私も党の広報
委員
をやらせていただきまして、
ネット
戦略の担当もやらせていただいている
関係
もありますが、コンテンツをどうつくっていくかというクリエーティブな部分が非常に
影響
するというふうには考えております。 そうした中で、今度は、意図的なというよりも、各陣営が、今後、
メール配信
を行ったり
ツイッター
や
SNS等
で発信する場合に、逆に注意しなければいけない点というのがあると思うんですけれども、その辺の御教示をいただければと
思い
ます。
夏野剛
55
○
夏野参考人
ネット
の場合は、先ほどから
皆さん
から御
指摘
もあるように、例えば名前連呼型とか、これは一向に機能いたしません。完全に
迷惑メール
とみなされますし、
SNS等
でも、内容がないことを書いているところは全く読まれないという傾向がございますので、そういう意味では、
選挙
期間
中にきちんとした政策論争をしやすくなる環境があると思うので、ぜひそれを生かして、相違点を明確にするような
メール
あるいは
SNS等
の発信をしていただいた方がいいのかなというふうに思っております。
三浦博史
56
○
三浦参考人
私
自身
が
候補者
だったらそうすると
思い
ますので申し上げると、
候補者
が個々の細かい点にまで注意をしたりすることはできないと
思い
ますので、陣営の中にちゃんと
ネット
、
メール
に詳しい方を置いて、そして、そういう方々の目線で発信をされていくということが必要だと
思い
ます。
中丸啓
57
○
中丸
委員
あと、今の場合は
ウエブ
上に載せる場合、逆に、今、きょう非常に議題にも上がっていますけれども、
メール
の
配信
、
メール
発信に際して、ヒューマンエラーというものもあると思うんです。 実は、先日、うちの事務所でもありまして、きょう、地元の新聞でちょっと取り上げていただいて、お叱りを受けたところなんですけれども、そういったヒューマンエラーというものが存在すると思うんですが、そういった注意点と、どういう事象が発生するか、それに対しての対応策等あれば、アドバイスをいただければと
思い
ます。
夏野剛
58
○
夏野参考人
これは、ヒューマンエラーというのはいかなるときにも起こりますので、これを最小化するのは、やはり発信名義である人が最終確認をするというのに尽きると思うんですね。
候補者
の方々は
皆さん
お忙しいので、代理で文章を書いたりとかそういうことがあると思うんですが、
メール
でも
ウエブ
でもそうなんですけれども、
インターネット
だと割と、後で修正できるから気軽にという気分になることはあるんですけれども、やはりこれは、例えば雑誌に寄稿するとかあるいは新聞に寄稿するということに比べると、どうしても本人チェックというのがちょっと甘くなる傾向があるんです。 短い文章をチェックするのに本当に時間もかかりませんので、そこは、
候補者
本人の名義で出すものについては
候補者
本人がきちんと最後にチェックをする、自分の言葉となっているかどうかをチェックするというのがやはり必須なのかなというふうに思っております。
三浦博史
59
○
三浦参考人
今
夏野
さんがおっしゃったように、私は、
メール
に限らず、あるいはサイトに限らず、
候補者
が発信する全てのキャンペーングッズについては、細心の注意を払い、そして
一つ
一つ
心を込めて発信をしていく、そうしたことを怠らないということが勝利への秘訣だと思っております。
中丸啓
60
○
中丸
委員
ありがとうございます。 私が申し上げたのは、そういう文章、中身のことももちろんなんですけれども、中身を幾らチェックしても、それを例えば添付ファイル等で自分の発言として秘書等に発信してもらうときに、
自身
の反省も踏まえて申し上げれば、要は、TOとBCCの使い間違いみたいなことも起こったりすることがあるわけです。 まさしくヒューマンエラーではあるんですけれども、そういったものに対して何か、そういうのを起こさないようにするためのツールとか、これは逆に
夏野
先生にお伺いしたいんですけれども、そういったものというのは今ありますか。
夏野剛
61
○
夏野参考人
恐らく簡単につくれますね。つまり、今、
中丸
先生がおっしゃっているリスクが可視化されれば、例えば、BCCに十件以上入っているとか、BCCに入るべき
メール
アドレスはこうだということがわかっていて、そのほかの
メール
アドレスが入っていたら
送信
しないというようなモジュールあるいはプログラムをつくること
自身
は非常に簡単なので。 むしろ、アイデンティファイすること、こういうケースがまずいんだということができるかどうかにかかっていると
思い
ます。それができれば、それを排除することはプログラム的には非常に簡単でございます。
中丸啓
62
○
中丸
委員
そういうところをぜひ、簡単にできるとおっしゃったので、また後日御紹介いただければと
思い
まして。 そういう中で、
ネット選挙
解禁
に向けて、最後に、時間もありませんので、お二人から一言ずつ、今回の
ネット選挙運動
の
解禁
によって、
有権者
の意識の変化というのが、どういうものが一番期待できるかという、
有権者
側に立った視点で一言ずつコメントをいただければと
思い
ます。
三浦博史
63
○
三浦参考人
一番の
有権者
の
メリット
のうちの
一つ
は、
候補者
の陣営に行かなくても、ビラを街頭でもらわなくても、
公示期間
中に各
候補者
、各
政党
の
比較
が容易にできる、これがすばらしい進歩だと
思い
ます。
夏野剛
64
○
夏野参考人
大きく二つの
メリット
があると
思い
ます。
一つ
は、
有権者
の
立場
で大変申しわけありませんが、
選挙
が百倍おもしろくなると
思い
ます。つまり、
候補者
の争点の違い等がわかり、なおかつ、それについていろいろな言論が自由に発信できるようになるということは、
選挙
はエンターテインメントではございませんが、しかしながら、
選挙
が非常に盛り上がる。しかも、
政治
に関する関心が非常に湧くということになります。 それから、もう一点の
メリット
があるとすれば、これは、
国政選挙
並みの盛り上がりを地方
選挙
にも期待できるようになると
思い
ます。つまり、今までは、
国政選挙
は、メディアに取り上げられる機会が多いので、
国民
的意識が高まる、関心が高まる傾向がございました。対して、地方
選挙
は、地方紙及び地方メディアしか取り上げないので、なかなか、
国政選挙
に比べると盛り上がらないところがありましたが、
ネット
でやりますと、
国政選挙
と同じレベルの
選挙
活動、あるいは
選挙
の盛り上がりが
ネット
で起こりますので、地方
選挙
が非常に盛り上がって
国民
の関心が高まる、こんな効果があると
思い
ます。
中丸啓
65
○
中丸
委員
ありがとうございました。 百倍おもしろくなる
選挙
を目指して、我が維新の会も、毎週木曜日、生中継の番組も
ネット
で始めましたので、頑張っていくという決意を含めまして、私の質問は終わらせていただきます。ありがとうございました。
保岡興治
66
○
保岡委員長
次に、井出
庸生
君。
井出庸生
67
○井出
委員
みんなの党、信州長野県の井出
庸生
です。 きょうは、両
参考人
、お忙しいところ本当にありがとうございます。よろしくお願いをいたします。 早速ですが、まず、
議論
の一番最初に確認をしたいのは、今回、二つの案が出ておりますが、この二つの案をもってしても、成り済ましや
誹謗中傷
といった類いのものが避けられないと。
夏野
さんの方からはっきりそういう
お話
もありましたし、
三浦
さんからも
お話
がありました。先ほど
遠山
委員
の方からもそういう
お話
がありましたが、そこは、両案でもそういったものは避けられないというところだけ端的に確認しておきたいんですが、お二方よろしいですか、それぞれ。
三浦博史
68
○
三浦参考人
そのとおりでございます。
夏野剛
69
○
夏野参考人
現実
に今でも起こっていることが
ネット
でも起こっているという意味で、そのとおりだと
思い
ます。
井出庸生
70
○井出
委員
それともう
一つ
、
三浦参考人
にお伺いをしたいんですが、実際、今の段階でも、
選挙
期間
中に
メール
はもう相当のやりとりがある、中には、
選挙運動
、
政治活動
、
一般
の
メール
とその区別がつかない、そういった実態がある、そういう
お話
をされた
委員
もいらっしゃいましたし、
夏野
さんの最初の
お話
の中で、それをうかがわせるといいますか、そういう実態があるんじゃないかという
お話
もあったかと
思い
ますが、その辺、
三浦参考人
はどのようにお考えですか。
三浦博史
71
○
三浦参考人
今の井出先生の
お話
ですけれども、私は昨年の県知事選、これは山口県の知事選でありますけれども、それから総
選挙
を見ていて、ほとんどそういったことは実質ないというか、
メール
が
選挙運動
期間
中に飛び交って、その結果、誰が当選した、誰が落選したというような、
影響
力があったという話は余り聞いておりません。
井出庸生
72
○井出
委員
私も、
選挙
の結果を左右するようなことは一切ないとは思っておりますが、ただ、
メール
のやりとりというものは恐らくあるんではないか、そういう
懸念
をしておるんですが、そこのところはどうでしょう。改めてお願いいたします。
三浦博史
73
○
三浦参考人
あるかないかにつきましては、あるかもしれません。ただし、私の場合には、済みません、性格上というか、いろいろな選対
会議
その他で、
選挙運動
に、ああ、こういう
メール
があった、当陣営ではこんなことが飛び交っているというようなことは余り聞いたことがございません。 以上でございます。
井出庸生
74
○井出
委員
ありがとうございます。 私も
三浦参考人
と同じように、きょう冒頭で
お話
のありました
完全自由化論者
、私もそうあるべきだと思っております。ただ、そこに至るアプローチの仕方、そこについてちょっと質問をさせていただきたいのです。
三浦参考人
は、まず様子を見て、そして自由化に向けてステップを踏んでいったらいいと。ただ、今回一番は、
第三者
の
選挙運動メール
をどうするかという話なんですが、
第三者
の
選挙運動メール
を禁止してしまえば、
メール
がそこに出た時点で、やはり
取り締まり
の対象になると。一方で、
第三者
の
選挙運動メール
を
解禁
すれば、
メール
を出すことは
取り締まり
の対象にならず、その中身の
議論
になってくると。そうであるならば、
解禁
した方が、中身の
議論
、慎重な捜査になって、
三浦参考人
がおっしゃいました
思い
も寄らないような
刑事告訴
、そういったものが逆に抑えられるんじゃないかと思うんですが、そのあたりはいかがでしょうか。
三浦博史
75
○
三浦参考人
これも、昨年の総
選挙
、いや、本当に
日本
人というのは物すごく従順だと思うんですが、やっちゃいけないと言われていますので、さっきも申し上げたように、私は
メール
による
選挙運動
はほとんど承知をしておりません。 したがって、総
選挙
でかなりのそういった
メール
のやりとりがあったのであれば、これは今回の参議院の
選挙
におきましてもそういったことは
懸念
されると
思い
ますけれども、
メール
で
選挙運動
をやっちゃいけないんだというふうに多くの
国民
が今思っていると私は
思い
ます。ですから、
政党
、
候補者
に限っては解除されたけれども、
一般
の
企業
、団体やあるいは
個人
については、
主権者
たる
有権者
については
解禁
されていないというのであれば、総
選挙
と同じように、ほとんどそういったことは見られないというふうに私は理解しております。
井出庸生
76
○井出
委員
ありがとうございます。 あともう一点、お伺いしたいのですが、
三浦参考人
は、昨年十二月二十二日の毎日新聞の夕刊、記事は、「安倍氏「来夏
ネット選挙
解禁
」」「「偽物」どう防ぐ?」というタイトル、見出しなんですが、そこに寄せられたコメントとして、「公選法を改正して
ネット
利用を
解禁
するのは当然だ。なりすましや改ざんの危険があるが、改正後に被害を防ぐ
方法
を考えればいい。
候補者
も
ネット
の
議論
を自陣に都合が良いように誘導してはいけない。自由にすることでさまざまな
意見
が出るものだ。」という
お話
があって、私は、これを読んだときに、全くそのとおりだ、
選挙
のプロである
三浦参考人
がおっしゃるんだからもう間違いないと思っておったんですが、何か、今回、
メール
については様子を見ようというお考えということは、そこをまたるるお考え、検討を深められた結果、やはり新たに
思い
当たるところがあったということでしょうか。
三浦博史
77
○
三浦参考人
記事を読んでいただいて、ありがとうございます。 間違いなくそういうふうに申し上げましたし、ずっと主張してまいりました。一刻も早く
ネット解禁
してほしいと、私はもう三年前から「
ネット選挙
革命」という本も出しておりますし、そのとおりでございます。 ただ、去年の十二月に
韓国
の
大統領選挙
がありまして、そこから少しこれでいいのかなというふうに考え出しまして、ことしの一月、二月以降は、
完全自由化
という前に、
主権者
たる
有権者
の
混乱
を防ぐということも大事ではないかなと。やはり行き過ぎたものというものがないとは言えませんので、考えが多少変わりました。 以上でございます。
井出庸生
78
○井出
委員
ありがとうございます。 次に、
夏野参考人
の方にお伺いをしたいのですが、きょうの
お話
の冒頭に、まずどれだけの技術革新というものが
ネット
の分野であったかということを頭に置いてほしいという
お話
がありました。
参考人
がかつて手がけられたiモード、当時、私もかなり画期的なものだと
思い
ましたが、
参考人
のプロフィールなどを見させていただいて、また、iモードという言葉を見たときに、私はそれを見たときに、今はもう、大変失礼ですが、懐かしいなという言葉になるぐらい、時の流れと技術革新はすごいものがあると思っております。 そういった中で、今回、
フェイスブック
や
ツイッター
と
メール
を分ける、もっと言ってしまうと、
ウエブ
と
メール
を分けるということにどれだけの意味があるとお考えか、教えてください。
夏野剛
79
○
夏野参考人
御
指摘
のとおりでございまして、例えばG
メール
というのは
ウエブ
なんですね、インターフェースは。しかしながら、その
メール
送信
のプロトコルそのものは、今回も
規定
されているSMTP方式を使っている場合もある。しかし、これは、
メール
もSMTPを使わない方式もございます。なので、そういう意味でいうと、テクノロジーが進化するに従って、既存の概念とか、既存の垣根とか分け方というのがどんどん曖昧になっている。 それは、先ほども、例えば
フェイスブック
のメッセージが
メール
に転送されるということは
日常
起こっておることでございますし、その境がどんどん、垣根が低くなっていることは事実だと思っております。
井出庸生
80
○井出
委員
ありがとうございます。 私は、この
ネット選挙
法案の審議、先日の審議で申し上げたのですが、そもそも
ネット
の分野を公正中立に取り締まるとか、また、先ほどちょっと
お話
に出ましたけれども、遠隔操作事件のように、技術の進歩で捜査がどんどん難しくなっているという実態がある中で、そうであるならば、できるだけ禁止や罰則というものはなくしてしまって、その中で、まず様子を見て、問題があれば
規制
を、禁止項目、罰則を設けていく、そういうプロセスがいいんじゃないか、そういう
思い
を持っているんです。これはお二方にお伺いしたいんですが、いかがでしょうか。
三浦博史
81
○
三浦参考人
本当にこういう問題は、正直言って、ふたをあけてみないとわからないことが多々あると
思い
ます。 ただ、私が
先生方
に申し上げたいのは、アメリカの
大統領選挙
や去年の
韓国
の
大統領選挙
を見て思ったことは、
主権者
たる
有権者
の方々にとって便宜を図ると同時に、
混乱
をできる限り生じさせないということに
政治
が責任を持っていただきたいなということであります。
夏野剛
82
○
夏野参考人
社会
の進化にどのように法体系あるいは
社会システム
を適応させていくかというのは、先生がおっしゃられたように大きく二つの
やり方
があって、これは、自由度を高めて
状況
に追いつくようにしていくか、先に危なそうなことは
規制
しながらいくかなんですが、
日本
の場合は、過去二十年間、先に
規制
をつくることによってむしろ進化のスピードをうまくコントロールしてきたら、コントロールし過ぎて、なかなか
世界
の動きについてこられなかったようなところがたくさんあると私は思っておりますし、今の
公職選挙法
というのは、まさにそういう
状況
にあったからこそ
皆さん
が改正を
議論
されていると思っておりますので、もう少し今までの
やり方
を変えて、自由度を高める方向で考えてもいいのかなというふうに、
個人
的には思っております。
井出庸生
83
○井出
委員
ありがとうございます。 今、
夏野参考人
がおっしゃったこと、私も同じことを考えておりまして、やはりどうしても、さまざまな分野でこれまで、まず
規制
をかけることを優先するのがいろいろなところで見られてきた。 今回、
議員
立法ということで、できるだけよいものをつくりたい。ただ、
議員
立法であるがゆえに、各党の
議論
もありますし、
法律
家や捜査機関からするとここはどうなんだろうなという、詰め切れないところもある。だからこそ、最初、できるだけ
規制
をかけないようにという
思い
があるんですが、そのあたり、もう一度、いかがでしょうか。
三浦博史
84
○
三浦参考人
先ほども申しましたように、こうした問題につきましては、ふたをあけてみないとわからないことが多々あると
思い
ます。誰もそれを本当に予測はできないと
思い
ます。 申し上げたいことは、先生がおっしゃるとおりになるかもしれませんけれども、私としては、ここで
一般
の
有権者
に対して、
主権者
たる
有権者
に対して全て
解禁
すれば
混乱
が生じるだろう、それを防いでいただきたいというふうに思っている次第でございます。
夏野剛
85
○
夏野参考人
今後もテクノロジーの進化はますますあると
思い
ますし、それによって起こることというのは、実は私は、テクノロジーが難しくなるという御
指摘
がございましたけれども、逆だと思うんですね。テクノロジーがもっと身近になって、簡単になってくる、
一般国民
の生活の中に入ってくる。例えば、スマホといわゆるガラ携と言われるiモードの一番の違いは、やはりコンピューター能力、処理能力を持った端末が
一般
人にも使えるようになった、インターフェースの問題だと思うんです。 これは、技術革新で、それこそ先ほど
韓国
の例でありました、年をとった方でも使っているよというのは実は
日本
も同じでございまして、そういう
状況
が出てくるということは、どんどん新しいテクノロジーが身近になっていく。実は、身近になっていくと、
規制
の体系というのは、そのテクノロジーに焦点を当てた
規制
ではなくて、そもそも人間
社会
の
ルール
としてどうなんだというところから掘っていった方が、私は、的を得ているんじゃないかと。 つまり、今回も
公職選挙法
で言われているのは、文書の頒布と
電話
、この違いが原点にあって、
インターネット
は印刷ができるから文書の頒布になっている、これはいつの
時代
の話かと。
電話
で攻勢をかけるのはフリーに許されているのに
メール
はだめという理屈は、もはや印刷物と、音声データの書き起こしで、別に自動プログラムで幾らでも文書化できるんですね。こういう
時代
には実は当てはまっていないかもしれない。 こういったことをきちんと、
社会
としてどういう
ルール
なんだ、悪意がある人間がこういうことをしてはだめだ、そのフォーマットは問わないというような
規制
の形を
議論
してもいいんじゃないかというふうに
個人
的に思っております。
井出庸生
86
○井出
委員
ありがとうございます。 私も、
ネット
の
解禁
は、紙媒体や旧来の手法ももちろん維持することは大切なんですが、ここを早く
解禁
しなければ、逆に、
ネット
を本当によく使っている
人たち
にとって
選挙
情報
の格差も生みかねないと思っておりますので、そこは早く、よりよいものが今回できればいいなと思っております。 貴重な御
意見
を、きょうはありがとうございました。
保岡興治
87
○
保岡委員長
次に、
佐々木憲昭
君。
佐々木憲昭
88
○佐々木(憲)
委員
日本
共産党の
佐々木憲昭
でございます。 お二人の
参考人
には、三月に行われたシンポジウムで御一緒させていただきまして、大変有意義な
議論
をさせていただきました。本当にありがとうございます。 きょうは、私、
有権者
に対して
ネット選挙運動
の
解禁
というのは非常に大事なことであるという
立場
で質問させていただきたいと
思い
ます。
選挙
権と
選挙
の自由というのは、
主権者
国民
の基本的権利であるというふうに思っております。本来、自由な
選挙運動
というのは
有権者
に保障されて当たり前だというふうに
思い
ます。したがって、今回、
有権者
個人
が
ウエブ
サイトあるいは
電子メール
を使った
選挙運動
ができる、これは非常に画期的な前進だと思っております。 今の現状をもう言うまでもなく、
選挙運動
に入りますと、ホームページの更新がぱたっととまるとか、
ウエブ
サイトだけではなく、論戦が非常に制約されてしまう、こういう問題があります。そういう意味で、まずは、少なくとも
ネット
上の
選挙運動
を自由にというのは、非常に大事なことだというふうに
思い
ます。 そこで、これが
解禁
されていきますと、例えば
ウエブ
サイトの上で、
有権者
みずから、
誰々
候補に一票を、こういうことを呼びかけることができますし、
候補者
を集めて公開討論会、こういうことも
ネット
上でできるようになるわけですね。
有権者
同士で
選挙
の争点について
情報
交換をするイベントもできる。大変
可能性
が広がるわけであります。それから、大事なことは、
政党
と
候補者
が
国民
から寄せられる
意見
に対して個別に答えることができる、そういう双方向性というのがあると思うんです。 そこで、この
解禁
によってどういう
世界
が広がるか、百倍おもしろくなるというふうにおっしゃいましたけれども、私もそういうことを期待したいんですが、
ネット
の場合の
解禁
の特性といいますか、そういうものを踏まえて、どういう
可能性
が広がるか、
有権者
の
政治
参加がどういうふうに広がっていくか、お二人の御
意見
をまず最初にお聞かせいただきたいと
思い
ます。
三浦博史
89
○
三浦参考人
前の発言と少し矛盾するかもしれませんが、大きく変わる
可能性
があると
思い
ます。 一番大事なことは、
有権者
から見て、
政党
に対しても
候補者
に対しても
比較
ができる。そして、恐らく今後は、
候補者
の方々は二枚舌ができなくなる。ある会合で何々について賛成、ある会合では私は実は反対です、こういったことはもう即
ネット
上で検証されてしまう。そういう意味で、
有権者
からすると、そういったことも
比較
しやすくなりますし、そして、百倍かどうかわかりませんけれども、楽しく、おもしろくなるというようなことについても、非常に有意義であると考えております。
夏野剛
90
○
夏野参考人
先ほど申し上げたように、
一つ
は、
国民
の
政治
意識が高まっておもしろくなるという
お話
と、地方議会、地方
選挙
が盛り上がるという
お話
がありますが、もう
一つ
の側面として、やはり、若者の
投票率
が低いというのは、先ほども申しましたようにいろいろな
理由
はあるんですけれども、この若者の
政治
への無関心というものの解決にはかなり貢献するだろうということと、それからもう
一つ
は、割と高年齢世代の
ネット
リテラシーの改善にも実は役に立つんじゃないか。やはり、高年代層の
政治
に関する関心というのは非常に高いものがあるので、しかも、先ほど来申し上げているように、タブレットあるいはスマートフォンによって簡単に
インターネット
に接続できるようになっていますから、ここの使用率も上がるということが期待されると思っています。
佐々木憲昭
91
○佐々木(憲)
委員
それで、問題は、実際に
国民
から審判を受ける
政党
、
候補者
、これがさまざまな発信ができる。もちろん二つの案には対象が、
メール
を
解禁
するかしないか、これが大きな違いだと思うんです。 そこで、
メール
の問題ですけれども、先ほどの
議論
の中で、
メール
の特性として、大量に送るということが可能になる、場合によっては何万とか何十万とか。こういうことができるのは、これは
個人
はなかなか難しいわけでありまして、
個人
として名簿を持って送る相手というのは私信の類になるわけですけれども、非常に限られておりますね。 そういたしますと、例えば
第三者
が、その中に
企業
もあれば団体もあれば
個人
もある、そういうくくりで、そこに
解禁
ということになりますと、当然、大量に名簿を持っていて送ることができる者とそうでない者の違いというものが生まれると思うのですね。 先ほど
三浦参考人
から
お話
をお伺いいたしました。その中で、
第三者
にまで広げた場合、特に、
第三者
には
企業
、
法人等
も含まれるため、恐らく
企業
、
法人
が
特定
の
候補者支援
の一環として、
選挙運動
に関する
メール
を
配信
する
対象者
を獲得するための
運動
が組織的に繰り広げられ、仮にそれを断った場合の
社会
的問題、それを承諾した場合でも、大量の
選挙運動
に関する
メール
が
対象者
に届くという
事態
も予想され、
政党
や
候補者
からの
メール
が開きにくくなり、
日常
の
メール
のやりとりにも
支障
を来すことにもなりかねません、こういう御
指摘
がありました。もうちょっとこの点を、わかりやすく我々にお示しいただきたいということ。 それから、
夏野参考人
に対して、
メール
の場合の、
個人
のやりとりの場合と
企業
が持っている名簿を使った
送信
という場合は、やはりかなり力量が違うといいますか格差が出てくると思うんですが、その辺は、
選挙運動
に与える
影響
をどうお考えなのか。 お二人、どうぞよろしくお願いします。
三浦博史
92
○
三浦参考人
今の佐々木先生の御質問でございますけれども、
第三者
というふうに、その中に
主権者
たる
有権者
も
企業
も団体その他も入っておりますけれども、私が
懸念
するのは、特に
企業
、
法人等
でございます。 私のような
立場
の人間であっても、これがオーケーになれば、
先生方
の、
候補者
を支援いただいている
企業
、
法人
、組合、団体その他に対して、例えばA候補の、ちゃんとした
メール
登録をする、通知をする、申し込みをしなさい、おたくは百件、おたくは五百件、おたくは千件ということは間違いなく起きると
思い
ます。 ですから、そうしたことが
一般
の
有権者
に対してどういう
影響
があるかということを
懸念
した場合に、
第三者
でくくられた
企業
や団体やその他組合、
法人等
、そこについても今回は見送っていただいて、様子を見て、そしてしかるべき時期に自由化していただきたいというふうに考えている次第でございます。
夏野剛
93
○
夏野参考人
佐々木先生がおっしゃるように、私も、
個人
の
メール
と組織が送る
メール
というのは実は全然違うものだというふうに思っております。
個人
の
メール
は、前回のときにも申し上げましたが、やはりより私信に近い形で、いわば、
選挙運動
というよりは、世の中に起こっていることのいわゆる関心事項を単にやりとりしているという性格が強いですし、組織が利用する場合には、それは、組織的な活動、組織の
メリット
に属した活動の一環としてやられるケースが多いと思うんです。 やはり、
特定
電子メール
法等ができてきて、そもそも、
メール
アドレスを集めるときに、要は、
ユーザー
が
メール
アドレスを登録するときに、そこで期待していたことと全く
関係
ないことについて
メール
を送るというのは実は
制限
されておりまして、ここは
選挙
に
関係
なく、例えば、ショッピングサイトで登録しているにもかかわらず、全く違うものが宣伝されるということは、もし起こった場合には、それは
規制
の対象になっているわけですね。 ということで考えると、そちらの方の
ルール
を強化していく方がむしろ大事で、
選挙
ということにフォーカスして組織と
個人
というふうにやるよりは、組織が、もともと期待していない内容の
メール
を自分の持っている
電子メール
アドレスのリストに対して送るということを、いかに罰則を強化、あるいは運用をきちんと強化していくかという文脈の中でむしろやっていった方が、
社会
のためには利益になると思うんです。
選挙
という文脈で考えたときには、先ほども私が申し上げましたけれども、やはり
個人
が自由にきちんと
コミュニケーション
できることを
制限
するというのは非常に問題があるというふうに思っていまして、これは利害とは
関係
ないところで行われるケースも多いので、ですから、ここは分けて考えていただきたいなというのが私の
意見
でございます。
佐々木憲昭
94
○佐々木(憲)
委員
それと、もう一点は、現在の
選挙
法では、いろいろなことが
規制
され過ぎておりまして、戸別訪問はできない、それから
特定
の承認された
範囲
内でのビラしかまけない、あるいは音の宣伝もいろいろな
規制
がある、こうなっておりまして、我々は、べからず集というふうに言っているんですけれども。今回は、その中の
ネット選挙運動
に限っては自由化する、こういう方向ですね。 そういたしますと、
現実
の
世界
との
関係
で、非常にアンバランスが起こってくるわけですね。立会演説会は、ある場所を借りてやろうとしたら、それはできませんよ、しかし、
ネット
の上では、立会演説会はどうぞ御自由に、こんなふうになるわけです。 そういう意味で、今の
日本
の
公職選挙法
が持っている、自由に
選挙
の
運動
ができないという、その点もやはりこれを機会に見直して自由化していく、これが非常に大事な方向だと私は思っておりますので、お二人の
参考人
からも、どういうふうに考えておられるか、お聞かせをいただきたいと
思い
ます。
三浦博史
95
○
三浦参考人
今の佐々木先生の御
指摘
でありますけれども、
ネット
だけどんどん自由化していって、ほかの
量的制限
等が
制限
されたままだと、まして戸別訪問を含めて、それは確かにおかしいと
思い
ますが、自由化すればいいとも思っておりません。 それは、米国の例を含めてですけれども、アメリカの場合には、二大
政党
制ですから、民主党のA候補が大量に物を出したり
ネット選挙
を繰り広げると、共和党のB候補は、それに対してほとんど反撃できる同じような
資金力
、人力を持っております。 残念ながら、
日本
ではそうでありませんから、全ての
政党
、候補は均等ではありませんので、余りにも自由にできるとなると、やはり
資金力
がある
政党
、
候補者
が有利になりやすいといったこともありますので、ある
程度
の
制限
は必要かと考えております。
夏野剛
96
○
夏野参考人
私も、現在の
公職選挙法
が、いわゆる金権
選挙
をいかになくしていくかということを主眼にあらゆる
規制
を盛り込んできた歴史というのは非常に評価するものではあるんですけれども、しかしながら、
時代
に合っているかということでいうと、用語を含めて、もう少し
時代
に合った形にしていくべきではないかというふうに
個人
的に思っております。 特に、今回は
ネット
ということで
公職選挙法
がありましたが、ほかにも、例えば、ジュースを出すのに、コーヒーを出したらだめで、ペットボトルの口をあけて出すとか、こういったことが、本当に有効性があるのかという観点から
一つ
ずつやるべきであると
思い
ますし、もっといいますと、では、
取り締まり
そのもの、違反を誰が摘発するのかに関しても、
選挙
になりますとかなりこれは専門性が高くなってきますので、そうすると、例えばですけれども、
証券取引
委員会
のような形で、そういう専門の機関を置いた方がいいのかもしれないというようなことも含めて
議論
していただく方がいい時期にもう来ているんじゃないか、そういうふうに
個人
的には思っております。
佐々木憲昭
97
○佐々木(憲)
委員
時間が参りました。 以上で終わります。ありがとうございました。
保岡興治
98
○
保岡委員長
次に、
玉城デニー
君。
玉城デニー
99
○玉城
委員
生活の党の
玉城デニー
と申します。 きょうは、貴重な御
意見
をお二方からお伺いいたしまして、本当に、私たち、改めて、この
法律
をつくるということについて、しっかり審議をして、
議論
をして、まだまだ不明瞭、不明確な部分があれば、それを
国民
の
皆さん
からまた
意見
を聞きつつ、専門家のお二方のような方々とも、また胸襟を開いて、いろいろな勉強をさせていただきたいという、本当に真摯にそういう
思い
でございます。 さて、最後の質問ですので、これまでに
お話
しなさったこととまた重複するかもしれませんが、そこは御容赦いただきまして、御答弁を、御
意見
をいただきたいと
思い
ます。 まず、専門のお二方ですので、もう既にその分析はなされているかと思うんですが、昨年十二月の衆議院総
選挙
、これについてちょっとお伺いをしたいと
思い
ます。 この衆議院総
選挙
でいわゆる
インターネット
関係
のメディアが与えた
影響
あるいは効果、それをお二方それぞれどのように
判断
していらっしゃるか、その御
意見
を聞かせていただきたいと
思い
ます。
三浦博史
100
○
三浦参考人
正直申し上げまして、金沢の市長選というのは、私どもも、非常に、ああ、これはいくかなというわくわくどきどき感がございましたが、それ以降の
選挙
につきましては、昨年の総
選挙
を含めて、
ネット選挙
によって大きく戦況が変わるというか、当落に
影響
する、したというようなことは余りなかったと私は認識しております。
夏野剛
101
○
夏野参考人
昨年の衆議院
選挙
は、その直前に、特に
ネット
メディアを中心として、非常に
議論
が活発化されたと思っています。特に十一月の中旬から後半、その当時の与党の民主党と野党の党首会談、これが
ネット
で中継されたことから始まり、全党の党首が集まった党首会談が十一月の末に行われ、こういったことで非常に盛り上がったんですが、
選挙
期間
中に入った瞬間に、
ネット
上から
選挙
の言葉が全て消えたというので、
一般
有権者
から見ると、あの続きはどうなったんだろうと。それは、何かちょっと、特に若者世代を中心として、終わっちゃったのかなというような、むしろギャップが目立った
選挙
だったんじゃないかなというふうに感じております。
玉城デニー
102
○玉城
委員
選挙
期間
に入った途端に、そういう
ネット
メディアが動かなくなってしまうというか、みんなで自粛をする、
法律
を守るという方向で、当然、
候補者
や事務所、
政党
、いろいろなところでその態勢に入るわけですから、そういう
議論
もあるかなというふうに
思い
ます。 さて、
夏野
さんの持ってきていただいたきょうの資料、「
電子メール
等の利用率」という資料があって、それを少し、各
委員
の質問に答える御
意見
を伺いながら見ていたんですが、この資料で、図表四—三—一—六、「家庭内・家庭外からの
インターネット
利用の機能・サービス」の、利用しているパーセンテージが家庭内、家庭外で描いてあるんですが、その幅はあるものの、赤い丸でくくっていらっしゃるのが「ソーシャルメディアの利用(全体)」、これが数字でいうと、大体四〇から四五%の利用率だと
思い
ます。それから、「
電子メール
の受発信(
メール
マガジンは除く)」というところが、ここが一番山が高いですね、五五%から七〇%。五五から七〇というのは、これは、
個人
で使っている方が七〇%、社用あるいは
企業
用で使っている方が五五%というこの開きだと思うんですが、いずれにしても、数字が最も高い。一方、「
メール
マガジンの受信(有料・無料を問わない)」、これが一五%から二〇%。「電子掲示板(BBS)・チャットの閲覧」、これが一〇%以下。「ソーシャル
ネット
ワーキングサービス(
SNS
)への参加」が一〇%以下。そして、「
個人
のホームページ(ウェブ)・ブログの閲覧」が二〇%から四〇。 我々が期待しようとしているものは、やはりオープンな場で
候補者
や
政党
の政策に触れる、そのパーソナリティーに触れる機会を広げるということと、これは
三浦
さんの資料にあるとおり、善意の
有権者
への十分な
配慮
をしていこうという、いわゆる、本当に
選挙
するための
信頼性
、
信憑性
を高めていこうということの
法改正
。 その一方で、若い
人たち
が、あと十年、二十年たったときに、
ネット
メディア世代が世の中を動かしていくわけですから、今のうちにしっかりとした対応をとって、我々も法的にそれを整備していこうということの
議論
になっているわけですね。 そこで、
信憑性
、
信頼性
を確保するという点から、今回は、
メール
を
政党
と
個人
に限るということと、
第三者
、つまりフルオープンということになっているわけですね。 もう一度そのことについて、この法案と
メール
の、
政党
と
候補者
に限るという点と、そして、
第三者
にもオープンにする、このことを話していただきたいと
思い
ます。どちらでも構いませんので、よろしくお願いいたします。
夏野剛
103
○
夏野参考人
私は、従前から申し上げているとおり、
メール
だけを特別に
第三者
はだめという
理由
が難しいかなと。 もちろん、先ほどから御
指摘
あるように、密室性等の問題はありますが、密室性が高いものほど
影響
力は少なくなりますので、そういった意味では、ソーシャルメディア等も含めて、
影響
力が大きいものは密室性が低いというのは同じ
状況
でございます。ソーシャルメディアも、
ツイッター
でいいますとフォロワーにしか伝わらない
関係
でございます。 そういう意味では、もちろん
程度
の差はありますけれども、本質的には同じであるというふうに思っていますので、
メール
だけを取り上げて、
第三者
というふうな枠組みについては、今後のことを考えても、ひとつぜひ御考慮いただきたいなというふうに思っております。
三浦博史
104
○
三浦参考人
別に反論ではないんですが、先ほど
夏野
さんが、
電話
が自由にできて
メール
が
規制
されるのはおかしいと言われたんですが、私に言わせていただければ、今は、
電話
作戦をすることがどんどん減っております。
選挙
事務所をつくられる際に、
先生方
御
自身
であっても、市長選であっても、知事選であっても、
電話
作戦グループというか、一昔前までは、それはもう大変な人数を動員したわけでありますが、今はどんどん減っております。 なぜ減っているか。それは、固定
電話
にかかってくる
電話
は、ほとんど営業であります。私も、毛生え薬とかお墓の営業とか言ってきますけれども、
選挙運動
で、どんなにすばらしい声で、
三浦
でございます、このたびはと言っても、ああ、
選挙
、ガチャン。営業、ガチャン。こういう
状況
で、私どもも、
有権者
のことを考えると、御年配者の方々を含めて、固定
電話
での
電話
作戦は必ずしもプラスにならないということで、今、減らしている方向でございます。 したがって、
メール
も
電話
と同じという意味じゃなくて、
電話
も
選挙運動
については控え目にしていっている
状況
でありますので、
メール
もどんどんやってもいいということではないんじゃないかと考えている次第でございます。
玉城デニー
105
○玉城
委員
私は沖縄ですので、
三浦
さん、
夏野
さん、沖縄の
選挙
状況
を大変よく、詳しく存じていらっしゃると
思い
ますが、沖縄では、やはりいまだに
電話
は大切なんですね。 といいますのは、事務所からかかってきた
電話
でさえも、本人はいないのかと言われるんですね。何で本人がかけてこないのかと。
有権者
が求めていることは、そのリアルな訴えなんですよ。だからこそ我々は、できるだけ多くの人に会うために街頭に出て、いろいろな方々に声をかけて、握手をする。まさに、
選挙
の
信頼性
、
候補者
の
信頼性
は、その醸成される人間
関係
の延長線上で
選挙
に入っていくということが最も理想的だと
思い
ます。 しかし、一人ではできません。それが限られた人数だけではできないので、公選はがきを送ったり、当然ですけども、証紙を張ったチラシで政策を紹介したりする。そういうふうにして、できるだけ、この
候補者
をぜひ
皆さん
の生活のために当選させてくださいということをするわけなんです。 その一方で、この
ネット選挙
解禁
の大きな落とし穴の
一つ
になっているのは、つまり、
話題
で左右される
候補者
がたくさん出てくるということです。 十二月の衆議院総
選挙
でも、当然ですが、あの人知らないよ、名前を聞いたことないよ、こういう人も沖縄県内の
候補者
にいらっしゃいました。しかし、ある
一定
、やはり票を集めるんです、ほとんど
運動
しないにもかかわらず。 それはなぜかというと、既成の
政党
や
候補者
に対して、いや、やはり新しい人にかえた方がいいんじゃないかということによる期待感と、そして、もう誰でもいいから、例えは悪いんですけれども、若そうな人に投票しよう、あるいは、いいことを言っている人に投票しようと。 今までのおつき合い、肌と肌とのおつき合いも面と向かったおつき合いもないけれども、
ネット選挙
が
解禁
になった途端に、その
情報
量によって
選挙
する選択肢が広がるという利点と、拡散してしまう、つまり、本当に
選挙
という
信頼性
を
国民
に対して、選んでいただく側に対して私たちは提供できるのかということの、やってもやっても追いつかない、そういう
信頼性
の確立が物すごく希薄になってしまうと思うんですね。 その点の憂慮を思うんですが、その点に関して御
意見
を伺いたいと
思い
ます。
三浦博史
106
○
三浦参考人
今の御
指摘
でありますけれども、実は、
韓国
であれだけ
ネット
が過熱した
理由
は何かというと、
テレビ
、
ラジオ
、新聞等に対する
国民
の信頼度が非常に低いんですね。特に、
選挙
に関しては余り信用されていない。したがって、
ネット
というものが非常に過熱化をしておりました。
日本
では、
テレビ
、新聞、そうしたマスコミに対する信頼度が非常に高いところにあります。 今先生がおっしゃったように、これまで街頭とか、ちょっともう古い言葉でありますけれども、どぶ板というか地上戦というか、そういったことで一票一票を重ねて頑張っている
候補者
と、
インターネット
上で非常に評判がいい、人気投票的にいい、そうした
人たち
が、そうした
運動
を、地上戦をそんなにしなくても有利に当選しやすくなってくる、そうした
事態
も予測はされると
思い
ます。 したがって、
インターネット
向きとは言いませんけれども、そうしたサイトを上手につくっていく、あるいは、
メール
を含めて、
フェイスブック
を含めて対応していく、そうした陣営と、そうしたものを、無視とは言いませんけれども、手を抜いていくといった陣営とでは、
ネット
層の、
インターネット
を見て
判断
をされる方々の得票については、差が出るということは当然生じると
思い
ます。
夏野剛
107
○
夏野参考人
私は、
インターネット
の
選挙
活動が
解禁
されることによって、その
候補者
の人となり、そして、人となりよりも私は重要だと思うのは政策ですね、政策がむしろ浮き彫りになるというふうに
思い
ます。 確かに、私の祖母の
時代
も、やはり握手したからあの人がいいんだというおばあちゃんでした、うちの祖母は。でも、それが正しいかというと、国の
政治
を任せる人が、握手をしただけで投票するというのはむしろおかしいだろう。地域の評判、これも大事です。しかしながら、地域の評判だけというのは、実は問題があるだろう。 例えばTPPに対してどういう考え方を持っているんだ、例えば
教育制度
改革に対してどういう考えを持っているんだ、そういったものが一切
情報
なく、あるいは、あっても余りそこが重視されず、あの人が知っているから、あの人と一緒だからという形の
選挙
が行われたんだとしたら、むしろ
ネット
の
選挙
活動が
解禁
されることによって、その人が本当にどちらの
立場
なのか、国の右左を決定するのにどちらの側なのかというのが浮き彫りになることで、より
有権者
の民意が反映される方向に行く
可能性
が非常に高いと
思い
ますので、御
懸念
はむしろ裏返しで、力のある、あるいはきちんと民意を反映する形によりなっていくのが
ネット選挙
の
解禁
だというふうに解釈をしております。
玉城デニー
108
○玉城
委員
ありがとうございます。 本当に、この
ネット選挙
をいい方向で進めていきたいということが我々の
共通
の
思い
ではありますし、また
国民
に対しても、参加できる意思と申しますか、その気持ちをしっかり高めていただきたいというふうに
思い
ます。 時間が来ましたので、これで質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
保岡興治
109
○
保岡委員長
以上で
参考人
に対する
質疑
は終了いたしました。 両
参考人
におかれましては、貴重な御
意見
をお述べいただき、まことにありがとうございました。
委員会
を代表いたしまして、厚くお礼を申し上げます。(
拍手
) 次回は、明五日金曜日午前八時四十分
理事
会、午前九時
委員会
を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午前十一時五十分散会