○小池(政)
委員 事前に決めておくということは難しいということは承知しておりますが、ただ、指針としてある
程度示していただきたいというのは、今回は、必ずしも債務超過の
金融機関だけではなくて、
資産超過でも過少資本の
状態にある機関に対しても特別監視に置けるというような制度になっておりますから、これを恣意的に捉えるのであれば、例えば、気に食わない、言うことを聞かない
金融機関に対して、機構が特別監視や特定管理のもとに置くこともできてしまうんじゃないかというような懸念もそこにはあるわけでありますから、その点におきまして、検討をお願いいたします。
それでは、
経済状況につきましての
質問をさせていただきます。
今回、
金融緩和におきまして、
日銀が国債を買い取った、その際に、当初想定していた
市場の反応というものになっているのかなということに少し疑問を持っておりまして、先ほど来、貸し付けが去年と比べて少しだけふえている、ただ、一方で、リーマン・ショックの前の
水準にもなっていないじゃないかという話がありました。
確かに、
マネタリーベースで見ますと、昨年の同月に比べまして約三割超伸びているにもかかわらず、
銀行の
貸し出しというのはたった二%しかふえていない。また、
家計や
企業も、昨年の同月比で約三%弱の伸びでしかないというような現状であります。
では、
お金がどういう方向に流れているのかということでありますけれども、
麻生大臣は、債券から株式に流れているのではないかということを記者会見等で述べられております。
そこから、きょうお配りの資料を少しごらんになっていただきたいと思います。
まず、最初の資料は、これは二〇一三年の四月末までの資料になりまして、
日銀の資料で、五月の末はこれから出るということで、四月末までなのでありますが、ここを見ますと、現金と預け金がふえて、一方で、全体の有価証券は下がって、また株式も下がって、貸出金も下がっております。これは、
黒田総裁の
金融緩和の方針というものが発表された後の四月の段階におきましてこういう
状況で、五月は、これからどうなるかということを注視しなければならないと思っています。
また、
金融機関の特に株式に関しての売り買いの
動きでありますが、二ページ以降、四月から六月の第一週ぐらいまで、
金融機関が株式をどのくらい売買しているかということを示したものであります。東京証券取引所の資料であります。
下の段の右に
金融機関というものがありまして、こちらに売りと買いがあります。この売り買いを見ますと、売りの方が多くて、売り越しになっています。下の方に
金融機関の内訳というものがあります。これは、四月の二十六日までであります。三ページ目は五月の三十一日まで、こちらも同様に、
金融機関の数字は売り越しになっておりますし、また、六月におきましても、六月七日まで、
金融機関の株式におきまして売り越しとなっております。
ということは、債券も売り越しでありますけれども、株式も売り越しでありまして、現金や
預金のまま
手元にたまっているんじゃないかということは考えられるわけであります。
一方で、それでは、海外という成長ドライバーに
投資がふえているかどうかということも、この資料の五ページ目を見ていただきますと、これは部門別の対外証券
投資になりまして、右上が株式ということで、その際の部門として、
金融機関、
銀行等が対外的に処分しているのか取得しているのかということを示しておりますけれども、これは、対外
投資におきましても処分の方が多いということで、では、一体、
マネタリーベースをふやして、
金融機関がどこに
お金をふやしているのかということは、ここら辺からはなかなか読み取れないし、また、思ったとおりの行動をされていないのではないかということが拝見されるわけであります。
中小
企業への
貸し出しも、メガバンクは減少し、地銀、第二地銀が少しふやしている
程度でありますし、それでは、これから
貸し出しをふやせるかといいましても、
企業が内部留保を高めている現状ではなかなか難しいのではないかということが今考えられまして、やはり
金融機関に今は
期待できない
状況にあるのではないかということを考えております。
その際に、
黒田総裁にお聞きしたいのは、
民間の所得、それからそれに伴う消費、
資金需要、
黒田総裁は所定内賃金は上がっていないということもおっしゃっておりますけれども、それでは、これから具体的にどのような形で所得が
プラスにつながっていくかということをお伺いしたいんです。
この前の参議院の財金の
委員会の答弁におきまして、
黒田総裁は、「株価が上がることによる
資産効果は実は国内こそ大きいわけでございます。それが
設備投資や
住宅投資、あるいは消費などにも
プラスの影響を与える」ということをおっしゃっていまして、株価が上がれば結果として
家計の所得も上がるのではないか、そのようなメカニズムを持っていらっしゃるのかなということを少し感じてしまったわけでありますけれども、
家計所得の伸びがこれからどう進んでいくか、少しお聞かせいただきたいと思います。