○椎名
委員 どうもありがとうございます。
やはり、どうしても、政府が主導すると、県、
市町村の担当者の
方々からお話を聞くという話になりがちなのかなというふうに思ってしまいます。
しかし、ちょっと話はかわりますけれども、例えば、私自身、せんだって女川原発というところに行き、話を聞いてきたわけでございますけれども、あそこで原発の設置を決めるに当たりまして、昔から、古来伝承されている、リアス式海岸といえば高波が起きる、津波が起きる、そして波が高くなる、だから高台に設置をしようという、そういう言い伝えみたいなものをある程度やはり
参考にしたという話を聞いたわけでございます。
こういった形で昔から口伝えで伝わってくる知恵というものこそがまさにソフトなんだと思うんです。決して、津波ハザードマップ、それから
防災ハザードマップを
住民に配っておしまい、
地域防災計画をつくっておしまいなのではなくて、知恵を
国民、全土に内在化させて、
災害が起きたときに臨機応変に
対応できるような
国民をつくることこそがソフトによる
防災、減災政策の目的であるべきではなかろうかと私自身は思っています。
だからこそ、私自身、もう一回、
大臣の
先生方に御提言申し上げますけれども、政府、
地方自治体の
関係者ではなく、市井の
方々が持っている経験談を取りまとめるという作業を行うことをぜひ御
検討いただきたいなというふうに思っています。
特に安倍政権の中では、
防災、減災というものがアベノミクスと呼ばれる経済政策の第二本目の矢と一緒に語られることがあって、公共
事業中心のハードの政策ばかりが強調されているようにどうしても聞こえてしまうわけです。
しかし、例えば南海トラフの地震で津波高三十四メートルというものが予想されている。三十四メートルの津波高が予想されているから、では四十メートルの防波堤をつくればいいのか。ではその想定が四十メートルに変わったら、四十五メートルに防波堤を高くすればいいのか。
結局、ハードによる
防災、減災というのは際限がないですし、要するに答えがないわけでございます。結局イタチごっこになってしまって、コスト・ベネフィット、景観といった別の観点から問題点が出てくるということなんだと
思います。
やはり、今後の
防災、減災政策は、リスクゼロという発想をなくした上で、どのようにリスクを極小化していくかというところについて政府それから民間の役割分担を考えていくということが非常に重要なのではないかなというふうに私自身考えているところでございます。どうか御
検討いただければというふうに
思います。
次に参ります。
先ほど大臣からBCPという御
指摘をいただきました。首都直下型地震が起きたときに、民間企業、東京それから川崎、横浜といったところ、千葉もそうですけれども、大企業の本社がたくさんあるところがございます。こういったところで民間企業がBCPをつくっていくということが非常に重要になっていこうというふうに
思います。
こういった大企業については、大企業の中の従業員をどのように
災害から守るかということ、それから
事業の継続性をどのように維持していくかというBCPの観点に関しては、基本的には自助、共助というところを重視していいんじゃないかというふうに
思います。しかし、
先ほど来結構話題になっておりますけれども、社会的弱者が集合している
災害弱者という問題、これについてはもう少し政府の役割を積極的に考えていく必要があるのではないかというふうに
思います。
すなわち、何かというと、病院それから老健
施設、こういったところについての
災害対策、BCPの策定、そして
避難といった問題だと
思います。
政府の役割が基本的には
国民の命、健康を守るということであって、防衛だったり治安維持だったりというところが最終的な、究極的な政府の役割の肝の肝だとするならば、やはり
災害からの
国民の保護というのも同じような重要な役割だというふうに思っています。
社会的弱者については、自助、共助、自分たちでやってほしいといって切り捨てるのではなくて、やはり政府が主導的な役割を果たして、
避難をしていくべきなのではないかというふうに私自身思っています。
私自身、国会事故調というところで、原子力発電所の事故が起きたときに、二十キロ圏内にある病院が全病院、
避難をするというような事態に陥ったというところで、その
避難の過程でさまざまな苦労があった、合計して百人以上も
避難の過程で亡くなっている、そんなようなお話をやはり聞いてきたわけでございます。
地域防災計画の中では、病院がみずから
避難計画をつくるというふうに書かれていて、全て
国民の方に責任が寄せられているわけでございます。
こういった事態についてどのように
調査しているのかということと、その現状を踏まえた上で、病院それから老健
施設といった
災害弱者の集合している組織について、今後の
事業継続性それから
災害における
避難のあり方についてどのように考えているか、それぞれ、厚生労働省の
参考人を呼んでいますので厚生労働省の
参考人の方と、それから
大臣にお伺いできればと
思います。