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若井委員 先般成立をいたしました
改正耐震改修の
促進法、あの議論がありました折に、ある
地方の
ホテルの
経営者の方が、五千平米以上の営業面積を持っているものについてはこれを進めなければいけないけれども、
資金がとてもめどが立たないというような議論がございました。
私は、その議論をお聞きしながら、それぞれの施設についての
状況について想像をめぐらしておったんです。旧の建築基準法で建った
ホテルの中には、確かに一発でどんと五千平米以上の面積を構築したような施設もありますが、実は、行ってみますと、古い
旅館が継ぎ足し継ぎ足しで、
時代の要請に合わせて、例えばカラオケボックスをつくったとか、売店のところを増築したとか、そして全体とすると五千平米を超えたような、そういう施設も数多くあり、私は、だから、その五千平米という
要件をクリアするのであれば、幾つかそれを外してしまえばいいんじゃないかとすら思ったわけでございます。
いずれにしても、
時代の要請に合わせて継ぎはぎをしてきたような施設というものを、もう一度、次の
時代にふさわしいものに変えていくということであれば、新しいものをどんとつくるよりも、昔をもう一度よみがえらせるようなものにしていくとか、そうしたいろいろな工夫や知恵が必要だと思っております。そうしたものがこの
SPC事業をうまく
活用して、新しい開発をどんとするような
事業手法は幾つもあるわけでございますが、うまく使っていただけるようになるということを
期待するものであります。
いずれにしても、大変に多くのストックを擁しております
我が国でありますから、それをうまく生かしていくということ、あるいは
スキームを変えることによって未来に生きていくというような、一言で言うと、要らないものを取り去っていきさえすればしっかり本物が残っていくんじゃないかというふうに
考える者の一人であります。
それについてはお答えは結構ですが、今度は少しざっくりした話を今の話との関連でお聞きをさせていただきたいと思います。
話は飛びますけれども、先般、経済財政諮問
会議が二十一世紀型の社会資本について論じておられて、その中で三つの原則を上げていらっしゃる。
選択と集中の課題提起からこれを徹底的に実行すべき段階じゃないか、選択と集中を徹底実行すべきだということを第一の原則に。そして二番目は、新しくつくるということから賢く使うことへということをおっしゃっている。今、もうこれからはつくる
時代じゃなくて使うことだということを言っていらっしゃるんです。それからもう
一つは、経済成長や財政健全化の両立、短期的な需要創出ばかり力を入れるんじゃなくてそちらにシフトすべきだ。私、本当にもっともだと思います。
この議論は、社会資本だけじゃなくて、
我が国に今既に存在している
民間の固有資産、建物あるいは住宅、そしていろいろな構築物、みんなそうですけれども、これら全てについて言えることだと思うんです。
我が国の
状況は今やそこにシフトしてきている。そういう膨大な資産の集積を、選択と集中の原則に基づいて、賢く使っていくことが必要じゃないかということだと思うんです。
社会資本は税によって賄われていくわけですけれども、
民間の膨大な資産集積、これを更新していくには、当然、それなりの
民間の
資金が
活用されることが必要だということではないかと思うんですが、よく言われます、
我が国の家計の金融資産が千五百兆円を超えている、これがうまく生きていないから経済が
活性しないんだという議論がございます。
さて、社会資本の方は全体で五百兆円ぐらいあるだろうと言われておりますけれども、これからの
時代、正面から向き合っていかなきゃいけない古びていく膨大な
民間の固定資産というのは大体どんな
状況か、把握しておられれば、ぜひお聞かせいただきたいと思います。