○
野村参考人 ただいま御紹介にあずかりました
野村でございます。
私は、当
委員会におきまして
主査というお
仕事をさせていただきました
関係で、
大変僣越ではございますが、この
機会に、私
どもの
報告書の
内容等につきまして御
報告をさせていただきたいというふうに思います。
報告に先立ちまして、当
委員全体の総意といたしまして、まずは、このたびの
原子力発電所の
事故によりまして被災された
方々に対し、心よりお見舞いを申し上げたいというふうに思います。さらには、厳しい環境の中で
安定化作業のために力を尽くしておられます
現場作業員の
方々に対しましても、感謝を申し上げたいというふうに思います。
さて、時間が限られておりますので、私の方からは、お
手元の
資料を使わせていただきながら、さらにはこちらのスライドを使わせていただき、
内容等について御
説明をさせていただきたいというふうに思います。
まず、今回私
どもは、
三つの
仕事を
法律によって使命として与えられていたわけでございますが、
一つは
事故の
原因の
究明でございます。もう
一つは
被害の状況の確認でございまして、そして三番目が
提言という形になっております。
事故原因等についての
調査内容は後ほどお話をさせていただくとしまして、まずは、やや順番が逆かもしれませんが、
提言の
内容について簡単にお示しをさせていただきたいというふうに思います。お
手元の
資料に
ダイジェスト版がございますので、そこに載っております
提言をごらんいただければというふうに思います。
まず、
提言の一番目は、
規制当局に対する
国会の監視をお願いしたものでございますが、これに基づきまして本
委員会が設置されたというふうに承知しているところでございます。
この
提言の一には「
規制当局」という言葉が書かれておりますが、私
どもは
国会の
議員を経験したことがある者がおりませんので、実際、ここでの
提言の
内容につきましては、文言等にかなり不明瞭な部分があり、
国会議員の
先生方の方でこの
提言内容をそれぞれ
意味ある形で受けとめていただき、御議論いただいて運営していただくということを求めているものでございます。
私
どもがこの
委員会に期待しております
内容は、ここにも書いてありますように、
一つには、お
手元資料、別紙になっておりますが、
国会による継続監視が必要な事項としてまとめさせていただいているものについて御審議をお願いしたいというふうに考えたものでございます。
さらには、事業者、行政
機関から
独立した、グローバルな視点を持った専門家の
意見も聞いていただきたいということをお願いしているものでありますが、諮問
機関という言葉を使っておりますので、ややわかりにくくなっているかもしれません。
私
どもの本来の期待は、当
委員会がしっかりと議論を進めていただくということを期待しているものでございまして、その当
委員会にさまざまな知見を与えていただくための諮問
機関といったようなものを想定していたものでございます。
簡単に申し上げますと、
先生方の審議の中で、必要とあらば何らかの形でアドバイスを受けるというようなものを考えているわけでございまして、この重要な点は、事業者、行政
機関から
独立した視点を持った専門家の
意見も聞きながら当
委員会の活動を進めていただきたい、そういう希望でございます。
規制当局という言葉を使っておりますので、第一義的には、対象となりますのは、
規制委員会と言われているところ、それから
規制に関する当局、
規制庁と言われているところかと思いますが、私
どもとしましては、
国会でありますので、行政全般に対しても
報告を求めていただきたいというふうに考えているところでございます。
ただ、ここの
報告といいますのは、最低限、少なくとも、
国会法に基づいて規定されております私
どもの
提言に対して
政府がどのような形でそれを実施しているのかということについて、年に一回の御
報告を
法律上求めているものがございますので、それを当
委員会で受けとめて、御
報告を受けていただきたいということを基本に据えているものでございます。
そのほか、各省庁のつかさつかさでさまざまな施策が講じられていると思いますので、場合によっては局長クラスの
方々などを
参考人としてお呼びいただき、状況の確認をしていただくことは必要かというふうには思いますが、そのようなものをここで定期的な
報告を求めるという形で要望させていただいているものでございます。
提言の二番目でありますが、
政府の危機管理体制を見直していただきたいということであります。
これは、今回の
事故原因等の
究明の中で、当時の
政府がさまざまなことに対して指示を出していたという部分の中で、問題をオフサイトとオンサイトとに分けた上で、
技術的なことについては専門家に任せるという体制をきっちりと整えてほしいということを
提言しているものでございます。
提言の三は、被災住民に対する
政府の
対応であります。
こちらは、依然として被災住民の
方々は健康に対する不安を抱えておられますので、
政府が主体的に健康管理のための施策を講じていくこと、さらには、除染などの作業についてもきちっとしたスケジュールが示され、住民が安心して将来の設計を描くことができるようにしていただきたいということをお願いしているものでございます。
提言の四番目は、電気事業者の監視ということでございます。
後ほどお話をいたしますように、今回、私
どもの検証の中では、電気事業者の方の側が
規制をつくってしまっていたという部分が幾つか散見されましたので、そのようなことが二度と起こらないようにするために、電気事業者と
政府関係者との接触等に関してきちっとしたルールづくりをお願いしたいということ。
さらには、電気事業者の方が
専門性を持っているという部分がありますので、むしろ、電気事業者を上回る専門的な知見を持って、電気事業者をきちっと監視していっていただきたいということをお願いしているところでございます。
さらには、電気事業者の間では、海外ではベストプラクティスはむしろ事業者の方でそれをつくり上げていく、そういう
プロセスがございますが、そういったようなものを促していただくのもお願いをしたいということでございます。
次に、
提言の五は、
規制組織であります。
こちらは、狭義の
規制組織として
規制委員会及び
規制庁のことを指しておりますが、こちらについては高い
独立性、
専門性といったようなものを要求するということをお願いしているところであります。
特に
専門性に関しましては、残念ながら、今の
規制庁は以前の保安院がスライドした形になっておりまして、
世界水準から見ますと
専門性に乏しいという部分がございますので、この点についての
専門性の強化を求めているというふうにお考えいただければと思っているところでございます。
提言の六は、
原子力法制の見直しでございます。
こちらは、これまでの
原子力法制は、例えば災害時に関しましても、一般災害に関する
法律の上に
原子力災害を特別法として乗せるという形になっておりますけれ
ども、むしろ
原子力の安全というものを前提とした上での法体系に再構築をしていただいて、
原子力問題というものを真正面に据えた形での法体系に再構築をお願いしたいということを求めているところでございます。
そして、
提言の七は、
独立調査委員会の活用ということでございます。
これは、私
どもは、今回、
国会事故調査委員会というものをさせていただきましたが、ただいま
黒川元
委員長の方から御
発言がありましたように、大変有益な活動であったというふうに考えておりましたものですから、今後も、さまざまな問題点について、
国会のもとで同じような
独立した
調査を継続していただきたいということをお願いしているものでございます。
これらの
提言がなぜ出てきたかということなんですが、時間の
関係もありますので簡単に御
説明をさせていただきたいと思います。
スライドをごらんいただければと思いますが、私
どもの方の
報告書といいますのは、
調査の結論として十一項目についての
調査項目を挙げて、そして、それを踏まえましてただいまの
七つの
提言をさせていただいているということでございます。
では、この十一項目、それぞれどのようなことが書かれているかということでありますが、まず一番
最初が
認識の共有化ということでございます。
これは、先ほど
黒川元
委員長の方からも御
発言ありましたように、私
どもは、依然としてこの
事故はまだ収束していない、継続しているという強い意識を持っているものでございまして、この
報告書が出たことによって
事故の問題が解決したかのように扱われることは本意ではないということを一番
最初に書かせていただいているものでございます。
次に、
事故の根源的
原因についてどのような
認識を持ったかということでございます。
根源的な
原因といいますのは、今回の
事故から見ますとややリモートな
原因ということにはなりますけれ
ども、そうはいいながらも、この部分での
対応が行われていれば
事故は回避できた可能性もあるということで、重視しているものでございます。
その
一つは、三・一一以前に、先ほ
ども申し上げましたように、
規制する方の側が
規制される方の側にコントロールされる形で、
規制が先送りになったり緩やかになってしまった部分があったのではないかということを問題視させていただいているものでございます。
具体的に申し上げますと、新しい耐震基準というものができたわけでありますが、これに対する
対応というのを、バックフィットと言われている、過去にさかのぼって適用していく、そういうやり方ではなく、バックチェックという形で、事業者にその基準に照らして点検をさせるという形になっていたこと、さらには、その点検と言われているものが、実際には事業者の方のスケジュールに任せきりとなり、最終的には、
報告が十分上がっていないまま、今回の
事故を迎えてしまったということであります。
さらには、津波対策につきましても、二〇〇六年には、溢水研究会と言われているものがございますが、ここでも、大きな津波が来た場合には電源の喪失あるいは全交流電源喪失の可能性というものが議論されていたわけでありますが、それに対しての対策が残念ながら講じられなかったということであります。
さらには、シビアアクシデント対策につきましても、
IAEAから指摘があったにもかかわらず、我が国におきます深層防護の考え方は不十分でありまして、
世界水準であります五層の防護というものには至らず、三層どまりになっていたということが問題点として指摘されているところでございます。
これは一例ということでございますが、こういった点についての問題点を指摘させていただいたところでございます。
次に、直接的な
原因ということでございます。
私
どもは、直接的な
原因が、津波が主
原因であるということを全く否定しているわけではございません。やはり津波が大きな
原因であったというふうに考えているわけでございます。ただ、他の
報告書では津波だけが
原因であるというふうに書かれているわけですけれ
ども、私
どもは、それは確認ができていないというふうに申し上げているところでございます。
といいますのは、残念ながら、原子炉には立ち入っての
調査ができない状況にありますので、さまざまな間接的な事実の中で、津波以外の
原因による何らかのアクシデントがあったのであれば、それをも参考としながら次の対策を講じるべきではないかというふうに考え、幾つかの点を指摘させていただいているところでございます。
一つには、小規模なLOCAというのがございます。亀裂ということですけれ
ども、こういったようなものが生じていた可能性もあるということです。そのほか、津波の到達時間といったものが少し東京電力の発表がずれているということなどを踏まえますと、津波が到達する前にも何らかの損傷が生じていた可能性があるのではないか。あるいは、一号機の四階に出水があったといったような証言な
ども見られるところでありますので、これらについてきちっとした確認をしなければ結論は出せないということを申し上げさせていただいたということでございます。
次に、運転上の問題点というのがございます。
政府の
事故調査委員会などでは、これまで私
どもが申し上げてきたことよりも、現場の作業員の、特にICの操作の誤作動といったようなものを中心的に捉えて、そこに大きな
原因があったかのような
報告になっている部分もございますが、私
どもは、ICの操作について、あるいはベントのおくれなど、こういったような問題は、根本的には、あの困難な状況の中で作業員の
方々が極めて困難な作業を強いられていたことが前提であるということから、準備不足が
原因なんだというふうに考えているところでございます。
正確に申し上げますと、図面などがきちっと整備されていない中で、どこに行けばどのような操作ができるのかということがわからないまま、必死になって取り組んでおられたということでありますので、そういう
意味では、東京電力の組織的な
対応、まさにシビアアクシデントに対する対策不足というものが
原因だったというふうに考えているところでございます。
次に、緊急時の
政府等の
対応についてでございます。
こちらにつきましては、まず第一に、緊急事態宣言の発出が、速やかにと
法律上はなっているわけでございますけれ
ども、ややおくれがあったのではないかということを指摘させていただいているところでございます。
さらには、官邸での
対応ということでございます。
こちらは、やはり東電の側の方の官邸に対する情報の伝達というものにもやや不明瞭な部分、不十分な部分があったがゆえに、官邸側の方でもかなり不信感が募っていく状況になっておりまして、そのことが、官邸からの現場、すなわち
福島第一
原子力発電所の所長等に対する直接的な連絡をとるということをもたらしてしまったことを指摘させていただいているわけであります。
このことは、
法律のたてつけでは予定されていなかった
対応ということになっているわけでありますが、果たしてこれが本当に必要だったのかどうか、これがかえって現場に余計な
対応の時間を必要とさせたり、あるいは連絡の混乱、指揮命令系統の二重化といったようなことが起こってしまったのではないかというふうに考え、問題点として指摘をさせていただいているところでございます。
特に、
技術的な問題につきましては、現場の者が最も知見を持ち、また、その場にいなければわからないこともたくさんあるわけでありますが、それを、
技術的なことについて官邸からの指示が入ってくるというような状況は、必ずしも望ましくなかったのではないかというふうに考えていたところでございます。
次に、
被害拡大の要因でございます。
こちらは、
政府からの自治体あるいは被災者の
方々に対する情報伝達のあり方あるいは避難の指示のあり方が適切であったのかどうかということについての検証でございます。
特に、
被害拡大の要因といたしましては、被災者の
方々の中には、本来ならば一度の避難で済むべきところ、どこに逃げていいのかということが適切に把握できず、線量の高いところに避難せざるを得なかったということから、何度も場所を変えて避難を強いられたという
方々がおられるわけであります。中には、せっかく避難したにもかかわらず、線量の高いところに避難をしてしまったということで、大変悔しい思いをされている方もおられるということでございます。
この点については、SPEEDIと言われているものが活用できたのかどうかということについて、さまざまな見解の対立があり、我が
委員会の方としましては、当時の状況の中では、SPEEDIの情報は必ずしも十分には活用できないものだったという
判断をしておるわけであります。さはさりながら、実は、
政府には、モニタリング等を通じた情報、線量の情報というものがさまざまな形で上がっていたわけでございますので、それらも総合的に有効活用していけば、適切な避難の指示を出すことも可能だったのではないかというふうに考えているところでございます。
次に、住民の
被害の状況ということでございます。
今、現時点におきましても、避難を強いられ、あの日からまだ一度も本来住むべき自宅に戻れずにおられる方がたくさんいるという状況、これは大変深刻な問題だというふうに私
どもは受けとめているわけでございます。
この避難の問題、さらには帰宅の問題というのは、除染でありますとか、あるいは被曝線量の基準の問題といったものと大変複雑に絡んでおりますが、私
どもは、内部被曝との
関係でいきますと、いわゆる閾値と言われているものは線量の中には存在しないという考え方から、これを前提とした上で、
政府あるいは住民の方、さらには自治体の
方々と、今後の
対応についてきちっとその整理をしていっていただきたいということをお願いしているものでございます。
問題の解決に向けてということであります。
以上のことをさまざま考えていきますと、やはり今回の
事故は、私
どもの言葉でいけば、人災であったというふうに考えているわけでありますが、この人災という言葉から、特定の誰が悪いんだ、この人が悪いんだということをあげつらっていくような、そういう
調査報告にはなっておりません。
むしろ、この人災をもたらしたものには、
日本人全体の中で、考え方が甘かった部分、見通しが甘かった部分、あるいは思考が停止していた部分、そういったようなものが総合的にここにあらわれているということから、それぞれが自分の問題として受けとめて、どこを改善すべきなのかということを考えていく。すなわち、組織依存していくマインドセット、常識、思い込みといったようなものから根本的に考え直していかなければいけないんだということをここに主張させていただいているところであります。
これを踏まえて、事業者や
規制当局の方の今後の
対応といたしましては、まずは、事業者としては、ガバナンスの問題をしっかりと整えてほしい、さらには、リスクマネジメントのゆがみを是正してほしいということをお願いしているわけでございます。
特に、東京電力におきましては、リスクに対する考え方というのがやや不自然でありまして、経営上、対策費がたくさん必要となるものがリスクだというふうに考えて、そういう
資料をたくさんつくってきていたわけでありますが、私
どもから見ますと、地域住民の
方々に悪影響を及ぼすことがリスクでありまして、そのリスクの捉え方が根本的に間違っているということを指摘させていただいたわけでございます。
さらには、
原子力事業者として、特に
原子力の知見のある
人たちが聖域化されて、そこの部分が主導権を握った形での経営を行っていたといったようなことについても問題提起をさせていただいております。
さらには、
規制当局の方としましては、先ほ
ども申し上げましたように、事業者との
関係の中で、事業者を上回るような専門的な知見がないがゆえに、結局は事業者の方に丸投げをするといったようなことが起こってしまっていたということでございます。
これも私
どもの
調査の中から明らかになったことでありますけれ
ども、対策を講じなくてもいいということについての
報告書を事業者の方に作文させて、事業者のつくってきた文章を
政府側の
報告書として取りまとめるといったようなことが行われていたということも問題点として指摘させていただいているところであります。
これをとにかく打破していくことは、
独立性の高い組織であり、また
専門性のある
人たちにしっかりとその議論をしていただくということでありますが、さらには、当局に対して、先ほど
委員長の方からもお話がありましたように、
国会がその監視を続けていく、
三権分立ということで任せっきりにせずに、
国会自身が
自分たちの問題として
原子力行政をしっかりと監視していくということを求めているものでございます。
そして、最後に、法
規制であります。
法
規制につきましては、先ほ
ども申し上げましたように、これまではややパッチワーク的に、事があれば
対応するという形の立法でございましたが、私
どもは、今回の
事故を踏まえて、特に
原子力に関する法制度を総合的に見直しをしていただいて、まさに
国会が立法の府でございますので、法体系そのものを根本的に改めていただくことをお願いしたいということを申し上げているところでございます。
以上が、この問題点についての私
どもの
報告書の
内容ということになるわけでありますが、先ほど申し上げました
提言について、最後にもう一度確認をさせていただきまして、私の方の
説明は終わりにさせていただきたいというふうに思います。
先ほど、
提言のところで、特に
提言の一というものについての御
説明をさせていただきました。この
提言の一が今まさに実現しておりまして、この
委員会でさまざまな活動をしていただくということになっているわけですが、やや私
どもの
提言がわかりにくい形になっておりまして、二番目から六番目までの部分が、一体誰を名宛て人にして、誰に要望しているのかということがよくわからない書き方になっております。そういう
意味で、私
どもはこの点についてどう整理しているのかということを最後に付言させていただきたいということであります。
言うまでもありませんけれ
ども、私
どもの
委員会は
国会に設けていただいた
委員会でございますので、
提言の第一次的な提出先は
国会でございます。したがって、
国会議員の
先生方に対してこの
七つの
提言を全て御
提言申し上げているという形になっていることが前提だということをまず御確認いただければというふうに思っております。
ただ、国の統治機構の中では、
国会が行政をやっているわけではありませんので、行政にかかわる部分というものについては、やはり
政府に対して何らかのお願いをしていくということが必要になってくるわけでございます。
その一番のポイントとなりますのは、
国会の方が行政の活動を監視するという形でこの
提言の実現を促していただくということが
一つであります。さらには、釈迦に説法でございますけれ
ども、行政は全て
法律に基づいて行われておりますので、立法という作業を通じて行政の活動等に対するコントロールを果たしていただきたいということをお願いしているということになるわけでございます。
そこで、この図を見ていただければおわかりになりますように、二番目から五番目に関しましては、これは主として
政府の活動等に対する
提言という形にはなっておりますけれ
ども、
行政府の履行状況を
国会においてぜひ監視していただきたい、さらには、それぞれの
提言を実現させるために、もし法制度の改正等が必要であれば、立法の場を通じて法改正なり立法なりを実現していただきたいというふうにお願いしているわけでございます。
さらには、
原子力法制の見直しということで、
提言の六は、より総合的に
立法府そのもののお
仕事かと思いますので、そこをしっかりと実現していただきたいということでございます。
そして、最後に、
提言七でございます。
これは、先ほど
黒川委員長の方からも話がありましたように、依然として、例えば
福島第一
原子力発電所の安定化に係る作業、これについても
国民の監視が必要だと私
どもは考えているわけでございます。先般の停電の問題、さらには今リアルタイムで起こっております汚染水の漏出の問題、こういったようなものについて
国民は大変不安を感じているわけでございますが、これをやはり東京電力と行政庁に任せきりにしていていいのかということであります。こういう問題こそ、やはり
国民の代表が、しっかりとした専門的な知見を持ち、事業者からも行政からも
独立した形で、しっかりと
国民目線で監視をしているんだという
対応をしていただくことが望ましいというふうに考えているわけでございます。
さらには、廃炉に至るまで三十年ないし四十年、今後は促進を図られるということで、それぞれの原子炉ごとにまたロードマップを見直されるというふうには伺っておりますけれ
ども、それでも数十年かかる廃炉に至る
プロセスについても、正しく行われるのかどうか、それを
国民目線で専門家が監視をする、そういう体制をぜひ実現させていただきたいというふうに思っているところであります。
そしてまた、言うまでもありませんが、
事故の
原因は、まだ正確には把握されておりません。やはり、線量が高く、当時はなかなか中に入って見られなかったものも、若干線量が低くなってきている部分もありますので、そういう
機会に、可能な限り現場に立ち入って問題を確認させていただくというようなことをぜひ実現し、正しい
原因分析をしていただきたいというふうに考えているところでございます。
以上、私の方からは、今回、私
ども国会事故調査委員会が
調査の結論としてまとめさせていただいたもの、それを踏まえまして
提言させていただいたものにつきまして、概要を御
説明させていただきました。
お時間をいただきまして、ありがとうございました。(拍手)