○馬淵
委員 私は、御見解をということでしたので、具体的な数値をお聞きしたわけではありません。そして、私がこの
委員会の場で
大臣と
議論させていただきたいのは、まさに認識の問題なんです。どのような魚がどれだけ出るかということを問うていません。今もって高濃度の滞留水が地下水とまざって
流れている可能性の蓋然性は、私はそれなりに高いと思っています。
これは経産省の中のデータです。お手元の資料に、最初の一枚目というのは、海中の濃度が下がっていませんよ、一定
レベルですよということを申し上げる資料であります。そして、二枚目のBと左下に書いてある資料は、
先ほど大臣がおっしゃった部分でして、十二月二十五日に地下水濃度を検出したところ、流出の可能性はないと評価ということでありました。これは
一つ、このことをおっしゃっているんだと
思います。
ただ一方で、
先ほど申し上げたように、五十一万ベクレルのアイナメが採取されたということであります。
実はこれは、これほど高いのは初めてなんです。それ以前にも高濃度の魚が採取されております。昨年の八月一日に、同じくアイナメなんですが、太田川の沖合一キロで二万五千八百ベクレル、これが検出されたがゆえに、その後、原因究明のための
調査を行っております。そして、その
調査の結果、幾つか採取された魚から、マアナゴから一万五千五百ベクレル、こういったものが出たんですが、数値のことを申し上げているわけではありません。このような
状況、高濃度の魚、汚染された魚介が採取されたことに対する東電の見解なんです。東電の見解はどうなっているか。
当時、昨年十一月二十六日の報告書は、福島第一
原発事故直後、海水濃度が一カ月以上千ベクレルを超える状態が継続したことを考えると、魚介のセシウム濃度が十万ベクレル程度まで高まる可能性はあった、このように述べておられます。
ただ一方で、生態学的半減期、魚がいろいろなものを食べては排出するという中で、これが循環して出ていくことも考えた場合に、生息
環境の汚染がなければ、五十日程度で半減する。ただ、福島県沖のアイナメは三百日を超える可能性があるということから、採取された平成二十四年八月一日まで、事故直後から約五百日ぐらいが経過しているので、生態学的な半減期、これは三百日ぐらいだと水産総合研究センターが言っていますから、二万五千ベクレルを超える魚類が発見されたとしても、計算上は説明が可能だ、こういう原因の推定を東電は行っています。
私が申し上げたいことは、このように、原因の推定として、説明は可能だという
レベルでとどまってしまっているんです。今回、五十一万ベクレル。やはりここはまさにいろいろな形で
検討されているんだと
思いますが、この滞留水と地下水の
関係、海洋汚染というものは今もって明らかではない
状況である。すなわち、今もって汚染をし続けている可能性が高いということも想定して取り組まなければならないということであります。
そこで、
先ほどお配りした資料のBの右下に線を引いております。地下水を採取したところ、放射性物質の流出の可能性はないと評価されているという表がありますが、済みません、一枚めくっていただいて、一としておりますが、これは全く別の図でありますが、福島第一
原発のいわゆる
地層のイメージ図なんです。
これをごらんいただきますと、地下水ドレーンというのが、透水層、難透水層、透水層と互層になっておりますが、その透水層と呼ばれるところから水を抜いている。十五メートルというのはほぼこの辺の地点です。
この
地域は、この
地層は、富岡第三層、富岡T3層ですね。このT3層、第三部層と呼ばれる
地層、難透水層というのは、水を通さない泥質土、粘土です。透水層というのは、水が
流れやすい砂れき、砂というものです。
今回、私自身は、この十五メートルのところからとって、地下水による汚染はないと評価しているというのは、これも極めて問題だなと思っています。
当時、私自身がプロジェクトリーダーとして取り組んだときに、この地下水の解析というのをなかなか進めようとしなかったんです。地下水を、とにかく見えないところを
検討するのは我々の責務だ、とりわけ、地下水で海洋に出てしまえば、近隣諸国を初めとする国際問題にも発展する可能性があるんだ、
我が国が主権国家として原子力と向き合って今後収束させていく、さらには、これは私自身の
個人的な見解でありますが、さまざまな
エネルギー選択肢の中でもしっかりと考えていくためには、ここは決して曖昧にするわけにはいかないとして、地下水の解析を命じました。浸透流解析と呼ばれるものです。
この福島第一
原発というのは、阿武隈山系から
流れ出る地下水がとうとうと、第一
原発の一号機から四号機までを洗い流すように
流れ出ています。その
状況の中で、調べていくと明らかになったのは、この第一
原発の当時の施工
状況です。まさに地下水との闘いだったわけです。
これもよく御存じだと
思いますが、三十五メーターOPと呼ばれる地盤高さを削り込んで、第一
原発を設置しているんですね。気をつけてください、私は土木屋出身ですから。地下水位より低いところまで切り土して、コンクリート構造物をつくっていくというのは大変な工事です。難工事になります。まさに水との闘いになる。
こうした
状況で、常に地下水と闘いながらつくってきたのがこの福島第一
原発でした。したがいまして、ありていに言えば、洗い流されたような
状況が一号機から四号機にあるんです。
そして、この
状況の中で、私自身は浸透流解析を命じたわけであります。浸透流解析の結果、これも恐縮ですが、一号機から四号機まであって、そこから建屋あるいはタービン建屋にたまっている滞留水が仮に地下水とまざった場合に、海側に
流れ出たときに、どの程度の時間がかかるかということの解析を命じました。
当時の解析結果でいえば、四号機の南側というのが、角が一番海に近かったんです。その距離は四十メーター弱でした。そして、浸透流解析の結果、
先ほど申し上げている富岡T3層泥質部の上、非常に水が
流れやすい砂層、ここを
流れた場合に、これはダルシー流速というんですが、その流速は一日に九センチ。四十メーターほどですから、実は当時の計算でも約百八十日、六カ月で汚染水と地下水がまざれば海洋に到達するということです。これはとめなければならないというのが私どもの最大の関心事でもありました。
私は、今お手元に配った資料にあるように、地下水の汚染はないんだと言い切ってしまう、これに問題があると思っています。
ぜひここは
大臣にもお願いをしたいんですが、とにかく地下のことに関しては
事業者側は嫌がりました。理由は幾つもあるんでしょう。後ほどまた
お話しします。
一つは、施工性の問題と同時に、そこにかかる巨額の施工費、これが大きな
課題であったとは容易に想像がつきます。決して、現場
レベルでお金がかかるからできませんとは私には言いませんでしたが。私はこれは非常に問題だと思っている中で、地下水の汚染の
状況についてもっと徹底的に調べるべきだということを言い続けてきたんですが、残念ながら、九十四日間の総理補佐官時代にそれを完全に実施させることはできませんでした。
大臣、改めての御見解と、ここは私からもお願いであります。
この地下水に関しての、十五メーター地点というのは深過ぎるんです。この概略図で見ていただけばわかるように、もともと高い位置に地下水はありました。切り土したんです。地下水は、上層の
流れやすいところを水が通っているんです。このような深い
地域の水をとって、汚染がないということで結論づけていることには、私は大変問題があると思っております。
これから後に伺いますが、ここはまさに
対策を実施されていく中では極めて重要なところだと思っておりますので、ぜひ御
検討いただきたいと
思いますが、いかがでしょうか。