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2013-04-05 第183回国会 衆議院 議院運営委員会 第18号
公式Web版
会議録情報
0
平成二十五年四月五日(金曜日) 午前十時
開議
出席委員
委員長
佐田玄一郎
君
理事
高木 毅君
理事
古川
禎久
君
理事
御法川信英
君
理事
秋元 司君
理事
櫻田 義孝君
理事
渡辺
周君
理事
石関 貴史君
理事
大口 善徳君 越智 隆雄君
鈴木
憲和君
田野瀬太道
君 根本 幸典君 藤丸 敏君 星野 剛士君
牧島かれん
君 郡 和子君
福田
昭夫
君 今村 洋史君 桜内
文城
君 中野
洋昌
君
山内
康一
君
穀田
恵二
君
鈴木
克昌
君 …………………………………
議長
伊吹 文明君 副
議長
赤松 広隆君
事務総長
鬼塚 誠君
参考人
(
日本銀行総裁候補者
(
日本銀行総裁
))
黒田
東彦君
—————————————
委員
の異動 四月五日
辞任
補欠選任
菊田真紀子
君
福田
昭夫
君
木下
智彦
君 桜内
文城
君
佐々木憲昭
君
穀田
恵二
君
小宮山泰子
君
鈴木
克昌
君 同日
辞任
補欠選任
福田
昭夫
君
菊田真紀子
君 桜内
文城
君
木下
智彦
君
穀田
恵二
君
佐々木憲昭
君
鈴木
克昌
君
小宮山泰子
君
—————————————
本日の
会議
に付した案件
参考人出頭要求
に関する件
日本銀行総裁任命
につき
同意
を求めるの件 本日の本
会議
の
議事等
に関する件 ————◇—————
佐田玄一郎
1
○
佐田委員長
これより
会議
を開きます。 まず、
日本銀行総裁任命
につき
同意
を求めるの件についてでありますが、去る三月二十一日の
理事会
において、
加藤内閣官房
副長官から、
内閣
として、
日本銀行総裁
に
黒田東彦君
を再任いたしたい旨の内示がありました。 つきましては、
理事会申し合わせ
に基づき、
日本銀行総裁候補者
から、
所信
を聴取することといたしたいと存じます。 この際、
参考人出頭要求
に関する件についてお諮りいたします。 本日、
参考人
として
日本銀行総裁候補者
・
日本銀行総裁黒田東彦君
の
出席
を求め、
所信
を聴取いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐田玄一郎
2
○
佐田委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
—————————————
佐田玄一郎
3
○
佐田委員長
まず、
議事
の順序について申し上げます。
最初
に、
黒田参考人
に
所信
をお述べいただき、その後、
参考人
の
所信
に対する
質疑
を行いますので、
委員
の
質疑
に対してお答えいただきたいと存じます。 それでは、
黒田参考人
、お願いいたします。
黒田東彦
4
○
黒田参考人
黒田
でございます。 本日こうした
機会
を与えられたことに対しまして、深く感謝申し上げます。 御案内のとおり、
日本経済
は、十五年近くも
デフレ
に苦しんできました。これは世界でも異例なことだと思います。
物価
が下落する中で
賃金
、収益が圧縮され、投資、
消費
が減少することでさらなる
物価下落
に陥るという悪循環、これが
日本経済
を劣化させているということであります。
デフレ
からの
早期脱却
は、
日本経済
が抱えている
最大
の課題だと思います。
物価
安定は
中央銀行
の
責務
であり、
デフレ脱却
における
日本銀行
の
役割
は極めて重要だと思います。 もとより、我が国の
物価
に
低下圧力
を加える要因は、国内外に多々あります。しかし、そうした
影響
に抗して
物価
の安定を
実現
することが
中央銀行
としての
日本銀行
の
責務
であると
考え
ております。
日本銀行
は、昨日の
金融政策決定会合
におきまして、
消費者物価
の前年
比上昇率
二%の
物価
安定の
目標
を、二年
程度
の
期間
を念頭に、できるだけ
早期
に
実現
するため、量的・
質的金融緩和
を導入いたしました。これは、量と質の
両面
で、これまでとは
次元
の違う
金融緩和
であると思います。 まず、量の面では、
操作目標
を
マネタリーベース
とする新たな
金融市場調節
の方式を導入いたしました。その上で、
マネタリーベース
を二年間で倍増し、また、
長期国債
の
保有額
も二倍以上になるように
買い入れ
を進めます。 また、質の面では、
長期国債買い入れ
の
平均残存期間
を従来の二倍以上に延ばし、
長目
の
金利
の
低下
を促すほか、ETFの
保有額
を二倍以上にするなど、
資産価格
の
プレミアム
への
働きかけ
も強化することにいたしました。
日本銀行
は、一月の
共同声明
におきまして、
物価
安定の
目標
の
早期実現
を明確に約束しております。今回決定した量的・
質的金融緩和
は、これを裏打ちする施策として、
長目
の
金利
や
資産価格
などを通じた
波及経路
に加え、
市場
や
経済主体
の
期待
を抜本的に転換させる
効果
を
期待
しております。 これらは、
実体経済
や
金融市場
にあらわれ始めた前向きな動きを後押しするとともに、高まりつつある
予想物価上昇率
を上昇させ、
日本経済
を十五年近く続いた
デフレ
からの
脱却
に導くものと
考え
ております。
最後
に、私は、これまで、
政府機関
、
国際金融機関
、あるいは大学などで勤務いたしましたけれ
ども
、どのような
職務
にあるときも、与えられた職責を果たすため、最善を尽くしてまいりました。 去る三月二十日、
日本銀行総裁
に就任いたしましたが、その果たすべき
役割
は極めて重大であると、強く感じております。 今後も、その重責を果たすべき
機会
を与えていただければ、これまでの経歴で培ってきた
経済
、
国際金融
についての知見、内外の
人的ネットワーク
、組織のトップとしての
マネジメント経験
も生かし、全身全霊を込めて、その
職務
に邁進していく所存であります。
佐田玄一郎
5
○
佐田委員長
ありがとうございました。 これにて
参考人
からの
所信
の聴取は終了いたしました。
議長
、副
議長
、ありがとうございました。一旦御退席いただき、後ほどよろしくお願いいたします。
理事会
の
申し合わせ
に基づき、許可された
記者
以外の
報道関係
の方々は御退室をお願いいたします。
—————————————
佐田玄一郎
6
○
佐田委員長
これより
黒田参考人
の
所信
に対する
質疑
を行います。 それでは、
渡辺周
君。
渡辺周
7
○
渡辺
(周)
委員
民主党の
渡辺
でございます。 時間がありませんので、端的にお答えいただきたいと思います。 まず、
黒田総裁
、
東京フィナンシャル・リポート
というのは御存じですか。 この
団体
は、
日本経済
、
金融市場
についての分析をお送りするサービス、そして、
情報網
は、
財務省
、
金融庁
、
内閣
府を初め各省庁、
日本銀行
に加えて、各国の
金融機関
にもと。それで、ぜひ私はそれを見たいということでリポートを求めたら、二百万円の
会費
を払っていないと、そこにしか渡せないと。そういう
団体
なんですね。 元
財務省財務官
として
黒田
さんが推薦すると。広く
参加
をお勧めするものでありますと。
行天
さんを
主宰者
とするものが配信されるに当たり、これを心から歓迎するとあります。これは二〇〇五年の一月ですけれ
ども
、今もまだ載っているんです、けさの段階で。 こういうことは、
日銀総裁
としていかがお
考え
ですか、今、現状、なられて。
黒田東彦
8
○
黒田参考人
私が
財務官
をしておりましたときに、そういった試みがあるというお話がありましたので、
金融
とか
経済
についての
情報交換
というのは
経済
あるいは
金融
にとって有益であろうということで、それは大変結構であるということは申し上げましたが、
アジア開発銀行総裁
の間を通じて、そこと何か特別な
関係
があるとか、そういったことはございません。
渡辺周
9
○
渡辺
(周)
委員
しかし、もう
日銀総裁
となった今、まだお顔が載っているんですよ、
日銀総裁
とは書かれていませんけれ
ども
、元
財務省財務官
と。 これは、特定の方、二百万円の
会費
を出した人間にしかレポートが発行されない。しかも、
情報網
は
日銀
にも及んでいると書いてありますからね。これはちょっと、今後誤解を招かない何らかの対応をされた方がよろしいかと思います。 もう時間もありませんから、二点伺います。 昨日の
記者会見
で、いわゆる
日銀公認
の
バブル
が起きるのではないかと
懸念
する声もありましたが、この
バブル再燃
について、
現時点
で重大な副作用が直ちにあらわれる
可能性
は極めて低いと。ということは、将来的にはあり得るというお
考え
なのかどうか、これが一点。そしてまた、こうおっしゃった根拠についてもあわせて言及いただければと思います。 それから、
質問
の二点目です。
目標達成
がある
程度
視野に入ってきたとき、この
出口
をどうするのか。
国債購入
の歯どめを凍結する、ただしかし、今後、
インフレ
をストップさせるときに
国債
の
処理
をどうするのか、膨大な量の
国債
を引き受けた、そして
出口戦略
としてこれをどう
考え
ているかということについては、
懸念
の声がございますけれ
ども
、いかがでありましょうか。 お答えをいただいて、終わります。
黒田東彦
10
○
黒田参考人
第一点の、
バブル
の
懸念
につきましては、ほかの
中央銀行
と
同様日本銀行
も、
資産価額
あるいは雇用、
賃金
その他の
経済指標
を注意深く注視して
物価安定目標
に向けて
最大
限の努力をするということでございますので、
バブル
が生ずる
懸念
があるかどうかということについても十分注視しております。
現時点
で、株式にしても債券にしても、
バブル
の
状況
になっているとは思っておりませんし、直ちに
バブル
が生ずるとも思っておりませんが、今後とも、御
懸念
の点については十分注視していきたいと思っております。
出口戦略
については、まだ足元の
物価上昇率
がマイナスの
時点
でございますので、今
出口戦略
を具体的に云々するということは時期尚早だと思いますけれ
ども
、当然、私
ども
の中で、そういった
出口
の場合の
リスク
についても十分よく検討してまいりたいと思っております。
渡辺周
11
○
渡辺
(周)
委員
まだ三十秒あるそうでございます。 しかし、
日銀総裁
としてこれからなさっていく中の二年間で成果を出すということで、
出口戦略
、今から、見えていないことはないので、何らかの形でお
考え
になっているんじゃないかと。そうしませんと、引き受けた
国債
をどういうふうに
処理
するのか。 この点、どうなんですか。もう一回、改めて伺います。
黒田東彦
12
○
黒田参考人
国債
、引き受けてはおりませんけれ
ども
、
市場
で
買い入れ
ました
国債
、
長期国債
の
処理
につきましては、他の
中央銀行
も同様ですけれ
ども
、多くの場合に、それを直ちに売るということではなくて、
償還期
が来るごとに
償還
を受けるという形が多いと思いますけれ
ども
、そういったことも含めて、
出口戦略
については十分考慮していきたいと思っております。
渡辺周
13
○
渡辺
(周)
委員
終わります。
佐田玄一郎
14
○
佐田委員長
次に、
桜内文城
君。
桜内文城
15
○
桜内委員
日本維新
の会の
桜内文城
です。
大蔵省入省
時から御指導をいただきました
黒田総裁
に
質問
する
機会
をいただきまして、大変光栄に存じます。 きのう
会見
をされまして、
波及ルート
ということを三つ挙げていらっしゃいます。時間が短いので端的に
質問
いたしますけれ
ども
、結局は、
マネーストック
にどう
働きかけ
ていくかという
波及ルート
でもあると思っております。 ただ、その
中身
といたしまして、
超過準備
といいますか、
日銀当座預金
を、四十七兆円から、十四年末には百七十五兆円に拡大していく、もちろん
マネタリーベース
も、百三十八兆円から二百七十兆円に拡大していく。それは
一つ
のやり方だとは思うんですけれ
ども
、
マネーストック
に
働きかけ
ていくという意味でいえば、
超過準備
をある
種ターゲット
にしていくということは、
日銀
を含む
金融システム内部
で
お金
のやりとりをするということにとどまりますので、
マネーストック
をどうふやしていくのかというところでは、ややそごがあるのではないか。 もちろん、
期待
についてもおっしゃっておりますけれ
ども
、そもそも、
予想インフレ率
といいますか、
ブレーク・イーブン・インフレ率
ですとか、測定すら難しいものをどう
政策
的にコントロールしていくのか、その辺についてまだ説明が十分ではないのではないかなというふうに感じております。 そしてまた、
資産買い取り基金
を廃止と。 他の
国債買い入れ
と統合していくというのは非常にいいことだと思うんですけれ
ども
、アメリカの
連邦準備銀行
のように、ある
種政府保証
をつけていくですとか実質的な
財政政策
に踏み込むものであるとすれば、そういうところも本来
考え
ていくべきではないかなと思うんですけれ
ども
、その辺についてお伺いいたします。
黒田東彦
16
○
黒田参考人
まず、第一点でございますが、
委員
御
指摘
のとおり、
経済
との
関係
、
物価
との
関係
で
マネーストック
が重要であるということは、そのとおりだと思います。 ただ、
中央銀行
として直接的にコントロールできるものは
短期金利
か
マネタリーベース
であるということも事実でございますので、
操作目標
として
マネタリーベース
を今回取り上げたわけでございます。
短期金利
はほとんどゼロでございまして、動いておりません。したがって、
量的緩和
を進める上で、
金融政策
の
操作目標
として
マネタリーベース
を取り上げたということでございます。 一方で、
資産側
の
長期国債
の残高を二年で倍増するというペースで進める、あるいは、
中身
も
長期
のものに及ぶということも含めて、量的、質的な面で
効果
があるというふうに思っております。 それから、
期待
への
働きかけ
というのは、おっしゃるとおり、不確実なものがございます。ただ、この
要素
が大きいということは
金融市場
の
関係者
あるいは学者も認めているわけでございまして、
期待
を
中央銀行
の思いのままにコントロールするということはできません。しかし、
期待
に
働きかけ
るということは極めて重要であろうというふうに思っております。
最後
に、今回、
資産買い入れ基金
は廃止したわけですが、それは、先ほど申し上げたように、量的、質的な思い切った
緩和
を進める上で、従来の
輪番オペ
と
基金
でやっていることをいわば総合して、一本化して、新しい
フレームワーク
の中でやっていくということで廃止したわけでございまして、
財政ファイナンス
その他の問題とは
関係
はしておりません。
桜内文城
17
○
桜内委員
少し
日銀
の範疇を超えるかもしれませんけれ
ども
、今の
バーゼル規制
におきましては
国債
が
リスクフリー
だということで
金融機関
は大量の
国債
を購入しておるわけですけれ
ども
、こういうふうに
日銀
が保有する
国債
をふやしていく中で、どこかで、先ほ
ども
ありましたけれ
ども
、
出口戦略
の中で
考え
ていかなくちゃいけない問題だと思います。
国債
が
リスクフリー
だといいましても、それは
信用リスク
の話であって、
価格変動
といいますか
マーケットリスク
は当然あるわけですので、そういった
銀行規制
について何か御
意見
があればお伺いして、終わります。
佐田玄一郎
18
○
佐田委員長
時間になっておりますので、簡略にお願いします。
黒田東彦
19
○
黒田参考人
中央銀行
としての
出口戦略
の
要素
は、二つあります。
一つ
は、
自分自身
のバランスシートあるいは損益に関する
影響
でございますが、より重要なのは、
金融システム
に対する
影響
でございます。 そういった面で、
出口戦略
を具体的に議論し、進めていく場合には、
金融機関
に対する、あるいは
金融システム
の
安定性
に対する考慮、配慮というのは十分加えながら
考え
ていくということになると思います。
桜内文城
20
○
桜内委員
ありがとうございました。 終わります。
佐田玄一郎
21
○
佐田委員長
次に、
山内康一
君。
山内康一
22
○
山内委員
みんなの党の
山内康一
です。
黒田総裁
の就任時の
同意人事
におきましては、みんなの党は反対をいたしました。 しかし、その後の衆参の
財政金融委員会
での
質疑
あるいは
予算委員会
での
質疑
を通じて、
黒田総裁
の
方針
は、我々が思っていた以上に我が党の
方針
に近いというふうに
考え
るようになってまいりました。特に、これまでの、
日銀理論
と言ってもいいような
理論
とは、全く異質であるというふうに
認識
をしております。そして、きのうの
政策決定会合
の結果を見て、
黒田総裁
に対する
認識
を大幅に改めました。 そういった前提の上で、
質問
をさせていただきたいと思います。 特に、きのうの、量的・
質的金融緩和
、具体的な数値を伴った
金融緩和手段
であり、我々は高く
評価
をしております。また、
物価目標
の
達成期限
について、二年
程度
と明記されました。また、
金融緩和
の
継続期間
を、安定的に継続するために必要な
時点
まで継続するというふうにしております。こういったところを我々は高く
評価
をしております。 特に、
黒田総裁
、戦力の逐次投入はしないで
現時点
で必要な
政策
を全て講じる、こういう思い切った強い姿勢に対しては、高く高く
評価
をしております。 それで、具体的な
質問
に入りますと、今回の
緩和
は、二年間の
目標
ということでありますけれ
ども
、もし二年後に達成できない場合、継続していくという理解でよろしいんでしょうか。
黒田東彦
23
○
黒田参考人
その点については、昨日発表いたしました量的・
質的金融緩和
の導入といった
文書
の中でも具体的に申し上げておりますけれ
ども
、「「量的・
質的金融緩和
」は、二%の「
物価
安定の
目標
」の
実現
を目指し、これを安定的に持続するために必要な
時点
まで継続する」というふうに言っておるところでございます。
山内康一
24
○
山内委員
次に、我が党の
参議院議員
の
中西議員
が
財政金融委員会
で
提案
をさせていただきました。
市場関係者
との
意見交換
の場を設けるといったような
提案
をいたしました。 今回、
政策決定会合
の中でそういう項目が入っておりますが、これは、我々の党の
議員
の
提案
を受け入れていただいたということなんでしょうか。
黒田東彦
25
○
黒田参考人
先日、
中西議員
から御
指摘
いただいたとおり、
日本銀行
は、
金融政策運営
を行っていく上で
市場関係者
と
意見交換
を行うということは、極めて重要であると
認識
しております。 特に、今回、いわば
次元
の違う量的・
質的金融緩和
を導入するということで、そのもとで巨額の
国債買い入れ
と極めて大規模な
マネタリーベース
の
供給
を行っていくことを決定したわけでございまして、これを円滑に行うためには、
取引先
の積極的な応札など、
市場参加者
の協力は欠かせないというふうに思っておりますので、今後さらに、
市場関係者
との間で、これまで以上に密接な
意見交換
を行う場を設けることにしたわけでございます。
山内康一
26
○
山内委員
次に、
銀行券ルール
の一時
適用停止
ということになっていますけれ
ども
、もしこの一時
停止
中に
財政ファイナンス
とみなされるような
事態
を、みなされないようにするための、何らかの新しい
ルール
を定めるということはお
考え
なんでしょうか。
黒田東彦
27
○
黒田参考人
そういったことも当然今後
政策委員会
で議論になると思いますけれ
ども
、私
ども
といたしましては、これも、昨日発表した
文書
の中でも、こうした
長期国債
の
買い入れ
は、
金融政策目的
で行うものであり、
財政ファイナンス
ではないということを明確にするとともに、
共同声明
で
政府側
が、「
日本銀行
との
連携強化
にあたり、
財政運営
に対する信認を確保する
観点
から、持続可能な
財政構造
を確立するための取組を着実に推進する」と言っておるわけでございます。 もとより、今後とも
財政ファイナンス
はしないいう
観点
から、歯どめについて
政策委員会
でも議論してまいりたいと思っております。
山内康一
28
○
山内委員
時間が来たようなので、以上で
質問
を終わります。
佐田玄一郎
29
○
佐田委員長
次に、
穀田恵二
君。
穀田恵二
30
○
穀田委員
日本共産党
の
穀田恵二
です。
予算委員会
において、我が党の
佐々木憲昭議員
が、リーマン・ショックが起きた二〇〇八年二月から二〇一三年二月までの
貨幣供給
の実績を
質問
しました。岩田副
総裁
は、
日銀
が
金融機関
に
貨幣
を
供給
する
マネタリーベース
で四七%増、
金融機関
全体が
経済
に
貨幣
を
供給
する
マネーストック
で一〇%と答弁しました。 きのうの、
供給量
を大幅にふやす計画ですが、しかし、結局、
日銀
が
幾ら貨幣供給
をふやそうとしても、
資金需要
が伸びなければ、
日銀
と
銀行
の間にじゃぶじゃぶたまるだけであって、
銀行
から先に
お金
が流れなかった、これが実態ではないかと思うんですが、その辺の
認識
を。
黒田東彦
31
○
黒田参考人
御
指摘
のような
状況
があったことは、そのとおりだと思います。 ただ、一方で、今回の量的・
質的金融緩和
は、量的な拡大だけでなく質的な拡張もしておりまして、
両面
相まって
資金需要
も出てくるし、それに対応して
資金
を
供給
するスムーズなメカニズムもでき上がってくるというふうに思っております。
穀田恵二
32
○
穀田委員
しかし、
資金需要
が発生するといいますけれ
ども
、
金融
を
緩和
するだけでどうして
資金需要
が発生するのか、その理屈が示されていないと私は思うんですね。 一体どのような
手段
で
需要
をつくり出すのか、
金融
の
手段
だけではつくり出せないのではないかということについて、いかがでしょうか。
黒田東彦
33
○
黒田参考人
この量的・
質的金融緩和
におきましては、
イールドカーブ
全体を引き下げる、さらに、
リスクプレミアム
を縮小するということで、当然ですけれ
ども
、いわば需給の
関係
でいえば、
需要
というのは
条件
に
関係
なく一定であるわけでなくて、
条件
と
関係
して
需要
が決まってくるわけですので、その
条件
、
金利
とか
プレミアム
、アベイラビリティーが拡大するということは、当然、与えられた
需要曲線
のもとでより多くの
需要
を賄ってくれるということになると思います。 それから、もう
一つ
は、いわゆるポートフォリオリバランスという
効果
があると思いまして、こういった
イールドカーブ
全体が下がっていく際に、ほかの
金融資産
にシフトしていく、株とか外国の
金融資産
とかその他にシフトして、それが当然
資産効果
を持ってくる。これは、
企業
に対しても
消費者
に対しても持ってくると思います。 さらに、三番目には、そういったことも含めて、
期待
に対する
効果
があろうというふうに思っております。
穀田恵二
34
○
穀田委員
期待
の
効果
を相変わらず言っておられるわけですけれ
ども
、しかし、結局、
日銀
ができることは
マネタリーベース
でやることだと先ほどおっしゃっていましたし、
日銀
の力といいますかやることの限界はあると私は思うんです。 そこで、
最後
に聞きたいと思うんですが、
消費税
の
増税
で十三兆五千億円。これは、
政府
も四月二日の
予算委員会
で認めた戦後
最大
の
増税
であります。さらに、年金、医療、
介護等
の
社会保障
の
負担
が六兆五千億円。合わせまして二十兆円もあります。この
負担
が
国民
に押しつけられる。 これをどう見ていらっしゃいますか。
黒田東彦
35
○
黒田参考人
これ
自体日本銀行
のマターではございませんが、私の
考え
方を申し上げれば、
社会保障
と税の一体的な改革を行うことによって
社会保障
の
持続可能性
を高める一方で、
財政
の
持続可能性
を高めるといったことがその背後にある、そういったことは、極めて重要であり、必要であるというふうに思っております。
穀田恵二
36
○
穀田委員
日銀
が一生懸命言っておられる
物価安定目標
は、結局、二%上げるということになるわけで、なおかつ、では
賃金
が上がる
保証
はあるのかというと、なかなかない。結局、
賃金
は上がらない、
物価
高、そして今お話しした
負担増
、その上に
消費税
ということになって、パンチを受けるという形になると思います。 結局、総
需要
をふやすといいますけれ
ども
、結果として、そういうことによってふえない
事態
がつくられて、私は、
政策
的な間違いだということだけ言って、終わっておきます。
佐田玄一郎
37
○
佐田委員長
次に、
鈴木克昌
君。
鈴木克昌
38
○
鈴木
(克)
委員
生活の党の
鈴木
でございます。 私も、限られた時間ですから、端的にお伺いをしていきたいと思うんです。
総裁
が目指している、いわゆる
次元
の違う大胆な
金融政策
、これが行き過ぎた
金融緩和
にならないかということを非常に心配しております。いわゆる悪い
インフレ
に陥っていくのではないのかということです。 今もいろいろと御
意見
がありました。二%の
物価安定目標
が仮に達成されたとしても、本当に
お金
を必要とする個人や
中小企業
のところへ回るのかというところなんですね。結局、
国民
の
賃金
や所得はふえないけれ
ども
物価
だけが上がっていく、こういうような
状況
になっていくおそれがあるのではないかなと思います。 まず
最初
に、そのところをもう一度確認しておきたいと思います。
黒田東彦
39
○
黒田参考人
委員
御
指摘
の点は、大変重要なポイントであると私
ども
も理解しております。
物価
安定は、
日銀
法にも書いてございますように、
物価
の安定を通じて
国民
経済
の健全な発展に資するということでございますので、
国民
経済
の健全な発展に資さないようなことになっては元も子もないと思いますので、当然のことながら、雇用とか
賃金
といった
状況
も十分注視しながら、
物価安定目標
の達成に努めてまいる。 そうした中で、過去の例をいろいろ見ますと、
賃金
と
物価
というのは、ほぼシンクロナイズしている。先に
賃金
が上がるケースもあるようでございますし、逆のケースもあると思いますけれ
ども
、基本的には、過去の分析から見ますと、ほぼ同時的に生じているようでございます。
鈴木克昌
40
○
鈴木
(克)
委員
くどいようですが、
最大
の
目標
は、要するに、二%の
インフレ
ターゲットを達成するのではなくて、あくまでも、
国民
のところに
お金
が回り、そして
経済
が活性化していくというところですから、これだけは本当に注視をしていただきたい。 それで、次に、
出口戦略
です。 仮に、そういう形で二%が達成されたと。しかし、当然これは、入り口がある以上、どこかで
出口
があるわけですが、このことについて
総裁
は、安定的に持続するため必要な
時点
まで継続をする、こういうふうにおっしゃっているわけですね。 では、その必要な
時点
というのはいつなのかということを、もう一度ここで確認をしておきたいと思います。
黒田東彦
41
○
黒田参考人
先ほど引用いたしました文章、まさに、「これを安定的に持続するために必要な
時点
まで継続する。その際、
経済
・
物価
情勢について上下双方向の
リスク
要因を点検し、必要な調整を行う」としておりまして、いわば、二%にまだ達していなくても、このままいけば二%を達成するどころかもっとどんどん上がるというような
状況
になれば、当然、
政策
を調整していくし、逆に、仮に、ある瞬間二%に達していたとしても、それは一時的な要因でなっているわけでして、持続的に二%近傍で推移するという見込みがないような場合には、まだ
緩和
を継続する必要があろうと思います。 そういった意味で、十分、
物価
あるいは
経済
の情勢について点検して、上下双方向の
リスク
を勘案しながら必要な調整は行っていくということになると思います。
鈴木克昌
42
○
鈴木
(克)
委員
最後
にさせていただきますけれ
ども
、非常に
リスク
も伴っていく壮大な実験に入っているわけですね。 きょうの新聞の見出しを見ても、本当に、総動員だとかフル動員だとか必要なことを全て講じるとか、そういう形で、決意はよくわかるんですけれ
ども
、その中で、
日銀
はみずから退路を断ったんだ、そういう話や、それから、これは大きな試験なんだということ、それから、
リスク
資産を購入し続けることがどうなのかという、本当にそういう危惧の念もあるわけですね、そういう
考え
方も。 これは、例えば試験であるならば、どこかで採点されるわけですよね。合格か入学か落第か、それはともかくとしても、何かの形で採点をされる。そのことについて、どういうような形でお向かいになるつもりであるか、それだけお聞かせください。
黒田東彦
43
○
黒田参考人
金融政策決定会合
は、年に、たしか十四回ほどございます。したがって、ほぼ毎月あるということでございますので、毎月そういった点検はもちろんやっていくわけでございます。 さらに、
政府
の主催しております
経済
財政
諮問
会議
で、四半期ごとに、特に
金融政策
、
物価
の動向について議論されるということになっておりますので、あらゆる
機会
にそういったことは努力してまいりたいと思います。 しかし、あくまでも、やはり二年
程度
をめどに、あるいは念頭に置いて、二%の
物価安定目標
を達成する、
実現
するように、
最大
限の努力は払ってまいりたいと思っております。
鈴木克昌
44
○
鈴木
(克)
委員
政府
に何を求めるかということもちょっと聞きたかったんですが、時間が来ましたので終わります。
佐田玄一郎
45
○
佐田委員長
これにて
黒田参考人
の
所信
に対する
質疑
は終了いたしました。 以上をもちまして
日本銀行総裁候補者
からの
所信
聴取及び
所信
に対する
質疑
は終了いたしました。 それでは、
黒田参考人
、ありがとうございました。どうぞ御退席ください。
—————————————
佐田玄一郎
46
○
佐田委員長
次に、
日本銀行総裁任命
につき
同意
を求めるの件についてでありますが、
日本銀行総裁
に
黒田東彦君
を任命するについて、
内閣
から本院の
同意
を求めてまいっております。
—————————————
一、
日本銀行総裁任命
につき
同意
を求めるの件
黒田
東彦君
4・8任期満了につき再任
—————————————
佐田玄一郎
47
○
佐田委員長
本件は、本日の本
会議
において議題とするに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
佐田玄一郎
48
○
佐田委員長
御
異議
なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。 なお、賛否の態度を出されていない会派は、速やかにお届け願います。
—————————————
佐田玄一郎
49
○
佐田委員長
それでは、本日の本
会議
は、午後零時五分予鈴、午後零時十五分から開会いたします。
—————————————
佐田玄一郎
50
○
佐田委員長
次に、次回の本
会議
及び
委員
会は、追って公報をもってお知らせいたします。 この際、休憩いたします。 午前十時三十六分休憩 ————◇————— 〔休憩後は
会議
を開くに至らなかった〕