○
黒田参考人 私は、二%の
物価安定目標のできるだけ
早期の
実現ということは、可能であるし、
実現しなければならないと思っていますが、そのための手段というのはさまざまにあり得るわけでして、それは、その時々の
金融資本
市場の動向に合わせて
考えていかなければならないと思います。
ただ、御
指摘のように、実は、
日本銀行自体、既に社債とかETFとかいろいろなリスク
資産を買っておりますし、かつて株も買ったわけでございます。そういう場合に、そういうことの
プラスマイナスというものを
考えてやっているわけですから、当然のことながら、リスク
資産を買うときには、そういうもののマーケットへの
影響とか、そういったことを当然考慮しながらやっていくということは間違いございません。
そういう
意味でいいますと、国債のマーケットというのが一番大きいわけですね。したがって、ある
意味でいうと、一番自然な形での
金融緩和の拡大というものは、国債の購入額をふやす、あるいは、より長期の国債の購入をふやしていく。
というのは、まさに
委員がおっしゃったように、マーケットというのはそれぞれあるわけでして、余り短期のものばかり買っていますと、短期のマーケットの、短期証券とか国債が少なくなって、大半が
日銀に買い上げられているという形になってきますと、マーケットが薄くなって、流動性が低下してきてしまいますね。
ですから、バランスを持って量的な拡大をしていくということになりますと、やはり国債の、より長期のものを大量に買っていくということが、ある
意味で自然だと思います。
ただ、これも、あくまでも、その時々の
市場の動向を十分調査して、副作用ができるだけ少なくなるような形で二%の
物価安定目標を達成していくということになると思います。
それから、
金融システムにつきましても、まさにそのとおりでありまして、当然、
金融システムに対する
影響というものも十分考慮してやっていかなければならない。
特に、
三つ目の御質問の出口戦略との関係でいいますと、そのとおりでありまして、御承知のように、FRBなども出口戦略についての議論はしているわけです。ただ、バーナンキ
議長自身、まだ出口をどうこうするときではないとおっしゃって、
緩和を続けるということであります。
私も
総裁に任命されましたら当然そういうことも考慮しなければならないと思いますけれども、今は、まだ
デフレが十五年続いているわけですから、何とかこれをできるだけ
早期に
脱却するということを第一に、大胆な
金融緩和をするということが第一義的に必要だというふうに思っております。