○篠原
委員 余りきちんと調べてはおられないんだろうと思います。
しかし、このネオニコチノイド系の農薬というのは非常に害があるんです。農薬は、虫に悪いものは人間にも悪いんですね、大量になれば。大体そうなんですけれども、原発の安全神話と同じで、いや、虫には悪いけれども人間には悪くないと言う。これはうそですから、絶対に。悪いのはどっちにしろ悪いんです。遺伝子なんかいっぱい共通するものがあるわけです。
どこが悪いかというと、有機燐系の農薬も同じなんですが、浸透移行性というのは、入ってしまってその中にずっといる。例えば、私はリンゴをつくっています。消毒はいっぱい、真っ白になっている、洗って食べる、皮をむいて食べる。全然
意味ないんです。中にみんな入っちゃっている。だから、稲の葉っぱにつく、稲をちょっと虫が食べる、それでころっと死ぬ。
それで、どういうふうに使われているかというと、育苗の段階から使われているんです。皆さん、農業の現場をよく御存じないかもしれませんけれども、稲の育苗の六割にこのネオニコチノイド系の農薬が使われています。それから、真っ赤になったりしている種子消毒というのが大事なんです。そういうことをやっているんです。物すごい汚染度合いなんです。それが我々のところにも悪
影響を与えるということですね。
それから、ほかのものと一緒になったりしたら毒性が倍加する。有吉佐和子さんの「複合汚染」というのがありました。複合すると毒性が十倍、百倍、千倍になる。わからないんです。
それから、体の中に入る。放射能と同じです。皆さん、放射能のことが相当この一年、二年頭の中に入ったので比較してもらうとわかるんですが、体の中に入ってそのまま残って、代謝後、違うものができて毒性が高まったりしているんですね。どこでどういう
影響があるのかがわからないんですよ。
では、今度は三ページと四ページを見てください。
この一の四番目のイミダクロプリドというのがアドマイヤーで、絶賛するという
意味なんです。これが、右側の方の九八・二%、九八・二%、どれだけ虫が死んでしまったのか。ほとんど一〇〇%死んでいるんです。
ちょっとネオニコチノイド系農薬と違うんですが、フィプロニルというのがプリンス、これもまた変な名前。いい名前ばかりをつけているんです。悪いことをしているから、いい名前をつけてだましているんだと思いますけれども。プリンス粒剤というのがある。これも、一時間では死なないけれども、二時間でほとんど死んでいる。
それで、皆さんはおわかりになりますか、赤トンボが物すごく減っているんです。羽化を見てください。私の小さいころは、長野の田んぼの中で赤トンボを棒でいっぱい落としていたんです。今は飛んでいないです。どうしたのか。
もちろんほかの
原因もあるでしょう。ミツバチの方だっていろいろ言われているんですが、ほかに
原因があるだろうと言われているんです、ネオニコチノイド系の農薬だけが
原因じゃないといつも言うわけです。我々が疲れたなんて言ったって、仕事をいっぱいして疲れたと思っているけれども、いっぱい飲み過ぎて疲れているのをそう言っている人もいるし、
原因はわからないわけです。
ストレスだ、人間並みのストレス。何でかというと、移動させられて、ビニールハウスの中で授粉させられている。
環境が悪いところでやっている。それからダニとか、虫にだって病気がありますから、ウイルスがあるとかですね。それから地球
環境全体の問題、気候変動とかああいうのもあったりする。いろいろなことがあるんでしょうけれども、やはりネオニコチノイド系の農薬が
原因になっているということもあると思う。
もう一つ、トンボのほかに、今度は四ページです、我々に身近な鳥。これはいろいろきのうネットで調べたんですけれども、左上は、この前はこの場で成蹊学園でもって富士山の見える話をちょっとしましたけれども、同じように、自由学園で、子供たちが同じ場所でスズメを何羽見られるかというのをずっとやっているんだそうです。これを見てください。だんだん減ってきている。
右側は
農林水産省絡みです。副
大臣、ごらんになったかどうか、スズメによる
被害、すごいですね。ネットを張ったり、それからスズメおどし、ガス鉄砲でバーンバーンとでかい音がしている。ところが、これをほとんどやらなくて済むようになった。この棒がそれなんですよね。
被害面積が減って、
被害量も減っているんです。どういうことでしょうか。スズメが減っているんです。
今、長野で、私の
地元では、
小林一茶生誕二百五十周年というので、一茶にまつわるいろいろなイベントがあります。一茶の句、皆さん、御存じですね。「雀の子そこのけそこのけお馬が通る」、それだけスズメは身近にいたんです。「やせ蛙まけるな一茶これにあり」、だけれども、カエルも減っているんです。スズメも減っているんです。やはりこれは捨ておけないんです。
ほかので言うと、狩猟者の結果、それから、捕らえては放鳥するという、これも同じところで大人がやっているのですけれども、これだけ減ってしまっているんです。
だけれども、一番問題になったのはミツバチなんです。
ほかの国でもミツバチがいっぱいだめになっていたんですが、
日本でも、二〇〇五年、さっきの表で岩手県が
北海道に次いで二位だったですけれども、ミツバチの大量死の問題がありました。二〇〇八年から九年にかけてミツバチ不足になって、授粉してもらわなければならない農家、イチゴだとかスイカだとか果樹全般ですよ、野菜、果樹、授粉しなければいけないもの、ポリネーターと呼ばれていまして、授粉の仲介者です。それが不足して大弱りだったんです。
農林水産省はこれは困ったはずなんです。こういうふうに農業に対して
影響があるからというので困って、
生態系なんか無視ですね、そのときは困ったはずなんです。
このときに、
農林水産省は一体この
原因を何だと考えて、どういう
対策を打ったんでしょうか。