○大島(敦)
委員 本日は、準天頂システムについて、
政府の所信を伺いたいと考えております。
私、二〇〇九年から二〇一〇年まで
内閣府で
宇宙政策を担当しておりまして、そのときに、準天頂衛星の整備に携わらせていただきました。二〇一〇年の九月十一日に一番
最初の「みちびき」が順調に打ち上げられて、さまざまな知見が今
政府の中で蓄えられていると思います。
特に
宇宙政策は、各党ともに
宇宙政策を推進する議員が非常に多いです。ですから、各党ともに多いということは、政権交代が起こったとしても、その
推進力については大きな変化がないと思っていまして、「みちびき」については、前の政権の
成果物だと思いますし、それを打ち上げ、その知見をもとにしながら次にと考えたわけでございます。
特に、おととしですか、三月十一日、東
日本大震災が発災をして、四月か五月だったと思うんですけれども、
宇宙部局の方が、当時、私は党に戻っていまして、私のところにいらっしゃってくれました。そのときに、大島さん、携帯電話の電波が
宇宙に届くんですよということを伝えられたんです。もちろん、準天頂衛星に大きなアンテナをつけないと、室内からは難しいんですけれども、野外であれば携帯電話の微弱な電波が
宇宙まで届くという話を聞いたときに、当時、
予算獲得はフィージブルであると直観したんです。
これまでの準天頂衛星の使い方は、国土地理院的な使い方です。ですから、
アメリカのGPS衛星が十メーターの誤差。
日本の「みちびき」については、精度を上げれば、空間上の大体三センチから五センチのここが特定できますので、地図をつくったり、あるいは農作業、広い耕地を無人のトラクターが耕作できるようにするとか、そういう運用を目的として「みちびき」という衛星を打ち上げたんです。
アンテナを広くすることによって携帯電話の電波が届く。特に、三月十一日以降であれば
予算獲得がフィージブル、現実可能であると直観したのは、二つのことをお願いさせていただきました。
一つは、せっかく届くんだったら、安否確認をしてくれということ。当時、皆さんそうだと思うんですけれども、発災、揺れながら携帯で電話しても、届かないわけですよ、通じない。家族に対しても、会社にも役所にも通じないということがありました。私自身、埼玉県なんですけれども、私の妹が東京に通勤をしていて、無事だとはわかっているんですけれども、本当に無事だとわかったのが翌日です。恐らく、そういう安否システムというのは、私たち、
日本の国土に住む皆さんが一番必要だと
感じたことが
一つです。
もう
一つは、先ほど述べたとおり、準天頂の精度というのが三センチから五センチであれば、沖合の五キロ、十キロ、二十キロ、三十キロに潮位計のブイを置いて、その上がり下がりを正確に捕捉できるとすれば、津波の速度、そして潮位の上がり方によって、何時何分後、どこそこ湾には何メーターの津波が来るということを
宇宙から携帯電話に直接津波情報を打てる。
この二点において、今後の
日本には必要なシステムだと思ったわけなんです。ですから、この二つについて、アイデアを出してくれないかということを
宇宙部局の皆さんにお願いいたしたわけなんです。
一つには安否確認システムですよね。
もう
一つは、おととしの三月十一日の東
日本大震災は、千百年前の貞観の地震の再来だと言われています。貞観の三陸沖があって、慶長年間の三陸沖がありまして、そして、明治、昭和の三陸沖の前後十年、四回中四回起きているのが首都直下型なんです。そして、四回中三回、東海、東南海、南海の地震が起きています。ですから、我が国は今災害の
リスクは高まっていると考えておりまして、そうすると、この衛星をできるだけ早く整備することが、何回もこれまで、例えば、チリの津波があって津波情報を流していても来なかった、そんなに高くなかったということで、今回も恐らく逃げおくれた方も多いと思うんです。ダイレクトに、携帯電話に
宇宙から直接、十五分後、二十分後、何メーターの津波ということが届いたら、野外であっても皆さんに声をかけながら多くの命が救えると思っています。
ですから、一点伺いたいのは、準天頂システムにおける安否確認の
機能はどのような
仕組みであって、今後どういう体制で開発されるのかについて、
政府参考人の方に伺いたいと思います。