○篠原
委員 それほど大事故じゃなかった、チェルノブイリや福島と比べればそうじゃなかったんですが、運搬とか避難の
準備とか、余り使われなかったんですが、緊急避難のために軍用機をすぐ調達するとか、救急車を三百台も調達するとか、それはやはり軍隊じゃないとできないんですね、そういうことをしているんです。
次に、ちょっと資料を、縦横の
関係で飛ばしたんですが、二枚目を見ていただきたいんです。
これは私がまとめた資料でして、
政治家ですから多少PRしてもいいと思うんですが、私は、「原発廃止で世代責任を果たす」という本を昨年の四月にまとめているんです。よくいろいろ
政治家は本を書きますけれども、
自分がやったことをいろいろ書いてあるものではなくて、これは学者と同じようにまとめたものです。
ちょっと解説しますと、世代責任を果たすというのは、我が方の総理が借金、ツケを回してはいけないと盛んに言われていたので、それを引っ張って、それだったら、原発で後世代に汚れた土地を残していったりする、空気も汚染させたまま、これこそ世代責任を果たしていないことなんだからと。借金なんて、調子がよくなれば、アベノミクスでちゃんとうまくいったら、五年、十年たてばぱっと消えるんだけれども、汚染された土地は戻らないんだ、十六万人もの原発難民を生じさせているんだということで書いたものです。
そして、チェルノブイリに私は実は二度行っているんです。二度も行っている国
会議員はいないと思いますけれども、福島の対応とまとめてみました。
ここのところで見ていただきたいのは、軍のところに線を引っ張りました。どういう事故だったか、事故の公表がどうだったか、これをちょっとおさらいで見ていただきたいんですね。
事故の公表なんというのは、同じようにどこの国も一生懸命隠そうとするんですけれども、立派です、ゴルバチョフはすぐ公表しようとしたんですが、二番目の段落です、多分政治局員
たちが反対したんです、だめだったんです。
日本でも、左の上から二番目のポツ、炉心溶融とは言わずに、メルトダウンしていたのに、していない、していないとうそを言っているわけですね。そんなことがあるんです。
下から二番目の、汚染
地図とか区域というのを見てください。SPEEDIができていた。避難に使わないんです。ところが、ソ連はどうしていたか。まだソ連
時代です。でき上がったんです、すぐ。避難区域をそれできちんと設定しているんです。ただし、公表は三年後なんです。だけれども、ソ連は使っているんです。
日本は使わないで、放射線量が高いところに平気で逃げているというか、そういうばかなことを繰り返していた。
下を見ていただきたいんです。共産圏の国だから当然かもしれません。チェルノブイリの方を見ていただきたいんですが、消防車
云々、核
戦争による汚染に備えた軍とあるんです。アフガンでいろいろもめていたんです、そこから撤収するんです。ピカロフさんという人が大将、この方が核
戦争に備えた処理の責任者だったんです。アフガンから、一日でキエフ、ウクライナに戻ってきている。帰還兵もいっぱい戻して、チェルノブイリの対応に当たらせているんです。こういうことを
日本の担当者はほとんど知らなかったんだろうと思います。私はちょっと違う
観点からこれは知っていたんですが、ヘリコプターで線量を測定したりというのをやっている。
日本も同じように、左側を見ていただきたいんですが、
自衛隊が八千人、これは全部が原発絡みじゃないですけれども、十万人に増員して、これが先ほどの九〇%を超える支持につながっているんです。
次のページの項目を見てください、一番上、ここが大事です。ちょっと線を引き忘れたんですが、原発事故の作業者がどういうものかということです。
日本は悲惨です。私は、環境
委員会で、この月曜日、六時半ぐらいに出て夜までかかって福島第一原発に行ってきたんですが、作業員の方と話はしていませんけれども、東電の正社員じゃなくて、よくわかりませんけれども、下請のまた下請とかいうことをやっているんです。これは世界がほとんど知らないんです。原発にその辺の作業者を連れていってやるなんということは、ほかの国は絶対させていないです。
私はフランスにいました。フランスは、原発を本当にきちんとやっているというか、
日本と同様に原発に頼っている国ですけれども、物すごく厳しい
管理です。我々が入るのに、知っていますか、我々の国
会議員の身分証明書は通用しないんですよ。何と、免許証か、何だか知りませんけれども、顔写真が入ったパスポート、それから住民基本台帳の何とかという。
僕が浜岡原発にこの国
会議員の身分証明書で行ったら、入れてくれなかったんです。そういうことをしておきながら、作業員についてはどういうチェックをしているか。幸いにして、テロの多い中近東の人とは顔つきが違っていますから、大丈夫だ、変な、テロの人が作業員になっていくなんという必要もないんですけれども。だけれども、そんなことはさせないんです。
チェルノブイリはどうしているかというと、中心は軍隊です。全国から動員して、消防隊とか公務員ですよ。当たり前だと思います。それからエストニア、ここはちょっと美談になっているんですけれども、実態は強制だった。いわゆる予備兵が何人も行って、ソ連邦のために働いているというのが向こうの新聞に載っていました。
左を見てください。惨たんたるものです。
それから、一番下の、専門家の対応、科学者、ここが大事なんです。線を引っ張ったところを見ていただきたいんですが、軍の核専門家集団を総動員。つまり、当然ですが、核
戦争を想定している、それに備えた訓練をもう積んでいるんです。
アメリカにもそれがあるはずなんです。
日本にも、ないことはないんだろうと思います。化学部隊みたいな、化学兵器や何かのところに対応できる部隊はやっていると思いますけれども、これが足りない。私は、軍隊じゃないともう無理だと思うんです。
ここは、江渡副
大臣、資料を持ち合わせていないということなので、質問しようと思ったんですが、私が講義するみたいな、レクチャーする形でやめておきます。こういうふうにやっているんです。
何のためにこれを申し上げているかというと、今後原発をどうするかというのを私はぜひ
考えていただきたいと思います。国有化とか言っていますけれども、東電とかそういうところでは、あれを全部処理できないと思います。何十年もかかる。
組織的にちゃんと持っていけるのか。誰が
考えても、
日本国を守ろう、
日本国民を守らなければいけないというのは、
組織的にきちんと対応してもらわなければいけないと僕は思うんです。
前の二ページ目のところを見ていただきたいんです。
各国の軍隊の幹部候補生の養成学校、
我が国は
防衛大学校です、そこに原子力学科とかいうのがあるのかどうかというのをちょっと見ていただきたいんです。上に学生の人数とか在籍年数とかが書いてあるけれども、大体どこの国でも似たような感じで幹部を育成している。
アメリカでは、ウエストポイント、アナポリスというのはよく聞きますね。ちょっとイギリスが違いますけれども、どこの国も専門家、プロを育成している。非常に立派な
人たちがここから輩出されるというのは、皆さん御存じだと思います。
それで、どういうふうな学科があるかというのをちょっと調べてもらったんです。これは完璧なものではないかもしれませんけれども、我が
日本国の
防衛大学校は、応用物理とかそういうのはやっているけれども、原子力、原発とかそういったことはやらない。まあ、核兵器のことまでやり出すとほかの国がきりきりしますから、難しいところだと思います。
アメリカはあるんです、確実に。原子力潜水艦を動かしていますから、原子力潜水艦の技術というのは最低限必要ですからやっている。イギリスとかフランスはありません、ほかに任せているようです。ロシアは当然あるわけです、完璧です。それからドイツも、二つあるところの片方に原子力を扱う科目がある。
韓国もあるんですね。
何を申し上げたいかというと、簡単なことなんです。
防衛大学校に原子力専門の学科を設けていただきたい。
どうしてそういうことを申し上げるかというと、原発の
議論をしているときに変な
議論が、もう本末転倒した
議論というものが多いんです。原発は廃炉でなんと言うと、原発が要らないとか言うと、人材育成ができない、そんな要らなくなるものについてこれから勉強しようとする人がいるのか、だから原発が必要だと。もうめちゃくちゃな、よくそんなとんでもない論理を振りかざす人がいるなと思うんですけれども、不思議にそれがいるんです。
僕は無理だと思います。我々のもうちょっと上の世代、原子力の平和
利用とか言っていたときに、非常にそういった意識に燃えて、いろいろな人が原子力学科に行ったんですね。しかし、これだけ原発をぶったたいていたら、学生は、そんなところに行って何ができるのかと思うはずです。物すごくきちんとした
使命感を持っている人じゃないと、原発を勉強して、よし、これで迷惑かけないように俺は廃炉をきちんとやる、三十年間、四十年間これ一筋でやっていこう、そういうプロが必要なんです。それは私は、我が
日本国ではそういう意識を持った人を最初から育成しなければ無理だと思います。
今まで
防衛大学校で新しい学科とか何かを
時代の要請に合わせてつくったことがあるのかどうかよくわからないんですが、この点について、
防衛大臣、いかがお
考えでしょうか。