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2012-11-01 第181回国会 衆議院 本会議 第3号
公式Web版
会議録情報
0
平成
二十四年十一月一日(木曜日)
—————————————
議事日程
第三号
平成
二十四年十一月一日 午後一時
開議
一
国務大臣
の
演説
に対する
質疑
(前会の続)
—————————————
○本日の
会議
に付した案件
国務大臣
の
演説
に対する
質疑
(前会の続) 午後一時二分
開議
横路孝弘
1
○
議長
(
横路孝弘
君) これより
会議
を開きます。 ————◇—————
国務大臣
の
演説
に対する
質疑
(前会の続)
横路孝弘
2
○
議長
(
横路孝弘
君)
国務大臣
の
演説
に対する
質疑
を継続いたします。
井上義久
君。 〔
井上義久
君登壇〕
井上義久
3
○
井上義久
君
公明党
の
井上義久
です。 私は、
公明党
を代表し、ただいま議題となりました
野田総理
の
所信表明演説
に対し、質問をします。(拍手) 総理、
臨時国会
は異例の幕あけとなりました。参議院で総理の
所信表明演説
を拒否されるという前代未聞の事態です。それも、さきの
通常国会
で総理の
問責決議
が可決されたにもかかわらず、あなたが円満な審議ができる環境を整えずに開会を強行した結果であり、
憲政史上
に重大な汚点を残しました。
衆議院
で行った
所信表明演説
も、言葉の羅列で、政権を担う目標も覚悟もうかがえません。総理が訴える決断する政治の最初になすべきは、近いうちに国民に信を問う約束を実行することであると、まず冒頭、申し上げたいと思います。 総理、あなたが就任してから一年二カ月、今回で実に四回の組閣、改造が行われました。
民主党
みずからが言ってきた一内閣一閣僚は、全くのうそでした。
民主党
は、
野党時代
、閣僚がかわるたびに、
ポスト
の
たらい回し
と批判してきました。また、総選挙を経ずに三人の総理が誕生したことも、徹底的に攻撃をしてきました。 しかし、政権につくや否や、それを上回る
ポスト
の
たらい回し
が常態化しているではありませんか。 その象徴が、国会に一度も出席せず、答弁にも立たなかった
田中けいしゅう
前
法務大臣
です。田中前大臣は、
外国人
からの献金や
暴力団関係者
との交際もあった。そのような人物を、なぜ、よりにもよって
法務大臣
に任命したのか。総理の
任命責任
は極めて重い。 また、田中前大臣の辞任により、
民主党政権下
の
拉致問題担当大臣
は八人目になりました。こんなことで腰を据えた交渉ができますか。もうどうでもいいという
投げやり人事
としか思えません。 そればかりか、今回の改造は、これ以上の
離党者
を出さないための配慮が働いたとも指摘されています。適材適所とはほど遠い、能力や資質より
党内事情
を優先した、全くの内
向き人事
ではありませんか。 ほかにも、
民主党
の
看板政策
であった
少子化対策担当大臣
は、この三年間で十人目、
消費者担当大臣
も九人目です。猫の目のようにくるくると閣僚がかわる。
マニフェスト
の
総崩れ
と同様、
政治主導
も
総崩れ
、もはや政権の体をなしていません。 先月十九日、民主、自民、公明三党の
党首会談
が行われました。三党の
党首選
から実に三週間以上が無為に経過した後の
党首会談
でした。 総理、あなたは、八月八日、当時の
自民党谷垣総裁
と我が党の
山口代表
に対して、近いうちに国民に信を問うと約束をしました。そして、今回の
党首会談
に先立って、三
党幹事長会談
で
民主党
の
輿石幹事長
は、解散に関して総理から具体的で新しい提案があると確約をしました。 ところが、ふたをあけてみると、あなたは、責任を十分自覚している、条件が整えばきちっと自分で判断をしたいと述べただけで、具体的で新しい提案は全くありませんでした。そして、その
条件整備
として、
特例公債法案
の成立や
衆議院
の一票の
格差是正
、
社会保障国民会議
の
早期設置
の三点を求めました。 しかし、総理、それらの課題の解決を先延ばししてきたのは、むしろ政府・与党ではありませんか。それにもかかわらず責任を野党に転嫁するのは、本末転倒であり、政府・与党としての自覚もなく、責任も放棄していると言わざるを得ません。 加えて、近いうちに国民に信を問うと約束した時点で、
野田内閣
は既にレームダック、死に体であり、諸外国から
外交交渉
や合意の相手とみなされていません。いたずらに時を過ごすことは、
外交課題
の解決をおくらせ、国益を損ないます。 しかも、年度を通じて執行に責任を負えない平成二十五年度予算の編成に着手しようとしている。もはや、政権の延命、時間稼ぎと断ぜざるを得ません。 八月の三
党合意
で、近いうちに国民に信を問うとした近いうちとは、少なくとも、年内が常識です。 総理、今こそ、あなたの勇気ある決断で政治を大きく前に進めるときではありませんか。その覚悟を示せ、このように強く申し上げたい。総理の答弁を求めます。
民主党
が
政権交代
を果たしてから三年、振り返れば、国民の期待もむなしく、数々の失政を繰り返し、国民を裏切り続けた三年間でした。 第一に、
マニフェスト
の崩壊です。
民主党
は、
衆議院選挙マニフェスト
で、
子ども手当
、月額七万円の
最低保障年金
、
暫定税率
の廃止、
高速道路無料化
など、華々しい政策を掲げました。しかも、これらに必要な十六・八兆円の財源は、
消費増税
をしなくても無駄の削減や予算の
組み替え
などで十分確保できるとしながら、
民主党自身
が
実現可能性
について検討、検証が不十分な部分があったと認めているように、結局、財源を調達できず、看板倒れに終わりました。
マニフェスト
の
総崩れ
で国民の
政治不信
を増大させた責任は極めて重大です。 第二に、外交、
安全保障
の迷走による国益の喪失です。
鳩山政権
での普天間基地問題の迷走に始まり、
菅政権
での
尖閣沖漁船衝突事件
をめぐる
弱腰外交
、そして
野田政権
での領土をめぐる問題と、日中、
日韓関係
の悪化など、国益を損失し続けています。これ以上、
民主党政権
にこの国の外交、
安全保障
を任せておくわけにはいきません。 第三に、
東日本大震災
からの
復旧復興
のおくれと
原発事故対応
の混乱です。
民主党
は、震災直後から、遅い、鈍い、心がない対応を繰り返し、
被災地
の
復旧復興
の足かせとなりました。今に至っても、到底、
被災地
の思いに即した対応とはなっておりません。 例えば、あなたが所信で触れた、
仮設住宅
の追い
だき機能
の追加も、
公明党
が二回にわたる
仮設住宅
総点検の結果から再三再四設置を求め、ようやく実現をしたものです。余りにも対応が遅い。これ以上の復興のおくれは許されません。 また、
東京電力福島
第一
原発事故
の対応についても、政府、国会、民間、東電のそれぞれの
事故調報告
は、菅元
総理ら官邸
の強引な介入が混乱をもたらしたとの見解でおおむね一致しています。
民主党
の
政治主導
が誤っていたことはもはや
客観的評価
となっており、この政治による人災の責任は逃れられるものではありません。 第四に、
経済無策
による
日本経済
の悪化です。 経済問題は後ほど触れますが、
民主党政権
は、円高、デフレに対し何ら効果のある対策を打てず、
日本経済
は低迷をしております。
民主党政権
には、もはや
日本経済
を再生する知恵も実行力もありません。 第五に、水膨れ予算による財政の悪化です。
事業仕分け
もかけ声倒れに終わり、
歳出削減
の努力も中途半端で、予算の水膨れも是正できていない。これでは、
国債市場
からの信用も失われかねません。 以上、
民主党政権
三年間の失政は明白であり、国民の生活が第一どころか、
国民生活
を台なしにし、国益を損ねた責任は極めて大きいことを強く指摘しておきます。 政治と金の問題もあります。 鳩山元代表の、母親からの巨額の
資金提供
、菅前代表の、市民の会と称する
政治団体側
への献金、小沢元代表の
資金管理団体陸
山会の
土地取引
をめぐる
政治資金規正法違反事件
、これら
政権交代
後の
民主党
の
歴代代表
に関する政治と金の疑惑に対し、
証人喚問
は
おろか
、
参考人招致
、
政治倫理審査会
の開催さえも一度も行われておらず、国民に対する
説明責任
は全く果たされておりません。 加えて、
野田総理自身
にも
外国人
からの献金問題、さらには、
現職閣僚
である
前原国家戦略担当大臣
の事務所費問題も指摘をされています。
公明党
は、これまで、クリーンな政治を実現するために、秘書など
会計責任者
に対する
政治家
の
監督責任
を強化する
政治資金規正法
の改正や、企業・
団体献金
の禁止を実現すべきと、一貫して主張してきました。 これに対して、
民主党
の
歴代代表
は、また
野田総理自身
も、再三再四、
国会答弁等
で、実現に前向きな発言を繰り返してきました。 しかし、結局、
政権交代
三年間、
民主党
は、実現のための努力を全くしてこなかったではありませんか。 一方、
自公政権下
では、与党が主導して、
資金管理団体
に対する企業・
団体献金
の禁止、
政治団体
間における寄附の制限、
資金管理団体
による
不動産取引
の禁止、一円以上の支出についての領収書の公開など、数多くの
法改正
を実現してきました。この差は歴然です。 与党でありながら、クリーンな政治の実現に背を向け、
法改正
を積極的に行うことなく、むしろ国民の
政治不信
を増大させた
民主党
は、もはや政治と金の問題にけじめをつけられない政党であると断じざるを得ません。
東日本大震災
から一年七カ月がたち、被災した方々は震災から二度目の冬を迎えようとしています。改めて、被災された皆様、今なお
原発事故
に苦しんでおられる皆様に対し、心よりのお見舞いを申し上げるものであります。 復興に向けた課題は、
被災地
の実情により、刻一刻と変化していきます。政治は、こうした
状況変化
を敏感にキャッチし、
被災者
に寄り添い、迅速かつ的確にそのニーズに応えていかなければいけません。 その一つが
住宅再建
です。 被災された方々の多くは、
生活再建
のかなめとなる
住宅再建
の希望を持ちながらも、二重ローン問題など経済的な理由などで、具体的な一歩を踏み出せていないのが現状です。
被災者
の状況に即した、よりきめ細やかな支援が求められています。 今般、
復興予算
が本来の趣旨に沿わない事業に流用されていたことが明らかになりました。
被災地
のみならず、増税による負担をお願いした国民に対しても、言い逃れのできない、
復興事業
の信頼を損ねる許しがたい事態です。 この問題について、与党の側から、民主、自民、公明三党の協議でまとめた
東日本大震災復興基本法
に原因があるかのような
責任逃れ
の発言がありますが、筋違いも甚だしい。
復興基本法
に基づき政府が決定した復興の
基本方針
の本来の趣旨を都合よく解釈し、流用を認めた政府・与党の
予算執行
にこそ原因があります。
調査捕鯨妨害対策事業
や
受刑者
の
職業訓練事業
などがこの
基本方針
に合致するのか否か、確認するまでもありません。問題の本質は政府の
予算執行能力
の欠如にあると、厳しく指摘しておきます。 流用された事業の予算の
組み替え
や
執行停止
を求めます。 復興を加速させるためには、早急な
瓦れき処理
が欠かせません。 岩手と宮城で発生した約二千四百万トンの
瓦れき
のうち、処理されたのは、九月末現在で、わずか二二・六%にとどまっています。政府は、二県の
瓦れき処理
を今年度末までに五三%終える
中間目標
を掲げていますが、その実現のためには、
焼却施設
の増強や作業の
加速化
が求められます。 一方、福島においては、今なお十六万人、そのうち六万人の方々が県外に
避難生活
を余儀なくされています。一日も早く、ふるさとに戻り、安心して暮らせるようにするためには、着実な除染が必要です。 特措法に基づき各
自治体
で除染が進められていますが、
中間貯蔵施設
や
最終処分場
の建設先が決定しておらず、このことが除染のおくれにつながっています。
建設地
の選定を急ぐべきですが、
候補地
として挙げられた
自治体
の
住民理解
を第一に、丁寧かつ迅速に進めるべきです。
被災地
では、今、
復興事業
の
実施そのもの
が困難になっています。 工事量の急増によって、
作業員
や
土木技術者
は慢性的に不足し、
作業員
の宿舎も足りない。
建設資材
の価格も上昇し、調達さえも困難になっています。これらの要因が重なり、各地で入札の不調がたびたび発生しています。
復興事業
が、国や
自治体
、民間でそれぞればらばらに進められている上、発注が短期間に集中していることも、その要因の一つです。こうした事態が放置されれば、復興は遠のくばかりです。 復興を着実に進めるためには、
復興庁
が主導し、
自治体
も含めて、計画的に発注する
仕組み
をつくるべきであります。
工事価格
についても、資材や
労務単価
などの
実勢価格
を
予定価格
へ柔軟に反映できる
仕組み
を導入することが必要です。総理の見解を求めます。 次に、景気・
経済対策
です。 ヨーロッパの債務問題は解決がいまだ見通せず、その影響は中国を初めとする新興国にも波及し、
世界経済
の
減速傾向
が明らかになっています。 一方、
我が国
も、
復興需要
による効果があるとはいえ、
世界経済
の減速を反映し輸出や生産が大きく減少するなど、
景気後退
の傾向が顕著になっています。
雇用情勢
も依然厳しいままです。さらには、
日中関係
の悪化が、輸出や観光の不振となって、
実体経済
に影を落としています。 特に、
中小企業
は極めて厳しい状況にあります。昨年は
円高倒産
が過去最高を記録しましたが、ことしも、年度末に向けて予断を許しません。
中小企業
の資金繰りの
安定化
はもちろん、
経営改善
、
事業再生支援
などを一層強化しなければなりません。 こうした中で、
金融円滑化法
が来年三月で期限を迎えます。
出口戦略
を加速的に実行に移すとともに、
円滑化法
の再延長の必要性を含めた検討が必要と考えます。 先般、日銀は、追加の
金融緩和策
を決定し、あわせて、
デフレ脱却
に向けた政府と連名の
共同文書
が出されました。この点は、現下の
経済状況
に対応するものとして一定の評価をしますが、
金融政策
だけではなく、本格的な
需要創出策
を含めた
取り組み
を強化する必要があります。 そうした観点から、
日本経済再生
へ向け、早急に、本格的な
補正予算
の編成、執行を含む切れ目のない景気・
経済対策
を講ずることが必要であることは、明々白々です。 それにもかかわらず、総理は、十一月中の
経済対策
の策定を指示する一方で、本格的な
補正予算
の編成を先送り。その上で、本
臨時国会召集直前
のどさくさの中で、小手先だけの
予備費活用
の決定をしました。 しかし、
予備費
の
歳出化
は、当初の
歳出予算
に組み込まれた枠内での実施にとどまるもので、新しい真水が追加投入されるわけではありません。
景気刺激効果
は極めて限定的です。 こうした中途半端で逐次投入のようなやり方ではなく、堂々と
補正予算
を編成すべきだったのではないでしょうか、総理。 そもそも、
民主党政権
になって三年、
デフレ脱却
は
おろか
、為替も円高水準が
高どまり
のまま放置され、国民は、景気が回復したという実感を一度たりとも持てませんでした。これ以上、
民主党
による
政治不況
によって国民の生活が壊されるのを見過ごすわけにはいきません。 総理、あなたが今唯一できること、すべきこと、それは、一日も早く解散し、総選挙を行うことです。そして、国民の民意を得た新しい政権が
経済対策
や
予算編成
を実行に移す。これに尽きるのではありませんか。感想があれば、総理、お答えください。
山中伸弥京都大学教授
の
ノーベル医学
・
生理学賞受賞
が決定しました。
科学技術振興
、特に
再生医療研究
への
支援拡充
を訴え続けてきた
公明党
にとりましても、今回の受賞はひときわ感慨深く、心から祝福申し上げます。
山中教授
が研究を進めている
iPS細胞技術
は、
世界じゅう
の人々が期待してやまない、夢の
再生医療実現
への弾みとなるばかりか、
日本発
の画期的な技術が
日本再建
の大きな力になることが期待をされます。 世界に先駆けて、
iPS細胞
による
再生医療
の
実用化
と新産業を創成するために、国家を挙げた
支援体制
を構築すべきです。予算の拡充はもちろんですが、加えて、
研究者
、
スタッフ
、事務員がチームとして研究に集中できる
仕組み
が必要です。そのため、継続的な雇用が可能となるよう、
スタッフ
の
雇用環境
の整備や、
人件費等
に係る
研究資金
の使途の
柔軟化
などの対策を積極的に講ずるべきです。 今、世界では、
iPS細胞
を
再生医療
や薬の開発に応用するための研究が急速に進んでいます。この
iPS細胞
のすぐれたもと、リソースとなるのが、
公明党
が推進してきた
臍帯血
です。我が党が主導し、九月六日に成立した
造血幹細胞移植推進法
により、移植に適さない
臍帯血
を
研究目的
で利用できるようになりました。
iPS細胞
の研究では
我が国
は世界のトップを走っていますが、
世界じゅう
で激しい競争が続いています。何としても、移植可能なレベルの
iPS細胞
第一号をつくり出すために、そして、何よりも、治療を待ち望んでいる患者さんたちのために、一刻も早く
臍帯血
を
iPS細胞
の研究に利用できるようにすべきと考えます。総理の見解を求めます。 外交、
安全保障
について見解を求めます。
日本政府
による
尖閣諸島
の
国有化
に端を発し、
中国各地
で
反日デモ
が広がり、日本の
接続水域
では
中国艦艇
が航行を繰り返すなど、
日中関係
は極めて厳しい状況にあります。
尖閣諸島
は、日本が今日まで
実効支配
を続けてきており、これを安定的に継続するためには、同海域での海上保安庁の人員増や
監視警戒態勢
の整備、強化が必要です。また、日本の領土である根拠を国際的に知らしめる広報が重要であり、政府の対応はいずれも後手に回っていると言わざるを得ません。 一方、
日中関係
は、アジアの平和と安定のために最も重要な二
国関係
であり、あらゆるパイプを通して関係の改善を図る努力が必要です。 竹島問題は、
国際法
にのっとり、冷静に、平和的な解決を目指すべきです。その意味から、国際司法裁判所への
単独提訴
を初め、あらゆる手段を講じて
国際世論
に訴えていくべきです。 普天間移設問題をめぐる政府の対応や
オスプレイ
の配置問題などにより、
沖縄県民
の不信はますます高まっています。
沖縄防衛局長
の
不適切発言
や、手続を強行した
辺野古移設
に関する
環境影響評価書
の提出、そして
オスプレイ
の配備の強行など、
民主党政権
は、
沖縄県民
の不安と不信を増幅し、普天間の解決を一層困難なものにしました。
オスプレイ
について、
公明党
は、
安全面
で地元の理解が得られない限り、配備、運用すべきではないと主張してきました。こうした声に耳を傾けず、県民の不信を決定的にした責任は、
民主党政権
にあります。 さらに、沖縄でまた、米兵による卑劣で悪質な犯罪が起きました。
沖縄県議会
は、先月二十二日、日米両政府に抗議をし、日米地位協定の
見直し
などを求める決議と意見書を
全会一致
で採択しました。
基地負担
の軽減を求める声が無視され続けてきた沖縄の怒りに対し、
日本政府
の対応が厳しく問われています。 以上、外交、
安全保障
の課題について、総理の見解を求めます。 さて、さきの国会で、民主、自民、公明の三
党合意
により
社会保障
と税の
一体改革関連法
が成立した意義は、まことに大きいものがあります。引き続き、
一体改革
の完結に向け、低
所得者対策
の
具体化
や
社会保障制度改革国民会議
における具体像の
明確化
など、残された課題に三党は責任を持って取り組まなければなりません。
一体改革
は、今後も三
党合意
に基づいて着実に進めるべきです。 以下、具体的な三点について申し上げます。 一点目は、
景気条項
です。
消費税率引き上げ
に当たり、
経済状況
の好転について種々の
経済指標
を確認し、あわせて、
政策目標
として実質二%程度の成長を目指すこととしています。そのためにも、
日本経済
の再生に向けた対策を断行し、
経済状況
の好転に全力を挙げるべきです。 二点目は、
社会保障制度改革国民会議
の設置です。
社会保障制度改革推進法
では、
有識者
から成る
国民会議
を設置し、
一体改革関連法
で
具体化
されなかった医療や
介護制度等
を含め、
社会保障制度改革
について議論し、来年八月二十一日までに結論を出すこととなっております。
公明党
は、さらなる医療・
介護制度
の充実を目指し、特に、
がん対策
の強化や
難病対策
の
抜本的拡充
、
高額療養費制度
の
見直し
などを通じた負担の軽減を図ることが重要と考えます。また、
訪問介護
・
看護サービス
の
大幅拡充
や、
介護従事者
の
待遇改善
による
介護サービス基盤
の
整備充実
にも
取り組み
ます。 なお、今後の
公的年金制度
や
高齢者医療制度
の改革については、三
党合意
にあるとおり、あらかじめその内容等について三党間で合意に向けて協議をするということを改めて確認しておきます。 会議の設置に当たっては、
有識者
の人選を含め、三党が責任を持って協議、合意した上で議論を開始すべきであり、政府・与党はその
環境整備
に努力すべきです。 三点目は、
消費税率引き上げ
に当たっての低
所得者
への配慮です。 税率の
引き上げ
に際しては、低
所得者
ほど負担が重くなる逆進性への対応が不可欠です。当初の
政府案
で検討されていた
給付つき税額控除
と簡素な
給付措置
に加え、
公明党
が三
党協議
で強く主張して盛り込まれた
軽減税率
の具体的な
制度設計
が求められます。 十月十六日、
公明党
は、政府に対し、
軽減税率
や
被災地
への
特例措置
の導入、
中小企業
の
価格転嫁対策
を求め、署名簿を添えて申し入れを行いました。各地から集まった署名の数は実に六百万人に上り、
軽減税率
の導入を求める声が日増しに高まっております。政府は、多くの国民が実現を望んでいるという事実を真摯に受けとめ、具体的な
検討作業
を急ぐべきです。 以上、
一体改革
の完結に向けた
取り組み
について、総理の見解を求めます。
民主党
が政権を担当して三年、内政、外交にわたる数々の失政、稚拙な
政権運営
、任命した途端に辞任する閣僚、
離党者
の続出など、
民主党
に
政権担当能力
がないことは、もはや誰の目にも明らかです。 総理が約束した近いうちに行われる総選挙は、
民主党
に政権の座から退場してもらい、
日本再建
のスタートを切る選挙にしなければなりません。
公明党
は、
日本再建
のために、特に次の三点が重要と考えます。 その第一は、
東日本大震災
からの復興と福島の再生、そして、命を守る防災・
減災対策
です。 老朽化した
社会インフラ
の再構築などハードの対策と、
防災教育
、
防災訓練
の推進などソフトの対策を組み合わせた防災・
減災ニューディール
を推進します。 具体的には、
首都直下地震
や
南海トラフ巨大地震
、豪雨、竜巻などの大
規模自然災害
から国民の生命と財産を守る防災・
減災対策
に、十年間で百兆円規模の事業を創出する
集中投資
を行います。
公明党
は、既に、防災・
減災ニューディール
を推進するための
推進基本法案
を国会に提出しております。 第二は、
地域主権型道
州制の導入です。
我が国
の
閉塞状況
を打破するには、全国で一律、画一的な政策を進めてきた中央集権的な
統治機構
を変え、地域が直面する課題に柔軟に対応できる新しい
統治機構
を築く必要があります。 国民的な議論を踏まえ、国、道州、
基礎自治体
の三層から成る道州制に移行し、
住民本位
の
行政サービス
を充実させるとともに、地域の潜在力を存分に引き出すことが不可欠です。 第三に、原発に依存しない新しい
エネルギー社会
の創造です。 原発の
新規着工
を認めず、可能な限り速やかに原発ゼロを目指します。再稼働に関しては、国民が納得できる新しい
安全基準
に照らして、厳格に判断すべきです。
原発依存
から脱却するため、
持続可能性
をキーワードに、省エネルギーの促進と
再生可能エネルギー
の
開発普及
、そして、
火力発電
の高
効率化
を柱とする新しい
産業社会
の構築を急がなければなりません。 省エネ、再エネを軸にした
経済成長戦略
の
明確化
を初め、
原発廃炉
に伴う
立地地域
の雇用や
振興策
、家庭や
事業所
の
電気料金
の上昇の抑制策といった課題に全力で
取り組み
ます。
公明党
は、どこまでも、大衆とともにという
立党精神
に立脚をし、地域に根差し、
国民生活
に根差した政党として、これらの課題に真っ正面から挑戦し、
日本再建
を担う決意です。 最後に、
野田総理
、あなたが今下すべき決断は、国民との約束である、近いうちに信を問うことです。速やかに
衆議院
を解散し、国民の信を問う、それが
日本再建
への第一歩であることを強く訴え、私の質問を終わります。(拍手) 〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
野田佳彦
4
○
内閣総
理
大臣
(野田佳彦君)
公明党
の井上議員の御
質問
にお答えをしてまいります。 まず最初に、
閣僚
の任命に関するお尋ねがございました。 今回の
内閣
改造
における
閣僚
任命とその任命に至るプロセスについては、人事でありますので、さまざまな総合的な
検討
と判断の結果であると申し上げます。 これまでの
閣僚
交代人事において、任命した
閣僚
が職務を全うできない例があったことは遺憾であり、また、拉致事件が
解決
に至っていないことは、
政府
として真摯におわびを申し上げます。 任命権者としての
責任
を自覚しつつ、後任の
閣僚
を含め、
内閣
全体としてその職務を果たすことにより、
政権
としての
責任
を果たしてまいりたいと考えております。 続いて、三党
党首会談
での
環境整備
についての御
質問
をいただきました。 十月十九日の三党
党首会談
において、近いうちに
国民
の信を問うと申し上げた意味は大きい、自分も
責任
を重く受けとめておりますし、それを踏まえて
環境整備
をした上で判断をしたい、そこは自分を信じてほしいというお話をさせていただきました。これは、特定の時期を明示しない中でのぎりぎりの言及だと思っております。 そして、
環境整備
の中でもとりわけ急がなければいけないテーマとして、
特例公債法案
、一票の格差、定数
削減
の問題、
社会保障国民会議
のことを挙げさせていただいております。
条件
が整えば、きちっと自分で判断をしていきたいと考えております。 続いて、
政治資金規正法
改正
についてのお尋ねがございました。
政治
改革
、
政治
資金規制の問題については、井上議員が御指摘のとおり、
民主
、
公明
のみならず、各
政党
の主張が必ずしも一致しておらず、結果として何も
議論
が進まずという膠着状態が続いていることは残念であります。 この、
議論
ができず決められずという
状況
を打開するためには、まず、
さき
の
国会
で決めることができず、今回の
臨時国会
喫緊の
課題
となっております一票の
格差是正
、議員定数
削減
を
実現
させ、
政治
改革
の
議論
が進むきっかけをつくることが大事だと考えます。お互いに、まず、
一つ
のことを
解決
する
努力
を行うことを
提案
いたします。 次に、
復興
に向けた
課題
の変化に対する
対応
及びその
一つ
でもある
住宅再建
についての御
質問
をいただきました。
被災地
の
復興
を加速するためには、広範で多岐にわたる
被災地
のニーズを的確に把握し、きめ細やかに
対応
していくことが極めて重要であると考えております。そのため、
復興庁
や
復興
局の職員は現場主義で
復興
施策の
推進
に取り組んでおり、私自身も、
被災地
を幾度も訪問して、
被災者
の声に耳を傾けてまいりました。 こうした中、
被災地
においては、復旧から本格的な
復興
の段階に移りつつあり、本格的な
生活再建
に向け、御指摘の住宅の再建が重要な
課題
となってきております。 このため、災害公営住宅の供給を進めるとともに、二重ローン問題への
対応
について、私的整理による債務免除が可能となるようガイドラインを策定し、その運営を
支援
してまいります。 今後とも、被災
自治体
の要望には丁寧に
対応
するなど、
被災地
に寄り添いながら、
政府
一丸となって取り組んでまいります。 次に、
復興予算
の流用という問題についてのお尋ねがございました。
平成
二十三
年度
第三次
補正予算
や
平成
二十四
年度
予算
に計上された
復興
関連
予算
は、
復興基本法
に定められた
復興
の基本理念に沿った施策に対して
予算
措置を講じたものであり、現在、各
事業
の所管
大臣
が
責任
を持って
執行
に当たっておりますが、個別の
事業
につきましては、種々の御指摘、御批判を受けていることも事実でございます。 今後、この
国会
での
議論
や行政刷新
会議
の新仕分けにおける
議論
などを踏まえつつ、それらの
執行
は
国民
に誤解を招くことのないよう慎重に
対応
すべきものと考えておりますし、また、
平成
二十五
年度
予算
の
編成
に当たっては、
被災地
が真に必要とする
予算
はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。 次に、災害廃棄物処理の
中間目標
達成方策に関するお尋ねがございました。 災害廃棄物の処理は着実に進んでおりますが、
平成
二十四
年度
末の
中間目標
を達成するためには、さらに処理の
取り組み
をスピードアップする必要があります。 このため、
被災地
において、仮設焼却炉と破砕・選別施設の処理
能力
のさらなる増強、広域処理の受け入れの確定や、国の直轄工事における
再生
資材
の活用に取り組んでまいります。 今後とも、災害廃棄物の一日も早い処理に向け、
政府
一丸となって
全力
で取り組んでまいります。 続いて、
福島
の
除染
における
中間貯蔵施設
等についての御
質問
をいただきました。
中間貯蔵施設
は、
福島
県内の
除染
により発生する土壌等を安全に保管するために、必要不可欠な施設であります。
中間貯蔵施設
について、現地の実情を踏まえて
議論
を深めるため、八月十九日に開催された
協議
会で、事前の調査の
実施
についてお願いをし、双葉地方町村に個別に御説明を進めてきたところでございます。 今後とも、
福島
県を初めとする
関係
自治体
とよく相談しつつ、地元の
関係
者の
皆様
に丁寧な説明を行って御
理解
をいただきながら、まずはできるだけ早く事前の調査に入らせていただきたいと考えております。 なお、
最終処分場
については、
政府
としては、中間貯蔵開始後三十年以内に
福島
県外
で最終処分する方針であり、そのために必要な減容化
技術
や安全な運搬方法のあり方などについて、丁寧に
検討
を行っていく所存でございます。 続いて、
復興事業
の施工確保、
実勢価格
の
予定価格
への反映についての御
質問
がございました。
被災地
では
復興事業
における入札不調が発生をしており、
被災地
の一日も早い
復旧復興
に向けて、
復興事業
の円滑な
推進
は重要な
課題
と認識をしています。 このため、国土交通省を中心に、
関係
省庁、
自治体
、業界団体による連絡
協議
会での情報共有や、需給が逼迫している
建設資材
について、
地域
ごとに、
関係
者による安定的な供給策の
協議
を進めております。 また、
復興庁
において、引き続き、
関係
省庁と連携しながら、公共インフラに係る地方
自治体
ごとの
事業
計画などを公表することで、計画的に
復興
に取り組んでまいります。 他方、
工事価格
については、労賃や
資材
の
実勢価格
の機動的な改定を行い、
予定価格
に反映させるとともに、契約後も必要に応じて契約変更を行うなど、市場の実勢が適切に反映されるよう努めてまいります。 続いて、
中小企業
支援
及び
金融円滑化法
についての御
質問
をいただきました。
円高
等の
影響
を受ける
中小企業
の資金繰りについては、全都道府県において相談窓口を
設置
してきめ細かく相談に応じるなど、
対応
に万全を期しております。引き続き、
中小企業
の資金繰りの
安定化
に向け、しっかりとした
対応
を行ってまいります。 また、金融機関における貸し付け
条件
の変更等の
取り組み
が定着している現状等に鑑み、
中小企業
金融円滑化法
は予定どおり来年三月末に終了しますが、引き続き、貸し付け
条件
の変更等に努めるよう促してまいります。 さらに、
中小企業
金融円滑化法
の終了を見据えた
対応
として、
中小企業
の
経営改善
、
事業再生支援
に向けた
取り組み
を徹底
支援
することが重要と認識しております。 現在、
内閣
府、金融庁、
中小企業
庁において、本年四月に策定した
政策
パッケージを
実施
に移し、
中小企業
再生
支援
協議
会の機能
強化
等に取り組んでいるところであります。 さらに、先般私が行った
経済対策
の指示において、
金融円滑化法
の期限到来後を見据えた
中小企業
再生
支援
の
強化
という
対応
策を講じることとしており、今後とも、
中小企業
の
経営改善
、
事業再生支援
をより一層後押ししてまいります。 続いて、
経済対策
と
補正予算
の
編成
についてのお尋ねがございました。 井上議員御指摘のとおり、
我が国
経済の
再生
に向けて切れ目のない
政策
対応
を行うことは喫緊の
課題
であります。 このため、十月二十六日に、
経済対策
の第一弾として、緊要性の高い施策について、経済危機
対応
・
地域
活性化
予備費
などの使用を閣議決定したところであり、引き続き、遅くとも今月中をめどに
経済対策
を決定することとしております。 御指摘の
補正予算
については、
特例公債法案
の審議
状況
や
経済対策
の内容を踏まえた上で、その時期や内容などについて
検討
してまいりますが、その
実現
のため、ぜひとも御党にもお知恵をおかりしたいと考えております。
デフレ
からの早期脱却と経済活性化に向け、
特例公債法案
を含む
我が国
の諸
課題
について、与
野党
間で胸襟を開いて
議論
を進めていただきたいと考えております。
経済対策
、
予算編成
と解散についての御
質問
をいただきました。
我が国
の経済は、欧州、
新興国
の
減速
などを背景に、
状況
が変化しつつあります。
政府
としても三カ月連続で
景気
認識を下方修正したことは、御承知のとおりであります。 このような
事態
に際して、先ほど申し上げたとおり、財政の活用を含めて適時適切に切れ目のない
経済対策
を講じることが必要と判断し、今般、
予備費
の活用を決定したところであり、引き続き、遅くとも今月中を目途に
経済対策
を策定することとしております。
予算編成
については、
内閣
の
責任
として、年間のそれぞれの時期に必要な手順と準備を進めることが必要であり、これは、過去のどの
政権
、
内閣
においても同じことであります。
政治不況
を起こさぬためにも、特例公債法の一日も早い成立、間断のない
経済対策
の
実施
、着実な
予算編成
準備が必要と考えます。 民意を問うということについては、これまで申し上げてきたとおりであります。 次に、
臍帯血
を
iPS細胞
の
研究
に利用することについての御
質問
をいただきました。
臍帯血
は
iPS細胞
の作成に有用ですが、
研究
のために利用する際には、
臍帯血
の品質と提供者の同意を得ることが重要です。 このため、京都大学
iPS細胞
研究
所や
臍帯血
バンクなど、現在、
関係
機関と進めている調整を加速させ、御指摘のように、少しでも早期に適切な
臍帯血
の提供が行われるように、
政府
としても
努力
をいたします。 なお、明日、
山中教授
を総合科学
技術
会議
にお招きし、教授の御意見をお聞きしつつ、
研究
環境
の
改善
に向けた
政府
の
取り組み
を示す所存でございます。 続いて、
尖閣諸島
をめぐる警備、広報や
日中関係
についての御
質問
をいただきました。
尖閣諸島
が
我が国
固有の
領土
であることは、歴史的にも
国際法
上も疑いのないところであり、現に
我が国
はこれを有効に支配しています。 このような
尖閣諸島
に関する
我が国
の一貫した立場については、国内外で正しい
理解
を得るべく、情報発信を
強化
しています。 また、
尖閣諸島
付近海域においては、従来から厳正かつ適切な警戒監視及び警備を
実施
してきています。 今般も、
平成
二十四
年度
予備費
により、海上保安庁の巡視船艇七隻を緊急に
整備
するなどの
対応
をとったところですが、今後とも、さまざまな情勢を踏まえながら、海上保安体制の
充実
強化
を図り、領海警備に万全を期してまいります。 同時に、
日中関係
は
我が国
にとって最も重要な二国間
関係
の
一つ
であり、日中両国は、アジア太平洋
地域
及び
世界
の平和と発展に大きな
責任
を負っています。
我が国
としては、
日中関係
の大局を見失うことなく、冷静に
対応
していく考えであり、
中国
との間で、さまざまな形で意思疎通を維持
強化
してまいります。 竹島問題への
取り組み
についてのお尋ねがございました。 竹島は、歴史的にも
国際法
上も
我が国
固有の
領土
です。
政府
は、竹島問題について、法にのっとり、冷静かつ平和的に紛争を
解決
する考えであり、国際司法裁判所への
合意
付託及び日韓紛争
解決
交換公文に基づく調停についての
提案
並びに国際的な広報の
強化
などの措置を講じてきているところであります。 今後とも、情勢を総合的に判断して、御指摘の
単独提訴
も含め、適切な措置を
検討
してまいります。 続いて、普天間移設問題、
オスプレイ
の
配備
、
沖縄県議会
の抗議
決議
などについて御
質問
をいただきました。 普天間飛行場の固定化は絶対にあってはならず、
日米
両
政府
は、辺野古への移設が、引き続き、唯一有効な
解決
策であると考えています。 同時に、国土面積の〇・六%しかない
沖縄
県内に、全国の約七四%の在
日米
軍専用施設・区域が集中していることを踏まえ、
沖縄
の
基地負担
を少しでも
軽減
することが最優先の
課題
であると認識をしています。 また、
オスプレイ
の
配備
は
我が国
の
安全保障
にとって大きな意味がありますが、その運用に際しては、安全性はもとより、地元の
皆様
の
生活
への最大限の
配慮
をすることが大前提であります。 今後とも、地元の
方々
の不安を払拭できるよう、丁寧に御説明をしていく考えです。 一方、先般
沖縄
で発生した許しがたい事件については、決してあってはならない極めて遺憾なものであり、米側も既に夜間外出
禁止
等の措置を講じています。
政府
としては、引き続き、この種の事件の根絶をすべく、綱紀粛正と再発防止について、米側に強く申し入れてまいります。
政府
としては、
沖縄県議会
の抗議
決議
を重く受けとめながら、今後とも、事件、不祥事の再発防止はもちろん、普天間飛行場の移設を初めとする
沖縄
の
基地負担
の
軽減
に向け、
全力
で取り組んでまいります。 続いて、経済
政策
についてのお尋ねがございました。
日本経済
の
再生
に道筋をつけ、
雇用
と暮らしに安心感をもたらすことは、私の
内閣
が取り組むべき現下の最大の
課題
であります。 このため、フロンティアの開拓により力強い
成長
を導く
日本
再生
戦略を、
国家
戦略
会議
において
議論
を重ねた上で、この七月に閣議決定をいたしました。戦略に描いた道筋を着実にたどっていけるよう、
日本
再生
を担う人材の育成やイノベーションの創出に力を入れるとともに、グリーン、ライフ、農林漁業の重点三分野と
中小企業
の活用に
政策
資源を重点投入してまいります。 その先駆けとなる新たな
経済対策
の策定を指示し、先般、その第一弾として、緊要性の高い施策について、
予備費
の使用を決定いたしました。引き続き、遅くとも今月中をめどとして
経済対策
の決定に向けた
作業
を進め、
デフレ
からの早期脱却と
日本経済
の活性化に向けた
取り組み
を加速させてまいります。 また、先日、
政府
と
日本
銀行で、
デフレ脱却
に向けた
取り組み
について、共通
理解
という形で取りまとめ、共同して表明、発表いたしました。
デフレ
からの早期脱却に向けた、さらに大きな一歩となるものであります。井上議員からも一定の
評価
をいただいたことは、感謝を申し上げます。 このように、経済
再生
への
取り組み
を進め、
経済状況
の
好転
に
全力
を挙げてまいります。 次に、
国民会議
の
設置
を含めた今後の
社会保障
改革
についてのお尋ねがございました。 まず、御党がこれまで訴えてこられた幾つかの事項を挙げて、さらなる
医療
・
介護制度
の
充実
について御指摘をいただきました。 それら事項を含め、
政府
の
社会保障
・税
一体改革
大綱においても、
医療
・介護分野については、
医療
サービスの供給体制の機能
強化
、
地域
包括ケアシステムの
構築
、
難病対策
の
検討
など、
改革
の方向性を示しています。 いずれにせよ、御指摘のあった
医療
、介護、年金などを含めた
社会保障
制度の残された
課題
については、
公明党
も含めた三党の
合意
や、そのもとで成立した
社会保障制度改革推進法
に示された考え方に沿って
議論
を深め、取り組んでいく必要があります。
国民会議
は来年八月二十一日までの期限となっており、既にカウントダウンは始まっています。与
野党
を問わず、
政治
の
責任
として、
社会保障
に対する揺るぎない安心感を示すためにも、
国民会議
を早急に立ち上げることが必要であり、委員の人選を含めて、重ねて御協力をお願いいたします。 最後に、消費税の低
所得者対策
についての御
質問
をいただきました。 消費
税率
の
引き上げ
に当たっての所得の低い
方々
への
配慮
については、さまざまな角度から総合的に
検討
することが三党間で
合意
されており、税制抜本
改革
法に示された諸
課題
を含め、幅広い観点から、早急に三党間で
議論
を行ってまいりたいと考えております。 公党間で建設的な
議論
が行えるよう、
政府
・
与党
として最大限の
努力
をしてまいりますので、御党にも御協力を改めてよろしくお願いを申し上げます。(
拍手
)
—————————————
横路孝弘
5
○
議長
(
横路孝弘
君) 志位和夫君。 〔志位和夫君登壇〕
志位和夫
6
○志位和夫君 私は、
日本
共産党を
代表
して、
野田総理
に
質問
します。(
拍手
)
野田内閣
が、消費税大
増税
を初め国政のあらゆる問題で、民意に背き、公約を裏切ってきた
責任
は極めて重大であり、
不信
任に値します。参議院での
問責決議
可決という
事態
を重く受けとめるべきであります。
日本
共産党は、国政の基本問題について、
国民
の前で
議論
し、争点を明確にした上で、速やかな解散・総
選挙
で
国民
の審判を仰ぐことを強く要求するものです。そうした立場から、以下、
質問
を行います。 まず、
東日本大震災
からの
復興
問題についてです。
震災
復興
を口実として、
被災地
と
関係
ない
事業
に
復興予算
が流用されていることが明らかとなり、
国民
の厳しい批判が広がっています。国内立地補助金の名目で、
被災地
とは
関係
のないトヨタ、キヤノン、三菱電機、京セラ、東芝など大
企業
が、二千三百五十六億円もの補助金を
復興予算
から受け取っています。 その一方で、
被災地
の
中小企業
の再建を
支援
するグループ補助金は、申請した
事業
者の六割がふるい落とされています。国が
医療
、介護の
負担
減免措置を九月末で打ち切ったことも、大問題になっています。
国民
に、
被災地
復興
のためと言って、二十五年間にわたる所得税、住民税の
増税
を求めておきながら、
被災地
と
関係
ない大
企業
に莫大な補助金をばらまき、
被災地
が切実に求めている施策を切り捨てる。
総理
、これは余りに理不尽だと考えませんか。 なぜこのような流用がまかり通るのか。 その大もとには、昨年六月に
復興基本法
が制定されたときに、
民主
、
自民
、
公明
三党の談合で法案が書きかえられ、
被災地
域の
復興
という当初案を
東日本大震災
からの
復興
と書きかえて、
被災地
域という限定を外した上で、当初案になかった活力ある
日本
の
再生
という文言を目的に
追加
したという問題があります。これを受けて、十一月に
編成
された第三次
補正予算
で、国内立地補助金を初め、
被災地
と
関係
ない
予算
が多数計上されたのであります。
復興予算
の流用の第一の
責任
が
政府
にあることは明らかですが、一体になって進めた
自民
党、
公明党
などにも厳しい反省が求められます。
政府
は、
国民
の強い批判を真摯に受けとめ、
復興予算
の流用を直ちにストップすべきです。そして、この流用の大もととなった
復興基本法
を改めるべきであります。 さらに、個人財産の形成になるなどといって住宅、商店、工場、
医療
機関などの復旧を
支援
しないという態度を根本から改め、住宅となりわいの再建に必要な公的
支援
を行うことを
復興
の基本原則に据えることを強く求めます。
総理
の
答弁
を求めます。 次に、消費税大
増税
と
日本経済
について
質問
します。
増税
法案が強行されましたが、
国民
との矛盾はいよいよ深刻になっています。 九月、国税庁が発表した二〇一一年の
民間
平均給与は、ピークだった一九九七年と比較して、年間五十八万円、一二%も落ち込みました。
国民
の所得が減り、消費が落ち込み、内需が冷え込む
デフレ
不況の悪循環が進行しています。消費税は
中小企業
にとってもともと過酷な税制ですが、
デフレ
下で、
価格
への転嫁は一層困難になっています。 こんな大不況のもとで消費税大
増税
を強行したらどうなるか。 八月に発表された帝国データバンクの調査では、
税率
引き上げ
後に国内消費が縮小すると考えている
企業
は、何と九割近くに上っています。
総理
は、
日本経済
への甚大な打撃をどう認識しているのですか。大不況のさなかの大
増税
など論外であり、
実施
を中止すべきではありませんか。
答弁
を求めます。 電機情報
産業
の大
企業
、パナソニック、ソニー、NEC、IBMなどが十三万人もの首切り、リストラを強行しようとしていることは極めて重大です。 この大リストラは、繰り返しの面談による退職強要によって強行されています。 NECでは、一人の労働者に十一回も面談し、退職を強要したという訴えが寄せられました。会話が外に漏れないように通気口を鉄板で塞いだ面談室で、繰り返し繰り返し退職を迫りました。疲れ果てた男性は病気になりましたが、退職強要は続きました。十一回目の面談で、上役に、残れると思う、残れないよと追い詰められた男性は、思わず涙があふれ、病気にまでさせておいて、さらに追い打ちをかけるんですか、もう自殺するしかないと叫んだとのことであります。 労働者をここまで追い詰める退職強要が横行しているのであります。繰り返しの面談による退職強要は違法行為です。
総理
、直ちに違法行為の実態をつかみ、それを根絶するために断固たる措置をとるべきではありませんか。
日本
IBMでは、ある日突然、正当な理由なく解雇を通告し、そのまま労働者を職場から締め出すロックアウト解雇というやり方がとられています。 ある男性の労働者は、ある日、終業時刻のわずか十五分前に人事担当者からいきなり解雇通告が読み上げられ、きょうの終業時刻までに私物をまとめて帰れ、あすからは出社
禁止
だと告げられ、同僚がまだ仕事を続ける中、上司の監視を受けながら私物の整理をさせられ、それ以来、一歩も職場に入れない状態となりました。解雇通知書には業績不良が理由として書かれていましたが、その根拠を会社に求めても、何の説明もされていません。 労働者に考えるいとまさえ与えず、有無を言わさず解雇に追い込む。これは、明らかに解雇権の濫用であり、絶対に認められるものではありません。
総理
は、このような非道な解雇が許されると考えますか。生きた人間を人間扱いせず、力ずくで解雇に追い込む。このような恐るべき無法の横行を放置していて、
日本経済
の
再生
などはあり得ないと考えますが、いかがですか。 電機情報
産業
の大
企業
の内部留保は二十六兆円にも及びます。
雇用
や
地域
経済に
責任
を負わない身勝手なリストラに際しては、
政府
が乗り出して、リストラをやめさせ、
企業
に社会的
責任
を果たさせる。これは、ヨーロッパでは当たり前に行われていることです。
政府
は、そうした姿勢で臨むべきではありませんか。
総理
の
答弁
を求めます。
日本
共産党は、二月に経済提言を発表し、消費税
増税
に反対するとともに、消費税に頼らない別の道があることを
提案
しています。
一つ
は、無駄遣いの一掃と、応能
負担
の原則、
負担
能力
に応じた
負担
の原則に立った税制
改革
を進めることです。 行き過ぎた富裕層減税のために、所得一億円を超えますと所得税の
負担
率が下がるという逆転現象が生じています。行き過ぎた大
企業
優遇税制のために、法人税の実質
負担
率が、
中小企業
が二六%に対して大
企業
が一九%という逆転現象が生じています。 これらの異常な不公平税制を正し、まず、富裕層と大
企業
に応分の
負担
を求める税制
改革
を行うべきだと考えますが、いかがですか。 二つは、
国民
の所得をふやす経済
政策
への転換です。 大
企業
にため込まれている二百六十兆円に及ぶ内部留保を、賃上げ、非正規社員の正社員化、
中小企業
への適正な単価の保障などによって、社会に還元するための社会的ルールをつくるべきです。それは、
日本経済
を内需主導の健全な
成長
の軌道に乗せ、税金の自然増収をもたらし、
社会保障
充実
と財政危機打開の道を開くものともなるでしょう。 我が党の経済提言についての
総理
の
見解
を問うものであります。 次に、
原発
問題について
質問
します。 この間、
原発
ゼロの
日本
を願う世論と運動が広がり、
政府
も、過半の
国民
は
原発
に依存しない社会の
実現
を望んでいると認めざるを得なくなりました。 ところが、
政府
は、
原発
の再稼働を
推進
し、青森県大間
原発
の建設を再開し、使用済み核燃料の再処理を続けるとしています。二〇三〇年代に稼働
原発
ゼロを可能にするという極めて不十分な方針すら、
日本
経団連やアメリカに批判されると、閣議決定を見送りました。 結局、
政府
の姿勢は、口先では
原発
ゼロと言いながら、
原発
推進
政策
を続けるというものではありませんか。
日本
共産党は、九月、「「即時
原発
ゼロ」の
実現
を」と題する提言を発表し、
総理
に届けました。 これは、
福島
原発事故
の被害が拡大し続けていること、
原発
稼働を続ける限り、処理方法のない核のごみがふえ続けること、
原発
再稼働の
条件
も
必要性
も存在しないこと、
政府
が行ったパブリックコメントでも八割が即時
原発
ゼロを求めたことなどを踏まえ、全ての
原発
から直ちに撤退する
政治
決断
を行い、即時
原発
ゼロの
実現
を図ることを提起したものであります。 さらに、提言では、
政府
が無
責任
な収束宣言を撤回し、
福島
の
被災者
支援
と
復興
に総力を挙げて取り組むことを提起しています。
総理
に、我が党の提言についての
見解
を問うものです。 即時
原発
ゼロは可能です。
政府
は、電力不足になるというおどしで大飯
原発
の再稼働を強行しましたが、関西電力は、再稼働をしなくても猛暑の夏を乗り切れたことを認めたではありませんか。
政府
は、
原発
ゼロで電力料金が二倍になるなどとおどしていますが、
政府
が根拠とした試算でさえ、
原発
ゼロでも、全
原発
を稼働させても、
電気料金
はほとんど変わらないという結果が出ているではありませんか。
再生可能エネルギー
の
導入
可能量は、全
原発
の発電
能力
の約四十倍であり、この大きな可能性を現実にする本格的
取り組み
を開始すべきです。そのためにも、
原発
への未練をきっぱり断ち切り、即時
原発
ゼロの
政治
決断
を行うことを強く求めるものです。
総理
の
見解
を求めます。
尖閣諸島
をめぐって、日中の緊張と対立が深刻になっています。 私は、九月、「
外交交渉
による
尖閣諸島
問題の
解決
を」と題する提言を発表し、
日本政府
及び
中国
政府
に我が党の立場を提起しました。
日本
共産党は、
尖閣諸島
について、
日本
の領有は歴史的にも
国際法
上も正当であるという突っ込んだ
見解
を明らかにしています。 第一に、
日本
は、一八九五年一月に
尖閣諸島
の領有を宣言しましたが、これは、無主の地の先占、持ち主のない土地を先に占有するという、
国際法
上全く正当な行為でありました。 第二に、
中国
側は
尖閣諸島
の領有権を主張していますが、その最大の問題点は、
中国
が、一八九五年から一九七〇年までの七十五年間、一度も
日本
の領有に対して異議も抗議も行っていないということにあります。 第三に、
尖閣諸島
に関する
中国
側の主張の中心点は、
日本
が日清戦争に乗じてかすめ取ったというものです。 しかし、日清戦争によって
日本
が不当に奪取したのは台湾とその附属島嶼及び澎湖列島であり、
尖閣諸島
はその中に含まれておらず、
中国
側の主張は成り立ちません。
日本
による
尖閣諸島
の領有は、日清戦争による台湾、澎湖の割譲という侵略主義、
領土
拡張主義とは性格が全く異なる、正当な行為でありました。 まず、以上の諸点について、
政府
の
見解
を問うものです。 問題は、歴代
日本政府
が、
中国
政府
に対して、
日本
の領有の正当性について、理を尽くして説いたことがただの一度もないということです。 一九七二年の日
中国
交正常化、七八年の日中平和友好条約締結の際に、
日本政府
は、
尖閣諸島
の領有問題について、事実上棚上げにするという立場をとりました。これは、だらしのない
外交
態度だったと言わなければなりません。 にもかかわらず、その後、
日本政府
は、
領土
問題は存在しないという立場だけをかたくなに繰り返してきました。そのことによって、
日本
は、
中国
に対して領有の正当性の主張もできず、
中国
の非難に対して、反論もできない、主張も反論もできないという自縄自縛に陥ってきました。そのことは、先日の
党首会談
で、
総理
も、これまで思考停止になっていたことは反省しなければならないと認めたとおりであります。 私は、
領土
問題は存在しないという立場を改め、
領土
にかかわる紛争問題が存在しているということを正面から認め、冷静で理性的な
外交交渉
によって、
日本
の領有の正当性を堂々と主張し、
解決
を図る立場に立つことを提起するものであります。この
提案
は、尖閣問題での、
外交
不在から
外交
攻勢に転じることを求めるものであります。 同時に、物理的
対応
の
強化
や軍事的
対応
論は、理性的な
解決
の道を閉ざす危険な道であり、日中双方が厳しく自制することが必要であります。冷静な
外交交渉
による
解決
に徹する必要があります。 さらに、尖閣問題で
日本
が領有の正当性を説得力を持って主張するためには、過去の侵略戦争に対する真剣な反省が不可欠です。
総理
は、日清戦争に始まる五十年戦争が、
領土
拡張を目的とした侵略戦争であったことを認めますか。それを認めてこそ、台湾、澎湖のように侵略で不当に奪取した領域と、尖閣のように正当な手続で領有した
領土
とをはっきり区別し、
日本
の領有の正当性を堂々と主張することができるということを私は強調したいのであります。 以上の諸点について、
総理
の
見解
を求めます。 最後に、こんなアメリカ言いなりの
政治
でいいのかと多くの
国民
が感じている二つの問題について
質問
します。
一つ
は、TPP参加問題です。 この問題について、
総理
は、
所信表明演説
で、守るべきものは守りながら
推進
すると言われました。 そこで、伺います。
総理
の言う、守るべきものとは何か、具体的に
答弁
されたい。 TPPは、例外なき関税撤廃を原則としており、これに参加すれば、
日本
農業は壊滅的打撃を受けます。また、非関税障壁の撤廃を原則としており、
医療
を壊し、
雇用
を壊し、食の安全を危険にさらし、
日本
の主権を丸ごとアメリカに売り渡すことになることは、既に明らかです。
日本
共産党は、TPP
交渉
参加を断念することを強く求めるものであります。 いま
一つ
は、米軍基地問題です。 米海兵隊の
オスプレイ
配備
強行と、米兵による集団女性暴行事件に対して、激しい怒りの声が噴き出しています。
沖縄
における米兵犯罪は、本土復帰以降、警察が発表しているだけでも五千七百九十件、このうち、性的暴行事件は百二十七件にも上ります。しかも、これらは氷山の一角であり、被害者が声を上げられず、泣き寝入りを強いられたケースも多数あります。 米軍基地がある限り悲惨な事件はなくならない、
沖縄
ではこうした声が高まっています。
沖縄県議会
が
全会一致
で採択した抗議
決議
には、「
県民
の我慢の限界をはるかに越え、
県民
からは米軍基地の全面撤去を求める声も出始めている」と明記されました。
全会一致
の県議会
決議
に米軍基地の全面撤去という言葉が明記されたのは、これが初めてのことであります。
総理
は、
沖縄
のこの声をどう受けとめますか。
オスプレイ
配備
にかかわって、
日米
両
政府
が、飛行は人口密集地を避けることなどの安全
対策
なるものに
合意
したにもかかわらず、それすら無視した飛行が行われていることも極めて重大であります。
沖縄
では、人口密集地、住宅地上空での飛行が常態化しています。伊江島では、重いコンクリートブロックをつり下げて集落上空を飛んでいたことが、目撃証言でわかっています。
総理
は、
日米
合意
さえ踏みにじられているという認識はありますか。米軍の横暴勝手を野放しにするつもりですか。しかとお答え願いたい。 事は
沖縄
だけの問題ではありません。七つの低空飛行訓練ルートなど、
日本
全土で
オスプレイ
の低空訓練が計画されていることに対して、全国二十六都道府県の百三十九
自治体
で、
配備
や訓練に反対する
意見書
、
決議
が可決されています。
沖縄県民
のみならず、
日本
国民
の命を危険にさらす。
総理
は、全国の
自治体
のこうした声にどう応えますか。
日米
両
政府
は、
日米
安保条約を盾に、
オスプレイ
の
配備
を押しつけようとしています。しかし、そうすればするほど、それならば
日米
安保条約をなくせという声は高まらざるを得ないでありましょう。
日本
共産党は、
オスプレイ
配備
の撤回、普天間基地の無
条件
撤去を求めます。米軍基地の全面撤去を求めるとともに、アメリカ言いなりの根源にある
日米
安保条約を廃棄して、
日米
友好条約にかえることを強く要求します。
総理
の
見解
を求めて、私の
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
内閣総
理
大臣
野田佳彦君登壇〕
野田佳彦
7
○
内閣総
理
大臣
(野田佳彦君)
日本
共産党志位議員の御
質問
にお答えいたします。 まず、国内立地補助金、グループ補助金、
医療
、介護の
負担
減免措置についてのお尋ねがございました。
復興予算
については、
被災地
の声をしっかり踏まえた上で、昨年、数度にわたり
編成
した
補正予算
等において必要な
支援
策を措置し、着実に成果も上げてきているところであります。 御指摘の
被災地
における
企業
向けの
支援
策としては、被災された
中小企業
を
支援
するグループ補助金や、
福島
県やその周辺
地域
に特化した立地補助金を合わせて五千億円程度措置することに加え、
中小企業
の資金繰り
支援
策等も措置し、活用していただいています。 特に、グループ補助金や
福島
立地補助金については、
被災地
の強い要望等を踏まえ、今般、
予備費
の使用を閣議決定し、約一千二百億円の
追加
措置を盛り込んだところであります。 こうした施策に加え、大
震災
を契機に、
産業
空洞化が
復興
の妨げになることに対する強い懸念が生じていたことから、
日本経済
の
再生
なくして
被災地
域の真の
復興
はないという
復興
基本方針
の考え方に基づき、
日本
全体のサプライチェーンの維持
強化
を通じて
被災地
の
復興
を進めていくため、国内立地補助金を措置してきたところであります。 また、
国民
健康保険、介護保険等の保険料減免、窓口
負担
免除については、
東京電力福島
第一原子力発電所事故に伴う国による避難指示等が行われた区域以外の
被災者
は、本年、
平成
二十四年十月以降は被災後の所得に応じた窓口
負担
等を
負担
していただくこととし、これまでの国による全額の財政
支援
措置は延長しないことにしました。 しかしながら、保険者の判断により、引き続き窓口
負担
等の減免措置を行うことは可能であり、減免措置による財政
負担
が著しい場合には、減免額の十分の八以内の額を財政
支援
することにしています。 続いて、
復興予算
の使途を根本から改めるべきとの御
質問
をいただきました。
復興予算
につきましては、種々の御指摘や御批判を受けていることも事実であり、
被災地
の
復興
に最優先で使ってほしいという声に真摯に耳を傾けなければなりません。
被災地
が真に必要とする
予算
はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。 その上で、御指摘を受けている
事業
への
対応
については、多くの
政党
に御尽力をいただいて成立した
復興基本法
の
改正
というよりも、
復興
増税
を含む
財源
の性格なども踏まえながら、これを使用することがふさわしい
事業
なのかなど、まずは各
事業
の内容や
必要性
を見て、個別に判断していくべきものと考えております。 また、
復興
に当たっては、暮らしや
産業
、
雇用
の
再生
が重要
課題
であり、引き続き、
住宅再建
のための
合意
形成の
推進
や
中小企業
グループ化補助金の
拡充
など、
被災地
のニーズにきめ細やかに
対応
してまいります。 続いて、
デフレ
不況下での
消費税率引き上げ
についてのお尋ねがございました。
社会保障
を持続可能なものとするためにも、
社会保障
・税
一体改革
を前に進めていかなければなりません。財政規律を守る国であることを行動で示すことが、財政に対する市場の信認を確保し、安定的な経済
成長
を
実現
する基礎になるものと考えています。 また、消費税の
引き上げ
分は全額
社会保障
財源
として
国民
に還元することとしており、転嫁
対策
などの
具体化
も進めてまいります。 他方で、
日本経済
の
再生
に道筋をつけ、
雇用
と暮らしに安心感をもたらすことは、私の
内閣
の最重要
課題
であり、
日本経済
の失速を避けるため、切れ目ない
経済対策
を講じつつ、
デフレ
からの早期脱却と
日本経済
の活性化に向けた
取り組み
を加速させてまいります。 次に、電機情報
産業
での退職勧奨等についての御
質問
をいただきました。 これまで、大
規模
な退職勧奨や解雇の動きに対しては、必要に応じて都道府県労働局が事実
関係
を確認した上で、
企業
に
雇用
の維持や再就職援助を要請し、
関係
法令や裁判例に基づく啓発指導などを
実施
しています。さらに、個別の労使紛争には、
解決
のためのあっせん等、紛争
解決
を援助しています。 もとより、
企業
は安易に
雇用
調整すべきではありませんが、
政府
としては、個別の事案に応じて離職者の受け皿確保に取り組むなど、
地域
経済、
雇用
への
影響
にも十分
配慮
し、
雇用
の維持や再就職援助に取り組んでまいります。 次に、無駄遣いの一掃及び富裕層と大
企業
に応分の
負担
を求める税制
改革
についてのお尋ねがございました。
政権交代
以降、
事業仕分け
の活用などの
取り組み
を進めてきており、今後も、無駄遣いの根絶に不断に取り組んでまいります。 消費
税率
の
引き上げ
によって
国民
全体に幅広く
負担
をお願いする中、
格差是正
の観点から、所得課税や資産課税において
税率
構造の
見直し
等を進めていかなければならないと考えており、税制抜本
改革
法附則の規定に基づき、
平成
二十五
年度
改正
においてしっかりと
検討
してまいります。 また、御指摘の、所得一億円を超えると所得税の
負担
率が下がるという点については、証券優遇税制が
原因
の
一つ
にあると考えています。これについても、税制抜本
改革
法の規定を踏まえ、
平成
二十六年一月から確実に二〇%の本則
税率
とする方針であります。 一方で、法人税の実質
負担
率が
中小企業
よりも大
企業
の方が低いとの御指摘については、二重課税回避のための措置などを大
企業
の税
負担
の減少のための措置と位置づけているのであれば、その論拠は妥当でないものと考えます。 なお、
平成
二十三
年度
改正
における
中小企業
の
軽減税率
の引き下げなど、
中小企業
には特段の
配慮
をしているところであります。 次に、経済
政策
についての御
質問
をいただきました。
日本経済
の
再生
に道筋をつけ、
雇用
と暮らしに安心感をもたらすことは、私の
内閣
が取り組むべき現下の最大の
課題
であります。 このため、フロンティアの開拓により力強い
成長
を導く
日本
再生
戦略を、
国家
戦略
会議
において
議論
を重ねた上で、この七月に閣議決定をいたしました。 また、
雇用
を守り、格差をなくし、分厚い中間層に支えられた公正な社会を取り戻すことが重要であります。 賃金等の労働
条件
については、各
企業
の労使
関係
において、経営
状況
や経済情勢等を踏まえて決定されるべきものであり、
関係
労使間において真摯な話し合いが行われることを
期待
します。 非正規
雇用
の労働者については、労働契約法、労働者派遣法の
改正
や助成金の支給などにより、
雇用
の安定や処遇の
改善
に取り組んでいるところであります。 大
企業
による
中小企業
に対する違法な行為の排除については、引き続き、独占
禁止
法や下請法の厳正な
執行
に取り組んでいきます。 こうした
取り組み
によって力強い
成長
と財政健全化を両立することが、
社会保障
制度の
持続可能性
を高めることになると考えます。 続いて、
原発
政策
についてのお尋ねがございました。
原発事故
を経験し、
国民
の多くが、
原発
に依存しない社会の
実現
を望むようになりました。一方で、その
実現
に向けたスピード感については意見が分かれています。 こうした
国民
の声を踏まえ、
原発
の再稼働については、革新的エネルギー・
環境
戦略において、二〇三〇年代に
原発
稼働ゼロを可能とするようあらゆる
政策
資源を投入する、その過程において安全性が確認された
原発
は、これを重要電源として活用することとしています。 また、再処理
事業
についても、国内外における取り決め等を踏まえ、従来の方針に従い取り組むこととしています。 大間
原発
については、既に原子炉の
設置
許可及び工事計画認可が行われており、それを前提に
事業
者が建設再開を判断したものであります。今後は、原子力規制委員会が独立の立場から安全性を確認していくことになります。 長年続けられてきた
原発
推進
政策
を変えることは、決して容易なことではありません。それでも、困難な
課題
から逃げずに、
原発
に依存しない社会の
実現
に向けて、大きく
政策
を転換し、果敢に挑戦をしてまいります。 こうした方針については、今後の
政策
の
具体化
のプロセスを含め、しっかりと閣議決定をされています。 次に、共産党の御提言についてのお尋ねがございました。 革新的エネルギー・
環境
戦略では、二〇三〇年代に
原発
稼働ゼロを可能とするよう、グリーンエネルギー拡大等に向けてあらゆる
政策
資源を投入することとしました。 この戦略は、一日も早く
原発
に依存しない社会を目指しながら、
再生可能エネルギー
の
導入
と省エネルギーの
推進
のために現実的に必要な時間を勘案し、また、その間の
国民生活
や
産業
への
負担
を可能な限り抑制するという観点を踏まえて示したものであります。 これに対して、御指摘の提言における即時
原発
ゼロについては、現実的には、十分な時間が必要ではないかと考えております。
東京電力福島
第一
原発
においては、昨年十二月、専門家による緻密な検証
作業
を経て、原子力災害
対策
本部にて、事故
対応
における
一つ
の区切りとして、冷温停止状態を達成し、ステップ2が完了したことを確認しています。 また、
政府
として、
福島
の
復興
再生
に向けて、
福島
復興
再生
特別措置法や
福島
復興
再生
基本方針
に基づき、
政府
を挙げて、各種の
取り組み
を幅広く
実施
しているところであります。
福島
復興
再生
基本方針
で掲げた、安全で安心して暮らすことのできる
生活
環境
の
実現
、
地域
経済の
再生
、
地域
社会の
再生
に向けて、引き続き、
責任
を持って取り組んでまいります。 続いて、今夏の電力需給と
電気料金
の試算、即時
原発
ゼロへの
見解
について御
質問
をいただきました。 ことしの夏の電力需給については、需要面では、家庭や
企業
の
皆様
の思い切った節電
努力
等により、事前の想定よりも需要が抑制をされたほか、供給面では、大飯
原発
の再稼働があったことや
火力発電
所等のトラブルが少なかったことなどにより、事前の想定よりも供給力が確保されるなど、需給両面における最大限の
努力
により、今夏の厳しい電力需給を乗り切ることができました。
電気料金
の試算については、本年六月に提示したエネルギー、
環境
に関する三つの選択肢について、
原発依存
度が低いシナリオになるほど
電気料金
が上昇する
傾向
が示されており、特定の試算結果のみを主張したものではありません。 一日も早く
原発
に依存しない社会を目指すという
政策
転換を
実現
するためにも、
再生可能エネルギー
の
導入
拡大を初めとするグリーン
政策
大綱を年末までに策定し、
日本
から
世界
へと広がるグリーンエネルギー革命を思い切って加速させてまいります。
再生可能エネルギー
の
導入
や省エネルギーの
推進
のためには、コストや安定性の確保など、乗り越えるべき
課題
が多くあります。 こうした
政策
転換を行うためには、現実的に必要な時間を確保するとともに、その間の
国民生活
や
産業
への
負担
を可能な限り抑制することが必要です。 したがって、即時
原発
ゼロの
政治
判断を行うべきとの御指摘でありますが、現実的には十分な時間が必要ではないかと考えております。 次に、
我が国
の
尖閣諸島
の領有権の歴史的、
国際法
上の正当性についての御
質問
をいただきました。
尖閣諸島
は、
日本政府
が再三にわたり現地調査を行い、
尖閣諸島
が、無人島であるだけではなくて、清国の支配が及んでいる痕跡がないことを慎重に確認した上で、一八九五年一月に、閣議決定により、正式に
日本
の
領土
に編入をいたしました。この行為は、先占の法理に基づくもので、
国際法
にも合致しています。 また、
中国
政府
が
尖閣諸島
に関する独自の主張を始めたのは、東シナ海に石油埋蔵の可能性があるとして
尖閣諸島
に注目が集まった一九七〇年代以降からであり、それ以前に、
中国
側は何ら異議を唱えていません。 加えて、
尖閣諸島
は、一八九五年四月に締結された下関条約第二条に基づいて
日本
が清国から割譲を受けた台湾及び澎湖諸島には含まれておらず、日清戦争に乗じて
尖閣諸島
をかすめ取ったとの
中国
側の主張は当たりません。 以上のとおり、
我が国
が
国際法
に合致した正当な方法で
尖閣諸島
を領有し、これを有効に支配しているという点は、御指摘のとおりであります。 続いて、
尖閣諸島
をめぐる
状況
への
対応
及び過去の戦争に対する認識についてお尋ねがございました。
尖閣諸島
が
日本
固有の
領土
であることは、歴史的にも
国際法
上も疑いなく、現に、
我が国
はこれを有効に支配しており、
尖閣諸島
をめぐって
解決
すべき領有権の問題は存在しません。 御指摘のように、これを
領土
問題として捉えることは、
領土
の帰属が今後の
交渉
や第三者の判断により現状と変わる可能性があることを認めることであり、
我が国
の立場とは相入れません。 ただし、
我が国
としては、
日中関係
の大局を見失うことなく冷静に
対応
していく考えであり、さまざまな形で緊密な意思疎通を行ってまいります。 また、現在の
日中関係
の厳しい局面が平和的に処理されるべきということは、言うまでもありません。 御指摘の、過去の戦争も含め歴史的な事象に関する
評価
については、専門家等により
議論
されるべきものと考えますが、いずれにせよ、
さき
の大戦に関する
政府
の認識は、
平成
七年の
内閣総
理
大臣
談話等により示されてきているとおりであります。 続いて、TPP参加問題についてのお尋ねがございました。 FTAAPの
実現
は既に内外で共有された
目標
であり、
政府
としては、高いレベルの経済連携を引き続き
推進
し、貿易・投資に関する新たなルールづくりを主導する方針です。 このため、
国益
の確保を大前提として、守るべきものは守りながら、TPPと日中韓FTA、東アジア
地域
包括的経済連携(RCEP)を同時並行的に
推進
します。 TPPについては、
関係
国との
協議
を通じ、情報収集に努め、十分な
国民
的な
議論
を経た上で、あくまで
国益
の視点に立って結論を得ていくことにしています。 私は、昨年十一月の記者会見において、
世界
に誇る
日本
の
医療
制度、
日本
の伝統文化、美しい農村、そうしたものは断固として守り抜く旨述べました。 いずれにせよ、仮にTPP協定
交渉
に参加する場合には、守るべきものは守り抜き、そして、かち取るものはかち取るべく、
国益
を最大限に
実現
するために
全力
を尽くします。 次に、
沖縄県議会
の抗議
決議
についてのお尋ねがございました。 先般
沖縄
で発生した許しがたい事件は、決してあってはならない極めて遺憾なものであり、米側も夜間外出
禁止
等の措置を講じていますが、
政府
としては、引き続き、この種の事件を根絶すべく、綱紀粛正と再発防止について米側に強く申し入れてまいります。 また、国土面積の〇・六%しかない
沖縄
県内に全国の約七四%の在
日米
軍専用施設・区域が集中しており、
沖縄
の
基地負担
を少しでも
軽減
することが、
政府
として最優先で取り組むべき
課題
であると認識をしています。
政府
としては、
沖縄県議会
の抗議
決議
を重く受けとめながら、今後とも、事件、事故の再発防止はもちろん、普天間飛行場の移設を初めとする
沖縄
の
基地負担
の
軽減
に向け、
全力
で取り組んでまいります。
オスプレイ
の運用に関する
日米
合意
、及び地元の懸念にどう応えるかについてのお尋ねがございました。
オスプレイ
の運用に際しては、安全性はもとより、
地域
住民の
皆様
の
生活
への最大限の
配慮
が大前提であります。 そのために、米国は、
オスプレイ
に関する合同委員会
合意
を遵守し、安全性等に最大限
配慮
していると認識していますが、
政府
としても、この
合意
が遵守されるようフォローしていく考えであり、今後も引き続き、米側との間で必要な
協議
を行ってまいります。 また、
オスプレイ
の訓練等について、本土を含む地元
自治体
の
皆様
に御懸念、御不安があることは十分認識しております。 これまでも
政府
全体としてさまざまな
努力
をしてきたところですが、今後とも、地元の
皆様
の声に真摯に耳を傾けつつ、
オスプレイ
の運用について御
理解
がいただけるよう、丁寧に御説明をしてまいります。 最後に、
オスプレイ
配備
及び普天間飛行場を含む
日米
安保体制について御
質問
をいただきました。
我が国
周辺
地域
の
安全保障
環境
は厳しさを増しています。こうした中、
日米
安保条約のもと、米軍の前方展開を確保し、その抑止力をもって
日本
の安全を確保していくことが最も現実的かつ適切と考えています。 また、
オスプレイ
は米海兵隊の
能力
の中核を担うすぐれた装備であり、その
日本
への
配備
は、
我が国
の
安全保障
にとって大変大きな意味があります。 同時に、先ほど申し上げたとおり、その運用に際しては、最大限の安全性を確保し、地元に与える
影響
を最小限にとどめる観点から、
日米
間の
合意
が遵守されるようフォローしてまいります。 普天間飛行場については、その固定化は絶対に避けなければならず、
政府
として、一日も早い移設、返還の
実現
に向け、
全力
で取り組んでまいる所存でございます。(
拍手
) 〔
議長
退席、副
議長
着席〕
—————————————
衛藤征士郎
8
○副
議長
(衛藤征士郎君) 阿部知子君。 〔阿部知子君登壇〕
阿部知子
9
○阿部知子君 社会
民主党
・市民連合を
代表
して、
野田内閣
総理
大臣
所信表明演説
に対し、
質問
をいたします。(
拍手
) まず、冒頭に指摘をいたしますが、十月二十九日の
所信
、さらに各党
質疑
への御
答弁
を拝聴しながら、現下の社会経済情勢に対する
野田総理
の危機感の乏しさ、加えて、
政権交代
後三年を経た初心の後退、さらには、進むべき方向性への具体策のなさ等を感じたのは、私のみではないと思います。二十回以上繰り返されたあすへの
責任
も、むなしく響きます。 昨年三月十一日の
東日本大震災
から数えて二度目の冬を迎えようとする今日、
復興
のためと称して打たれた数々の経済
政策
は早くもその
効果
が薄れ、月例経済報告もこの三カ月間連続で弱含み、生産や
雇用
にも陰りが見えています。
世界経済
という外的
要因
のみならず、
日中関係
の
悪化
という
政治
リスクの中で、対中貿易の落ち込みや観光分野に与える
影響
も極めて大きな懸念材料です。 このような
状況
下で、
総理
は、なぜ、もっと胸襟を開いて、早急に大胆な
補正予算
を組むことの
必要性
と協力を
野党
に呼びかけないのでしょうか。
総理
の
見解
を伺います。
さき
に決定された
予備費
等を用いた四千二百二十六億円の
経済対策
は、誰が考えても余りにも場当たり的で、かつ、本格的な
経済対策
が先送りされることによって、戦略性の乏しいものになっています。おまけに、二〇一四年四月に消費税
増税
が予定されるとあれば、
中小企業
の皆さんは、身をすくめるような思いで先行きに不安を持っておられます。 二カ月連続で日銀の金融緩和が行われても、
実体経済
を立て直す
産業
政策
、
経済対策
が伴わなければ、その
効果
もありません。 今こそ、
政権交代
の当初に構想した
国家
戦略室の機能を十分に発揮させて、まず、私ども社民党からも強く主張した、低炭素社会の
実現
と
再生可能エネルギー
の普及に
全力
を挙げて取り組むべきだと考えます。これまで歴代六人の
大臣
が
国家
戦略を担当されましたが、そうした力強いメッセージが
実現
されることは、今日までありませんでした。 ちなみに、省エネを初めとする低炭素社会の
実現
や
再生可能エネルギー
の普及は、家庭やオフィス、そして
産業
界を含めた
国民
各層の参加のもとに、すぐれて地方分散型のエネルギー・
産業
構造への転換を可能とするものであり、
地域
活性化と
雇用
にも直結するものと考えます。
総理
に、実効性のある
取り組み
についてお尋ねをいたします。 次に、冒頭で指摘いたしました初心の後退、すなわち、
野田総理
が述べられた、
雇用
を守り、格差をなくし、分厚い中間層に支えられた公正な社会への道筋がどうなったのかを伺います。 確かに、
政権交代
以降、リーマン・ショックで五・四%まで上昇していた完全失業率は、
景気
の持ち直しに伴い、つい最近まで低下
傾向
を示しておりました。しかし、そうした中にあっても、いわゆる非正規労働者の比率は上昇する一方であり、去る十月三十日に発表された労働力調査によれば、この種のデータがとられた
平成
十四年以降、男女ともに最も高い非正規
雇用
率となっています。
平成
二十三年、男女計では三五・一%を非正規労働者が占め、男性では一九・九%、そして女性では何と五四・四%と、働く女性の二人に一人以上が非正規であるという現実です。 労働力人口が減少する中で、女性たちの就労は、社会にとっても、また一人一人の女性にとっても極めて重要な人生の支えであるにもかかわらず、低い賃金かつ不安定な身分に置かれているということを、
総理
は一体どうお考えでしょうか。
政権交代
の当初に連立三党の共通
政策
として掲げた労働者派遣
法改正
はもちろんのこと、労働契約法の
改正
も抜本的とはほど遠いものとなっており、このままでは、不安定就労が生涯にわたる格差を生み続けることは必定です。
野田総理
が
政治
生命をかけると言って民自公の三
党合意
のもとに成立させた消費税
増税
法は、果たして、社会の安心や活力を生むことにつながるでしょうか。
消費増税
が、低
所得者
層や
中小企業
に与える重い
負担
はもちろんのこと、子育て世代も含めた年収三百万円から八百万円の幅広い世帯であっても、社会保険料
負担
の増大とも相まって
生活
を圧迫することは、各種調査の指摘するところであります。
景気
低迷、家計の収入減の続く中での
消費増税
によって、
総理
の言うところの、まさに分厚い中間層が崩壊しかねないわけですが、
総理
は、このことをどうお考えですか。
政権交代
後の出来事の中で、三月十一日の
東日本大震災
とそれに続く
東京電力福島
第一
原発事故
への
対応
は、
政権
として最優先の
課題
であったと思います。そのおのおのに、
政府
はどう取り組んだでしょうか。
東日本大震災
からの
復興
のために、二〇一一
年度
、一二
年度
予算
で組まれた十七・五兆円の
予算
の中に、その使途が必ずしも
被災地
の復旧や
復興
を第一に考えたとは到底思われない
事業
が多数指摘されました。 中でも、二千九百五十億円に上る国内立地
推進
事業
費補助金は、その大半が、
被災地
以外の全国の
企業
に対して、サプライチェーンを支えるという名目で支出され、一方で、
被災地
での
中小企業
等グループ補助金は、五度にわたる公募を
実施
し、
被災地
からの要望が高いにもかかわらず、なかなか採択されないという
事態
が起こっております。 これは、全国展開の資金力もある大
企業
よりも、
被災地
に密着して
復旧復興
の核となる
企業
の
支援
を優先すべきであるという、
国民
の思いにも反しております。
復興
の
基本方針
が
日本経済
の
再生
なくして
被災地
域の真の
復興
はないとしていることが、こうした歯どめのない全国補助を可能にしたわけですが、
総理
は、そもそも、
復興
構想
会議
等でうたわれた
復興
の基本理念をどうお考えなのでしょうか。 かつて、大正十二年に十万人以上の死者を出した関東大
震災
直後に約一万三百世帯の
被災者
からの聞き取り調査を行った経済学者の福田徳三は、その著書「
復興
経済の原理及若干問題」の中で、人間の
復興
という概念を繰り返し提唱し、それを
具体化
するものとして、
生活
本拠地である住宅の確保と、生を営む権利としての失業の防止を強く打ち出したと言われます。 住居や仕事の見通しもなく苦しむ
被災者
の現実より重いものはなく、まず、その
方々
にこそ
支援
が届けられるべきであります。 経済
産業
省としてもこうした
被災地
の
中小企業
や商店の実情を聞く
作業
を改めて行うことを
提案
いたしますが、枝野
産業
経済担当
大臣
はいかがお考えですか。 今回の
東京電力福島
第一
原発事故
を経験して、多くの
国民
は、
原発事故
の被害は事故後も長きにわたって続き、また、放射能に占領された故郷には帰ることもかなわないという現実を知りました。
野田政権
は昨年十二月十六日に事故収束宣言を出しましたが、それはせいぜい
原発
サイト内に限られたものであり、拡散した放射能は今も川や湖、海、大地、大気を汚し続け、健康被害の懸念も絶えません。 原子力の安全規制をつかさどるとして去る九月十九日に発足した原子力規制委員会の委員は、今もって
国会
同意人事を経ておらず、
総理
が
国会
閉会中に任命したのみという変則的な
状況
にあります。 その原子力規制委員会は、十月二十六日に、十六ある
原発
サイトで
福島
並みの事故が起きた場合の放射能の拡散予測を公表いたしましたが、今般決定された原子力災害
対策
指針で緊急時防護区域(UPZ)とされる三十キロメートル圏を超える放射能の拡散があり得ることを多くの箇所で示しました。 そのデータに一部誤りがあったとして周辺
自治体
からは
不信
の声が上がっておりますが、今後策定されることになる事故発生時の避難
対策
をも含む
地域
防災
計画は、果たして、事故後に、再びふるさとに、居住地に戻れない
事態
をも想定したものになるのでしょうか。長浜原子力
防災
担当
大臣
に
見解
を伺います。 さらに、
さき
に建設工事が再開された青森県大間
原発
にあっては、
東京電力福島
第一
原発事故
以前の
設置
基準に基づくものですから、事故を踏まえて再考されるべきと考えます。 大間
原発
には、あわせて活断層の指摘もあり、また、津軽海峡を隔てて函館市まではわずか二十三キロメートルの距離で、その間、何も遮るものがありません。
世界
に前例のないフルMOXの原子炉ということで、プルトニウム飛散の可能性も含めて、極めて危険性が高いと考えますが、バックフィットの適用も踏まえての枝野経済
産業
担当
大臣
のお考えを伺います。 大飯
原発
の再稼働判断も、いわば暫定
安全基準
に基づくものです。活断層の再調査も近く行われますが、みずからの
責任
で再稼働を判断された
野田総理
は、これをまず停止させるべきではありませんか。 今後の
原発
の再稼働も新規立地も、全て原子力規制委員会の安全
評価
の上に成り立つという昨日の御
答弁
でしたが、一方で、原子力規制委員会は最終判断には関与しないということも表明しておられます。 一体、誰が最後に
国民
に対しての
責任
をとるのでしょうか。
総理
の認識を明確にしてください。 あわせて、
総理
は、繰り返し現実的な
原発
ゼロへの道に言及されましたが、その一方で、
原発
輸出
に関しては、今回の
復興予算
の中にちゃっかりとベトナムでの
事業
化可能性調査に五億円を計上しております。到底、
復興
と
関係
あるものとも思われません。 また、自国では事故が起こって
原発
を卒業するということを表明しているのに他国には
輸出
するという矛盾を、
総理
はどうお考えですか。 冒頭で指摘したように、今、
我が国
は、
尖閣諸島
をめぐる
中国
との確執によって、経済までも冷え込む
事態
となっています。韓国との竹島問題、ロシアとの北方
領土
問題においても緊張
関係
が生まれています。
日本
の直面するこうした問題について、米国の歴史家であるジョン・ダワー氏は、一昨日の朝日新聞に掲載されたインタビューの中で、全ては一九五一年のサンフランシスコ講和条約の中で取り残された
課題
であり、その後のアメリカの
政策
との
関係
であるという指摘をされていますが、これはまことに的を射ていると思います。 東アジアの中に位置する
我が国
が、同時に
日米
関係
を見据えながら、今後どのように行動していくのか。いたずらに
中国
との対立をあおるのではない、粘り強い働きかけも必要になります。
総理
はいかにお考えか、お伺いいたします。 また、そうした意味では、
総理
が熱心に進められる通商
交渉
も、平和
構築
の大きな手段ではあると思います。ただし、現在、日中韓FTA
交渉
は、冷え込んだ
外交
関係
ゆえ、なかなか進展を見せておりません。 その一方で、TPP、環太平洋パートナーシップには、国内からも強く懸念の声が上がり、十分な情報開示も、
国民
的
議論
もありません。こうした
状況
下でTPP協定
交渉
への参加表明をされることはよもやないと思いますが、
総理
、いかがですか。
日米
関係
にあっても、
沖縄
の普天間基地の移設問題が
解決
せぬまま、
沖縄県民
が強く反対する
オスプレイ
配備
の強行や米兵により繰り返される性的暴行事件によって、
沖縄
の怒りは今や極限に達しています。 単に一時的な、米兵の夜間外出を禁ずるだけでなく、まず、早急に
日米
地位協定の改定に着手し、犯罪に対しての具体的かつ実効性のある再発防止策を確実にすべきです。玄葉外務
大臣
のお考えを伺います。 最後に、
野田総理
が
消費増税
法案の成立を図ろうとしたときから、既にその選択は主権者である
国民
に委ねられるべきでありました。その後に発覚した
復興予算
の不適切な
執行
状況
も、この間の
民主党政権
の空洞化した
政治
の帰結だと思います。 一日も早い
衆議院
解散・総
選挙
こそが
政治
に対する
国民
の信頼を取り戻す唯一の方策であることを申し述べ、私の
質問
といたします。(
拍手
) 〔
内閣総
理
大臣
野田佳彦君登壇〕
野田佳彦
10
○
内閣総
理
大臣
(野田佳彦君) 社民党の阿部議員の御
質問
にお答えをしてまいります。 まず最初に、
補正予算
と
経済対策
についてのお尋ねがございました。 十月二十六日に閣議決定した
予備費
の使用については、現下の経済情勢を踏まえ、切れ目のない
政策
対応
を行うため、
経済対策
の第一弾として緊要性の高い施策を措置したものでありますが、引き続き、遅くとも今月中をめどに
経済対策
を決定することとしています。
補正予算
の
編成
については、
特例公債法案
の審議
状況
や
経済対策
の内容を踏まえた上で、その時期や内容について
検討
してまいりますが、
デフレ
からの早期脱却と経済活性化に向け、
特例公債法案
を含む
我が国
の諸
課題
について、与
野党
間で胸襟を開いて
議論
を進めていただきたいと考えております。 次に、低炭素社会の
実現
と
再生可能エネルギー
の普及についてのお尋ねがございました。 徹底した省
エネルギー社会
の
実現
と
再生可能エネルギー
の
導入
拡大は、グリーンエネルギー革命の柱であり、あらゆる
政策
資源を投入して取り組んでまいります。 この
取り組み
の中で、家庭や
地域
が、受け身でエネルギーを消費する立場から転換し、省エネルギーの担い手となり、さらに、
地域
の分散型発電所になっていくことが重要です。 このため、電力消費の見える化やピーク時の消費コントロールなどを通じた省エネルギーを
地域
で行う
仕組み
の確立や、家庭の太陽光発電や燃料電池の
導入
促進、固定
価格
買い取り制度の着実な運用などを
実行
してまいります。 これらは、低炭素社会の
実現
に寄与するだけでなく、新しいビジネスや
雇用
の創出を通じた
地域
活性化にも大きく寄与するものと考えており、年末までに策定するグリーン
政策
大綱においてこうした
政策
を取りまとめ、グリーンエネルギー革命を加速させてまいる所存であります。 続いて、分厚い中間層に関して、
雇用
についての御
質問
がございました。 分厚い中間層を復活させるためには、女性、高齢者、若者、障害者、全てを念頭に全員参加型社会を目指すとともに、ディーセントワークを
実現
しなければなりません。
さき
の
国会
では、労働者派遣法、労働契約法等を
改正
し、働く人を一層元気にする
仕組み
ができつつあります。 今後とも、女性の活躍促進による経済活性化を図るため、働く「なでしこ」大作戦を
実施
するとともに、労働者派遣法については、必要な
検討
を進めてまいります。 また、非正規
雇用
で働く労働者の
雇用
の安定や処遇の
改善
に向けて、望ましい働き方ビジョンを踏まえて取り組んでまいります。 次は、
一体改革
の意義と分厚い中間層についてのお尋ねがございました。 消費
税率
の
引き上げ
は、その
負担
の面だけを取り出して見るべきではありません。 今回の
改革
では、
引き上げ
分が全額
社会保障
財源
として
国民
に還元されること、
社会保障
の所得再分配により低
所得者
には
負担
を上回る受益があることをあわせて考える必要があります。 また、
一体改革
は、
社会保障
の
充実
、
安定化
を図るものであり、貧困、格差の解消を図るためのきめ細やかな施策を講ずることとしています。 あわせて、消費
税率
の
引き上げ
に伴う低
所得者対策
の
具体化
も
検討
してまいります。 分厚い中間層に支えられた公正な社会を取り戻すため、必要な人に必要なサービス、給付が適切に行われ、
社会保障
制度を持続可能なものとするための
一体改革
を前に進めてまいる決意でございます。 次に、
復興
の基本理念に関する御
質問
をいただきました。
政府
としては、多くの
政党
の御尽力によって成立した
復興基本法
に定める基本理念、そして
復興
構想
会議
による提言を踏まえ、
復興
の全体像を明らかにする
復興
の
基本方針
を決定し、これに従って
復興
施策を進めてまいりました。 御指摘の
中小企業
等グループ補助金については、
被災地
の
方々
からの要望に対してきめ細かく
支援
や協力を行ってきたところですが、今般、共同
事業
の熟度が高まった案件が増してきたことから、
予備費
による増額も決めたところであります。 ただし、個別の
事業
については、種々の御指摘、御批判を受けていることも事実であり、
被災地
の
復興
に最優先で使ってほしいという声に真摯に耳を傾けていかなければなりません。
被災地
が真に必要とする
予算
はしっかりと手当てしつつ、それ以外については厳しく絞り込んでまいります。 続いて、
原発
再稼働の判断についてのお尋ねがございました。 大飯
原発
三、四号機の再起動に当たっては、安全性の確認を大前提として、今回の事故のような地震、津波に襲われても炉心損傷に至らない十分な安全性が確保されていることを確認いたしました。 今般設立された原子力規制委員会は、原子力利用の
推進
と規制を分離し、専門的な知見に基づき、中立公正な立場から原子力安全規制に関する職務を担うものであり、大飯
原発
も含め、
原発
の安全性については、同委員会が独立した立場から
評価
を行い、必要な判断を行うものと考えています。 その上で、
原発
の再稼働や新増設を含むエネルギー
政策
上の判断については、革新的エネルギー・
環境
戦略において、安全性が確認された
原発
は、これを重要電源として活用することを決定しています。
政府
としては、革新的エネルギー・
環境
戦略の決定方針について、しっかりと
責任
を果たしてまいりたいと思います。 次に、国際的な原子力協力についてのお尋ねがございました。 昨年の
原発事故
を踏まえ、事故の経験と教訓を
世界
と共有することが重要であり、これにより国際的な原子力安全の向上に貢献していくことは、
我が国
が果たすべき責務と考えます。 この観点から、諸
外国
が希望する場合には、相手国の事情などを見きわめながら、高い水準の安全性を有する
技術
を提供し、原子力協力を行っていくことには、基本的な意義があるものと考えます。 御指摘のベトナムにおける
事業
化調査についても、そのような原子力協力の一環として
実施
するものであります。 なお、
我が国
が原子力協力を進めるに当たっては、相手国の事情等を踏まえて、それぞれのケースに応じて判断をしており、無制限に
原発
輸出
を進めているわけではありません。 次に、東アジアにおける
我が国
の
外交
姿勢についてのお尋ねがございました。 東アジアの
安全保障
環境
は厳しさを増しており、
領土
や主権をめぐるさまざまな出来事も生じています。
我が国
の主権にかかわる問題については、
国際法
にのっとって、不退転の決意でしっかりと
対応
します。 同時に、
我が国
は、大局観を持って、
中国
、韓国、ロシアを初めとする周辺諸国と安定した信頼
関係
を取り結んでいくべきと考えます。 また、
我が国
外交
の基軸となるのは
日米
同盟であり、その一層の深化、発展に努めながら、周辺諸国との互恵
関係
のさらなる
充実
に取り組んでまいります。 特に、御指摘の
中国
との
関係
は、
我が国
にとって最も重要な二国間
関係
の
一つ
です。尖閣をめぐる
事態
が、
日中関係
の大局、ひいてはアジア太平洋
地域
の安定に
影響
を及ぼすことは望んでおらず、そのような
状況
とならないよう、
中国
とは引き続きさまざまな形で意思疎通を維持
強化
しながら、冷静に
対応
していく考えであります。 次に、日中韓FTAやTPPへの参加についての御
質問
をいただきました。 FTAAPの
実現
は既に内外で共有された
目標
であり、
政府
としては、高いレベルの経済連携を引き続き
推進
し、貿易・投資に関する新たなルールづくりを主導する方針です。 このため、
国益
の確保を大前提として、守るべきものは守りながら、TPPと日中韓FTA、東アジア
地域
包括的経済連携(RCEP)を同時並行的に
推進
します。 日中韓FTAについては、本年五月の日中韓サミットにおいて、年内に
交渉
を開始することで一致し、九月に実務的な
協議
を終えたところであります。 TPPについては、
関係
国との
協議
を通じ、情報収集に努め、十分な
国民
的な
議論
を経た上で、あくまで
国益
の視点に立って結論を得ていくこととしています。
我が国
のTPP
交渉
への参加については、
我が国
国内における
議論
や
関係
国との
協議
が煮詰まっていく段階で判断をしてまいります。 残余の
質問
については、
関係
大臣
から
答弁
をさせます。(
拍手
) 〔
国務大臣
玄葉光一郎君登壇〕
玄葉光一郎
11
○
国務大臣
(玄葉光一郎君) 私には、
日米
地位協定についてのお尋ねがございました。 先月、
沖縄
におきまして発生した悪質で卑劣な事件、これは絶対に許せるものではございません。 単なる再発防止あるいは綱紀粛正、こういった言葉を繰り返すのではなくて、実効性の担保を伴った防止策がとられるように、
日本
側としても具体的な申し入れをしているところでございます。
日米
地位協定につきましては、昨年末、その根幹をなす刑事分野におきまして、二つの
改善
措置に
合意
をしたところでございます。 米国と他国との間の地位協定と比較をしても、刑事分野で接受国の側に
配慮
した内容になっていると考えておりますが、さらに、事件、事故、騒音、
環境
、こういった問題について、引き続き、具体的に
一つ
一つ
の問題を
解決
すべく、
改善
を積み重ねていく考えであります。 その上で、
日米
地位協定について、今後とも、
日米
同盟をさらに深化させるよう努めていく中で、普天間飛行場の移設問題、在
沖縄
米海兵隊の移転など、他の喫緊の
課題
の進展を踏まえつつ、その
対応
について
検討
していきたいと考えております。 以上です。(
拍手
) 〔
国務大臣
枝野幸男君登壇〕
枝野幸男
12
○
国務大臣
(枝野幸男君) 阿部さんから、私には二問いただきました。 まず、被災
中小企業
の実情等をしっかり聞くようにという御指摘でございます。 御指摘のとおり、
被災地
の
中小企業
を
支援
する
政策
を講じていくに当たっては、そうした
企業
の
方々
の生声をしっかりと聞いて、実情や実態を踏まえることが基本であると考えます。 例えば、
被災地
から強いニーズのある
中小企業
等グループ補助金については、職員が
被災地
に赴き、地元の
中小企業
や商店の声などを聞きながら、制度の
趣旨
に照らして熟度の高い
事業
となるよう、県と協力して
支援
、協力を行ってきているところでございますが、御指摘を踏まえ、さらに、
被災地
の声やニーズを十分に把握して、被災
中小企業
の
復旧復興
に資するよう
努力
をしてまいりたいというふうに思っております。 次に、大間
原発
に関する
質問
をいただきました。 御指摘いただいた原子力発電所の安全性については、東京電力
原発事故
の反省を踏まえ、原子力規制委員会が、その権限において、独立の立場から安全性を確認していくことになりました。 このため、原子力規制委員会の判断に予断を与えるようなことがあってはならず、安全性に関連する問題については、私の立場から申し上げるべきではないと思っております。 大間
原発
については、既に原子炉の
設置
許可及び工事計画認可が行われており、それを前提に
事業
者が建設再開を判断したものであると承知をしています。 仮に完成をした場合の安全性の判断、そして、これらの許認可に関する権限などについては、今の
趣旨
のように、原子力規制委員会に属するものであり、同委員会において独立して判断されるものと認識をしております。(
拍手
) 〔
国務大臣
長浜博行君登壇〕
長浜博行
13
○
国務大臣
(長浜博行君) 私には、
地域
防災
計画についての御
質問
をいただきました。
地域
防災
計画の作成に当たっては、その作成に必要な
技術
的事項を原子力規制委員会が定めた原子力災害
対策
指針に基づくことが必要でございます。 この指針は、今般の
東京電力福島
第一原子力発電所の事故の教訓を踏まえて、これと同様の事故が起きた場合に備えた
防災
対策
を講ずることを想定したものでございます。 したがいまして、今後各
自治体
で策定される
地域
防災
計画は、今般の
福島
事故と同様の事故が起きたとしても住民の安全を確保できることが必要と考えており、住民が帰還できるよう、発災後の
除染
や復旧計画についても考慮したものでなければならない、このように承知をしております。(
拍手
)
—————————————
衛藤征士郎
14
○副
議長
(衛藤征士郎君) 渡辺喜美君。 〔渡辺喜美君登壇〕
渡辺喜美
15
○渡辺喜美君 みんなの党渡辺喜美であります。(
拍手
)
国家
の本来業務は、
国民
の生命、自由、財産を守ること。この任務をおろそかにして、官僚統制、中央集権を続けていると、
日本
の衰退はとまりません。経済危機が迫っているとき、マクロ経済
政策
を財務官僚、日銀官僚に丸投げをしてきたツケが顕著になってきています。
日本経済
の先行きについて、昨日の
答弁
を聞くと、
総理
の認識は大甘です。
政府
、日銀が「
デフレ脱却
に向けた取組について」という
共同文書
を発表しましたが、これは、
政府
、日銀の
政策
協定として義務づけたものなのでしょうか。それとも、単なる現状の
理解
、決意を示したものなんでしょうか。 日銀の展望レポートでは、一四
年度
の物価上昇率見通しが〇・八%で、一%のめどを達成するどころか、逆に遠ざかっております。
共同文書
は、これまでの日銀の
政策
に間違いはなく、現状路線を続けるというメッセージです。
総理
は、
デフレ
の
原因
をどうお考えになっているんでしょう。
政府
、日銀が一体的な行動にならず、
デフレ
状態が続くのは、日銀法に問題があるからです。 日銀法を
改正
して、
雇用
の安定や物価
目標
を加え、日銀の
責任
も明確にすべきではありませんか。
政府
は、日銀の親会社的存在であるにもかかわらず、日銀に
期待
、要請するばかりで、ガバナンスがきいていないんです。
政府
が
目標
を日銀に示し、その
目標
達成に関する義務違反があれば、日銀総裁を解任できるようにすべきであります。 曖昧な
共同文書
を出すことで、かえって、
政府
側から日銀
法改正
をしないという宣言になっていませんか。
景気後退
が顕著になってきている今、
予備費
で
経済対策
というのは本末転倒ですよ。本気で
デフレ脱却
に取り組むなら、しっかりと
補正予算
を
編成
し、大胆なマクロ
政策
、財政金融一体
政策
を打ち出すべきであります。 なぜ
補正予算
の
編成
を先送りしたんですか。財務省が拒んだんですか。
総理
の言うグリーンエネルギー革命、
再生医療
の
推進
、農林漁業の六次
産業
化は、いずれも自公
政権
の時代から、
成長
戦略の重点分野として示し続けてきたテーマであります。 潜在的に
成長
の可能性が高いのに、いまだ
成長
のエンジンになり切れていないのはなぜか。この分野の制度や規制に問題があり、がんじがらめの既得権構造があるからではありませんか。 電力、
医療
、農林漁業などの分野について、既得権構造にまで踏み込んだ制度、規制の抜本
改革
に取り組む
覚悟
はありますか。
覚悟
なくして、
成長
エンジンとすることなど、夢のまた夢であります。 みんなの党は、
特例公債法案
にやみくもに反対しているわけではありません。まず減額補正をやるべきです。 例えば、国債費の定率繰り入れ分十兆円を減額すれば、赤字国債三十八兆円を二十八兆円まで減額できます。なぜしないんですか。 また、本
年度
予算
総則で規定されているように、一時的な資金繰りは、二十兆円を限度に短期国債も発行できるというのが
国会
の議決であります。 それにもかかわらず、
政府
は、閣議決定で、
国会
が認めたつなぎ国債二十兆円を出せないようにしてしまいました。なぜ、経済危機が迫っているときに、みずからの手足を縛るんですか。
総理
、そもそも、
国会
が決めたルールを行
政府
が都合よく解釈し、覆すことを、変だと思いませんか。 しきりに、特例公債法が成立しないと十一月末には
財源
が枯渇する、
国民生活
や
地域
に
影響
を及ぼし大
混乱
が起きるなどとあおっている。もはや自己
実現
的予言というもので、ハルマゲドンが来るぞと言って自作自演をするのと同じですよ。 不毛な党派対立とは、財務省の敷いたレールの上で、民自公のチキンレースが展開をされていることです。
政府
として、財務省の解釈を改め、資金繰り債二十兆円を発行して、当面、しのげばいいじゃありませんか。そうした
政治
決断
こそが、
政治主導
というものじゃないんですか。
原発事故
との戦いは続いています。
福島
第一
原発
の事故の収束は、
日本
の国際的な信頼性をかけた重要な
安全保障
問題でもあります。
国家
の本来業務は、
国民
の生命、自由、財産を守ること。
総理
は、昨年暮れ、冷温停止を宣言しました。しかし、それ以降もたびたび使用済み核燃料プールや圧力容器の温度は上昇し、原子力緊急
事態
宣言もいまだ発令中であります。 冷温停止宣言は今でも正しかったと、自信を持って言えますか。
原発
の事故収束プログラムを管理するためにも、
政府
は、国内外のさまざまな専門家を集め、
政府
から独立した調査チームを早急に立ち上げるべきですが、いかがでしょう。 規制当局と東京電力との力の逆転
関係
をつくらないためにも、独立の調査チームからセカンドオピニオンをとっておくべきであります。 二年から三年の間に
福島
沖近辺で震度七程度の地震が起きる可能性も指摘されています。そのとき、四号機のプールが破損する心配があるんです。再び、より大きな放射性物質の放出が生じて、東京を含む広大なエリアが汚染される可能性も指摘されています。 東京電力の言うように、本当に二年以内に四号機から千五百本もの核燃料の取り出しができるんですか。その根拠についても明らかにしていただきたい。 また、大
規模
災害に直面したとき、どのような
対策
を講ずるかについて、用意ができているんでしょうか。 チェルノブイリ
原発事故
の収束では、軍人が多数駆り出されました。旧ソ連では、事故収束は軍隊以外が行うのは不可能だったからであります。
日本
では、東京電力を破綻処理もせず、このまま東京電力に任せていたのでは、再び重大な問題につながりかねません。
国家
の存亡にかかわることだけに、国として前面に立ち、自衛隊を投入することも含め、国の
責任
で確実に収束を
実現
すべきではないでしょうか。 みんなの党は、昨年、子どもと妊婦を放射能被害から守る法案を取りまとめ、各党に呼びかけ、参議院に全会派一致で提出、今年六月に子ども・
被災者
支援
法が成立をいたしました。同法には、はっきりと、原子力災害から
国民
の生命、身体及び財産を保護すべき国の
責任
が明記されています。 しかし、現状は、広域にわたって放射能による健康被害の可能性があるのに、被害者の健康調査は
福島
県のみに任せっ切り。
原発事故
の初期に放出された大量の沃素により、今後三年、五年、十五年の間に小児甲状腺がんの問題が生じる可能性も指摘されているのです。 なぜ国が
責任
を持って
国民
の健康管理をしないのですか。
日本
の原子力災害の被害
対策
を根本的に見直す観点から、子ども・
被災者
支援
法の
基本方針
をつくろうではありませんか。
原発事故
から一年半を過ぎた今、
政府
の務めは、汚染によって自分の家や土地から引き離された無辜の市民に対して、最優先でその資産価値を保障することではありませんか。 みんなの党は、汚染
地域
の資産を借り上げ、買い上げて、自然エネルギーの生産拠点や
除染
の実験施設等に活用する法案を
国会
に提出しています。 帰れない
地域
の
方々
に、みんなの党は選択わざを
提案
いたします。
除染
を待って帰るか、移転して新
生活
を始めるか、選択できる経済的
条件
を保障する
仕組み
を直ちにつくる考えは
総理
にありますか。 高濃度の放射性セシウムを含む指定廃棄物最終処理場の建設に当たり、国が突然かつ一方的に
候補地
を決めたことに、栃木県矢板市と茨城県高萩市が猛反発をしています。一連の
候補地
選定
作業
は、
決断
する
政治
を履き違えた、上意下達、住民不在そのものです。このままでは、処分場建設が進まない上、他県での
候補地
提示も一層困難になることは間違いありません。 既に行った
候補地
提示を白紙撤回し、地方
自治体
や住民の意向を十分に踏まえた選定手順に改めるべきと考えますが、いかがですか。 みんなの党は、電力
再生
アジェンダを
提案
します。 徹底した電力自由化、発送電分離により、消費者が電源、電力会社を選べる抜本
改革
を行えば、新たな
成長
産業
が生まれます。高くて危険な電源である
原発
を選ぶ人はいなくなります。
地域
独占電力会社の
原発
は、官僚統制、中央集権システムのゆがみの象徴です。一九四〇年につくられた
国家
統制の電力供給体制を転換すれば、
原発
を自然淘汰し、ゼロにすることが可能になります。
総理
は、
原発
をゼロにするのかしないのか、どっちですか。 みんなの党は、
原発
ゼロで成り立つ経済に確かな回答を持っています。
原発
でやられた
日本
を、電力自由化で元気にしていきましょう。 以上、
質問
を終わります。(
拍手
) 〔
内閣総
理
大臣
野田佳彦君登壇〕
野田佳彦
16
○
内閣総
理
大臣
(野田佳彦君) みんなの党渡辺議員の御
質問
にお答えいたします。 最初に、
政府
、日銀の
共同文書
と、
デフレ
の
原因
についてお尋ねがございました。
デフレ
の
原因
としては、需要が供給
能力
を下回る需給ギャップの存在、
企業
や消費者の
成長
期待
の低下、
デフレ
予想の固定化があると考えています。
デフレ
からの早期脱却は、
政府
によるマクロ経済
政策
及び構造
改革
と、日銀による
金融政策
が相まって
実現
されるものであります。 一昨日、
政府
と日銀が共同して表明、発表した「
デフレ脱却
に向けた取組について」は、
デフレ
からの早期脱却を
政府
、日銀の共通の
課題
とし、両者が一体となってそれぞれの役割を果たすべく最大限の
努力
を傾注する決意を示すとともに、両者の
政策
の整合性を高め、
政策
運営の
効果
を高めることを目指したものであります。 次に、日銀
法改正
についてのお尋ねがございました。 総裁の解任など、
政府
の関与をこれまで以上に強める日銀
法改正
については、日銀の独立性の観点から、慎重に考える必要があると思います。 日銀においては、これまでも適切かつ積極的な措置を講じてきたと考えておりますが、引き続き、先ほど申し上げた
政府
と日銀が共同して表明、発表した決意のもと、
デフレ
からの早期脱却に向け、その役割を果たすことを強く
期待
しております。 次に、
経済対策
と
補正予算
の
編成
についてのお尋ねがございました。
政府
としては、
経済対策
の第一弾として、先日、緊要性の高い施策について
予備費
の使用を決定しましたが、これに続き、遅くとも今月中をめどに
経済対策
を決定することとしています。
補正予算
については、
特例公債法案
の審議
状況
や
経済対策
の内容を踏まえた上で、その内容や時期について
検討
してまいります。 三分野の規制、制度の抜本
改革
についての御
質問
をいただきました。
日本経済
の
再生
は
野田内閣
の最重要
課題
であり、
日本
再生
戦略に基づき、今後の
成長
が見込まれるグリーン、ライフ、農林漁業の三分野に
政策
資源を重点投入することとしています。 その
実現
のため、規制・制度
改革
に聖域なく
取り組み
、この三分野を含め、
民主党政権
として、これまでに五百四項目の閣議決定を行ってまいりました。 規制・制度
改革
は、市場における競争や新領域の創出を促し社会経済構造を変革していくために、最も重要な
取り組み
の
一つ
です。引き続き、大胆かつ速やかな
改革
を、聖域なく強力に
推進
してまいります。 次に、
特例公債法案
の成立遅延に伴う
対応
に関する御
質問
をいただきました。 定率繰り入れについては、
特例公債法案
が成立しない
状況
を踏まえ、既に本
年度
当初から繰り入れを延期してきております。ただし、御指摘のように、定率繰り入れを停止して
歳出予算
を減額すれば、将来の国債償還への備えが不足することから、適切ではないと考えております。 また、
特例公債法案
の成立が見込めない場合に、特例公債金収入を償還
財源
とする財務省証券を発行することは、財政法という法律に照らして、許容されないものと考えております。 次に、
東京電力福島
第一原子力発電所の事故収束に関するお尋ねがございました。
東京電力福島
第一原子力発電所については、昨年十二月、専門家による緻密な検証
作業
を経て、原子力災害
対策
本部にて、事故
対応
における
一つ
の区切りとして、冷温停止状態を達成し、ステップ2が完了したことを確認いたしました。 その後も、原子炉の温度、圧力、格納容器からの
追加
的な放出量などもモニタリングをし、総合的に冷温停止状態が継続していることを確認しており、温度の低下した状態が着実に維持されております。 また、廃炉に向けたプロセスについては、
政府
・東京電力中長期
対策
会議
において、国内外の英知を活用した
研究
開発
の
実施
も含め、しっかり管理していくこととしています。 さらに、
東京電力福島
第一原子力発電所の安全確保については、まさに、
政府
から独立した機関として先般発足した原子力規制委員会において、専門的な知見に基づき、中立公正な立場から確認がなされていくものと承知をしています。 次に、四号機使用済み燃料プールについてのお尋ねがございました。
東京電力福島
第一原子力発電所の廃炉に向けた中長期ロードマップでは、昨年十二月の策定時点から二年後の
平成
二十五年末を
目標
に四号機からの使用済み燃料の取り出しに着手し、その後、二年程度で燃料を取り出す
作業
を完了するとしています。 具体的には、千五百三十三体の燃料について、通常の燃料取り出しペースをもとに、通常時よりも低い
作業
効率や取扱設備の点検に要する期間等も考慮して、二年程度で取り出しが可能と考えられています。 四号機の原子炉建屋、使用済み燃料プールの健全性については、
東日本大震災
と同程度の震度六強の地震に対しても十分な耐震性があることが確認をされています。さらに、使用済み燃料プール底部には鋼製の支柱を
設置
し、コンクリートで固めるなどの補強工事を既に
実施
しています。 また、万が一建屋が損傷してプール水が漏えいした場合にも
対応
できるよう、代替注水手段としてコンクリートポンプ車等を
配備
するなど、多層的な
対応
が講じられています。 次に、
東京電力福島
第一原子力発電所の事故収束についてのお尋ねがございました。
東京電力福島
第一
原発
の廃炉に向けた
取り組み
については、中長期ロードマップに従って、
政府
と東京電力が一体となって取り組んでいます。 また、廃炉に向けた
取り組み
は、これまで経験のない困難を伴うことから、国が主導的な役割を果たし、内外の英知を結集して進めてまいります。 今後とも、中長期ロードマップに沿って、発電所の安全維持に万全を期しながら、廃炉に至るまで
全力
を挙げて取り組む所存であります。 なお、
東京電力福島
第一原子力発電所における自衛隊の原子力災害派遣は昨年十二月に終結をしていますが、万が一の場合には、再派遣の要請を行うことができます。 次に、健康調査の
実施
主体及び子ども・
被災者
支援
法の
基本方針
についてのお尋ねがありました。 今般の
東京電力福島
第一原子力発電所の事故に係る住民の
方々
の健康管理調査は、
政府
としても大変重要であると認識をしております。
福島
県民
の健康管理については、県知事から、県が主体となって中長期的に
実施
するべきものであるとのお考えが示されたことを踏まえ、県が健康管理を自治事務として行い、国は、健康管理調査が円滑に行われるよう財政的、
技術
的な
支援
を行うという役割分担のもとで、国としての
責任
を果たすべく取り組んでいるところであります。
政府
としては、子ども・
被災者
支援
法に基づく
基本方針
については、真に
支援
を必要とされる方に適切な
支援
が行われることとなるよう、積極的に
検討
してまいります。 次に、資産価値の保障に関する御
質問
をいただきました。 今回の
原発事故
により避難を余儀なくされた
方々
の土地や建物については、原子力損害賠償法に基づき、東京電力が、その価値の喪失または減少に応じて賠償することとしています。 その具体的な賠償基準については、被害を受けた
自治体
及び住民の
方々
の意見を踏まえた国の考え方に基づき、東京電力がことし七月に策定したところであり、速やかに賠償を行っていくこととしています。 また、被害者の
方々
の中には、帰還して
生活再建
を希望する方や、あるいは移住を選択する方など、さまざまな立場の方が存在することを踏まえ、それぞれの選択に資するよう、賠償金の一括払いを可能としました。
政府
としては、引き続き、原子力損害賠償
支援
機構の枠組みなどを活用しつつ、東京電力による迅速かつ適切な賠償に万全を期してまいります。 次に、指定廃棄物の
最終処分場
候補地
に関する御
質問
がございました。 栃木県及び茨城県の
最終処分場
候補地
の選定手順に関しては、県の御意見を伺い、県内の全市町村を対象とした公開の説明会で説明し、その手順に従って
候補地
を選定し、県及び
関係
市に提示いたしました。
候補地
の提示は、御
理解
をいただくためのスタートラインと考えており、今後は、
地域
の
皆様
に対して、選定手順やその結果、施設の安全性についてしっかりと説明を行い、御
理解
を求めてまいります。 次に、電力自由化と
原発
ゼロに関する御
質問
がございました。
原発
に依存しない社会の
実現
に向けて、これまでの
政策
を大きく転換し、二〇三〇年代に
原発
稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる
政策
資源を投入するとした革新的エネルギー・
環境
戦略を踏まえて、今後のエネルギー
政策
を遂行してまいります。 その中で、
国民
に開かれた電力供給体制の
実現
に向けて、エネルギー需給の
仕組み
を抜本的に転換するべく、小売の全面自由化による
地域
独占の撤廃や発送電の分離による電力システム
改革
を断行してまいります。 残余の
質問
については、
関係
大臣
から
答弁
をさせます。(
拍手
) 〔
国務大臣
城島光力君登壇〕
城島光力
17
○
国務大臣
(城島光力君) 渡辺議員から、私には三問御
質問
いただいたと思います。 まず、
補正予算
の
編成
についての御
質問
をいただきました。 十月二十六日に、現下の経済情勢を踏まえ、切れ目のない
政策
対応
を行うため、
経済対策
の第一弾といたしまして、今後需要や
雇用
の伸びが
期待
される分野における先導的な
事業
を後押しするもの、さらに、早期に需要、
雇用
の創出が見込まれるものについて、
予備費
の使用を決定いたしました。 これに引き続き、
経済対策
に向けて、財務省としても
全力
を挙げてまいります。 その上で、
補正予算
については、
総理
からも
答弁
されたとおり、
特例公債法案
の審議
状況
や
経済対策
の内容を踏まえた上で、
財源
を含めて
検討
することとしており、
補正予算
の
編成
を先送りしたとの御批判は当たらないものと考えております。
特例公債法案
と定率繰り入れについての御
質問
をいただきました。
特例公債法案
が成立しない
状況
を踏まえ、法案成立後には再開することを前提として、既に、本
年度
当初から、一般会計から国債整理基金特別会計への定率繰り入れを延期してきております。 仮に、御指摘のように、本
年度
の特例公債の減額のため、法案成立後においても定率繰り入れを一切停止すれば、国債整理基金残高が減少し、将来の国債償還への備えが不足することとなり、オペレーショナルリスクへの備えもなくなることから、適当でないと考えております。
特例公債法案
と財務省証券についての御
質問
をいただきました。 財政法七条二項では、財務省証券については、その
年度
の歳入をもって償還しなければならないと定めており、
総理
からも
答弁
されたとおり、
特例公債法案
の成立が見込めない場合において、
政府
独自の判断により特例公債金を償還
財源
とする財務省証券を発行することは、許容されていないものと考えております。 以上です。(
拍手
) 〔
国務大臣
平野達男君登壇〕
平野達男
18
○
国務大臣
(平野達男君) 私には二問
質問
をいただいております。 まず、
原発事故
に係る健康調査と、子ども・
被災者
支援
法の
基本方針
の策定について御
質問
をいただきました。
原発事故
で被災した子供を初めとする住民の
生活
を守り支えていくことは、大変重要な
課題
であります。 子ども・
被災者
支援
法では、第十三条において、
原発事故
に係る放射線による健康への
影響
に関する調査について、必要な施策を講ずるものとされております。 現在、この法律に基づく
基本方針
の策定を進めておりまして、
被災者
の健康管理調査についても、
環境
大臣
と連携して
検討
を進めてまいります。 次に、避難されている
方々
への
対応
について御
質問
をいただきました。 避難されている
方々
におかれましては、放射線量との
関係
で、一定の期間戻れない方、あるいは移住を
決断
される方など、さまざまな
状況
が考えられまして、
政府
といたしましては、そうした
状況
に応じた
対応
をすることが重要であると考えております。 まずは、国、県、市町村の共催によりまして、八月から順次、住民に対する意向調査を
実施
しているところであります。 また、長期避難者の帰還までの間における町外の
生活
拠点の確保、
整備
の方針を
協議
するため、国、県、被災
自治体
、避難者受け入れ
自治体
による
協議
の場を
設置
したところであります。今後、この場を活用いたしまして、受け入れ
自治体
との
協議
を進めながら、災害公営住宅等の建設も進めてまいります。 帰還に向けましては、居住
環境
の
整備
を初め、就労
支援
、コミュニティー
支援
、心のケア、放射線に係る健康管理、福祉、教育等々の
行政サービス
など、さまざまな
課題
があります。避難指示解除準備区域を指定した
地域
から、インフラの復旧、
除染
等を鋭意進めているところであります。 また、やむを得ず移住を決意された
方々
に対しても、新しい
生活
を始めるための
支援
に努めてまいる所存でございます。 いずれにせよ、避難されている
方々
に対しましては、きめ細かな
対応
をすることが大切であると考えております。(
拍手
) 〔
国務大臣
長浜博行君登壇〕
長浜博行
19
○
国務大臣
(長浜博行君) 私にも、複数問、御通告をいただいておりますので、御説明を申し上げます。
原発
の事故収束を管理するために、独立した組織を立ち上げるべきだということに関してでございます。
総理
から御
答弁
がありましたとおり、先般発足した原子力規制委員会において、専門的な知見に基づき、中立公正な立場から確認がなされていくものと承知をしております。 次に、四号機からの使用済み燃料の取り出しを二年程度で完了するとしている根拠につきまして、こういう御
質問
であります。 まず、千五百三十三体の燃料について、通常の燃料取り出しペースであれば、一週間当たり二十二体のペースで共用プールに輸送する設備
能力
があることから、単純に計算すると、約七十週と見込まれます。一年四カ月です。 これに加え、四号機の使用済み燃料取り出しにおいては、より慎重な
作業
等が求められ、
作業
効率が低いこと、長期にわたる
作業
であり、燃料取扱設備、輸送容器の点検が必要であることを踏まえ、二年程度で取り出しが可能、こういう想定をしているところでございます。 この
作業
においては、補強工事や代替注水手段の確保など多層的な
対応
を講じており、今後とも、安全に万全を期しながら燃料取り出しを進めてまいる所存でございます。 なお、お尋ねの廃炉に向けた
取り組み
については、私と経産
大臣
が共同
議長
を務めております
政府
・東京電力中長期
対策
会議
のもとで、
政府
が主体的にかかわりながら、東京電力と一体となって取り組んでまいる所存でございます。 次に、健康管理の点でございます。
政府
としては、
福島
県の主体性を尊重しながら、当該調査が円滑に行われるよう財政的、
技術
的な
支援
を行っており、例えば
環境
省からは、
福島
県の「
県民
健康管理調査」
検討
委員会に、委員として
環境
保健部長が出席をしているところでございます。 次に、避難されている住民の
方々
への
対応
について。 汚染によって自分の家や土地から引き離された
方々
が一刻も早く故郷に帰ることが可能になるよう、
国会
でお決めいただいた放射性物質汚染対処特措法に基づいて、
除染
に
全力
を尽くしてまいる所存でございます。 指定廃棄物の
最終処分場
の
候補地
の提示に当たり、地元の
皆様
には大変御心配をおかけしております。 指定廃棄物は、栃木県、茨城県などで増加してきており、既に保管場所が逼迫し、保管スペースの確保が厳しいという声も県内
各地
から寄せられているところでございます。
地域
住民の
皆様
の
生活
環境
を保全する上で、できるだけ早く最終処分をすることが必要であると考えております。 御指摘の
候補地
提示については、処分場
候補地
の選定手順に関して、県の御意見を伺い、県内の全市町村を対象とした公開の説明会を開催し、
環境
省の公開の災害廃棄物安全
評価
検討
会において、
有識者
の
方々
に御
議論
をいただいたところでございます。
最終処分場
は県内のどこかに確保をしなければなりませんので、県ともよく相談をしながら、
地域
の
皆様
に対して、選定手順やその結果、施設の安全性について、今後、しっかりと説明を行い、御
理解
を求めていきたいと考えております。 よろしくお願いします。(
拍手
)
—————————————
衛藤征士郎
20
○副
議長
(衛藤征士郎君) 松野頼久君。 〔松野頼久君登壇〕
松野頼久
21
○松野頼久君
日本
維新の会の松野頼久であります。 私は、
日本
維新の会を
代表
して、
野田内閣
総理
大臣
の
所信
表明に対して
質問
をいたします。(
拍手
)
我が国
は、今、明治維新、終戦に次ぐ、時代の大きな転換点に立っています。 三年前の
政権交代
を思い出していただきたい。あのとき
国民
が
民主党
に
期待
をしたのは、百四十年も続いた中央集権と官僚統制の
仕組み
を抜本的に変え、肥大化した行政組織、存在することだけが目的化した天下り法人、そこに流れ込む税金の無駄遣いに切り込むことだったはずです。 当時、
国民
は、それまで
政権
を担ってきた
自民
党に対して、戦後
復興
と高度
成長
に導いた功績と、平時の
政権担当能力
については疑いを持っていなかったと思います。 しかし、中央集権体制のもと、長年
政権
与党
として官僚組織と寄り添ってきた
自民
党には、
統治機構
改革
や徹底した行政
改革
はできない、だからこそ、
政権担当能力
に不安は残るが、少なくともしがらみだけはない
民主党
に一度やらせてみようと、
国民
は託したのです。
政権交代
時における
民主党
の
政党
支持率は四〇%を超えていました。それが、先週の調査ではわずか九%に落ち込んでおり、
政権運営
に対する
国民
の
不信
は目を覆うばかりであります。 なぜ
民主党政権
は失敗したのか。 既得権益を擁護する勢力や官僚機構を説得し、抑え込む迫力に決定的に欠けていたためであります。
国民
が
期待
していながら、いまだ
実現
できていない
統治機構
の
改革
、それを通じた徹底した行財政
改革
の
実現
には、これまでの既成
政党
にはないリーダーシップがどうしても必要であります。
日本
維新の会が結党した原点は、
代表
の橋下徹が大阪府知事だったとき、大阪府と大阪市の二重行政を解消する、そのために、みずからが市長選に出馬し、勝利し、無駄な
事業
を削り、財政の立て直しに取り組んだところであります。
日本
はまさに瀬戸際まで来ています。この
日本
を覆う閉塞感を克服し、
国民
の希望を取り戻すためには、
日本
再生
のためのグレートリセットが必要であります。
総理
は、
所信
表明で、極論の先には
解決
はありません、中庸を旨として対立を乗り越えていくとおっしゃいました。しかし、今大切なのは、過去の常識と決別することであります。時代を振り返れば、局面局面における大胆な
改革
の着手が時代を切り開いてきたのであります。
日本
維新の会は、自立する個人、自立する
地域
、自立する
国家
の
実現
を目指します。自立する
地域
が、自立する
国家
を支え、自立する個人を育てます。 国からの上意下達ではなく、
地域
や個人の創意工夫によって社会全体を活性化し、グローバルな競争力を持つ経済を
復興
します。 自助、共助、公助を明確にすること、公助から既得権を排し、真の弱者
支援
に徹すること、そして、現役世代を元気にし、世代間の協力
関係
を再
構築
します。 また、決定でき
責任
を負う
民主
主義、決定でき
責任
を負う
統治機構
を確立します。 そのような維新の理念を
実現
するために、維新八策を既に明らかにしています。
日本
の現状は、
企業
に例えれば、債務超過状態にあります。これを
再生
させるためには、不採算部門である肥大化した行政、すなわち、天下りの温床となっている独立行政法人、特殊法人、外郭団体、特別会計にまず切り込むことは当然であり、そのことがグレートリセットへの第一歩であります。 次に、
政策
論について幾つか
総理
の
見解
をただします。 まず、税と
社会保障
の
一体改革
について伺います。
総理
は、三
党合意
を基礎に、残された
課題
について
議論
を進めるべきとおっしゃいますが、そもそも消費税の値上げの目的は、
社会保障
の安心を確保し、破綻しつつある財政の健全化に一定のめどをつけるためだったのではないですか。 三
党合意
の一員である
自民
党の主張などを見ていると、国土強靱化を名目に、結局、無駄な公共
事業
に貴重な
財源
が使われてしまい、結果的に
社会保障
の
安定化
も財政の健全化も達成できないという結果になってしまうのではないでしょうか。 次に、道州制について伺います。 道州制の
実現
は、我々の目指す
統治機構
改革
そのものであります。
野田総理
は、
所信
表明において、
地域
主権
改革
が
政権
にとっての一丁目一番地とおっしゃいました。しかし、我々が
政策
のセンターピンと位置づける道州制については、何ら
見解
を示しておりません。 さらに、この三年間で出先機関の
改革
の法案一本すらまとめられない状態であり、真面目に取り組んでいるとは到底思えない。
日本
維新の会は、徹底した道州制
国家
を目指します。
自民
党と
公明党
は、既に道州制基本法の骨子について党内手続を進めていると仄聞いたしますが、
総理
の道州制に対する
見解
と、
地域
主権
改革
に向けた意気込みを改めて伺いたい。 三番目に、議員定数の
削減
について伺います。 現在、
選挙
制度については、最高裁が違憲判決を出した一票の
格差是正
、いわゆる五減案のみが
議論
されています。
国会
議員の定数
削減
問題は、脇に追いやられています。
日本
維新の会は、道州制の
導入
により、現在の国の仕事の多くを地方に移すなど、
統治機構
改革
を進めながら、
衆議院
の議員定数を思い切って二百四十に半減する方針を示しています。
さき
の
国会
で
国民
の
負担
を求める
増税
を決めたわけですから、不十分でありますが、せめて四十五議席の
削減
ぐらいはするべきではないでしょうか。
国会
議員みずから身を切る姿勢を見せなければ、
国民
の皆さんの納得は得られません。議会の問題であることはもちろんわかっていますが、今
国会
で定数
削減
の法案を可決するべきか、
総理
の
見解
を伺います。 最後に、
日本
維新の会として、
国会
運営に対するスタンスについて申し上げます。
国会
のごたごたで議会運営が滞り、
特例公債法案
がいまだに成立しておりません。毎年の
予算編成
で当たり前のように国債発行するあしき慣習は改めなければなりませんが、都道府県初め
国民生活
に悪
影響
が出始めていることは、大変な問題であります。 この場で申し上げます。
日本
維新の会は、
特例公債法案
に賛成します。ですから、一刻も早く成立させる
努力
をし、
国民生活
に迷惑のかかる状態をなくしていただきたい。
日本
維新の会は、法案を人質にとって政局にする、解散に追い込もうとするやり方はとりません。
国会
は、十分に案件を審議する、審議したら賛否を明確にして物を決めていく、決められる
国会
の
実現
に
努力
していくことを申し上げ、
日本
維新の会の
代表
質問
といたします。(
拍手
) 〔
内閣総
理
大臣
野田佳彦君登壇〕
野田佳彦
22
○
内閣総
理
大臣
(野田佳彦君) 松野議員の御
質問
にお答えをしてまいります。 まずは、
特例公債法案
への御協力の意思表明をしていただいたことを感謝申し上げます。 それから、私への
質問
は三問でございました。ありがとうございました。 まず、
社会保障
・税
一体改革
の意義などについての御
質問
をいただきました。 まず、今回の
一体改革
では、消費
税率
の
引き上げ
分は、全額
社会保障
財源
化し、全て
国民
に還元することとしており、御指摘のような無駄な公共
事業
に充てることはないということは明確に申し上げておきます。 その上で、財政規律を堅持しつつ、真に必要な
社会インフラ
の
整備
については効率的に資金を充てていくという考え方は、
自民
党を含む三党の実務者
協議
等において共有されているものと考えております。 今回の
改革
により、二〇一五
年度
における基礎的財政収支半減
目標
の達成が見込まれるなど、
社会保障
の安定
財源
の確保と財政健全化の同時達成に向けた第一歩を踏み出すことになると考えております。 次に、道州制及び
地域
主権
改革
に向けた
取り組み
についてのお尋ねがございました。
地域
主権
改革
においては、まず、受益と
負担
の相関
関係
が一番見える
基礎自治体
、つまり、市町村に権限と
財源
を集中するべきと考えます。その上で、
基礎自治体
だけでできない部分を広域
自治体
が補っていくこととし、広域
自治体
については、当分の間、現行の都道府県の枠組みを基本と考えています。 ただし、
地域
の自主的な判断として、
基礎自治体
の足りないところを補完するための道州制については、将来的に
検討
していくことはあり得ると考えます。
地域
主権
改革
は、
地域
のことは
地域
に住む住民みずからが
責任
を持って決められるようにするための重要な
改革
であり、義務づけ、枠づけの
見直し
、
地域
自主戦略交付金の創設、国と地方の
協議
の場の法制化など、これまで、着実にその
推進
に取り組んでまいりました。 今後とも、
関係
者の意見を踏まえながら、出先機関の原則廃止の
取り組み
も含め、
改革
を進めてまいりたいと考えております。 最後に、一票の
格差是正
と定数
削減
についてのお尋ねがございました。
選挙
制度に関しては、
国会
において各党各会派で
議論
、成案を得るべき事項ではありますが、違憲、違法の状態にある一票の
格差是正
は喫緊の
課題
であり、また一方、議員、
政治家
の身を切るという意味で、定数
削減
も
国民
の強い要請と認識をしております。 松野議員が御指摘のとおり、この二つの
課題
のいずれもが、
さき
の
国会
で成案を得ることができなかったことはまことに残念であり、今
臨時国会
において
法改正
が
実現
することを強く
期待
をしています。 党利党略を超えて、違憲、違法状態からの脱却が最優先
課題
であることは言うまでもありませんが、
政治
改革
の
推進
、議員定数
削減
という
国民
の要請にいかに応えるか、各党が真剣に
議論
し、今
国会
で結論を得ていただくように、切にお願いをいたします。(
拍手
)
衛藤征士郎
23
○副
議長
(衛藤征士郎君) これにて
国務大臣
の
演説
に対する
質疑
は終了いたしました。 ————◇—————
衛藤征士郎
24
○副
議長
(衛藤征士郎君) 本日は、これにて散会いたします。 午後四時散会 ————◇————— 出席
国務大臣
内閣総
理
大臣
野田 佳彦君 総務
大臣
樽床 伸二君
法務大臣
滝 実君 外務
大臣
玄葉光一郎君 財務
大臣
城島 光力君 文部科学
大臣
田中
眞紀子君 厚生労働
大臣
三井 辨雄君 農林水産
大臣
郡司 彰君 経済
産業
大臣
枝野 幸男君 国土交通
大臣
羽田雄一郎君
環境
大臣
国務大臣
長浜 博行君 防衛
大臣
森本 敏君
国務大臣
岡田 克也君
国務大臣
小平 忠正君
国務大臣
下地 幹郎君
国務大臣
中塚 一宏君
国務大臣
平野 達男君
国務大臣
藤村 修君
国務大臣
前原 誠司君 出席
内閣
官房副長官
内閣
官房副長官 齋藤 勁君