○江藤
委員 皆様方、
勉強されている方々ばかりですから、今さらとは思いましたけれども、あえて聞きました。原則全ての関税を撤廃する。移行期間が十年になるのか十五年になるかわからぬ。センシティブな品目については全くグレーで、何が何だかわからない。結局、やはり
TPPというのは、全ての関税をいずれ、近い将来というのが、これは五年なのか十年なのかわかりませんが、撤廃されるのが
TPPということです。
我が自民党は、もう三月に、聖域なき関税撤廃を前提とする限り、交渉参加に反対するということを党議決定しました。これを言うと、では、自民党は聖域があるんだったら
TPPに参加するのかというふうに言う方が中にはおられますけれども、今聞いていただいたとおり、
TPPには聖域がないんですから。これは、我々の姿勢がはっきり
TPP交渉参加には反対だということなんですよ。
このペーパーは私たちがまとめたペーパーですよ。これは私が、誰からは言いませんが……(発言する者あり)私が言っているんだから、黙っていなさいよ。このペーパーをまとめるときに、私も上の方から言われて、この文書づくりにはずっとかかわりました。どういうてにをはにするのか。
党というのはまとまらなければなりません。党として一定の方向を出さなければなりません。いろいろな
意見が自民党の中にもあるんですよ。それでも、この一線だけは絶対に守るものだという文書を、推敲に推敲を重ねて、そして大激論の末にまとめ上げたのがこのペーパーなんです。我々はこの域から出ませんよ。これは安倍総裁も確実に我々に約束をしております。やじるような場面では全くありません。
民主党さんは何もまとまってないじゃないですか、そんなことを言うんだったら。
私も
予算委員会をきのう見ていましたけれども、このペーパーを森山
委員が言ったら、玄葉さんが何か、我々はほとんど同じようなものでございますと思いますという、同じようなものでございますと思いますというのはよくわからないんですが、そういう発言をされました。
そんなことを言うんだったら、筆頭、これをこのまま上げますから、持って帰って、このまま決議してくださいよ、
民主党で。決議して持ってきなさいよ。そうしたらやじってもいいですよ、俺の言うことを。どれだけこれをまとめるので党内で私が苦労したと思っているんですか。こづかれ、いじめられ、間に挟まって。まあ、こんなことはいいですけれども。
ですから、このことを裏づけるように、自民党の安倍総裁は、十月十一日に行われたJAの全中大会で、聖域なき関税撤廃が要求されるのであれば
日本が
TPPを締結することはあり得ないと、総裁御自身の口で、壇上でそう発言されているんですから、私の言っていることと全く矛盾はいたしておりません。
対して、野田総理は、
TPP交渉参加を、立場を明確にして代表選を戦われましたね。そして、六割以上の票をとって再選をされた。ここにいる方々は多分入れていない方がほとんどだろうというふうには推察申し上げますけれども、でも、総理の立場からすれば、これによって
民主党内の
意見集約は終了だというふうに思ったに違いないんじゃないかなと私は思います。
そして、きのうの
予算委員会、私も見ておりましたけれども、前原国家戦略担当
大臣は、党内
議論は終わったという発言をされました。これは、まさに……(発言する者あり)閣僚なんだから、言うだけ番長じゃ済まないんだよ。まあ、そうかもしれないけれども。
そして、そもそも
民主党は、前回のマニフェストで
TPPなんて一言も言っていないんだから、そんなに一生懸命になることはないんですよ。ですから、きょうは
皆さん方に私はエールを送りたいと思う。頑張ってくださいよ。私がここでどんなにでかい声を上げても、野田さんを引きずりおろすことは、党が違うからなかなかできない。この一日、二日は大分頑張っているみたいだ、
民主党の方々は。山田先輩がおられますけれども、ぜひぜひ頑張って、選挙のマニフェストに書くのは勝手だけれども、交渉参加を決断させるなんということは絶対させないように、
民主党の
先生方にはよろしくお願いをしたいと思います。
質問がなくて、話してばかりで申しわけないんですが、ここで我々が確認しておかなきゃならないことがあると思うんです。
総理が大変なことを言っているんですよ。日中韓FTAのタイムスケジュール、これはことしの五月の日中韓の首脳
会議で、年内の交渉開始を目指すことで合意しているんですね。けさの新聞によれば、朝日は交渉開始だ、開始宣言だと書いています。産経は、年内交渉入りは断念だけれども、一月から動くんだ、そのときに確認をいたすんだということです。
これと同時並行的というのは大変ですよ。RCEPもそうです。だから、我が党は、そして安倍総裁は、今月十八日のカンボジアで行われる東
アジア・サミットで交渉立ち上げを目指すことはないでしょうねということを、あの本
会議場の所信に対する
質疑でちゃんとやっていただいたんですよ。
だから、自民党の姿勢、総裁の姿勢は明確なんですよ。はっきりしているんですよ、やめなさいと。しかし、それに対する返事は、また判で押したように、同時並行的に行いますということです。しかし、同時並行ということは着陸も一緒なのかなというふうに思うのは、私は普通の考え方だと思います。
そこで、昨日の
予算委員会で、先ほど小里
先生もおっしゃいました、この
関係閣僚
会議での意思決定、これは
大臣、歴史に名を刻む、
政治家として
政治家冥利に尽きる一大場面ですよ。うらやましいぐらいですよ。これで議員バッジを失おうと、議席を失おうと、閣僚を罷免されようと、本望じゃないですか。
何度もこの
委員会では申し上げましたけれども、小泉さんが郵政選挙をやるときに、こんな解散はおかしいということで、島村宜伸
先生は小泉さんとかけ合いました。そして罷免をされました。それがやはり責任ある
政治家の態度だと私は思います。
今確約してくれとは言いませんが、ここは男を見せるところですよ。私は期待しておりますので、
大臣のことは好きですから、ぜひそのときは、
民主党の
先生方は、
大臣の後ろに立って、みこしを担いで、一緒に戦っていただきたいということを、これは要請として申し上げさせていただきたいと思います。
ずっと
質問がなくて済みません、話すばかりで。
国民的
議論の話をまた少しさせていただきたいと思います。
国民的
議論が不十分ということは、我々も、
民主党さんも、ほかの党の方々も、みんな同じ気持ちですね。我々も、森山
先生を筆頭に回を重ねてきましたけれども、もう疲れました。最終的な
資料として出てくるのが、外務省に至っては二月ですもの。本年二月の
資料を出されて
議論を深めろと言われたって、話にならぬです。全然
議論は深まっていない。これはもう明らかです。
そして、十一月八日の
民主党さんの慎重に考える会では、山田
先生おられますが、国民的
議論には新聞やインターネットも含まれるという驚くべき発言が、官房の方からあったんですか、これはまさに機能停止ですよ。世論を喚起するのは、啓蒙活動というのは、つじ立ち説法という言葉が昔ありましたけれども、
政治家の原点であって、国民の
意見を酌み取り、それを国会に反映させて、それを国民に伝える作業、これは
政治家の責任でしょう。それが、マスコミやインターネットでやっているから十分国民的
議論は進んでいると。これは厳重に抗議をしてください、官房に対して。こんなむちゃくちゃな話はありません。
先ほども小里
委員から話がありましたけれども、米韓のFTAがありましたけれども、今大騒動ですよね。大変な
状況になっている。しかし、それでも今後十年間で二十一兆一千億ウォン、
日本円にすれば一兆五千億円。ウォンは安いですから、これは普通の貨幣価値でいえば二兆円ははるかに超える金額だと思います。これを投入してもおさまらないんです。あれだけの騒動が今起こっているんですよ。今、小里
委員が言ったように、将来は暗いという展望しか開けていないんです。それだけ、こういう貿易交渉は慎重にやらないと大変になる。
そして、米については例外にしましたね、米韓FTAは。そして、何で米を例外にしたのかとアメリカの議会では問題になりました。これは多分認めない方向でアメリカ議会はいくんでしょう。
そして、アメリカに目を移せば、オバマさんが再選されました。
政治家が怖いのは選挙じゃないですか。オバマさんはもう次の選挙はないんだから、三選はないんだから、今まで以上に強力に押してきますよ、徹底的に。彼の
基本的考え方は、輸出を倍増させるんだ、それによって雇用を創出させるんだというのがオバマの
基本理念なんだから。次の選挙を恐れる必要がなくなったオバマ大統領は、今までのオバマとは違う、別の人ですよ。ですから、その圧力に絶対に負けるようなことがあってはいけないというふうに思います。
先ほど小里
委員が言ったように、鳩山さんが最低でも県外と言った。そして、その前に、
平成二十一年の十二月、習近平国家副主席と会談したときに、日米中三カ国はゼロサムではなくてプラスサムだと。いわゆる、もうアメリカから軸足をちょっと一歩引きますよ、はっきり言えばそういう発言をしてアメリカの不信感を大いに買った。日米
関係には非常にひびが入った。それを埋めるために
TPPをやるということであれば、こんな迷惑な話はない。
政権のミスを
TPPで埋めようとするなんというのは許されることではありません。