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内閣総理大臣(
野田佳彦君) 私、
財政だけを待ったなしと言っているわけじゃなくて、御
指摘のとおり
一体改革が待ったなしと申し上げています。まず、前提となるのはやっぱり
社会保障なんです。
社会保障というのは、やっぱりどなたも、どこかの人生の段階で困ったとき、弱ったときにその恩恵を受ける、
社会保障の出番があるというふうに思います。老後であるとか病気やけがをしたときなどなどです。
この
社会保障については、私は
基本的には
日本の今の制度というのはすばらしい制度としてスタートしたと思います。
国民皆
年金、
国民皆保険、これはやっぱり世界に冠たる制度であって、そして二〇〇〇年から始まった介護保険も、これは間違いなく今定着をしてきていると思います。これらの制度を持続可能なものにしていかなければならないんですが、問題は、この
社会保障をめぐるその基盤というものが足下からやっぱり揺らいできている。一つは、世界最速の高齢化であるということ。そして、一方で
少子化に歯止めが掛かっていないということ。その結果、支え手が少なくなってきている一方で、二〇一四年までにはいわゆる団塊の世代が
年金受給世代に全部入ってしまうという、そういう劇的な変化が今起こっているということであります。
それから、これは何回もこのいわゆる
特別委員会でも
議論になりましたけれ
ども、核家族化が進んできている中で、いわゆる自助は大事なんですが、自助を支えるための共助、公助ということも
考えなければいけない、そのバランスを取っていかなければいけないという
状況も生まれている等々、様々な大きな変化がある中で、このまま放置していたならば持続
可能性に対する疑いが出てくると思います。その
意味で、特にこの
改革の切り札というのは、支える側が減って支えられる人が多くなっていくという構造ですので、給付においても負担においても世代間あるいは世代内の公平を担保するということが大事だということです。
給付は高齢者中心でした。負担はいわゆる現役世代が中心でした。それではもう
社会保障はもたないだろうと。給付についても現役世代、
子育て世代が恩恵を受けられるように、そして、負担においてもあらゆる世代が
お互いに助け合うという精神からこれは消費税が必要ではないか、その
意味から待ったなしと申し上げました。
あえて言うと、今回は
財政健全化も同時達成するということであります。やっぱり
社会保障の大事なお金を将来の世代のポケットからお金を借りてくるという
やり方では、これはもうもたない。だとすると、さっき言った、安定財源として消費税をお願いをする。それは、中小企業、零細企業、苦しんでいらっしゃる
皆さんにお願いすることは切ないことです。家計を預かる
皆さんにお願いすることは切ないことでありますが、全てこれは
社会保障として還元をされる、使途は
社会保障であるということを御
理解をいただくために懸命に御説明をしていきたいというふうに思います。
欧州の債務危機があるように、
社会保障を支える財源もきちっと
財政規律を
考えたものであるということ、これは
財政におけるやっぱり待ったなしだというふうに思います。そういう
意味で待ったなしという言葉を使わさせていただいております。