○浜田昌良君 今
外務大臣がおっしゃったようにやはり力の
制裁だけじゃ駄目ですね。力の
制裁だけでは
ホルムズ海峡閉鎖というリスクが高まるという副作用が出ると。この副作用は、
アメリカ自身はもう中東依存度ほとんどないんですよ、
原油の、余りない。
日本は今
原発が止まっているんですよ。まさに副作用を一番受ける国なんですよ。そういう意味では第三の道、これを探るべきなんですね。
今、一番国際社会がしなきゃいけないのは、
イランの
核開発のそのものの阻止じゃないですか。そのためには、実は二〇一〇年五月の核不拡散条約、NPTの
運用検討
会議で大きなステップが踏み出された。何かというと、この中東非核化につきましては九五年に中東決議ってあったんですね。つまり、これはNPTに入っていないイスラエルに対してもいわゆる国際査察をするんだと、それで非核化をしていこうという決議がエジプトや
イランの提案によってなされているんですよ。
これについてはずっと今までお蔵入りだった。しかし、これについては、国際
会議をいよいよ本年、二〇一二年にしようという、場所もフィンランドでするというのが決まっていたんですよ。ところが、何とこのEUが禁輸をします。フィンランドはEUの一員です。よって、この国際
会議自身が今危ぶまれているんですよ。こういう
イラン、イスラエル、
アメリカという為政者が角を突き合わせているというときに、
日本が一体誰の声に一番耳を傾けるのか今問われているんですよ。
パネルを見ていただきたいと
思います。(
資料提示)これは私は、それぞれの国の
国民、民の声に一番耳を傾けるべきだと。お手元示しましたのは、昨年十一月にイスラエルの世論
調査、これは
アメリカのメリーランド大学及びイスラエルのデハフ研究所で行ったものであります。
質問一でありますが、結局
イランは核兵器を開発すると思うかというと、イスラエルの
方々は九割はすると思っているんですよ、もう。じゃ、二つの選択肢のうちどちらがイスラエルにとって望ましいかと、つまり、イスラエルと
イランの両国が核兵器を共に持たないが六五%、両国が共に持つが一九%しかないんですよ、もうイスラエルの人も。また、イスラエル及び
イランを含む全ての中東諸国が核施設の国際査察を受け入れるべきと思うか、賛成が六〇%。さらに、こういう査察制度が施行されればイスラエル及び
イランを含む全ての中東諸国は核兵器を持たないことをコミットすべきか、六三%ですよ。このような内容のとおりの中東非核地帯条約を支持するか、これも六四%。
これはイスラエルだけじゃありません。ちょっとデータは古いですが、下の
イラン、
米国、二〇〇七年のワールドパブリックオピニオンの世論
調査でありますけれども、これも、イスラム諸国、イスラエルを含む中東非核地帯を賛成しますかという問いに対して、
イランの
国民は七一%が賛成、
アメリカ国民でさえ七一%の賛成じゃないですか。まさにこのイスラエル、
イラン、また
アメリカという
国民の声
自身は中東非核化を望んでいるんですよ。
特に、
我が国は
イランとの長年の
外交関係があります。
総理、「おしん」という番組、御存じでしょうか。三十年前、NHKの朝のドラマありました。もう
イランではすごい人気で、三回も放送されて、毎回視聴率が八割から九割というんですよ。
日本人を見ると
イラン人は、女性見ると、おしん、ジャパン、おしん、ジャパンと言う。それは、本当に苦労をして苦労をして苦労をして幸せをつかんだ
日本の女性に対する尊敬ですよ。
また、東洋のシンドラーというのを御存じでしょうか。杉原千畝さん、この方は第二次大戦のときに、外務省に反対されながらもビザを切って、多くの
方々の、ナチス・ドイツからの迫害を受けたユダヤの
方々の命を救った。その方の今記念碑はイスラエルのエルサレムの丘にありますよ。まさに両国から共に信頼されている国は
日本なんですよ。
まさにその非核化の一歩が進もうとしているこの国際
会議、今危ぶまれています。まさに
野田総理は今回の施政方針演説で、この中東問題、平和的、
外交的な解決に
努力することを基本とおっしゃった。そうであるならば、この中東決議の第一歩としての国際
会議に向け
日本自身が能動的役割を果たす、これを明言していただけますか。具体的に開催を
是非、この北欧での開催が無理だったら
日本での開催も考えてほしいんですが、いかがでしょうか。