○桜内
文城君 そのように
お答えいただくしかないと思うんですけれ
ども。
何で私がこういうふうに問題提起しているかといいますと、やはり特に離婚に際して、協議離婚に際して子の監護権、恐らくこれからまた、
江田大臣のころにも質問させていただきましたが、ハーグ条約ですとか、その
関係も出てくると思うんですけれ
ども、要は
家庭裁判所の審判がどうにもやや不当ではないかというふうに言われるケースが相当報道されていたりします。
どういうことかというと、例えば、別に個別の事案についてここで言及するつもりはないんですけれ
ども、例えばドメスティック・バイオレンスを
理由として離婚
訴訟が、まあ
訴訟といいますか、家事審判の申立てがなされて、その中に事実認定として実際DVがありましたと、ですから母親の方に監護権をというような審判がなされた例もあると聞くんですが。
ただ、実際、じゃ、DVがあったのか否かというところで、私が聞いた、その報道もされておりますけれ
ども、事例によれば、別途
刑事事件として、暴行罪あるいは傷害罪でしょうけれ
ども、告訴がなされて、実際に起訴もされて、
裁判所に一旦行ったんだけれ
ども、実際には多分事実がなかったということだと思うんですけれ
ども、取り下げられたと。にもかかわらず、家事審判においてはDVの事実が認定されてしまって、子の監護権がその結果として認められなかったという事例もあるように聞きます。
これは
一つの事例なので、それについてどうこう言うつもりはないんですけれ
ども、やはり
裁判官というのは法の解釈、適用の専門家であったとしても、実際、こういった家事
事件といいますか、人情の機微といいますか、家庭内のいさかいに対して、やはりこれは各家庭あるいは各
個人によって考え方も大分違うことだと思うんですね。また、
司法試験の問題からいっても、家族法ですとかほとんど出たためしがありませんし、そういった人情の機微にまさに後見的に
裁判所が裁量権を持って介入していく、こういった事例において、不当といいますか、事実認定も含めてやや不当と思われるような事例が生じているのではないかという
指摘もなされているわけです。
そういったときに、例えば、昨年、この
法務委員会でも審議しました民法の改正において、子の利益というものを最大限に尊重して監護権の
在り方等について
判断しましょうという民法の改正も行われているんですけれ
ども、それを全く無視するかのような、いや、自分は
裁判官なんだからそんなの全然
関係ないよと、国会でどんな議論があったのか知らないよというふうに公言する
家庭裁判所の
裁判官もいたやにお聞きしております。
そういった
意味で、これも憲法上の学説上の話なので水掛け論になるかもしれませんけれ
ども、
司法権の
範囲というのを厳格に考えていくとすれば、こういった非訟
事件というのが憲法八十二条の適用がないかのように、やはり
家庭裁判所の
裁判官の裁量権の
範囲というのもおのずと制約される
部分があるのではないか。
特に、法改正が行われた場合に、最高
裁判所なりがしっかり指導をして、こうこうこういう法改正があったのであるから、今後、家事
事件についてはこれまでの、継続性の原則というふうに通常言われるらしいんですけれ
ども、まず子供を自分の
手元に連れてきた親の方が監護権を得られる場合が多いと、実際、
裁判例としては、まあ
裁判、審判例としては。こういった原則は、今後は、子の利益からすればそうじゃないんですよと。
そうやってDVのうその申立てを、仮にですよ、したような親がむしろ得をするようなそういう審判がなされると、まさに
裁判所に対する、
司法に対する
信頼が損なわれるのではないか。それを防ぐためにも、上級庁、例えば最高
裁判所の事務局なりがしっかりと研修を行う、あるいは国会でのどういった議論でこういうふうな法改正がなされたということを伝えていく、こういったことも必要だと思うんですけれ
ども、もちろん個々の
裁判内容について介入していくというのはあってはならないと思いますけれ
ども、一般的な
意味で、しっかり法改正の
趣旨ですとか、これまでの
裁判準則、例えば継続性の原則というのは今後は当たり前と思わないでくださいというような指導は必要だと思うんですけれ
ども、それも、今までのところ、
裁判官の独立という名の下に何も、まあ何もとは言いませんけれ
ども、ほとんど強く言えていない。それで、一方で、不逞のやからといいますか、
裁判官は独立しているんだから文句言うなというふうに言っている
裁判官もいるやに聞くんですけれ
ども、これこそ本当に、
裁判官の独立じゃなくて、
裁判官の独善に陥っているんじゃないかと思うわけですけれ
ども、この点、どのようにお考えになるのか、
お尋ねいたします。