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有田芳生君
民主党の
小沢一郎元代表の
裁判については、
皆さん御承知のように、四月二十六日に
判決ということが決まり、まだそういう
意味では進行中と理解してよろしいかと
思いますが、一般の新聞報道を見ておりましても、これまで小沢元代表に対してとても厳しい
立場で
検察の
情報も取材をしながら報道してきた読売新聞あるいは産経新聞、あるいは朝日新聞にしても、最近はやはり東京地検の問題点を大きく報道するようになりましたよね。それはやはり、
皆さん御承知のように、田代政弘東京地検前
検事、今は新潟地検ですけれども、その田代
検事の偽造報告書問題に端を発しているというふうに思うんですよね。
私は、この問題というのは、もう
大臣の御
意見を伺うことはできないと
思いますけれども、東京地検が起訴できなかった
小沢一郎元代表の件について、東京第五
検察審査会の強制議決を使いながら起訴に持っていったものではないかというふうに個人的には理解しているんですよ。それはなぜかというと、やはり偽造された田代政弘
検事の
捜査報告書が議決書、強制起訴の議決書の中に引用されているからなんですよね。
私は、田代政弘
検事が東京地検
特捜部長の佐久間達哉さんにあてた、A4判でいうと七枚のこの偽造された
捜査報告書を読んで驚きました。よくできているんです。とても分かりやすいんですよ。
裁判所の文章とかいろいろ読んでいるとなかなか難しいんですけれども。ところが、この田代
検事が五月十七日に石川知裕さんを任意で取り調べて、その翌日から数日間掛けて完成させたというこの
捜査報告書、うまいな、ああ、分かりやすいなと思ったんです。それは文章構造を分析してもとても読みやすい。
最初に、石川代議士が、私自身も深く関与をした事実、だから私はこの
事件に深く関与しているんだということを語ったということが引用されながら、次のところに行くと、公平性を明らかにするためだと思うんですが、こう書かれている。石川はいずれの点についても否定し、新たな供述を得ることはできなかった。そこから田代
検事と石川さんとのやり取りがほぼ、ほとんどの部分を占めて一問一答で続いていくんですよね。こんなんだったら全面可視化すればいいのではないかと思うぐらいなんですが、石川さんがううんとうなり声を上げてしばらく
考え込んだ後、本職と以下のやり取りをした。で、石川さんが、問題はそこですよね、そこをどうするかですよということでいろいろ話が続いていくんですが。
重大な問題は、そのやり取りの中で、やくざの手下が親分を守るためにうそをつくのと同じようなことをしていたら、あなたを支持した選挙民を裏切ることになりますよ、そういう文言があるんですよね。これ、なぜ重大かといいますと、やくざの手下が親分を守るためにうそをつくのと同じと
捜査報告書では書かれているんですけれども、重大なのは、東京第五
検察審査会の小沢ケースにかかわった
検察審査会の審査補助員を務めた
弁護士が、当時、
検察審査会の会議の中でどのような話を選ばれた審査員の人たちにしたかというと、こう発言している。暴力団や政治家という違いは
考えずに上下
関係で
判断してください。だから、田代
検事は、小沢ケースというのはやくざの手下が親分を守るためにうそをつくのと同じようなものだと、そういうことを言いながら、今度は、その報告書を読んだ、そして議決書にも書いた審査補助員は審査員たちにそのように
説明しているんですよ。これは本人が語っていらっしゃる。
さらに問題なのは、この間、禁錮三年の求刑がありましたけれども、そのときも指定
弁護士の論告の中には、共謀の理論として、暴力団組長の銃刀法違反
事件の
最高裁判決を使っているんですよ。これは共謀の理論についてここで
大臣の御所見を伺うことはしませんけれども、やはり暴力団とか過激派とか、そういった、どこがやったかは分かるけれども、その具体的な謀議を特定することが難しい、そういう暴力団とか過激派のケースと政治家のケースを一緒にしては駄目だと思うんですよ。
ところが、繰り返しますが、この田代
検事の報告書、暴力団と政治家は同じようなものだと。それをまた指定
弁護士が、審査員たちに言い、そしてまた論告求刑の中でも使われている。そうなると、やっぱり一連の流れが、この田代
検事の
捜査報告書に端を発していると見ざるを得ないんですよね。だからこそ重要だというふうに思っているんです。
こういうことについて御答弁は難しいと思うので、そういう
指摘、これまでマスコミでもされていないので、一連の流れがそうなっているということはここでどうしてもお伝えしたかったんですが。
そして、もう
一つ大事なことは、田代
検事が昨年十二月の陸山会
裁判で証人として出廷したときにこう語っている。当時、つまり石川さんを取り調べた二十二年五月十七日ですか、当時はその危険性を自覚していなかったが、危険性というのは録音されているという危険性なんですが、当時はその危険性を自覚していなかったが、録音されていると分かっていればこのような取調べはしなかったと言うんですよ。これは田代
検事御本人がおっしゃっている。だから、録音されていたら偽造文書なんかは作らなかったよということを自己表白されているわけなんですよね。
さらに、ここで
大臣にこれは是非ともお聞きをしたいのは、全面可視化についてやらなければいけないというのは、やはり被疑者とか参考人だけではなくて、私は
冤罪をつくってしまったと反省をされている元
検事の市川寛さんがおっしゃっているんですけれども、取調べの全面可視化は被疑者、参考人が拷問に遭わないようにするため、拷問というのはかぎ括弧付きで、ひどい目に遭わないためもあるけれども、取り調べた側の
検事が、ひょっとしたら俺が覚えていないだけじゃないのと悩んだり後悔しないためにも必要なのではないだろうかというふうに、一
検事の、十二年少し
検事生活があったんでしょうかね、反省されている。
だから、そう
考えたときに、やはり田代
検事の偽造
捜査報告書問題も含めて、こういうときにこそ
小川大臣のイニシアチブでもって可視化、取調べの全面可視化ということを是非とも実現させる必要があると思うんですが、いかがでしょうか。