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参考人(津田大介君)
皆さん、よろしくお願いします。津田と申します。
済みません、まず最初に、こんな不謹慎な金髪をこんなところに呼んでいただいて、ありがとうございます。
我々、僕個人としては
インターネットユーザー協会というものの代表として来ていますが、ある
意味でいうと、
インターネットユーザーの声を代表して語るということは非常に難しいんですよね。
インターネットユーザーって今九千五百万人いますから、
国民のほとんどが
利用しているような
情報環境になっているという中で、そんな人たちの全ての声を代弁するということはできないんですが、ただ、
インターネットユーザーのある種の
一つの声であり、そして僕個人が実はこの問題と非常に深くかかわっておりまして、元々この二〇〇〇年の、
著作権法改正を決めた二〇〇六年から二〇〇九年に
文化庁の方で私的
録音録画小
委員会という
審議会がありまして、僕はそのメンバーで、
ダウンロード違法化、
刑事罰化の前の
違法化というものを決定する、そこに
委員として携わっていた一人としても非常にこの六年ぐらいこの問題に携わってきたという立場から今日はお話しさせていただければなと思っています。
まず、この問題、先に立場から表明していきますと、僕個人そして
インターネットユーザー協会は、
刑事罰化には反対という立場です。いろいろな考え方あると思うんですが、僕が思い出すのは、二〇〇六年から二〇〇九年にこの議論をやっている、まさに
文化庁の
審議会の中で議論をしているときに、今回
皆さん、日弁連さんや僕らが
提出した
資料の中のこういった懸念点、無辜のユーザーが間違えて逮捕されてしまうんじゃないかといういろんな懸念点というのはずっと議論してきたんですよね。本当だったら一年で決めるようなところを三年間、期間延長してやってきたので、相当慎重に議論してきたという思いが僕の中にもあります。
僕個人はその
審議会の中で
ダウンロードを
違法化する必要はないのではないかという反対の立場を取っていたんですが、それでも様々な懸念点を出すことで、それを
皆さんで議論して精査することで、懸念点に対する
保護みたいなものというのは議論していく中で随分ケアされていったのかなと、それなりに妥当な結論になったなというふうに、それは覚えています。
その
意味で非常に僕もこの問題には思い入れが強いんですが、そのときに、まさに二〇〇六年から二〇〇九年、じゃ
インターネットの違法なファイルを、
音楽や動画を
ダウンロードするのを
違法化しようというときに、
刑事罰を付けるのかどうなのかということも当然議論に上がったんですね。
議題に上がって、そのときに、僕個人は反対の立場ではあったんですが、
刑事罰は付けないという案が事務局、そして議論の中で出てきた中で、僕は、当時の日本レコード協会の生野さんだったと思うんですが、聞いて、
刑事罰付けることは要求するんですかと。当然、レコード協会は当時から
刑事罰を付けることは要求していたんですね。要求していたんですが、なぜ付かなかったかというと、やはり
委員の中の半分ぐらいは
著作権法関係の
関係者、法曹
関係者で、そして座長だった
著作権法の一番の権威である中山信弘先生も、これはやはり
刑事罰はまあ付けられないだろうと。何で付けられないのかというと、単純にもうこれは、ユーザー個人が
ダウンロードする、犯した罪や、そこによって損なわれる経済的損益に対して科す罰が、
刑事罰を付けるというのは重過ぎるだろうということで、そのときはやはり
刑事罰は付けられないということがそのときに参加していた法曹
関係者の多分共通した見解だったんだと思います。
二〇〇九年にその
委員会自体は閉じたんですが、その後、ずっと毎年定例で開かれている
著作権法を
審議する法制小
委員会というのが
文化庁にはあって、法制小
委員会というのはもう
委員全員が
著作権法の法曹
関係者です。基本的にはもう法学者しかいないんですが、その中でもやはり
刑事罰化というものの要望というのは
音楽業界から上がっていて、当然
議題には上ったんですが、ただ、やはりこれはバランスが悪いということで否定されていて、そして今に至ると。
そして、そういう
意味でいえば、やはりこれ
審議会に任せて、ある種、
著作権法の法曹
関係者に任せたら、これはもうほとんどの人がそれはバランスが悪いということで否定しているので、これではもう
刑事罰を付けることができないということで、ここ一年、二年ぐらいの話として
議員立法が持ち上がって、今ここで議論されてまさに可決されようとしているというのが一連の流れであるということですね。
ただ、法曹
関係者が否定されたということは、先ほど日弁連の御
意見が表明されましたけれども、そこの、日弁連がなぜ反対しているのかというところにもつながっているということは
理解していただければなと思います。
この問題を考えるときに、僕は本当に今こうして集まっていただいている政治家の先生方のお仕事はだから非常にやはり大変で重要なものだと思って日々僕は尊敬しています。これは、僕がこういう政策とかかわるようになってから思っている、これは本当な真摯な思いでもあるんですが、じゃ、政治家の先生方のお仕事って何なのかと。多様な方々の立場の
意見を聞いて、そして本当にいろいろ全く利益が異なる、利害
関係が異なるステークホルダーの
意見を聞いた中で、大所高所から、
法律、そしてこの国の未来を考えて政策をつくっていく。ある
意味、僕は政治家の先生というのはメディア的な存在だと思っているんですね。媒介としてのメディアですね。いろんなものがあった中で、何かを、でもそうして決定して進めなければいけないというところなんですが、ただ、この問題でいうと、この問題、じゃ
違法ダウンロード、特に刑罰化の問題ということを考えたときに、やはり法曹
関係の多くがこれは明らかにバランスが悪いと反対しているということは、これは
一つの事実として僕は厳粛に受け止めていただきたいなということは思いますね。
これは、僕個人がやはりすごく印象に残っているのが、実はまた二〇〇六年から二〇〇九年の僕が参加していた
審議会の話に戻るんですが、変な話なんですけど、
ダウンロード違法化に関して、僕は、
委員が十八人いて一人だけ反対している立場だったんですよね。これはもう
違法化しなければやむを得ないだろうということが議論の趨勢になっている中、僕は最後まで一人で反対ではあったんですが、とはいえ、その中で、議論した中で、ある程度落としどころというのを探る形になって、結論が出て、それが
著作権法改正になっていくというプロセスを経ていたんだと思っています。
そのときにある
意味一番対立していた
委員の方、まさに法曹
関係者で、どちらかというとエンタメ業界に近い
弁護士の先生が、その方は
ダウンロードの
違法化には賛成されたんですが、今回、この
刑事罰化ということに関しては、僕と一番ある種対立していた方も、この
刑事罰化に関してはやはり余りにも行き過ぎだと、これは明確に反対するということを日弁連の集会で述べていらしたんですよね。非常にそういう
意味でも、何か、まさかこの人と同じ
意見を同じ場所で述べることになるとはなというふうに、僕個人も非常に感慨深いものがこの前の日弁連の集会ではあったんですが。
非常に大きなそういう問題を、ある
意味で政治家の方々にやはり改めて
認識していただきたいのは、この問題、やはり
議員立法として
提出されたということの経緯も含めて、一部の特定業界、今だとやはり
音楽業界ですね、
音楽業界の
意見だけ聞いて、そして今
インターネットの
違法ダウンロードによって非常に大きな被害を受けているという、六千八百億円近くの被害を受けているという調査結果もあるんですが、でも、元々根本的にはその調査結果自体もちょっと取ったやり方が偏っているんじゃないかという
指摘もまたいろいろな学者からも出てきているわけですよね。
そもそも日本が一番CD売れていたというのは一九九八年で、そのときにCDが六千億ですから、それがピークでどんどん下がってきていて、今二千五百億ぐらいまで下がっているわけですね。非常にそういう
意味では深刻な
状況というのは分かるんですが、ただ、それ以上の、今まで、かつて売ったこともない、CDをそこまで売ったこともない、六千億がピークであったのに、それ以上の六千八百億というものが
違法ダウンロードによって損失が出てきているということ自体が、そもそも数字としては僕は余りにもバーチャル過ぎるのではないのかなというふうに思いますし、そういったある種偏った調査結果に基づいて、やはりこういった国会で、その偏った調査結果に関してこれってどうなのとチェックして、その中で慎重に議論してやっていきましょうよというのが国会の役割だと僕は思っているので、それがチェックなしに進んでいくということには非常にちょっと残念な部分があります。
そして、ただ、とはいうものの、CDが売れなくて
音楽業界が
違法ダウンロードに苦しんでいるということは僕も非常に
理解できます。僕自身もずっと
音楽業界をもう十年以上仕事をジャーナリストという立場で見てきて、それは非常に僕も
理解できます。先ほど岸さんの方から
音楽業界の厳しい現状を御紹介いただきました。あれはもうほとんど本当に生の声、現場の声だというふうにも思います。岸さんは大学で教えている傍らレコード会社のエイベックスの取締役もされているので、その
意味ではまさに本当に現場の声というのはよく分かっていらっしゃると思うんですが。
僕個人が、じゃ、自分はどうかと。
実は僕も
音楽大好きです。まあこんな金髪にしているというのもあるんですが、
音楽好きですし、
音楽業界にかかわっていないかというと、かかわっています。
音楽の
情報を、新譜
情報とかを取材して、いわゆる
音楽雑誌のウエブ版みたいな「ナタリー」というものの、それの創業メンバーで、ある
意味でいうと、
音楽業界がなくなってしまったら僕らの業界というのもなくなってしまうので非常に困る。本業でいえば、僕は基本的にはジャーナリストですから、当然僕が書いた原稿というのも
著作権というのが存在するわけですね。
著作権がなければ飯を食えなくなるので、僕もそういう
意味では知財
保護とか
著作権というのは非常に重要だとは思っています。
では、そんな立場なのに何でこの問題に反対するのかということは、やはりこれ根本的な話として、これが
音楽業界の特定の問題だけではなくて、やはり
国民の
情報のアクセスそのものですね、それにかかわってくる非常に大きな、範囲が、社会全体に影響を与える範囲が大きい問題だから僕は反対をしているという立場です。
元々、
インターネットを
皆さん多分もう使われていない方なんていないと思いますけれども、
インターネットってじゃどういう
技術かというと、基本的には
情報を、世界中のパソコンとパソコンをつないで
情報を簡単にコピーできるようにすることで社会全体の
情報の公共性を上げていきましょうよという、そういう思想なわけですよね。でも、
著作権法ってどういう
権利かというと、自分が
著作権発生しているものを他人に勝手にコピーさせないということで経済的インセンティブを与えるという、他人にコピーをさせない
権利と、
情報をコピーしやすくすることによって、それで社会全体の便益を上げていきましょうという
インターネット、最初から、真っ向からこれぶつかっちゃうわけですよね、
インターネットと
著作権というのは。
その中で、じゃ、どうバランスを取っていこうかということが、
インターネットが登場してきた一九九五年ぐらいから非常に
文化庁を中心に割と慎重に議論をされてきたということがあるんだとは思います。
これはなかなか難しい問題だと思います。先ほど岸さんの方からも久保利さんの方からも経済的便益も損なわれているだろうと、これ、結局のところ万引き犯と同じじゃないかと。万引き犯は捕まるのは当然だということで、そのアナロジーでこの問題というのは語られがちではあるんですが、これ、半分は正しくて、やっぱり半分ちょっと違うところがあるなと僕は思っていまして、なぜかというと、
著作権というのは元々土地とか物になぞらえて考えられがちなんですけれども、でも疑似的な所有権なんですね、
著作権というのは。あくまで土地のような有体物のような所有権ほど強いものではないし、そもそも社会的な実験みたいなところが強いと。
著作物の
利用がもたらす便益と
著作権者保護のバランスの上で、そこで成り立っている。だから
権利制限というのがあるわけですね。
著作権というのは、例えば、じゃ
障害者利用とか
学校の中では制限していきましょうということが、ある
意味でいうと土地の
利用権なんかと比べても非常に制限される。これは社会的なバランスを取って決められているというところがあると。
そういう
意味で、こういったものを変えていくというところでは非常にやはりバランスを取った議論をしなきゃいけないということがあって、ある
意味でいうと、各国の
著作権法制度が全く違って、それぞれが異なる実験を行っているというのも、これは非常に、ある
意味でいうと国際潮流があるようでないんですよね。
例えば、じゃ今回、先ほど岸さんの方から、フランスや韓国でスリーストライクの法が
罰則として入れられたじゃないかという話はありますけれども、ある
意味でいうと、これ、スリーストライクというのは何かというと、二回若しくは三回までは見逃すよという、そういう
意味でのバッファーを設けているんですよね。
今回、これ
刑事罰化通ったらどうなるかというと、これスリーストライクじゃないですから、ワンストライクでもうアウトなわけですよね。ワンストライクで捕まってしまうと、そういうバッファーを設けないと。
だから、そこはやはりまた
法律、刑罰化のもたらす
意味合いも異なってくるということもまず
理解していただきたいということもありますし、加えて言うと、例えば最近の潮流ですと、やはり
インターネット、個人がパソコンに
ダウンロードするというのはやはり家の中でやるようなものなので、これはもうそこに関して違法とするべきではないかということが、これスイスとオランダでもこういったものの議論になりまして、むしろスイスとオランダは逆に私的
ダウンロードに関しては合法化していますというような流れもある。もちろん、スイスやオランダは、どちらかというとアメリカとか非常にでかいコンテンツ輸出国のものを
ダウンロードすることが多くて、余り
音楽とかを輸出することがないというところで変わってくるということはあるんですが、いずれにせよ、全ての国がじゃ
ダウンロードを
違法化して刑罰を付けて厳罰化しているかというと、そういうわけではないわけですね。それも非常に国によって対処の仕方も変わってくるということはまず
状況としてある。
端的に、そろそろまとめに入りたいんですが、じゃ今回の
ダウンロード違法化、そして違法の
ダウンロードの刑罰化、一番の問題はどこにあるのか。なぜ僕は著作者でありながら反対するのかというと、やはりこれ社会全体に影響が及ぶ
著作権法をいじるということなんですよね。
例えば、これが通ったらどうなるのかというと、もしかしたら、じゃ
ダウンロードを
違法化して
刑事罰付けても
効果がなかなか見えないと。であれば、じゃストリーミングも
対象にしましょうと、ユーチューブとかで見ているのも、単にパソコンに保存されないものも違法の
対象にした方がいい、刑罰化の
対象にした方がいいんじゃないかとか、若しくは、やはり情を知ってというんであれば、これがある以上、なかなか摘発もできない。情を知ってという項目を削除した方がいいんじゃないかとか。
あともう
一つ非常に重要な問題としてあるのは、これ今
音楽と動画だけに限定されていますよね。ただ、これ実際に
著作権分科会、
文化庁の
審議会なんかでは何で
音楽と動画だけ特定に
保護されるんだと。全ての
著作物を
保護してくれよというふうにゲーム業界とかほかの業界からも声が出てきています。
著作権っていろんなものが
保護されますから、いずれ
音楽と動画だけではなく全ての
著作物が
ダウンロード刑罰化の
対象になるというような、ある
意味でいうと、刑罰化付けば、そこから先というのはそこに行きやすくなるということは可能性としてはあるわけですよね。
そうなるとどうなるのかというと、考えてみてください。例えば、我々ふだん
ネット見ていますよね。
ネット見ていて、例えば、じゃ何々新聞の記事があったなと思って検索をしてみると。検索をしてみて、それが朝日新聞とか読売新聞とか彼らが作った記事にぶつかればいいですけれども、たまたまそれをコピー・アンド・ペーストしたブログとかを見付けたと。それを
資料としてちょっと使おうと思って印刷しましたと。でも、そのブログに転載されたものって明らかに
権利者の無
許諾のものですから、それ違法ですよね。それ印刷しましたと。
皆さんの秘書の方々がちょっとこんな問題があってこういうふうになっていますと言ってたまたま印刷した
資料を持ってきた。でも、それ違法
行為になっちゃいますからね。たまたま、いいなこれ、このきれいな
映像が、きれいな夕日の画像があったと。パソコンの壁紙にしたいなと思って右クリックで壁紙にするってやったら、これも
ダウンロードですから、これも違法です。
刑事罰も付いてしまいます。
という、これだけ全ての
著作物が
対象になって、これから電子書籍なんていうものも本格化するというときに、我々は本当に日常的に
インターネットで
情報を取っているときに、それが違法か合法かというのは分からない
状況で取っていますし、それが
音楽、動画以外にも
拡大されたときに、これ
インターネットのユーザー今九千五百万人ってさっき言いましたけれども、多分日常的に使うユーザーの四千万とか五千万とか、半分以上がよく知らないままに違法
行為をしてしまう。そういう
状況につながる
法改正であるということは非常にやはり
理解していただきたいなとも思いますし、そうなったときに本当に、やっぱり
国民、
インターネットという
情報技術そのものが
国民の
情報を知る
権利なんかにもつながってくる非常に重要なものであるという、
音楽業界を
保護するという議論だけではなく、
情報技術そのものに対しての秩序が変わってくる問題であるということであるということですよね。
とはいうものの、最後になりますけれども、僕も岸さんがおっしゃる立場と実はすごい近くて、日本のコンテンツ産業は守るべきだと思います。守るべきだと思いますし、輸出すべきだと思います。そして、
インターネットが特別にすごい治外法権で何でも自由に違法できるよという、そういう空間であるべきではないとも僕も思います。
この今回の
刑事罰化に関していえば、もちろん
目的は
一つだと思うんですよ。コンテンツ業界が、
音楽業界がもうかるようにする。これは目標ですよね。これ、分かります。全く僕もその目標に関しては同意するし、進めていくべきだと思う。とはいうものの、今回の
刑事罰化で、じゃ
音楽業界が、CDがたくさん売れるようになるかといったら、多分ならないです、下がっていくと思います。
これはまた、先ほど久保利さんの方から、これはもう本当に経済問題だという話で総会屋の話があって非常に面白いなと思いながら伺っていたんですけど、総会屋が、結局
刑事罰が付いたことによって総会屋はもう萎縮したわけですよね。萎縮したことによって企業の便益は上がったと。これは経済的
効果があったんですけど、
音楽家の問題って、これちょっと違うのは、当然、
刑事罰になったらみんな萎縮します。ただ、
音楽を
ダウンロードするユーザーはまず総会屋ではないということと、プラス、結局萎縮することは同じなんですね。萎縮したら何やるのかというと、買わなくなるだけなんですよね、単純に。だから、恐らくそれは、そもそもそういう
意味で経済的な問題というのは非常に難しいのかなと。
僕は、じゃ、どうすればいいのか。これは反対するだけで対案を示さないのはどうなんだということもよく言われるので、対案でいうと、僕、これはもうこの問題、解決する目標、コンテンツ業界を伸ばしていくというものの解決する対案は、割と
一つ簡単にあります。何かというと、やっぱり文化予算を増やすことだと思うんです、これは。これしかないと思います。日本の文化予算、幾らかというと、今大体
文化庁の予算は一千億です。一千億なんですけど、なかなかやっぱり低いんですね。これ諸外国に比べても全然低いです。
例えば、じゃ、今コンテンツを輸出している、我々
音楽番組見ると、CD屋へ行っても、韓国のKポップがたくさんありますよね。Kポップはもう国策として輸出して、そして外貨を獲得している。韓国の文化予算って去年幾らだというと五千億です。日本の五倍掛けています。それだけ彼らは投資して、それを回収しようとして日本に進出している。
翻って、日本の、じゃ道路
関係予算は幾らだと。今、一兆四千六百八十二億ぐらいですよね。もう行くかどうかも分からないような高速道路というのをいまだにやっぱり建設していて、これ誰も
利用しないだろうみたいなところに二千億掛けてやろうとか言っているわけですよね。その二千億とか止めて、何か
文化庁の予算にちょっとでも回す。せめて韓国ぐらい、五千億ぐらい回して、そこで業界を
保護していく。これ
刑事罰化やって、多分売上げ伸びないって最悪ですよね。
情報環境に対して悪影響があって、しかも
音楽産業も伸びないなんていったら、これはもうある
意味でいうと政治の不作為だと思います。
だから、多分、これは本当にこの予算配分をどうしていくかということを考えるのがまさに政治家の先生のお仕事だと思いますし、僕は文化は
保護されるべきだと思うし、そのためにはやはり
文化庁の予算というのもきちんと、
文化庁、庁ではなくコンテンツ省に上げようなんていう議論もありますけど、そういうところも含めた議論をしていただきたいなと思います。
是非、本当に皆様方には、この問題が
音楽業界の特定の問題ではないと。そうではなく、やっぱり誤った
認識を捨ててもらった上で、社会全体に影響が及ぶ問題であるという、そういう
認識を持ってもらって、是非この問題、本当に拙速に進めるんではなく、僕は五年、六年時間を掛けて慎重に進める問題として
認識していただいて、是非、今回に関しては止めていただいた方がいいんではないのかなというふうに思います。長くなりました。以上です。
ありがとうございました。