○
委員以外の
議員(
島尻安伊子君) ただいま議題となりました
消費者教育の推進に関する
法律案及び
消費者基本法の一部を
改正する
法律案につきまして、その提案の
趣旨及び主な内容を御
説明申し上げます。
まず、
消費者教育の推進に関する
法律案について御
説明申し上げます。
消費者基本法第七条第一項において、
消費者には、消費生活に関する必要な知識の修得や必要な
情報の収集等自主的かつ合理的に行動することが求められておりますが、こうした
消費者の自立を支援するとともに、
消費者被害の予防に資する有効な取組であるのが
消費者教育です。
同じく、
消費者基本法第十七条には、国の講ずべき施策の
一つとして
消費者教育の充実が明記されておりますが、学校教育では十分な授業時間が確保できておらず、また、
高齢者を始めとする成人を
対象とした社会教育についても効果的な取組がなされていないことなどがこれまでにも
指摘されてきたところであります。
消費者教育につきましては、
平成二十一年の
消費者庁設置関連三
法案の国会審議においても議論がなされており、衆議院では、
消費者安全法に定める国及び
地方公共団体の責務に消費生活に関する教育活動を追加する等の修正が行われました。
参議院では、当
委員会において、
消費者教育について
参考人
質疑を行ったほか、
消費者庁設置関連三
法案に対する附帯決議において、
消費者庁が
消費者教育推進の司令塔機能を果たすことや、
消費者教育に関する法制の整備について検討を行うこと等を明記いたしました。
なお、
消費者教育に関する法制の整備については、
平成二十二年三月に閣議決定された
消費者基本計画にも盛り込まれております。
また、東日本大震災の際に、
消費者による食料品やガソリンなどの買い急ぎや買いだめが行われ、主に首都圏において生活関連物資が品薄状態となる事態が発生したことは記憶に新しいところです。
こうした非常時に、
消費者が必要な
情報を得て、自主的かつ合理的に行動するためにも、
消費者教育を充実させることは急務の課題であると言えます。
消費者教育の推進に関する
法律案は、ただいま申し上げました経緯、また、
消費者教育が、
消費者と
事業者との間の
情報の質、量及び交渉力の格差等に起因する
消費者被害を防止するとともに、
消費者が自らの利益の擁護及び増進のため自主的かつ合理的に行動することができるようその自立を支援する上で重要であることに鑑み、
消費者教育の機会が提供されることが
消費者の権利であることを踏まえ、
消費者教育を総合的かつ一体的に推進するために必要な事項を定めようとするものであり、その主な内容は次のとおりであります。
第一に、
消費者教育及び
消費者市民社会について定義することとしております。
第二に、
消費者教育について七つの基本理念を定めることとしております。
第三に、
消費者教育の推進のための国及び
地方公共団体の責務並びに
消費者団体、
事業者及び
事業者団体の努力について定めることとしております。また、
政府に対し必要な財政上の措置等を講ずることを義務付けるとともに、
地方公共団体は必要な財政上の措置等を講ずるよう努めなければならないこととしております。
第四に、
政府は
消費者教育の推進に関する基本的な方針を閣議決定すること、また、
地方公共団体は、この基本方針を踏まえ、
消費者教育推進計画を定めるよう努めなければならないこととしております。
第五に、学校、大学等、地域における
消費者教育の推進及び
事業者等による
消費者教育の支援等について定めることとしております。
第六に、
消費者庁の審議会等として、
消費者、
事業者及び教育
関係者、
消費者団体、
事業者団体その他の
関係団体の代表者、学識経験者並びに
関係行政機関等の職員で組織する
消費者教育推進
会議を置くとともに、
地方公共団体は
消費者教育推進地域
協議会を組織するよう努めなければならないこととしております。
なお、この
法律は、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において
政令で定める日から施行することとしております。
また、附則において、法施行後五年を目途として、この
法律の施行
状況について検討を加え、必要があると認めるときは見直しを行うこととしております。
次に、
消費者基本法の一部を
改正する
法律案について御
説明申し上げます。
本
法律案は、
政府から国会に対し、毎年、
政府が講じた
消費者政策の実施の
状況を報告しなければならないことを定めようとするものであり、公布の日から起算して六月を超えない範囲内において
政令で定める日から施行することとしております。
以上が両
法律案の提案の
趣旨及び主な内容であります。
何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。