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大門実紀史君 日本共産党の大門です。
マルチ商法について
質問をいたします。
山岡
大臣は辞められましたけれども、山岡さんが辞めたからといって何か
マルチ商法対策が進んだわけではございません。これから何回かに分けて
質問をしたいと思いますが、今日はその一回目ということでお聞きいただきたいと思います。
私は二〇〇八年からこの問題を国会で取り上げてまいりましたけれども、
マルチ商法は、この間も言われておりますとおり、法律的に言えば連鎖販売取引でございます。現代用語といいますか、今の言い方で言えば、言われているネットワークビジネスということでございまして、会員をネズミ講式に
拡大していって、物品販売ですけれども、それで頂点はどんどんもうかるけれど、末端に行くほど、何というか、負債がたまって、在庫がたまって、借金を増やして、多重債務とか家庭崩壊とか自殺とか起きているという社会問題になっているわけでございます。
ただ、問題は、複雑なのは、この
マルチ商法というのは、ほかの悪徳商法と違いまして会員を増やしていくわけですけれども、会員を増やした途端、その人も加害者になってしまうと。加害者であり
被害者でありという
関係になりますから、なかなかこの問題が顕在化しにくいといいますか、裁判とか訴訟になりにくいわけでございます。したがって、何といいますか、水面下でずっと
解決されないで進んできているという問題ですが、いつも被害は起きているということでございます。
元々、連鎖販売取引は一九七四年の、当時は経済企画庁だったと思いますが、国民生活審議会とか七五年の産構審ですね、産業構造審議会、当時通産省ですか、そういうところでかなり
議論をされまして、全面的な規制もしようかという
議論まであったんです。国会でもそういう
議論があったんです。
まあいろいろありまして、結果的には特商法で、勧誘の仕方が悪ければ摘発しようというふうなところで、まあ取りあえずそういう形にしようということになったわけですが、一度は国会で、霞が関で、全体で規制をしようかという俎上に上ったテーマであるということは、よく今の
方々に知ってほしいなというふうに思います。
その後、マルチ業界に、アメリカから、アメリカはマルチ、野放しですので、アメリカで飽和状態になったアメリカの企業がどんどんどんどん日本に入ってきて、そのときにネットワークビジネスという名前を使って、ずっとやり始めたと。同時に、いいマルチ、悪いマルチというような、そういう論も、そういうアメリカ系の企業はどんどん打ち出して、いいマルチと悪いマルチがあるんだと、自分たちはいいマルチなんだということをどんどんどんどん、そういう論を展開したわけでございます。
ただ、このマルチというのは、名前がどう変わろうと、連鎖販売取引というのはいいも悪いもないんです。仕組みそのもの、増やしていって、会員を増やすことで利益を上げる、利益を集中すると、この仕組みそのものに問題があるわけでございまして、いいもの悪いものがあるわけではございません。仕組みそのものに問題があるということですね。
ヨーロッパではこの仕組みが規制されております。アメリカと日本が野放しになっていると。今規制されていないから、合法だからいいんだということにはならないんです。立法府ですから、規制する法律を作る方向で
考えなければいけないテーマだということでございます。
この間、いいマルチ、悪いマルチ論に乗せられて政治家も動いちゃって、前だったら民主党の前田雄吉
議員が展開したり、最近では山岡さんがそういうことに乗っかっていろいろ動いたということで問題になったわけでございます。
ただ、少なくとも国会、霞が関のレベルで申し上げますと、二〇〇八年に当時の自民党の甘利経済産業
大臣は、これだけの被害が起きているので何らかの規制について
考えなければいけないということを答弁されておりますし、二〇一〇年は福島みずほ
消費者担当
大臣も、
消費者庁ができたんだから、一歩進んだ形で何かできることを
検討しなきゃいけないというふうになっているわけでございます。
私は、こういう歴史的な経過のある国会の
議論を霞が関でも、特に経済産業省の場合は、もうちょっとちゃんと規制しようと思っていたとか、こういう歴史的な到達点を踏まえて、このマルチの問題は、ネットワークビジネスの問題はとらえる必要があると思います。
新しく
大臣になられましたので、まず御
認識、あるいは
取組の姿勢について、お
考えを伺いたいというふうに思います。