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参考人(菊池英博君) 皆さん、こんにちは。菊池でございます。
お手元の
資料の中に、こういう形になっていまして、A4で表裏びっしりちょっと書きましたけど、このメモと、あと
資料が付いております。それで、この公述のメモに基づいて
お話をいたしたいと思います。
まず、私は、
消費税の
引上げそのものに対しては全面的に反対です。
消費税を上げなくても、
社会保障の
財源は幾らでも出てくるということをここで具体的な数字で具体的な提案を申し上げます。
それで、まず、じゃ、時間の関係ございますから、メモを全部読みます。それから、ここに
資料がちょっと多めに用意しております。この
資料は全部、
政府の
内閣府と
財務省が出した数字、あとはOECDの出した数字をベースに私が作り上げたものです。したがって、はったりは何
一つございません。この
政府の
資料を
総合的に見れば、
日本は
財政危機ではないということがはっきり分かります。
財政危機は壮大な虚構です。増税をするために自公
政権以来でっち上げたことです。それをはっきりとここで証明をいたします。同時に、こうすれば
消費税の増税をなしで
社会保障費は賄えるという提案をここにいたします。
それでは、メモを全部読みますから、時間の関係がありますんでね。
それでは、
社会保障と税の
一体改革に関する
特別委員会、この
委員会の付託法案の中身は、実質的には
消費税だけの増税法案であり、
社会保障に関して民主党が
国民に公約した事項は全て
社会保障国民会議に棚上げされており、公約違反であり、極めて遺憾であります。したがって、本
委員会は
消費税増税
委員会であると名前を変えるべきです。そこで、
消費税に関しての所見のみを私は申し上げます。
消費税の
引上げについては全面的に反対です。
現在、
政府、大マスコミ、大マスコミというのは
全国紙とかテレビ、特にNHKですね。NHKの最近大越というあの九時からのキャスターがいますね。あれが自民党と民主党と談合しろなんということを言っていますけれ
ども、ああいうのは公共放送として遺憾だと思います。ああいうのはしっかり、やっぱり
政府が
予算を出しているんですから、きちっと注意すべきだと思います。その情報は事実に反する内容が多く、
国民をだまして増税を認めようとしております。特に三党
合意は、こちらの三党ですよ、増税翼賛会であり、七十年前、一九四二年の東条
内閣の大政翼賛会の再現であり、民主主義の破壊であると私は考えます。
まず第一、
日本は既に平成恐慌。
平成デフレは一九九八年から今年で十五年目です。二十世紀以降の最長のデフレでございます。昭和デフレというのが一九二五年から三二年まで八年間でした。その後米国の大恐慌、一九二九年の十一月から三三年の四月まで三年四か月でした。平成デフレは一九九八年から始まって十五年目です。
累積デフレ率というのを見ますと、既に昭和恐慌の次元に入っております。累積デフレ率といいますのは、GDPデフレーターというのがありますね。GDPデフレーターとそれから
消費者物価と両方ありますけれ
ども、GDPデフレーターというのは
内閣府が出している物価の総合指数です。それをベースにして、一九九八年からマイナスになっていますから、それからずっとマイナスしていますね。一九九七年を起点にしてずっと考えてきますと、二〇一二年はもう二一%になっています。昭和恐慌というのが入った一九三〇年、これは昭和恐慌は一九二五年から始まりましたけれ
ども、そのときには累積デフレ率は二一%でした。つまり完全に
日本はもう恐慌段階です。
平成デフレといいますのは恐慌型のデフレです。中途半端な金融だけで解決できるということはありません。解決方法は
財政主導、金融フォローです。
それから二番目、
消費税が一〇%に倍増しますと、それだけで一世帯当たりの平均所得四百万円の二・九から三%の
負担になり、さらに徴収が決まっております分、これは年金
負担だとか東
日本の災害に関する
所得税の増税があります、これを全部入れますと、それだけで三・五%になります。データは全部付いておりますけれ
どもね。
この両方で一世帯当たりの平均
負担というのは六から六・五%です。金額にして、二十六から二十八万円になります。世帯数を六千万世帯というふうにいたしますと、
国民から全世帯で十五兆から十六兆円の金を召し上げるということになります。これは一九九七年に橋本
財政改革のときの失敗のときには
国民から十三兆召し上げたんですね、自民党さん、当時。これで金融恐慌が起きたわけですから、まさに大変に怖い恐慌の大きなトリガーになる可能性があります。
三番目、
日本の
消費税というのはこれは欠陥税です。
インボイスがない、輸出還付金が最終販売まで戻らない、販売段階での弱者へのしわ寄せが著しく寄っていきます。
消費税還付金が六兆円、今三兆円なんですが、これが六兆円になりますと大企業へ富が集中いたします。極めて不公平です。これは、輸出業者への
消費税の還付金制度というのは廃止すべきです。アメリカはやっておりません。ヨーロッパはやっていますけれ
ども、ヨーロッパはインボイス制度が完備しているからです。
四番目、フーバーの大失敗。
米国大恐慌、一九二九年から三三年のときに、一九三二年にフーバー大統領は連邦税に史上初めて、このときだけなんですけどね、
消費税を導入して、広く浅くと称して、石油税、食品、あらゆる食品に
消費税を導入いたしました。その結果、一九三二年には一段と恐慌が激しくなって、一九二九年に比べて株価は九〇%ダウンの一〇%、
国民所得は半減、四七%ダウンしています。デフレのときに緊縮
財政とか増税は
経済を破壊すると、これは昭和恐慌とか大恐慌の教訓です。
経済のイロハですよ、これは。
五番目、
日本は
財政危機ではありません。
財政危機は壮大な虚構であり、
政策危機です。
日本は、二〇〇二年の小泉構造
改革以来、基礎的
財政収支均衡策というデフレ
政策を開始して、デフレを、実はこのデフレというのは結果のデフレじゃないんですよ、
政府がデフレ
政策を取っているんですよ、今でも。そういうことをずっとしてきました。
それで、二〇〇九年に
政権交代しまして、
国民が期待したのは、こういう自公
政権の間違ったデフレ
政策を解消してほしいということだったんです。事実、鳩山
総理は二〇一〇年の五月に、菅副
総理の基礎的
財政収支均衡策、これはデフレの象徴ですね、これを
閣議決定しようとしたことに拒否されています。だから、鳩山
総理はデフレを脱却しようということをはっきり
政策で意思表示をされたんです。ところが、すぐ翌月、菅
政権になってから再び基礎的
財政収支均衡策を
閣議決定して、デフレを制度化してやってきている。
野田政権になっては、何をお考えになったのか、大増税をやろうということです。
その結果、これをやっていくとどうなるかといいますと、
税収が、増税した、一時上がったと思っても、
税収は減ります、
経済が悪くなるから。
消費税をまた引き上げなければ、また不況だ、
税収が減っていくと、大変な悪循環になって、
経済規模がどんどん減っていきます。デフレというのは
経済規模が減ることです。
経済規模というのは名目GDPですね、我々の給料ですよ。これがどんどん減っていくということです。
財政危機ではない、これだけの理由。
世界中、
日本が
財政危機だと思っている国はどこにもありません。私は、ヨーロッパにも行っているし、ニューヨークにも毎年行っております。世界一の債権国でありながら、自分の国の金を自分のために使おうとせず、あえてデフレ
政策を継続しているから
税収が上がらない愚かな国だと、こう思っているんです。
その理由として、一、中央
政府の債務の実態は粗債務の四六%にすぎません。今、
岩本先生からちょっと
お話がありましたけれ
ども、実際には、ここに書きましたとおり、粗債務というのは九百十九兆、これは粗債務というのは借入れだけですね。純債務というのは、
政府は金融資産を持っていますから、五百兆の金融資産を持っています。データは全部ここに出ていますから、後ほど時間があったら
お話しします。ですから、純債務というのは四百十九兆です。地方債務が百七兆ぐらいあります。ですから、純債務は五百二十八兆。
だから、海外は
日本が
財政危機だなんて思っていないんですよ。これはOEDCのデータにあります、ここにも出ていますけれ
ども。だから、一番安心な国だ、円を買いましょう、買いましょうと来るわけです。当たり前のことです。海外では、債務の実態を純債務で見ています。裏側を見てください、今のページの。ページの裏側です、二ページ目。
財務省も、粗債務と純債務と実は両方公表しているんです、これは説明書で。しかし、大マスコミが公表するときには粗債務だけで、あえて
財政危機をあおっている。これは誇大広告とか虚偽広告だと思いましたよ、これ。特にNHKが盛んにやっています。いや、これは本当に危機的なんですよ。それで、大マスコミ、これは極めてこういうことですから、非常に危機な、
国民をだましだまして増税をしようということだと思いますけれ
ども。
二番目、
日本は世界一の対外債権国で、純債権が二百四十八兆円ございます。これは最近の、二〇一一年九月の
財務省が発表したデータです。これは世界最大の債権国です。その所得収支ですね、その利息とか配当収入だけで十五兆円の金が入ってくる。これは
財源として湧いてくるんですよ、湧いてくるんです。
七番目、
政策危機である理由。今申し上げましたね、そういうことです。
それから同時に、増税派は、
日本はもはや
成長できない、先ほどちょっと御意見ございましたけれ
ども、だから
消費税増税しか
税収がないという考えがございますが、これはデフレを継続しようとしていることです。現在のデフレ、ですから、増税派の方はデフレを継続して、これを促進しようと思っているんですよ。だから、デフレ促進、これは民主党内の議論がそうでして、自民党さんでもそうですよね。今の対立軸がここにあります。現在のデフレ継続促進、増税促進では
経済規模がますます縮小し、
消費増税をすれば名目GDPは限りなく四百兆に近づいていきます。データもこちらにございます。
二番目、
日本は世界一
財源の豊富な国です。まず、埋蔵金五十兆、これはすぐ使えます、どこにあるか分かりますからね。
財務省とか
野田首相が埋蔵金はありませんと言うけど、あれは本当に事実に反する、失礼ながら大うそです。どこにあるか、決算
委員会のデータをこれ持ってきておりますから。五十兆はすぐ使えます。それから二番目、所得収支で十五兆、さっき言いましたね。三番目、
国民の預貯金でも現在十兆円ずつ毎年増えています。
それから、外貨準備に化けているお金、さっきこれ
岩本先生がおっしゃったんですが、百十兆。実は外貨準備で化けているお金というのは、我々
国民の所得が実はアメリカの国債を買っているんですよ。しかし、一九九九年九月まではこれは日銀
資金でやっていたんです。そのときは五十兆だった。ですから、端的に言いますと、現在、一九九九年九月までの、前の状況に戻せばいいんですね。戻すということは、今あるアメリカの国債、国債売らなくていいんです。これ売れませんからね、実際には。売らなくていいんですが、我々の内部の操作で、国内の内部の操作でその国債を日銀の
資金で持ってもらえば、五十兆とか百兆、百兆すぐ出ます。これ召し上げられているから国内は金が足らないんですよ。
それで、重要なことは
日本国民のためにこういう金を使っていくと。つまり、
政策をデフレ
政策から転換をしまして、デフレ解消策、そういうレジームチェンジをすべきです。本来
政権交代じゃないとこれできないんですよ。だから、民主党
政権になったときに私は期待しました。ところが、鳩山さん、小沢先生のときは良かったんですよ。いきなり菅さんになってから、再び構造
改革だとか、それから
野田さんになって、まさに、失礼ですけれ
ども、これは狂気の増税です。そういうときに入っている。
それで最後、
消費増税なしで
社会保障は賄えます。こうやればいいんです。通常の
予算とは別に五年百兆円の緊急
予算を制定しまして、
デフレ脱却、
経済を
成長路線に戻せば
消費税の増税なしで
財源は湧いてきます。これは
衆議院の
予算公聴会で、私今年の三月にお招きいただいたものですから、
お話ししたことの重複になりますが、ちょっと中身は変えてありますけどね。
それで、まず重要なことは、
日本として、輸出大国から社会大国、福祉大国ということで
政策理念を変えることです。民主党は実はこのとき内需大国にするということは言っているんですよ、
政権取ったときには。
それから二番目には、
政府投資と
民間投資は、
政府投資を増やす。同時に、
民間投資としては投資減税を実行する。それで五年百兆を実行していきますと、百兆も出すと大変じゃないかと言いますが、
経済が良くなりますから、三年目ぐらいでプラス・マイナス・ゼロになって、五年
たちますと、少しお釣りが来るぐらいになります。百兆出したものが百兆返ってきます。
どうやるか、どこへ金を出すか。脱石油、脱原発を
目的とした新エネルギー開発への設備投資、開発投資、十年で原発は停止すると。それから、
国民生活に直結した社会的インフラ、そういうものに投資をしていくと。これ書きましたね。それから、あと三番目、医療の更新、老朽化した病院の更新、最新鋭の技術にする。それから、
教育、研究投資、それから港湾施設、これも遅れていますね。こういうものの老朽化を排除する。それから、その後、地震とか津波
対策、これでインフラ投資をしていかなきゃいかぬ。
それから、歳入
対策としては、さっき申し上げたとおり金を全部使えばいいんです。同時に、私が申し上げたいことは、
所得税とか
法人税の最高税率は上げるべきです。
民間には投資減税をするということにします。それから、こういうふうに
経済を良くすれば海外に行っている金は返ってきますから、
経済が良くなって自然増収も可能です。
そういうことをしていきますと、ここに書きましたとおり、私の計算、これはDEMIOSモデルというモデルで精密に計算しているんですが、していきますと、五年後には名目
成長が六百兆円になります。この間、大体三から五%の
成長が出ます。
成長ができないなんていうのは大うそです。それから、同時に、これを続けていけば毎年一兆円以上増加していきますから、当然これで
消費税を上げなくても
社会保障費は出てきます。
最後に申し上げたい。歴史を学ばぬ者は歴史を繰り返す、これは米国の国会図書館の前にあります礎に書いた言葉です。恐慌型デフレなのに大増税をする、
財源が豊富であるのに、
国民のために使わないで庶民から多額の金を召し上げる、こうした
消費税の大増税は大きな誤りです。戦後最も残酷な
法律だと思います、これは。即刻廃案にすべきです。
最後に、私は民主党の方々にちょっと申し上げたいんです、二十秒。