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佐藤ゆかり君 今回はちょっと、やはり残念ながら捜査の結果が出るのが遅いということが私ども大変感じるところであります。それをまず一点、苦言を冒頭申し上げておきたいと思います。
その捜査の遅さの原因なんですけれども、私も
市場関係者にいろいろこの間、三月、四月、五月と聞いてみたわけであります。そうしますと、一つにはやはり、この
金融検査体制で先ほど来話題に上っておりましたけれども、
金融検査を行う
金融知識のある人材が少ないということ、そして、今回はケイマン諸島に
取引が及んでいるように、海外当局、
金融当局との連携が不足しているのではないかと。連携において、
金融知識を有する者が連携に当たることができていないのではなかろうかと、そういう声は
市場関係者からも多々
指摘として、想像の範囲かもしれませんが、上がってきているわけであります。
そこで、海外当局との
調査共助の体制について少し話題を移したいと思いますが、今回、
AIJ投資顧問が抱えていた残存資産の中に、九十億円程度既に海外に移されているのではないかと言われている資金の部分がございます。通常、海外の会議ですと、総理
大臣ですとか財務
大臣、あるいは日銀総裁等はG7ですとかG8、G20という定期会合がありまして、こういう国際会議の場というのがあるわけでありますが、こと
金融になりますと、大体枠組みづくりというのは主に、IOSCOと言われますが、証券監督者の国際機構というのがありまして、そこが舞台になって広げられているところであります。ここで決めることというのは、いかんせん拘束力がないというものが多く感じられるわけであります。
今回、海外当局との
調査共助についても、このIOSCOが多国間での取決めというものの枠組みを提示して、
日本の
金融庁もそれに署名をして加入しているわけであります。多国間MOU取決めといいますけれども、お互いにそれぞれ
金融犯罪等の疑いのある事件が発生したときに、国際的にまたがるときに、相手国に対して
日本の
金融庁が
調査の依頼をするというような相互関係の取決めがあるんです。ただ、これは相手国によっては遅々として
調査を進めてくれなかったり、それに対して何か
罰則の規定があるとか、そういうわけではございません。ですから、進まなくなると進まない、そういう
状況にあるわけであります。
私が申し上げたいのは、
松下金融担当大臣、新任で来られたわけでありますので、この
金融担当大臣の位置付けなんですけれども。やはりこういうIOSCOを
中心とした拘束力のない枠組みに頼っていると前に進まない。要するに、足りないものは、
日本の
金融当局、
金融担当大臣をトップにして、やはり
金融外交のもっともっとパイプを強めていただいて、海外の
金融当局とのパイプを強めながら、連携して説得力のある外交カードというのをつくる努力というものをやはり日々していただかなければいけない、そういう補完的な
役割というのが重要性を増してきていると思うんですね。
そこで、
松下金融担当大臣にお伺いしたいんですけれども、政権交代してこの三年間、国民新党から、
金融担当大臣のポストというのは指定ポストのようになってきているわけでございます。ですから、この
金融行政に関してはこの三年間で様々な蓄積と、剛腕も含めてですね、十分もう蓄積をされておられると思うんですが、今後、
松下大臣は、今申しましたようなIOSCOとは別の、大きな意味で
金融の連携を図る外交強化というのに進み出られるお考えでしょうか。