○大塚耕平君 その経緯についてお伺いしたかったわけではなくて、
安住大臣の個人的
見解ですので、
見解をお伺いしたかったんですが、そこはぐっとこらえて御答弁されなかったということだったと思うんですが、しかしこれ、ある
意味民主主義の欠陥というか、民主主義の弊害というか、自分のところの事業は何とか続けてほしいといって、全ての選挙区の議員がみんなそれを主張したら、全てのものを全部五十年前の計画どおり造り続ける、要求したものは全部実現し続けるということがまだ続くんですよ。こんなことをやっていたら、多分あと十年はもたないです、
我が国は。
サンクコストとおっしゃったんですね、たしかね。サンクコストも含めて、そういう定量的比較においては数字はどうにでもなるというのは、我々それが仕事でしたんでね、はっきり申し上げて、そんな定量的検証を基に
日本の
財政についてどうするかという悠長な
議論をしている
状況では私はないと思うからこそ、思うからこそ、いや、まあここは陽気な
安住大臣が、まあいろいろあったけれ
どもやっぱりこれは駄目だと、象徴的な話だからと、ぱんとはねつけていただけたら格好良かったのになと思って、大変残念だったんですけどね。
というのも、先週の
予算委員会でもやらせていただきましたけれ
ども、例えばこの間、北九州、福岡の総合特区の視察に行ったときに、たった三十億の
予算でもう世界のシェアを一〇〇%
日本に取り返せるような有機光ELという液晶画面の開発をやっておられる
先生とか、それから原子力発電所を完全に代替できるような燃料電池を開発もうほぼし終えていて、実用実験のためにようやくこの二十四年度の
予算で政府が九億円付けるとか、こういう片や涙の出るような努力をしていらっしゃる方々がいます。
今日も、朝、私
どもの党の中の小
委員会、規制
改革の
委員会に筑波大学の山海
先生という方においでいただいて、介護ロボットですね、HALというやつなんですけれ
ども、実演もして見せていただきましたけれ
ども、全省庁の若い人に聞かせなきゃいけないというので聞いていただいたんですが、これ、すばらしいです。今、ヨーロッパにもいろんな事業法人ができて、つまり販社ができて、それはヨーロッパの方がつくってくれと言ってきているわけですね。
山海
先生は、これは当初国の
予算が全く付かないので自分で何十万円かずつ出して開発していたのが、今ようやく形になり始めていて、しかし
日本の動きが余り遅いものだから、今ヨーロッパがこれを買いに来ているわけですよ。だから、やがて、手術ロボットのダビンチが基礎技術は全部
日本にあったのがヨーロッパに全部持っていかれて逆流したのと同じように、この介護ロボットスーツというのはヨーロッパ発の製品として
日本に出てくる
可能性がある。
僅かな
予算でそういうことができる一方で、先週の
予算委員会で御
指摘申し上げたのは、片や政権交代前に随分話題になった私のしごと館、とうとう引取り手がいなくて京都府に無償譲渡するという話が進んでいて、これは御党の西田さんもやれとおっしゃるので前向きに進めますけれ
ども、ここに投入された建設費と運営費は六百八十億円ですよ。
それから、この八ツ場ダム。サンクコストは計算すればどうにでも出ますけれ
ども、これから更に何千億も投入するんですかということを、これはいいかげんに党派を超えてどこかで決断しないと、
消費税を五%上げたぐらいではどうにもなりません。多分、ここにおいでの
先生方は
皆さん賛成してくださると思いますので、この問題をどう乗り越えていくかというのは本当に難しい問題です。
それからもう一つ。なぜこういう
状況になっちゃったかという理由として、最近物すごくデフォルメして私が申し上げているのは、一点目は今言ったとおり
社会資本造り過ぎ。二点目は、これはちょっと表現が難しいんですが、あえて誤解を恐れずに申し上げれば、
社会保障やり過ぎ。必要なところにはやらなきゃいけないんですけれ
ども、必ずしもそうでないところに対してやり過ぎちゃったと。
これは
自民党の
先生方にも
是非お伝えをしておきたいんですが、たまたま自分の研究テーマとして研究したこともあるので、事実として申し上げると、歴代の総理
大臣で
社会保障に
予算の軸足を移された最初の総理
大臣、そしてその総理
大臣のときに
公共事業費を
社会保障関係費が上回ったんですね。どなたかというと、これは田中角栄首相のときなんですよ。昭和四十七年に総理になられた直後には
補正予算で
公共事業予算を
中心で組まれて、四十八年からは
社会保障関係費を前年度比四〇%増、老人医療費無料化とかいろんなことをお訴えになられて、そういう
予算編成されたんですね。
当時は
社会保障はそれほど充実していなかったので、
政策判断としては間違いじゃなかったと思いますが、ただ、いろいろ漏れ伝え聞いたり文献で
調査してみると、やっぱり田中首相は選挙の天才であられましたので、もう直感的に御
理解されているわけですね。
社会保障は票になるということがお分かりになっていたわけであります。
国民の
皆さんが悪いわけではなくて、そういうモメンタムで数十年間運営してきた結果、
財政赤字がこういう
状況になったと。
だから、
社会資本造り過ぎ、
社会保障やり過ぎ、これを何とかしなきゃいけないんですが、
社会保障をやり過ぎとはいっても、現に医療や介護が必要な方々の
予算をどうするかというのは、これは生身の人間にかかわる話ですから、より慎重に
予算の再配分を考えていかなきゃいけないんですが、しかし、
社会資本の方の見直しで、ワンショットで出てくる金額というのは物すごいんですよね。だから、これは
財務大臣として本当によくよくお考えいただきたいですし、我々
国会議員もこの問題は避けて通れないなというふうに思っております。
今日は、余り質問というよりも私勝手にしゃべりますので、聞いていていただければと思いますけど。
そういう中で、
消費税なんかもいろんな
議論がありますが、
自民党の
皆さんも
参議院選挙でああいう公約を掲げられて、元々、
附則の百四条は公明党の
皆さんも一緒になってお作りになって、第三局と言われている橋下さんも
消費税は必要だと言っておられて、我々も、必要だという意見と、まあそうじゃないという意見もありますけれ
ども、いずれは必要だという意見が大半なんですね。
例えば、来年の
参議院選挙、衆議院選挙のダブル選挙のときに、そうすると、
自民党さんも公明党さんもうちも、橋下新党というものがもし出てきたときに、それはもう全部そういう公約になると、
消費税で
財政について少し健全化を図るということについては、あるいは
社会保障を充実するということについてはほぼみんな異論がない中で、そうなると何が争点になるかというと、そのために、
国民の
皆さんにそれをのんでいただくためにどこを見直していくかという、その見直しの
項目についての選挙戦になるわけですね。これこそ健全な議会の動きであると私個人は思っているんです。
だからといって、別に今の
消費税引上げの
議論に反対しているわけじゃないんですが、ここは本当に重要な局面だと思います、議会対行政という文脈で物事を考えたときには。議会の中の党派が党利党略や、あるいはいろんな展開を考えてどういう道筋を考えるかということと、議会対行政という文脈において大きなターニングポイントをうまく乗り越えていくためにどういうロードマップを考えるかというのは、ちょっと過去十年、あるいは私自身が議員にならせていただく前の十年、十五年含めて、二十年ぐらいのスパン、このグラフで言うと、バブルが崩壊して失われた二十年となって
財政赤字がぐっと増えてくるこの二十年間の中でも相当重要な局面を今迎えているなという気がしています、個人的には。それを財金の
先生方には一度、勝手に私のそういう受け止め方を申し上げたくてこういう機会をいただきました。
そのことはもうおいておきまして、今日は歳入庁についてちょっと質問をさせていただきたかったんですが、その歳入庁も今言った文脈で言うと、じゃ、どういうふうに
日本の統治機構やシステムを変えていったらいいんだというときに一つの重要な論点になりつつあります。今日、みんなの党の
皆さんが午前中発表されて、
法案を、私ちょっと行けませんでしたので秘書が代わりに行かせていただきましたが、この歳入庁構想について
財務大臣はどういうお立場かというのを簡単にちょっと、ごく手短に教えていただきたいと思います。