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2012-07-27 第180回国会 参議院 災害対策特別委員会 第9号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十四年七月二十七日(金曜日)    午前十時開会     ─────────────    委員異動  七月十三日     辞任         補欠選任      安井美沙子君     吉川 沙織君  七月二十六日     辞任         補欠選任      川崎  稔君     武内 則男君      若林 健太君     大家 敏志君      上野ひろし君     小熊 慎司君  七月二十七日     辞任         補欠選任      小見山幸治君     田城  郁君     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松下 新平君     理 事                 那谷屋正義君                 牧山ひろえ君                 加治屋義人君                 小坂 憲次君     委 員                 加賀谷 健君                 小見山幸治君                 田城  郁君                 武内 則男君             ツルネン マルテイ君                 藤末 健三君                 吉川 沙織君                 青木 一彦君                 大家 敏志君                 金子原二郎君                 佐藤 信秋君                 秋野 公造君                 渡辺 孝男君                 平山 幸司君                 小熊 慎司君                 山下 芳生君    国務大臣        国務大臣        (内閣特命担        当大臣防災)        )        中川 正春君    副大臣        内閣府副大臣   後藤  斎君        総務副大臣    松崎 公昭君        農林水産大臣  岩本  司君        国土交通大臣  奥田  建君    大臣政務官        内閣大臣政務        官        郡  和子君        文部科学大臣政        務官       城井  崇君        農林水産大臣政        務官       森本 哲生君        国土交通大臣政        務官       津島 恭一君        環境大臣政務官  高山 智司君    事務局側        常任委員会専門        員        櫟原 利明君    政府参考人        外務大臣官房参        事官       岡   浩君        厚生労働大臣官        房審議官     篠田 幸昌君        厚生労働大臣官        房審議官     西藤 公司君        厚生労働大臣官        房審議官     唐澤  剛君        農林水産大臣官        房参事官     高橋  洋君        農林水産省農村        振興局長     實重 重実君        林野庁次長    沼田 正俊君        水産庁長官    佐藤 正典君        中小企業庁次長  富田 健介君        中小企業庁事業        環境部長     加藤 洋一君        国土交通省土地        ・建設産業局長  佐々木 基君        国土交通省水管        理・国土保全局        長        関  克己君        国土交通省道路        局長       菊川  滋君        国土交通省鉄道        局長       久保 成人君        観光庁長官    井手 憲文君        気象庁長官    羽鳥 光彦君        環境大臣官房廃        棄物・リサイク        ル対策部長    伊藤 哲夫君     ─────────────   本日の会議に付した案件 ○政府参考人出席要求に関する件 ○災害対策樹立に関する調査  (派遣委員報告)  (平成二十四年梅雨期における大雨被害状況  等に関する件)  (平成二十四年梅雨期大雨による被害に対す  る迅速な災害復旧に関する件)  (激甚災害早期指定に関する件)  (漂流漂着災害廃棄物処理促進策に関する  件)  (ICTを活用した防災対策推進に関する件  )  (防災に資する治山対策強化に関する件)  (想定を超えた豪雨に対する治水砂防対策に  関する件)  (被災した農林水産業に対する支援強化に関  する件)  (広域・大規模災害に適した災害復旧被災者  支援制度見直しに関する件)     ─────────────
  2. 松下新平

    委員長松下新平君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。  議事に先立ち、一言申し上げます。  平成二十四年梅雨期大雨による被害により亡くなられた方々に対して、御冥福をお祈りし、謹んで黙祷をささげたいと存じます。  どうぞ御起立をお願いいたします。黙祷。    〔総員起立黙祷
  3. 松下新平

    委員長松下新平君) 黙祷を終わります。御着席ください。     ─────────────
  4. 松下新平

    委員長松下新平君) 委員異動について御報告いたします。  昨日までに、安井美沙子君、若林健太君、上野ひろし君及び川崎稔君が委員辞任され、その補欠として吉川沙織君、大家敏志君、小熊慎司君及び武内則男君が選任されました。     ─────────────
  5. 松下新平

    委員長松下新平君) 政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策樹立に関する調査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、外務大臣官房参事官岡浩君外十六名を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松下新平

    委員長松下新平君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  7. 松下新平

    委員長松下新平君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。  去る二十日に行いました平成二十四年七月の大雨による被害状況等実情調査のための委員派遣につきまして、派遣委員報告を聴取いたします。  第一班、熊本班報告を聴取いたします。加治屋義人君。
  8. 加治屋義人

    加治屋義人君 七月二十日、熊本県において、平成二十四年七月の大雨による被害状況等実情調査してまいりました。  参加者は、松下新平委員長牧山ひろえ理事渡辺孝男委員、及び現地参加をされました松野信夫議員松村祥史議員、そして私、加治屋の六名であります。  現地調査概要を御報告申し上げます。  平成二十四年七月十一日から十四日にかけて九州北部から本州付近に停滞した梅雨前線に向かって非常に湿った空気が流れ込み、九州北部中心に断続的に非常に激しい雨を降らせました。特に、阿蘇外輪山内において記録的な豪雨となり、阿蘇市乙姫で十一日から十四日までの総雨量が八百十六ミリに達しております。  この豪雨により、熊本阿蘇地域において、土砂災害により死者行方不明者が二十五名となるなど大きな人的被害が生じたほか、住家道路等に大きな被害が生じております。また、阿蘇地域豪雨により、白川菊池川水系河川はんらんが発生し、住家橋梁等公共土木施設農林水産業施設等に対して甚大な被害をもたらすなど、広域的な水害となっております。  現地におきましては、まず、阿蘇市役所において佐藤市長から被害状況及び復旧状況について説明を聴取しました。同市では、十五か所で大規模土砂災害が発生し、二十四名の方が死亡又は行方不明となっております。そのほか、住家道路等へも大きな被害が生じておりますが、断続的に降る雨により避難指示・勧告を発令しながら復旧作業に当たっており、被害全体の把握が困難な状況にあるとのことでありました。また、激甚災害早期指定について要望がございました。  派遣委員との間では、阿蘇地方観光への影響病院等復旧状況、山の管理状況土砂災害関係、ボランティアの支援状況等について意見が交わされました。なお、佐藤市長に対し、見舞金を手交いたしました。  その後、市長から御説明をいただきながら、坂梨地区土砂災害現場視察いたしました。同地区においては流れ込んだ土砂により住家が倒壊、流失しており、現在も堆積した土砂撤去作業が行われておりましたが、長期にわたり避難生活を余儀なくされる方も相当の数になるものと考えられます。一刻も早い復旧が望まれるところであります。  次いで、温泉地である阿蘇市内牧視察いたしました。現地においては、手作業により泥の除去作業清掃作業が行われておりました。本格化する観光シーズンを控え、営業の再開のめどの立たない事業者も多い状況であり、温泉地復興に向けた支援について要望を受けました。  続いて、熊本市内に移動し、浸水被害の大きかった龍田陣内地区を対岸より視察をした後、国土交通省立野ダム工事事務所において、寺崎熊本市副市長より被害状況及び復旧状況について説明を聴取しました。同市においては、白川合志川流域はんらん等被害が生じておりますが、一部の地域避難指示の遅れにより住民が孤立する事態が生じたことを受け、検討会を設置して避難在り方について検証するとのことであります。また、ビニールハウス等農業施設に大きな被害が生じており、これに対する支援について要望を受けました。  派遣委員との間では、立野ダム治水上の効果河川整備計画見直し必要性、葉たばこや施設園芸被害に対する支援在り方等について意見が交わされました。なお、寺崎市長に対し、見舞金を手交いたしました。  次いで、熊本県庁において、村田熊本県副知事より、熊本県の被害状況及び復旧状況、県の対応状況について説明を聴取するとともに、激甚災害早期指定災害復旧災害対策関連事業等促進などについての要望を受けました。  派遣委員との間では、激甚法の対象とならない施設被害に対する支援必要性激特事業を活用した河川整備必要性観光業における風評被害状況等について意見が交わされました。なお、村田知事に対し、見舞金を手交いたしました。  以上が調査概要であります。  今回被災した地域は、幾度となく大雨による被害が生じている地域であり、近年の集中豪雨の多発を踏まえた治山治水対策を講ずる必要があります。また、三十二名の逃げ遅れた住民自衛隊及び県のヘリコプターにより救出されており、住民避難在り方については更に検討するべき課題があると認識いたした次第であります。  最後に、復旧作業等お忙しい中、本調査に御協力をいただきました方々に厚く御礼を申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧復興をお祈り申し上げまして、派遣報告といたします。
  9. 松下新平

    委員長松下新平君) 次に、第二班、福岡県及び大分県班の報告を聴取いたします。那谷屋正義君。
  10. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 七月二十日、福岡県及び大分県において、平成二十四年七月の大雨による被害状況等実情調査してまいりました。  参加者は、小坂憲次理事平山幸司委員山下芳生委員、また現地参加されました江崎孝議員大家敏志議員松山政司議員、そして私、那谷屋正義の七名であります。  現地調査概要を御報告いたします。  梅雨前線九州北部地方に停滞し、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んで、大気の状態が非常に不安定な状況が持続したことなどにより、まず、七月三日から四日にかけて、福岡朝倉市では二日間で総雨量二百十二ミリメートル、大分日田市では同じく二百二十三ミリメートルを記録いたしました。また、七月十一日から十四日にかけて、福岡朝倉市では三百八十六ミリメートル、大分日田市では四百六十二ミリメートルを記録いたしました。  こうした度重なる豪雨の結果、土木施設、農地、農林施設等を始め広範に被害が生じ、被害総額が判明しているだけで福岡朝倉市は十四億九千万円、大分日田市は五十二億円となり、いずれも調査が進むにつれて更なる被害額の増加が見込まれるとのことであります。  現地におきましては、まず、朝倉市役所杷木支所において、小川福岡県知事及び森田朝倉市長から、谷の多い地形のため道路中小河川に隣接しており、護岸の損壊等により多くの道路が寸断されるとともに、市内を流れる中小河川は、筑後川本流の増水時に逆流防止のための水門が設けられているが、今回は水系全体が長時間豪雨にさらされたため内水排除ができず、多くの浸水被害が生じたこと、県内有数生産高を誇る柿、梨、博多万能ネギ等の農産物に多大な被害が生じるとともに、県内有明海沿岸においては、筑後川からの流木等災害廃棄物漂流によりノリの養殖、漁業等にも影響が生じていること、今回は問題が顕在化しなかったが、高齢者障害者等災害弱者を確実に避難させる体制の構築が課題であること等、詳細な説明を受けました。  小川知事及び森田市長からは、激甚災害指定災害復旧事業早期採択農業被害に対する対応朝倉市の地形に見合った内水排除の研究の推進及び施設整備支援等要望がなされました。  さらに、災害被害認定に当たり、一連の豪雨災害を一体のものとして認識する必要性、複数の県にまたがる海域における災害廃棄物処理在り方等について意見交換を行うとともに、小川知事及び森田市長に対し、見舞金を手交いたしました。  その後、豪雨の中、朝倉杷木地区を流れる白木谷川及び杷木大山地区被災現場を訪問し、河川はんらんによる河岸等損壊様子視察いたしました。  次に、日田市役所において、二日市大分県副知事及び原田日田市長から、今回の豪雨災害は、数次にわたりピークがあり、その間相当雨量を記録したが、豪雨災害直前実施した避難訓練早期避難指示を発令できたことにより人的被害を抑えることができたのに対し、農業農林施設土木施設に甚大な被害が生じたこと、大量の降水により山が傷んでおり、今後の降水により被害が拡大する懸念があること、大分県全域が豪雨災害に見舞われているのではないかとの風評被害により観光施設のキャンセルが相次ぎ、観光産業への影響が懸念されること、稲葉ダム洪水軽減効果を示したこと等、詳細な説明を受けました。  二日市知事及び原田市長から、これから台風シーズンを迎えるに当たり、速やかに本格復旧実施できるよう、早期災害査定実施激甚災害指定を通じた支援等要望がなされました。  さらに、日田市における避難体制、度重なる豪雨災害の際の被災者住宅再建支援制度適用に当たっての課題等について意見交換を行うとともに、二日市知事及び原田市長に対し、見舞金を手交いたしました。  その後、市内を流れる花月川及び小野川の被災現場を訪問し、河川はんらん及び土砂災害による被害様子視察いたしました。  以上が調査概要であります。  今回訪問いたしました視察地災害の特徴として、十日前後の間に二度の豪雨災害に見舞われたことが挙げられます。最初の災害からの復旧途上で再び被災したことに対する住民精神的負担の大きさは計り知れず、一日も早く復旧復興を果たし、住民の気持ちが立て直されることを願わずにはおれません。近年、自然災害の激しさが増す中、当初の災害からの復旧途上において再び被災するような事例が今後も想定されますが、そのような場合に備えた被災者支援財政支援在り方を構築することが必要であると今回の現地調査で認識した次第であります。  最後に、度重なる災害への対応等お忙しい中、本調査に御協力いただきました方々に厚く御礼申し上げますとともに、被災地の一日も早い復旧復興が果たされますようお祈り申し上げまして、派遣報告を終わります。
  11. 松下新平

    委員長松下新平君) 以上をもちまして派遣委員報告は終了いたしました。  次に、平成二十四年梅雨期における大雨被害状況等について、政府より報告を聴取いたします。中川防災担当大臣
  12. 中川正春

    国務大臣中川正春君) おはようございます。  それでは、私の方から、平成二十四年の梅雨期に発生した大雨による被害状況及びその対応につきまして御報告を申し上げます。  まず、この災害により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対し、心よりお見舞いを申し上げます。  本年は、沖縄地方が四月二十八日ごろにまず梅雨入りをしまして、六月四日ごろには九州南部が、六月九日ごろまでには九州北部から東北地方南部までが、さらに、六月十六日ごろに東北地方北部梅雨入りいたしました。そのような中、台風第四号や梅雨前線影響によりまして、全国的に大雨となりました。  特に、七月十一日から十四日にかけては、本州付近で停滞した梅雨前線に向かって南から湿った空気が流れ込み、西日本から東日本にかけての広い範囲大雨となり、とりわけ、熊本県と大分県を中心に、これまで経験したことのないという表現がされていますが、大雨となりました。  本年の梅雨期における大雨により、七月二十六日までに把握しているところでは、死者三十二名、行方不明者四名、重傷者十四名、軽傷者九十八名の人的被害が生じております。また、全壊二百二十七棟、半壊三百一棟、一部破損三百六十六棟、床上浸水四千八百八十八棟、床下浸水一万一千六棟の住家被害のほか、農業用施設損壊、農作物の冠水、文教施設被害などが生じているところであります。  次に、この災害に対する政府対応を御説明申し上げます。  まず、台風四号による大雨に対しては、六月十九日に私が出席の下、関係省庁連絡会議を開催をしまして、被害状況及び各府省庁対応について情報共有を行うとともに、具体的な対応協議をしました。  また、七月三日からの梅雨前線による大雨に対しては、福岡県及び大分県で甚大な浸水被害等が生じたことから、後藤内閣府副大臣現地に派遣し、被害状況対応について調査を行いました。  さらに、七月十一日からの梅雨前線による大雨に対しては、十二日に関係省庁連絡会議を開催するとともに、十三日から十四日にかけて、私を団長とする政府調査団大分県及び熊本県に赴き、熊本県知事を始めとする地方公共団体関係者から被害状況対応状況を聴取するなど調査を行いました。帰京後、直ちに開催した関係省庁連絡会議では、私より各省庁に対し、各種手続迅速化、それと同時に、弾力的な制度適用、この二つを中心対応を求めたところであります。  また、七月二十日には、野田内閣総理大臣が、熊本県、大分県及び福岡県の現地視察を行い、被災状況をつぶさに把握するとともに、各県知事から政府への要望をいただいたところであります。  さらに、七月二十一日から二十二日にかけて、私を団長とする政府調査団が再び大分県、福岡県及び鹿児島県に赴き、被害状況調査を行ったところです。  具体的な国の支援としては、大分県、熊本県及び福岡県の各知事からの災害派遣要請に基づきまして、延べ約五千二百八十名の自衛隊員行方不明者捜索活動孤立者救助活動などに従事をしました。また、熊本警察からの要請に基づき、福岡県、佐賀県及び宮崎県警察から派遣された四十六名の広域緊急援助隊捜索活動に従事しました。さらに、熊本県及び福岡県からの応援の求めに基づき、長崎県や福岡市等より消防ヘリ八機が派遣され、救助活動に従事しました。また、国土交通省のテックフォースは、河川及び道路復旧に係る技術指導排水作業支援等実施をしました。  財政的な支援としては、甚大な被害を受けた地方公共団体に対し、普通交付税の繰上げ交付を行ったところであります。また、激甚災害指定に向けて鋭意準備をしているところであります。  これまでの国、地方公共団体及び関係機関活動により、被災箇所応急復旧やライフラインの復旧が進んでいるところですが、現在も行方不明となっている方がおられ、また多くの方が不便な生活を強いられています。  これらの大雨による被害からの復旧復興に対しては、野田内閣総理大臣からも迅速かつ柔軟な対応を指示されているところでありまして、引き続き、被害状況を速やかに把握し、被災地方々が一日も早く安心した生活を送ることができるよう、地方公共団体と緊密に連携しながら、政府一丸となって対応に万全を期してまいります。  以上であります。
  13. 松下新平

    委員長松下新平君) 以上で政府からの報告聴取は終わりました。  これより質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  14. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 民主党・新緑風会の那谷屋正義でございます。今日はよろしくお願いいたします。  冒頭、黙祷をさせていただきましたけれども、改めまして、私からも、まず今回の災害によって亡くなられた方々、そして御遺族方々にはお悔やみを申し上げるとともに、なお今でも不自由な生活をされている方々、あるいはけが等をされている方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。  それでは、質問に入りたいと思いますが、今の大臣の御報告を聞いていても、御自身は七月十三日から十四日、そして二十一日から二十二日と二回にわたって現地視察、訪問をされたということであります。今回、非常に対応が早くしていただけたことに大変感謝を申し上げたいというふうに思いますけれども、この後がすごく大事だなというふうに思っているところでありますけれども、改めまして、今回被災地を訪れられて、大臣が認識を強くした、あるいは新たにした、そういったものがありましたら、まずお聞かせいただけたらと思います。
  15. 中川正春

    国務大臣中川正春君) これまでに経験したことのないという表現がされていますが、あれだけの大雨対応する手段というものについて更にしっかりとした政策をまとめていくという必要があるとつくづく思いました。  多くの犠牲者を出したことを非常に残念に思っております。  そんな中で、具体的には、激甚を早く対応するようにというお話がそれぞれの首長さんからお話しいただきました。  事務的な手続をやっていると、ある程度の被害レベルになるまで被害報告を積み上げていって、それで手続をしていくということになるわけですが、一つは、その範囲の取り方というのを、今回の災害の場合は二回にわたって、さらにほか、地域的には集中的にまだスポラディックに災害が起こるという状況でありますので、この前線が行ったり来たりしている間をできるだけ長く取って激甚でカバーできるような、そういう対応をしていこうという判断をしまして、六月の八日をスタートにして、いわゆる梅雨が終わるまで、その宣言がなされるまでということで、その範囲をできるだけ長く取りました。その中で被害状況を積み上げていくという作業を今やっております。  しかし、それを確実に待っているとそれぞれの自治体で思い切った対応に結び付いていかないということもありまして、ここは政治的に判断をしまして、あるところで超える見込みが立っていくだろうということを政治的に判断をして、大丈夫だからしっかりやってくれということを発表していくということを決めまして、野田総理がちょうど視察に入られたときに農業に関連したものについてはそういう対応ができるということになりましたので、野田総理の方から、農業関係激甚というのはそうした基準を超えてきたレベルになっているので、速やかにその手続をしていくというようなお話をしていただいたということであります。  公共土木施設等関連については、いまだなかなかそのレベルに達していない。これは恐らく、それぞれの地方自治体での応急対応に追われた形で、そこに人力が取られているということもあるんだと思うんですが、そういう意味で、なかなかそこに至っておりませんので、いまだそうした政治的なメッセージも出すことができないという状況にあります。  それから、中小企業に対しての対策というのは、阿蘇市に対して局激といいますか、阿蘇市の中小企業対策で激甚は大丈夫だということで、これも連絡を申し上げてあります。そういう状況が一つあるということで、これをできるだけ思い切った、それぞれ地方公共団体がコミットができるような仕組みというのをもっと工夫して考えていく必要があるかなという思いが一つしております。  それからもう一つは、あの地域、過疎地が多いということでありますので、ボランティアの活用とか、あるいは各分野での息の長い支援体制をつくっていかなきゃいけないということだと思います。できるだけ国の方からも、それぞれの関係機関、それから、特にボランティアのネットワークへ向いて支援をしていただきたいということを改めてお願いをするという、そういう仕組みの中で対応をしております。  それからもう一つは、あれだけ命といいますか犠牲者が出たというのは、特に阿蘇なんかの状況を見ていると、夜中に大量の雨が降ったわけですが、それに対して避難をしていくそのときの対応ということですね。これは難しかったんだろうと思います。二時ぐらいから四時、六時ぐらいにかけての集中的な豪雨に対してそこで逃げるという態勢をつくるということでありますから、防災無線なんかもなかなか聞き取れなかったというお話もありましたし、消防隊、消防団がそれぞれ各戸に入って逃げようという話をしていただいたんだと思うんですが、それがなかなか通じなかったというふうなこともあります。  元々、想定をしていた危険地域以外のところでも相当崩れたということでありますので、その辺に対する反省を基本にして、どのように逃げるという態勢をつくるかということ、これは課題を残したというふうに思っております。  それから、こういうことに対して、例えば、中津市ではもうふだんから、速やかに住民避難ができたというのは、ふだんからの訓練とそのコミュニティーがそういう形で生きていたということがありまして、こうした継続的な訓練の実施がいかに大事かということ、これも具体的に事例が出てきたんだというふうに思います。  そうした様々な観点をしっかりつかんでいきながら、これからの防災計画に役立てていきたいというふうに思いますし、まだ支援状況は続いています。それから、これから復旧体制に入っていくので、それぞれ各省庁には、迅速に対応するということと、ふだんの手続、これを省いてでもやれるところは寄り添って一緒にやっていくと、いわゆる柔軟な対応をしていくということ、これが大切であるということを今指示をしながら対応をしているところでございます。
  16. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 ありがとうございました。  とにかく、現地を訪れられて、一刻も早い復旧のために国としてできることをできるだけ早く、素早くやるという、そういう認識を持たれたというふうに私の方としては承りましたけれども。  今回、激甚災害指定の仕方において、やはり、局激とかいろいろあるわけですけれども、それを今回スパンをある程度長く取ってもらうというふうなこと、これは現地の首長さん方はもう一番そのことを望んでいらっしゃいましたし、今までこの激甚災害指定というと、どうしても時間が掛かる、早く指定してくれという要望があるんだけれどもなかなかここに時間が掛かってしまったということは、その手続の中で、まず現地からの被害状況報告、申請、こういったものにやはり時間が掛かっていたということであったというふうに私も認識しておりますけれども、この間、今私の方から、あるいは加治屋理事の方から報告があったように、それぞれの自治体で非常に被害状況を把握、もちろんそこで全てじゃないんですが、今後も増額の可能性、当然あるというふうなことを言いながらも、日々、何というんですか、それを積算されているということが非常に早い対応として私は感じたわけであります。  そういう意味では、そこからの申請が早く上がってくるということであれば、当然激甚指定というものの決断も早くできるんではないかなというふうに思うんですが、もう一度それについて御決意をいただけたらと思います。
  17. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 人の足りないところは国の出先機関からも応援に入って、できるだけ早くそこのところの積み上げをやるようにということで指示をしておりまして、こうしたことを総合的に判断すると、全国的な梅雨明けがもう確認もできましたので、来週中には大体指定を行いたいというふうに思っております。そのように頑張っていきます。
  18. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 今、大変画期的なというか、来週中にはというお話をいただきましたので、是非そのようにしていただけると有り難いなというふうに思います。  少し個別の課題について御質問させていただきたいと思いますが、今回の雨でJR線の被害がやはりかなり大きいということで、特に久大本線、久留米と大分、それから豊肥線のこの被害状況というのは、いまだに、今はまだもちろん、もちろんというか、今は復旧をしていませんけれども、いまだにその復旧のめどすら立っていないと。  これは、住民のもちろん生活のいわゆる足になり得るものでもありますし、また私の専門とする教育の分野からいえば、高校生、県境ですからそれほどのあれはないかもしれませんけれども、高校生の通学等に不便な状況になってくるというふうに思うんですけれども、やはりJRが復旧をするまでの間、何というんですか、通学バスですとか、あるいは生活を助けるためのバスというか、代替の交通手段も用意することが必要だろうというふうに思うんですけれども、その辺についての取組についてお伺いをしたいと思います。
  19. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 那谷屋議員にお答えさせていただきます。  今お話にありましたJR九州久大線そして豊肥線、これはJR九州の方から被害状況報告は受けておりますけれども、本当にこれまでにないような大変な被害でもあります。レールの流出箇所の写真一つ見せていただいても、レールがもうリボンのように曲がって積み重なっているというような状況でありますし、久大線においては橋梁が沈下して運行休止と、あるいは豊肥線の方ではトンネルが陥没するという大きな、また復旧に時間の掛かる被害が出ているのが現実であります。  今御指摘のように、大きな住民の足として、また沿線に高校もたくさんありますし、また利用者としても高校生の比率が大変多いということも聞いております。代替交通、これも今は運行していただいておりますけれども、豊肥線の国道五十七号、この代行を走ろうとする道路の方も一部土砂災害という形で道路も通れないという区間があります。ただ、五十七号の方は御承知のとおり熊本大分阿蘇を経由して結ぶ大きな幹線でありますので、今その道路の運行できない部分は国土交通省の直轄の下で、被害道路をショートカットして、スパン百二十メーターほどの仮橋を造って、そして何とか九月中には運行できるように、道路の方は使えるようにという対応を今取り組ませていただいているところであります。  今御指摘のとおり、代行バスというものをしっかりと充実していくように、また国土交通省としてJR九州と調整、指導をしてまいりたいというふうに考えております。
  20. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 代替の交通手段がまだ使える状況にもないということでございますので、一刻も早くその道路復旧をまず急ぐ、そして、併せてJRの復旧の方もお力添えよろしくお願いをしたいというふうに思います。  今回、余り特段の問題が顕在化しなかったけれども、いわゆる災害時の要援護者といいますか、報告では災害弱者というふうに報告をいたしましたけれども、今回、今回とは言わず、今後もやはり、何というんですかね、高齢者、乳幼児、あるいは障害をお持ちの方など非常に課題があるんではないかというふうに思うんですけれども、東日本大震災等の教訓にやはり学びながら、その辺について具体的な取組方策をお聞かせいただけたらと思います。
  21. 郡和子

    大臣政務官(郡和子君) 高齢者や障害を持たれた方々、いわゆる災害時要援護者の避難支援対策、これは防災上の重要な課題だというふうに認識をいたしております。  国といたしましては、これまで、災害時要援護者の避難支援ガイドライン、平成の十八年ですけれども、これを定めまして、各市町村に要援護者名簿の作成、また要援護者の避難支援に係る全体計画、それからお一人お一人の個別計画の策定というのを促してまいりました。  今般被害の大きかった熊本県、大分県では、この要援護者の名簿の整備状況熊本県では八二%、大分県では八八%を超える自治体で整備をしているという状況でございましたけれども、あの東日本大震災の折に課題が幾つか見えてまいりました。情報伝達が援護が必要な方々に適切に行われなかったために迅速な対応ができなかった、判断ができなかった、また、どこに避難すればいいのか判断に迷ったという方々が多くございました。  各市町村におきましては、個人情報保護法との関係などを理由として災害時の要援護者名簿の策定を進めていなかったというところもあったわけでございまして、これについて今年度当初予算で避難における総合的対策の推進経費といたしまして四千五百万円を計上しているところでございます。要援護者およそ一万人を対象にいたしまして実態調査を行わせていただきます。また、この実施に向けて各障害者の団体の方々とも調整を進めさせていただいているところでございます。  今後は、要援護者の方々を含む有識者で構成される検討会も開催をさせていただく運びでございまして、実態調査の結果も踏まえて今年度中にはこのガイドラインの見直しも行ってまいりたいというふうに考えております。また、防災対策推進検討会議における議論なども行われておりまして、災害時における個人情報の在り方について検討をして必要な対応を更に進めてまいりたいと考えています。
  22. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 いつ災害が起こるか分からない、また、日本という国は地震にしてもそうでありますし、昨今の集中豪雨にしてもそうでありますから、いずれにしても早い対応が求められているというふうに思いますので、ガイドラインの見直しにしろ、その有識者の検討会でしょうか、そういったものについてもできるだけ実効あるものになるようにしていただけたらというふうに思いますので、よろしくお願いします。  今回の災害においても緊急避難所として学校等の公共施設避難所として指定されてそこを利用したわけでありますけれども、実はその学校施設等の防災及び避難所機能というものがまだまだ十分な状況になっていないと。昨日も社会保障と税の一体改革の中で我が会派の梅村議員の方から質問がありましたけれども、東日本大震災のときに、体育館の床にじかに寝ている場合と、段ボール等で簡易ベッドを作って寝ていた場合とでは全然違うんだというようなお話がございました。簡易ベッドをどこの学校にも備え付けろということではないんですけれども。  いずれにしても、トイレ、空調設備、そういったものも含めて非常に重要ではないかというふうに思いますけれども、いわゆる人間として最低限の、何というんですかね、暮らしができる、あるいは生き方ができる、そういうふうなものというのはやはり避難所にも求められているのではないかと思いますけれども、具体的な取組についてお答えをいただけたらと思います。
  23. 城井崇

    大臣政務官(城井崇君) お答えを申し上げます。  委員御指摘のとおりかと思いますけれども、学校施設は子供たちの学習、生活の場であるとともに、災害のときには地域のお住まいの皆様の応急の避難場所としての役割、極めて大きいというふうに思っています。その意味では、安全性の確保はもとより、避難所としての防災機能の強化が極めて重要だというふうに認識をしております。  この間、文部科学省といたしましても、東日本大震災を受けて改正をいたしました公立の義務教育諸学校等の施設整備基本方針におきまして、貯水槽、備蓄倉庫、トイレ、自家発電装置などを整備することにより防災機能の強化を図ることが必要と規定をいたしておりまして、各地方公共団体の取組を現在促しているところであります。  また同時に、平成二十四年度の予算におきまして、学校施設環境改善交付金の補助メニューに防災機能強化事業を創設をいたしました。給水槽、備蓄倉庫、井戸、自家発電装置の導入などを補助対象といたしまして、避難所としての機能をより強化することといたしております。  子供たちの安全をしっかり守るとともに、特に年長の方々など、日ごろの生活と違う環境に置かれる皆様のそうした部分に対してもしっかりと目を配りながら、必要な支援を今後も各自治体等の要望を踏まえながら図ってまいりたい、防災機能強化推進してまいりたいというふうに思っております。
  24. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 是非、今まで、ともすると、いつ起こるか分からないものへ投資をするよりも、やはり目先のものへというふうなことが各自治体の方でもどうしてもやっぱり選択をする場合には行われがちでありましたけれども、やっぱり東日本大震災、そして今回の集中豪雨、こういったものを見ると、いつ起こるか分からない、一番大事な市民の生命を守るという、そういう観点でこれからも引き続きお願いをしたいというふうに思います。  一方で、今回、避難所になっている学校が、実は床上浸水ということで被害が非常に大きい学校が大分県の中でもございました。中津市立下郷小学校、それから日田市立北部中学校、そしてこれは避難所として指定はされておりませんけれども、大分県立竹田支援学校、こういったところが大変大きな被害を受けたと。特に竹田支援学校では、一階の部分はもうほとんど天井ぐらいまで浸水をしたというふうなことでもありますし、また、子供たちが通学するためのスクールバスがもう完全にこれもまた天井まで行っちゃって全然使える状況になっていないと。今このスクールバスは修理中でありますけれども、そういうことで夏休みを少し早めに始めたようであります。ただ、できれば、授業時数等も考えながらやると八月下旬には二学期を始業したいというふうに現場では思っているようでありますけれども。  一方で、この竹田地区は大変な田園地区でありまして、例えばいろんな災害復旧に向けてやるわけですけれども、どうしても農業被害だとか道路復旧の予算というものに、お金をそちらの方に取られがちと言っちゃうと変ですけれども、そちらの方にどうしても予算を掛けられがちだというふうな現場の不安もあるわけですけれども、そうではなくて、しっかりとそこについては復旧できるようにするというようなメッセージをいただけると大変有り難いと思いますけれども、いかがでしょうか。
  25. 城井崇

    大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。  是非そのように頑張らせていただきたいというふうに思っています。  今回の九州地方を中心とした豪雨による公立学校施設被害につきましては、今委員からも御指摘がございましたものも含めまして、七月の二十五日十四時現在ということで申しますと、五つの県、七十九の学校の報告がございました。校舎の床上浸水、グラウンドへの土砂流入、スクールバスへの浸水等ということであります。  これら被災した公立学校の施設やスクールバス等の復旧に係る財政支援につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法などによりまして、文部科学省が担当する分では国が復旧に要する費用の原則三分の二の負担ということでありますけれども、他省庁の取組も合わせますと地方単独の負担は全体の一・七%という形で、最小限にとどめるべく対応いたしているところであります。  また、学校の設置者ができる限り速やかに復旧を着手できますように、本来ですといわゆる現地調査という話になるわけですが、国の災害復旧事業現地調査を待たずに復旧整備に着手できる旨の通知をお出しいたしまして、早期復旧要請いたしたところであります。また、現地におきましては既に復旧工事が始まっているというふうに報告を受けております。  そうした部分も踏まえながらでありますけれども、今後も、子供たちの学習、生活の場がしっかりと早期復旧されますようにということで、被災地への協力支援等に万全を期してまいりたいと思います。
  26. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 是非お願いをしたいと思います。  時間の方も残り少なくなってまいりましたので、被害に対する対応についてはこれぐらいにして、やはり今、大臣の方からもこれまでに経験したことのないという、そういうふうな表現ですとか、あるいは想定外、昨年でいえば想定外というような、そういった言葉が出てくるわけでありますけれども、やはり少し先を見据えた、そういった防災といいますか、物を考えていく必要が、ここらで腰を据えてやらなければいけないのではないかというふうに思うわけであります。  例えば、各自治体の降雨量降水量に対する対応でありますけれども、例えば横浜市なんかは一時間に五十ミリというものを想定した形でやっております。それから、大阪では六十ミリ。昨日お話をちょっとするところがあったんですけれども、熊本の水俣辺りでは六十五ミリというふうなことで、それぞれ自治体によって違うんでありますけれども、しかし、どうもそれをも上回る状況がここのところ多発といいますか、非常に多くなってきているのではないか。その表れがこれまで経験のないというふうなことで表現されているのではないかなというふうに思います。  降水量の記録更新、余りいい記録ではありませんけれども、第一位が昨年の高知に降った雨でありまして、これが第一位と。それから、これもまた昨年第五位で三重県。それから、徳島に降った雨、これは十二位ということで、この二〇一一年の中でも非常にワーストのクラスに入ってくるような降水量がどんどん更新されてしまっているという状況を見たときに、やはり治水対策というものについて本腰を入れなければいけないのではないかというふうに思うんですけれども、いかがでしょうか。
  27. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 委員おっしゃるとおり、今、降雨のパターンというのが従来の経験からまた外れるような形で全国に豪雨被害というものが続いているわけでもあります。  昨年一つ取ってみても、紀伊半島の大水害もありました。そして、新潟、福島豪雨もありました。そしてまた、台風被害があった。こういった中で、今河川の整備基本方針という中で、自治体の方には、都道府県の方には二、三十年のスパンでの河川の整備計画を立てていただいているわけでありますけれども、またその見直しというものが必要なときには国交省の方でも協力し、また技術的な助言というものを行っていきたいというふうに思います。  まずは、今回の場合でも応急復旧、そして緊急整備、さらに、今、那谷屋先生おっしゃいましたように、今の整備計画が妥当なのかということも含めて、また深掘りしていかなければいけないというふうに考えております。  ただ、こういう経験の中で、整備が進んできたところは被害を大幅に軽減しているという事例もありますので、またそういった一つの成功例といいますか、効果を発揮した事例というものもしっかりと生かしていきたいと考えます。
  28. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 ありがとうございます。  もう一つ、山の問題でありますけれども、今回視察へ行ったときに、山際に建っている家、もうすごいどっしりとした家なんですけれども、山崩れが窓だけを突き破って、建物そのものは無事なんですけれども、窓を突き破って、そしてだあっと川の方に流れ出てきたという、そういう状況。御報告しましたように、避難が割と早かったので今回そこでは人的被害はなかったんですけれども、そういった山のいわゆる治山対策というものも非常に重要ではないかというふうに思います。これについて御見解をお聞かせいただけたらと思います。
  29. 森本哲生

    大臣政務官(森本哲生君) 那谷屋委員にお答えさせていただきます。  全くそのとおりでございまして、今回の、私自身が七月の十六日に阿蘇と竹田に入らせていただきました。そして、ここでまた新たな発見をさせていただいた。と申しますのは、今、奥田副大臣も申されたように、これまでの経験から想像できないような現状が、やっぱり今、山津波のような状況があるという現実でございまして、ここのところは山腹崩壊が深層崩壊というような新しい山林の崩壊がありますし、そして、竹田では私もかつて見たことないような土石流、私の体以上の土石流が河川の構造物を全部なぎ倒していくというようなすさまじい災害現場でもございました。  ですから、ここのところはこれから治山事業というものを、堰堤はもちろんそうなんですけれども、間伐の手入れが要るということもあります。ただ、今回の災害を見せていただいて、天然林は絶対だと私自身も思っておったんですけれども、天然林が崩れて民有林の杉をこかしていくというような、そこから亡くなった方もたくさんお見えになるというようなことで、改めて避難する場所も私自身は見直していかなければならないという、そんな思いで帰らせていただいたわけでございますが。  人工林、今まで確かに積極的に植えてきました。ただ、京都議定書で間伐の地球温暖化対策の吸収源でこれはやっておりますけれども、山に入る人というのはもう本当に田舎でも少なくなりました。ですからいかに、下草が生えておらないということと畑化しておるということが事実でございますから、ここへ百ミリ以上の雨が降りますと、これはなかなか防ぎ切らない、土石流のような格好になっていくというような、ここのところは長期的に、委員がおっしゃいますように、長期的な展望としてやらなければならない。ただ、緊急的には、治山対策やら砂防堰堤をやってみえるところは今回助かってみえる例もたくさんありますので、かなり構造物を造ることによって救われる命というものもあったという事実も新たに発見してまいりました。  ですから、総合的な分野でこの山、森をどう考えていくかという一つの大きな長期的なビジョンと、そして治山、山を治めていく作業というものを同時にこれを今やっていかないと、四時間で四百近く降ったというこの記録的な、集中的にまたしかも降っておりますから、ここのところはもう想像を絶する、私、今までの価値観にはないところでございますので、そうしたことも含めてこれからしっかり政府全体で対応していくということが大事、その中で農林水産省は何を受け持つかということが大事だというふうに認識をさせていただいておりますので、委員がおっしゃるとおり、森林の整備と同時に、こうした構造物の整備もやっていかなければならないという認識でやっております。  ただ、二次災害を防ぐために緊急的にしっかり応急工事をやらなければならないということも認識させていただいております。
  30. 那谷屋正義

    那谷屋正義君 もう時間ですので終わりますけれども、是非しっかりやっていただきたいというふうに思いますし、今回行ってみて、何度もピークがあったということで、一回目の被害を受けた後で応急対応をしているんですけれども、その応急対応しているさなかにまた豪雨というふうなことで、これは住民方々はもう本当に、言ってみれば、希望というかそういったもの、どうなっちゃうんだろうというふうなことで希望を失ってしまうような状況があったんではないかと。  こうした方たちにやっぱりしっかりと早く対応することによって、頑張りましょうと、一緒に頑張りましょうということを示すためにも、是非、冒頭、大臣から御決意をいただいたように、様々な問題について早い対応が大事だろうというふうに思いますので。これはここで言うのがふさわしいかどうかは分かりませんが、ロンドン・オリンピックがもう間もなく始まりますが、それに先立って日本のサッカーチームが男女共にさい先のいいスタートを切った。このさい先のいいスタート、この災害に対してもやはりいいスタートを切っていく。もうスタート切っていますけれども、そういったことが大事だと思いますので、そのことをお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。
  31. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 参議院議員の牧山ひろえです。  平成二十四年七月の大雨による被害状況などの実情調査のため、私はほかの委員の皆様と一緒に熊本県を訪れまして、熊本市、そして阿蘇市を訪れました。そして、住民方々からいろいろお話を聞いてまいりました。  熊本県では、死者行方不明者が二十五人、住宅の全壊が百二十五棟、それから半壊や破損、浸水も含めますと家の被害は三千九百六十棟にまで及びまして、甚大な被害状況報告されております。私も実際に見てまいりましたけれども、熊本市では中心部を流れる白川の一部がはんらんし、家屋の流失や損壊などの被害が出ましたけれども、住民方々からは避難情報の遅れを問題視する声も出ていると聞いております。  災害時における情報伝達に関しましては、国そして地方公共団体住民など一体となって共有し、災害の情報や避難の情報が地域住民に対しきちんと周知されるための防災通信システムを整備する必要があるかと思います。  そこで、国土交通省として、防災に関しての観測情報などをホームページなどで公開されているのでしょうか。
  32. 関克己

    政府参考人(関克己君) 国土交通省におきまして、今御指摘のようにホームページ等でどのような防災情報を広く使っていただけるように対応しているかについて説明をさせていただきます。  特に、国交省では、河川あるいは道路と、こういった公物がございまして、こういったものを日常的に管理、観測してございます。こういった情報をいざというときにも使っていただける防災情報として広く国民の皆様にお知らせするため、全国の地方整備局あるいは事務所等でホームページを使いまして、インターネットを利用してリアルタイムの情報として使っていただけるよう進めているところでございます。  例を申し上げます。例えば、洪水時の水防活動に活用されますレーダー雨量計、こういったものを地図に示しまして、どの地域でどの程度雨が降っているかというような雨量情報、それから河川の水位に関する情報、さらには住民の皆様の避難や安全の確保に資します洪水に関する洪水予報、それから道路利用者が安全確保のために道路の事前通行規制、こういったものの情報を公開させていただいているところでもあります。  また、河川道路状況を正確に伝えるために、それぞれ川や道路に沿いましてCCTVカメラ、いわゆるテレビカメラを設置してございまして、こういった映像もリアルタイムで提供させていただき、こういったものも含めて地上デジタル放送に提供する等、様々な媒体による防災情報の提供を行っているところであります。
  33. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  ほかにも、瞬時情報伝達手段として消防庁が進めておられますJアラートというものがあるかと思います。Jアラートは、津波警報、緊急地震速報、弾道ミサイル情報などといった対処に時間的余裕がない事態に関する緊急情報を、人工衛星を使って市区町村の同報系防災行政無線を自動的に起動させることによって住民に瞬時に伝達するシステムだと伺っております。  Jアラートの整備状況、これは現在どこまで進んでいるんでしょうか。松崎副大臣、お願いいたします。
  34. 松崎公昭

    ○副大臣(松崎公昭君) お答えいたします。  Jアラートの受信機を運用している市町村の割合ですが、平成二十三年十二月一日で九八・四%、千七百四十二団体のうち千七百十四団体で九八・四であります。
  35. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 御答弁ありがとうございます。  受信機の設置が全国で九八・四%とのことですが、まだ設置されていない残りの約二%についてはいかがでしょうか。
  36. 松崎公昭

    ○副大臣(松崎公昭君) お答えいたします。  市町村への確実、迅速な情報伝達を図るためこのシステムが非常に有効であるということで、交付金や地方債措置によりまして整備の促進を図ってまいっております。  現在のJアラートの受信機を運用していない市町村は、東日本大震災の影響によって事情があります。それから、防災行政無線の整備に合わせて整備しようという、そういう場所、個別の事情によりまして整備が少し遅れているというふうにも聞いております。  引き続きまして、消防庁におきましては、防災対策事業債、充当率が九〇%、交付税算入率が五〇%でございますが、これを活用いたしまして、地域実情を踏まえて整備が促進されるように支援してまいりたいと思っております。
  37. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  いつ災害が起こるか分からないと言われている今日です。そして、先ほど那谷屋先生がおっしゃっていたように、今まで以上の雨が降るかもしれない、どんなことが起きるか分からない、そんな昨今ですので、是非、住民方々に安心して生活していただくためにも、この受信機の普及、一〇〇%になるよう、引き続き市町村への呼びかけを徹底するようお願いいたしたいと思います。  さて、災害時にいち早く正確な情報を地域住民に伝達するためにも、Jアラート以外にも、インターネットまた携帯電話の手段を活用するシステムの整備を推進するべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
  38. 松崎公昭

    ○副大臣(松崎公昭君) 市町村におきましては、緊急時の住民への情報伝達について、市町村防災行政無線によりまして、実情に応じて様々な手法は取られております。また、総務省では、市町村防災行政無線も含めまして、携帯メール等の多様な手法で住民への災害情報の伝達を行うことが重要であると、そう認識しておりまして、現在、住民への災害情報伝達手段の多様化の実証実験、これを行っております。多様な情報伝達手段の有効性、これを検証しようとしております。さらに、最近のあの竜巻ございました、茨城県の竜巻災害等を踏まえまして、地方公共団体におきます災害情報伝達の在り方に関する検討会、これも開催をしております。  これらの結果を踏まえまして、Jアラートや市町村防災行政無線を始めとする住民への多様な災害情報伝達手段の整備促進、これに取り組んでいく予定をしております。これらの伝達方式、これを万全を期していきたいと、そのように思っております。
  39. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  東日本大震災のときなど、ほかの災害時でも、ツイッターやフェイスブックなどが非常に便利だった、非常に緊急時に役立ったということを聞いておりますけれども、現在、災害対策基本法の改正が議論されていると認識しておりますので、是非、ツイッターやフェイスブックなどの活用についても盛り込むことを御検討していただきたいと思います。  そこで、今度は、ICT教育と災害時の情報共有についてセットで検討することを御提案したいと思います。  情報化社会におけるICT教育の必要性が広く認識されつつありますけれども、教育におけるICTの利用、活用は、子供たちの考える力、それからコミュニケーション力を養い、視野を広げ、語学教育や異文化教育の強化にも貢献すると考えております。  そこで、ICT教育に使用のタブレットPCの普及は現在何台ぐらいありますでしょうか。城井政務官、お願いいたします。
  40. 城井崇

    大臣政務官(城井崇君) お答え申し上げます。  タブレットPCの学校への普及状況でありますけれども、文部科学省で行いました平成二十三年度の学校における教育の情報化の実態等に関する調査の速報値によりますと、公立の小中高そして特別支援学校におきましては、平成二十四年の三月一日時点でありますが、合計で約二万七千台が整備されているということであります。
  41. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  タブレットPCを持ち運ぶことによって、いざ災害が起きた際に最新の災害情報を得ることができたり避難状況を共有したりすることができるため、有効な方法ではないかと思います。災害時の対応で実際にタブレットPCや電子黒板を使用した例があるとすれば、どのようなものがございますでしょうか。城井政務官、お願いいたします。
  42. 城井崇

    大臣政務官(城井崇君) 今御指摘いただいた点でありますけれども、例えば東日本大震災の折には、学校の電子黒板を活用いたしまして最新のニュースの視聴など被災者の貴重な情報源になった事例があるというふうに承知をいたしております。  特に私自身も、被災地であります岩手県の大槌町に伺った折に、ちょうど発災から半年後に仮設校舎が建った直後でありましたけれども、まだまだ教室も十分に使えず、また教材や教具等も失っている状況でありましたけれども、そうした学校内におきまして電子黒板を活用しながらやっている授業を拝見いたしました。特に、理科の実験道具がない中で理科の内容をいかに教えていくかという、その代替手段ということでもありましたけれども、ICTの有効性を実感したところでありました。  そうした災害時における地域住民に対する様々な情報提供にも活用できるというふうに思いますし、また児童生徒に対する教育の充実にもこの学校のICT環境の充実は資するというふうに考えておりまして、今後も災害時に避難所となる学校のICT環境を多様に活用することは大変望ましいことだというふうに考えております。
  43. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  更なるタブレットPCの普及とともに、是非ICT教育の推進を進めていただきたいと思います。  ICT教育の普及とともに、並行して、災害時などにおいては避難所にもなる学校におけるICT環境整備、これをしていくことも重要であると考えております。これらのことについていかがでしょうか。城井政務官、お願いいたします。
  44. 城井崇

    大臣政務官(城井崇君) 御指摘の部分に関しましては、総務省ともしっかりと連携協力をいたしながら、これまでは文部科学省では学びのイノベーション、そして総務省ではフューチャースクール授業という形でやってまいりましたけれども、その部分をしっかり連携強化させながら、今御指摘いただいた部分に資するように今後も尽力してまいりたいというふうに存じます。
  45. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  お隣の国、韓国では、今年から全小学校、中学校でタブレットPCが支給され、教育に活用されるようになりました。韓国の例にもありますように、タブレットPCは利便性や活用方法が多岐にわたっており、教育のツールとしても大変優れていると思います。学校現場の御意見もあるかと思いますが、是非ますます普及するような施策を考えていただきたいと思います。  さて、医療についてお尋ねします。  病院は、患者の治療だけではなくて、災害時には避難所となるケースも多く考えられます。そこで、病院の防災対策、防水、耐震、自家発電などはどこまで整備されているのでしょうか。そしてまた、そのための補助金などの制度はございますでしょうか。厚生労働省、お願いいたします。
  46. 唐澤剛

    政府参考人唐澤剛君) お答え申し上げます。  お尋ねの病院の防災対策、特に防水、耐震などの状況でございますけれども、これらにつきましては、厚生労働省としても順次支援を行っているところでございます。  具体的には、施設の耐震強化を図るということは非常に重要でございますので、災害拠点病院、救命救急センター、二次救急医療機関という救急を実施するような医療機関を対象といたしまして、平成二十一年度の第一次補正予算によりまして各都道府県に医療施設耐震化臨時特例基金を設置をいたしました。さらに、平成二十二年度には予備費によりその積み増しを行ったところでございます。これを活用して各拠点病院の耐震化の促進に努めてきていただいたところでございます。  さらに、平成二十三年度の第三次補正予算におきましては、災害拠点病院、救命救急センターを対象といたしまして更なる基金の積み増しを行いまして、耐震化の促進を図っております。平成二十四年度予算におきましても耐震設備、地震防災対策の予算を計上しておりまして、こうしたものを活用しているところでございます。  また、耐震設備以外につきましても、平成二十三年度の第三次補正予算によりまして、災害拠点病院を対象として、自家発電設備あるいは衛星電話、こうしたものなどの整備を行いまして災害医療体制の充実強化に努めてきたところでございます。  また、医療施設の防水対策でございますけれども、これは非常に広い範囲で水が浸入するということがございますので、単独の施設では限界がございますが、これは更に大きな視点から、防災基本計画にも定められているように、地域全体での対策を検討をしていただいているところでございます。  今後とも、医療施設防災対策推進に努めてまいりたいと考えております。
  47. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 今回の九州の集中豪雨のように、地方で診療所の数も比較的多くない地域にとって、地域住民、ましてや被災者方々にとっては、病院や診療所、大変重要な役割を果たすことは言うまでもないと思います。是非、耐震のみならず、防水の面に関しても病院の整備をしていただくようお願いいたします。  さて、これまでも、災害時における地域のNPOやボランティアの方々の共助の取組については様々伺ってまいりました。今回、熊本県に私が実際に視察に伺ったときも、ボランティアの方々が実際に活動されていらっしゃる姿が、川岸の反対側から数多く歩いている姿を見ました。  今回の集中豪雨現地活動されたボランティアの数はどのぐらいなのでしょうか。厚生労働省、お願いいたします。
  48. 西藤公司

    政府参考人(西藤公司君) お答えいたします。  七月上旬より続く九州地方の大雨を受けまして、被災地の社会福祉協議会によって災害ボランティアセンターが設置されているところでございまして、福岡県で柳川市など七か所、大分県で竹田市など三か所、また熊本県で熊本市など四か所となっております。  ボランティアの活動状況につきましては、七月二十四日までに把握できている人数といたしまして、福岡県で延べ約三千三百人、大分県で延べ約七千四百人、熊本県で延べ約一万人、三県合わせまして合計で延べ約二万一千人の方々活動されているところでございます。
  49. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  約一万人以上の方々がボランティアとして参加していただいたということですが、多くの災害が起こる中で、行政だけではとても手に負えない、作業がたくさんあったりお金も足りない、ボランティアやNPOの方々の力に頼る部分が非常に大きくなっていると思います。これは、私が訪ねたほかの地域でもそういう声を聞いてまいりました。せっかくこうした多くのボランティアの方々が社会貢献活動に御参加をいただいているわけですから、今年の四月に施行された改正NPO法の制度を是非利用していただきたいと思います。  制度そのものをより多くの方に知っていただくために、内閣府としてはどのような取組をしていらっしゃるのでしょうか。中川大臣、お願いいたします。
  50. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 確かに、NPOの皆さんの活動というのが基本的に地域を支えていくという姿、私も現地に入って改めて実感をしたところであります。  御指摘のように、本年四月から改正NPO法、施行されております。でき得る限り、これは二つ要因があると思うんですが、一つはNPO法人の認定基準、これが緩和をされたということと、それに伴って寄附ということについて税制が改正をされて、寄附をしたものが税額控除に直接結び付いていくという、そういう制度ができたということでありまして、このところを活用していただいて、国の補助金だとか委託という形だけではなくて、でき得る限り民間が寄附という形で参加をしていただいて、NPOを支えていく、あるいは持続していくという本来の姿に持っていきたいというのが我々の趣旨であります。  一生懸命今それを説明をしているんですが、政府広報なり、あるいは地方公共団体に対して説明会の開催をしたり、あるいはパンフレットの提供をしたり、広報用パンフレットの作成、配布等々ということと同時に、全国説明会やっているんですが、それだけではやっぱり足りないということで、特にモデルを東日本の大震災のあの被災地においてつくっていきたいということがございまして、今般、内閣府の方から具体的に人を派遣をして、もしその申請に当たってネックがあるとすれば、それをどう解消していったらいいのかということであるとか、寄附金を集めるというインセンティブをNPOの皆さんにも持ってもらうと。補助金の申請だけで、政府があるいは地方自治体が資金をそれで一旦切ったらもうそれでNPOは崩れてしまうんだということじゃなくて、寄附金でやっていくんだという、そういう意識を持ってもらうということが必要であるとすれば、どこをやっていったらいいのかというのをちょっと具体的にこの東日本で掘り下げてみたいということで今対応をさせていただいております。  また、ワンポイントでネットを通じて寄附金が集められるような、そういう制度というのもこれは必要だということでありまして、それについてどういう仕組みがつくれるかということ、そんなことも含めてしっかりとした対応をしていきたいというふうに思っております。
  51. 牧山ひろえ

    牧山ひろえ君 ありがとうございます。  これまでにいろいろな被災地に行かせていただきましたけれども、いろいろな役所を訪ねた際に、この認定、特に新しい認定NPO制度について問合せをしたところ、ボランティアはたくさんいらっしゃっても、認定NPOになることの税制上のメリットなどは思ったほど浸透していないというのが実感でした。  例えば、ボランティアの活動現場などで新制度について記載されたパンフレットを配布するなど、こういう本当に公益性の高い活動を実際にもう目の前でしていらっしゃる方を逃さないためにも、やっぱり持続性というか続けていただくことが大事だと思います。  最初は、災害が起きたときは新聞やニュースを見てみんなが駆け付けて手伝ってくれると思うんですけれども、それをずっと続けていただくということは非常に難しいかと思います。そういうもうその現場で実際に手を挙げて現場に駆け付けてくれた方にパンフレットを渡す、それが私は有効なのではないかと思います。  もちろんインターネットを通じて説明などを行うのも重要だと思いますけれども、果たしてどれだけの人たちが実際にそのサイトを探して、そして自分で勉強していただけるか、それは分かりません。ですが、もう実際に現場に駆け付けてそういう作業をしてくれる人たちを今後逃さないために、もうその場で、できれば名刺の裏にURLなどを書くとか、その現場でもう手渡しでもいいから提案する、こういう制度がありますよ、低い寄附金額でも寄附する側としては税控除の対象になるわけですから寄附が集まりやすいですよ。よく認定NPOとNPOの違いが分からない方が多いんですけれども、普通のNPOだけではなくて、その上のランクというか、税制上の優遇が受けられる認定NPOがあるということ自体も多くのNPOがまだ知らないという、少なくとも私の地元の神奈川県ではそう感じておりますので、是非これを普及していただきたくお願いいたします。  ありがとうございます。質問を終わります。
  52. 大家敏志

    大家敏志君 大家敏志です、自由民主党の。  今日は、タイトなスケジュールの中、大臣始め政務三役の皆さん、貴重な機会をいただきましたので気合を入れて質問をさせていただきたいと思います。  先ほど報告もあったと思うんですが、那谷屋理事始め多くの先生方と、福岡県、二十日の日に見させていただきました。死者も出ていますし、本当にびっくりするような被害が私の出身地である福岡県で起きていますので、そのことについて今日は数点にわたって見解を伺いたいというふうに思います。  まず初めに、お亡くなりになられた方にお悔やみを申し上げたいし、そして皆様方にお見舞いを申し上げたいというふうに思います。  死者は五名、家屋被害が七千、道路被害は千九百、河川被害が六百という大きな被害でもあります。山合いの道路はあちらこちらで崖崩れ、また橋桁の崩落などによって、特に、うきは市、八女市というところでは複数の集落が孤立しました。それから、特に筑後川、矢部川、余りおなじみがないんだと思いますけれども、広い範囲はんらんをして、柳川市というところでは特に市の三五%が水につかったというような現状があります。  自衛隊の皆さんや消防、また警察、そして行政の皆さんの本当に努力で取りあえず行方不明者や集落の孤立というのは解消されたとは聞いているんですけれども、まだ元どおりの生活に戻るには時間が掛かるというふうに思っています。  今日、大臣もお越しですので、とにかくきちっとした答弁をいただきたいなと、道筋を示していただきたいなと思って、これから質問に入らさせていただきます。  まず、これ繰り返しになるんだと思うんですけれども、激甚災害早期適用について、もう一度大臣から見解を伺いたいというふうに思います。
  53. 中川正春

    国務大臣中川正春君) それぞれ、私も現地に入らせていただいて、皆さんが一生懸命に真摯な形で災害対応しておっていただくこと、委員の皆さん方も、そして特に地元の先生方に改めて敬意を表したいというふうに思っております。  激甚災害も含めて、国の法律の上での適用ということに対して二通りありまして、一つは事務手続で早くやっていくということ、これが一つあります。さっき申し上げたように、激甚は、それをしっかり促しているんですけれども、できるだけ範囲を広く取ることによって激甚で拾えるか拾えないかというその可能性を広げていきたいということですね。ある程度の積み上げがないと激甚という指定にならない。これは客観的に数字を決めていますので、それを超えてくるということにしようと思うと期間を長く取って累積をさせるという作業が要るものですから、それをできるだけ今回長く取ってということで、六月の八日から梅雨が明けるまでという、そういうことになっています。なものですから、事務的手続というのはその梅雨が明けてから迅速にということになってきまして、さっきの話のように、事務的な手続としては、来週もう間に合うようにその手続をやっていくということをお話を申し上げました。  もう一方で、それでは今災害対応に当たっている首長さん始め行政の皆さんで思い切った、いわゆる心の支えといいますか、国がここまでコミットしているんだからやるよという、そういうことにはならないので、政治的に判断をしまして、その途中でも、特に農業というその分野についてはもう積み上げができてきたという、これは見通しですが、見通しの下で大丈夫だよと、だから頑張りなさいというような、そういうメッセージを発しさせていただいたと。これは、野田総理が地元に入ったときに農業はいけるということを皆さんに伝達をして、頑張ってくださいというメッセージをさせていただいたということでありまして、そういうふうな弾力的な対応というのをやりながら、地元と寄り添ってしっかりとした防災についての対応をしていきたいというふうに思っております。
  54. 大家敏志

    大家敏志君 正確に答弁していただいたんだと思いますけれども、公共土木施設についてはどうですか。
  55. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 難しいんです、これ、本激まで積み上げていくには。しかし、局激で一部、この町ということについてはいきそうな町も出てきているということなんですが、具体的に、そこで思い切って大丈夫だよというところまではまだ数字が積み上がってきていないということが現実であります。
  56. 大家敏志

    大家敏志君 そこを、総理が現地に入って言われたのは、やっぱりスピードと柔軟さということを言われたと思うんですね。地元の人は本当にそこを期待していますから、もちろん大臣は正確にお話をされていることはよく分かりますけれども、しっかり対応していただきたいと、これは強く要望したいというふうに思います。  改良復旧事業等についてちょっとお伺いをしたいんですけれども、特に、被害がありました、これを元どおりにする、元どおりに復旧するというのを災害復旧事業と言うんですか。そして、前よりももっと丈夫な施設にするというのを改良復旧事業と言うんですかね。
  57. 関克己

    政府参考人(関克己君) はい、一般的には、おっしゃるように、災害復旧、あるいは質的にレベルアップするといいますか、それを改良復旧、一般的にはそういうふうに呼んでいるところでございます。
  58. 大家敏志

    大家敏志君 プロではないですけれども、例えば一〇〇の力があるものが今回、流された、壊された、被害があったということであれば、一〇〇に戻しても地元の方々は不安が残ります。元どおりにはなったけれども、もう一度このようなことが起こるかもしれないという。ならば一二〇にしたい、最低でも一一〇にしたいと。現実に市町村や県に聞いてみると、確かにそういう思いなんですね。しかし、なかなかそれがうまく運用されていないという現状があるようなんですよ。  元どおりに戻すのは補助率が三分の二なんですか、そして、改良してより強固なものを造るときは補助率が二分の一なんですか。
  59. 関克己

    政府参考人(関克己君) 幾つかの制度がございます。例えば助成事業、ちょっと制度名で恐縮です、あるいは関連事業、そういったものがございますし、あるいは単純に原形に戻していくもの、幾つかの制度がございまして、そういう中で、おっしゃるような二分の一とか三分の二とか、そういったものを各制度の中で定められておりまして、そういったものを組み合わせながら進めていくということになっております。
  60. 大家敏志

    大家敏志君 しかし、現実になかなか、もちろん予算という側面があるんだと思いますけれども、改良してより前のものより強いものにするということが行われていない現状があると思うんですよね。  大臣、政治主導でしょう。大臣の答弁をちょっと求めたいと思いますが。
  61. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 恐らく、実際に災害があったということの中で想定の見直し等々もされていくんだろうと思いますし、その被害河川であればもう何回も何回も一つのところに特定して起こるというふうなことであるとすれば、そこはやっぱり集中的に前以上の手だてをしていくということだと思います。  さっき答弁があったように、それを様々な制度の運用の中でできるだけ補助率を高めていくという工夫、これはできると思いますので、それを国の方から、こういうこういうメニューがありますよということをもっと丁寧にその地域、係に伝達をして、一緒に寄り添ってつくり上げていくという努力がもっと必要なんだろうというふうに思います。  鼻をくくったように、もうここから先は補助率これだけしかありませんよというような話じゃなくて、一緒に組み立てていくというような努力というのを私もしっかり指示をしていきたいというふうに思います。
  62. 大家敏志

    大家敏志君 有り難いと思います。そのように進めていただきたいというふうに思います。  次に、農作物の被害に対する支援について少しお伺いをしたいと思います。  福岡県、余り御存じないかも分かりませんけれども、富有柿を生産する柿農園や、棚田百選というのに選ばれた美しい、うきは市というところの田畑であったり、久留米市というところの巨峰農園や八女、これ茶畑。そういう至るところに土砂、また倒木、いろんな被害、これもう、実際見られた先生方も多いと思うんですが、本当に目を覆いたくなるような惨状なんですよね。特に、朝倉市の富有柿、それから八女市の玉露、これ重要な作物が相当被害を受けていて、これが、僕も余りよく知らなかったんですけれども、永年性の作物なんですね。この被災を機に離農する農家が増える可能性があるというんですよ。  こういう農家の営農を継続していくために必要なことが幾つかあると思うので、一つは農業共済の早期支払、また収益がない期間の費用に対する支援制度の創設などが必要だと考えるんですけれども、過去の台風被害のときとかにこういう支援制度を創設した例があると思うんですけれども、そのことについて見解をお伺いしたいと思います。
  63. 森本哲生

    大臣政務官(森本哲生君) 大家委員におかれましては、地元で大変御尽力いただいておりますことに敬意を表する次第でございます。  今おっしゃいました、共済の掛金をしていただいておる方については、これは早期支払、これは積極的に私どもやってまいります。そして、柿、そして私もお茶の関係でも福岡、見せていただきましたが、本当に立派な柿とお茶をやっていただいております。  ここのところは、災害復旧でやる、圃場の復旧とか、そこのところは災害復旧でやるわけでございますけれども、どうぞ、この二年ほど前からこのことについては皆さん与野党を問わず御協力いただいて、その未収益期間について、時間がありませんから細かいことは申しませんが、ちょっとまた資料でもらっていただいたら結構なんですけれども、三年、四年という期間で、御存じかと思うんですけれども、ここの応援する支援策がございます。そして、今、壊滅的な状況でございますから、ここのところの植え替えの作業についても、ここのところを二分の一の補助とか、そうした補助の制度が最近できておりますので、ここのところは積極的に使っていただいて、何とか離農するというようなことがないように是非お勧めをいただけたら大変有り難いというふうに思っております。  そうしたことも含めて、これから、被災状況がまだ的確につかめておらない状況もございますので、そうした面も含めてしっかり頑張ってまいりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  64. 大家敏志

    大家敏志君 しっかりお願いします。  それともう一点、農業共済に加入していない人に対する対応についてもお伺いしたいというふうに、現地でも市長、また知事からもそういう話が出ていましたので、お願いします。
  65. 森本哲生

    大臣政務官(森本哲生君) ここのところは、セーフティーネットと、やはり長期の低利の融資で対応いただきたい。それと併せて、今前段で申し上げました未収益期間の対応をセットで何とか頑張っていただけたらというふうに思っております。
  66. 大家敏志

    大家敏志君 分かりました。しっかりお願いしたいと思います。  次に、いわゆる災害廃棄物についてなんですけれども、刻々と同志の県議や市議からも連絡があって、もちろん応急的にというか自衛隊の皆様方の努力等もあって、倒木、風倒木というか倒木が畑の中、田んぼの中に入るもの、また橋梁のところに引っかかっているもの、河川周辺にある。それからまた、それが流れ出て、特に有明海、今日現在も、今も実は漂っている漂流の廃棄物がまだたくさんあるという現状。それから、海に沈んでいるもの、また流れ着いたもの等々、たくさんあるんですよね。これ、本当、切実でして、特に有明海、御存じだと思いますけれども、ノリ養殖、そろそろ準備が始まるという時期になっています。もちろん海上航行にも支障を来しています。  そのことについて、廃棄物でもいろんな段階があるんだと思いますけれども、これがなかなか進んでいないという現状があるので、どうなのかということをまず見解を伺いたいと思います。
  67. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 大家委員にお答えいたします。  この海域におけます災害廃棄物の問題ですけれども、これはまさに委員御指摘のとおり、災害があったときのその後にずっとそれが残ってしまうことで二次的にもいろいろな被害が出てくるということで、これは対策を講じなければいけなかった問題なんですけれども、これに関しましては、まず海岸漂着物処理推進法という法律、これは平成二十一年に議員立法で作っていただきました法律です。  この中でも、海岸そのものに漂着したものと、漂流している、浮いているものと、あとは海底に今沈んでしまっているもので一応取扱いが異なってまいりますが、海岸に漂着したものに関しましては、基本的には、まずは河川やあるいは港湾などの管理者が廃棄物を処理していく、そしてまた、穴のないように、漏れのないようにそれ以外の部分は基本的には市町村が処理をしていく、そして、そこに国の補助が出ていくと。こういった仕組みになっておりまして、現在もそのスキームの中で処理を進めさせていただいているというのが今実情でございます。
  68. 森本哲生

    大臣政務官(森本哲生君) 大家委員の御指摘、本当に深刻な問題というふうにとらえております。有明海については本当に全国的にも有数な産地でございますので、秋から、これから養殖に非常に影響が出るころでございますので、それまでにしっかり我々はやっていかなければならないというふうに、ここのところの認識は一緒でございますので頑張ってまいります。  環境省の方でも基本的には予算を持っていただいておるんですけれども、私どもとしましては、漁業者が漁業活動中に回収した場合、この場合の処分費用については漁場漂流・漂着物対策促進事業、ややこしいんですけれども、ここのところで処理もさせていただいて、二分の一の補助というような制度がございますので、ここの制度も使いながら環境省と併せてしっかりここの対応をやっていきたい、このように考えております。
  69. 大家敏志

    大家敏志君 すごく、国にお聞きをすると、また事前に役所の皆さんにお聞きしても、法の不備はなくてきちんと対応できるようにはなっている。現実にそのようであるんですよね。しかし、実態は全く処理が進んでいない。  もう一つ問題は、現場の人たちは法がきちんと整備されていないんではないかというふうに思っておられるんですよ。どこがどうということではないですけれども、被災をした人、またいろんな機関の人たちがそのような認識を持っていて、なかなか手付かずになっている。だからこそ進まないということがある。もちろん金目もあると思いますよね。それか若しくは、その法が余りにもぼんやりしているようなものなのかなというふうに思うんですよ。  もう一度その辺を、少しこれが進むような方向の見解、答弁がありませんかね。
  70. 高山智司

    大臣政務官(高山智司君) 委員御指摘のとおりでございまして、先ほど、私環境省ですけれども、御説明させていただきましたこの海岸漂着物の処理推進法でございますけれども、これはまさに海岸そのものにもう漂着をして打ち上げられているようなものから、海に浮いているもの、また海底に沈んでいるもの、海ごみといっても大きく三種類あると思います。  この平成二十一年の議員立法の御審議のときにも、これら全てがもちろん問題なんですけれども、まずは漂着したものからきちんとやっていこうと。といいますのは、御案内のように、漂流して浮いているものや海底に沈んでしまったものはなかなか実態の把握が難しいということがございました。ですので、先ほど私の答弁で漏れなくと申し上げましたのは、まさに海岸にきちんと漂着しているもの、これに関してはまさに漏れなくやっているところでございますが、先生御指摘の点は、恐らく漂流しているものや海底にもあると、それがまた支障があるんじゃないかというような御指摘だと思います。  実際、生活に支障があるものに関しては、これは市の判断で除去をしていただくと、それに関してまた補助を国でしていくというような仕組みにはなっておりますけれども、実態としては、なかなか漂流ごみですとか海底にあるものというのは把握が難しいというような実態があるということも御理解いただければと思います。
  71. 森本哲生

    大臣政務官(森本哲生君) 大家委員、養殖についてはこれはもう本当に深刻な問題でございますから、ここのところは私どももしっかり担当に指示を出しますから、そこのところをまた見ていただいて、とにかく八月、九月、来月ぐらいから九月にかけてやらないとこれは問題が大きいというふうに認識しておりますので、ここはしっかり指示します。
  72. 大家敏志

    大家敏志君 本当にそこはひとつよろしくお願いしますね。漂着物、大事ですよ。しかし、有明海は特殊な事情があるので、今答弁いただいたので有り難いことですが、しっかりお願いしたいというふうに思います。  それから、次に行きますけれども、被災者生活支援、これについてお伺いをしたいというふうに思います。  被災者生活再建支援制度というのがあるようですが、これは対象となるのは全半壊なんですね。今回の場合、福岡県ではこれは四十一世帯、全半壊といえば四十一世帯になってしまう。この対象とならないけれども、実は床上浸水なんですよね、これがほぼ千百。四十一に対して千を超える数字という現状があるんですよ。そうすると、この対象にならない人が頼るべきとすれば、災害援護資金、これの貸付制度というのがあるようで、これを頼りにするしかないと。その場合、いろいろ組み合わせても三百五十万が上限。なおかつ、金利が三%、この時代に金利が三%ですよ。そしてまた、所得制限もあるというんですよ。  これは差し上げるお金ではなくて貸すお金なんですよ。戻してもらう、結果として。にもかかわらず、もう貸したくない、借りたくないという制度にしか思えないんですよね。この点について説明を願います。
  73. 西藤公司

    政府参考人(西藤公司君) 災害援護資金につきましては、災害により住家、家財に被害を受けた場合や、世帯主が重傷となった場合に一定の所得以下の世帯に対しまして、生活の再建を図るために市町村が実施主体となって貸付けを行う制度でございます。  お尋ねの貸付利率につきましては、法律におきまして、据置期間は無利子であるが、その後は年三%というふうに規定されております。したがって、これを運用で変更することは難しいわけでございます。  また、所得基準につきましては、例えば四人家族では、住民税における前年の総所得金額が七百三十万円というふうに設定されておりまして、資金調達が比較的困難であり、真に貸付けが必要と考える世帯が対象となるよう設定されているところでございます。
  74. 大家敏志

    大家敏志君 もうその答弁だとひとたまりもないじゃないですか。政治主導で利率を下げるべきでしょう。できるできないはその後の話としても、どういうやり方をするかというのは早急に考えるとしても、利率を下げて所得制限をなくして限度額ももう少し引き上げる、結果として返してもらうお金なんですから。どうぞ。
  75. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 担当の役所が答弁すると現在の法律の枠組みの中でしか答弁ができないので、ああいうことになってしまうんですけれども、貴重な御指摘だというふうに思います。  支援制度そのものをどういうふうに見直していくかというのは、今我々も作業をやっていますので、そんな中でしっかり受け止めさせていただいて対応をしたいというふうに思います。
  76. 大家敏志

    大家敏志君 民主党政権にとってもチャンスと思うんですよね、これは。被災地の方に対してチャンスという言葉が適当かどうかは別としても、頼りになる政権だと、ここで頑張らぬでいつ頑張るというような時期だと私は思いますので、ひとつよろしくお願いしたいと思います。  少し関連しますけれども、中小企業に対する支援についてもお伺いをしたいと思います。  特に、我々の福岡県、我が福岡県では、七月十三日付けでこの度の豪雨災害を緊急経済対策資金、これの知事指定災害というのに指定をしたようなんですよ。この貸付けは上限が一億と。しかし、国の信用保証制度と抱き合わせで一億まで出せるということなんですけれども、実は国の信用保証制度の、ここが重要なんですが、無担保、無担保は上限が八千万なんですね。ですから、一億、県が上限を定めているんですけれども、無担保部分は八千万となっているので、残りの二千万については担保が必要ということ、今の仕組みではそうなっているんですが、これはもっと弾力的になりませんかねという問いなんですけれども、答弁を願いたいと思います。
  77. 加藤洋一

    政府参考人(加藤洋一君) お答え申し上げます。  私どもとしましては、九州北部豪雨で被災されました中小企業者に対する金融支援、これは万全を期していかなければならないと、まずそういうふうに思っております。  先生から御指摘いただきました信用保証でございますけれども、現時点では一般保証とは別枠で無担保八千万、最大で二億八千万まで措置されるセーフティーネット保証四号というのがございます。ただし、この発動につきましては、自治体におきまして中小企業者の被害状況調査などを積み上げる必要がございます。今、各自治体におきまして調査をしておりますので、そういった調査に基づきまして適切に制度の運用をしてまいりたいというふうに思っているところでございます。  そのほか、発災後、特別相談窓口を設けております。信用保証に加えまして、災害復旧貸付けでありますとか様々な支援措置がございますので、被災中小企業者の方々のお声をつぶさにお聞きをして、個々に適切な支援をできる限りにおいてやっていきたいというふうに考えております。
  78. 大家敏志

    大家敏志君 今日、議論を通じて感じることは、もちろん今の決まり事があって、それを超えてやるというのは難しいという現実がある、それはよく分かりますよね。しかし、やっぱりこういう事態ですから、そして特に民主党政権になって政治主導と言われて、今が頑張りどきだと思うんです。僕は、さっき役所の方に、僕はあら探しをするために質問しているのではなくて、本当に福岡県の被災を受けていろんな関係の方が今苦しんでおられますから、何とか、今の仕組みはあるでしょうけれども、それを超えてできる部分がないかと、せっかく大臣がお越しなので、今日はそのことを浮き彫りにして、しっかりとした対応に進んでもらいたいという思いで質問をさせていただきました。  大臣の見解をお聞きをして、質問を終わろうと思いますけれども。
  79. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 災害にどういうふうに対峙していくかということについては、やっぱり現場の状況というものに即した制度をつくっていく、そして制度に不備があったらそれをやっぱり改革をしていくという姿勢が大事だと思います。  一つだけ、さっきの中小企業の申し開きをさせていただくとすれば、実は防災関係災害関係の貸付金というのは、条件がそのときそのときの適合にしていなくて、ちょっと古かったり条件が悪かったりしているものがあるんですよ。それを今適用させてもということで、実はセーフティーネット融資で、これは災害だけということではなくて、セーフティーネットという形で経済対策も含めたトータルな制度があって、それを使ってもらう方が有利に展開しますよということで、これを今使ってくださいということで現場に下ろしているということなんですね、実際のところは。  だから、そういう柔軟な体制も取っているということでありますので、そこもひとつ理解をしていただいて、あとは、制度改革、これは法律も変えていったり政省令を変えていったりする作業でありますのでちょっと時間が掛かるので、そこのところもしっかりまた御指摘いただいて、変えるところは変えていくという体制で頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いをします。
  80. 大家敏志

    大家敏志君 みんなが使い勝手がいいというか、丁寧にやっていただきたいというふうに思います。  そのことを最後要望して、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  81. 松下新平

    委員長松下新平君) 午後一時三十分まで休憩いたします。    午前十一時四十八分休憩      ─────・─────    午後一時三十分開会
  82. 松下新平

    委員長松下新平君) ただいまから災害対策特別委員会を再開いたします。  この際、委員異動について御報告いたします。  本日、小見山幸治君が委員辞任され、その補欠として田城郁君が選任されました。     ─────────────
  83. 松下新平

    委員長松下新平君) 休憩前に引き続き、災害対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  84. 山下芳生

    山下芳生君 日本共産党の山下芳生です。  初めに、委員各位の御配慮で質問の順番を変更していただいたことに感謝を申し上げます。  私からも、今回の災害で亡くなられた方々に対し深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。  当委員会で行った災害の派遣調査でも、皆さんと一緒に福岡県それから大分県に私も参加をいたしました。行ってみて、今回の被害は、農業被害が非常に深刻であるということと、それから七月三日に受けた被害復旧しているさなかに今度は十三日の被害が重なるという連続した被災であるということなどが大きな特徴ではなかったかなと思います。  こういう点では、今ある制度をフルに活用することと併せて制度の柔軟な活用を図ること、そして今の制度ではなかなか対応できないことがあれば被害実情に合わせて新たな支援制度も検討すること、こういうことも大事だということを感じましたので、まず冒頭そのことは申し上げておきたいと思います。  その上で質問に入ります。  まず、国土交通大臣に伺います。  今回の豪雨被害では、いわゆる国直轄管理の堤防も決壊をしたりなど、大きな水害になる要因となってしまいました。あの決壊さえ防げればこれほどの大被害にはならなかったのにと、被災地域の皆さんからは国に対する残念ながら失望の声も聞かれております。全国どの河川でも、国が直接に治水対策を担当する直轄管理区間というのは、その地域治水対策上重要な場所が指定されているわけでして、その国管理の堤防が決壊すればやはり結果的に被害も深刻になるという関係にあると思います。  そこで、まず、今回、国直轄の堤防が決壊してしまった原因、それから二つ目に、国が管理する堤防が決壊したことにより深刻な被害となっていることへの認識ですね、お答えいただきたいと思います。
  85. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 委員御指摘のように、国直轄区間の河川というものは、人口の密集であったり資産の集積という背景があってまた国直轄ということになっていることが多いわけです。そしてまた、今回の残念ながらの堤防決壊箇所という場所もそういった地域に該当するというふうに思っております。花月川で二か所、矢部川で一か所、国土交通省管理の堤防が決壊したということは事実であります。また、そのことを重く受け止め、今委員御指摘のように、原因といったものをしっかりと究明して、その結果を基にまた整備に対しての対応を取らせていただきたいと思います。  その原因が何なのかということは、堤防決壊にもいろいろな要素がありますので、今現在これだという結論には至っておりませんけれども、雨量、水位、そしてまた痕跡といった調査を現在実施しておるところでありまして、またその結果を皆様にもお知らせしたいというふうに思います。
  86. 山下芳生

    山下芳生君 重大なこととして受け止めておられると、そして原因をしっかり検証して対応していきたいということだと思います。  私、その際、直轄管理の箇所が決壊した直接の原因を検証することも大事ですけれども、同時に、背景をしっかり調査することも大事だと思うんですね。  例えば、この間、公務員が随分減らされてきまして、国の出先機関の人員体制河川を管理するなどの防災対策を行う人員体制もやはりこれ減らされてきている面があると思います。堤防に綻びや異常がないか、維持管理、点検する仕事も既に外注化されている状況があるわけですね。  それから、防災予算の使い方の問題も、防災と名が付いてはいるものの、鉄道網ですとか高速道路網の整備、あるいは港湾の整備などにリンクされている場合もこれはなきにしもあらずということでありまして、やはり住民の安全、安心を守るための生活に身近な公共事業、防災対策事業というものがおろそかにそういうことによってされてきた面もあるんじゃないかと、こういうことも危惧しております。そういう直接の原因とともに背景もこの際しっかりと検証いただきたいということも申し添えておきたいと思います。  次に、決壊した堤防、傷んでしまった堤防の応急復旧、あるいは河川にたまった土砂のしゅんせつなど、急がれると思います。これでまた台風が来たらえらいことになると、とにかく急いで応急工事をしてほしいというのがどこでも上がる声であります。  国管理の箇所はもちろんですけれども、県や市町村が管理していて壊れたり傷んだ堤防などの応急復旧工事はどうなっているか。これ被害状況だけではなくて、その応急復旧工事が今どうなっているかについてもちゃんと把握をして、必要な支援、市町村だけでは間に合わないということもありますので、こういうことも検討する必要があると思いますが、いかがでしょうか。
  87. 関克己

    政府参考人(関克己君) お答えを申し上げます。  先生御指摘の県あるいは市町村、自治体が管理している施設がございます。  昨日までの県からの情報によりますと、九州北部豪雨により被災した県管理河川被災箇所多うございますが、その中でも特に堤防が決壊したところ、あるいは家屋の近くで河岸決壊が発生した、こういった特に急ぐ場所に関しては応急復旧が完了しているというふうに聞いております。もちろんこの報告を受けた以外の箇所ございますので、こういった箇所以外についても、その被災状況あるいは応急復旧状況については引き続き県の方でも調査をし対応を急ぐというふうにしているところでございます。  また、迅速な災害復旧、これも必要でございまして、進めていかなければなりません。そういう意味では、道路河川施設管理者が被災直後から着工し、できるだけ早く災害復旧を進めるよう取り組んでいきたいというふうに思っているところでございます。  なお、この際、いわゆる査定前着工ということがございます。災害査定の前にも柔軟に対応することによって、必要なものについてはできるだけ速やかに復旧工事に着手できるような、こういった形をより徹底してまいりたいというふうに考えております。  また、今回、被災が相当範囲に及んでいるということもございます。発災直後から、全国の私ども国土交通省の地方整備局等の職員から成りますテックフォース、緊急災害対策派遣隊、これを各地域、市町村あるいは都道府県等に派遣をいたしまして、被災箇所調査、あるいは復旧工法に関する技術的指導を行うなど、被災自治体に対する支援強化しているところでございます。  また、さらに、実際にいろんなケースがございますので、そういった災害復旧を迅速に行うため、災害査定あるいは災害復旧事業の採択に関する手続、こういったものも弾力的に進めることによって、地域の被災自治体の状況を十分把握しながらしっかりと迅速な災害復旧に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
  88. 山下芳生

    山下芳生君 私どもが調査に行ったときにも、河川で、直轄の箇所だったと思いますけれども、国交省の九州地方整備局の皆さんがいろいろ不眠不休で当たっておられました。テックフォースが各自治体に派遣されているということは、自治体にとっては、私も台風十二号災害のときに非常に心強いという声も聞いておりますので、そういう対応は今後ともしっかりとやっていただきたいと思います。  それから次に、ダムからの放流によって被害が拡大したという声があるんですが、どういう声があるか把握されていますか。
  89. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) ダムの方の問合せということでいえば、耶馬溪ダムというダムの方に、山国川の上流ですけれども、問合せがございました。地元の方からダムの放流についての御質問があったこと。そして、七月十九日には、中津市議会の全員協議会という場でダム操作についての説明を求められております。この場では質疑応答と、河川事務所の者が出向きまして質疑応答をさせていただいております。  ちょうど中川防災大臣が二回目の現地視察、七月二十一日でしたけれども、行きました折にはまた市長さんの方から説明をいただいて、説明には納得したというお話もあったというふうに聞いております。
  90. 山下芳生

    山下芳生君 私どもに聞こえてきている声も紹介したいと思うんですが、七月三日の豪雨で川があふれて大きな被害となった、今御紹介のあった大分県中津市山国川にある国交省管理の耶馬溪ダムの放流についてですが、中津市の耶馬溪町宮ノ馬場に住む方の話なんですけれども、三日の朝にダムの下流にある自宅近くから近所の方と一緒に川の様子を見ていたらしいんですが、もういっぱいいっぱいに流れていて、この状況でダムが放流されたら大変なことになると、こう思われて、ダムに川の様子を知らせようと話し合っていたところにダム放流のサイレンが鳴ったというんですね。その方はダムの放流で川があふれ被害が大きくなったと、そうおっしゃっておりました。  ダムの放流と被害関係についてきちんとこれ検証する必要があると思いますが、いかがですか。
  91. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) ダムの操作要領というものは事前に河川整備計画の中でも決められておることでありまして、そしてまた、私も当日のダム上流からの流入量と、そしてゲートの操作といいますか放出量というもののデータも持たせていただいております。もちろん、問合せがあればその操作記録というものはしっかりと示すことになりますし、当然、協議会の説明会のときにもそういった資料を用意したものと推測させていただいております。  今お話しの、ちょうど三日の朝方、午前七時前後ですけれども、大体、上流から洪水時の操作流量に達する見込みになるということで、サイレンを鳴らして放流量が増えますよということを知らせたというふうに聞いております。  ただ、先ほど協議会で説明をさせていただいたというふうに言っておりますけれども、洪水時の放流量が二百六十トン、一秒に二百六十トンと、それ以上流さないようにということになっておりますけど、そのことで、瞬間に上流から来ている流量の大体ピーク時には八百立米をずっとカットしていると。激しい雨が続いていたときにはずっとダムの機能を発揮して、数量の変化はもちろんありますけれども、上流からの流量をカットをし続けていたということは記録に残っておりますので、またダムの操作方法について丁寧に地元の方にも御説明することが必要かなというふうに考えます。
  92. 山下芳生

    山下芳生君 私はやはり情報の提供、情報伝達が大事だと思うんですね。中津市の担当者の方との懇談で出された意見なんですけれども、雨の状況、それからダム放流の状況、下流への影響などについて、情報伝達、情報共有の方法について改善が必要だという要望でした。この点での見直しも必要ではないかと思いますが、いかがですか。簡潔にお願いします。
  93. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) ダム操作をしますときには、関係自治体、関係部署には連絡をして、この場合も連絡してやっておりますけど、今先生おっしゃっておりますように、やっぱりリアルタイムに時々刻々と変わる、そしてまたその地点地点での状況がどういうものか、そういうことをしっかりと踏まえた上での操作の在り方というものは検討すべきことかと思います。
  94. 山下芳生

    山下芳生君 それと、ダムだけに頼る治水対策には無理があると思います。我が党の現地調査では、自治体や林野関係方々との意見交換の際に、今回の水害、土砂災害に関連して、杉の植林を行っている人工林の間伐が遅れているという問題が指摘をされております。これ、山の保水力を高める対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。
  95. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) 森林は、適切な間伐の実施によりまして下層植生の発達でありますとか保水能力の向上が促されまして、洪水の緩和でありますとか土砂の流出防止などの効果が発揮されますので、間伐によります森林の手入れが国土保全上も極めて重要だというふうに認識しているところでございます。  そういった意味で、災害に強い森づくりを推進する観点から、私どもとしても、各種治山事業、森林整備事業の実施の中できちんとした間伐を始めとした森林整備に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  96. 山下芳生

    山下芳生君 そこで、中川大臣に聞きたいと思います。  昨年の台風十二号による紀伊半島大水害の際にも、奈良県、三重県、和歌山県を流れる新宮川流域で同じようにダム放流の在り方が問題となりました。ただ、その後、このダムの管理者と流域自治体との情報共有、情報伝達の方法を見直す必要があると、住民避難の方法も課題となっているということがありまして、国と県と、これは発電用のダムでしたけれども、ダムを管理するJパワーとが、言わば利水関係者が集まってダム操作に関する技術検討会を立ち上げました。一つの結論として、ダムでいいますと、事前放流を行うなどの運用の改善が図られたと承知をしております。  私は、災害時の被害を最小化していくと、減災という考えに立つならば、やはり洪水対策としては、ダムの運用ももちろんこういう形で大事ですけれども、ほかにもできることはいっぱいあると思うんですね。例えば、今回気象庁から、これまで経験したことのない大雨です、厳重に警戒をという、こういう注意喚起がなされたわけですけれども、こういうことも生かされたかどうかも大事でしょう。  中川大臣に是非伺いたいのは、やっぱり省庁縦割りではなくて、この新宮川ダムでの検討会の経験も生かして、ここはやはり防災担当大臣がイニシアチブを取られて各水系での総合的な洪水対策に取り組んでいくことが大事ではないか。やれることはいろいろあるわけですから、知恵を出して、集めて、手を打っていく必要があるんじゃないか。前回も、こういう問題提起されたら積極的に乗り出していきたいというお答えでしたけれども、その後、今回のような大きな災害、水害が起こりましたので、改めて質問したいと思います。
  97. 中川正春

    国務大臣中川正春君) まさに御指摘のとおりだというふうに思っております。  一つは、予知能力といいますか、気象庁にも改めて対策をお願いしているんですが、降ってからこれだけ降りましたよといったって、それはもう降ってしまったわけですから使いようがない。その前に、集中的にここにはこれぐらいの雨量が予想される、については、例えばダム操作でそれを事前に放流をした上でそのダムの機能が最大限に生かされるようにやっていく、それを今度は下流部と連携をして情報をしっかり共有しながら、下流部の対策として避難等々に含めて生かしていくという、そういうシステム化した、連携した対応というのが必要、まさに必要なんだろうというふうに思っております。  そのための組織をそれぞれの流域でつくっていく。あるいは、これは川の話だけではなくて、地震だとか津波に対してもそうした協議会をつくっていきながら、ふだんの訓練の中でそれを生かして、そして自分のものにしていくというような、そういう組立てを是非やっていきたいというふうに思っております。
  98. 山下芳生

    山下芳生君 次に、農業被害への対応について伺います。  今回の被災地は、いずれも米どころ、それから特産品をたくさん出荷してきた農業地帯であります。我々が行ったときも、水田が石や泥で埋まってしまった地域、あるいは畑が濁流で流されていた地域など、もう甚大な被害がありました。田植したばっかりの水田が全滅してしまったとか、来年の作付けはどうなるのかと農家の皆さんは今大変深刻な状況にあります。  それから、被害を免れた水田や畑でも、用水路が破壊されたり土砂に埋もれてしまったりして水を入れることができなくなって、今生きている作物も全滅してしまう状況にあるという場合もあります。  農家の方からこんな声が上がっております。天候にもよるけれども、一週間、二週間と水が入らなければ今年の収穫が駄目になってしまうと支援を求められているわけですが、早急に対応する必要があると思いますが、農水省、いかがでしょうか。
  99. 實重重実

    政府参考人實重重実君) 農地、農業用施設被害について申し上げます。  今回の梅雨前線に伴う豪雨によりまして、九州北部中心に農地、農業用施設についての甚大な被害が発生しておりますが、昨日までに九州北部だけで一万三千か所、約百九十五億円の被害報告されております。  農水省としては、岩本副大臣、森本政務官が直ちに福岡熊本大分各県の被災地現地調査を行いました。また、別途、本省や九州農政局の職員延べ十八名、水土里災害派遣隊という形で、被害実態の調査あるいは災害復旧に向けた助言、指導のため現地に派遣しているところでございます。  今委員御指摘のとおり、川のはんらんや山腹の崩壊による農地への土砂の流入、堆積が起こっております。また、川岸がえぐられることによって農地の損壊が見られるところもございます。また、ポンプ場の揚水施設にも多大の、多数の被害があることが判明しております。  委員御指摘のとおり、まずは農業用水について手当てすることが重要でございます。地元の要請にこたえて確保することが急務でございますので、九州農政局から現時点で二十二台の揚水ポンプを貸し出しております。また、査定前着工といった応急工事ができるように、この活用を促しておりまして、この結果、現在、百十一件の応急対策工事に着手しているところでございます。  被災農地につきましても、被災農家の方々の営農や生活の基盤でありますことから、緊急対策として、流入土砂を排除いたしましたり、あるいは更なる崩壊防止のための土のうの設置といったようなことを行っているところでございます。  今後とも、迅速な本格復旧に向けまして、県、市町村等と連絡を密にしまして、技術者の派遣あるいは査定事務の簡素化など、できる限りの支援に努めていく所存でございます。
  100. 山下芳生

    山下芳生君 もうこれお答え要りませんけれども、今あった査定前着工なんですけどね、現地から聞こえてくる声として、国が被害を審査して農地復旧費の国庫負担割合を決めるので、この査定が終わるまで田畑や用水路の泥出しや流木の撤去は手が付けられないとか、国の査定が終わるのは数か月掛かるから復旧作業の開始は来年度の見込みという話が自治体の職員の方からも上がってきておりまして、現場では人手が足りなくて手いっぱいということもあるんでしょうけれども、要するに査定前着工という制度についてよく理解されていない面があるんじゃないかと。まずはもう着工して、植えられるところから植えていくなんということをやればできるのに、知られていない面もあるんじゃないかと思いますので、これはしっかりと周知徹底を、今回、もう直ちにやっていただきたいということも申し上げておきたいと思います。  それから、中津市では用水路が被害を受けたのでポンプで水を入れているところがあるんですが、これ、ポンプは市で用意して対応されているんですが、燃料は農家、生産者の負担になっているというふうに聞きました。農家の方の話では、十軒ほどの農家で使っている用水路が使えないので、みんなで一緒のポンプを使っている。しかし、燃料代が一か月で四十万円ぐらい掛かりそうだというんですね。被災した農家にとってはこれ大変な負担であります。  これ、市町村が実施する農地等の災害復旧事業の対象に、このポンプを使って水を応急的に入れるわけですから、この燃料代も応急復旧の工事の対象になるんじゃないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  101. 實重重実

    政府参考人實重重実君) 委員御指摘のように、用水路が被災いたしました場合に、水田等に用水を応急に補給することが重要でございます。この揚水ポンプの手当てが必要になります。そこで、貸出しという点では、先ほど申し上げましたとおり、九州農政局から北九州中心に二十二台貸し出しております。山国川流域の中津市では、市が応急に揚水ポンプを設置されているものと承知しております。  こうした場合に、ポンプの燃料などを含めまして市や農業者の費用が一定額以上になる場合につきましては、補助対象となります災害復旧事業費の中に含めることができるという運用を取っておるところでございますので、そういう点についてもよく周知してまいりたいと思います。
  102. 山下芳生

    山下芳生君 最後に、中川大臣に伺います。  市町村が主体で行う災害復旧事業で、全部じゃないんですけれども、市町村によっては条例を作って、農家から地元負担を求めているところもあると聞いております。国の制度としては農家からの負担が条件とはなっておりません、いろんな災害復旧制度について調べてみますと。  私は、やはり農家の方に被災された上にこの負担を求めるのはなかなかこれは厳しいんじゃないかと、こう思っておりまして、是非大臣、これは市町村によって違うんですね、負担を求めていない市町村もあれば、農家に負担を求めているところもあると。しかし、被災された方ですから、それで国の制度の活用されているわけですので、これはやはり、まあいろいろ理由はあるんです、一部負担してもらうことによって何でもかんでもじゃなくなるんだとか、いろいろ理由はあるようですが、しかし一方で、被災された方にはもう災害復旧ですから負担なしでやりましょうという自治体があるにもかかわらず、他方そうじゃないところがあると。  これはちょっと、国としてもよく調べて、必要な調整といいますか物差しといいますか、そういうことを示すことも含めて、ちょっとこれ放置できないんじゃないかなと、こう私、声を聞いて感じたんですが、いかがでしょうか。
  103. 中川正春

    国務大臣中川正春君) そこを、市町村の事情と、それから一つの対策、政策によってある程度地方自治体のやり方というのを尊重していくという、そういうことも大事だなという反面、住民にとっては、あっちがこうなっているのにこっちはどうだという話があって、いろいろ、そこのところは地方分権なり地方自治というのを議論していくときにいつも難しいところだと思うんです。  それに対して、じゃ、国がどういう形で関与できるかというと、個人で負担していただく部分を仮に市なり県なりが負担をするということになったときに、国の方としてはその分についても交付税措置して見ていきますよと、だからそこは、もし自治体によって財政的にお困りであれば、そのように措置をするのでやってくださいというふうなことが今の制度の基本になっているということであります。  まあその辺かなというふうに思っているんですけどね。できる限り、それぞれの地方自治体の議会の中でそれは議論をして、主体的に解決を是非していただきたいというふうに思います。
  104. 山下芳生

    山下芳生君 終わります。ありがとうございました。
  105. 加治屋義人

    加治屋義人君 自民党の加治屋でございます。  奄美大島の三度にわたる豪雨災害、そして紀伊半島、青森県、そしてつくば市、今回の山口県を含めた北九州の豪雨災害、それぞれ私ども現地を見て思いますことは、災害の要因に二つあると感じております。一つは森林の崩壊です。二つには河川の増水による堤防の崩壊、先ほどから質問があるとおりであります。集落をのみ込んで、そして市街地をのみ込んで、尊い命を奪っている、そして生活まで奪っている、そういう状況であります。まさに目を覆うばかりでありましたけれども。  まず、森林の崩壊ですが、私は間伐など山の管理が悪いと常々言わせていただいておりますけれども、その一つとして、かつて林野庁の職員は八万人、今幾らですか、五千人でしょう。そして、都道府県においては、一つの林務部という部で独立していたものがほかの部と統合して、職員まで大変減っている。それは私は調べてみました。ましてや市町村に至っては、それこそ専門職員なし。また、民間の林業従事者もかつてよりも十分の一の職員になっておりますね。  こういう状況で、あの現場を見て、本当に山は守れるのかね、林地崩壊が守れるのかねと思っておりますが、副大臣、どうでしょうか。
  106. 岩本司

    ○副大臣(岩本司君) 加治屋委員にお答えをいたします。  先生御指摘のとおり、昭和四十二年から今日まで林野庁は職員を九割削減しまして、一割の人員でやっております。それはもう、四十二年以降、各党の熱心な行革の結果とも言えますけれども、森林は国土の保全、水源の涵養、地球温暖化防止等の多様な機能を有しておりまして、特に近年、地震、集中豪雨等による大きな災害が発生しておりますことから、山崩れ、洪水などの災害を防止する働きに対する国民の要請は極めて強いものと認識をいたしております。  このため、間伐等の適切な森林整備や治山事業を通じまして、健全で災害に強い森林づくりを進めるとともに、森林、林業の再生に必要な人材の育成に取り組んできたところであります。  今回の山地災害に対しましては、国などから技術者の派遣を行うなどして技術的な支援も行いつつ、まずは災害復旧事業による緊急対策に全力で取り組むこととしているところであります。  今後とも、先生などの御指導をいただきながら、台風等による山地災害の発生が懸念されることから、森林・林業再生プランに基づきまして、引き続き人材の育成、また森林の適切な整備を行っていくことにより、健全で災害に強い森林の保全整備に努めていく所存であります。
  107. 加治屋義人

    加治屋義人君 きれいな言葉で、山が大切だと、そして間伐だねと、いろいろ言葉ではそのとおりなんですけれども、副大臣、毎年毎年の森林整備の予算、これは当初予算で全く確保できていないんですね。補正、補正、補正でやっとやりくりやっているでしょう。それで今の言葉で、山は守れませんよ。そのように思います。副大臣、山にはよく理解のある方だから私は申し上げているんだけれども、そういう意味でしっかり取り組んでいただかなければいかぬと思っております。  今日は林野庁にもおいでをいただいておりますので、同じ質問をしたいと思います。守れますか。
  108. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) ただいま私ども副大臣の方からもお答えさせていただいたとおりでございますけれども、森林の整備、非常に大切なことでもございますし、国土保全上もきちんとそういった森林を整備していかなくちゃいけないというふうに思っているところでございます。  確かに、先生おっしゃいますように、林野、林務関係の職員、減少してきているわけでもございますし、予算もなかなか厳しいという状況にはあるわけでございますけれども、そういった中でも、きちんとした対応、例えば人材の育成も含めましてしっかりとした対応を取って、遺漏なきように努力していきたいと思っているところでございます。
  109. 加治屋義人

    加治屋義人君 ありがとうございます。  国有林にしても民有林にしても、もうちょっと農林水産省、都道府県、市町村をしっかりリードをしながら取り組んでいただかなければ、一向に解決しませんよ。誰が山を守るんですか、これを頭にして考えていただきたいと思っております。  次に、阿蘇市の一九九〇年の水害以降、民有林の山腹崩壊を防ぐとして、林野庁自ら、あの阿蘇一帯に百数十億を掛けていただいて治山事業を進めているとお聞きいたしました。鹿児島の桜島の治山もそうですね。直轄でやっていただいているんですね。今回の豪雨災害を検証する中で、防災対策としてのこの直轄事業の効果はどうだったのか、そのことをまずお聞きしたいと思います。  未然に防ぐことができたのか。民有林の管理が進まない中で、林野庁自らこのような事業を積極的に取り組んでいただきたいと、そのように思います。いつも思いますのは、森林も人間社会と同じで少子高齢化ですよ。もうちょっと山が若返らないと守れませんね。そういうことを含めて、ひとつこの事業に積極的に取り組んでいただきたいと思いますし、現状と将来についてお尋ねしたいと思います。
  110. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) 先生からお話しいただきました阿蘇地区の民有林直轄治山事業でございますが、この事業は、昭和五十四年九月の阿蘇中岳の大噴火、そして、翌年夏の集中豪雨災害を契機といたしまして、熊本県からの要請を踏まえて、場所的には根子岳と高岳、中岳の北側斜面でございますけれども、昭和五十七年度から国の直轄事業として着手しております。着手後も、平成二年七月の集中豪雨災害、こういった災害にも対応しながら、総工事費で約百三十八億円でございますが、治山施設の整備を行いまして、平成二十二年度に事業が概成しております。  今回、九州北部豪雨によりまして山地災害が多発しておりますけれども、現在、被災状況の詳細を調査中でございますが、民有林直轄治山事業の事業実施区域内におきましても実は一部崩壊は発生しております。ただ、ほかの区域と異なりまして、堰堤等の治山施設土砂や倒れた樹木の流出を抑えまして、山腹崩壊の拡大でありますとか流れ木を防ぐなど、下流域の被害を軽減していることが確認されているところでございます。  激甚な山地災害が近年発生しておりますけれども、今後とも民有林直轄治山事業の活用も含めて、治山事業等の適切な実施によりまして、まずは健全で災害に強い森づくり、そして国民の安全、安心の確保と、こういったものに努めてまいりたいと考えているところでございます。
  111. 加治屋義人

    加治屋義人君 ありがとうございました。  中川大臣にお尋ねをいたします。  被災地の一日も早い復旧復興はもとよりでありますけれども、災害を未然に防ぐための防災・減災対策も極めて重要だと思っております。新聞報道によりますと、来年度の概算要求に向けて再生戦略特別枠を設けて、環境や医療などの成長が見込まれるところに予算を重点配分をする、こういうことを見させていただきました。  私は、中川大臣がこの委員会の所信の演説で、よく頭に残って、印象に残っているんですけれども、防災は国家の基本的かつ重要な任務であり、災害に強い国づくりのために職務を遂行すると、こういう力強い決意が述べられました。住民の安全、安心を構築するために、何よりも優先すべき防災関連予算をこの再生戦略特別枠の中に入れて取り組むお気持ちはないか、お尋ねをいたします。
  112. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 概算要求基準の議論というのはこれから始まってくるわけでありまして、日本再生戦略の中身についてもまだ正式にこういう形でというところまで行っておりません。ただ、私の立場としては、いずれにしても必要なものは必要だという形でしっかりと頑張っていきたいというふうに思います。
  113. 加治屋義人

    加治屋義人君 大臣、是非御努力をいただきたいと思っております。  次に、河川についてお尋ねをしたいと思います。  熊本白川水系をつぶさに見てきました。七年前の鹿児島の川内川の災害と私は重ね合わせて見ることでありましたけれども、川内川の上流は新燃岳です、霧島山です。白川阿蘇山です。いわゆる火山地帯。この河川を見ますと、蛇行が非常に多いんです。極端な狭窄がありました。過去措置したところの堤防は強いんですね。これは治山も砂防もそうですけれども、過去措置したところの堤防は非常に強い、残っているんですよ。  そういうことを見させていただいたんですけれども、川内川の場合は激甚指定をいただいて、当時の国土交通河川局と県と被災地の市町村が一体となって、五か年計画をしっかりしたものをお作りになりましたね。私は非常に今喜んでいるんですけれども。この計画の中身を見てみますと、上流の狭窄部の掘削、しっかりやられました。そして、この分水路の整備も、曽木の辺りでしょうか、立派なやつを造っていただきました。それから、蛇行部分の解消、これは地域住民の人たちの協力も必要なんですけれども、この解消がうまくいった。そして、途中に鶴田ダムがあるんですけれども、今年、来年辺りで終わるんでしょうか、この容量も倍の容量を蓄える整備を今進めていただいている。  そういうことを考えますと、七年前のあの水量はこの整備によって十分耐え得る、そういうふうに今河川を見ながら思っているんですけれども、できますれば、二十二年前の白川水系あるいは菊池川の水系等を二度と繰り返さないためにも、是非、国土保全局と県、被災地と一緒になっていただいて、しっかりした五年、六年の整備計画を作っていただいて進めていただきたいと思っておりますが、いかがでございましょうか。
  114. 関克己

    政府参考人(関克己君) ただいま先生の方から御指摘がございましたように、平成十八年になりますか、鹿児島の川内川で非常に大きな水害が発生いたしまして、これは宮崎県のえびの市から薩摩川内市にわたるほぼ全川にわたり、おおむね三千戸を超える、三千戸程度の被害が出たというふうに記憶しております。  こういった災害に対して、上流から下流まで、県それから国、市町村一体となりまして、様々な地域に合った形での計画を作ることにより、激甚災害河川激特、いわゆる河川激特を進めることにより一定の効果を上げる段階まで整備ができたというふうに思っております。例えば、昨年、平成二十三年でございますが、当時と同じような雨が降ったときに、おおむね大きな被害は解消することができて効果を上げることができたというふうに思っております。  そういう中で、御指摘のように、今回、白川水系あるいは菊池川水系、特に合志川等では大きな災害が起きたところでございます。現在、この災害を踏まえまして、雨あるいは流量、被害の実態、こういったものを国あるいは県と連携しまして調査を進めているところでございます。  こういった災害状況調査を踏まえまして、再度災害を防止するために必要な堤防あるいは護岸の整備、あるいは川を掘っていく、こういったことを組み合わせながら、御指摘の河川激特も含め、どのような方法が最も速やかにこの再度災害防止に向けて対応できる方法なのかということを熊本県あるいは地元の自治体と十分連携を図りつつ早急に検討を進めまして方針を決め、対策を取ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
  115. 加治屋義人

    加治屋義人君 関局長には、川内川とそして同じときに被害を受けた米ノ津川、この二つを直接かかわっていただいて立派な河川を造っていただいた。私もよく知っておりますだけに、今回のこの熊本の二つの河川の整備に大きな期待をしておりますので、どうぞ頑張っていただきたいと思います。  それから、少し視察をしながら現場の被災の方々から直接要望を受けたことが二、三あります。  熊本被災地阿蘇、これはもう御承知のとおり全国の有数の観光地として繁栄しているんですけれども、風評被害を大変心配しておられました。それから、被災された皆様の住居の確保、これも心配されておりました。仮設住宅を造るにしても時間が掛かるよねと、それよりも市があっせんをして民間のアパートを一時的に借りてした方がいいではないかと、そのための国の財政支援を考えていただきたいと。それから、ホテルや旅館、スーパーなど、冷凍機器や厨房施設などの器具の買換えが発生しているんですね。その費用が膨大で事業存続にも大きな影響を与えている、これはどこの商店街もそうなんでしょうけれども、そう聞きました。こういう買換えにおける費用の負担軽減等を検討していただきたいと、こういう話でありました。  風評被害対策、住居対策、備品の負担軽減措置などについて、それぞれの答弁をいただきたいと思います。
  116. 井手憲文

    政府参考人(井手憲文君) 最初の阿蘇風評被害対策についてお答え申し上げます。  先生おっしゃるとおり、阿蘇のエリア、地域は大変観光資源豊かな我が国有数の観光地でございますし、また、滞在型の観光ということに対する取組も大変先進的に進んでいる地域でございます。観光庁も、この地域につきまして様々な形の支援を今までもやってきたところでございます。  おっしゃるとおり、今回の災害におきまして、風評被害の拡大あるいは発生を防止するということが大変大事でございます。そのためには、情報を正確に収集し、また発信するということが大変重要でございます。  こういった観点から、七月二十日付けでございますが、私ども観光庁の方から、旅行業協会を通じまして全国の旅行会社に対しまして、被害状況の全容の把握をしっかり行って、また関係機関の最新の状況を基に正確な情報をお客様の方に発信するようにしていただきたいというふうなことの要請をしておるところでございます。
  117. 西藤公司

    政府参考人(西藤公司君) 仮設住宅の件についてお答えを申し上げます。  災害救助法による仮設住宅の提供につきましては、建設した仮設住宅だけでなく、自治体が民間賃貸住宅などを借り上げまして被災者に提供することも可能でございまして、その経費につきましても災害救助法に基づく国庫負担の対象といたしております。今回の災害におきましても、その旨、災害救助法を適用した直後に被災県に対して通知いたしますとともに、被災県の適用市町村に担当者を派遣いたしまして直接説明を行ったところでございます。  厚生労働省といたしましても、引き続き、被災者や地方自治体の御意向を十分踏まえながら支援に努めてまいりたいと考えております。
  118. 富田健介

    政府参考人(富田健介君) 先生御指摘の備品あるいは施設の買換えの負担軽減についてお答えを申し上げます。  中小企業庁といたしましても、今般の豪雨によりまして大変大きな被害を受けられました大分県、それから福岡県、それから熊本県の被災中小企業の方々に対する金融支援策といたしまして、災害復旧貸付けという制度を今適用しておるところでございます。  災害復旧貸付けでございますけれども、これは日本政策金融公庫等が被災中小企業に対して通常の融資枠とは別枠で最大一億五千万まで融資をさせていただくという制度になってございまして、委員が御指摘をいただきましたような、ホテル、商店が被害を受けて施設を新しく取り替える、買い換えるといったような場合にも御活用ができる制度でございます。  また、日本公庫等の各支店におきまして現在特別相談窓口というものを開設をさせていただいております。被災中小企業の方々の事業再建に向けた資金繰りの御相談でありますとか、あるいは既往債務の返済の条件変更でございますとか、きめ細かい御相談に今応じているところでございます。  いずれにいたしましても、被災中小企業の皆様方の実情に応じて、極力柔軟な対応に努めることで早期復旧を目指していきたいという考えでございます。
  119. 加治屋義人

    加治屋義人君 被災地の皆さんのひとつ相談窓口の役割をしっかり果たしていただきたいとお願いをしておきます。  中川大臣には、鹿児島県の肝付町の国道四百四十八号線、二十二日の日にお入りいただきました。ありがとうございました。いまだ通行止めとなっておりまして、大変不便をしております。  大臣の談話で、道路についての激甚災害指定には厳しいねと、こういうコメントをいただいておりまして、私もそうだと思っておりますが、ならば、早急に災害復旧事業として採択をいただいて、一日も早くひとつ開通できるように御努力をいただきたいのが一つ。  もう併せてお聞きしますが、中川大臣には、今回の被害地を全て積極的に御視察をいただいて大変感動しておりますけれども、大臣がそれぞれの地域から受けられた要望、これは私どもも今度の視察で同じものをいただいております。そういう意味でも、九州豪雨災害復旧復興、全力をお互い尽くさなければいけないと思っておりますが、最後大臣の決意をお伺いして、私の質問を終わります。
  120. 中川正春

    国務大臣中川正春君) ありがとうございます。  肝付にお邪魔したときも、やっぱり地域防災意識が高くて、コミュニティーとして、地域全体が見回りに行って家を空けているそのさなかにあの土砂崩れというのがあって、家屋は崩壊したけれども人は助かったというようなこともお聞きをしました。いかにそれぞれの地域防災力、あるいは地域のコミュニティーとして絶えず訓練を繰り返しながら団結してやっていくということがこの防災には大事かということを改めて感じ取らせていただいたようなことでございます。  先ほどいろいろお話が出ていました。私も地域へ向いて、それぞれの省庁の担当官と一緒にお邪魔をして、具体的に質問が出て、これをどう解決していったらいいのかという課題をいただきました。  そのときに、それぞれの省庁丁寧に説明をしておりますが、改めて感じたのは、それがふだんは徹底していなかったんだなと。早期着工、いわゆる査定前の早期着工なんかもそうですが、まだまだそれができないというふうな感覚でおられた方も多いということが分かりましたし、その自治体が多いということが分かりましたし、あるいは仮設住宅も、ああした住宅を建てるまでもなく、簡易の形で旅館を活用したりあるいは公営住宅を活用したりということで、とにかくそこに入っていただくということ、この費用も救助法の中で見ていけるんだというふうなことも周知をしていくことができていないというふうなこと。こんなこともつぶさに分かってきましたので、改めてきめの細かい、それこそそれぞれの地方自治体と国が寄り添っていくような、一緒にやっていくんだというような気持ちで柔軟にそして迅速にやるということ、これを徹底していきなさいということで改めて指示をした次第であります。  これからもそんなことを基本にしながら頑張っていきたいというふうに思います。よろしくお願いします。
  121. 加治屋義人

    加治屋義人君 ありがとうございました。
  122. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 自由民主党の佐藤信秋でございます。  同僚議員の質問を念押しするような形のところが多いんですけど、最初の方は大臣ちょっと聞いておいてください。  今大臣、柔軟に運用というか、運用を徹底すると、こういうお話がありました。違うんです。違う。というのは、そもそも災害救助法も復旧法も平時の災害なんです、ごくごく部分的な。だから広域災害になると適用できないんです、はっきり言えば。というよりは、別のことを考えなきゃ駄目なんですね。これ、大震災のとき明らかだったんですけど、そのときは随分時間を掛けていろいろ直してもらいました、大震災用に。言っていることは大体九割方はオーケーしてもらいましたけど、時間が掛かり過ぎる。  それで、私は、実はせっかくいただいた時間、こういうところは平時の災害だよと、ごく部分的な災害ですよと、それは直しておかなきゃ駄目だよということをちょっと関係省庁に念押ししておきたい。時間もったいないからイエスかノーかだけでいいですからね。イエスかノーかだけで、それぞれ、できるだけ。  最初に救助法。参考資料を見ていただくと分かるんです、これ、ずっと三枚ぐらいある、救助法の災害救助基準。これ、大災害に使えるか。明らかにこの基準使えない。なぜか。避難所の設置って七日以内ですよ、災害発生の日から。七日以内で何で避難所が片付けられる。仮設住宅に取りかかるのは二か月以内だって、この二枚目にね、二枚目載っけていませんけれども、みんな一々言うわけにはいかない。  だから、大きな災害のときはここまではいいんですと、取りあえず一月延ばしましょうとか、あるいは応急修理も一か月以内でやってくださいと、こうなっている。家の片付けもできないのに一か月以内でなんて、大きな災害のときに、そこらじゅうでやっている最中のときにはこれは無理だ。だから、大きな災害、あるいは標準そのものをこれ直しておいてもいいかもしれませんね、もうちょっと時間が取れるようにね。特に、それは今すぐ直せと言ったって難しいとは思うけど。去年の大震災の後ぐらいに直しているかと思ったらやっぱり直っていないから。  今回みたいな災害は、それぞれ避難所、七日以内なんて無理よね、これ、二か月でも三か月でも必要になるかもしらぬ。そうしたら、取りあえずこのぐらいは延ばしますけど、それから以降も相談ですというようなことを言ってやらないと。しかも紙に書かなきゃ駄目、実は。厚労省が言って都道府県が言う、市町村が言う。一番最前線に市町村。都道府県はここに書いてあるこの救助基準でいこうとするから、これ無理なんだ。  というわけで、審議官、直す方向で取りあえず全体を、災害対策基本法全体の法体系を直すと約束はしてもらっているから、次の国会用に。これ、ほんのちょっとだけ直して、途中で止めるのもなんだから、しようがないかと。本格的に直しますよね。災害対策基本法の体系そのものもそうだけど、そこに今まで、ほら、継ぎはぎみたいに救助法だ復旧法だ被災者生活再建支援法だと、こう積み重なってきているから、これ一旦きちっと見直ししなきゃ駄目なんだ。  ただ、今回の災害、九州の豪雨災害でいえば、九州北部とは言いません、九州全体、鹿児島だって災害受けているんだから。九州の災害でいえば、こういう基準は二か月ぐらい延ばしますよとか、一旦はですよ、それでも無理ならまた相談してください、こういうふうにしてあげないと、市町村は動けない。罹災証明、被災証明も出さなきゃいけないんだから。しかも、復旧事業工事もやらなきゃいけない。そんなもの、両方なんてやれっこないんだから。ちょっと延ばすということを、これはイエスかノーか、検討しますでしようがないかもしらぬが、どうぞ。
  123. 西藤公司

    政府参考人(西藤公司君) 災害救助法の基準について申し上げますが、御指摘のとおり、今お配りされておられます基準を告示をいたしておりますが、仕組み上は、災害規模でありますとか地域実情によってはこの基準により難い場合がございますので、その場合には各自治体の方から私どもの方に御協議をいただきまして、それぞれ県ごとで特別の基準を定めることができるということになってございまして、その旨は今回も適用の市町村なり県に担当者を派遣いたしまして説明をさせていただいているところでございますので、それらを踏まえまして柔軟に対応していきたいというふうに考えております。
  124. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 いや、だから、それぞれ個別に相談してこの項目はここまではいいですみたいなことはやるなと言っているわけ、私はね。県と相談したら、じゃ取りあえず二か月までとか三か月までとかいうのを明確にして、そして提示してやらないと、隣の町は一か月だったけどこっちの町は基準どおりで半月だとか何だとか言われても、こんがらがってしまうから。それが手足を遅くしている。市町村の職員そんなにいないんだからね。そこはしっかり考えてください。大臣、言っている意味分かりますよね。  次に、復旧法に行くけど、災害復旧法もこれも平時の災害復旧なんだな、ルール自体はね。  というのは、災害が起きてから一か月以内に災害の額を確定してくださいと、こういうルールになっています。できるわけがない。一か所崩れたのと訳違うから、できるわけがない。これも一定期限は延ばしましょうということを言ってやらないと、あれもやらなきゃいけない、これもやらなきゃいけない、ただでさえ救助の仕事、避難所のお世話というようなことをやっている人たちがあれもこれもできるわけがないんですよね。一か所二か所被災したんなら別です、災害、崖崩れしたんなら別。それも、こういう広域災害のときは明確に、今回はここまで延ばしますということを言ってやらないと動けませんよと。一月以内に被災の額を確定するなんてできっこないんだから。でしょう。どうでしょうかね、河川局長
  125. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今、先生の御指摘は、いわゆる災害報告に当たるというふうに理解してございます。  これにつきましては、災害終息後一か月以内にというふうな整理をしてございますが、なお、これとともに大規模災害が生じた場合には別途指示を受けることとしておりますが、こういったその別途というようなところをより工夫をして分かりやすくしていくというようなことも含めて検討していきたいというふうに考えているところでございます。
  126. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 救助法も復旧法も、だから今回の災害においては二か月あるいは三か月までは当面延ばしましょう、その範囲でもって更に相談事があれば相談を受けますと、そういう形にしていかないと、みんな困っているんです。途中段階で県が、いや、この規定はこうなんだから早くやれと。早くやれ早くやれでもって現場せかされても、今度は市町村は動けませんよ。だから、柔軟運用はそこまではいいんです。柔軟運用はそこまではいいけれど、いつごろぐらいをめどにとか、ここまで延ばしますよ、更にそれで難しければ相談してくださいということを両方とも共通してやってください。絶対駄目というのでなければ、あとお答え要りませんからね。  次に、改良復旧の話、さっきありました。改良復旧の方はこれはやれることにはなっています、一定の範囲はありますと、こう言うんですが、それはそうですよね。どこまで改良復旧するかというのは、それはいろんな方法があるわけですからね、工法が。  ただ、こういうところまでは改良復旧やりましょうよという考え方を示してあげないと、やれますと言うだけでは、途中段階で、さっきの話と連動するんです、時間がどのくらい掛かるのか、二か月、三か月じゃ決まりませんと。そうしたらいつまで、でも大急ぎだと、こう言われると、改良復旧まで行かずに取りあえず今のまま直さざるを得ないかと、こうなってしまったりもするので、改良復旧という場合のガイドラインなりマニュアルなりを出してあげないといけないと思いますが、今回の災害にもですね、どうでしょう。
  127. 関克己

    政府参考人(関克己君) 改良復旧についてのお尋ねをいただきました。  改良復旧につきましては原形復旧を基本とするということはあくまで基本でございますが、一連区間で効果が増大する場合には当然、堤防のかさ上げ等、こういったことを積極的に進めるということでできている制度だというふうに理解してございます。そういった中で、改良復旧に関してより自治体の皆様方にもよく知っていただいて、より取り組みやすいというような形が必要であろうというふうに思っております。  そういう意味で、これまでも説明会、あるいは実際にどういうふうに進めていく、こういった事例の説明、こういったことを提供しながら進めてまいりましたけれども、今回の災害に当たっても、被災自治体のそれぞれの状況を十分伺いながら、こういった事業を適切に活用して、改良復旧が必要なものについてはしっかり行えるよう取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
  128. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 ということで、現場がきちっと動けるようにしようとすると、こういう応用動作があっという間にこれは半月、一月掛かるんです、たつんです、どうしていいか分からない間に。それで、せっつかれるだけと、市町村の担当者の皆さんなんかにしてみますと。  ただし、激甚災害指定というのはこれはやっぱり急ぐんですよ。つまり、どれだけ自分たちの地方公共団体の負担が出るかというのが変わってくると、こういう意味ですよね、激甚災害指定、一番主たる部分は。それでもって、いや、こんなに負担が大きいんではとてもじゃないがすぐにできない、ゆっくりやらなくちゃみたいな話にもなりかねないんですね。そうすると、激甚災害指定はやっぱり大急ぎなんです。大急ぎなんですが、復旧費の積み上げ、今みたいな議論ですね、でいくと、それができ上がるまで待とうと片一方でなると、激甚災害指定がなかなかできない、こうなるんですね。  これは基本的にはもっとハードル下げないかぬと思います。もっとハードル下げて、標準税収の百分の二十なんと言わずに、標準税収の百分の五ぐらいあったらもう切上げですから激甚災害指定しましょうかというぐらい、これは制度としてきちっとやらなきゃいけないという問題だと、こういうお答えになるんだと思います。  ただし、今の九州の話でいえば、これだけ広範なんですから、何度も度々雨が収まったかと思ったら降った、箇所の数も猛烈に多い、調べ切れていない。そういう意味では、これはもう決断すべき時期だと思うんですね。積み上げをいつまでも、結局、土木施設災害復旧はそういうことですから、さあ積み上げようとしても、本当のところはどこまで改良復旧できるか、あるいはそもそも山の中入っていけないところもまだたくさんありますからね。  だから、これはもう大臣、総理と相談してやる。これは決断の問題だと思うんですね、既に。いかがでしょう。
  129. 中川正春

    国務大臣中川正春君) そういうこともありましたので、これはいけるだろうという想定のできるところは、知事市長さんに対して、激甚だからやってくださいということをもう既にお話をしたということです、これは農業の分野でありますが。正式にこれ手続をもう来週にはやっていけそうなめども付いてきておりますので、早急に確定をしていくということで処理をしていきたいと思います。  土木については、なかなか積み上がらないというのが現状でありまして、せめて局激で拾えるようなところは早く発表していければなということになっておりまして、これも、ここでいけるというところでは見切り発車でお話をしていきたいというふうに思っております。
  130. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 それは、積み上がる積み上がらないも、まだどのぐらいの被害でどういうふうに復旧するかということがほとんど手付いていないときに、さて、どうしましょうかと。箇所で判断するとか、あるいは、まあおおむね一か所このぐらいだろうからというような形で出させるとか、そんな工夫が要ると思います。もう一月近くたつわけですね、七月、雨降り始めてから。いつまでもだらだらやっている問題じゃないと思います。よろしくお願いします。  JR九州がまた困ったんですね、これ。二百か所も災害を受けている。これ、復旧の方、手を差し伸べるべきじゃないかなと。東日本大震災のときは、ときはというか、まだこれは進行形ですけれども、上場会社で体力もある、じゃ、どうやって応援しようかというのは、災害復旧そのものではなかなか難しいというので、一年ちょっと、一年四か月たっていますね。できる方策はいろいろやるんでしょうけれども、区画整理やるときに用地をどうするとか、復旧用の用地を。これ、JR九州の方は、これは直接的に災害復旧を応援しないと無理じゃないかなと、二百か所も被災していて。どうでしょうかね、鉄道局長
  131. 久保成人

    政府参考人(久保成人君) 御指摘のように、JR九州の、具体的には豊肥線と久大線でございますけれども、トンネル上部が陥没したり、あるいは橋梁の沈下、脚の部分ですけれども、沈下したり、その他、盛土の崩壊等、多数の被害を受けて運休をしております。  鉄道事業者さんが自分の資力のみによって施設復旧が困難な場合は、鉄軌道整備法に基づく災害復旧事業費補助制度がございます。ただ、現行の制度適用に当たりましては、災害復旧事業費の額が被災した当該路線の運輸収入の一割以上の災害であること、あるいは当該鉄道事業者において、被災前、被災の前三か年度が営業損失等となっていることなどが要件となっておりますが、国交省といたしましては、JRさんの被害状況も踏まえつつ、JR九州の経営状況をも勘案して、どのような支援が可能か検討していく考えでございます。
  132. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 そのルールが省令だと、こう聞きましたからね、省令なんですから、大臣以下、一生懸命ここまでやってやろうというような形で支援の手を差し伸べるような省令の改正をしていただければいいな、是非頼みますと、こういうことであります。  大臣災害復旧、救助もそうですけれども、国の負担率、さっき個人負担の話も出ましたね。ただ、基本的には国の負担率、地方の負担率。地方の方は、広い災害を受けると金額的にももちろんそうですし、救助法、復旧の国庫負担、あるいは被災者生活再建支援法、それぞれ超過負担みたいなのもあって、税収は減りますから、やっぱりこの負担率のかさ上げなんかがいろんな点で必要になるんですね。目配りしていただければと思いますし、それから、今のJR九州の話でしたが、民有林なんかがそれこそ崖崩れ、地すべり、久留米なんかでも起きていますが、そうすると、これいろんな救助方法、救援方法、救護方法といいますかね、復旧も含めてやらないと、単純に民有林には国は手を出しません、出せませんよというだけじゃ駄目なんですね。  そういう意味でいろんな工夫をせにゃいかぬと思いますし、まあ、関局長おられますからね。災害関連の地すべりの緊急事業みたいな、復旧事業やそれからそういう緊急事業を使っていろんな手でやっていかにゃいかぬと思うんです。その工夫を皆さんにさせますということを大臣の口から一言お願い申し上げます。
  133. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 今の制度は、普通の公共事業に対して、災害復旧ということになるとそれにかさ上げを一旦やって、更に激甚でもう一つかさ上げをするという形で、それぞれの地方自治体の財政能力に応じた形での支援をしていくということになっているわけですね。  もう一方で、実は裏負担の方、地方自治体が負担する部分について交付税措置をやって、実質的には一〇〇%に近い形、一般の災害復旧でいくと地方の実質的負担額というのは一・七%になるわけですね。こういう形で実質的には国が一〇〇%やっているようなものだから腹くくってやっていけということなんですね。  ところが、やっぱりこの交付税措置ということになると、そこのところがまだ実質ぴんとこないというか、腹に収まらないんでしょうね。だから、補助率を上げるということを皆さんおっしゃるんだと思うんですね。ここのところはどういう形でこれから考えていったらいいのか、ちょっと皆さんと一緒に、それこそ野党の皆さんも一緒に議論をしていただきたいというところだと思います。
  134. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 大震災のときにずっとそういう話がありまして、私は八か月全部国で持てと言っていたら、最後、全部持つことにしました。つまり、交付税で措置して、起債で許可して後で交付税で見ますと、十年か二十年で返しますと、市町村長や知事たち誰も信用しません。信用するわけないですよね、これ。五年後に幾ら交付税措置しますよと、こうやっていても、そんなものもらった覚えがないと、そのうち幾らもらっているか分からなくなりますから、これは駄目なんです、それはね。  私が申し上げているのは、そのほかに適用対象外みたいなのがあるから、例えば水道なんか二分の一なんですね、あれ。水道が壊れましたと、配水、送水管どうしましょうとか、施設どうしましょうとか。上げないと、ただでさえいろんな財政需要があるのに、これは上げてやらないと無理ですよと。また料金値上げすればいいじゃないかと、こういう話ですけれども、今そういう状況じゃないですよね。そういうことを大臣に是非いろいろ目配りをお願いしたい、こういうことであります、水道とか簡易水道とかですね。  最後に、建設業の苦労、活躍と、もっと広報すべきだと思いますよ。資料の一番最後に、これ専門紙ですけど、熊本大分で十二日からみんな地元の建設業が徹夜でやっていますということがようやく十七日に出してくれました。テレビとか新聞にすぐ出ないんですね、一般のマスコミにね。そういう努力をすると、これ一言だけでいいんです、一言だけ言ってください。
  135. 佐々木基

    政府参考人(佐々木基君) 建設産業が本当に重要な役割を果たしているんですけれども、それについてなかなか一般に知られていないという問題意識を私ども持っておりまして、今後いろんな関係者、個々の企業とか業界だけじゃなくて、それから行政とか、あるいは、例えば学校とか学会とか、いろんなところで一緒になって考えていきたいと考えているところでございます。
  136. 佐藤信秋

    佐藤信秋君 時間が来ましたのでやめますが、資料の二と三に、雨がいかにばらつきが大きくなってきたかということと、それから大分で、ダムのある方は浸水せずに、稲葉川の方ですね、玉来川の方はダムを止められたものだから、民主党政権に、こんなに浸水していますよというのを出させていただきました。  今日はここまでにしておきます。ありがとうございました。
  137. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 公明党の渡辺孝男でございます。  梅雨の時期に発生しました九州北部豪雨災害に関連して質問をさせていただきたいと思います。  まず、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方々に対して心からお見舞いを申し上げたいと思います。  まず、被災地よりの強い要望である激甚災害早期指定については、これまでも質問等ございましたけれども、政府に格段の配慮をお願いをしたいと思います。  それでは、まず質問に入らさせていただきますが、今回の九州北部豪雨による社会福祉施設被害並びに災害弱者関連施設に対する土砂災害防止について質問をさせていただきたいと思います。  今回の九州北部豪雨によりどのような社会福祉施設がどのような被害を受けたのか、例えば浸水や土砂崩れ被害などでございますけれども、厚労省にお伺いをしたいと思います。
  138. 西藤公司

    政府参考人(西藤公司君) お答え申し上げます。  社会福祉施設にも、児童福祉施設でありますとか高齢者福祉施設でありますとか障害者福祉施設、多々ございますが、そういった種々の社会福祉施設につきまして私どもで掌握しているところによりますと、雨漏りでありますとか床下浸水床上浸水、あるいは土砂の流入による建物損壊など、こういった被害を生じたという報告を受けている施設につきましては、七月二十六日までの把握したところでございますが、福岡県で六十三か所、熊本県で二十六か所、大分県で十三か所の計百二か所の施設被害が発生していると報告を受けております。  なお、いずれも人的な被害については報告を受けておりません。
  139. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 国土交通省の方では何か追加とかございますか。
  140. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 箇所数については厚労省と同じで、人的被害は確認していないということですけれども、こういった土砂災害の方では、国交省の方で九州地方整備局管内で百九十二か所の土砂災害を確認しております。
  141. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 次に、社会福祉施設の入所者とか利用者、あるいは職員等の避難災害復旧支援状況につきまして厚生労働省にお伺いをしたいと思います。
  142. 西藤公司

    政府参考人(西藤公司君) お答え申し上げます。  まず、今回の九州北部豪雨により被災した社会福祉施設避難状況についてでございますが、七月二十六日までに自治体からの報告により把握したところ、被災した社会福祉施設百二か所のうち十七か所において別の施設などへの避難を行ったとの報告を受けているところでございます。  また、災害により被害を受けた社会福祉施設災害復旧工事に当たりましては、社会福祉施設災害復旧費補助金による国庫補助でございますとか、福祉医療機構による無利子融資の対象とするといった支援を行うことといたしております。
  143. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 今回、多くの社会福祉施設等被災をしたわけでありますけれども、中には土砂崩れ等々で被災をしたところもあるということであります。  この点に関しまして、九州北部豪雨による土砂災害で被災した社会福祉施設防災、減災への今後の対応につきまして、奥田国土交通大臣にお伺いをしたいと思います。
  144. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 今般の豪雨の中で、社会福祉施設というところに限っては大変深刻な被害というものは少なかったわけでありますけれども、これまでどおりではありますけれども、こういった要援護者関連施設という場所において危険箇所、この砂防堰堤の整備などの対応、これを都道府県とまた密接に連絡調整の上、進展させてまいりたいと考えております。
  145. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 一九九八年の八月に福島県を襲った集中豪雨により、当時の西郷村の福祉施設の裏山が崩れまして五名の犠牲者が出た、そういう災害がありまして、私もその視察に行ったわけでありますけれども、その後、災害弱者関連施設に対する土砂災害対策の強化がどのようになされてきたのか。また、そのことに関しまして、土砂災害防止法での対応もしているということでありますので、この点を含めて国土交通省にお伺いをしたいと思います。
  146. 関克己

    政府参考人(関克己君) 先生御指摘のように、平成十年八月に福島県の西郷村でこういった被害が発生したところでございます。  この土砂災害を受けまして、当時の厚生省、建設省、現在の厚生労働省と国土交通省でございますが、連名で、災害時要援護者関連施設土砂災害から守るための砂防事業の実施、あるいは施設の管理者に対する土砂災害危険箇所等の情報提供を行うと、さらには避難警戒体制の整備を実施するよう働きかける等の内容を盛り込んだ通知を都道府県に向けて発出しているところでございます。  また、この災害や、平成十一年に広島県を中心に大きな土砂災害が発生しまして、こういったことを受けまして、平成十三年に土砂災害防止法が施行されたところでございます。この土砂災害防止法に基づき指定されました土砂災害特別警戒区域におきましては、災害時要援護者関連施設等の開発行為は都道府県の許可制ということとしており、土砂災害に対する安全性が確保されなければ施設が新たに建築できないということになってございます。また、市町村では、災害時要援護者関連施設等の利用者の円滑な警戒避難が行われるように、警戒避難体制の整備を行うこととしてございます。  国土交通省といたしましては、災害時要援護者関連施設土砂災害対策を進めるため、この土砂災害防止法に基づく取組の促進に引き続き取り組み、都道府県と連携して進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  147. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 そのような対策を進めてきたわけでありますけれども、二〇〇九年七月に山口県の防府市で特別養護老人ホームが土石流で被災したことがありました。それを受けて、国土交通省は、土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設の全国調査実施をしたと。その結果を踏まえて更なる対策強化を行っているということでありますけれども、その全国調査の結果の概要について、まず国土交通省にお伺いをしたいと思います。
  148. 関克己

    政府参考人(関克己君) 御指摘の調査は、平成二十一年八月末現在で行ったものでございます。この調査を、平成二十二年の六月にその結果を、土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設の全国調査として公表したところでございます。  調査の結果でございますけれども、土砂災害のおそれのある災害時要援護者関連施設は全国で一万三千七百三十施設でございました。そのうち、土砂災害対策工事が行われている施設が三千五百九十八、それから、土砂災害警戒区域に指定され警戒避難体制の整備等を行う必要がある施設は四千百六十五、いずれの対応も行われていない施設が七千百二十という結果でございました。
  149. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 このように、まだまだそういう危険な施設施設の周りが危険な状況にあるということで、それに対する土砂崩れの防災対策が十分に進んでおらないということが分かったわけでありますけれども、この結果を受けて行った対策の強化の内容及び技術的助言を受けての都道府県の対応状況につきまして、奥田国土交通大臣並びに厚生労働省の方からお伺いをしたいと思います。
  150. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) ただいま水管理・国土保全局長の方から御報告のありましたように、平成二十二年の調査結果、このことを踏まえた上で、砂防堰堤あるいは急傾斜地の対策工事というものを重点的に実施するとともに、土砂災害警戒区域の指定といった形での危険箇所の明示、さらに、ソフトの面で避難体制の整備あるいは訓練、こういったことを都道府県の方に要請をしております。  先生御指摘にもありますけれども、今回の豪雨災害でいえば、九州地区のこういった警戒区域の指定というものがはかどっていないということも現状でありますので、是非こういった施設がそういった危険区域にないように、また、あるものについてはしっかりと防護措置がとられるように、また厚生労働部局とともに推進をしてまいりたいというふうに思います。
  151. 西藤公司

    政府参考人(西藤公司君) お答え申し上げます。  奥田副大臣の答弁と重なるところもございますが、私ども厚生労働省におきましては、国土交通省調査結果を受けまして、平成二十二年七月に、国土交通省と連名によりまして都道府県に対しまして通知を行っております。その中で、具体的には、福祉部局と砂防部局が連携して、土砂災害のおそれがある場所に立地する災害時要援護者施設情報共有防災訓練の実施、また、土砂災害のおそれがある場所での新たな施設建設計画の情報共有を促すなど、土砂災害対策の推進について要請をしたところでございます。  厚生労働省におきましては、また、土砂災害のおそれがある場所に立地する社会福祉施設の移転整備に対する国庫補助の優先採択でございますとか、また、全国都道府県課長会議などあらゆる機会を通じまして、市町村や地域住民との連携による避難時の協力体制の確保などの対策の周知徹底を図っているところでございます。  また、地方自治体においては、福祉部局と砂防部局が連携し、土砂災害のおそれがある場所に対する社会福祉施設防災訓練の実施でありますとか、施設建設計画の情報共有、あるいは避難体制の整備などの取組が行われているところでございますが、厚生労働省としましては、今後とも、国土交通省と連携しながら土砂災害対策の情報把握に努めるとともに、土砂災害対策の徹底を図ってまいりたいと考えております。
  152. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 二〇〇九年に全国の調査をしたと、そのときにはまだまだそういう危険な地域に社会福祉施設等が立地をしておると、それに対するいろんな規制はしてきているけれども、まだまだ十分な砂防対策とか移転をして別なところで施設を運営をするというようなことは進んでおらないということでありますので、近年様々な大きな災害等も起こっておりますので、今後そういう施設被害が、大きな被害が起こるというようなことがないようにしっかり対策の方を進めていただきたいと、国土交通省と厚生労働省、そしてまた都道府県の自治体が協力して進めていただきたいと思います。  それで、この関連での最後の質問になるんですが、土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域での社会福祉施設において人的被害を伴うような災害事例が全国調査の後で起こっているのかどうか、この点だけ確認をしたいと思うんですが、国土交通省、よろしくお願いいたします。
  153. 関克己

    政府参考人(関克己君) 二十二年の七月に、先ほども触れましたけど、厚生労働省と連名で要請を出しておりますが、それ以降については、いわゆる人的被害を伴う被害が発生したという報告は受けていないところでございます。
  154. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 不幸中の幸いというようなことではなくて、災害のときにもうこれ以上の多くの犠牲が出ないようにしっかり対応をしていただきたいと思います。  次に、九州北部豪雨での各省庁支援状況について質問をさせていただきたいと思います。  まず、国土交通省の緊急災害対策派遣隊の活動状況並びに今後の被災地に対する技術的な支援等についてどのように検討されているのか、この点を国土交通省にお伺いをしたいと思います。
  155. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今回の九州北部豪雨におけますテックフォース等の活動について報告をさせていただきます。  国土交通省では、被害発生後、全国の地方整備局、中国地方整備局など六地方整備局、それから国土技術政策総合研究所等からテックフォースを福岡県、熊本県、大分県の被災現場に派遣し、また災害対策ヘリコプターにおける被災状況調査、あるいは排水ポンプ車等の災害対策用機械を用いた浸水地域の排水、あるいは応急復旧に当たっての技術的支援を行ってきたところでございます。  テックフォースにつきましては約延べ六百人、こういった排水ポンプ車等の車両については約百台の実動により現地支援させていただいたところでございます。また、被災自治体の災害対策本部にリエゾン、情報連絡担当官を派遣させていただき、特に市町村長の右腕となるようなということで被害状況の収集あるいは情報提供、それから、自治体からの要望に速やかに対応するとともに、被災状況調査に関する支援をさせていただいたところでございます。  今後は、これが災害復旧事業の本格的な実施促進というふうに場面が変わってまいりますけれども、技術的支援や助言など被災自治体の要請を踏まえた支援実施し、早期復旧に向けて支援をさせていただきたいと考えているところでございます。
  156. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 国土交通省土砂災害の専門の方々、国土技術政策総合研究所あるいは土木研究所の方々も派遣をされて活動をしているということでありまして、その活動状況と今後の被災地に対する技術的指導等の支援をどう検討されているのか、この点も国土交通省にお伺いをしたいと思います。
  157. 関克己

    政府参考人(関克己君) 被災地におきまして、先ほど申し上げましたが、国土技術政策総合研究所あるいは独法の土木研究所の土砂災害の専門家を派遣したところでございます。特に、当面の警戒避難あるいは応急対策等、危険度の判定あるいは判断、こういったことをベースにアドバイスをさせていただき、また、自衛隊等とも、自衛隊等も二次災害を避けながらの活動になりますので、自衛隊等とも連携し、こういった危険度に関する判断等も支援をさせていただいたところでございます。また、被災道路復旧あるいは通行規制の解除に関する技術的な指導もさせていただきました。  国交省といたしましては、今後とも、被災県等からの要請に応じまして、土砂災害専門の専門家の派遣を通じ、警戒避難あるいは応急対策、本格復旧への対応を積極的に支援させていただきたいと考えているところでございます。
  158. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 それから、林野庁の担当官とか森林総合研究所の専門官の派遣もありまして、当地で活動されていると。そういう方々が今後の地すべりや土砂災害等による人家被害等が起こらないように、そういう防止対策、減災対策等にどのように貢献をされるのか、その点につきまして林野庁にお伺いをしたいと思います。
  159. 沼田正俊

    政府参考人(沼田正俊君) お答え申し上げます。  今回の災害の発生直後からでございますけれども、国有林を管理しております九州森林管理局がヘリコプターを飛ばしまして、関係する県の担当者も同乗いたしまして上空からの被害調査をまず実施しております。また、被害分析や今後の対応を検討するために林野庁の担当官、そして森林総合研究所の治山関係の研究者も現地に派遣いたしております。さらには、熊本県からの要請を受けまして、阿蘇地域被害調査のため、森林管理局・署から国有林の技術者を数十名規模で派遣いたしておりまして、積極的な人的支援を行わさせていただいているところでございます。  今後は、これらの結果を踏まえまして、地元の県、そして市町村と連携させていただきながら災害復旧事業による緊急対策に全力で取り組むと、そして技術的な支援も引き続き行いながら各種復旧、そして健全で災害に強い森づくりに迅速に対応してまいりたいと考えているところでございます。
  160. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 被災をされました現場の首長さん、また職員の方々、やはり専門官の応援をいただきながら現在の災害の対策あるいは今後の防災対策等々進めていかなければなりませんので、そういうマンパワーの、強力なマンパワーの応援をしっかりしていただきたいと、そのように思っております。  次に、ちょっと時間がないので質問を省かせていただいて、外国人旅行客に対する防災対策に関連しまして質問をさせていただきたいと思います。  平成二十三年度に定めました五か年の新たな観光立国推進計画では、平成二十八年度、訪日外国人の目標を一千八百万人として、訪日外国人の満足度の向上についても新しく目標を立てて進めているところであります。  ところで、平成二十三年度の観光状況平成二十四年度の観光施策の冊子が国会議員に配られておりますけれども、それを見ますと、やはり東日本大震災直後の訪日外国人の大きな落ち込みがありまして、その理由としましては、訪日旅行への不安が大きかったことや、各国が自国民に対し、我が国への渡航の自粛、延期や我が国からの退避を求める情報を発出したこと等が訪日外国人旅行者数の動向に大きく影響したと、そのようなことも記されているわけでありまして、外国人旅行客に対する防災情報の提供並びに災害発生時の対応についての充実が求められていると、そのように考えます。  これに関しまして、今回の九州北部豪雨災害により被災地で宿泊して避難を要した、あるいはけがをしてしまったというような外国人旅行客の有無の把握状況について観光庁にお伺いをするとともに、外国からの旅行客の安否確認の問合せ等が外務省にあったのかどうか、この点もお伺いをしたいと思います。
  161. 井手憲文

    政府参考人(井手憲文君) お答え申し上げます。  今回の九州北部豪雨災害でございますが、私どもの方では、主な日本にございます観光関係の事務所、こういったところを通じて確認を既にいたしましたが、幸い特段の被害、外国人旅行者についての被害の情報はございません。また、別途、県を通じまして、被害のあった地域の宿泊施設状況、これも把握してございますが、ここにおきましても、床上浸水等何件かございましたが、人的被害はなかったというふうに情報を受けております。
  162. 岡浩

    政府参考人(岡浩君) お答え申し上げます。  外国人の安否確認につきましては、私ども外務省といたしまして、外国からの旅行者についての安否照会があったという情報には接していないところでございます。
  163. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 東日本大震災で被災された外国人旅行客の調査というものがなされていれば、その点に関しましてその結果をお伺いをしたいと思います。観光庁、いかがでしょうか。
  164. 井手憲文

    政府参考人(井手憲文君) 東日本大震災の関係についてお答え申し上げます。  昨年三月の東日本大震災の際も、先ほどの日本にございます主な外国の観光の事務所の発表あるいは調査等は行いましたが、昨年の三月のときも主要な、アジアの主要な国からの団体旅行客について、被災した旅行者はおられなかったというふうに確認してございます。
  165. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 九州地方、外国からの旅行客も多くいらっしゃっているということでありますので、そのことも含めまして、外国人旅行客に対する災害情報提供あるいは風評被害の防止対策等、観光庁、どのように対応されているのか、この点をお伺いをしたいと思います。
  166. 井手憲文

    政府参考人(井手憲文君) お答え申し上げます。  ちょっと過去の話で恐縮でございます。去年の三月の東日本大震災のときは、特にあらかじめ準備した仕組みというのが残念ながらまだその当時はなかったわけでございますが、アドホックでではございますが、外国のお客様、日本におられる外国のお客様に二十四時間のテレホンサービスを多言語で提供するというふうなことを日本政府観光局、JNTOでございますが、を通じて行いましたり、また、ここの観光局のウエブサイトを通じまして外国人の方に、これも四つの言語で旅行情報あるいは災害情報などを発信してきたところでございます。  今年度になりまして観光庁の方では、昨年、一応取りあえずの対応はそういうことでやったわけでございますが、まだまだ不十分な点もあるんじゃないかということで、自然災害全般についての情報提供の在り方をどういうふうに改善していけばいいかということを今調査研究しておるところでございます。  これを受けまして、また、訪日外国人の旅行者の方が必要とする自然災害時のいろんな安全関係の情報、あるいは避難する場合の交通関係の情報、こういったものを整理をし、またそれをどういうルートでどうやって提供していくと一番効果的かというようなことを勉強した上で、この仕組みを構築していきたいというふうに考えております。
  167. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 外務省として、災害発生時の、もし外国人が日本におられている場合の災害発生時の情報提供等の在り方について、どのようにお考え、またどのように対応しているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  168. 岡浩

    政府参考人(岡浩君) 大規模災害発生時の外国人への災害情報の提供の在り方でございますけれども、私ども、昨年の東日本大震災の発生をも踏まえまして、今年の三月に国際移住機関と共催をいたしまして外国人の受入れと社会統合のための国際ワークショップを開催いたしました。その中で、実際に外国人被災者への支援にかかわった関係者を交えて議論を行ったところでございます。その際にも、外国人の被災者は情報弱者の立場にあって、多言語による迅速な情報提供が重要だという御指摘がございました。  こういう観点を踏まえまして、私ども外務省といたしましても、関係省庁、自治体、関係団体等と連携をしつつ、大規模災害が発生しました際の外国人への多言語によります効果的な情報提供の在り方について鋭意検討してまいりたいと思っております。
  169. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 最初にも申し上げたとおり、平成二十八年度の目標として一千八百万人、訪日外国人の数を増やしていくということでありまして、またそれと同時に、訪日外国人の満足度、日本に来てよかった、いろんな面でも日本は非常に旅行しやすいところであったという、そういう満足度の向上も新規の目標としておりますので、そういう、万が一災害に遭ったときに困らないような対応をしっかりやっていただきたいと思います。  最後、ちょっと時間がなくなったのですが、一つ、今回、七月五日にも弘前市で竜巻被害がございまして、たまたまその住家被害は、十世帯以上の住宅の全壊被害が発生したときに支援を行うという被災者生活再建支援制度の対象外と、そういう数が少なかったということでありますが、前回のこの委員会でも、竜巻被害の特殊性を考慮して、この被災者生活再建支援制度、これを緩和をしたらどうかと、そういう検討をしてもらいたいということを申し上げたわけでございますけれども。  このことを改めて向こうの弘前の市長さんからも検討してもらいたいという要望をいただいているんですが、中川災害担当大臣、ここを検討していただけますでしょうか。
  170. 中川正春

    国務大臣中川正春君) あのときにも問題の提起をしていただきましたので、それから今ちょっと議論を重ねております。  それで、同時に、これ互助会、前にも申し上げたように互助会のようなものでして、県の方で半分、それに対してこちらが半分積んで基金化して、それを財政的に、いわゆる甚大な被害によって財政的になかなかカバーがし切れないところへ向いて地方自治体に対して互助的に資金を流すという仕組みになっておりますので、そこから漏れるところについては、本来は、それぞれの自治体にそれなりの財政力があるという前提で、そこで、自分のところで工夫していただいて条例化していただいて、漏れるところはそれぞれの自治体がカバーをしていく、いわゆる県がカバーをしていくということが前提になっているということをお話し申し上げました。  しかし、そういう措置がしていない県というのもかなりあるものですから、してあるところとしていないところで、あの竜巻のときも、どうなんだろう、被災者にとっては同じことじゃないかということ、青森についてもやっぱり同じような主張があるんだろうというふうに思います。  それで、被災者にとって本当に今の制度でいいのかということ、これを知事会の方にもちょっと投げさせていただいて今話合いをしているところなんですが、どちらでやったらいいか。もう県で全部そこら辺やっていくというのか、それとも、また違った思想でというか違った考え方で基盤をつくっていくのかという、その法律の性格が変わってくるというところもありますので、もう少し時間いただいて結論をまとめていきたいというふうに思っております。
  171. 渡辺孝男

    渡辺孝男君 よろしくお願いします。ありがとうございました。
  172. 秋野公造

    ○秋野公造君 公明党の秋野公造です。  北部九州の豪雨災害でお亡くなりになられた方にお悔やみの言葉を申し上げるとともに、被災された方にお見舞いの言葉を申し上げたいと思います。  まず、災害時の要援護者向けの水の供給体制について伺いたいと思います。  被災直後に八女市旧黒木町の笠原というところを伺いました。まだ給水車が来ていないような状況で、孤立をしておりまして、ペットボトルなどをヘリコプターで運んでいただくような状況でありました。ペットボトルでしか水が確保できないという体制は非常に大変な状況でありまして、一般の方でもこんな大変な状況である中で、隣の旧星野村の方に行きますと、今度は特養施設が孤立をしておりました。こういった方々は全く逃げることができないような状況で、一般の方の確保する水の量では足りません。そして、大分県内では透析施設が今度は水が足りないといったような状況でありました。  ほとんどもう綱渡りのような状況で、人命に影響が出なかったことを本当にほっとしたような思いでありますが、一般の方もともかく、そういう要援護者、医療施設又は福祉施設に対する水の供給体制、これまでも対策は取っているんだと思いますが、もっともっと周知をするとともに再検討を行う必要を感じました。見解を求めたいと思います。
  173. 篠田幸昌

    政府参考人(篠田幸昌君) お答えを申し上げます。  今回の九州北部中心といたしました豪雨でございますけれども、福岡県、大分県、熊本県、大変甚大な被害が生じたところでございます。水道関係で申し上げましても、最大で一万一千二百戸断水被害が発生をいたしております。  水道施設復旧につきましては、鋭意復旧を進めさせていただきました結果、昨日時点では既に九割以上は復旧しているという状況でございます。その間、まだ依然として断水している地域が若干残っておりますので、そういった地域につきましては、給水車あるいは給水タンクということを付近の自治体の御協力も得まして応急給水を実施しているというのが概況でございます。  それから、先生の御指摘になられました要介護者、要援護者向けの水の確保ということでございますけれども、医療施設につきましては、昨年度、検討会を開催させていただきまして一定の報告書を得たところでございます。それに基づきまして、今年の三月でございますけれども、災害拠点病院の指定要件というものを見直しをさせていただいたということがございます。  その中身でございますけれども、例えばでございますが、例えば、適切な容量の水の確保を日ごろからしていただきたいと、あるいは優先的な給水協定の締結というものを例えば地域の各いろいろな組織とあらかじめ結んでいただくということ、あるいは最低限三日程度の飲料水の備蓄はお願いしたいといったことで、私どもの方から御通知を出しているというところでございます。それから、社会福祉施設についても基本的に同様でございまして、最低限の確保をお願いをしたところでございます。  水の確保、大変重要な課題でございますので、いろいろ各施設との連携に日ごろから努めるということと、それから災害に強い水道を造っていくということが私どもの使命でございますので、引き続き努力をさせていただきたいと思います。
  174. 秋野公造

    ○秋野公造君 今私が申し上げたのは、災害拠点病院ではなく一般医療であり、一般の福祉でありますので、どうかそこについては再検討をお願いをしたいと思います。  先週、公明党として九州北部災害に対する申入れ、中川大臣のところにも行かせていただきました。そのときに議論させていただいたのは、やはり今回土砂災害に対する対応が必要であるということ、我が党の方もそして大臣の方も共有認識させていただいたところであり、申入れの多くもそういったような状況になっています。  しかしながら、今回ハザードマップが非常に有効であったということ、それから天気予報等の様々な情報提供についてもタイミングとしてはこの避難勧告等に役立つようなタイミングで行われたということを考えると、しかしながら、夜間であり、大雨状況であり、逃げろと言っても逃げられるような状況でない中で、そういう逃げる対策だけに偏るということに少し違和感を感じています。  やはり、ハード対策をしっかり努めるということを改めて再認識すべきではないでしょうか。例えば、急傾斜地崩壊対策などのそういった事業というもの、予防も含めてしっかりと取り組むべきであると私は考えますが、国交省の見解、求めたいと思います。
  175. 奥田建

    ○副大臣(奥田建君) 今回の豪雨では、先ほどもお話しさせていただきましたけれども、土砂災害の発生箇所、そしてまた重大な被害、人命にかかわる被害の発生というのが土砂災害というもので発生したものが多数残念ながらございました。  また、災害の多い、そしてまた土砂災害、水害の多い地域でありますので、これまでもそういったハードの部分での整備を進めておりましたけれども、また今回は沢筋だけではなくて山腹崩壊という、これまで整備の面では少し手薄になっていた、そういった部分での災害もございましたので、また今の大変悲しい経験ではありますけれども、そのことを将来の整備の方針としてまた考えていかなければならないというふうに思います。
  176. 秋野公造

    ○秋野公造君 これは山間部の災害というとらえ方もできる一方で、同じような地形をして人口が密集しているところでこういったことが起きたときに、被害が更に広がってしまうということが想定をされます。先ほど申し上げたこの急傾斜地対策事業というのは、これは本当に人口が多い少ないとか、様々な地域実情があります。どうか、そういう意味ではここの検討はよろしくお願いをしたいと思います。  今日、資料を配らせていただきましたが、先ほど御答弁いただいた奥田副大臣とは東日本の震災でこの高速道路整備の重要性というものを何度も確認をさせていただいたところであり、本当に事故が多いところ、あるいは渋滞が多いところ、整備計画済みの六区間については早く四車線化を行うことによって災害対策に資するようにしっかりと整備をしていきましょうということ、この委員会も含めまして三度質疑をさせていただいたところで、先日、国土交通省より認可もいただいたところであります。  しかしながら、この六区間百九十キロの中のうち、ほかに整備が、別のところ、より良いところをしようとした近畿自動車道を除き、この長崎自動車道の僅か三キロだけが認められないという、非常におかしな結果が出てまいりました。  この右側に、資料を見ていただきますと、死傷事故率、長崎道、長崎から芒塚、芒塚から多良見ということで、合わせますと五・五件ということで平均より非常に多いわけでありますが、上の長崎—芒塚間はゼロ件、芒塚—多良見間が七・二件ということで、上の部分が認可をされなかったということであります。  図の中見ていただきますと、この長崎多良見、右側の方にありますが、長崎の中心地である県庁に向かう途中がボトルネックとなっておりまして、この右側の区間に事故が多いからといってここだけを認めて、僅かたった三キロだけを認可しないということであれば小さなボトルネックをつくってしまう結果になると、ここでまた事故が起きてしまうようなことになりかねないかと、そして災害対策に本当に役に立つのかということを私は強く思います。ここ、今後どうするのでしょうかということ。  それともう一つ、この高速道路に直交するような形で黒い国道三十四号線があります。これも二車線区間、新日見トンネルと書いてあるところあるかと思いますが、そこだけがまだボトルネックで二車線残っておりまして、こんな長崎市の五十万人の人が住む中心地のところだけ、高速道路もボトルネック、そして国道もボトルネック。どうしてこういう状況が東日本の震災を踏まえて放置をされているのかということに心から違和感を感じています。今後の方針、教えていただきたいと思います。
  177. 菊川滋

    政府参考人(菊川滋君) お答え申し上げます。  この四車線化、長崎道の経緯、今先生からお話があったとおりでございます。高速道路の中に暫定二車線区間というのは、基本的に私どもの認識としては、安全面、円滑に走行するという面でやっぱり課題があるというふうに考えております。渋滞とかあるいは事故の発生状況などを確認しながら順次四車線化を進めていくことが大事だというふうに考えております。  お尋ねの長崎道の長崎から長崎芒塚三キロでございますけれども、この区間、もう既に御承知のとおり整備計画は策定済みでございます。そのことを踏まえまして、今後対応を検討してまいりたいというふうに考えております。  もう一点、お尋ねの件でございます国道三十四号でございますけれども、この国道三十四号も新日見トンネルの付近、ここが車線数が四車線から二車線に絞られるということで、朝夕渋滞が発生しているという事実があります。  国交省では、国とあと県、市などと一緒に、今年度に入りましてから、こういった箇所の効果的な渋滞対策に取り組みたいということで渋滞対策協議会を設けて、この場で地域の渋滞箇所の特定、そしてそれに対してどういう対策をしていくのかというのを検討中でございまして、この箇所につきましても、この渋滞対策協議会におきます検討結果を踏まえながら、四車線化も含めて、国道三十四号の新日見トンネル付近の混雑緩和方策の検討を図っていきたいというふうに思っております。
  178. 秋野公造

    ○秋野公造君 ありがとうございました。
  179. 平山幸司

    平山幸司君 国民の生活が第一、青森県選出の平山幸司です。どうぞよろしくお願いいたします。  まずは、私の方からも、七月の各地の大雨により犠牲になられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。  早速ですが、初めに、多発する災害に対する防災担当大臣の取組について質問をさせていただきます。  昨年の東日本大震災以来、およそ十六か月が経過します。この間も日本列島は災害が多発しております。災害は生命と財産にかかわるものとして国の迅速な対応が求められているということを、これまでも本委員会において再三私は申し上げさせていただきましたし、大臣ももう認識を共有していると思います。  そういった意味で、災害への対応、対策及び政策は他のあらゆる政治政策に優先して実行されるべきまさに政府の最優先事項であるとも思いますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  180. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 担当大臣としては、まさにそういうことであるという思いでこの課題に対して進んでいきたいというふうに思っております。
  181. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  大臣災害への迅速な対応復旧復興が最優先と、こういう認識でよろしいですか。もう一度お願いいたします。
  182. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 現場にも足を運びまして、それぞれ各省庁の担当者に対して、あるいは閣議の席でも迅速かつ柔軟に対応をしていくこと、その思いは、国がということが先行するんじゃなくて、それぞれ各地方自治体、現場の担当者と寄り添って一緒にやっていくという気持ちで頑張るようにという、そういう指令、指示を出しているところであります。
  183. 平山幸司

    平山幸司君 地域も一体となってやっていくと、こういうお考えだと思います。  そこで、どうしても大臣に大枠でちょっとお伺いしたいことがございます。この件に関しては別の委員会でも詳しくやらせていただきたいと思うのでありますけれども、一点だけどうしても大臣の方に認識をちょっとお聞かせいただきたいと、こう思っております。  といいますのは、東日本大震災以来、これだけの災害が全国で多発している現状を見ると、被災者及び国民全体が災害に対して大きな不安を抱え、人心は萎縮状態にあると、こう感じておるわけであります。その中で、国民の願いとしては、やはり政府に対して何をおいても防災及び災害復旧復興に全力かつ最優先で取り組んでもらいたいという強い願いがあると思います。  しかしながら、仮設住宅で暮らす人や被災者が多数に上っているにもかかわらず、今国会の状況は、政府の想定外の災害への対応復旧復興に全力で取り組んでいるというよりも、残念ながら、消費税増税を最優先で行っているという印象が少なくとも国民の目には映ってしまっているということが非常に残念であります。これは、これまでの視察先やあらゆる機会で私もそのような声をいただくわけであります。  そこで、国民及び被災者の立場に立ち防災復旧復興を最優先に考える、しかも地域とも連携してやっていくという大臣として、多発する自然災害の中で厳しい生活を強いられる被災者被災地にも大きくかかわる今の消費税増税について大臣はどのようにお感じになられていますでしょうか。
  184. 中川正春

    国務大臣中川正春君) まず、国として、あるいはそれぞれ地方自治体、地域として、この災害に対して私は一生懸命今取り組んでいるんだろうと思います。皆さんもそうだと思うんですよ。各災害地に視察に行っていただいてその思いを共にしていくということ、そして、特に東日本で今作り上げようとしている復興対策というものに対して、資金は十九兆円用意したんだけれども、具体的な組立てというのは今まさにやっているわけですよ、皆さん。その中で具体的なものが動いてきて初めて物が見えるということだと思うんですが、しかし、その思いというのは私たち共有しながらしっかり今対応しているというふうに思っております。  だから、それをないがしろにしておいて国会が空転しているということは、これは間違いだと、そういう思いで国会を見るのは、あるいは我々自身を見るのは間違いだというふうに思っております。  その上で、一体改革については、確かに税を上げるということに対して、経済の状況ということをしっかり頭に入れた上でそれを実施するときにはやらなきゃいけないということ、これはもうそれぞれ与野党のコンセンサスだというふうに思います。  そのことを前提にして今議論が進んでおりまして、やっぱりそこを考えて、その条件の上で、しかし厳しいけれども消費税を上げなきゃいけないという判断に至っているその基本というのは、もう一つはもっと大きな国家に対しての危機感だと思うんです。これ以上財政的に、特に社会保障に関連して、自然増も含めて財政需要が膨れてくるということに対して、マーケットも含めて、国際的な市場も含めて、あるいはヨーロッパの状況も含めて考えていったときに、日本の許容度といいますか、それに対する許容度というのが限界に来ているという、そういう危機感の中で国民に説得をしてお願いをしたいというふうに、今議論を進めているんだというふうに私は理解をしております。
  185. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  大臣もお立場があると思いますのでなかなか、これ以上はやりませんけれども、ちょっと一つだけ。国家に対しての危機感があるという、これも我々ももちろん共有させていただいておりますけれども、ここで、これだけそれでも災害が多く、特に仮設住宅に住む多くの被災者方々も厳しい生活を強いられているだけに、この被災者はどのようにそれを感じているかという面に関して、大臣、いかがでしょうか。
  186. 中川正春

    国務大臣中川正春君) どのようにというのは、消費税を上げるということに対して皆さんどのように感じている、これは被災者の皆さんはもちろんだと思いますが、国民全体にとってもやはり税を上げていくということは負担にかかわっていくわけですから、決して、何といいますか、素直にいいよという話じゃないと思うんです。しっかりそこのところを我々受け止めて、それでもやっぱりこの国家ということ全体を考えていったときには、どうしても社会保障の安心感、それから今ある人口動態の日本の状況等々を考えていったときには理解をしていただきたいという、そういう思いを語り続けなければならないんだというふうに思います。
  187. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  大臣の方から御答弁いただきましたので、是非政府の方には、まず想定外の災害への対応とか、度重なる災害への復旧復興に全力で取り組んでいただくように強く要請をしたいと思います。この件はこれで終わりたいと思います。  次に参りまして、大雨及び竜巻の被害に関しまして質問をさせていただきます。  七月に入りまして九州北部大雨災害が多く取り上げられておりますけれども、実は私の地元青森でも、先ほど渡辺先生の方からもお話がございましたが、七月の十六日にはこれまでにない豪雨が津軽地方を襲いました。私も地元で活動しておりましたけれども、山間部を通る際、雨で視界が遮られまして、土砂崩れやその他の被害が発生しないかと随分と心配をいたしました。そしてまた、七月の五日、その前ですね、先ほどお話がありました竜巻も発生をいたしております。  こういった大雨や青森での竜巻による被害状況について、政府から現状把握を簡潔に御報告をいただきたいと思います。
  188. 後藤斎

    ○副大臣後藤斎君) 今先生が御指摘をいただいた七月十六日の青森県津軽地方における大雨による被害状況でありますが、これまで住家被害として床上浸水九棟、床下浸水六十棟となっております。また、水田、畑における土砂流入、冠水が五十四ヘクタール、リンゴ園における浸水が八十六ヘクタール、農業用施設被害が九十六か所、林地崩壊等が九か所、道路ののり面崩落等が二十八か所、河川の護岸決壊等が三十六か所などの被害が生じております。  被害額は、現時点で判明している部分では約十億円となっております。これには水稲、畑、野菜、リンゴ等の、これから発生が見込まれるものは現在調査中であります、除いてあります。
  189. 平山幸司

    平山幸司君 竜巻の被害に関してはいかがでしょうか。
  190. 後藤斎

    ○副大臣後藤斎君) 竜巻につきましては、弘前市において七月五日に発生をいたしました。人的被害につきましては、これまで把握しているところでは負傷者一名となっております。また、住家被害としては、半壊五棟、一部損壊、破損が二十八棟となっております。また、農作物施設、生産施設関係としては、リンゴ園地における樹体損傷が十五園地で百六十八本発生しているところでございます。これらの被害についても現在調査中であります。
  191. 平山幸司

    平山幸司君 被害額に関してはどうでしょう。
  192. 後藤斎

    ○副大臣後藤斎君) 今も最後お話をしましたが、竜巻の被害の特にリンゴ関係の部分については現在調査中であります。
  193. 平山幸司

    平山幸司君 現在、竜巻については調査中ということで、三週間ぐらいたっておりますので、是非その全容をしっかりと把握をしていただいて対応をしていただきたいと、このように思います。  そこで、先ほどもお話がありました生活再建支援制度適用につきまして、この両、竜巻と大雨に関しては、制度適用になっていますか、なっていませんか。そこのところをお答えいただきたいと思います。
  194. 中川正春

    国務大臣中川正春君) これは、なっていないというふうに認識をしています。
  195. 平山幸司

    平山幸司君 そこで、ちょっと問題意識がございますのでお話をさせていただきたいと思います。  被災地が人口減少が急速に進む地方の中山間部等の過疎集落にあっては、戸数要件をクリアするということは困難だと思いますので、そういった意味で今回適用になっていないのかなとも感じておりますし、そういった意味で、現在の被災者生活再建支援制度の戸数要件の中身を見直す等も行う必要があるとも感じております。  また、被災戸数が少ない場合には、地方公共団体に、先ほど大臣からお話ありましたけれども、による支援が念頭に置かれているのかもしれませんけれども、そもそも過疎化の進んでいる地方公共団体は財政力が極めて脆弱であり、自助努力を期待するには余りにも酷ではないかなと、こうも思うわけであります。今後もこのような局地的な災害の発生も予想されますし、被災規模とは別に、被災された方々のことを考えるとやはり早期被災者生活再建支援制度の中身の見直し要望をしたいと思います。  同時に、大臣の方が、これ五月の八日でありますけれども、記者会見を行っている際に、この支援の中の枠組みとしては生活再建支援法の適用ということになるわけでありますが、現行の枠組みだけでいいのかどうかということを再検討していきたいと、このようにもお話しされておりまして、これをプロジェクトとして取り組み、七月中をめどに一定の取りまとめを行うと、こう発言されております。よって、今日、七月の二十七日で、週末を挟みますともうほぼ終わりの状況になりますので、今の状況で、大臣、是非その中身、前向きなお話をいただければと思います。
  196. 中川正春

    国務大臣中川正春君) 末松副大臣をチーフにしまして、それぞれ各省庁担当レベルでこの議論をずっと積み重ねてきて、もう一定の方向性というのを出してくるというふうに思っております。中身も今聞いているんですけれども。  私、ここでいつも言っていますように、どっちかかなと思っているんですよね。もしそれぞれに適用していくということであれば、各地方自治体が条例化をまずしていただいて、その支援法で救済できない部分を自らがやっていただく、これは元々の法の趣旨なんですね。残念なことに、青森県はないんです、条例化していないんですよ。その周辺はずっとあるんですが。だから、恐らく、こういう状況なものですから、県を越えて、いや、向こうの県はちゃんと出るのにこっちは出ないじゃないかとかいうような、そのそれぞれの被災者にとっては同じ災害であるにもかかわらず不公平が出てくるという結果が出ているので、これをもう一度県のレベルでお願いをして、基本的にこの法律の趣旨に基づいてやってほしいということを進めていくということ、これが一つの方向性だと思います。  もう一つは、法律を変えていくということですが、これはちょっと皆さんにお願いをしなきゃいけないんですけれども、元々これは議員立法で成立をさせていただいたものです。それを作り上げていく過程でいろんな議論がありました。阪神大震災以降、やっぱり個人に対してそうした意味での支援制度というのは必要であろうという考え方から、各党がいろんな議論をしていただいた経緯があります。  そのときに法律の趣旨として、これは互助会にしていこうと、財政力が足りないところで大災害が起こって支援をしていくのに、その範囲というか、全体の規模によってこの互助会の網を掛けていこうと、こういう趣旨でまとまったということでありますので、そこのところをもう全てということになるとちょっと趣旨が変わってくるんだろうと思うんです。  そこは恐らく、議員立法で始まっただけに、これはもう私たちの政府だけということではなくて党のサイドでも、この問題、やっぱり不公平というのがあるということは確かですから、そこのところを考えていくということは必要だと思います。  さらに、もう一つ言えば、今回、半壊とか一部損壊なんですけれども、これ範囲として大規模半壊と全壊に対しての手当てなんですね。一部損壊とかそれから半壊ということに対して、そこまで基準を持てていないんで、ここのところを見舞金的にいろいろ手当てをしている地方自治体もあります。ないところもあります。ということなものですから、ここのところの基準というのもどうしていくかというのは、議論の対象にはこれから皆さんと一緒にしていきたいというふうに思います。
  197. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。大変前向きな、積極的な御答弁をいただきまして、ありがとうございました。  大きく三つあったと思います。見舞金のような形でやるということもあるし、県のレベルでいろいろ話し合いながらやるという方向、若しくは法律を変えるんだという形があるというお話だったと思いますけれども、これは災害の大小にかかわらず、やはり同じ被災者という観点から是非大臣にもお知恵を絞っていただきまして、今回の青森県の災害に対しましてもしっかりと適用できるように今後も努力をお願いしたいと思います。  次に参りまして、農作物のこと一つあったんでありますが、ちょっと時間の関係から豪雪関連に関しまして御質問をいたします。  雪寒法における指定路線の拡大についてでございます。道路の除排雪に関する財政負担について、国の三分の二の負担を定める雪寒法の指定路線の見直しについて、私は、二月の二十七日の本委員会において実態が伴っていないということを主張し、これに対して、津島政務官の方から見直しますという力強い御答弁をいただきました。現在までの検討状況、今後の見通し等について御説明をお願いします。
  198. 津島恭一

    大臣政務官(津島恭一君) 今の平山委員の御指摘のように、二月の二十七日にこの委員会で、平山さんは当時筆頭、与党の筆頭をやられておられまして、質問をいただきました。  そこで、雪寒法の対象となる道路でありますけれども、この道路指定見直しにつきましては、特定の地域への集中的な降雪等、近年の降雪状況の変化や、あるいはまた支援の方法が補助事業から交付事業、これに変わったこと、まして、冬季の生活スタイル、そしてまた経済生活が変化していること、これらも考慮いたしまして総合的に行う必要があると考えております。  見直しに当たりましては、関係者関係者といいますのは各地域の学識経験者ということでありますが、の意見を幅広く聞きながら検討していくこととしているところであります。  そして、今御指摘の、じゃ今どうなっているのという話でありますが、雪寒法に基づく現在の五か年計画は平成二十年度から二十四年度となっておりますので、次期計画が平成二十五年度から開始することになっておりますので、それをめどに見直しを今進めているところであります。
  199. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  今、条件が変わってきているぞというお話とともに、見直しに関しては学識経験者、地域の皆さんとするということであります。  時期に関しては二十四年度まで続いているのでというお話ですが、ここで一点、是非お願いをしたいんでありますけれども、冬は毎年来ます。今年もあります。豪雪になるかどうかというものはありますけれども、地域は今年の豪雪に対して非常にダメージを受けている。よって、この指定路線の拡大というのは強く地域から要望があるわけでありますので、この冬の前に見直すという、この確約をいただきたいんですが、いかがですか。
  200. 津島恭一

    大臣政務官(津島恭一君) お気持ちは非常によく分かりますので、それを踏まえて検討をさせていただきたいと思います。
  201. 平山幸司

    平山幸司君 これはやるということでよろしいですか。
  202. 津島恭一

    大臣政務官(津島恭一君) 時期の問題は、この年度末に向けての話でありますので、そこは御理解いただきたいと思います。
  203. 平山幸司

    平山幸司君 同じ青森県選出でありますので、是非力強くお進めいただきたいと、このように強く要請をいたします。  もう一点、これも前回お話をさせていただきましたけれども、下北の縦貫道路につきまして御質問させていただきます。  菊川道路局長から、前回、下北半島の観光、経済、文化、いろんな面で交流、連携を支える大変重要な道路でありますと、二月の一日から、今年です、二日にかけまして異常な降雪によりまして車両の立ち往生が発生した、よって雪に強い道路という観点からもこの下北半島縦貫道路に対する期待は非常に強いものがある、この下北半島縦貫道路の整備につきまして、まさに克雪という観点からも国交省としてできる限りの支援をしていきたいという答弁をいただいております。  あれから数か月やっぱりたっておりますけれども、その後、支援及び建設の進捗状況、これはどうなっているか、お伺いしたいと思います。
  204. 菊川滋

    政府参考人(菊川滋君) 下北半島縦貫道路でございますけれども、約六十キロの地域高規格道路でございますけれども、今お話があったように、いろんな面で大変地域を支える大事な道路と、この半年で全く変わっておりません、もちろん。今年の二月、今お話がありましたように、異常降雪で車両が立ち往生したということで、この道路がつながりますと、これが代替路線として機能が期待されるという、そういうものでございます。  今、この道路でございますけれども、六十キロのうち約十三キロは供用いたしております。そして、現在、青森県におきまして、むつ南バイパスと吹越バイパス、それから有戸北バイパスという三つの区間、全部で二十一キロでございますけれども、これが今事業中でございます。このうちの有戸北バイパスについては、本年度中の供用を予定いたしております。それ以外の地域については引き続き鋭意進めているというところでございます。  また、調査中区間がございます。むつ市から横浜町の間、それから野辺地町から七戸町の間、この区間につきましてはそれぞれ現在、概略ルート、そして環境の基礎調査といった検討を実施しているところでございまして、これは青森県の方の意向も十分踏まえながら、先ほどお話がありました、私も答弁いたしましたように、克雪という観点からも国交省としてできる限りの支援をしていきたいというふうに考えております。
  205. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  地元及び災害に強い国づくりという観点からも、局長の方も下北縦貫道路必要性は十分に御理解いただいているものと思いますので、今の調査中の部分ですね、そこも、また冬も来ますし、いろいろな災害があってはいけないという観点からも、早期の事業化を是非推し進めていきたいと思いますし、津島政務官も同じように地元のことお分かりだと思いますので、その点も含めまして、今後も先ほどの面も含めまして随時国土交通委員会でも質問を重ねてまいりたいと、このように思いますので、よろしくお願いいたします。  最後にもう一点だけ。今冬の豪雪で気温が低い状況が続きまして、道路の路面が割れるなどの被害があります。私も地元で車に乗っておりますと路面の悪化により運転中の危険を感じることもあり、早期復旧が必要です。これらは凍上災で対応できると思いますけれども、その被害状況、これは全国的に及んでいると思いますけれども、それと現在の復旧状況について国交省にお伺いいたしたいと思います。
  206. 関克己

    政府参考人(関克己君) 御指摘の今冬の凍上災について御報告をさせていただきます。  凍上災と申しますのは凍って上がるという災害でございまして、これは、非常に気温が下がることによって道路の下に大きな霜柱ができるということで路面を傷めてしまうということで、極めて気温が低いときに発生するものでございます。特にこの冬は、北海道から東北を中心として、これは長野、岐阜に至る十一の道県から二千か所による報告がございました。雪解け後ということも踏まえて、六月十九日より順次災害査定を進めているところでございまして、これまでに約三百か所の査定を完了しており、九月中旬までには全ての査定を完了したいというふうに考えてございます。特に、今年は非常に量も多かったということもございまして、できるだけ前倒しで進めたいということで早期査定を実施したところでございます。  さらに、六年ぶりの大規模の発生ということもございまして、自治体においてはなかなか慣れない方もおられるということで、寒冷の地域については現地の講習会をさせていただき、こういったものが迅速に進められるよう取り組んだところでございます。  いずれにしましても、今後、査定が完了次第できるだけ早く着手し、災害復旧に取り組んでいきたいと考えているところでございます。
  207. 平山幸司

    平山幸司君 ありがとうございます。  査定中ということでありましたけれども、雪が消えてからもう四か月になります。確かに大変大きな査定がいろんな地域で必要だとは思いますけれども、もうまた冬が来てしまいますので、是非迅速にそこをやっていただきたいなと、こう思います。  豪雪に関して、今、季節が夏でありますので季節外れだなと、こう感じるかもしれませんが、やはりこの時期にしっかりやっておくということが次の冬に備えることでありますので、是非今の三点、よろしくお願いをいたします。  もう一点だけ、済みません、農業被害に関しましてお伺いをいたします。  農作物に関しまして、七月の五日に青森県の浪岡地区において降ひょうが降りまして、リンゴに大きな被害が出ました。また、今冬の大雪でも農作物への被害というものが出ております。これに対しましての農水省の対応というものをお聞かせ願いたいと思います。
  208. 高橋洋

    政府参考人(高橋洋君) 今年の冬の豪雪等の今御指摘の被害につきましては、ハウスの倒壊などを中心に過去に例のない被害が出ておりますので、農林水産省では、各方面からの要望被害の実態を踏まえまして、共済金の早期支払や果樹の植え替えなどの既存の対策に加えまして、災害関連資金の無利子化、農業用ハウスなどの再建、修繕への助成、水稲などの苗の確保への助成という追加対策を打ち出したところでございまして、その実行のための作業を順次進めてきているところでございます。
  209. 平山幸司

    平山幸司君 終わります。ありがとうございました。
  210. 小熊慎司

    小熊慎司君 冒頭、九州北部豪雨におきまして犠牲になられた皆様方に哀悼の意を表しますとともに、被災されました皆様にお見舞い申し上げて、質問に入ってまいります。  ずっと今日一日の質疑の中でも出てきましたけれども、甚大な被害、広範囲にわたっておりますので、九州各地で海岸に漂着物がもう上がっていて、まだ漂流しているものもあるということでございます。  まず初め、九州各県の現時点で把握している漂着物の量についてお示しをください。
  211. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今回の九州北部豪雨により海に流れ、漂着した流木等の量ということでございます。ただ、日々、潮が変わっておりまして、その状況によりまして海岸に流れ着いているその量というのは変化しております。その上で、七月二十四日時点での調査の結果について報告をさせていただきたいと思います。  福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、合わせまして約四万七千立方メートルでございます。県別に申し上げますと、福岡県が約一万四千立方メートル、佐賀県が九千立方メートル、長崎県が一千立方メートル、熊本県が一万五千立方メートル、大分県が八千立方メートルとなっているところでございます。  今後とも、この状況が変化してまいりますので、こういった量の把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  212. 小熊慎司

    小熊慎司君 膨大な量なわけですね。これ、早急に処理しなきゃいけない。  また、今日の委員の指摘もありました漁業とか、また、考えてみれば、今漁期に入っていないような漁業もありますけど、ノリの指摘もありましたが、観光といった意味においては、もう夏休みに入っていて、委員派遣は我が党はちょっと参加できなかったんで大変申し訳ないところでありますけれども、党といたしましても柴田巧議員が大分県の方に党の調査として入りまして、今日の資料にお示しをさせていただきましたけれども、杵築市の奈多海岸というところ、これは写真でありますが、ここは環境省も海水浴場の百選に選定していたりしているすばらしい海岸がこの状況でありますから、観光といったことを考えても、これ、もう多分この夏こんな状態では観光客呼ぶことはできないということですし、観光業に携わっている人の仕事というのはやっぱり大変な被害になっているということでもあります。  現状、これを早急にやっぱり対処していかなければならないんですけれども、前例踏襲的な既存の法律また補助事業といったことで対応できないんじゃないかなと思っています。国交省の持っているこの補助事業では二分の一の補助ですけれども、これだけ今ほど示していただいた膨大な量を、各市町村、自治体、県に二分の一ということだけで足りるのかなということと、迅速化ということであれば、少しこれは考え直して対応していかなければならないというふうに思っているところであります。  今日も指摘ありましたけれども、いわゆる議員立法でありましたけれども海ごみの法律ですね、これにかかわったJEANという一般社団法人の方とちょっとお話ししましたけれども、やっぱりこの二分の一補助とか、あと、指定受けてからお金が出るまでの期間というのがちょっと時間が掛かり過ぎているという指摘をしていただきましたところなんですけれども、これはやっぱり今の状況ではすぐは改善できないというふうに私は考えています。  そういう意味では、この処理にかかわる今後のタイムスケジュール的な概要みたいなものをまずお示しいただきたいと思います。
  213. 関克己

    政府参考人(関克己君) 私の方からは、災害関連緊急大規模漂着流木等処理対策事業、ちょっと長うございますけれども、これは平成十二年度に創設されたものでございまして、いわゆる海岸管理という観点から、海岸管理者である各県が対応していくという制度について御説明をさせていただきたいというふうに思います。  この制度は、先ほど申し上げましたように、平成十二年度に創設され、海岸保全区域内に漂着したもの、それから海岸保全施設から一キロメートル以内に漂着したもの、それから漂着量が一千立方メートル以上のもの、事業費が二百万円以上のものという、こういった基準の下で、各県からの申請を受け、採択された事業費の二分の一までを国が補助するということの制度でございます。  この制度を活用しまして、既に事業採択に向けた手続を開始しております。あわせて、特に緊急を要するということでございまして、事業の採択前でも応急対策が実施できるように調整し、各県において順次着手をしているところでございます。  各県の先ほど申しました応急的な着手の状況を申し上げますと、佐賀県におきましては、これは海岸にもよるんですが、七月の二十六日、それから福岡県については七月の二十四日あるいは七月二十六日の着手、長崎県では七月の二十五日、熊本県では七月二十四日、大分県では七月二十四日ということで、できるだけ早くこの応急対策着手を更に進捗させていきたいというふうに考えているところでございます。
  214. 小熊慎司

    小熊慎司君 ということであれば、先ほど示した、今、現時点で四万七千というこの漂着物は迅速に手を着けたということでありますけれども、これ、ゴールどの辺になっていますかね。
  215. 関克己

    政府参考人(関克己君) まず着手をしたということでございまして、この全体のボリュームをどういうスケジュールでやっていくかということは、順次進めながら各県の方で判断をされ進めていくということでありますので、その状況を見ながら私どもも支援をさせていただきたいと考えているところでございます。
  216. 小熊慎司

    小熊慎司君 まず努力しているということなんですが、やっぱり結果を出していかなければいけないんですね。  これ、今年、九州北部でありますけれども、昨年、私の地元の新潟・福島豪雨、ちょうど一年になります。その後、紀伊半島の豪雨もありました。今回、大臣迅速化、柔軟化とは言っているんですが、もう既に一年前に大きな災害があって、そこでなかなか進まないものとか変えていかなきゃいけないものというのはもう知見が高まっているはずなんですよ。今回初めて迅速化、柔軟化ではなくて、もう実は、昨年あれだけの豪雨があちこちであって、いろんな問題が積み上がっているといったときに、何も変わっていない。そして、今回の九州豪雨、また後手後手。これでは、そのときは言葉、用意はするんですけれども、変わっていかない。それは、やっぱり既存の仕組みが大きく変わらないからです。  資料としては配付していませんけれども、ちょうど一年たったので、うちの地元の新聞では、この復旧工事遅過ぎるという、国の着工率三八%ですよ、只見川の復旧工事。観光についても、観光回復容易でない。先ほど鉄道の話も出ました。何のめども立っていないんですよ、JR只見線。農地の復旧手付かず。これが現状ですよ。  昨年の新潟・福島豪雨がこの現状、一年前、この一年間何をやってきたのか。既存の制度でやってきたからこういう状況です。その後、紀伊半島のもあって、これは昨年、この委員会でも私の地元に調査に入っていただきました。是非、一年たってどういう状況か、また委員会としても調査を私は是非お願いしたいと思います。  その中で、結局、復旧工事がなぜ進まないのか、しっかりと問題点を把握して、既存の制度でやれないんですから、進捗率が進まない。考えれば変えていくものがしっかり見えているはずなんです、本当は、今。大臣始め優秀な政務三役また省庁方々いるはずなのに、結果が出ていないんですよ、やると言っていても。今回だって、その大臣が再三言っている迅速化、柔軟化って、なっていないんですから、これまでの、昨年の災害に対しても。  そこで、また質問に移りますけれども、この復旧工事に関しては、これはだから、私の地元見ていて、今回、九州ももっと広い範囲ですから、これ早くやってやらないと生活が再建されない。三年掛けて橋直ります、道路直しますといっても、三年間飯食えなかったらどうするんですかという話ですよ。まして、山間部なんてほかの働き場なんかないわけですから。  ちょうど昨年、この委員会の中でも調査に入っていただいた方で覚えておられるかもしれませんけれども、これ激甚災害受けているんですね、福島・新潟豪雨。で、只見町長が、只見町役場でいろんな意見聴取会をやったときに、激甚災害、二年、三年というスパンですから、そうしたら、ここは豪雪地帯、なかなかそういう二年、三年で難しいんですけどと言ったら、内閣府の方が、いや、町村の判断で五年ということも対応しますからと。只見町町長はそこで激怒したんですよ。五年掛けたいんじゃないんですよ。一年でも進まなきゃいけないんですよ。この私の地元の人たちも、一年たって進まない状況で、家業をやめようかどうかというところまで来ちゃっているんですよ。  こうした新潟・福島豪雨、また紀伊半島の豪雨踏まえて、何も変わってないじゃないですか、迅速に処理する、柔軟に処理するというのが。結果出てないんですもの、結局は。言葉だけじゃないですか。また時間がたてばみんな忘れちゃうんですよ。重大な問題ですよ、結果が出てないというのは。  まさに大臣が言っているこの迅速化、柔軟化って、本当にどうなったらできるんですか。今の中で結果出てないんですからね。九州の人たちも、私、大変な問題だと思っていますよ。どう変わるんですか、これは、迅速化というものに関して。
  217. 関克己

    政府参考人(関克己君) 今回の九州における災害でございますけれども、先ほどから委員からも御指摘がありましたように、できるだけ早く着工し、着手して進めていくということが重要だというふうに考えてございます。  そういう意味では、繰り返しになりますが、いろいろな仕組みがございますけれども、査定前着工というものを積極的に活用していくということが、早く着手し、全体のスケジュールをスピードアップしていくということにつながる、これも一つの大きなポイントであろうというふうに考えております。そういう意味では、各県、自治体に対しても、この査定前着工が可能であるということを徹底し、先ほども鹿児島の話がございましたけれども、橋梁等ももう査定前で始動させていただいて実際の工事に入っていくというような対応も取らせていただいております。  こういったことを積極的に進めることによりまして、できるだけ早い応急復旧、それから本格復旧に取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  218. 小熊慎司

    小熊慎司君 これ、災害関連の法律は、大臣の手元でしっかり見直してほしい。もう一回、本当にこれが既存の法律でやれているのか、今やれてないわけです、結果が出てないですから。これ、しっかり要求したいと思います。  それで、この際、いろいろ調べてみたんですが、九州は九州という一くくりの中で、これ、復旧工事に関してはその作業員ですね、その工事にかかわる作業員の確保というのが重要になってくるわけです。というのは、特に私の地元では東日本大震災で多くの人員が割かれていますので、これ、東北だけではなくて全国各地から来ていただいて、今その復旧作業もしていただいている中で、この水害の方で人員が確保されないという状況が出ているんです。  あと、またこれ、九州と東北がちょっと違うのは、今回調べてみたら、いわゆる労務単価、九州は大体、各県いろんな部分でそう変わりはないんですが、私の地元福島県は全国でももう本当に下の方なんですね。そうすると、復旧工事やるといったら、いや宮城の方が高いからといってほかの県の人たちは宮城に行っちゃうんですよ。まして、まあ白河以北一山百文の扱いというのもありますけど、関東と比べるともう東北なんて格段の違いですよ。  去年の水害のときにも、査定をしたい、測量の人がいない、地元じゃいない。じゃ、栃木から呼ぶか、山形から呼ぶかとやったら、栃木の方が高いんで、福島は安いんで、栃木の人は来てくれませんでしたけれども、こんな状況があるんです、この労務単価の問題で。まして今、人員が全国的に足りないという状況ですから。  これ、しかも不調が多いんですよ、今。これ福島県だけじゃなくて、あちこちで。何もばかみたいにもうけさせろと言いませんし、これは適正価格というのがあるんですけれども、これしっかりと、災害復旧に関しては今言ったように時間掛けられないんですよね。時間掛ければ掛けるほど普通の生活が駄目になっていってしまっている。これも、でも、復旧工事に人が集まらない、不調になる、もう一回やり直し、二回も三回も不調になっていく、これだけで時間が失われる。となると、こうした労務単価の問題も、これはちょっと見直していかなきゃいけないというふうに思っています。  そもそも、この労務単価の計算方式は昭和四十年代の中でできて、その後ほとんど変わってない。その計算方式に数字入れれば数字が出てくるんですけれども、別に計算が間違っているわけでもないんですけれども、実態と合わないわけですよ。そうしたことを考えれば、これはしっかりとこの労務単価の問題も含めて見直していかないと、この災害にしっかり対応できないというふうに、今私の現場で感じていることはそういうことなんです。  そういう観点に立って、しっかりと復旧工事に人員確保していく、作業員の確保をしていくということを前提に立って、この労務単価の見直しといったものについてどういう見解をお持ちか、お聞きいたします。
  219. 関克己

    政府参考人(関克己君) 先生御指摘のように、福島県の例で申し上げますと、福島県においては、東日本大震災の災害復旧工事に加えまして、御指摘のように、昨年七月の新潟・福島豪雨、この災害復旧工事が多数発注されております。そういう意味で、労働者、現場の働く皆さんの不足等を要因として、入札不調が御指摘のように発生しているところでございます。昨年末よりはやや減少傾向も見られますが、福島県内の土木一式工事、いわゆる土木一式工事で申し上げますと、平成二十三年の入札不調率が一四%、今年の五月が六%という状況でございます。  このため、労働者不足への対処方策というのは必要でございまして、賃金の急激な変動に対しまして、通常は年に一回設定する、年に一回マーケットを調べまして、その調査によりまして設定します設計労務単価を、今年は二月の二十日、それから六月の二十一日に設定しまして、できるだけその実態を反映させるように取り組んだところでございます。  また、国交省としましては、福島県を始めとして被災三県で施行する工事につきましては、これは契約が締結後、急激な変動があった場合に行う請負代金額の変更を可能とする、こういった措置を二月十七日より実施するとともに、被災地以外からの労働者の確保をするなど、こういった働く皆さんの確保方策に変更があった場合、あるいは必要となる費用については設計変更において、事後においてもということでございますが、設計変更において対応する措置を六月二十七日より実施したところでございます。  いずれにしましても、今後、この地域におけます建設市場の動静を十分注視しながら対応してまいりたいと考えているところでございます。
  220. 小熊慎司

    小熊慎司君 是非これ、実際、今不調の数字言われましたけれども、実際起きているのは、もう赤字覚悟で請けてくれよとやって請けているのもあるわけですよ。そして、その現場の、まあ市町村でも県でも国でも、頼み込んでやっとこの数字にとどまっているということは是非これは認識をしていただきたい。この制度上でこういうふうに収まっているんじゃなくて、無理やり収めているんです、この数字に。本当にちゃんとやったら、もっと不調増えますよ。  まして、今回、九州豪雨は広範囲ですから、そしてまた、その公共事業だけじゃなくて、今私の地元もそうですが、民間の方にも人員が割かれるんですね、復旧のために、家を直したりということで。まあ、土木というのは大体公共工事ですから土木はないんですけれども、建築、建設というものは民間の方でも人員が割かれていくわけですよ。今言ったように、迅速にやるという意味では、人員をどう確保していくかというのは、これ九州でも大きな問題に今後なっていくというふうに思いますから、そういったことも含めてきちっと対応できるようにしていかないと、これは掛け声倒れになってしまうということです。  大臣、今回、九州北部豪雨、大変でありますけれども、是非、昨年の紀伊半島、また新潟・福島豪雨、今どうなっているのか、どういう問題が積み残されているのか、そしてどう法律を変えなきゃ、仕組みを変えないと解決しないのか、今の既存の仕組みで弾力的な運用をすれば変わるものがあるのか。もう一度検証し直す必要があると思いますよ。それが結果として今回の九州北部豪雨に対してもその経験が生かされてくるというふうに思います。問題はまだ何も解決していないんですよ、昨年の豪雨も。  こうしたことが積み上がっていけば、今後またいろんな災害が出たときに、結局、頑張ります、ちゃんとやります、その場はやって、結局また何年も掛けてやっと復旧していく。何年も掛けて復旧すれば、結局、地方、過疎地域なんかは人がいなくなる。実際、あの新潟の地震であったときの山古志村はもう人口が半分ぐらいになっている、そんな状況ですよ。復旧が遅れればそこから人がいなくなっちゃうんです。道路や川や橋を直したとしても、何年で直すか、どのぐらいで直すかということが非常に重要なポイントです。  これ、最後にしますけれども、大臣最後お聞きしますけれども、そうした観点から、この昨年の豪雨、これまでの災害、もう一度、今の復旧状況を踏まえて、そして災害関連の法律の改正や今言った労務単価といったものまで含めて、もう一度全てのかかわる法律、仕組みといったものを検証し直してほしい。また、被災地にも、昨年の被災地にも大臣自ら時間をつくっていただいて、忙しいでしょうけれども、きちっと検証していただきたいというふうに思いますが、大臣の見解を求めます。
  221. 中川正春

    国務大臣中川正春君) まさに今私たちが取り組んでいる防災大綱、あるいは基本的な基本法、そして救助法、あるいはまた支援法等々の見直し作業というのは、先ほど御指摘のあった観点の中で見直しを今まさにやりつつあるというところで、できるものから順番にやっていこうということで、前回も基本法の改正、御協力をいただいて、そして通過をしていったということです。  基本的に、私も感じていますのは、これまでの体系というのは、東日本のような大規模で、それこそ国、国家としての命運を左右するようなそうした大規模災害と、それからもう一つは、多重に、災害が複合的に連鎖して起こってくるような、原子力ということを対象にしたそうした複合災害というようなものを、これまでの法律はどうも対象にしていなかったというところがあるんじゃないかというふうには思っております。局部的に、一つの県の中で一つ充足ができるようなそういう対応について、それを前提にして法律体系ができてきたということが一つの大きな反省点だったというふうに思うんです。  だから、東日本の場合は、肝心のその地方自治体自体の機能があれだけ潰されてしまったという、そういう想定の中で、じゃ、国はどうしていくんだ、県はどうしていくんだというところがその法律の体系の中ではうまく機能していなかったということと、それからもう一つは、危機対応という発災時の対応があるんですけれども、その後の復旧から特に復興にかけてのプロセス、これについては、災害が起こってからそれぞれどういうふうに計画を立てていくかという組織体をつくって、その組織体の中で基本方針をつくってやっていった、いわゆるそれに対する措置法を前提に進んでいったということがあったわけで、そこにもう一つ時間が掛かったんじゃなかろうかというふうにも思っています。  そういうことをこれから前提にしていくと、そうした大規模災害に対してどういう法体系をつくっていくかという、ここを一つは真剣に考えていかなきゃいけないということ。それからもう一つは、小さな災害であっても、通常の手続をやっていたんじゃどうにもならないんだと。災害は、災害に対する手続というのが迅速にやれる、あるいは柔軟にやれるという、その体系があるんじゃないかというふうに思っておりまして、そこのところをきめ細かに体系としてつくっていくということ。  こんなことを意識しながら、これから法律の改正等々含めてまだまだ続きますので、いろいろな知見、それに参加をしていただいて、いろんな知恵をそれぞれの党一緒になって入れ込んでいただいて、しっかりしたものをつくっていきたいと思っていますので、よろしくお願いをしたいと思います。
  222. 小熊慎司

    小熊慎司君 方向性がしっかり大臣分かっているわけですから、最後にもう一度申し上げますけれども、結果としてはこの新潟・福島豪雨、特にこの福島県側は、国の着工率が三八%ですよ、今の段階で。これを踏まえて、実際、言葉だけじゃなくて結果を出してください。  以上で質問を終わります。
  223. 松下新平

    委員長松下新平君) 本日の調査はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後四時二十九分散会