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委員長(
岡田直樹君) 次に、
国土の
整備、
交通政策の
推進等に関する
調査のうち、雨水の利用の
推進に関する
法律案に関する件を
議題といたします。
本件につきましては、理事会において
協議いたしました結果、お手元に配付いたしておりますとおり、草案がまとまりました。
この際、雨水の利用の
推進に関する
法律案の草案の趣旨及び主な
内容について御
説明申し上げます。
近年、気候変動等に伴い、
我が国において、一日の降雨量が百ミリメートル以上となる大雨の日数は長期的に増える傾向にあり、特に、最近は局地的な豪雨が多発する
状況も見られます。市街化が進んだ都市部では、流域で行き場を失った雨水が下水道、
河川等に
集中し、それらの
対応能力を超えて流れ込む結果、地表に水があふれ、都市機能を麻痺させたり地下空間が浸水したりする都市型水害が多発いたしております。一方、そうした雨水を貯留させることができれば、水洗便所での利用、消火や
災害時のための備蓄等への活用も可能となるなど、雨水は水資源として無限の潜在的価値を有しております。
流せば洪水、受けてためれば資源との考え方の下、雨水の利用を
推進し、もって水資源の有効な利用を図り、あわせて下水道、
河川等への雨水の
集中的な流出の抑制に寄与するとの趣旨から、この
法律案を起草することとした次第であります。
次に、この
法律案の概要につきまして御
説明申し上げます。
第一に、国は、雨水の利用の
推進に関する総合的な施策を策定し、及び実施するものといたしております。また、地方
公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて、雨水の利用の
推進に関する施策を策定し、及び実施するよう努めなければならないものといたしております。
第二に、
国土交通大臣は、雨水の利用の
推進に関する
基本方針を定めなければならないものといたしております。また、都道府県は、
基本方針に即して、当該都道府県の区域内における雨水の利用の
推進に関する方針を定めることができるものといたしております。さらに、市町村は、
基本方針及び都道府県方針に即して、当該市町村の区域内における雨水の利用の
推進に関する
計画を定めることができるものといたしております。
第三に、国は、国及び独立行政法人等が建築物を
整備する場合における自らの雨水の利用のための施設の設置に関する目標を定めるものといたしております。
第四に、地方
公共団体及び地方独立行政法人は、国の目標に準じて、当該地方
公共団体及び地方独立行政法人が建築物を
整備する場合における自らの雨水の利用のための施設の設置に関する目標を定めるよう努めるものといたしております。
第五に、
政府は、特に雨水の利用を
推進すべき建築物における雨水の利用のための施設の設置を
推進するため、
税制上又は金融上の措置その他の必要な措置を講じなければならないものといたしております。
第六に、地方
公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて、雨水を一時的に貯留するための施設の新設、不要となった浄化槽の当該施設への転用その他の雨水の利用のための施設の
整備について助成を行うよう努めるものとするとともに、国は、助成を行う地方
公共団体に対し、財政上の援助をするよう努めなければならないものといたしております。
以上がこの
法律案の草案の趣旨及び
内容の概要であります。
それでは、本草案を雨水の利用の
推進に関する
法律案として本
委員会から提出することに御
異議ございませんか。
〔「
異議なし」と呼ぶ者あり〕