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風間直樹君
行政監視というのは
法律の誠実な執行にほかならないわけでありまして、
行政権の行使については
内閣が
国会に対して連帯して責任を負っているわけですが、
法律を誠実に執行するという憲法上の義務に違反していないかどうかを
国会が常時注意して
監視をする、これが非常に重要だと思います。
昨年この
委員会の
委員長でありました末松信介
参議院議員が、昨年一年間の
委員会を終えた後で、
委員長報告のような形で「この国のあるべき姿を求めて
参議院行政監視委員長として」という小冊子を提出されています。この中でも、今私が述べました、この
委員会にやはり
調査の
手足となる部隊が必要ではないかということを末松
委員長のお
立場から記されていることを御紹介させていただきたいと思います。
では、この問題につきましてはこれで終わらせていただきますので、次の
テーマに移らせていただきます。
総務大臣、もし御答弁終わられましたら、御退席いただいて結構でございます。
次に、原発問題について
質疑をさせていただきたいと思います。
今、毎週金曜日に官邸の前でこのデモが継続して行われております。
調査した数字によると、おおむね二万人程度の方が毎週デモに出てこられると。私もいっときデモの様子をちょっと見に行ったんですが、
参加されている
皆さんは本当に普通の市民の
皆さんだなという印象でありました。このデモに示される民意というものを我々
国会がどう受け止めるべきなのか、そのことをこの一か月ほどの間考えてまいりました。
そうした中で、去る八月二日に、この
原発事故に関する
政府事故調の
委員長を務められた畑村洋太郎教授が民主党の
原発事故収束プロジェクトチームの総会で講演をされました。このときの講演
内容が、事故調の
報告書に書かれているものから一段と踏み込んだ
内容でありまして、非常に強く私の印象には残りました。当日録音されたものを基に私の事務所で
内容をテープ起こしをいたしまして、私のホームページにこの
委員長の講演を掲載してあります。御関心のある方はそちらも御参照いただければと思います。
畑村
委員長がおっしゃったのは、残念ながら今回の事故で極めて高い授業料を払ってしまったと、この事故から教訓を学ばないことはあり得ない、こうおっしゃった上で、事故調提言の実行、それから
調査の継続、そして三点目にその双方の
監視、このことを強く求められました。
事故調提言の実行は言うまでもありませんが、事故調が作成した、畑村
委員長によると八センチになるそうですが、この分厚い
報告書の
内容の実行を
政府が行うということです。
調査の継続というのは、今回、
政府それから
国会、双方の事故調とも
調査期間が一年間に限定をされました。これは、八月からの概算要求に合わせてこの事故の
調査結果を出して、そしてその教訓を予算に反映し、今後の原発の安全性に反映させる、寄与すると、こういう
趣旨からであります。
ただ、両事故調とも、一年間ではこの膨大な影響を及ぼした
原発事故の
調査は到底終えられなかったと、こう指摘をしていまして、この
調査の継続をどこかの
機関でやってほしいと、このことを強く訴えておられます。そして、今申し上げた二つの点を、これもまたどこかの
機関がしっかりと
監視をしてほしいというふうに述べられておりました。
私は、この畑村
委員長の言葉、まさにそのとおりだなと思ったんですが、特にこういうふうにおっしゃった点が印象に残っています。本当に継続
調査を
実施しているか、あるいは提言を実行しているかを
監視をすることが重要と。
政府事故調の
調査では、やったことになっていて実は実行されておらず、形骸化しているという事例ばかりが出てきたと、こうおっしゃっています。
このような発言を踏まえますと、私は、この畑村
委員長がおっしゃっている提言実行の
監視と
調査の継続は、国権の
最高機関であるこの
国会以外に行える場はないんだろうと思います。言葉を換えて言いますと、事故
調査委員会の
報告書が提出されて、その提言を実行し、実行を
監視するステージは
国会に移ったということが言えるのではないかと思います。
さきの原発再稼働反対デモのうねりですとか、このような事故調の
報告を受けて、私なりに考えてみたんですが、やはり原発問題に関しては、現在のところ、
国民一般が納得できるレベルの
議論が尽くされているとは到底言えないんだろうと思います。
政府は、国論が二分する
状況の中で原発の再稼働を決定されました。毎日新聞の世論
調査の数字ですと、原発再稼働に賛成の
国民は四九%、反対の
国民は四五%、意外と賛成が若干上回っていますが、ほぼ国論を二分している
状況です。
こうした中、官邸周辺においてはデモが起きているわけでして、政治の最大の不安定要因になっていると言っても過言ではないと思います。こうした
状況から脱却するためには、
国民の
理解を得る言わば公論が必要でありまして、特に
国会において原発再稼働問題をめぐる
議論を集中的に行うことが不可欠だろうと思います。
さらに、この
行政監視委員会の使命である
行政監視ですが、公共の利益の実現のために、主権者である
国民に代わって、国権の
最高機関である
国会が
政府と官の
活動を
監視する
機能でありまして、
行政監視委員会は原発再稼働問題をめぐるこの公論を行うにふさわしい場所ではないかというのが私の率直な印象です。
これほど広範囲に被害を及ぼした
原発事故でありますので、やはり
国会で仮に
集中審議を行うとしたら、私は、
期間は、例えば秋の臨時会から来年の通常会、二
国会にわたって行うぐらいの時間が必要なんだろうというふうに思います。
テーマとして少なくともやるべきものは何かなと考えてみたんですが、ちょっと私の考えをまとめましたので、これを述べた上で、
官房長官とそれから園田政
務官に御所見を伺いたいというふうに思います。
まず、再稼働にかかわる
政府判断の検証というのはどうしても必要なんだろうと思います。特に、今回、関電管内の大飯原発の再稼働については様々な論点から新聞紙上等で意見が交わされております。例えば、電力需給の見通し、あるいは大飯原発の安全
対策実態。さらには、今後、全国に五十以上の原発原子炉がございますので、この再稼働の判断をする場合には、個々の基別、炉別に判断を分析をすることが必要になるんだろうと思います。さらにはまた、脱原発という問題の是非、そして代替エネルギーの
確保など。これがまず一点目、どうしても必要なことなんだろうと思います。
それから二点目に、
原発事故被災者の救済の
在り方というものも大きな
テーマになるかと思います。代替地の提供、除染の
効果、子供の健康被害の
調査等がその
内容になるんだろうと思います。
三点目には、原発の安全性と
危険性、このメリットとリスクというものの両方を厳密に
国会の場で
審議をすることが欠かせないと思います。特に、福島第一原発が今どうなっているのか、その現状の
調査、あるいは全国の原発立地地域の活断層の再
調査、さらに地震による施設損傷の可能性等、こういったことが
テーマになるかと思います。
加えて、先ほど申しましたように、
国会の事故調、
政府の事故調が提出した
報告書の
内容の精査と、両事故調の
委員長を
参考人招致して、その意見を踏まえ
議論を行うということも欠かせないだろうと思います。
加えてこの場で私が提起をしたいのは、
政府それから
国会の事故調以外に、民間、報道
機関で極めて注目すべき
調査を行っているものがございます。例えば、去る七月二十五日には大前研一さんが独自の事故
調査の検証
報告書を出版されました。私も
内容を全て読みましたが、非常に密度の濃い、同時に参考になるものとなっています。また、NHKがこの間、様々なスペシャル番組で福島第一事故の分析を克明に行っています。
さらには、先日、東電が、本社の会議室に限って、あの事故当時のテレビ会議の映像の録画をしていたものを公表しています。私は、これは東電の一会議室で公表されるべき性質のものではなくて、まさに
国会でこの映像が公開され、
委員会質疑の場でそれが分析されて、今後の教訓に生かされるべきものではないかと思っています。
最後に、原子力安全規制体制の構築に関する問題としては、原子力規制
委員会と
国会の関係などについて
議論が交わされるべきかと思います。
ちょっと長くなりましたが、ざっとこういった問題についてやはり国権の
最高機関で
議論が欠かせないだろうと思うものを列記させていただきました。この点につきまして、
官房長官、政
務官、お考え、伺えますでしょうか。