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政府参考人(
久元喜造君)
総務省は、
選挙権年齢と
成年年齢は一致すべきであるというふうに考えてきたわけですが、その
理由について改めて
説明させていただきたいと思います。
理論的に、また
憲法上の要請として、これが両者を必ず一致させなければならないとまでは言えないだろうと思います。また、理論的にも、先ほど前川
委員がおっしゃいましたように、理論的に必ずこれが一致すべきであるというふうにも理論的に一〇〇%
説明できるものでもないだろうと思います。
つまるところ、これはどういうような制度の沿革をたどってきたのか、またどういうような
議論が行われてきたのか、また諸
外国はどういうような制度を取っているのかということから
説明されるのではないかなと思っております。
沿革になりますけれども、昭和二十年に
選挙権年齢が二十五歳から二十歳に引き下げられておるんですけれども、そのときの堀切国務大臣の
答弁では、満二十年に達しました青年は、
民法上の
行為能力を十分に持っておりますのみならず、国政参与の能力と責任観念とにおきましても欠くるところがないという
説明がされておりまして、この
答弁は
国民投票法におきましても引用されておりまして、提案者からの
説明では、このときの戦後間もないころの
改正について、
民法上の
判断能力と
参政権の
判断能力とは一であるべきだという前提で、提案
理由の中で書かれて引き下げられている経緯があるので、我々としては、成人
年齢に合わせて
選挙年齢、
選挙年齢と
国民投票年齢は同じ
参政権だから、やはりこれを合わせることが
国民に
理解がしっかりと受け止められると、こういうような
趣旨の
答弁がなされております。
それから、諸
外国の動向でありますけれども、我が国以外のG8の各国の
投票年齢につきましては基本的には十八歳で一致していると考えております。基本的にと申し上げましたのは、アメリカが
選挙権年齢は十八歳ですけれども、成人
年齢は各州によって異なっておりますし、カナダも同様であります。
ただ、これは連邦制国家におきましては、元々
成年年齢も
選挙権年齢も各州ごとに違っているというのが実態でありまして、そういう制度を取っておりますので、それは必ずしも我が国には当てはまらないのではないかというふうに考えます。
その上でアメリカについて申し上げますと、アメリカは一九七一年の
憲法修正二十六条で、合衆国又はいかなる州も
年齢十八歳以上の合衆国市民の
投票権を奪い又は
制限してはならないというような
憲法修正
条項が入っておりました。一方で、成人
年齢は各州ごとに異なっているわけでありますが、五十州中十八歳としているところが四十六州でありまして、大部分の州は一致していると。
したがいまして、諸
外国におきましては、連邦国家、そのほか一部の国家を除きますと、大部分の国で
選挙権年齢と成人
年齢は一致しているというふうに私どもは考えております。