○柴田巧君 みんなの党の柴田巧です。
私は、
平成二十二
年度予備費関係六件のうち、
一般会計経済危機対応・
地域活性化
予備費については承諾に反対、その他については賛成の立場から討論を行います。
経済危機
対応・
地域活性化
予備費について反対の理由の第一は、巨額の
予備費は財政民主主義に反するからであります。
国民から預かった税金は、国民に選ばれた
国会議員、
国会があらかじめ議決して、何に幾ら使うか事前に議決をして
使用するのが財政民主主義の基本です。しかし、いかに当初正確に見積もられたとしても、
予算を実行するに当たって不足を生じたり、
年度途中に発生した不測の事態により新たな
経費を支出する必要が生じたりする場合があります。このような場合、財政法第二十九条により、臨時会を召集して追加の
補正予算を
提出し、
国会の議決を受けるのが適切な
対応でありますが、臨時会を召集する時間的余裕がない場合にはこの方法は実際には取り難く、また時々に発生する軽微な
予算の不足に対してもこの方法を要求することは適当でない場合があるので、
予備費制度というものが設けられているわけであります。
つまり、
予備費は予見し難い事由による
予算の不足に充てるものであり、
予算不足の事由は
予算作成後に生じたものでなければなりません。したがって、予見できないからという予見困難性を理由に
予備費が拡大していくことは、財政民主主義の観点からも望ましくありません。支出には原則事後の
国会承認が必要とはいえ、
予備費の増加は、
国会審議の軽視、形骸化、
予算支出の政府の裁量拡大、安易な歳出拡大につながるため、税金の無駄遣いにもなりやすく、これゆえ
予備費の計上は最小限にとどめることが求められます。
ところが、経済危機
対応・
地域活性化
予備費は、
地域経済の活性化、雇用機会の創出又は国民生活の安定に資するための
経費に係る予見し難い
予算の不足に充てるために設けられ、九千九百九十七億円
使用されていますが、予見困難性を理由に政府にフリーハンドを与えるような、事前議決の原則を没却するような巨額の
予備費の計上は、憲法の趣旨に反するものと思われます。
次に、反対する第二の理由は、
使用された中身が
予備費としてはふさわしくないからです。
新成長戦略実現に向けた三段構えの経済対策におけるステップワンとして活用されているように、
予備費というよりも経済対策と言っても過言ではありません。例えば、国土交通省の
優良住宅取得支援事業に二千二百三十五億円、総務省、
経済産業省及び
環境省のエコポイントの活用によるグリーン家電の普及事業に約八百八十五億円など
使用が決定されていますが、これらは自公政権時代から経済対策として行われてきた事業です。
さらに、この経済危機
対応・
地域活性化
予備費では八百十八億余りが公立学校
施設整備費に充てられましたが、この事業は、学校の耐震化及び老朽化対策事業を推進し、子供たちの安全、安心の確保を図るために地方公共団体がかねてから強く求めていたものであり、本来
予備費ではなく当初
予算の中に計上し、計画的に事業が
執行されるべきであります。
以上の理由で、私どもみんなの党は、この経済危機
対応・
地域活性化
予備費に関しては承諾をいたしません。
なお、その他の五件については、おおむね妥当な内容であり、賛成をいたします。
最後に申し上げます。
我がみんなの党は、三年前の結党当初から増税の前にやるべきことがあると主張し続けてきましたが、残念なことに、先般、消費税増税法案は可決をいたしました。しかし、今回の増税がいかに拙速で、また税金の使われ方が極めておかしく、まだまだ税金の無駄遣いが多いかということをこれからも
国会審議を通じて国民に強く訴えていくことを改めて申し上げ、私の討論を終わらせていただきます。
どうもありがとうございました。