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2012-06-19 第180回国会 参議院 環境委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    平成二十四年六月十九日(火曜日)    午前十時開会     ─────────────   出席者は左のとおり。     委員長         松村 祥史君     理 事                 小西 洋之君                 小見山幸治君                北川イッセイ君     委 員                 池口 修次君                 輿石  東君                 谷岡 郁子君             ツルネン マルテイ君                 徳永 久志君                 舟山 康江君                 小坂 憲次君                 鈴木 政二君                 谷川 秀善君                 中川 雅治君                 加藤 修一君                 水野 賢一君                 市田 忠義君                 平山  誠君                 亀井亜紀子君    委員以外の議員        議員       福島みずほ君        議員       荒井 広幸君    衆議院議員        環境委員長    生方 幸夫君        環境委員長代理  大谷 信盛君        環境委員長代理  近藤 昭一君        環境委員長代理  横山 北斗君        環境委員長代理  田中 和徳君        環境委員長代理  吉野 正芳君        環境委員長代理  江田 康幸君    国務大臣        経済産業大臣        国務大臣     枝野 幸男君        環境大臣        国務大臣     細野 豪志君    事務局側        常任委員会専門        員        山下 孝久君    政府参考人        内閣原子力委        員会委員     尾本  彰君     ─────────────   本日の会議に付した案件政府参考人出席要求に関する件 ○原子力規制委員会設置法案衆議院提出) ○地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき  、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所  並びに産業保安監督部支部並びに産業保安監  督署設置に関し承認を求めるの件(内閣提出  、衆議院送付)     ─────────────
  2. 松村祥史

    委員長松村祥史君) ただいまから環境委員会を開会いたします。  政府参考人出席要求に関する件についてお諮りいたします。  原子力規制委員会設置法案外一件の審査のため、本日の委員会に、理事会協議のとおり、内閣原子力委員会委員尾本彰君を政府参考人として出席を求め、その説明を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ─────────────
  4. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 原子力規制委員会設置法案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部支部並びに産業保安監督署設置に関し承認を求めるの件の両案件を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  5. 小坂憲次

    小坂憲次君 おはようございます。自由民主党小坂憲次でございます。  野田総理大飯原発三号機、四号機の再稼働決断する中で、ようやく参議院において原子力規制委員会審議がスタートをいたしました。この関連においては、内閣法議員立法がそれぞれ提出された後に、自公民の三党が協議を重ね、閣法との調整を行い、そして衆議院環境委員長提案としての法案提出に至った。この経過において、実務に当たられたそれぞれの皆さんの御努力と、そしてその御見識に対して心から敬意を表し、感謝を申し上げたいと思うわけでございます。  また同時に、この委員長提案を受けて、大臣におかれては、この運用に対してこれからこの委員会を通じていろいろな発議者意思、また質問を通じて国会としての意思が示されるわけでありますが、それを十分尊重していただいてその任に当たっていただきたいとお願いを申し上げるところでございます。  しかし、昨日の委員会においても指摘がありましたが、なぜこんなに急に会期末土壇場になって慌ただしく委員会を開いてこの法案を上げていかなければならないのか。これだけ重要な法案ということに鑑みますと、なぜなのかという思いもあるわけでございまして、まず最初に、これはこの目的にありますように、国民原子力行政に対する、規制行政に対する不信感、不安というものを払拭するためにこの法案があるということも書いてあります。国民信頼される原子力規制組織在り方、そしてまた、なぜ国民信頼を失ったかという、その理由とこれに対する認識発議者また大臣双方にお聞きをいたしたいと存じます。  では、まず大臣の方からお願いします。
  6. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 衆議院の方でそれぞれの提案者皆さんが大変な御努力をいただきまして、ここまで案をまとめていただきました。そのことに関しては、私からも心より感謝を申し上げたいと思います。  もちろん、しっかりとした充実した審議をしていただくというのは国会の基本でございますので、そのことは前提としつつ、でき得る限り早く新しい規制組織を誕生させたいという、そういう思いがございます。  恐らく、規制組織が誕生する場合の最初の仕事というのは、地域防災計画にしっかり取り組むということだろうと思います。これまでの法制度ですと、原子力防災指針というのは法定化されておりませんので、これを法定化をしてしっかりとした国としての方針を打ち立てる、そして、それに基づいてそれぞれの地域でやはり災害にしっかりと備えていただくことが必要になってまいります。  原発というのは、稼働していてもいなくても一定リスクを伴います。そのことを考えた場合に、去年の三・一一から一年以上たっている中で、そうした地域の取組というのが十分にできていないという、この問題を非常に切実に私は必要性を感じているところでございます。  そのほかにも、今回の法案の中に入っているものでいいますと、東京電力福島第一原発が非常に深刻な事態になっているわけですが、昔原子力発電所で今は廃炉に向かっての作業を進めているということになるわけですが、あの施設に対する規制をしっかりとした強化したものにするというのも重要なことであります。今は残念ながらああいうものに該当するルールというのがありませんので行政指導でやっているという状況でありまして、それに対しての対応を強化をするというのも極めて緊急性の高い課題であると思います。  ほかにも様々ございますが、あえてもう一つ申し上げると、核セキュリティー、これも世界的な要請になっております。これまで自衛隊や警察との連携がまだまだ私は高いレベルを目指していかなければならないという意味課題があったというふうに思っておりますので、そういったことについてしっかり取り組む、そういった緊急性の高い課題があるということを是非皆さんにここは御理解をいただいて、迅速な御審議に御協力をいただければと、そのように思っております。
  7. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 皆様、おはようございます。衆議院自民党田中和徳でございます。  小坂先生のお尋ねにお答えをしたいと思っております。私は自民党議員でありますから、少し説明をさせていただきたいところがございます。  まず、これだけの昨年の三月十一日の津波による福島原発事故というのは、国内、国民はもとよりでございますけれど、世界を震撼させたという事故だと思っております。ということは、やはり事故調等々の議論もありますけれど、昨年の臨時国会に、私は、この規制に関する組織については政府・与党は法案を出すべきであったと認識をしております。  そして、今年の一月に政府側から出された案というのは、とても私たちの納得いくものではございませんでした。それから、自由民主党としても、また公明党さんとともに真剣な議論を持って、法案を出したのは四月でございますが、ちょうど出した日が参議院皆さん問責決議を二閣僚に対してなされた日でもございました。自来、もう言う必要もないわけでございますけれど、少し時が、いろんな経過がありまして審議が遅くなったという事実がございます。  また、私たちは、そういう中にありまして、民主党さん、そして自公ということで、非常に数多くの会議を持ちました。表向き七回となっておりますが、もっと数多くの会議を持ち、大変な時間で議論をさせていただきました。はっきり言いまして、相当意見が離れておりました内容でございますから、我々も必死であったわけでございますけれど、結果において、先般の国会委員長提案、そして可決、参議院送付となったわけでございます。  参議院における審議というのは参議院先生たちがお決めになられることでございまして、これは私たちが言う立場ではございません。当然、参議院先生たちがすばらしい審議の中に判断をされることでございますけれど、いろいろと経過説明して、一言答弁とさせていただきたいと思います。  以上でございます。
  8. 小坂憲次

    小坂憲次君 今お話を聞いていて思うのでございますが、やはり去年、この法案提出をされ、そして調整をされて、どのような形であれ国会審議がされて、そして原子力規制に関する新しい委員会組織あるいは規制庁、いろいろな形でそれが実現していたならば、今回の大飯原発の再稼働に際しても、一定国民信頼の上に築かれる基準というものが提示をされて実現していただろうと思うわけでありますが、残念ながら、経済状況あるいは電力事情、新たなエネルギー政策がまだ決定をしない中での再稼働決断せざるを得ないところに野田総理は追い込まれたということであります。  総理決断決断として私は一定評価はしたいと思っておりますが、しかし、この新たな規制組織規制委員会ができたところで再度この再稼働に対して見直しを行い、そしてそこにはバックフィット制度という新たな知見も交えてその基準を設定し、そして結論を出していくと、このようになっているというふうに承知をいたしております。  しかし、そうであるとするならば、この原子力規制委員会が出す結論というのは一体どういうようなものなのか。言ってみれば、再稼働よし、安全宣言ですというようなものになるんでしょうか。それとも、規制委員長が、私が、そして委員会が現在得ている情報知見を総動員して判断するに、国として現時点稼働支障があるとは考えられないというような、こういう発言でその結論を表現したとしたら、じゃ、これは一体誰が最終的に再稼働決断することになるんでしょうか。  この規制委員長が出す結論というのは、私は、原子炉の機能と運転に支障がないということにお墨付きを与えるんだと思います。そしてそれは、現時点における最大限の安全を追求した上での結論という、そういうバックグラウンドを持った形でそれがなされるのではないかと思いますが、この点について、発議者大臣それぞれの御意見を伺いたいと思います。
  9. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 原子力規制委員会原子力発電所の再稼働に関し出す結論とはどのようなものか、安全宣言なのかという意味かと存じますけれども、原子力発電所安全性評価だとか再稼働判断については、今回の事故の反省を踏まえて原子力規制委員会において適切に行わなければならない、このように考えておりまして、特に今回、独立性を持ってこの委員会をつくるということを提案をさせていただいておりますのは、やはりそこに国民信頼というものを大きく考えておるからでございます。  特に、やはり私も、昨日も答弁をさせていただきましたが、残念ながら菅直人リスクというものは我々非常に重く受け止めた議論にさせていただいたところでございます。そういうことで、専門家、特に国会が選ぶ、内閣責任を持って人選をしたすばらしい委員皆様方に決めていただくことによって信頼が得られるものだと思っております。
  10. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 基本的な認識は、今御答弁をされた中身と私も共通認識を持っております。  ただ、一点だけ、小坂先生が御質問になった中で、私なりの現段階での所見を申し上げると、安全宣言というようなものは恐らくこれからしていくということにはならないというふうに思います。安全性というものは完全がないという中で、レベルをあくまで高いところを目指していくということであって、それは、もうこれで完全ですというようなことは、これから恐らく規制委員会でも言うということにならないのではないかと思います。  その上で、若干悩ましいなというふうに思いますのは、再稼働というものをどう説明をしていくのかと、これを誰がどのようにやるのかというのは実は悩ましい問題としてあるというふうに思います。これまで同様に四大臣会議をやって、そこで再稼働判断をするというようなことはもうやるべきではないし、やることは考えておりません。  しかし一方で、今回の大飯原発で我々経験をしたのは、地元の県知事さん、町長さん、周辺の自治体の首長の皆さん、いろんな不安を持たれるわけですね。そういった皆さん一つ一つきっちり説明をして、今回万全だったかといったらそこも課題が残りましたけれども、それでも最大限私もそこは私なりに誠意を尽くして説明したつもりであります。こういうことというのを、政務の人間というのは、ある種政治家同士の話も含めてする役は担うことができるわけですが、これが全くなくなったときに、果たして地元理解が得られるんだろうかという課題は残ったというふうに思います。  あえてその役を誰がやるかと言われれば、それは私は、原子力を動かす立場にある資源エネルギー庁と、安全性についての確認原子力規制委員会ということになりますので、そこは客観的にできるだけ丁寧な説明をするということになると思うんですが、あえて動かさなければならないというその必要性について説明をするということになれば、資源エネルギー庁がその役を担うということになるのではないかというふうに考えております。
  11. 小坂憲次

    小坂憲次君 なかなかこれ、両方の意見を聞いてもよく分かりませんね。  私は、絶対的な安全というものはないと思いますよ、確かに。だから、最大限の安全を常に追求し続けて、その時点での所見といいますか、判断をするということしかないんだと思います。  例えば、自動車でいえば、ブレーキを利きのいいものにする、又は情報がそれぞれ人間のミスをカバーするようなコンピューター制御を中に組み込む、あるいは路面の状況等を最良にして、オイルやそういったものも適切にする、車検というものを行う。その車検というのは、これは公道を走っても安全に走行できるというレベルのものを宣言をするわけでしょう。だからといって、絶対事故は起こらないという宣言にはならないわけであります。  しかし、原子力事故というのはそれだけでは済まないわけでありますから、原子力規制委員長が最終的に判断をするときに、再稼働よしということにするのは、これは大変な責任、そしていろんな今お話のあったような状況を踏まえた上でその判断をしなきゃいけない。さらに、その判断が再稼働すべしというようなものではないということで、資源エネルギー庁がそこに関与するという話も出てまいりました。しかし、それだけでいいんでしょうか。私は、やはり最終的には総理判断というような政治的な判断がそこに加わる必要があると。  これは、これから質問をしようと思っている委員及び委員長人材というものについて、高潔な人材とかあるいは原子力に関する知識経験があるとか、そういったことに加えて、適切な判断力決断力、これも委員を選ぶ上での大きな要素になってくるんだろうと、こうも考えているわけであります。  そういったいろいろな観点の中から、もう一度大臣に御答弁をいただきたい。資源エネルギー庁が関与するということでありますけれども、資源エネルギー庁が、再稼働すべしというような、そういう決断をするんですか。
  12. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 再稼働が認められるかどうかという判断は当然安全サイドでやるべきですので、それは原子力規制委員会がしっかり判断をし、丁寧に説明をしていくということになるわけです。  ただ、いろんな方が当然いらっしゃいますし、町の中でもいろんな御意見を持たれる、そういう自治体も当然あるというふうに思うわけですね。中には、これは、これだけの事故があったわけだから、もう原発はそもそも再稼働すべきではない、全てのもの、このまま廃炉すべきだという、そういうお考えの方も我が国にはたくさんいらっしゃる。そういった方も含めて、安全性については確認規制委員会がするにしても、なぜ動かさなければならないのか、なぜ電力原発で供給しなければならないのかというそういう説明は、これは規制委員会が負うということになると、これは結局、規制委員会推進している側になるんではないかという疑いを持たれかねないわけですね。  ですから、再稼働に向けて地元を説得をして動かさなきゃならないんですよということは、私は規制委員会は言うべきではないと思うわけです、安全性についての説明はするけれども。その部分をあえてどこが担うのかというと、それは資源エネルギー庁ということになるのではないかということを申し上げました。
  13. 小坂憲次

    小坂憲次君 従来であれば経済産業省経済産業大臣等も関与するということですが、今回そういう部分が、原子力は全て規制委員会に行ったということから、資源エネルギー庁というものがより前面に出てくる結果になるということの御説明かと思っております。  今バックフィットの話をしましたけれども、今新たに私が注目している技術としては、核変換という技術がございます。すなわち、高濃度の高レベル放射性廃棄物の中に含まれる半減期数万年というような放射性元素に対して、陽子あるいは中性子をぶつけることによって原子核を安定した核に変換をする。それによって廃棄物安定処理を促進することもできますし、また、この技術を使えば除染等にもいろいろと使えるかもしれない。  核燃料を燃やすと、その廃棄物を再処理してもマイナーアクチノイドという放射性元素は残ってしまって、これが含まれておりますと、数万年半減期があって、後世に大きな不安を残すという結果になってしまいます。  そういう意味で、この研究を、こういった無害化研究につながるものを大きな予算を付けて、そして促進していくことが、今既に、もう我々は持ってしまっている中間処理場、あるいは最終処分できないで持っている放射性廃棄物処理に大きな影響が出るわけですので、この研究を促進すべきと思いますが、こういったものの政策的な推進とか予算的な推進体制というのは、これは一体どこがやるべきなんでしょうか。これは大臣にちょっとお伺いしたいと思います。
  14. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 核変換技術というのは、知見としては原子力研究開発機構、いわゆるJAEAJ—PARCという施設を持っておりまして、その加速器を使うなどして研究をしてきたという経緯がございます。  これまでは、核変換ということになりますと、核廃棄物処理在り方などという、そういうことが目的になるわけですが、そういったことというのは、推進サイド事業者なり推進サイドの省庁がやるものという整理をされてきたわけです。  ただ、これからはそこは在り方を少し見直す必要があるのではないかというふうに思います。今回事故が起こって、除染をするのにすぐにということはなかなか今の状況だと難しい面がありますが、核変換技術などが使える可能性は私はあるというふうに思います。  そういったことも含めて、事故を起こさないために規制をやるという安全サイド立場から、原子力規制委員会がこれを推進をしていくという面が出てきたというふうに思います。既に原子力規制庁予算と、規制委員会の、政府としては当初規制庁と考えておりましたが、予算として安全研究開発予算ということで充実を図ってきておりますので、そういった中で、JAEAについても規制委員会の共管となってまいりますものですから、そこの中で更に推進をしていくというのは、一つの考え方として非常に検討に値する御提案をいただいたというふうに考えております。
  15. 小坂憲次

    小坂憲次君 今御指摘のあったように、大強度陽子加速器と言われるJ—PARCという施設は、私、文科大臣のときに予算充実に努めてきた分野ですので、こういったものをしっかり活用してこういう研究を進めてもらいたい。  そういう意味では、文科省がこれまで進めてきたこの研究、更に文科省に担当させる、あるいは、今度は原子力安全基盤機構規制委員会の方に将来的には吸収されるという形になっていますが、こういったところに担当させる等して推進を図るべきと思っております。予算充実及び政策的にもこの面に注目をしていただきたいというのが私の希望であります。  それでは、今度、委員会人選と、先ほどちょっと触れましたけれども、委員長及び委員は、人格高潔、そして安全確保に関して専門的知識及び経験並びに高い見識を有する者というのが書いてございます。しかし、なかなか難しいですね、これ。これ全部充足する人材を見付けてくるということは。  そして、一方ではノーリターンルールというのがつくられて、いろいろな知見を集約した人は元へ戻れないということになりますと、今度は出してくる方も、エースを出してくるかというと、なかなかそうもいかないかもしれない。  その辺は、これは後ほど質問をしようと思ったけれども、だんだん時間がなくなってきましたので一緒にしますと、ノーリターンルール運用というものにも関連してくると思います。  余り厳格に運用し過ぎると、これは人材が払底してしまう結果にもなります。すなわち、この専門分野だけでなくそれ以外の分野においても大変に識見があり、そして判断力決断力もある人材がいたとして、その人間がたまたま文部科学省に所属をしていた。それまでは原子力には余り専門的には携わっていないけれども、その人ならばそういった知見を積み上げることは可能だろうということで委員として入って、数年経て互選の中からまた委員長になっていく人材に育っていくということも考えられますし、またいろいろな形で人材をかき集めてくる。そのときにお願いをしても、いや、もう一旦行ったら戻れないということでありますと、ちょっと私はと言って辞退する人もたくさん出てくる。  そういうようなことを考えると、待遇とかそういった面で十分な配慮をして、そして、これはやってみなきゃ分からない世界ですから、今答えをもらってもどうにもならないかもしれないけれども、やはり今後五年間猶予を持って人材をいろいろ探して運用していくということもこの法律の中には附則で書かれておりますから、その辺も踏まえて、初回のまず人材人選、どのようにするのかということ。  それから、今後五年間の猶予を持ってノーリターンに一部例外をつくった、このことは何を期待しているのか。そして、それはなぜ五年間で打ち切って、その先には例外は一切認めないのか。その辺のことについて発議者の御意見を伺いたい。また、運用については大臣意見を伺いたいと思います。
  16. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) 小坂先生にお答え申し上げます。  委員長の登用の基準といいますか、今おっしゃったように、第七条で、委員長たる者はこういう方でなければならないと規定されています。まず専門的知識、そして経験、ここに決断ができないんじゃないかという、こういうこともありまして、実務者の中で高い見識という、この言葉を入れさせていただきました。まさにその点であります。  大きな大きな責任を持ちます。十分な権限を持つということは、その裏は大きな権限を持つということです。そういうことで認証官という、責任の重さを持ってもらうために認証官ということも入れさせていただきました。  ノーリターンルールでございます。ノーリターンルールもおっしゃるとおりでありまして、ただ、今度の規制委員会の職員たるもの、本当に安全意識、ここをきちんと自覚するという、ここが一番大事なんです。腰掛け意識ではない、ここのポストは腰掛けで行くもんじゃない、このことを踏まえてノーリターンルールをつくらせていただきました。ただし、五年間、例外的に元に戻ることを認めさせていただいたところです。  以上です。
  17. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ノーリターンルールに関しましては、衆法の議論をずっとしていただいた提出者の皆さん思いをできるだけ受け止めて厳格にやっていきたいというふうに思っております。  ただ、非常に悩ましいのは、本当にそれぞれの皆さんの人生が懸かっていますから、その個人個人の人生にもやはり目をやっていかなければ組織は成り立たないということなんです。ですから、基本はその組織自体の魅力がないと人が来ませんし、帰りたくなるわけですね。ですから、その魅力を高めるのに五年間若干の猶予をいただいたというふうに思っています。給料ももちろんしっかりしていかなければならないし、タコつぼに入ってそこから出られないというような組織ではなくて、いろんな研究機関へ行ったり海外へ行ったり、専門的な知識を身に付けられるような、そういう人材育成をしていかなければなりません。それをやっていきたいと思っています。  若干ショックだったのは、私がこれは信用できる、これはいけるという、そういう技術系の文科省、経産省の官僚に是非行ってくれと言ったら、ちゅうちょするんですよ。ちゅうちょするのは、それはもう日本の原子力どうなるか分からないと。自分の官僚の人生、例えば二十代とか三十代でそこに懸けていくということに対して逡巡する人間が個人としているのは、それはもう分かるわけですね。そういう彼らも含めて、どう新しい組織でやろうというふうに思ってもらえるか、そこは我々の方の宿題だというふうに考えております。
  18. 小坂憲次

    小坂憲次君 時間も参りましたのでまとめておきたいと思いますが、今お答えをいただきましたが、若干、大臣認識は私も共有するところであります。また、発議者の御意見も分かります。  しかし、今後五年間という猶予を設けた以上は、その五年間を使って、いわゆるノーリターンの行政組織という、それが一体どの範囲か、これをしっかり描き出していただきたい。余りに、省庁なのか、それとも部、あるいは室、課なのか、その辺のところはしっかり検討していただかないといかぬと思います。これは運用の中で五年間せっかく設けたんですから、そこでしっかりここを現実的なものに、そしてよい人材が集められる、そういう規定にこの運用の面でこれを更に詰めていただきたいということをこの委員会意思としてまとめていただければなと、こういうことをお願いをし、こういったことは附帯決議等に是非とも盛り込んでいただきたいなというのが私の希望であります。  更に申し上げるならば、一元化といってもまだグレーゾーンが残っております。この分野はどこが担当するのか。JNESなんかはこれからなくなっていくわけでございますので、そういったことを考えると、こういったグレーゾーン、どちらが分担するのか分からないことについても、今日の新聞にも出ておりました、米国のエネルギー省が提供した汚染地図、これが自分が担当だとは思わなかったということからほっておかれたというようなことも報道されております。お見合いになってしまって、ボールがその真ん中におっこちることのないように、こういったものも今後の規制委員会ができた後の運用において早急に詰めていただきたい、このようにお願いし、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  19. 加藤修一

    ○加藤修一君 公明党の加藤修一でございます。  私は、まず最初に、提出者の皆さんに、大変な中懸命にやってきていただいたことについては心から敬意を表したいと思いますが、ただ、審議在り方については非常に不満を持っております。次の点を指摘をしておきたいと思います。  百五十日間の国会審議のロードマップ、この作成と運営は与党に委ねられていると。会期末において慌ただしい審議の無理強いは議会制民主主義をないがしろにするものであり、与党民主党に反省を求めたいと思います。  第二に、環境委員長の趣旨説明には次のような文言がございます。  この事故では、中間省きますけれども、我が国の原子力に関する行政についての問題点が次々と明らかとなり、国内外の信頼は大きく損なわれました、今回の事故の深い反省に立ち、このような事故を二度と起こさないためにも、また、損なわれた信頼を回復するためにも、原子力の安全に関する行政の体系の再構築が喫緊の課題であると、このように書かれているわけでありますけれども、多少の違和感を私は感じます。やはり信頼の回復を求めていくためには、真摯な審議が極めて重要でないかなと思ってございます。  それから第三に、政府案は重要広範でありました。本院においては、衆議院提出法案、衆法でありますが、現在のところ、連合審査も参考人招致も想定されておりません。重要広範に係る法案審査において前代未聞のことではないかと、そのように考えておりまして、参議院はそのような審議に追いやられているわけでありまして、こういった面については、やはり私は反省をしなければいけない部分でないかなと思っております。  第四に、審議中、本案提出者の衆議院環境委員長が長時間不在でありました。これは参議院の軽視との指摘がありましたが、二度とこのようなぶざまな委員会運営にならないように、衆議院側に留意を求めたいと思います。  第五に、短時間の審議ではありますが、附帯決議においても参議院意思をより明確にしなければいけないと、このように考えております。  第六には、国会事故調の成果、この成果に対しては誠意ある国会の対応が必要であること、そして、本法の成立後、直ちに国会はその行動を明確に見えるようにすべきであると、このように思います。  それから最後になりますが、これは私が何回か要求しております広瀬研吉参考人の関係でございますが、いまだこれは呼ぶことができておりません。二大政党が反対しているということでございまして、誠意ある対応を求めたいと思います。  この広瀬研吉氏は、二〇〇六年の段階でありますけれども、安全基準ということについて、国の原子力防災指針の見直しに安全委員会が着手したときに、臨界事故、これは茨城県東海村の話でありますけれども、それを受けてせっかく防災体制がまとまった、なぜ寝た子を起こすんだと厳しい口調で批判し、原発から半径三から五キロに予防防護措置区域を設定するなど、極めて国際機関が推奨している内容についての導入を安全委員会はやろうとしたわけでありますけれども、これは結果的に導入することができなかったわけであります。  原子力安全委員会の話によりますと、六年前の段階でもう少しこういうことについて踏み込んで防災指針が改定されていたならば、今回の事故において軽減ということが十分考えられたと、そういう話でありました。  広瀬研吉氏は、原子力安全委員会の事務局長もやり、それからまた安全・保安院の院長もやった、そういった意味では原子力行政に極めて深く通暁している方でありまして、そういった意味では、今申し上げましたような形で非常に圧力を掛けて原子力行政をゆがめたという可能性が十分考えられます。そういった意味では、趣旨説明の中にありますように、信頼を回復するということであるならば、こういうことを行ったと思われている人物を呼んで、しっかりとここは真相究明を含めてやっていくべきでないかなと、このように思っている次第であります。  以上、二度とこのような拙速、窮屈な審議を行うべきでないことを指摘し、確認をしたいと思います。  委員長におかれましては、今後の委員会の適正な審議を目指して十分に配慮することをお願いを申し上げる次第です。
  20. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 加藤委員の御指摘、ごもっともだと考えております。しかしながら、会期末二十一日に迫る中で、参議院で十分な審議時間を確保するためにはやむを得なかったと考えております。  御指摘のとおり、今後、十分な委員会運営に努めてまいりたいと思っておりますので、また御指導よろしくお願いします。
  21. 加藤修一

    ○加藤修一君 それでは、昨日も質疑いたしましたが、改めて四十年ルールについて質問をしたいと思います。  私が聞いている限りにおいては、自民党田中環境委員会理事、今日は委員長代理でございますが、四十年を延ばせばいいとは自民党は一切言っていないと。この確認でございます。どうでしょうか。
  22. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 党としては、今回、議員立法提出した時点で、その四十年については、はっきり言って、新たなる規制委員会ができた後に委ねられるべきであるという見解をしておりました。ただ、当然、民主、自民、公明三者の協議の中でございますので、私たちもこの四十年のルールについて一定評価をさせていただき、このような委員長提案に至ったと、こういうことでございます。  ただ、重ねて申し上げますけれど、プラス二十年も含めていろんな議論はありますけれど、私たちは、新たなる委員会がつくり上げられた後に委員会皆様方のまさしく専門性をもって判断をしていただくことがベターだと、このように思っておるところでございます。  以上でございます。
  23. 加藤修一

    ○加藤修一君 私は、そこは見直しの中で四十年ルールが撤回することがあってはいけない、このことを指摘しておきたいと思います。  また、先ほど冒頭で田中委員長代理は、今回の三・一一の大事故というのは津波によって起こったと、そういうふうに言いました。これは、まだ原因究明という点では確定していないように私は理解しておりますので、確定したという話でしょうか。そこをちょっと、言葉じりをつかまえているわけじゃなくて、そのままになっていると議事録に残りますので、是非よろしくお願いいたします。
  24. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 三・一一の震災があり地震が起こった中に、まさしく未曽有の巨大な津波が起こったことは事実でございます。ただ、事実、どのようなことであれだけの原子力発電所事故になったかということは、今ありとあらゆる角度から専門家皆さんがいろいろと検証しておられますので、そのことを重んじて、私たちもその結果を承って今後の活動に供していきたいと思っております。先生の思いと同じだと認識しております。
  25. 加藤修一

    ○加藤修一君 確定はしていないという理解でよろしいですね。  うなずいておりますので、縦にうなずいておりますので、よろしくお願いします。  それで、この四十年ルールの関係でありますけれども、私は、昨日の大臣お話、非常に共有するところが多々あるということで考えております。政策的な判断というのは当然あるんでしょうけれども、科学的な判断説明があったとおりだと思っております。  つまり、一つは、やはりドイツが三十二年ということで、まあ法律で定めているかどうかは別にしても、これは平均三十二年の運転に相当する総発電量、又は炉ごとに定められた運転停止時期による制限ということになっておりますし、あるいはアメリカは、これは四十年ということで法律で定められていると。  それから、大臣から話がありましたように、原子炉の劣化、シュラウドの関係とか圧力容器の関係で、中性子の脆化、それによって四十年が今までの中では一番大事なところに来る、極めて厳しい段階に入ってくるということでありますので、これも、手元に全国の今の全五十基の関係の資料がありますけれども、この中を見ていっても、やはりそういう脆化の温度を含めて、四十年を過ぎると上昇してきていると、そういう話でありますので、まさに大臣のおっしゃったことが一つの根拠になり得るなと私は思っております。  それから、電気コードは総延長で相当、数千キロだという話もあったりするわけでありますけれども、ただ、配管の方は総延長で百二十キロ、あるいは五万本と。この保守点検が本当に綿密に行われる、あるいは非破壊検査ということがしっかりと行われる、そういうシステムというのがつくられているかどうかについてはまだまだ途上にあるというふうに言われております。  あるいは応力腐食割れの問題についても、これは実験成果でありますけれども、三十年で一ミリ程度のひび割れが入るということを考えてまいりますと、確かに原子炉は劣化していくわけでありますので、それに対してどう対応するかということが極めて重要だと思っておりますし、それから、仮に寿命が四十年というふうに考えた場合に、更に運転が可能かもしれないけれども、少し余裕を残すと。そういう意味では、私は、予防的取組方法という、この危険社会の中にあってそういう新しい原則ということもあるわけでありますので、危険極まりないというふうに指摘され始めた原発については、そういう予防的取組方法ということについてもやはりしっかりと考え方を入れていくことが大事ではないかなと思います。  見直しをするならば、私は、少なくとも今後十年あるいは二十年間ぐらいは四十年という法定でやっていって、それであとをまた決めていくということも一つの考え方としてあり得るのではないかなと、そう思っております。  それから、趣旨説明の中で、いわゆる国内外の信頼は大きく損なわれましたと、このように書いてあります。そういった意味では国際社会に対しても大きな迷惑を掛けたという話でありまして、そういう意味では、これは災害列島日本、災害国家日本というふうにも言っていいわけでありますけれども、ハイリスク国家であるというふうに、災害の面でいうと言うことが私はできると思うんですね。そういう意味では、日本の国際的責務として、原発に対してやはり慎重に対処しなければいけないということに私はなってくると思います。  昨年でありますけれども、国連の事務総長潘さんは、チェルノブイリの原発事故から二十五年を迎えた昨年の四月でありますけれども、現地を訪問し、そこで次のようなことを発言しております。今後、原子力安全性には核兵器に対するのと同じ真剣さを持って取り組まなければならないというふうに発言しておりますように、こういった面についても、やっぱり四十年ルールということについてもつながりが私はあると思っております。  それから、今、ブラジルでリオ・プラス20国際会議が開催されているわけでありますけれども、その中の一つのテーマはグリーン経済ということであります。  私は、原発核廃棄物の最終処分が決まっていないと、先日の環境委員会でも、産廃のマニフェスト制度、これを完結していないのは原発の関係であると、そういう指摘をさせていただきましたけれども、普通、産廃などが敷地の中に山積みされておりますと、廃掃法等で極めて厳しく指摘されるわけですよね。それは犯罪行為だという話になってくるわけでありまして、これは、原発から出る核廃棄物については別の法律で進められているわけでありますけれども、しかし、そこをしっかりと最後の処理、処分の段階まで明確にしていないというのは、これはいかがなものかと。いかがなものかどころか、やはり世代間の倫理の問題、世代間の公平性の問題等を考えてまいりますと、まさに未来社会に対する、あるいは未来世代に対する負の遺産をまき散らかしていると、そういうふうに言わなければならないわけでありますので、それに係る原子炉の寿命の関係についても、やはり私は抑えに抑えるべきであると、そのように考えてございます。  それから、これだけの大事故を起こしたわけでありますので、やはり国内外に自省ですね、日本という国が自省を示す、反省を示すと、そういうことがやはりなければいけないのではないかなと私は考えております。ドイツはこの事故が起こったときに原発を全部止めたというふうに聞いております。決めた基準というのは福島基準だと、そういうふうに言っているわけでありますので、そういう観点を考えてまいりますと、四十年ルールということについてもしっかりと対応していくことが大事であると、改めて私は強調しておきたいと思います。  それから、科学的判断が必ずしも十分整っていないのではないかという、そういう指摘もありますけれども、私は、日本学術会議、せんだって新聞に載っておりましたが、これは核のごみの関係であります。  核のごみ、地層処分は無理だと、そういう発表でありますけれども、その中で、原子力工学や地質学、歴史、社会、経済など様々な分野研究者で検討委員会組織し、議論を続けてきたと。しかしながら、将来世代にごみを送り続けるのは現代人のエゴだと、未来の人間の知恵にすがらなければ最終的な決定ができないと我々の限界を認めなければいけないと。それから、脱原発を進めても核のごみ問題の議論は避けられないというふうに発言があったようでありますけれども、やはり段階的に縮小し、核の廃棄物が増えないようにどう努力するかということが極めて私は重要だと思っています。  確かに、脱原発やったからといって今まで積み上げられた核の廃棄物が一瞬にしてなくなるわけじゃないわけでありますけれども、いずれにしても、こういうことを含めて、しっかりと見直しの関係では改めて四十年ルールについては残すと、そういう方向でやるべきであることを再度また主張をさせていただきたいと思います。  それで、私が更に言いたいことは何かといいますと、今、日本学術会議の話を申し上げました。私は、大臣に是非こういった点について検討していただきたいということの一つは、テクノロジーアセスメントの関係であります。  先ほど、技術だけの話ではないと。昨日も申し上げました、倫理の問題とか社会の問題とか。社会に対してどういう影響をこのテクノロジーがもたらすのかと、そういった面については十分判断をしなければいけないという意味では、文部科学省もテクノロジーアセスメントの関係についてはそれなりの勉強はしていると思いますけれども、原子力行政の中でこういった面についての関係について実施をするという方向性というのはまだ私は見えていないと思っておりますので、是非こういった面、例えば安全性と社会的需要、あるいは廃棄物と使用済燃料の管理、三番目としては核不拡散、核セキュリティー、こういう大きな三つの課題の関係について、テクノロジーアセスメントという、そういった新しい評価の分析方法によってしっかりと一つ一つの分析成果を交えながら議論の大きな素材にしていく、こういうことが私は非常に大事ではないかなと思っておりますけれども、是非そういった面についても積極的な対応をお願いしたいと思っています。どうでしょうか。
  26. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 非常に重要な御指摘をいただいたというふうに思います。  新しく設立をされます原子力規制委員会というのは、五人の委員の方がしっかりと独立をして様々なことを検討していただくということでありますから、どういった形でテクノロジーアセスメントというものを取り入れていくかというのは、まさにその方々の判断になろうかというふうに思います。  ただ、これは政府全体として心しなければならないというふうに思いますのは、狭い意味での安全、すなわち原発の、例えば特定の原子力発電所の中の特定の何号機というものの、それこそ脆化とか、メカも含めて、この安全性だけに目をとらわれて物事を決めていくというレベルはもう絶対に超えていかなければならないというふうに思います。  そのときに大事なことは、再稼働も含めて社会がそれを受け入れることが可能なのかどうかという、社会全体に対するやはり理解というのも不可欠だろうというふうに思います。また、廃棄物や使用済燃料がこれからどう扱われるのかということについての本当の意味での、先ほど廃棄物のマニフェストの話をされましたけれども、それはまさに一体のものでありますから、トータルな意味でどう判断していくのかという視点も欠かすことができないと思います。  そして、恐らくこれからの視点の中で極めて重要性を増してくるのは、今加藤委員も御指摘をされたセーフティー、セキュリティー、セーフガード、こうしたテーマというのは極めて重要でありまして、それを国際的にどのように考えていくのかという視点なしにこれから原子力規制というのはあり得ないだろうというふうに思います。  この原子力規制委員会の中でスリーSが一元化をするということが、これは歴史的に極めて大きなことだと思います。方向性として出ましたので、そこも含めたトータルな全体の判断がなされるべきがまさに原子力規制委員会というものであると私は考えております。
  27. 加藤修一

    ○加藤修一君 いずれにしても、テクノロジーアセスメントの関係も含めて幅広の議論を進めて、政府がおっしゃっているように脱原発依存、それを明確に指し示すようにしていただきたいと思います。  それでは次に、原子力規制委員会設置法案の関係でありますけれども、これは確立された国際基準という文言がございます。これは目的の第一条でありますけれども、確立された国際的な基準を踏まえて、様々ないわゆる原子力利用ということになりますか、そういったことを行うと同時に、実施する事務を一元的につかさどるとともに云々と、そして最終的に、こういうことを含めて、もって国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的とすると。ですから、確立された国際的な基準を踏まえてという、その中身が非常に問題になってくると私は思っております。  それからもう一つは、同じように、これは原子力基本法の一部改正にございますが、これも同じように、二条ですか、二条の第二項で、安全性の確保については、確立された国際的な基準を踏まえ、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全並びに我が国の安全保障に資することを目的として行うものとするということで、この確立された国際的な基準ということが非常に私は重要になってくると思うんですね。  この辺についてはどのようにお考えか、よろしくお願いをいたします。
  28. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) お尋ねのこの確立された国際基準というのは、本法案ではIAEA基準がその代表であると思われていると思いますが、ICRP、国際放射線防護委員会の出す線量限度などの基準値を含めた規制の考え方の勧告についても、他国においても放射線防護の基礎として規制等に利用されているという、こういう現状からしても、やはり御指摘の確立された国際基準一つであると考えております。
  29. 加藤修一

    ○加藤修一君 このICRPの関係でありますけれども、これについてはいろんな議論が最近あるということなんですね。原子力推進している諸国は大体ICRPの基準にのっとっているわけでありますけれども、ここのICRP、これは低線量被曝については過小評価、あるいは内部被曝の無視あるいは軽視をしている、これは国際的な議論になっていることは確かだと思うんですね。  一九九七年に設立されましたECRR、欧州放射線リスク委員会においては、二〇〇三年に勧告、あるいは二〇一〇年勧告も出しておりますが、ICRPのリスク基準及び組織の性格を科学的、体系的に批判し、低線量被曝、内部被曝に関する新たな提言を世界中に呼びかけているわけでありますが、欧州各国を始め、この勧告に沿ってこれまでの放射線評価、被曝対策、あるいは原子力政策が見直しされてきているということも聞いているところなんですけれども、この辺についての見解はどういう内容をお持ちでしょうか。
  30. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 加藤委員、どなたに。
  31. 加藤修一

    ○加藤修一君 大臣お願いします。
  32. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 失礼いたしました。  先ほど江田先生の方からも御答弁がありましたとおり、ここで書かれている確立された国際的な基準というのは、主にはIAEAという、この国際原子力機関の様々な考え方をできるだけしっかりと取り入れていくという、そういうふうに私どもも受け止めております。  ICRPなんですが、私もかなりの報告書は読んでおりまして、実はそこで書かれている内容というのは、非常に幅のある様々な見解を取り入れた、私は、いろんな学者が入った中で出てきた一つのコンセンサスの文章という取り方をしております。ですから、逆に言いますと、実はICRPの基準というのは非常に厳し過ぎると言う方もいらっしゃるんです。私もそういう方からも話を聞いたことがあります。逆に、ECRRのように低線量も含めてこれはむしろ緩過ぎるという、そういう御批判もあります。ただ、あえて国際的なコンセンサスが何かということになってくると、やはりICRPのこの考え方というのは参考になるのではないかというふうに考えております。  いずれにしても、ただ、ICRPの様々な考え方を取り入れるにしても、放射線防護の考え方から、できる限り被曝量を減らしていくというのが取るべき方法だということでありますから、もちろん除染というのが重要になってまいりますので、食品も含めて、できる限り線量を下げることによって外部被曝も内部被曝も減らしていくという取組は政府として責任を持ってやっていかなければならないと考えております。
  33. 加藤修一

    ○加藤修一君 ただ、私は、こういう二つの委員会といいますか、組織の中で相当の論争があるということ、それから、ECRRですか、その勧告に従って少しずつ変えてきている国も散見することができるということを考えていくならば、私は、無造作に排斥をするということがあってはいけないと思います。  私は、やはりこの放射線の影響の関係については、確定的な影響は分かりやすいでしょうけれども、確率的な影響というのはなかなかすぐには分からない部分も相当数あるわけでありますので、こういった面については私は精査をしっかりとやっていくべきであると、このように考えておりますけれども、その辺についての御見解を両者、よろしくお願いいたします。
  34. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ICRPの取っている考え方の中で最も典型的なものとして、LNT仮説というのがあります。これは、疫学的には百ミリシーベルト以上についてはがんの発生率が大体成人の場合で〇・五%ぐらい上がるのではないかという、そういうデータが出てきている中において、百ミリ以下については疫学的なそういう結果というのは出てきていない。それは、他のがんのリスクに隠れる形になりますので、これまでの知見においては顕在化をしていないという、こういう状態なわけです。その中で、ただ、百ミリ以下についても放射線防護の観点から影響があるであろうという仮定に基づいて比例をさせて、そして下げていくことが望ましいという、こういう考え方であります。  そこで、果たしてこのLNT仮説が正しいかどうかも含めて、そこは我が国がこれだけの大規模な事故を起こしていますので、しっかりと検証していく必要があるというふうに思っております。それは福島皆さんに寄り添うことでもあるわけですね。今、県民健康管理調査というのをやっておりますが、できる限り全ての皆さんにできれば入っていただいて疫学的なデータをきっちり取っていく、そして健康被害が出ないような医療体制もつくることによって福島皆さんの不安を取り除いていくと、このことが極めて重要だというふうに思います。  そして、その中で出てきているデータについては、我が国だけでそれを生かしていくということではなくて、国際的な様々なそれこそ共有というのもしていく中で、ICRPの考え方が果たしてどうなのかということも含めて検証をしていただくことが私は日本の責任でもあるというふうに考えております。
  35. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) 今御指摘のこの問題というのは大変重要だと思います。立法府としても、そこに国際的な基準にのっとってということで規定しておりますので。ただし、その国際的基準がどこまでかということに関しては、今大臣も申し上げられたように、適切な評価をしていく必要がこれはあると思っております。  これからしっかりと検討していく、それは運用の面では規制委員会がこれに基づいて実施していくことになるわけでございますが、規制委員会においてもそういう国際的基準、確立された国際基準の適正な判断をしっかりと踏まえてやっていただきたい、そのように思います。
  36. 加藤修一

    ○加藤修一君 いずれにしても、精査をしっかりやって人類社会に貢献できるような内容とすることが大事だと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。  それで、吉野環境委員長代理にお尋ねをしたいと思います。  昨日、この見直しの関係で、三年以内にやるという話がありました。それで、この法案が成立後三か月からその見直しの期間に入っていくという話でありますが、再三再四出す話でありますけれども、事故調の成果も出てくるということであります。そういった意味では、国会で法律によって設置した国会事故調のアウトプットをどのようにこの見直しに反映させるかというのは極めて重要な話で、それは国会の大きな責任でも当然あるわけですよね。  私は、その見直しの関係については見えるようにやってほしいと。そういう意味では、見直しの検討チームとかそういうのを超党派でつくることを含めて、そういうのを考えるべきじゃないか、そういうことを設置することが大事だと、そうすることがやはり国会事故調に対する見直しの反映ということについての見える行動として示すことができるんではないかなと、そんなふうに考えておりますので、何らかの組織設置して可及速やかにやっていく、こういうことが大事だと思っていますけれども、その辺についての見解をお願いいたします。
  37. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) 加藤先生から重要な御指摘いただきました。私たち法案では三年以内に見直すということを書かせていただきました。ただ、どういう組織、どういう仕組みで見直すかというところまでは言及していないところでございます。  今、加藤先生から、見える形で、それも超党派でという御提案がございましたので、私たちはそれを十分検討して、そのような方向で見直しをするための機関をつくっていきたい、このように思っておるところであります。(発言する者あり)
  38. 加藤修一

    ○加藤修一君 今そういう話が飛んできておりますけれども、三党だけではいけないというふうに私も当然考えております。  いずれにしても、見える形でどうやるかというのが非常に大事なわけで、三年以内というふうに書いてありますけれども、これ、黙っているといつになるか、三年近くになってからようやっと腰を上げるという話にもなりかねないというふうに私は思っております。  杞憂かもしれませんが、そういうふうに思っておりますので、今申し上げたそういった提案も含めて、しっかりと見える形、それでやっていただくことを強く要請いたします。見える形ということについて、ちょっと答弁お願いいたします。
  39. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) おっしゃるとおりだと思います。見える形できちんと、これが国民信頼を得るためには私は大事な要素だと思っておりますので、是非見える形で検討をする組織、これも超党派で設けていくような形で考えているところであります。  以上です。
  40. 加藤修一

    ○加藤修一君 次に、原子力委員会の役割ということなんですけれども、これは政府が度々おっしゃっているように脱原発依存ということでありますので、原子力委員会の役割あるいは中身については、これは改革すべきでないかなと、このように考えておりますけれども、どのようにお考えでしょうか。
  41. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) お答え申し上げます。  原子力委員会には原子の研究、開発及び利用に関することを担わせることとして、今度新しく設定されます原子力規制委員会には原子力利用における安全の確保に関することということで、役割の分担をさせていただいておるところでございますが、さらに、これまであった原子力委員会が機能を高め、安全性を高めていくためにも、この国会の中で超党派でしっかりと議論をしていきたい、政治の責任で役割を更に高めていきたいというふうに考えております。
  42. 加藤修一

    ○加藤修一君 極めて抽象的なんですけれども、具体的なことを、大臣、その辺はどのようにお考えですか。
  43. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 原子力委員会も、これまで同様、今の役割を全く変えずに果たしていくということではないと思います。まず、核セキュリティーについては、今回の新しい規制組織が誕生することで原子力委員会から移管をするということになりますので、そこについてはしっかりと規制委員会でやっていただくということになろうかと思います。  あとは、原子力委員会は今原子力政策大綱を作っておりまして、これも会議の持ち方をめぐって様々な御意見をいただいておりますが、特にバックエンドの問題などはかなり専門的、技術的な問題を含めた詰めた議論をしなければなりませんので、その議論をする場所としては、原子力委員会というのは非常に大きな意味というのがあるんだろうというふうに思うんです。  したがいまして、その原子力委員会の運営の仕方などについては、既に原子力委員長を含めて問題意識を持っていただいておりますので、検討をしながら、まずは年内の原子力政策大綱は策定をして、その後、原子力委員会をどのようにしていくのかというのは、もちろん政府内でもいろんなことを考えていかなければならないというふうに思いますが、各党各会派、国会での御議論というのもしっかりと耳を傾けて判断をしていく必要があると考えております。
  44. 加藤修一

    ○加藤修一君 いずれにしても、改革をしなければいけないところは多々ございますので、是非そういった面についてよろしくお願いしたいと思います。  それから、原子力防災会議の関係でありますけれども、この会議は何のために設置されて、どのような仕事をするというふうに考えたらよろしいんでしょうか。まず提出者の方から。
  45. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) この原子力防災会議というのは、緊急時においては、政府の対応として様々な関係機関との調整を行うのは原子力災害対策本部がございます。しかし、平時においては、これはその組織はなかったわけで、緊急時において今回起こったような対応を的確にやっていくためには、平時からの対応がどうしても必要であると。それがなされていなかったゆえに、また不十分であったがゆえに、今回のような事故が大変に大きなものとなったとも考えられております。したがって、平時における組織というものをつくるがために、この原子力防災会議というのをつくったところでございます。  この原子力防災会議の仕事としましては、原子力安全委員会が策定する防災対策指針にのっとって様々な原子力防災のための実施をしていくことになりますが、その任務をこの原子力防災会議が負うと。しかし、あくまで、平時におけるオフサイトにおいても、科学的な、技術的な、そういう判断においてはこの規制委員会がそれを判断し、それを助言していくと。  こういうふうに明確に区別されたところであり、原子力規制委員会と、それと原子力防災会議とは密接に連携をしていかなければならないけれども、そこには独立性がちゃんと担保されている、そういうような位置付けでございます。
  46. 加藤修一

    ○加藤修一君 これ、本部長は総理でありますけれども、副本部長、副議長になりますか、は環境大臣規制委員長なんかが入ってくるわけですけれども、これはなぜ環境大臣という話なんですか。私は、より的確な名前としては防災大臣が入るべきでありまして、環境大臣というのが突然出てくるというのは、細野さんが突然出てくるような話になっちゃうんですよね。これは分かりづらい、極めて不自然な話だと思いますけれども、私は、防災大臣をここに入れるべきである、環境大臣が入ってくるのは理解できないなという思いでおりますけれども、この辺についてはどういう仕組みを考えて、環境大臣でなければいけないという話にどうしてなるんですか。
  47. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 環境省は、今回の法改正におきまして、放射性物質を取り扱わないという、そういう規定を変えます。したがいまして、除染福島皆さんの健康管理、放射性物質に対する健康の問題を含めて様々な対応をし得るような法的な整備をしていただきます。したがいまして、その意味で、政府全体で原子力防災会議という形で備える場合に事務局機能を担い得るというのがまず一つの理由であります。  そして、二つ目の理由といたしまして、これはどちらかというと消極的な理由でありますけれども、いわゆる防災というものと原子力の災害というのは性質が全く異なります。  昨年、私、原発事故経験をしましたが、災害対策本部がやっていたことと原子力災害対策本部がやっていたことは全く異なります。前者がやっていたことは、それこそ避難をしていただいて、そして食料を配ったり、またしばらくしたら仮設住宅を建てるなどの対策をずっと継続してやっていました。一方で、原災本部の方でやっていたのは、線量についての様々な基準を作ったり、またそれを皆さんに御説明をしたりということにほとんどの時間を費やしていて、これ質的に異なるわけですね。  特に、我が国は昨年大きな原発事故経験をしましたので、その備えは相当集中的にやらなければなりませんので、その専門的な、少なくともスタッフも含めて体制をつくれるという意味環境大臣が望ましいのではないかと考えたのが二つ目の理由です。  そして、三つ目の理由は、先ほど江田委員もおっしゃいましたが、連携の強化です。やはり、原子力規制委員会、オンサイトで様々なことを決めていく、オフサイトについても考え方を示すこの原子力規制委員会と、そして防災会議というのは密接にこれは連携をしなければなりません。これも事故の教訓です。  そのことを考えた場合、私が若干心配をしておりますのは、三条委員会として独立をしたこの規制委員会と、そして内閣府の下に置かれる防災会議というのは位置付けは全く異なりますから、本当に密接に連携できるんだろうかというところにあるわけですね。私ども政府案は、それは元々一緒にやった方がいいだろうということで、規制庁ということで一体とした行政組織を考えておったんですが、これでは、それこそ規制委員会で全部やるということになってまいりますと、独立をしていますから政府全体で対応できないということで防災会議は分けたという、こういう経緯がございます。  したがいまして、環境大臣は、防災会議については直接的な様々な関与ができます。そして原子力規制委員会については、独立をしていますから中身には関与はできませんけれども、実際は環境省というところに置かれますので、例えば、予算の要求は少なくとも形式的に環境大臣が財政法上やらなければならなかったり、様々な取組について、オフサイトでやることを反映をしてオンサイトでこういうことが必要なんではないかというような話は委員長との間ではできると思うんです。ですから、そのつなぎ役もやるという意味では、私は、環境大臣というポジションが最もその役としてふさわしいのではないかと考えております。
  48. 加藤修一

    ○加藤修一君 今、大臣からお話を伺ったんですけれども、決してすとんと落ちる話じゃないと。今日は時間がないからあれですけれども、明日時間がありますのでまた取り上げたいと思いますが、これは事務局長に環境大臣がなるわけですよね、事務局長に。それから、そこに職員がいるわけですけれども、職員はどこから何人来るかという話も、これは非常に関心事であります。それから、原子力基本法の一部改正、この中には、一つ原子力規制委員会が入ってまいります、もう一つ原子力防災会議がこの原子力基本法の中で位置付けられていると。先ほど若干話がありましたけれども、力関係というのはどうなるかというのは非常に我々は注目しているところなんですね。  そういった面も含めて、明日時間があれば、こういった面についても是非質問をさせていただきたいと思います。  時間が参りましたので、終わります。
  49. 水野賢一

    ○水野賢一君 みんなの党の水野賢一です。  今度できる原子力規制委員会は非常に独立性の高い委員会になるわけですよね。だからこそ、昨日からの質疑の中でも、それに対して、独立性が高過ぎて暴走しちゃうんじゃないかという議論がある一方で、まだまだ独立性不十分じゃないかという声もあるわけですが、いずれにせよ、現状に比べれば独立性が高まること自体は事実なわけですね。  そうすると、じゃ、その委員の人たちがどういう人選になるのかということが極めて重要になるわけでして、その人選に当たっては、昨日の質疑を聞いていると、原子力規制委員に就任できる人、できない人ということについてガイドラインを作るというふうにおっしゃっていたわけですね。  法案を見ると、法文の中ではこれ第七条ですか、第七条の中に、何か禁錮刑以上の人とか、破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者とか、そのほか原子力のいろんな関係のある人、駄目と書いてあるわけですが、そういうことだけじゃなくて、多分それを補足するという意味でガイドライン作るという話なんでしょうが、ガイドライン、どこが作るんですか、提案者
  50. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) 御指摘いただきましたガイドラインにつきましては、内閣官房においてこれを作るということでございます。
  51. 水野賢一

    ○水野賢一君 結局、だから政府が作るわけですよね。つまり、これは政府が作るわけだけれども、政府が勝手に今から作っちゃ困るわけであって、そうすると、じゃ、細野さんでいいですけれども、細野大臣、このガイドラインというのはどういうようなものになりそうなのかということは、政府が作るわけですからちょっとお聞きしたいと思いますけれども、どんな内容でいつごろ作るんでしょうか。
  52. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今まだ国会審議中でありますから、通していただいた後にガイドラインについては検討しなければならないというふうに思います。  できるだけしっかりとした組織をつくるためには、委員そのものの任命についても余り時間を掛けずに任命させていただいて、そして準備を始める必要があります。ですから、ガイドラインはその委員を選ぶガイドラインですから、その前にお示しをするということになろうかと思います。
  53. 水野賢一

    ○水野賢一君 しかし、早急に作るという中で、政府が作るときに、これ自体議員立法なわけですから、立法者の意思というものがある程度反映していてもらわなきゃ困るわけであって。これ、そもそもそんなガイドライン作るなんということを法文上どこか規定されているんですか。これは提案者に聞きたいですけど。
  54. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) 特に明確な規定はないわけでありますが、この間、大臣答弁等々、また、やはりこの法案の趣旨としても、一条のところの目的を達するために、また全体ではきちっと中立性が保たれる、そういう仕組みの中でこの法案ができているわけでありますから、そういう必要性協議の中では考えてきたということであります。
  55. 水野賢一

    ○水野賢一君 要は、今答弁にあったように、明文的にそんなガイドラインを作るなんという規定はないわけですよね。法案にないものを後から政府が勝手な基準で作られちゃ困るというふうに思いますけど。  じゃ、提案者に聞きたいですけど、そのガイドラインのラインというのはどの程度になるのか、やっぱり立法者の意思として示しておく必要があると思うんですよね。だから、昨日の国会答弁でも生方衆議院環境委員長が、原子力村にかつて属してどっぷりつかった人たち委員になる、委員長になるということは考えられないというふうにおっしゃっていますよね。  そうすると、それ自体は結構なことなんですが、要は、この法案の七条にもいろいろと書いてあることというのは、つまり原子力関係者たちは駄目よみたいなことは確かに書いてあるんですけど、これを見ると、法文だけ見ると現在のことのように見えるんですけど、これは現在だけじゃなくて過去もそれに準ずるという、法文上は現在だけのことを書いているように見えるけれども、過去も準ずるという理解でよろしいんでしょうか。  誰でもいいですよ、提案者ですから。お見合いしないで、お願いします、早く。あれだったら止めてください。
  56. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  57. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 速記を起こしてください。
  58. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) 済みません、遅くなりました。  準ずるということでございます。
  59. 水野賢一

    ○水野賢一君 分かりました。  それで、一方で、この法案の九条には原子力規制委員会委員が罷免される場合も書いてありますよね。これは要するに、職務の義務違反とか心身の故障のためというようなときは、これは国会同意人事だから、国会で一回同意したものは国会の了承も得た上で罷免というふうになっていますが、その九条の一項の方ですね、九条の一項の方を見ると、七条七項各号のいずれかに該当するときはこれを罷免しなければならないというように、国会同意のことは書いてないんですよね。要は、もっと分かりやすく言うと、そうすると、原子力規制委員の人が同時に後から例えば東電とか、まあ東電じゃなくてもいいんだけれども、電力会社の顧問とかになってお金をもらうようなことがあったらもう即罷免と、九条一項の方で罷免できるという、そういう理解でよろしいですか。
  60. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) 法の組立てといたしましては欠格事由に該当するときということでございます。
  61. 水野賢一

    ○水野賢一君 だから、今までの質疑からすると、例えば、当然、委員が、規制委員がですよ、東京電力の顧問みたいなことになって顧問料をもらうみたいになったら欠格事由に該当すると思いますよね、普通、どう見ても。そうすると、そういうときは国会承認とかを得ずもう即罷免できるという、そういう理解でよろしいですか。
  62. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) 今、水野委員が御指摘になったところは、書き込まれた欠格事由ということ、欠格事由の中に原子力事業者などやその役員、その従業員、欠格事業者などの団体の役員、その従業員ということで書かれているわけでありますが、両議院の同意を得て罷免が可能だということだと。
  63. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、それ、ちょっと細かい話で申し訳ないけれども、今、近藤さんは九条二項の方の、つまり両議院の同意を得て罷免という方で読んだけれども、欠格事由に該当したんだから、一項の方の同意人事になくても罷免できるんじゃないですか、どうなんですか。
  64. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) 失礼しました。  今の水野議員指摘なさったところは九条の二項に該当するということで、両議院の同意を得て罷免可能だということであります。
  65. 水野賢一

    ○水野賢一君 ちょっと、余り細かい話なので、後でまた整理させていただければと思いますが、あしたも質疑ありますからあしたも伺いますが、要は何を言いたいかというと、これだけ原子力村との関係を絶たなきゃいけないという話をしている中で、今まで絶てていなかったということがあって、それが今も現在進行形だからこそちょっと質問しているんですが、要するに原子力委員会の方ですね、今度つくる規制委員会じゃなくて、原子力委員会には、今年の三月まで東京電力から毎月百万円ぐらいのお金を顧問料としてもらっていた人が今も原子力委員会の中にいるわけですよね、今日もおいでの尾本さんが。  これ実は、私も不明を恥じるとしか言いようがないんだろうけれども、私自身も、原子力委員会に東電出身者がいるのは知っていたんですけれども、まさか委員でいながら同時並行的に東電から顧問料を同時にもらっているなんていうことは夢にも思わなかったですから、そんなことが行われているとは夢にも思わなかったんだけれども、どうもそういう話なんで、この前、四月十七日の環境委員会尾本さんを呼んで質問したら、去年の三・一一以降も今年の三月まで顧問料を受け取ったと本人が認めているわけなんですね。  細野大臣、これ、そういう質疑のときは細野大臣委員会出席していらっしゃいましたから、その質疑は聞いていらっしゃったと思いますけれども、大臣御自身はそれ以前から、その質疑のときに尾本さんが認めた前から、この尾本委員が顧問料を東電からずっと震災以降も、原発事故以降ももらい続けていることは、これは御存じだったですか。
  66. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そのことは知りませんでした。一方で、ちょっと私も過去をひもといて見てみたんですけれども、御指摘、水野委員から度々いただいておりますので。尾本委員は非常勤なんですね。非常勤の人の場合はほかから報酬を得ることを完全に否定をできませんので、皆さん生活がありますから、それを認めているわけです。そして、尾本委員原子力委員に就くときに、肩書として東電顧問というのを出して国会承認をいただいたという経緯があるようなんです。  そこは給料をもらっているのかどうかとかいうまで全部書かれているわけではないんですけれども、東電顧問という肩書で非常勤だということは、東京電力からお金をもらっていることもあり得るという推定は当時本当は働かせるべきで、そこは多分私も含めて、余り皆さん、当時は深い関心を持たずにやり過ごしてしまったという面があったんだろうと思うんです。  ですから、国会の同意人事というのは、正直言うとそこまでぎっちりやっていなくて、認められれば後はそのままやれるという仕組みだったということですので、今、水野委員がいろいろと厳しい問題提起をされているのは、我々も、もう時代が変わったんだということをはっきり認識してこれからのことに当たらなければならないのではないかと感じております。
  67. 水野賢一

    ○水野賢一君 だから、私も、最初に同意人事等々あった中で私自身も不明を恥じなきゃいけないというふうに思いますけれども、大臣も、ですからこの質疑なんかの前のときには尾本さんが東電から顧問料をもらっていたということまでは知らなかったという話ですけれども、知った以上、やっぱりそれは原子力を担当する大臣として、いかに何でも、今の話のように非常勤なんだからほかから報酬もらうことはあり得るんだといっても、それが何で東京電力なんだというのは、それは誰もが思う疑問ですよね。  このことは度々議論していますけど、細野大臣は一貫して、大体、気持ちは水野委員が言うことは分かるけれども、そうはいっても、一回国会で同意されている以上、大臣として辞任しろというふうには言えないと、まあそういうお話ですよね。そのことは私は不満ですけど、大臣答弁に対して一定理解はしますけれども、辞任は求められなくても、少なくとも情報開示として、どれだけの金額をどれだけの期間、尾本氏がもらっていたのかとかは、そういう情報開示ぐらいは求めていくことはできるんじゃないですか。そういうことは、大臣原子力委員に対してそういう開示を求めていくのはどうですか。
  68. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 実は、独立した委員会と担当大臣の関係というのは実に悩ましいところがありまして、私もこれまでも悩んできましたし、今も悩みがなかなか解決をしないという面がございます。  かつて、七月、八月辺り、私、五つ委員会を担当していまして、公取も含めて、原子力委員会、原子力安全委員会、食品安全委員会、消費者委員会と、それぞれ個性があるわけです。中身について関与することは求められないけれども、逆に委員会によっては非常に助言を求めてくる委員会もあるわけですね。それをじゃ袖にできるかって、それはできませんので、そういった場合は、政府全体ではこうなので、こういうことを考えてくださいということをサジェスチョンをするというようなこともやってきました。  その中で、今回、原子力規制委員会という非常に独立性の高い重要な委員会ができますので、この担当大臣である私が、原子力委員会には物すごく強く関与するんだけれども、原子力規制委員会とどういう関係にするのかということも含めて言うと、政治的には非常に微妙な問題をはらむということを是非御理解をいただきたいんです。  そこで、少し私は、原子力委員会の中で、そこは何らか運営のガイドラインであるとか公開の仕方であるとか、それをまず議論をしてもらえないだろうかというようなことを今考えております。御不満だと思います。御不満だと思いますが、委員会にどんどこ大臣が介入できるんだという前例を残すことが、必ずしもほかの委員会の関係とか原子力規制委員会との関係で微妙な問題があるということを是非ごしんしゃくいただければ幸いでございます。
  69. 水野賢一

    ○水野賢一君 要するに、私もさっき申し上げたように、まさか現職の原子力委員が同時に東電から毎月毎月顧問料を受け取っていたなんてことは夢にも思っていなかったわけであって、それは多くの人はそうだと思いますよ。  そのときに、だけどそういう例があって、本人が認めているわけだから、もしかすると、これは尾本氏の例がちょっと極端な例かもしれないけど、大なり小なりほかにもやっているんじゃないかというふうに推測を働かせるのはごく自然なことであって、だからこそ、大臣がきっちりと、少なくとも所管している以上、まあそれは独立しているんだから口は出せないというふうに言うかもしれないけれども、ほかの方々のこともちょっと調べるように、原子力委員会とかに、大臣自身が直接調べられなくてもですよ、要請するとか、そういうことは考えられませんか、ほかの人たちのケースなんかも。
  70. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今回、事業者との会議の持ち方をめぐりまして、内閣府の別の部門で様々なことについてしっかりと検証するという作業を始めております。  そういうやり方も含めて、情報開示のことについて原子力委員会の中でどういった検討ができるのか、そこは私ももう一度考えてみたいと思います。考えるときに、私が一存でなかなか決めにくいんです、これは。ですから、委員長ともそこはしっかり話をさせていただいて、委員会としてどういう判断をしていただけるか、そこは私も確認をしてみたいと思います。
  71. 水野賢一

    ○水野賢一君 それで私は別に満足しているわけじゃないけれども、一歩ずつ前進させてもらいたいというふうに思いますが。  そもそも、尾本さん、あなたがまず自発的に、どれだけの期間、毎月幾らもらっていたのか、それ自発的に公表してくださいよ。どうですか。
  72. 尾本彰

    政府参考人尾本彰君) 既に四月の段階で申し上げましたように、私契約のことにかかわるゆえ、その点について触れるのは避けたいと思います。
  73. 水野賢一

    ○水野賢一君 非常識極まりないとしか言いようがないですわね、これは。もう理解に苦しむんだけれども。  じゃ、あなたは原子力委員会の委員と東京電力の顧問を並立していたわけですよね、この二年ぐらい。その間、これは金もらっていたんだから、東京電力のために働いていたんですか。
  74. 尾本彰

    政府参考人尾本彰君) 経緯を少し詳しく申し上げますと、国会同意人事に際しまして、私は東電顧問であるということを明示して審議していただいているというふうに理解しております。  それから、原子力委員に就任したのと、それから東電顧問に就任したのは同時期ではありません。私は元々東京電力で働いていまして、その後、国際原子力機関に行きまして、そこで働きまして、日本で大学に職を得るということの条件で帰国しまして、そして帰国と同時に東電顧問になり、かつ、その十二月に大学に職を得て、そこで働いておりました。その中で、原子力委員になるという話が突然私のところに参りまして、まあ非常に面食らったわけですが、それで原子力委員になりましたのは二〇一〇年の一月からということでございます。  昨日も申し上げましたように、私としては、原子力に関する知見知識経験と国際経験、こういったものを基にして今後とも原子力委員会に貢献してまいりたいと思いますし、それから、これもまた昨日申し上げましたことですが、電気事業者から、とりわけ東京電力から、こういう方向で例えば原子力委員会の会合で発言してほしいとか、そういった要請を受けたことは一度もございません。私は私自身の信念に従って行動をしているわけでございます。
  75. 水野賢一

    ○水野賢一君 顧問になった時期と原子力委員になった時期、就任した時期に数か月ずれがあるのは知っています。だけれども、両方同時並行的に顧問でありなおかつ原子力委員であるという時期は何年間かあるんですよ、現実に。今、話があったけれども、じゃ、金はもらっていたけれども、別に東電のために働いていたわけではないということですね。
  76. 尾本彰

    政府参考人尾本彰君) 東京電力の顧問として一体どういう仕事をしたかということかと思いますが、基本的には私の国際経験を生かして、国際関係、特にアジア周辺諸国との関係、今後、例えばベトナムへの輸出とか、それから、当時はアメリカのサウステキサス・プロジェクト等がございました。そういったところに適宜必要に応じてアドバイスをすると、こういう役割をしていたわけです。  もちろん、三・一一以降は原子炉の安定的な収束について、これは専門家として努力してきたわけで、ここの辺りの事情は細野大臣も十分御存じのところかと思います。
  77. 水野賢一

    ○水野賢一君 東電のためにアドバイスをちょっとする程度の、そんな本格的に働いたわけでもない人間に金を払うぐらいならば、東京電力はそのお金というのは賠償に回すとか、若しくは電気料金を上げるのを抑制するとか、そういうようなことに本来使うべきであって、枝野大臣、これ、東京電力は電気料金値上げ、今申請していますよね、大きい問題になっているわけで。  その前提として、そもそも電気料金って、ある意味では税金と似ているようなところがあって、強制的に取られるんだから、自由化部門は違いますよ、自由化部門は違うけれども、規制部門の、例えば家庭なんかにとっては、これは好むと好まざるとにかかわらず取られちゃうわけですから、使う以上ですね。  そういう意味では税金とやや似ているようなところだってあるわけであって、だからこそ税金の使い道をしっかりしなきゃ、使途を明らかにしなきゃいけないのと同じような意味で、こういうような無駄じゃないかと思うような使い道についてはしっかりと公表させるべきだというふうに思いますし、枝野大臣も、基本的に私も枝野さんがそういうビッグビジネスに対して厳しい視線で、迎合していないんではないかというふうに、その姿勢は評価しますけれども、少なくとも、こういう意味不明な支出について全て公表させるべきじゃないかというふうに、東京電力側にね、どう思いますか、大臣
  78. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 現在、東京電力の値上げ認可申請手続が上がってきておりまして、ここで原価に含まれる費用については、利用者の理解を得る上でも、可能な限り詳細を公開をしてまいりたいと思っております。  なお、尾本委員については、三月三十一日に嘱託社員を退任しておりますので、今回の申請原価には含まれておりませんが、尾本氏と契約形式として同じ嘱託雇用契約を締結している者がほかにもおります。その中には看護師さんみたいなまさに必要と思われるものもありますので、その内容については電気料金審査専門委員会において詳細を検討してもらおうと思っていますし、その中で可能なものは最大限公開をいたさせようと思っております。
  79. 水野賢一

    ○水野賢一君 要は、今まで総括原価方式で、人件費なんかだって結局最終的にコストカットをしなきゃいけないというインセンティブ、東京電力になかったわけだから、だからこういうような無駄金をこういうような顧問に、もしかすると尾本氏の説明と違って、これは原子力委員会でちゃんと東電の利益を図ってもらおうということでやっているんだったら無駄金じゃなかったかもしれないけれども、いずれにせよ、こういうような支出については今後厳しくチェックしてもらいたいというふうに思いますが。  今の議論の中でも、細野大臣答弁の中にも、この尾本氏は、原子力委員会の方の話ですけれども、原子力委員会で常勤じゃないんだという、非常勤なんだからという話がありましたよね。確かに原子力委員会は三名常勤と二名の非常勤がいるんですが、じゃ、ちょっとこれ提案者、生方委員長に聞きますけれども、この原子力規制委員会は五名は常勤なんですか、それとも非常勤あり得るんですか。
  80. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 常勤です。
  81. 水野賢一

    ○水野賢一君 法文上はどこで読むんでしょうか。
  82. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 非常勤という規定が置いていないので常勤というふうに読んでいただきたいと思います。
  83. 水野賢一

    ○水野賢一君 それじゃ、情報公開の話についてもちょっと伺いたいと思うんですが、情報公開、昨日の話を聞いていると、どうも生方さんの話は、開示に対しての情報公開のレベルの話じゃなくて、ホームページなんかで積極的に公表するということに力点を置いて情報公開のことを言っていらっしゃると思うんですよね。だけれども、持っている資料全部ホームページに載せるんですか。そういうことじゃないでしょう、さすがに。ちょっとそこだけ答えてください。
  84. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 基本的には、一般的なことは二十五条において情報の公開ということが書いてございますが、一般の普通の情報公開法というのは、情報を公開しろという要求があって初めてこたえるものであるんですが、私ども、今度の法律の場合は、自ら自分たちが知っている情報国民の知る権利に基づいて知らせなければいけないということはホームページ等においてきちっと公開するというのが原則だということでございます。
  85. 水野賢一

    ○水野賢一君 それは別に大いに結構なことなんですけれども、じゃ、この二十五条で言っているのは、情報公開請求があったときの、そのときに対して普通の場合よりもより公表の度合いを高めるという、そういうことは意味していないんですか。
  86. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 二十五条に書いてあることは、情報公開法に定める不開示情報の要件自体を緩和するものではないということでございます。これは原子力にかかわることですから、国の安全にかかわることでもあるので、公開すべきものでないものは公開しないけれども、それ以外、公開していいものはできる限り公開するという姿勢を示しているものだというふうに考えております。
  87. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、昨日の答弁で、情報開示請求があったときも一般の場合よりは公開のレベルを高めるのが当然だとあなたはおっしゃっているんですよ。それは撤回するんですか、昨日の答弁は。
  88. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 国の安全にかかわることについてはそれは公開しませんが、それ以外については一般的に公開はするべきだというふうに私は考えたというふうに答えております。
  89. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、確かにそれは公開できないものというのはあるんだろうけれども、情報公開法では、国の安全、まあ国家機密みたいなものとか六類型不開示要件というのがあるんですよ。何も国の安全だけじゃないんですよ、いろんな類型があるんですから。そういうような、じゃ、国の安全以外のことに関しては全部公開すると、そういうことでいいですか。
  90. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 国の安全その他いろいろなことも含めて、それは規制委員長判断をして公開するべきものは公開するし、公開しないものは公開しないと、今私がこの場で言えるのはこれぐらいでございます。
  91. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、それじゃ一般論過ぎて全然分からないんであって、どのぐらいふだんのものより公開のレベルが上がるかということを今日までにしっかりと精査して答弁すると、あなた昨日言ったんじゃないですか。
  92. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 私は原子力専門家ではございませんので、基本的なことは原子力規制委員長が、これは公開をした方がいい、あるいは公開をしない方がいいという判断をするんであって、私がこの場でこれは公開をする、これは公開をしないということを言うことはできません。
  93. 水野賢一

    ○水野賢一君 提案者として、法案提案者なんだから、そういう情報公開の規定をしつこいぐらい書いてあるんだから。書いてあるだけじゃ意味がないというのは昨日言ったでしょう。原子力基本法にも公開の原則があるんだけれども、公開されていなかったんだから、もっとだから具体的な、どのぐらい公開するのかということを、具体的なイメージを語ってくださいよ。語ると言ったじゃないですか、昨日。
  94. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 何度も申し上げますが、具体的なことは規制委員長が決めることであって、情報公開のガイドラインについては、二十八条において運営に必要な事項を定めることができるというふうにしておりますので、規制委員会が発足をしてから規制委員長の下に情報公開に関するガイドラインがきちんと定められるものというふうに私は理解しております。
  95. 水野賢一

    ○水野賢一君 そのガイドラインを定めるとどこに書いてあるんですか、法文の。
  96. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) いや、書いてございません。だから、今申し上げましたように、二十八条においてガイドラインを作ることができるというふうに考えておりますので、これは規制委員会が発足をした後にガイドラインを作るというふうに私は理解をいたしております。
  97. 水野賢一

    ○水野賢一君 ここちょっと納得していないんで、後でまたここはやりますけどね。  そもそも、じゃ、情報公開というなら、僕はちょっとさっき非常に疑問に思ったのは、加藤先生の質問の中で、加藤先生の質問というのは、基本的に廃炉の話、四十年廃炉というのは自民党が強く主張していたんじゃないのという、昨日、今日というふうに質問ありましたよね。僕は、その内容以前に驚いたのは、要するに、三党協議に加わっている政党の人でさえ三党協議の修正協議で何を議論されていたのかが、つまりそこにいなかった人には分からないわけですね。ましてをや、我々三党以外の人には分からない。ましてをや、一般国民はこの三党の修正協議というのは何を議論されていたのか分からないわけなんですけれども。  だからこそ、じゃ、近藤さんでいいですけれども、修正協議に参加していたんですから。これ、基本的にできる範囲で、三党の修正協議なるもので何がどう議論されていたのかというのは、これは記録が残っていれば公開されるべきだというふうに思いませんか。
  98. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) 今回、修正協議に当たりましては、環境委員会の理事の中で協議をするという枠組みでありました。大変に申し訳ないんですが、そのことを全ての協議を公開する、また過程を公開するということで開いておりません。ただ、でき得る限り、これは記者発表という方法が不十分だという御意見があるかもしれませんが、できる限りその都度その都度のことは御報告をしてきた、公開をしてきたと。  また、私が所属をしている党に限って申し上げましょうか、私のところではできる限りその過程は報告をしてきたというところであります。
  99. 水野賢一

    ○水野賢一君 要は、記者発表をしたとかなんとかという以前に、要するに僕が聞きたいのは、そのときのメモとかいろんなものが、議事に関するメモとかが残っているのがあれば、それは記者発表とかなんとかだけじゃなくて、きちんと公表できるものは公表すべきじゃないですかと、そういう意味です。持っているものがあれば公表したりしますか。
  100. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) 大変恐縮でありますが、そういう前提の下で進めてまいりませんでしたので、今回は公開することはできません。
  101. 水野賢一

    ○水野賢一君 それが非公開なんですよ。  これはまた後でやりますけれども、そもそもこれだけ公開、公開と言っていながら、結局、非公開の密室でやって、それがおかしいと言っているんですよ。  ここは後で、午後も質疑をさせていただきたいというふうに思いますけれども、じゃ、午前中の質疑はこれで終了をさせていただきたいというふうに思います。
  102. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時二十分まで休憩いたします。    午前十一時五十五分休憩      ─────・─────    午後一時二十分開会
  103. 松村祥史

    委員長松村祥史君) ただいまから環境委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、原子力規制委員会設置法案及び地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、産業保安監督部及び那覇産業保安監督事務所並びに産業保安監督部支部並びに産業保安監督署設置に関し承認を求めるの件の両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。
  104. 水野賢一

    ○水野賢一君 午前中に引き続きまして、みんなの党の水野賢一でございます。  午前中の積み残しの情報公開の話も後ほど聞かせてもらえればと思いますが、ちょっとノーリターンルールのところについて先に伺いたいと思うんですが、これ、ノーリターンルールについては附則の第六条のところにいろいろ書いてあるわけなんですよね。  昨日も聞いたんですけれども、この法文を見ると、要は、原子力利用の推進に係る事務を所掌する行政組織、ここへの配置転換ができないというふうに書いているんですが、それで、昨日の答弁でも、これ細野大臣が、これは経済産業省文部科学省なんだというふうに言っていましたけれども、これ、実は世の中では結構議論のあるところであって、僕が必ずしもその意見にくみするわけじゃないけど、環境省も温暖化対策で原発推進していたんだから、環境省だって原発推進省庁じゃないかという見方も人によってはあるわけですよね。  だから、そこら辺、非常に曖昧な書き方なんだけど、これ、提案者、伺いますが、これは明確に経産省と文部科学省でいいということですよね。この二つなんだということを改めて確認したいと思います。
  105. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) 先生の御指摘どおり、その範囲は、対象は、典型的には経産省、そして文科省だと思われます。  ただし、ここにおいては様々な考えもあると思いますが、それについては規制委員会の方でこれを規定していくことになると思われます。
  106. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、二省プラスアルファはあるかもしれないけれども、そのプラスアルファはあるかもしれないけれども、その二省であって、その二省のこの部局は違うんだからここは戻っていいんだということは、つまり二省の中でも更にそこから一部が減るということは、これはないわけですよね。
  107. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) 省の中で、あと庁、そして局というような形で推進組織推進にかかわる事務を所掌する行政組織というのがあるかとは思いますが、行政組織といった場合、省、庁、局と、そういうところをどう区分けしていくのかについても、これは詳細には、正確には規制委員会の中でこれを規定していくことになるのではないかと思います。
  108. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、例えば文部科学省だったら、文部科学省の中の、例えば初等中等教育局は余り関係ないから、そこには戻っていいという、そういうことになるんですか。
  109. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) 具体的には文科省でも推進省庁と関係のない教育の部分もあるかと思われますが、そこのところはこれからの規定を踏まえていくということになるのではないかと。
  110. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、要するに、これは、別に私は、それはいろんな意見はあると思いますよ。ただ、作るときに明確にしておかなきゃいけないのであって、なぜ僕が言っているかというと、枝野大臣の昨日の御答弁だと、私はこういうふうに聞いているんですよね。経済産業省のエネ庁に戻るのは駄目ということは当然分かるけれども、中小企業庁とか貿易の担当とかというところはいいんですかと昨日聞いたら、枝野大臣は、法律上は五年間の経過措置を除けば駄目ですと明確に答弁しているんですよね。明らかに今の江田さんの答弁とは違うというふうに思いますが、ちょっと統一的な見解を出してもらわないと、これ審議続けられませんよ。どっちが正しいんですか。
  111. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  112. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 速記を起こしてください。
  113. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 枝野大臣答弁をされたとおり、経済産業省の場合は省全体でエネルギー政策をやっていますので、一旦例えば特許庁へ行ってそのままエネ庁に戻るみたいなこともできてしまいますから、そこはそのお考えをしっかりと、何といいますか、徹底するということだと思います。  文部科学省の場合は、技術系の旧科技庁系の、今同じ省庁になっていますが、そういうメンバーについてはそれこそ、それは推進サイドですからそういうやり方ということになるんですけれども、例えば旧文部省系の、そういう方が来るということがあるかどうか分かりませんが、そういった場合についてどうかということも含めて考えると、そういった意味でのいろんなことがあり得るのではないかという答弁と受け止めております。  正直言いますと、いろんな省庁から力を借りたいと思っていまして、防衛省とか警察庁はもちろんですが、ほかの省庁も可能性があるわけですね。そういったことを考えると、そこはいろんなケースを多少幅を持って見ておかなきゃいかぬという思いはございますが、推進サイドについてはしっかりとやるということについては変わりはございません。
  114. 水野賢一

    ○水野賢一君 細野さんとも思えないような答弁で、要するに、文科省は旧文部省と旧科学技術庁があるから、そもそもそういう縦割りをやめるために一緒の省にしたのに、これは旧文部省系だからいいんだみたいな、そういう訳の分からない答弁だと思いますけれども、これ、生方委員長、解釈、明らかに後で大混乱しますよ。  昨日の枝野大臣答弁に対して、私、生方さん、それでいいですねと言ったら、衆議院議員生方幸夫君、はい、結構ですと答えているんですよね。つまり、生方委員長、今の江田さんの答弁と全然違うことを、はい、結構ですと言っているんですけど、これどうなんですか、一体。
  115. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 経産省に関してはまさに昨日答弁したとおりでございます。
  116. 水野賢一

    ○水野賢一君 分かりました。経産省は分かったけど、じゃ、何で文部科学省は、文部科学省は違う余地があるということですか。
  117. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 委員のおっしゃるとおりです。
  118. 水野賢一

    ○水野賢一君 同じ原子力推進官庁で、なぜ経済産業省文部科学省だと。つまり、経済産業省には非常に厳格なノーリターンルールが適用されるけど、文部科学省はそうじゃないという含みを残していらっしゃるけど、これはなぜなんですか。
  119. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) そこは今の細野大臣答弁と同じになってしまうんですけれども、省庁全体で、経済産業省の場合はエネルギーを管轄している、文部科学省の場合は、確かにエネルギー、そして原子力にかかわるところございますが、全体でと言われると、経済産業省に比べればやっぱり薄いと。そこは厳格に期すために、規制委員会ができたときにしっかりと判断を委ねるようにしていきたいし、その判断に間違いがないように、我々立法府の人間、議会人は見ていかなければいけないというふうに考えております。
  120. 水野賢一

    ○水野賢一君 じゃ、文部科学省の方は、これは具体的に明示してもらわないと後で混乱しますから、何局はよくて何局は駄目なんですか。明示してください。
  121. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) 今、ただいまここでと言われるとちょっと正確性を来す可能性がございますので、一定また後日、答弁等々を通じましてさせていただけたらというふうに思っております。
  122. 水野賢一

    ○水野賢一君 今日の答弁にとって重要なところですから、つまり、今の話を聞いていると、経済産業省は厳格にノーリターンルールが適用されるけど、文部科学省については、多分常識的に考えて研究開発局は戻れないんでしょう、というふうに思いますよ。でも、初等中等教育局はいいみたいな印象がありますね。しかし、全ての局について分からないから、どこがどうなのか分からないから、明示してもらわなかったら、ちょっとこれ、国会質疑続けられませんよ。
  123. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) 何局何局というのはきっと具体的になり過ぎて、規制委員会にそこはお任せしたいというふうに思いますが、今、水野委員の方から言っていただいたように、教育にかかわる部分は違いますよねというような、一定何らかの方向性を示せるような答弁はさせていただきたいというふうに思っております。
  124. 水野賢一

    ○水野賢一君 いつまでにですか。
  125. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) 可能な限り、この参議院環境委員会が終わるまでにお示しできるよう努力していきたいと私は考えております。
  126. 水野賢一

    ○水野賢一君 私たちは徹底審議を求めていますので、別にあしたの採決とかということを前提としていませんので、別にあしたじゃなくてあさってとか、ずっと後でも結構でございますけれども。  役所へのノーリターンは話は分かったんですけれども、分かったというか、納得はしていないですけれども、今のところそういうことなんでしょうけれども、じゃ、役所そのものへのリターンじゃなくて、その役所が所管する公益法人とか独立行政法人とか財団法人とかありますよね、そういうようなところに行くことは、これは法律上は構わないんですか。
  127. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) 行政組織の範囲内外で分けられるというふうに考えています。
  128. 水野賢一

    ○水野賢一君 枝野大臣に伺いますけれども、運用上、法律上はどうも規制がないみたいですけれども、そこら辺はちょっと重大な関心を持って見る必要はあるかと思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。
  129. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今の、済みません、法案の解釈について、私、所管でございませんのでなかなか直接お答えできませんが、行政の範囲ということで、独立行政法人については戻れないんだろうというふうに思います。それ以外の所管する公益法人ということになりますと、これはちょっと幅が大き過ぎますので、一般的な、何というんでしょう、国家公務員の再就職の場合と同様にあっせん等は許されないとか、こういうことについては運用上しっかりと監視をしてまいりたいと思います。
  130. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、今大臣が、大臣法案提出者じゃないから、法案提出者に伺いますけれども、独立行政法人はちょっと難しいんじゃないか、普通に考えればということだと思いますが、提案者、それでよろしいでしょうか。
  131. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) はい、行政色の強い法人であると難しいというふうに考えています。
  132. 水野賢一

    ○水野賢一君 次の質問に入りたいと思いますが、四十年廃炉の話というのが話題になりますけれども、これまず法案提出者に聞きたいのは、四十年の理由、伺いたいと思います。何で四十年なのかという根拠を法案提出者に。
  133. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 我々自民党は、当初この四十年については触れていなかった部分ですけれども、政府案が提出された四十年というのは、いろいろと長く使うことによって老朽化する炉の状況、あるいはいろいろな専門分野意見等々も勘案をして、他の国のことも含めて勘案をして四十年という数字が妥当として提案をしたと、こういうことでございました。  我々もそのことについて、修正協議の中でいろいろと議論はありましたけれども、四十年を、それでは委員会委員が選ばれてスタートするその時点では委員会判断することでございますけれども、それまでは四十年のルールについては認めようということにしたところでございます。
  134. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、今の話は、委員会が今後専門家としての見地から四十年というのを例えば六十年というふうに延ばすということもあり得るかもしれないし、二十年ということにすることもあるかもしれないしという、そういうニュートラルな、法文上はニュートラルだという、そういう理解でよろしいですか。
  135. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 全くそのとおりです。
  136. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、出てくる疑問は、これ例えば委員会が二十年で廃炉にすべきだという結論を仮に出したとしますね、仮定の話ですよ。そのときに、政治的に、二十年じゃ厳し過ぎるといって四十年にそれを政治的に延ばすのがまずいというのは、それは分かるんですよ。だから、そういうことは認められないというのは分かるんですが、逆にこういうことはどうなんですか。委員会は六十年使って大丈夫なんですという、原則六十年なんだというのを決めたとしますよね。だけれども、六十年はやっぱり世論も許さないだろうとか、いろんな意味でそれは一般感覚からして長過ぎるということで、政治的にそれを短く、委員会は六十年と言っているけれども、四十年でやっぱり廃炉という形に政治的に決めるという、これは可能なんでしょうかね。委員長、どうですか。委員長、重要なところだから、御本人から。
  137. 横山北斗

    衆議院議員(横山北斗君) もちろん、今回の事故を受けまして、安全には絶対はないんだという考え方に立ってその委員判断がなされるものと思っておりますので、安全基準が緩和されることはないというふうには思っております。しかし、水野先生御指摘のとおり、原子力規制委員会、第三条委員ですので、そこで出された最終的な意思決定に対し、政治や他の省庁が変更を加えることはできないと。したがって、その決定が現行基準を緩和するものであったとしても、それはそうなります。
  138. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、そこは余り納得し難いところがあるんですけれどもね。つまり、政治的に緩くしちゃまずいというのは、これは分かりますよ。安全の専門家のことと関係なく政治的に緩くするという、これはまずいというのは分かるけど、政治的に、国民世論とかいろんなことを勘案して、各国の状況とかいろんなことを勘案して政治的に厳しくするということは別にあり得るんじゃないかと思いますが。  ちょっとそういう立場から続いて質問をさせてもらえればと思いますけど、定期検査というのがありますよね。原発、今十三か月おきに大体定期検査に入るわけですけれども、これは今の法律では、この定期検査について定めているのは電気事業法なわけですけど、これは電気事業法から原子炉規制法の方に移ってくるというふうに、今回の改正によって原子炉規制法の方に移るというふうに理解しますけれども、それでよろしいですか。
  139. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 新しい委員会設置されれば当然そこの所管の仕事になってまいりますから、それで結構です。
  140. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、だから規制委員会がこの辺についてルールを決めていくわけですよね。  そうすると、例えば十三か月で定期検査なんというのは早過ぎるという議論、これ元々あったんですよ、そういう議論は。十八か月ぐらいにすべきだという議論があったんですよ。こういうようなことも、この規制委員会が十八か月でいいんだということを決めたら、それは政治は追認しなきゃいけなくなるわけですか。つまり、十八か月でいいと専門家は言っているけど、やっぱりここで緩和はまずいでしょうという余地はないんですか。
  141. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) この三条委員会設置された理由というものが、やはり政治的な介入だとか、いろいろと不安を与える、国民に大きな問題を与えることがあったという認識に立って、独立性を非常に重んじ、専門性を重んじたという経過がございますので、こういう今、水野議員の御質問にあったことについて申し上げるとすれば、やはりこの委員会で決定されたことを尊重する、こういうことでございます。
  142. 水野賢一

    ○水野賢一君 これは、だから独立性との関係だというふうに思いますけど、私、ちょっとそれは解釈が違うんだと思うんですよね。安全を政治的に、恣意的に、エネルギー需給のことが大切だとかという論理で政治的に安全を脅かして緩和するということは、それはあっていけないけど、政治的に厳しくするということは、それは余地はあり得ると思うんですけど、これは細野大臣、どうですか。
  143. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この委員会は、専門的、技術的にしっかりやるという趣旨で独立性をしっかりと確保したものになっています。したがって、今、水野委員がおっしゃったような、緩い方、緩い方に行くということを想定をして作られている法律ではないというふうに考えております。  四十年のところもそうなんですが、ここは法律に書いた意味というのは極めて重いと思うんです。政府案では、それであとは省令でその基準を更に作るということでしたけれども、今回提案されたものでは、科学的、客観的にしっかりそれをやるようにと更に書いてございます。  ただ、そのことも含めて、私は、立法者の意思というのは極めて重いというふうに考えています。そのときに、リスクは突然ゼロから一になるわけではなくて徐々に高まるわけですから、そのことを考えたときに、元々原発が予定をされている四十年というところに線を引いたということ自体は非常に重いですから、それを受け止めて規制委員会がやっていただけるものというふうに考えております。
  144. 水野賢一

    ○水野賢一君 今、大臣からも立法者の意思が重いという話がありましたけれども、じゃ、立法者代表の生方委員長にお伺いしますけれども、そうすると、基本的には四十年を緩和するようなことって、まあそれは専門家が決めることですよ、専門家技術的な専門性で決めることだけれども、四十年緩和というのはそう余り想定は立法者としては、緩和をする方はですよ、想定はしていないという理解でよろしいですか。
  145. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 委員のおっしゃるとおりです。
  146. 水野賢一

    ○水野賢一君 分かりました。  次の質問に入っていきたいと思いますけれども、バックフィットの話をお伺いをいたします。  これは、バックフィットについては、このペーパーでいくと百一ページのところだと思うんですが、この第四十三条の三の二十三というところでいろいろと規定されていると思うんですが、これ見ると、要するにバックフィットの考え方というのは、新しく基準が厳しくなっていったときには過去に設置されたようなものに対してもその新しい基準で見るんだという、単純に言えばそういうような話でしょうけれども、これ見ると、バックフィットは、ここの部分を見る限りだと、適用されるのは設置の、つまり建物とか構造とかそういうものだけが対象なんですかね、これ、バックフィットの考え方は。
  147. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) この法案によって導入されるバックフィットの趣旨は、新たな技術知見を踏まえて、規制機関が継続的に基準の見直しを行い、既存の原子力施設にも新たな基準への適合を要求することを通じて安全性を高めていくというものでございまして、この基準は、施設、設備等のハード面だけではなくて、例えば保安規定といったソフト面においても既に適用されるものでありますが、このため、ハード面とソフト面の両方において常に最新の技術知見を踏まえながら基準が更新をされていくものでございまして、これは駄目とかこれはいいじゃなくて、常にバックフィットを尊重しなければいけないという趣旨になっております。
  148. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、ハード面だけじゃなくて、運用というか、シビアアクシデントの対応とかそういうようなことについてもバックフィットの考え方は適用されると理解しましたけれども。  次に伺いたいのは、特別会計が、今度原子力安全規制対策という新しい特別会計に、勘定というか、そういう項目ができるわけですね。これ、エネルギー特会にそういうものができるといいますけれども、エネルギー特会ってエネルギー需給勘定と電源開発促進勘定、二つあるわけですよね。これ、どっちの方の勘定にこの新しい対策は加わるんですか。
  149. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) 電源開発の方でございます。
  150. 水野賢一

    ○水野賢一君 電源開発促進勘定というのは今は何省が所管していますか。
  151. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) 経済産業省文科省です。
  152. 水野賢一

    ○水野賢一君 要するに、さっきおっしゃった原子力推進官庁が所管している特会なわけですよね。これ、独立性独立性とさっきから独立性の話をずっと延々と言っていながら、何でこの特会は、まさに経産省と文科省が所管している特会のところにこの安全規制対策を置くんですか。
  153. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) エネルギーを管轄しているということだからであります。
  154. 水野賢一

    ○水野賢一君 そんな理屈が通用したら、そんな理屈が通用したら規制委員会だってそこに置けばいいという話になっちゃうじゃないですか。それは合理的な理由がないと思いますけれども、再答弁お願いします。  いや、これは提案者に。だって、法案なんですから。法案提案者答弁してください。
  155. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) この規定は、具体的には、原子力事業者から検査手数料収入を独自財源として、原子力規制委員会が独自に管理する勘定を設けることを想定しているというのが一つの考え方でございます。
  156. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、それは分かったんですけれども、つまり、区分経理をして、それ自体ちょっと僕は、何で特会を新たにぼこぼこつくるんだという議論はあると思うんだけれども、それ以前に、必要な予算があれば一般会計で対処すればいいじゃないかという議論は当然あり得ますよ。だけれども、それもあるけれども、何でわざわざ経産省と文科省が、さっき原子力推進官庁だというふうに定義をした、そこが所管をしているところにこの特会を置くんだということが分からないというので、これは委員長提出者代表としてどうですか。
  157. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) この区分に計上される予算については、原子力規制庁から環境省を通じて財務当局に要求することとしており、実質的にも推進省庁から独立性が確保されることになっております。
  158. 水野賢一

    ○水野賢一君 独立性が確保されるって、二つの省が所管しているその特会において何で独立性が確保できると言えるんですか。それは何か矛盾でしょう。
  159. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) そもそも規制委員会がつくられた元々は、規制側と利用側が一緒になっていて、それで予算も一本化していたというところに問題があるのであって、これからはそういうことを外れて、これは将来的には規制委員会自身が予算をきちんと計上することができるようにする、それまでの経過措置としてこういうふうになっているというふうに御理解をいただければと思います。(発言する者あり)
  160. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 細野大臣、補足説明ありますか。
  161. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 短くやります。元々政府案にもあった規定でございますので。  これまで電促税でつくられてきた特会の勘定は推進サイドで使われてきたわけですね。推進サイドだけに使われてきた傾向があったのを、今度は規制側、ブレーキ側で使えるようにするわけです。この使い方は原子力規制委員会必要性に応じてやりますから、別に経産省とか文科省に左右されるものではありません。その意味で、全く矛盾なく、むしろ推進サイド予算規制サイドに持っていくということで、意味のある規定だというふうに考えております。
  162. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、今までより改善したということは、それはそのとおりだと思います。今までは、つまり、保安院がこの特会の予算も出していたんですかね。これは論外と言うべきであって、今までが論外だったんであって、今回、何でこの二省が、しかも原子力推進省庁だとさっき自らが言っている、提案者たちが言っている省庁のところにわざわざこの特会を置く理由が、規制と分離と言っているんでしょう、規制推進を。それは委員長、おかしいと思いませんか。ちょっと全然納得できないんですけれども、委員長、どうですか。
  163. 生方幸夫

    衆議院議員(生方幸夫君) 原子力安全規制対策費は電源開発促進勘定の中に含まれておりますが、これ自体は独立をいたしております。
  164. 水野賢一

    ○水野賢一君 もう一度答弁してください。全然納得できない。
  165. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 短く答弁します。  むしろ、電促税が推進サイドで既得権益化していたわけですね。この安全規制関連の予算を付けなければ、これからも集まった部分は全部推進サイドで使えるという既得権益を守ることになるわけです。ですから、一般会計で取るというのも一つの考え方だけれども、これまで既得権益となっていた予算安全サイドに付ける、減らすということに意味があるということでございます。
  166. 水野賢一

    ○水野賢一君 これ、この新しい対策の財源は何ですか。
  167. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) 電源開発促進税でございます。
  168. 水野賢一

    ○水野賢一君 これ、この対策に直入するんですか。電促税というのは、基本的に今までこういういろんな勘定に直入をしていたと思いますけれども。
  169. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) これは一旦一般会計に入っていきます。
  170. 水野賢一

    ○水野賢一君 さっきの話に戻りますけれども、これ何で推進省庁のところにある特会に規制のための予算が付くのかというのが全然答えとして、今までより改善したということは分かるけれども、何でそうなっているんですか、委員長
  171. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) エネルギー対策特別会計では環境大臣が所管することになっていましたが、原子力規制委員会ではないのかというお尋ねだと思うんですけれども、特別会計法上の整理として大臣が所管することになっており、原子力安全規制対策についても環境大臣が所管することとしている。ただし、予算の企画立案、調整等は原子力規制委員会が行うという区分けになっているという理解でございます。
  172. 水野賢一

    ○水野賢一君 何か分かったような分からないようななんですが、ちょっと質問の趣旨を変えますけど、じゃ、今までこれ、電源開発勘定は経産省と文科省の共管だったわけですよね。これに共管する役所も、環境省も加わるということなんですか。そういう意味なんですか。それとも今までのままなわけですか、それを所管しているのは。それはどうなんですか。
  173. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) それは、環境省が入るという理解はしておりません。
  174. 水野賢一

    ○水野賢一君 それだったら、ますます、何でその二つの役所のままなのかということなんですけど、これ全然理解できないんですけど、さっきからの答弁が。どうですか。
  175. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 予算の使われ方としては、元々あった経済産業省文部科学省に加えて、原子力規制委員会が入るわけであります。大体ざっくりこの電源開発促進勘定で三千億あるわけですね。このまま放置をしておくと、この三千億を経産省とそれこそ文科省で山分けするということになってしまうので、それはよくないということで、当初の来年度の予算でいうならば、そのうちの四百億をまずは安全に使うと。  そして、恐らく、これ余り予断を持って私が言うのは適切ではないかもしれないけれども、安全規制にかかわる予算というのはこれから増えていきますから、それを規制委員会がきっちり要求をした場合はそれが認められていくということになると思います。その際に、その予算を経産省とか文科省が窓口となって査定をするようだと、水野委員が御指摘のような影響力が行使をされるということになりますけれども、そうはなりませんから。それは規制委員会がしっかり要求をして、財務省が査定をするということになりますので、むしろ推進サイドから規制サイドへ全体としてシフトしていく、そういうことになるということであります。
  176. 水野賢一

    ○水野賢一君 これ、細野大臣のおっしゃっているのは、前の仕組みよりはよくなっているということは、それは理解しますよ。だけど、やはり筋として、要するに不十分じゃないかというふうに言っているし、それに対しての、さっきから、独立した組織にするんだということをずっと言っているのに、ここは今までの残滓がかなり残っちゃっているんじゃないですかということを言っているわけですが。  ここはまた追及すること多いですから、要は、こういうことがあるからまだしっかりと議論しなきゃいけない、そのための時間を十分取らなきゃいけないというふうに思っていますが、先ほどの情報公開の話に戻ります。  民自公の修正協議のときの状況については、何かさっき近藤さんが最後に、これは公開できないんですというようなことを言っていましたけど、これは民主党だけじゃなくて自民党も公開はできないわけですか、協議のときに何を議論していたかというのは。
  177. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 私もそれほど長い議員経験ではありません。水野議員と大体同じ、同期の当選です。過去に、またこれからもそうでしょうけれども、政党間でいろいろな立法を含めていろんな協議が行われるんだろうと思うんですね。ですから、この協議をどのような形で情報公開に付すかということは、これは我々衆議院の方も、やはり今後、こういうことであれば協議をしなけりゃいけないことでしょうし、参議院の方も同様であろうと思うのでございますけれども、これは私がこのことについてこうすべきだと、こうしますという答弁になじむ話かどうか、これは国対なり議運なり、またそういう場で協議をしていただく話ではなかろうか、このように思っております。
  178. 水野賢一

    ○水野賢一君 午前中、加藤先生が、国会事故調の結果を受けた形で各党協議を今後したらどうだろうかという提案とかありましたよね。そのときに、大谷提案者代理だったか誰だったかちょっと忘れましたけど、こういうものも見える形で検討をしっかりしていくとかなんとかとおっしゃっていたと思うんですよ。言葉だけは、みんなそういう見える形でとか情報公開とか言うんですよ、言葉だけは。実際に具体的なことを公開してくださいと言ったときには全然公開されないから、実際には密室の中でやっているから言っているのであって、じゃ、これ、細野大臣、いろんな各党の協議というのは、細野大臣は各党協議だからそれは参加はしていないのは分かりますけど、報告はいろいろ受けていましたでしょう、その途中経過とか。それはどうでしたか。
  179. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) これは各党協議ですので、本当にそこは各党でそれぞれ真摯に御議論いただいて案を出していただくということでございます。どういう議論経過になったのかというのは気になりますから、情報収集は確かにしておりました。
  180. 水野賢一

    ○水野賢一君 そうすると、役所の中にも、そのときのいろんな役所として大臣に上げるときの報告書みたいないろんなペーパーが残っている可能性は十分あるわけですよね。そういうようなものは、役所が私的なメモじゃなくてちゃんと行政文書として作っているものは情報公開法の対象になるでしょうから、これは開示してもらいたいというふうに思いますけれども。三党協議についての大臣とか関係者に上げた持っている文書ですね、これは公開してもらえませんか。
  181. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) いろんな議論経過についてはもちろんいろんな情報収集というのはしておりましたけれども、その一方で、そういう各党のいろんな意見を踏まえて、そういうふうにこういう方向になるとすればそれに対してどういうふうな答弁をするかとか、どういうふうな理論的な考え方を取るかとか、そういうやり取りをしておるわけですね。ですから、そこは、どれが三党協議にかかわる文書で、どれが役所の中の、まさにそういう大臣と事務方のやり取りかというのは、これはなかなか区分がし切れないという面があるということでございます。
  182. 水野賢一

    ○水野賢一君 結局、だから、公開は持っているものでもなかなか公開しないという話になってくるわけだろうけれども、要はそこが問題だと。これだけ情報公開とか透明性とか口では言うんですよ。これ過去に原子力について、口では安全を前提とした原子力推進とかと昔から言っていたんですよ。口で言っていても具体的なアクションがなければ何の意味もないんであって、しかもその三党協議、それは記者会見で説明したとかそういうことはあるかもしれないけれども、その三党に所属している人たちだってその内容はよく分からないと言っているわけでしょう、さっきから。ましてや、我々に分からないし、国民には更に分からないわけですけれども、この体質の中ではやっぱりもっともっと徹底した審議が必要だというふうに思っています。  それで、ちょっと枝野大臣に伺いたいんですが、大飯原発の再稼働の話。  枝野大臣は、四月ごろには、再稼働の条件として、安全性確認をされていても電力需給に余裕があれば再稼働しないと、需給の状況一つの条件のようにおっしゃっていたと思うんですよね。その話というのは、言わば夏季限定の再稼働という話にはかなりつながり得る話だと思うんですけれども、この前、野田総理の会見では、夏季限定再稼働というのは明確に否定しましたよね。これは枝野大臣の発言、四月のころの大臣の発言と今の政府の方針は違うということなんでしょうか。
  183. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 安全性確認をされても、必要性がなければまさに開けないという趣旨のことを申し上げましたときに、その必要性のところで、最も早い段階で問題になり、ある意味では最もと言っていいぐらい大きい課題が需給問題であるということで、相当この需給問題について強調して話をしたことは間違いありません。その結果、今のような印象をお与えをしているとすれば本意ではございません。最も短期で問題になり、最も大きな課題一つが需給の問題ということでそのことを申し上げましたが、必ずしもそれだけではないんだと、必要性については様々課題があるけれどもということの中で、例えば四月十三日の四大臣会合の後の記者会見等においてもそのことについては触れているところでございます。
  184. 水野賢一

    ○水野賢一君 じゃ、要するに、電力は足りるけれども、それでも原発はほかの必要性があれば再稼働するということは今は大臣としても容認するという、そういう理解でよろしいですか。
  185. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) まさに私は、一番大きな課題一つが需給の問題であると思っておりますが、需給の問題を始めとして、必要性について、もちろん安全性確認が前提でありますけれども、必要性があるということであれば、それは原発を利用するということは、少なくとも当面の間あるというふうに思っています。
  186. 水野賢一

    ○水野賢一君 ちょっと残念な答弁のような気がしますが。  これ確認ですけれども、さっきの四十年の廃炉の話で、老朽化原発で、今もう四十年過ぎている原発というのは敦賀の一号とか美浜の一号とかありますよね。これは、この規制委員会ができた後は、規制委員会判断して、その時点で例えば稼働してから四十三年とかかもしれないけれども、これは止めるということは、止めるというか、四十年だから駄目よと言うことというのは、規制委員会判断することとして議論の対象にはなるということですよね。規制委員会が止めることはあり得るんでしょうか。
  187. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 全ての炉の、言わば廃炉も含めて、始めから終わりまで全て規制委員会が正しい判断をしていただくことになると思います。
  188. 水野賢一

    ○水野賢一君 いや、要は何を言いたいかというと、今三十八年とかの、それが規制委員会ができたとき四十年になったものが、規制委員会判断するだけじゃなくて、つまり四十年になって、今の時点では動いて四十年超えていますというものも規制委員会判断する対象にはなるということですよね。確認です。
  189. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) なります。
  190. 水野賢一

    ○水野賢一君 最後に、これはちょっと政治的な話ですけれども、細野大臣とかからも答弁しにくいかもしれないけれども、要するに、今、国ではこの規制委員会をつくるときもこうやっていろいろ議論して、いかに原子力村の影響を受けないようにしようとか、いろんなことを議論していますよね。ところが、各自治体の、つまり原子力に関係する自治体ですよね、そういうところにも、例えば福井県でも先日、福井県安全専門委員会というところが再稼働オーケーよということを決めたりしたわけですよね。  そういうような自治体なんかのそういう組織というのは、これは地方、我々も地域主権と言っていますから、地域のやることに対して国の基準を全部押し付けていくのが正しいかどうかはいろいろ議論のあるところだと思います。そうはいっても、安全に関係することだから。そういうところの方が、僕の印象ですよ、実態としては非常に原子力村のずぶずぶの人たちみたいなのを平気で入れているというような気がするんですよね、その安全審査の会なんかに。  これ大臣、そういう問題意識持っていらっしゃいますかね。
  191. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 福井県の場合は原発と一緒に歩んできた歴史が長いですから、そういう中で安全専門委員会をずっとやってきたという歴史があるわけですね。ですから、メンバーも構成も含めて国がこうあるべきだというのを言うのは、ちょっとやっぱりこれは行き過ぎではないかというふうに思います。  私、各国を見て回って感じたんですけれども、それぞれの国によって自治体の中に専門家を置いてやっているところというのは結構ありまして、そこは我が国の場合は若干やり方が課題があるなと思っています。ですから、どういう地方とのコミュニケーションを取っていくべきなのかというのは、これから新しい規制委員会ができたときに非常に急がれる課題一つであるというふうに思っております。
  192. 水野賢一

    ○水野賢一君 確かに、これは地域のことに関してどこまで口を出すかというのはなかなか難しい問題だとは思いますけれども、私もこの政治の中にいても、これは例えば、ちょっと例えが変かもしれないけれども、我が党はちょっと小さい党だからあれですけれども、例えば党改革とかいうふうにいって党の本部の方でいろいろ改革をやろうとしても、地域の方が、県連とかそういう単位の地域ボスみたいな方が考え方が古いとか、往々にしてそういうことはあり得ることであって、そういう点で、ちょっと今の例えが適当だったかどうかは分かりませんけれども、そういう意味で、その地域地域原子力の安全審査のところに対しても問題意識は持っていかなきゃいけないと思っていますが、あしたもまた質疑があるようでございますので、本日は時間も参りましたので、質疑を終了させていただきます。
  193. 市田忠義

    ○市田忠義君 日本共産党の市田忠義です。  質問に入る前に、二点ほど指摘しておきたいことがあります。  まず第一は、本法案審議在り方であります。一言で言うと、議会制民主主義を根本から破壊する暴挙だと言わなければなりません。  先週の金曜日の正午に参議院環境委員会の理事懇談会が開かれました。その席上で、原子力規制委員会法案などの委員会質疑を月曜日、すなわち昨日から行うという提起がありました。金曜日の正午ということは、衆議院会議でこの法案がまだ可決されていなかった時期であります。当然のことですが、参議院会議での趣旨説明質疑もまだでした。にもかかわらず、民主、自民、公明の三党で合意したと、会期末だと、急ぐ必要があるというので、昨日からの審議が行われることになったと。  三党合意に参加した党は法案も見ていたでしょう。我々は法律そのものも見ていないと。こんなことは、私、議員歴そう長くはありませんが、十数年国会にいて、かつてなかったことであります。法案への賛否の違いは別として、こういうやり方は言語道断だと。福島原発事故の教訓も踏まえて、参考人質疑もやって、じっくり議論をするべき私は内容だというふうに思うんです。二度と同じようなことを繰り返してはならないということを冒頭申し上げておきたいと思います。  もう一つ、前回の委員会質疑をしたことですが、大飯原発の再稼働についてであります。前回の質問を繰り返すことは今日はいたしませんが、再稼働が正式に決定された直後の委員会ですので、一言申し上げておきたいと思います。  野田総理は、西川福井県知事が同意したということなども理由に再稼働を決定されたわけですが、私は、福井県知事が同意したからといって、福井県民の同意が得られたわけではないし、まして国民の多数は今も再稼働に反対をしていると。福島原発事故を踏まえて国民の命と安全を守るという立場に立つなら、絶対にあってはならない決定だったと。  いまだに福島原発事故の原因究明も行われてはいませんし、政府自らが取りあえずの対策として指示した三十項目の安全対策、これさえまだまともにやられていないと。日本海側で発生し得る地震や津波の調査、研究も来年度から、来年から着手と。ところが、総理は、福島を襲ったような地震、津波が起こっても事故を防止できると断言されました。具体的な根拠も示さないで、電力不足になったら大変だと、言わば事実上の電力不足を脅しに使って再稼働を決定したと。  私は、最悪の安全神話の復活で断じて許すことができないと、再稼働の決定に抗議して撤回を求めるということを指摘して、質問に入ります。  まず、原子力規制委員会設置法案に関連して、福島原発事故の教訓が果たして生かされているのかどうかという点であります。  評価は別として、幾つかの事実確認、事実だけ確認しておきたいんですが、昨年十二月に公表された政府事故調査・検証委員会中間報告によりますと、事故対応について、東京電力が三月十一日の事故発生直後から全ての電源を失う中で、一号機の原子炉を冷却する非常用復水器の弁が閉じて機能不全に陥っていたにもかかわらず、正常に作動していると誤認し、適切な現場対応が行われなかったと。そのことについて、電力事業者として極めて不適切、炉心冷却の遅れを生んだ大きな要因になったと指摘していますが、これは間違いありませんね、この指摘は。
  194. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 昨年末の中間報告になされた指摘としてそのようなものがあったと承知しています。
  195. 市田忠義

    ○市田忠義君 もう一つ確認しておきたいんですが、政府が二年前に総務省から整備の勧告を受けていたにもかかわらず、現地対策本部の設置場所であるオフサイトセンター、ここに放射性物質を遮断するフィルターが設置されていなかったと。これは保安院がきちんと対応しなかったからですが、役に立たなかったということを指摘した、これも間違いありませんね。  評価はいいです、そういう指摘があったかどうかだけで。
  196. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私、これ出たときには全部読んだんですが、ちょっと時間がたっておりますので、今確認をしております。オフサイトセンターについて様々な指摘があり、フィルターが設置されていなかったことについても指摘があるのは御指摘のとおりであります。
  197. 市田忠義

    ○市田忠義君 更に確認ですが、緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム、いわゆるSPEEDIによって放射性物質の拡散予測の計算結果が得られていたにもかかわらず、避難指示に活用されなかったと。そのことを、政府は速やかに公表しようとする姿勢が欠けていたとして、この情報が提供されていれば、各地方自治体及び住民はより適切な避難方向を選ぶことができたと指摘しています。  この指摘の是非は別として、こういう指摘があったこともこれは間違いありませんね。
  198. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) はい、間違いありません。
  199. 市田忠義

    ○市田忠義君 最後の確認ですが、過酷事故対策、シビアアクシデント対策では、電力事業者任せにしてきた政府の対応を批判し、事業者の自主保安に委ねていれば済むという問題ではなくて、必要な場合には法令要求事項とすべきだと。この指摘も事実、間違いありませんね。
  200. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) はい、シビアアクシデントについてもそのような指摘がございます。
  201. 市田忠義

    ○市田忠義君 私、今確認したこれらの一連の事実は、やっぱり福島原発事故が間違いなく人災であるということを示しているというふうに思うんです。そして、やっぱり安全対策の欠陥の背景に原子力の安全神話が横たわっていたと。この安全神話に立って電力会社の安全対策が見送られるなどの原子力規制を怠ってきたことが福島原発事故を深刻にしたと。私ども日本共産党は、これらの指摘にある過酷事故対策については福島原発事故が起こるはるか以前から一貫して厳しく指摘してきた問題だということも申し上げておきたいと思います。  次に、先日の十四日の当委員会でも細野環境大臣にお聞きしましたが、SPEEDIの情報提供問題であります。  福島原発事故当時、SPEEDIで文部科学省が試算をしていたのに、長らく公表されなかった。公表されたのは三月二十三日でした。原発から放射性物質の向き、どちらの方向に流れるかという予測が早く公表されておれば、住民が避難区域から離れる際にわざわざ線量の高い地域に向かうということなどは私は防げたと思うんです。先ほどまでいらっしゃった枝野経済産業大臣は、国会事故調の聴取で、信頼を損なった大きな原因だとお認めになりました。  さらに、最近明らかになった事実として、文部科学省がSPEEDIの予測結果に基づいて三月十五日に福島県浪江町に職員を派遣をして実際に高い放射線量を測定していたことが明らかになったと。私、これ非常に重大だと思うんです。  よく、SPEEDIについてはいろいろ評価がある、シミュレーションだということも、細野大臣、前の委員会でもおっしゃいました。単なるシミュレーションじゃなくて、文科省がSPEEDIの予測結果に基づいて三月十五日に浪江町に職員を派遣しているんです。で、実際に高い放射線量を測定したと。実測しているんですね。モニタリングをやっていたんです。  このことは、政府は公表前からSPEEDIを活用していたのに住民には活用されなかったということじゃないかと。私は、これは二重三重にも住民軽視の姿勢ではないかと思うんですが、前の委員会でも質問しましたが、大臣、いかがでしょう。
  202. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 極めて問題の多い対応であったというふうに思います。  今、私の手元に原子力災害対策マニュアルというのがあるんですが、そのマニュアルでは、文部科学省は、SPEEDIを技術的に管理をしております原子力安全技術センターに対しまして、途中若干略します、放出源情報が得られ次第、放射能影響予測を実施するよう指示するとなっておるんですね。ですから、放出源情報が得られたらやるんだけれども、逆に今回の場合は放出源情報は得られなかったので、そういう予測をしてそれを各省に連絡をするというこのマニュアルを実施をしなかったということなんです。  一方で、文部科学省は、当初、実はモニタリングについては地方自治体ということになっていたんですが、これは国がやらなければ対応できないということで私も強く要請をしまして、文部科学省はモニタリングをするという、そういう役割を担うことになりました。そのときに様々なシミュレーションをして、この辺が高そうだというところに行って測っていたということであります。  したがって、測っているのに生かすこと自体は、これは間違っていないというふうに思うんですが、このマニュアルにのっとっていなかったとしても、そういう形で活用できるデータを国民説明をしなかったということについては極めて不適切な対応であったと考えております。
  203. 市田忠義

    ○市田忠義君 不適切な対応だったということを大臣はお認めになりました。  実は、こういう住民軽視の姿勢は私は今も続いているというところが重大だと思うんです。私は滋賀県出身なんですけれども、滋賀県は三月五日に、大飯原発など福井県内の四原発福島原発事故レベル事故が起きた場合を想定したSPEEDIによる拡散予測情報を提供するように文部科学省に要請をしました。文部科学省は、新防災指針などの法制化が前提だと、法案の早期成立が遅れている、法案の成立後に試算して提供すると、こういう対応であります。  これも先日の当委員会で、私は、住民の安全な避難というのは、法案の成立とは関係なく拡散予測の情報を即刻提供すべきではないかとただしました。大臣はそのときに、法案成立後早く提供したいと、そう答弁されましたが、私は、原発というのは運転停止しているから安全だというものでは決してないわけで、やっぱり即刻提供すべきではないかと思うんですが、改めて、大臣、いかがでしょう。
  204. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私が申し上げられることは、新しい規制組織が誕生した暁には速やかに提供をすべきだということであります。  といいますのも、新しい規制組織最初の最大の課題は、やはり防災指針をしっかりとしたものとして法定化したものとして作り、そして地域の様々な防災計画などに生かしていくということだと思うんです。そして、その重要なツールの一つがSPEEDIということになろうかと思います。  その一方で、恐らく文部科学省が、今、市田委員が御指摘をされたようなことを言っている背景には、果たしてSPEEDIというのはどれぐらい活用できるのかというシステムに対する疑念があるんだと思うんですね。そういうシミュレーションよりも、むしろモニタリングをする実測の方がより数字としては現実的な数字ですから、そちらの方をもっと活用した方がいいんではないかという、そういう様々な意見もあるのではないかというふうに推察をしております。実際問題として、国会事故調の第二回目の論点整理の中では、SPEEDIの活用は困難ではないかというような、そういう御意見も出されておりまして、そこはシステムとしてはいろんな議論があるし、改善の余地も恐らくあるんだろうと思います。  ただ、いずれにしても、この新しい組織が誕生したら、すぐ滋賀県に対しても、他の自治体に対しても、御要望があればしっかりと情報を提供するというのが当然だというふうに考えております。
  205. 市田忠義

    ○市田忠義君 私は、今度の法案の中に、国民の生命、健康及び財産の保護、環境の保全ということが明記されているわけで、やっぱり住民の安全確保のために、法案成立を待たずに即刻提供すべきだということを改めて指摘しておきたいと思います。  このSPEEDIを活用した地域防災計画の指針となる国の防災指針作りの見直しが遅れて、今回の福島原発事故に生かされなかった問題についてお聞きしたいと思うんです。  原子力安全委員会が公開したメモによりますと、安全委員会が二〇〇六年に予防的防護措置準備区域、いわゆるPAZですね、原発から半径五キロ圏内を目安に設定される、重大な事故が起こった場合、放射性物質の大量放出前に圏内の住民を優先的に避難させなければならない区域、これPAZと言われているわけですけれども、この導入をする検討に入った際に、原子力安全・保安院が、多大な社会的混乱を惹起すると、そういう区域を設定すれば。格納容器の健全性に関する従来からの説明ぶりを変更することになるので、原子力安全に対する国民の不安感を増大させると、こういうことを述べて改定に再三抗議をして、結局、導入が見送られました。  現在の保安院長は記者会見でこう言っておられます。国際的な動向を迅速に取り入れる姿勢に欠けており、問題があったと、こう釈明をされていますが、私は、これも人の命を軽視した重大な行為と言わざるを得ないと思うんですが、環境大臣認識はいかがでしょうか。
  206. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私もそこは問題があったというふうに思います。  当時の記録を見ますと、IAEAではPAZというのはかなり議論がされていて、事故があったときにはそこはその時点で避難をするという区域として様々な議論経過があったというふうに承知しています。そして、そのことが日本についても議論をされかかったにもかかわらず、それを半ば封印するような形になったということであります。  この問題にかかわらずそうなんですけれども、これまでの原子力安全・保安院の議論というのは、新しい知見技術が出てきたときに、これが過去を否定することになる場合には、むしろその議論そのものを抹殺をする傾向があったというふうに考えております。やはりこれこそ安全神話だと。これまでやってきたことで十分で安全なので、それ以上の新しいものについてはこれは議論の対象にしないという、そこに陥っていた結果だというふうに思うわけです。  ですから、昨年から私もいろんな対策に実質的にかかわることになりましたけれども、例えばIAEAの報告書を出すときであるとか、またPAZや、あとはUPZという範囲を拡大をする際も、議論は実はあったんです、そういう。つまり、そういうことを出せば原発が動かなくなるとか地域が混乱するとかという議論は、実は何度も私、耳にしましたけれども、全部そういうのを排除してきました。それで結局対応ができずにここに至ってしまったので、全て議論を提起をして、そして前向きな対策をすべきだということを私自身明確に意識をしながらやってきておりますので、これからの安全行政の方法としては、そこは絶対に揺るがせにしてはいかぬというふうに思っております。
  207. 市田忠義

    ○市田忠義君 今、環境大臣、過去を否定されるようなことは議論そのものを遮断してきたと、これはやっぱりよくないということをおっしゃいましたが、当時の広瀬保安院長は、二〇〇六年五月、安全委員との昼食会で、まあこれは有名な話ですけれども、なぜ寝た子を起こすのかと、そう言って安全委員側に検討を中止するよう直接圧力を掛けたことが、これは今年の三月に明らかになりました。これは私、本当に言語道断だというふうに思います。  こういう原子力安全・保安院の姿勢は、実は電力業界の圧力によるものだと私は見ています。電事連は、昨年の福島原発事故直前に、原子力安全委員会による国際基準を踏まえた防災指針の策定作業、これに対してこう言っているんです。原子力は危険だという理解となる可能性がある、交付金等の増額要求となるなどの対策強化に抵抗する文書を安全委員会提出していました。  予防的防護措置準備区域、PAZですね、この導入はこう言っているんです。長年のスキームが否定されかねず、住民の中から国の防災規制不信感が生じる可能性がある。緊急時防護措置準備区域、UPZ、この導入は、このUPZは緊急時に避難や屋内退避ができるように準備する半径三十キロ圏内の区域ですけれども、この導入はどう言っているかというと、県庁所在市や大規模道府県がUPZ内に入った場合、その都道府県や県庁所在市の発言力は忌避し難く、大きな混乱を招く可能性があると。これは事実上の私、恫喝、脅しだと思うんですけれども。  こういう電力業界の圧力に屈しないでPAZやUPZを導入しておれば、三十キロ圏内の住民は三月十一日夜の時点で避難、屋内退避ができて、甲状腺被曝を防ぐ沃素剤も服用できたんではないかと、そう思いますが、大臣、今の時点でどう思われますか。
  208. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 電事連の議論は、それはもう、今御紹介になったのは三・一一以降ですよね。そういった時点においてもそういう議論が出てくるというのは、まだ発想が変わっていないところがあると思うんです。ですから、これからは電力産業も、原子力産業自体がそうだと思うんで、電力会社で原発推進するところも、またメーカーも含めてそうなんですけれども、原子力の安全をいかに確保するかということが本業なんだという、そういう意識を持っていただかないと同じようなことを繰り返すことになるのではないかというふうに思います。  それで、ちょっと先ほどの質問に戻りますけれども、先ほど保安院長の当時のお話がございましたが、若干ちょっと私は、個人的な発言がいろんな形で既成事実になっているという面があるのかなという気がしていまして、安全委員会は安全委員会、そして当時の保安院は保安院で多分いろんな言い分があるんじゃないかというふうに思うんです。  といいますのは、安全委員会というのは、いろんな考え方を提示をしたり提案をするんだけど、最後は責任持って規制はしないものですから、言うだけ言って、できなかったことに対して言い訳ができるという面があるんですね。ですから、そういう若干、安全委員会の置かれているその辺のアドバイザー機関であるという、ちょっと踏み込んで申し上げると、規制そのものはしないという立場の軽さがそういった面につながっているという気がいたします。  したがって、今度は指針を作るところと規制するところが同じですから、実はそう思ったんだけどできなかったって、通用しないわけですね。ですから、安全委員会と保安院のもたれ合い、そして真ん中にぽとっと球が落ちるような構図から、今度はそういうことを許さない徹底した規制、安全というものを求めていく体制をつくらなければならないというふうに考えております。
  209. 市田忠義

    ○市田忠義君 個人的な発言なんてかばう必要は大臣ないと思うんですよ。まあ、かばわれたんではないとは思いますけれどもね。  さらに、これも先日の委員会で取り上げたんですけれども、これまでの教訓を踏まえない政府の暫定的な安全基準の問題なんです。  国会事故調は、四月十八日、深野保安院長に暫定的な安全基準をただした際、事故原因を津波としたことについて、推定で原因を狭め、再稼働の条件とするのはうまいやり方ではないと指摘して、そして、フィルター付きベントの設備や免震重要棟の設置を再稼働の必須条件としていないことに批判が集中したと。黒川委員長は、必要な対策が先送りされて、原発の安全を守るのに十分なのか疑問が残ると、こういう指摘をされました。さきの委員会での私の質問細野大臣は、何が起こるか分からないので、高い基準を設けようとしている努力は分かってほしいという答弁をされました。  しかし、フィルター付きベント設備や免震重要棟の設置を再稼働の必須条件としないで、こういう必要な対策が先送りされた安全基準は、あの深刻な福島原発事故の教訓を生かしたとは到底私、言えないというふうに思うんです。大体取りあえずこれだけはということで政府が指示した三十項目なんであって、それすらできていないということは極めて問題だと。  改めて、大臣、いかがでしょう。
  210. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 昨年の事故の最大の教訓は、東京電力福島第一原発を襲った津波が仮に大飯原発を襲ったとしても、電源、水源は確保できて冷却はできるというところが最大のポイントだというふうに考えております。したがいまして、原子力安全・保安院はもちろんですが、安全委員会も含めて、専門家が四十回以上にわたる公開の議論を通じて対策をつくりまして、そこはきちっと穴が埋まっているかどうかということについては検証しました。  これまでのそうした規制部門の人間だけでは十分ではないと思いましたので、私は、国内でいうならば信頼できる専門家、そして海外の専門家も含めてセカンドオピニオン、サードオピニオンについては聞きまして、そこがきちっと水源、電源が確保できるかということについては確認をしたことも、実は独自にはいたしました。ただ、それは行政としてやったことではありませんので、私の判断材料の一つとして持ち合わせていたということは申し上げたいと思います。  その上で、PWRの原発のフィルター付きベントなんですが、これはヨーロッパでは確かに導入をしておる国が多い、ほとんど導入しているということのようですが、アメリカでは導入されていないんですね。BWRの場合にはベントはやはり構造上も、私も本当に東電の原発を見ていて思うのは、格納容器のサイズからいっても必要だというふうに思うわけですが、BWRの場合は二次系で外に空冷で抜けますから、その面で本当にそういうベントが必要になるような状況というのは相当考えにくい状況なわけです。それでもなおかつ、そういう最先端のヨーロッパでベントをPWRについても付けているということであれば、我が国も導入をしようということであります。  ただ、そのことが、それにはもちろんしっかりと取り組むんだけれども、それができないから全ての対策が駄目ということにはこれはやはりならないわけでありまして、それはしっかりとやりながら、目の前では津波に対して対応ができているので、稼働についてはこれは許可をしていくという、こういう考え方に立つということは私は妥当であると考えております。
  211. 市田忠義

    ○市田忠義君 その点は全然意見立場違いますが、じゃ、ちょっとお聞きしたいんですけれども、事故から一年三か月経過したんですが、フィルター付きベントの設置済みとまで行っていないにしても、工事が始まった原発一つでも日本の場合あるのでしょうか。
  212. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私の承知をしているところでいうと、工事が具体的に始まったという状況ではないというふうに承知しています。いろんな準備は行われているというふうに思いますが、現状においてはそういうことであります。
  213. 市田忠義

    ○市田忠義君 工事すら一つも始まっていないということをお認めになりました。  大臣自身おっしゃったように、フランスやスイスの原発では当たり前の設備になっているんですけれども、これは、設備設置しようと思うと、たしか一基当たり二十億円から四十億円掛かると。そう簡単にはできるものでないということから設置は全く進んでいないわけですけれども、また、作業員を被曝から守る免震棟の対策も、現在の対策室は福島のような事故を想定しておらず、作業員が寝泊まりするスペースはない、免震施設の建設が進んでいないと。  いろいろ言われましたが、改めて、やっぱり私はこれ最小限だと思うんですよ。政府自身が暫定的な措置としてこの三十項目をやれよという中にあるわけで、しかも原発の場合、一〇〇%安全というのはないんだということを何度も細野大臣自身がおっしゃっているわけで、こういう最小限の必要な対策を、我々は元々原発はゼロにすべきだという立場ですよ。しかし、しばらく原発は残るでしょう。そういうときに、やっぱり最小限必要な対策を先送りすべきじゃないじゃないかと、その点ではいかがですか。
  214. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この三十項目の認識が若干実は政府認識と、今、市田委員の御指摘と違うところがございます。この三十項目というのは、四十回以上専門家議論をいたしまして、その中で、最終的にはそれぐらいやらなければならないという非常に高い目標なんです。当面やれることを書いたものではなくて、あえてやはり高い目標を掲げるべきだということで、今のところ出てきているものを全て並べたのが三十項目なんですね。  ですから、暫定的にというのは、新しい規制機関が誕生していないという意味で、しかも法的に位置付けられていないという意味で暫定的なんですが、対策としては非常に高いレベルのものであるということを申し上げたいと思います。その上で、そのうちに前倒しをできるものはできるだけいたしまして対応しているということでございます。
  215. 市田忠義

    ○市田忠義君 福島原発事故をその教訓から学ぶとすれば、最終的には高い目標を据えるのは当たり前じゃないですか。取りあえずこれで安全なんだという考えが結局福島原発事故を起こしたわけでしょう。やっぱり最高のやつをやったって、あの福島を襲った津波や地震以上のことが起こらないという保証はないわけですから、やっぱりそれはまずいということを指摘しておきたいと思うんです。  国会事故調の参考人意見聴取で東電の武藤前副社長でさえ、柔軟な発想で備えなければいけなかったと事故対策の不備を認めざるを得ませんでした。黒川委員長は、東電の事故に対する備えが十分でなかったということが確認できたと、こう語っていましたが、私は、今打ち出されている対策というのは福島原発事故の教訓を踏まえた安全基準とは到底言えないということを指摘して、次の問題に移ります。  福島原発事故以降も原子力推進に固執している問題についてです。  まず、野田総理は、原子力安全行政の信頼は大きく損なわれたと衆議院会議答弁されました。その信頼を大きく損なった根本には、安全神話、これがあることは言うまでもありませんが、原発の炉心溶融について東電が事実を認めたのが二か月も遅れたと、これも私は重大だと思うんです。この東電の姿勢は、福島原発後も原子力推進に固執している現れの一つだと私は言わざるを得ないと思うんです。  細野大臣事故後の対応についてこうおっしゃっているんです。炉心溶融している可能性があることを率直に認めた上で対応しておれば、政府発表に対する信頼もかなり変わっていたかもしれない、問題があったと思っていると、これはマスメディアでそう報じられていましたが、この認識については今も変わりありませんね。
  216. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) はい、変わりはありません。政府が特に炉心の損傷や溶融のことについて事実を隠していたということではないんです。私は記者会見を始めたのは四月の末からですから、個別に問合せを受けたのはそれ以降ですけれども、枝野官房長官がその間ずっとやっておられました。枝野官房長官についてはいろいろ厳しい御指摘がこの委員会でもなされていましたけれども、私は、横で見ておりまして、大変な苦労をしながら、そのとき分かっていた事実をできるだけ正確に伝えようと努力を枝野前官房長官自身がされていたというふうに思います。  ただ、情報の伝え方としては適切ではなかった。つまり、国民が知りたいのは必ずしも個別のデータであったりとか個別の分析ではなくて、およそどういう状況になっているのかという全体像を国民皆さんは知りたいと思っておられるわけですね。であるならば、まず全体としてはこういうことが考えられて、その中で今事実として分かっているのはこういうことだという、そういう説明が本当の意味で正確な情報の伝え方だったというふうに思うんです。  そういった意味では、炉心溶融のところでいうならば、炉心溶融の可能性があるということを明確に認めた上で、ただ、データがここまでしか出ていないので溶融の程度は分からないということを言うべきだったんではないかと。そこを十分に説明せずに、炉心溶融は、溶けているかもしれないけれども程度は分からないということだけ言うものだから、後から厳しい事実が明らかになったときに、情報を隠していたのではないかという疑いを持たれることになってしまったと考えております。
  217. 市田忠義

    ○市田忠義君 事実上、やっぱり政権中枢は事実を把握しながら曖昧な公表を続けてきたと、これは私、重大なやっぱり背信行為だと思うんですね。ちょっと正確な言葉は忘れましたが、あの原発事故後の記者会見、にわかに危険が及ぶわけではないと。にわかにって、あの言葉でどれだけ国民が惑わされたかと。私、これはやっぱり原子力推進に固執する姿勢そのものだと思うんですよ。  菅前首相も国会事故調査委員会の聴取で、事故は国策で続けられた原発によって引き起こされた、最大の責任は国にある、国の責任者として事故を止められなかったことをおわび申し上げたいと、最も安全なのは原発に依存しないことだと、脱原発依存や原子力村解体を主張されました。  こうした事故後の民主党政権が、少なくとも言葉の上ではおっしゃっていた、脱原発依存と言っておられた姿勢は一体どこに行ったのかと私は言わざるを得ないと思うんです。    〔委員長退席、理事北川イッセイ君着席〕  これも先日の委員会細野大臣にお聞きしましたが、こういう福島原発事故以降も原子力推進に固執している姿勢というのは、例えば枝野経済産業大臣が四月十四日の西川福井県知事に、これまで基幹電源として電力供給を担ってきた原発を今後も引き続き重要な電源として活用することが必要だと、そう発言されていることにも現れていると。  この発言は、日本原子力産業協会の今井会長の、大震災一年に当たってのコメントでこう述べているんですね、原子力産業協会の会長は。原子力発電が果たしてきた基幹電源としての役割を大変強調された。私は、これと軌を一にしていると。  前回の委員会で、基幹電源という言葉まで一緒じゃないかと。基幹電源という言葉にはいろんな意味があるんだと細野大臣言われましたけれども、広辞苑を引くまでもなく、基幹電源の基幹というのは一番の大本、中心になるものと。脱原発どころか、原発ゼロを目指すどころか、原発は基幹的な電源、一番の大本で中心になるものだということを経済産業大臣も言い、日本原子力産業協会の会長も言うと。これ、同じ位置付けだと取られても仕方がないんじゃないですか、いかがですか。
  218. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 枝野経済産業大臣の発言は非常に慎重な言い方を実はしているというふうに考えております。つまり、従来、基幹電源と言われてきたものが今でも重要な電源であると言っているわけですね。ですから、枝野大臣があの発言をしたのは、重要な電源であるということを認めたということだと考えております。同じことを総理も重要な電源ということで発言をされています。  その重要な電源の意味というのは、先日も私、申し上げましたけれども、太陽光発電や風力発電を始めとした再生可能エネルギーというのはこれからどんどん伸ばしていかなければならないという意味で大変重要、重要と言うと言葉が重なってしまいます、大切な、しかも有望な電源なわけですけれども、まだ蓄電の技術などが十分我が国で発展していませんので、やはり不安定さというのはどうしても制約としてまだございます。そういう電源との組合せにおいて、重要な電源として安定しているという面があるということを踏まえた御発言であると私自身は解釈をしております。同様の例えば重要な電源という意味では、地熱発電なんかも、まだ規模は小さいですが、安定しているという意味で、同種の電源になり得るというふうに思います。  ですから、脱原発依存という方向は明確ながらも、当面はそういう安定している電源として原子力発電を、これを活用していくというのが政府の姿勢であると私は考えております。
  219. 市田忠義

    ○市田忠義君 いろいろ言われましたが、重要なというのを大切なと今、細野さんが言い換えられたけど、あれだけの原発事故を起こして、さきの委員会では、交通事故も起こしてはならないし、航空機の墜落事故も起こってはならないけれども、他の事故とは違う異質の危険が原発事故にはあるじゃないかと。一旦放射性物質が大量に大気中に放出されたら、完全にそれをコントロールする力を持っていない、時間的にも空間的にもそれはもう制御し難い、そういうものではないかということについては大臣もお認めになったのに、依然としてやっぱり大切な、重要な電源だと言うのは、これはいろいろ言い訳されても、私はあくまで原発に固執しているという姿勢の現れだというふうに思うんです。(発言する者あり)じゃ、これは重要ということですか、こっちは。余計悪いですよ。  さらに、話を進めます。  野田総理は、最新の技術基準に適さない原子炉は四十年以内であっても運転できなくなると語っておられますが、それは最新の安全基準を満たさなければ運転停止を命じるバックフィット制度を設けることにしたからだと、こういう理由なんですけれども、そもそも、運転期間の四十年の数字の根拠なんですけれども、現在ある原発設置許可申請において設計上の評価を運転開始後四十年としているものが多い、それが根拠だと思うんです。最大二十年延長することができる二十年という数字は、現在行われている老朽化した原発技術評価が運転期間六十年とされているからであります。  しかし、その運転期間を四十年として、最大二十年延長することができるという、四十年、二十年という数字は技術的裏付けは全くないんじゃないですか。この点はいかがですか。技術的裏付けがあるんでしょうか、四十年、二十年の。
  220. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず、四十年でございますけれども、これには理由があるというふうに考えております。  二つございまして、一つは、原発設置許可申請書というのがございますが、それに中性子の照射脆化に関する記載というのがございます。つまり、原子炉の格納容器に中性子が当たった場合にだんだん弱くなる、その脆化の温度ですね、これが百度を切ってくると、百度近くに上がってくると徐々に弱くなってくると言われていますから、それをそもそも予定をしているのがほとんどの原発で四十年ということであります。もう一つは、工事の計画認可段階での疲労評価というのが各設備についてございまして、例えば燃料の交換の発生回数は八十回、これは定期検査も含めて年二回の燃料交換を予定をしておりまして、そういうことは四十年間ということになるわけです。  ですから、個別のいわゆる脆化という素材としての問題についても、また設備の機器の全体のシステムということに関しても、四十年というのが一つのそもそも目安として原発というのは造られているというのが、これが根拠であります。  二十年の方は、これは二十年は延長するということではありません。四十年運転をして、なお運転を継続をしたいという場合に事業者が申請をして、そして認める可能性がある上限ということであります。ですから、何年延長するかも含めて事業者が申請の際に判断をして、それを厳しく規制機関の方が審査をするということになりますので、二十年ということについて、何かそこに明確な線があって、それに向けて先に延ばそうと、長く使っていこうという、そういう発想でつくられたものではございません。
  221. 市田忠義

    ○市田忠義君 通告していませんでしたが、じゃ、法案提出者、最大二十年延長できると、これはどういう意味で入れたんですか。  運転期間を四十年として最大二十年延長できると、わざわざ最大二十年延長できると。今大臣は、別に二十年延長ということを認めているわけではないというニュアンスでした。しかし法案はそうなっていませんよね。わざわざ二十年延長できると入れたのはどうしてですか。
  222. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) そこの部分は閣法と同じにしてありまして、二十年ということは、その後速やかに認めるということも同時に入っておりますので、別の委員さんとの御議論の中でもありましたように、規制を緩める緩めないというような議論も含めてその後見直しがされるということでございます。  二十年というのは閣法に準じた書き方をさせていただいているということでございます。
  223. 市田忠義

    ○市田忠義君 改めて大臣に聞きますけれども、運転期間を四十年として、最大二十年延長できるという法案ですね。私、これはなし崩し的に運転延長を法的に担保することになりかねないと。しかも、安全性を確保するための基準というのは省令で簡単に変えられるということになっているんですよ。容易に延長される危険性があると思いますが、大臣は、いやそうじゃないんだとおっしゃったけど、ちょっと食い違っているじゃないですか。その辺、いかがですか。
  224. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず申し上げたいことは、これまで運転年限を制限する制度というのはなかったわけですね。そこに初めて四十年というのを設けたわけです。  率直に言いますと、かなり厳しい批判がありました。業界の皆さんもそうですし、原発を持っている事業者皆さんからも、こういう事故がありましたので表立っては出てきていませんけれども、かなり厳しい声は私のところには聞こえてきておりました。といいますのも、大変な設備投資をしたものをこのルールが導入されることで価値がなくなるわけですから、そういったことについての非常に厳しい声があるのは、半ば当然といえば当然なわけですね。ただ、それでもやはりこういったことを導入をすることで、高経年化に対して厳しい姿勢で臨むべきであるというのが私のこの法案を出したときの思いでありました。  私の当時の思いは、四月に発足をさせるということを予定をしておりまして、その下で省令に基づいて延長できるという形になっていました。私は、相当しっかり検討して、技術評価について確信が持てるものができない限り省令を作るつもりはありませんでした。したがって、四十年以上は運転できないような仕組みを本気で導入しようというふうに考えておりました。  ただ、発足が時間がたってこういう時期になりましたし、この法律が成立をしたとしても、環境大臣については省令を認可する、そういう権限は与えられておりません。ですから、そこは国会意思でございますので、新しい規制委員会委員長を始めとした委員皆さんがこういう法の趣旨にのっとって厳格にやっていただけるものというふうに強く望みたいし、そうなるというふうに確信をしておるところでございます。
  225. 市田忠義

    ○市田忠義君 誤解のないように言っておきますが、日本共産党は四十年ならいいという立場ではないんです。ただ、細野大臣が以前、四十年を超える原発の再稼働はないと明言されていたんですよ。これは、今度の法案を見る限り、それすらも曖昧で、細野大臣の明言されていたことがまやかしだったんではないかと。法案では、発足後の原子力規制委員会で速やかに見直しを検討すると、こう規定されている。この四十年廃炉さえも骨抜きにして、私は、これは半永久的に稼働を容認するということにつながると。私たちは、福島原発事故の教訓を踏まえるなら、原発ゼロの政治決断をやっぱり政府がして、直ちに廃炉に向かうべきだということを指摘して、次の問題に移ります。  新たな規制機関が原発推進政府機関から完全に分離独立できるのかどうかという問題であります。  法案は、環境省の下に原子力規制委員会を置くことになっています。福島原発事故の際の混乱原因は、いろんな見方がありますが、専門家たちの能力欠如と見るのか、それとも菅首相を始めとする政治家の過剰関与に見るのかという議論がありますが、これまでの事故検証が示しているのは、安全神話の下で、私は、政治も専門家集団もシビアアクシデントへの備えが不十分でどちらも対応できなかったという、これが事実だと思うんです。やっぱり福島原発の教訓から、あの事故から学ぶべきはそこにあると。  民間事故調の報告書を見ますと、官邸の決定や経産相の命令、首相の要請がベントの早期実現に役立ったと認められる点はなかったと、こう指摘しています。法案で首相が指示権を持った場合でも、緊急時の対応に役立つとは私は限らないと思うんですが、この辺は大臣はどう認識されておりますか。
  226. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ベントであるとか海水の注入などにおいて総理が指示権を発動することは、これは望ましいことではないし、この法案の中ではそれは認められていないというふうに考えています。  ただ一方で、例えば海水を注入することを必要ということを委員長判断をした場合に、その手段として政府全体で何ができるのか、ここについては、専門家である原子力規制委員会委員皆さんよりは、政府全体として自衛隊を使うのか、警察を使うのか、はたまた、例えば海外の協力をこれから受けていくのか、そういったことについて判断をする能力がありますから、そういった場合に指示権の発動というのが必要であるということでございます。    〔理事北川イッセイ君退席、委員長着席〕
  227. 市田忠義

    ○市田忠義君 福島原発事故の原因究明が完了していない時点で首相の指示権を規定しても、これは緊急時の対応で役立つのか役立たないのか分かるはずがないと思うんです。  次に進みますが、法案は、政府原子力推進機関から完全に分離独立すべき規制委員会を環境省の下に置くということにしています。地球温暖化対策推進法に基づいて政府が閣議決定した京都議定書目標達成計画に何と書いてあるかと。書いてあるとおり読みましょう。原子力発電については、今後も一層の活用を図るとともに、基幹電源として官民協力して着実に推進すると。これが、地球温暖化対策推進法に基づいて閣議決定されたいわゆる目達計画であります。  また、今国会提出されている地球温暖化対策基本法案にも、温室ガス排出抑制のための原発推進を条文で明記されています。これは間違いありませんね、評価は別として。大臣に。
  228. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 間違いありません。
  229. 市田忠義

    ○市田忠義君 私は、原発推進経済産業省から独立する必要があると。だから、環境省の下に原子力規制委員会を置いて事務局的側からとして原子力規制庁と云々。しかし、今読み上げた文言で明らかなように、こういう削除と根本的な反省なしに私は真の独立性は担保されないと。環境省は、歴史的にも基本政策の上でも原発推進の少なくとも一翼を担ってきた官庁だと言わなければならないと。  日弁連の意見書を私、読みましたが、こう書いています。環境省の外局として原子力規制庁設置するのであれば、環境省が安全規制に特化した官庁でなければならず、環境省がこれまでの原子力利用の推進政策を撤回しなければ、原子力規制庁設置原子力推進してきた官庁間での所掌事務の移転がなされたにすぎない、看板の掛け替えだとの批判を免れないと。私は、この日弁連の指摘は極めて妥当だと思っています。  大臣は、環境省は福島原発事故以後、よく口にされることですけれども、放射性物質に汚染された災害廃棄物処理や土壌等の除染に真剣に取り組んできたと度々答弁されています。しかし、そもそも環境行政は原子力行政から排除されてきました。法案目的には環境の保全という文言が入って、環境基本法の国が講ずる環境の保全のための施策等に、原子炉の運転等に起因する事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関すること、これを加えました。しかし、これだけでこれまで全ての環境行政から排除されてきた放射性物質による環境の保全ができるわけではないというふうに私、思うんです。  振り返ってみますと、これまで環境行政では、大気汚染防止法、これ七〇年に改正された際に新たにわざわざ、「この法律の規定は、放射性物質による大気の汚染及びその防止については、適用しない。」と、こういう規定を置きました。それから、水質汚濁防止法、これも改正されましたが、同様に適用しないと規定しているんです。さらに、同年に制定された廃棄物処理法も「放射性物質及びこれによって汚染された物を除く。」と規定されていると。七三年に制定された化審法も同様であります。その後、九七年に成立した環境影響評価法、これは五十二条一項で「この法律の規定は、放射性物質による大気の汚染、水質の汚濁及び土壌の汚染については、適用しない。」と、こう規定をしています。九九年のPRTR法、それから二〇〇二年の土壌汚染対策法も適用除外となっていると。  こういうように、環境基本法とそれに基づく実施法は、放射能による環境汚染に対する対応から外されたままだったと。私は、福島原発事故原子力関係法規でも担保されていなかったことが明らかになったと思うんですけれども。  大臣にそこで伺いたいんですが、環境基本法を始め、全ての関係法令で放射性物質による汚染防止を確立するということでその実効性が初めて発揮できるんじゃないかというふうに思うんですが、その点はいかがでしょうか。
  230. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まず、前段のところの御質問、御意見、開陳されましたので、私の方で申し上げます。  環境省と原子力の関係なんですが、私は、推進官庁が環境省だったとは思っておりません。ただ、現実問題として、温暖化の手段として活用してきた面があったのはこれは紛れもない事実で、それが温対基本法の中にも出てきているというふうに思っております。  これからはそこは考え方を転換をしなければなりません。利用ということではなくて、安全を確保する、規制をするという立場ですから、そこは徹底してブレーキ役を担うという自覚なくしてこの環境規制を担う資格はないと、規制を担う環境省の下でやっていく、独立委員会とはいいながら、環境省の下でやるという資格はないというふうに思いますので、そこは認識をしっかりと持たなければならないと思っております。  その中で、是非委員皆さんにも御理解をいただきたいんですが、時々、環境省がここで、それこそ予算を拡大をするのではないかとか、そのことによってポストを確保するのではないかとか、そういう権限争いというふうに御覧になる方がいらっしゃるんですが、それは全くありません。  環境省に放射能の問題を持ち込むことに関しては、中ではむしろ、そんなことができるのかと、これまでそれは経済産業省文部科学省がやってきたのに、なぜ事故が起こった後にそれが環境省に持ってこられるんだということに関して抵抗がむしろあったんです。ただ、そのときに私は、これだけの環境汚染が起こった以上、それに見て見ぬふりをするのであれば、もう環境省という看板なぞは下ろした方がいいと、それぐらいの思いでやれと言ってここまで環境省を引っ張ってきたという意識が私の中にはございます。  したがいまして、いろいろ過去の環境省について御批判があるのは重々承知をしておりますが、環境省もそこはしっかりと認識を改めるところは改めてこの行政に向かっていく所存であるということを、是非皆さんにここは分かっていただきたいというふうに思います。  その上で、御指摘の法律については確かに改正のまだ十分行き届いていないところがございます。環境基本法については明確に扱うことを明示をいたしますので、原則はそれで確立をいたします。あとは特別措置法で廃棄物除染について作っていただいておりまして、そこで当面は対応できますので、まずそこでやらせていただきたい。それには見直し規定が付いていますので、済みません、ちょっと今手元にないんですが、恐らく三年だったと思います、見直し規定が付いておりますので、それを見直しをする際には、今御指摘をされた大気汚染の問題、水質の問題、土壌の問題、それぞれの分野ごとに汚染に対して対応する環境省としては法整備をしなければならない課題が残っておりますので、そこでしっかりと一律にやって、本当の意味で環境省がこの問題に向かうことができるような体制をつくりたいというふうに考えております。
  231. 市田忠義

    ○市田忠義君 私は、環境省の下に原子力規制委員会を置くことを、何か環境省が予算をたくさん獲得しようと思っているだとか権限を拡大しようと思っていると、一言もそれは言っていないんです。もちろん、私に言われたんじゃない、委員皆さんに御理解いただきたいということをおっしゃったんですけど。  ただ、さっきの大臣答弁で、私、大事だと思ったのは、私も正確に言っているんですよ、環境省が原発推進機関だったという一方的な言い方はしていないんです、原発推進の一翼を担ってきたというふうに丁寧に言ったつもりなんです。その点については一定の見直しも必要だということも大臣おっしゃったので、やっぱりその方向で努力されるべきだということだけ、この点は一言申し上げておきたいと思います。  次に進みます。  規制機関が原発推進機関からの独立性を高めるということは必要なんですけれども、やっぱり専門家の資質や意識が変わらなければ原子力村による支配が強まることになります。  いわゆる原子力村が原子力行政の実権を握っている、私、象徴的な例として、原子力委員会の秘密会議の問題があると思うんです。あの福島原発事故から一年以上がたっているにもかかわらず、核燃料リサイクル政策の在り方議論していた内閣原子力委員会小委員会が、原発推進側だけを集めた勉強会と称する秘密会議を開いて、報告書の原案を事前に配付していたと。この問題では野田総理国会答弁で、国民に疑惑を招くとすれば問題、疑念を招くことがないよう、小委員会の運営の在り方の見直しも含め、十二分に留意して対応したいと、こう答弁されています。  しかし私は、この問題は、原子力政策全般を議論する新大綱策定会議の議案が事前に事業者に配付されて、その意見を踏まえた内容が追加されていたもので、こういう原子力村の支配を許してはならないと思うんですけれども、大臣も同じ立場ですか。
  232. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今検証する会議を立ち上げておりますので、そこでしっかりと検証した上でまた皆さんに御報告をしたいというふうに思っております。  秘密会議ということをよく言われるんですけれども、この核燃サイクル自体が、是非についてはいろいろ御判断あると思います。  ただ、現実問題として、これが日本原燃という民間企業でされている以上、そういう企業から例えばコストであるとか廃棄物情報を取らなければならないというのは現実的にあるわけです。逆にそれが取れないと、そもそもコストなり、言うならば皆さんにしっかりと分析をしてお示しをすることができませんので、接触自体は私は必要であったというふうに思っています。  ただ、市田委員が御指摘をされたように、そこに小委員会議論を紹介をする必要は全くないわけですね。一方的に情報を取ればいいわけで、小委員会で検討している中身をそこで示す必要性は全くなかったわけです。ですから、そこは私は、今、市田委員が言われたような疑念を持たれかねないという意味で大きな問題があったと、そのように考えております。  ただ、小委員会での議論というのは、これは原子力委員会の鈴木委員長代理が全体の取り仕切りをしておられるんですが、鈴木委員長代理自身は非常に公正でして、むしろ核燃サイクルについてはこれまで厳しい立場でいろんな発言をしてきている人でもありますので、その中身については徹底した公開をして、そして検討されたものでございますし、実際、厳しい立場の方の意見が入っていますから、そういった意味で中身が事業者から影響されたものではないというふうに考えております。
  233. 市田忠義

    ○市田忠義君 私は、この秘密会議はやっぱり疑念を招く程度の問題ではないと。原子力村の支配そのもので、こういう運営は抜本的に改めるべきだということを指摘しておきたいと思います。  次に、この原子力委員会の事務局を担う内閣原子力政策担当室、これ職員が二十一人いますけれども、そのうち八人が東京電力、関西電力、中部電力などの電力会社、日立、三菱重工、東芝などの原発プラントメーカーなどの事業者から、一人は電力中央研究所からの出向者であります。これは過去五年間で延べ二十人以上に上っています。残りは経済産業省文部科学省の出身者が占めていると。事務局が原発推進派で占められていると。  この体制について、細野大臣は以前にこうおっしゃっているんです、しかるべき段階でお戻りいただくことを検討していると。見直す考えをお示しになりましたが、電力関係の在籍出向者の排除は確実に実施されているのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
  234. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私が原子力委員会を担当したのは昨年、一年前からでございますので、もう少し早い段階で十分その辺の事務局の体制にしっかりと自分なりに踏み込んで見ておればよかったなというふうに、そこは率直に反省をしております。  それとなく情報は聞いておりまして、事業者皆さんから情報を取るのに事務局にもいるというような話は聞いておったんですが、そこまで人数が多くて、そしていろんな意味で疑念を持たれかねない状況だということについては、一連のいろんな情報が出てきてから改めて確認をするということになりました。  特に、電力会社から来ている社員については、まさに核燃サイクルそのものの、原燃というのは電力会社がオーナー会社ですから、実質的なオーナーの会社から来ているわけですね。そうなると、ブレーキを踏むにも、そういう皆さんがつくったものがそうなるのかという疑念を持たれかねません。しかも、給料も電力会社から多くの部分出ているというような状況ですから、そこはしっかりとけじめを付ける必要があるというふうに思っています。  六月の末で電力会社の皆さんについてはけじめを付けるということになっておりますので、もう余り時間がありませんので、しっかりそれが実行されているかどうかは確認をしたいというふうに思います。
  235. 市田忠義

    ○市田忠義君 こういう電力業界との癒着は原子力委員会だけではないんです。原子力安全委員会にも及んでいると。  まず、原子力委員会では委員三人が原発メーカーから数百万円の寄附を受け取っていたと。これに対して、寄附を受け取っていない委員からは、利害関係者は委員になるべきではない、プレーヤーがレフェリーを兼ねているようなものじゃないかと、こういう批判が出されていました。  また、原子力安全委員会では、日本原燃のMOX燃料加工工場計画を審査している部会で、二十二人の審査委員のうち四人が北海道電力や関西電力の業界団体から寄附を受けていたと。これ本当に噴飯物だと思うんですけれども、四人はどう言っているかというと、寄附は受けたがどの審査にも影響はないと。当たり前なんですよ。寄附を受けたので電力業界に有利になるように自分は働きましたと、そんなことを言う人間はいるはずがないわけですから。こういう関係があることが問題だと思うんです。  安全委員会事務局は、審査する事業者と直接的な関係のある委員は審査メンバーにならないようにしてきたと、そう説明しています。ところが、電力会社の方はどうかと。電力会社の元幹部はこう言っているんですね。寄附でパイプをつくった先生のアドバイスを事前に受ければ審査でもめないと、公然とこう語っています。  また、安全委員会の五人の委員のうち班目委員長と代谷委員が、就任前の三ないし四年間に原発メーカーの、事もあろうに原発メーカーの三菱重工などから三百十万円から四百万円の寄附を受けていたと。班目委員長は何とおっしゃっているか。特段の問題はないと審査への影響を否定したが、審査への影響があるかないかじゃなくて、こういうところと関係を結んでいるということ自身が問題だと思わないところが私は問題だと思うんです。これで審査の中立性が確保されているとはやっぱり言えないと。  新しい規制機関には利益相反情報の報告と公表などの制度を導入して、いわゆる原発利益共同体の悪弊を持ち込ませない、そういう独立した機関にすべきだと思いますが、大臣、いかがでしょう。
  236. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) これまでの在り方を改めなければならないというふうに思います。  まずは欠格条項がありますから、それを守るのはもちろんですが、ガイドラインを作って、それに該当する方のみをしっかりとお示しをするということが重要です。加えて、やはり情報公開というのは徹底をしなければなりませんので、そこについて、附帯決議でも出していただいていますので、衆議院の方で、それをできるだけ反映をする形で国民皆さんにお示しをすることも重要だというふうに思います。  そういう中で、電力会社とそれぞれの、例えば審査専門委員なんかも含めてそうなんですが、かかわる人間の関係を全て完全に全く関係ないところに線を引けるかということについては、これはできるだけそういう状況をつくる努力はいたしますが、詳しい専門的な人材を入れていかなければなりませんので、そこは公開という形で皆さん判断をしていただくということになる面があろうかというふうに思います。  班目委員長のことも例として挙げられましたけれども、委員長が直接電力会社から寄附を受けたというよりは、大学への研究費という形で実際にそういうメーカーからお金が行っているというようなケース、それも含めて、全くそういう研究費なんかもかかわらない人が果たしてきちっと審査ができるのかというようなこともありますものですから、そこは徹底した公開という形で補っていくということも必要ではないかと考えております。
  237. 市田忠義

    ○市田忠義君 昔から李下に冠を正さずという言葉があるわけで、そういう電力会社や原発のプラントメーカーから寄附をもらうというような人をこういうメンバーにするのはやっぱりやるべきではないということを指摘しておきたいというふうに思います。  こういう原発利益共同体の悪弊について、私、先日の当委員会でも福井県安全専門委員会の実態をただしたんですけれども、細野大臣はそのとき、慎重な判断を尊重していくと答弁した。こういう電力業界との癒着は本当に根深いものがあって、やっぱり審査の中立性の確保は、私、程遠いと言わざるを得ないと思うんです。  民主党の二〇〇九年の衆議院選挙のマニフェストを見ますと、原子力規制機関について独立委員会方式を掲げていたことに対して、首相は、大災害の教訓から危機管理対応を強化した、独立性を十分に確保していると答弁されました。  しかし、日弁連は、三月二十二日、原子力基本法や原子力委員会の廃止などを求める意見書を首相に提出されました。  意見書を見ますと、規制組織在り方について、直接、間接を問わず他機関の影響を受けない独立機関とすべきだと主張しています。原子力基本法や原子力委員会が存続すれば、原発推進の政策は温存されて、規制機関でもこれらの政策の影響を受けることにつながると、これが日弁連の指摘であります。  原発推進原子力基本法や原子力委員会の抜本的な見直しをやらなかったら、規制機関の独立性、実効性が担保されないんじゃないかと。もう直ちに廃止せよとは今すぐには言いませんが、少なくとも、原子力基本法や原子力委員会の抜本的な見直し、これがなかったら、規制機関の独立性、実効性は担保されないんじゃないかと。この点はいかがですか。
  238. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 今回の法案の改正の中には、一部、原子力基本法についても改正の部分が入っております。それを抜本改革と見るかどうかはそれぞれ皆さん受け止め方によると思いますが、そこでは、人であるとか環境に対するしっかりとした取組をすることも含めて書かれておりますので、それ自体には意味があるというふうに思っております。  あとは、原子力委員会も含めたそちらの推進サイドの体制をどうするのかというのは、確かにこれからまた改めて議論をする必要があるというふうに思っています。当初、原子力規制組織をつくるときに、そこも一緒にということも考えたんですが、当面はやはり規制、安全というものをしっかりとやることに特化をして、そこの一元化ということに注力すべきではないかという判断に至りました。  したがいまして、原子力推進をする、さらには廃炉をするというのも一つのこれは大きな仕事でありますから、それをやり得る体制をどのようにするのかというのは、改めて政府内でも国会でもいろいろ御議論をいただく必要があるというふうに考えております。
  239. 市田忠義

    ○市田忠義君 これまでの議論で、福島原発事故の教訓が生かされていないこと、それから福島原発事故以降も依然として原発推進に固執しているということ、そして法案政府原子力推進機関から完全に分離独立した規制機関となっていないというふうな問題などについて議論をしてきました。やはり、福島原発事故の教訓を踏まえて、政府原発ゼロの決断を行って、それと一体で原発廃炉を進める強力な権限を持った原子力規制機関をつくることが私は必要だと思うんです。  それで、今回の法改正で、環境省の外局として設置される原子力規制委員会というのは、電力業界と癒着して原子力の安全神話を振りまいてきた原子力安全・保安院とか原子力安全委員会などを分離統合しただけのものだと私は思うんです。福島原発事故の教訓に立って、原発ゼロの日本を実行するという方向に沿った仕事をさせる機関とはなり得ないと。先ほど、原発推進の一翼を担っていた環境省と言いましたが、その外局に置いたのでは、強力な権限を発揮した原子力規制ができないことは私は明白だと思うんです。  国際的に見てみる必要があると思うんですけれども、国際的なスリーマイル島原発の教訓やチェルノブイリ原発事故を通じて九四年に採択をされて九六年に発効した国際的な原子力安全協定というのがありますが、ここから見ても、推進機関からの完全な分離というのは世界で共通した原則であります。やはりアメリカの原子力規制委員会のように、規制機関と言う以上、原子力施設の立地、設計、建設、試運転、運転又は廃止措置を規制する法的権限を与えられている機関でなければ私はならないと思うんです。  これは何も無理なことを言っているんじゃなくて、日本自身が調印して国会が批准した原子力の安全に関する条約でも、これは「「規制機関」とは、」ということで明記されている、明確にされている問題なんですが、今度の法案規制委員会はこういう権限を持っているんですか。  独立性についても疑いがあるということを先ほど言った。今度は権限の問題なんですけれども、単に独立しているだけではなくて、権限を持つ必要があると思うんですけれども、今度のこの規制委員会には、もう一度言いますけれども、原子力施設の立地、設計、建設、試運転、運転又は廃止措置を規制する法的権限を与えられておる機関、そう言えるのか、そういう権限を持っているのかですね。  アメリカの原子力規制委員会はそういう、司法、行政、立法の三権から独立して、裁定及び規則制定の準司法機能あるいは準立法機能も持ち合わせているわけですけれども、そういう独自の許認可権を持った独立した機関、これでなかったら本当の規制機関と言えないと思うんですけれども、そういう許認可権はこの原子力安全規制委員会は持っているんでしょうか。
  240. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 基本的には持っております。立地から持っていますので、立地の段階から運転、そして運転期間、そして廃止措置に至るまで、それがきちっと安全にやられているかどうか全て見ることができる形になっておりますので、持っております。ですから、相当強い権限の規制機関が誕生したというふうに思っていただいて結構かと思います。  先ほど市田委員の方から、原発ゼロを目指すのかどうかというようなことも御発言ございましたけれども、そこは、私は、例えば二〇三〇年に、四十年でいくと自然体で一五とかいうのが一つのベースだというような、そういう議論が今エネルギーの政策の方で議論されているんですが、逆にそれに沿わない形で原発そのものに対して厳しい規制が掛かっていく可能性は、この組織が誕生すればあり得ると思うんです。  それについては、昨日は中川委員の方からむしろ懸念が表明をされましたが、今回こういう制度をつくったというのは、エネルギーの供給について帳じりを合わせるということをもうやめろということですから、そこは非常に、これはエネルギー供給という観点からすると際どい面も正直ございます、日本の場合は。化石燃料に依存し過ぎることの危うさもありますから。それはあるんだけれども、そこを選択をしたというのが私は少なくとも衆議院の段階での立法府の意思だというふうにとらえております。  したがいまして、原発ゼロにするという意味では、すぐに全部動かさなければゼロになるんですが、そうはならないんだけれども、結果として、安全規制を強化をする中でそういった方向に大きく進む可能性はこの制度上あり得るというふうに考えております。
  241. 市田忠義

    ○市田忠義君 今度の規制委員会はそういう権限を持つと大臣おっしゃいました。午前中の質疑で、僕の聞き間違いかもしれませんが、原発安全性についての規制の権限はあるけれども、稼働させるかどうかは資源エネルギー庁判断すると。資源エネルギー庁といったら経産省の言わば外局でしょう。推進機関にそんなことを委ねるというのは、それは、じゃ、取消しですね。
  242. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そのときできるだけ正確に答弁しようと思ったんですが、再稼働についての判断自身はしっかり規制委員会がやります。ですから、その判断をするわけです、再稼働できるかどうかの判断は。ただ、それでも当然反対の方もおられるし、当然という言い方はよくないですね、それでも反対の方もおられるかもしれません。自治体として、なぜ動かす必要があるのかというエネルギーの供給面からの疑問が出てくるかもしれません。そういった皆さんに、実はエネルギーはこうなっていて原発が必要なんだとか、再稼働がこういう事情で必要なんだとかいう必要性の方の説明は、そこまで原子力規制委員会がするということになると、まさに推進サイドということになってしまいますので、そこまではやるべきではないということを申し上げたということであります。
  243. 市田忠義

    ○市田忠義君 資源エネルギー庁は、必要性説明はする権限はあるけれども、原発の再稼働を決めたり、そういう権限はないということを確認しておいていいですね。
  244. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 資源エネルギー庁が再稼働について許可をするとか判断をする権限は全くございません。
  245. 市田忠義

    ○市田忠義君 福島原発事故以降、ドイツのメルケル政権が原発撤退に転換しました。原子力法も改正しました。  その主な内容を見ますと、これはもう大臣御存じだと思いますが、原発撤退の完了時期を二〇二二年末として、各原発稼働停止時期を明確にしたと。福島原発事故後、メルケル首相の指示により一時停止していた八基の原子炉は再稼働させないことが定められました。残りの九基の原子炉については、二〇一五年、二〇一七年、二〇一九年に各一基、二〇二一年、二〇二二年に各三基が段階的に停止されます。一方、再生可能エネルギー法の改正では、電力供給中に占める再生可能エネルギーの比率を、二〇二〇年に三五%、二〇三〇年に五〇%、四〇年に六五%、五〇年に八〇%に引き上げる目標が決められました。  ドイツが福島原発事故を受けて大きく原子力政策を転換させたのはどういう理由からだというふうに大臣はお考えでしょう。感想でいいですが、まあそれはドイツに聞けと言われたらそれまでですけれども、ドイツがなぜこういう転換をしたのかというのは、なぜだと思われますか。
  246. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 去年の三・一一以降、何人かのドイツの政治家であるとかジャーナリストとお会いをしましたが、福島のこの状況を見て、原発は改めて危険なものであるというのが分かったと。なので、それに頼らない道を探していくということだというふうに考えております。  もう一つは、ドイツの場合には大陸の中にありますから、電力についての供給の融通ができるという、その辺りについては、これは特段明示はされておりませんですけれども、日本とは違う事情があるのかなというふうには感じております。
  247. 市田忠義

    ○市田忠義君 やっぱり一番ドイツ政府原子力政策を大きく転換したのは、福島原発事故を受けて、ドイツの倫理委員会、ここがこう言っているんですよね。一たび大量の放射性物質が外部に放出されれば、もはやそれを抑える手段が存在せず、被害は空間的にどこまでも広がる危険がある。時間的にも将来にわたって危険を及ぼす可能性があり、地域社会全体の存続そのものを危うくする危険を持つものであると。  そういう報告書を倫理委員会はまとめて、この考えについてはさきの当委員会細野大臣も、ほかの事故にはないこういう危険性、異質の危険性を持ったものだというのはお認めになりますねと、それはお認めになりましたが、ドイツも倫理委員会がこういうことをまとめて政府提出した、これがやっぱり大きな転換をした理由だったと思うんです。  加えて、九一年の電力供給法、それからそれを引き継いだ二〇〇〇年以来の再生可能エネルギー法によって、電力の固定価格買取り制度が既に定着していたということもあるかと思うんです。  さらに、チェルノブイリ原発事故をきっかけに施行されたドイツの放射線防護予防措置法の目的、これは、住民保護のために、まず第一に環境における放射能を監視すること、それから第二に、人の放射線被曝及び環境の放射能汚染を適切な措置により可能な限り少なくする、こういう目的の法を作ったと。  そして、ドイツの原子力規制原子力法に基づいて期限を切った原発、要するに、先ほど私、原発ゼロを決断しろと言ったのは、あしたにもすぐにも原発ゼロにしろということを言っているんではないんですけれども、やっぱり政府の政治決断がなかったら原発ゼロというのもやっていけないわけで、ドイツの立派なところは、期限を切った原発停止という決断をして、それまでの安全確保を実行する規制機関となっているところに私、大きい特徴があると思うんですけれども、ドイツが福島原発事故の教訓を学んでいるのに、日本こそこの教訓に学んで原発からの撤退を実行するための原子力規制機関をつくると、これが福島原発事故から真に学ぶということじゃないかと思うんですが、改めて大臣、もう一度お答えください。
  248. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ドイツはドイツとしての様々な議論を経て判断をしたのだろうというふうに思います。  その判断は、今、資源エネルギー庁の下でやっております総合エネルギー調査会でのエネルギー基本計画、さらには、政府としてはエネ環会議をやっていますので、そこで議論をして、国民がどう考えるのかということをしっかりと踏まえた上で、政府としていろんな判断をしていかなければならないというふうに思います。  やはり、規制機関が動くことでゼロにするということではないのではないかと。規制機関は安全かどうかということをできるだけ専門的、客観的に判断をし、社会がそれを受け止められるかどうかということも含めて稼働について判断をしていくという機関です。ですから、そこはそこでしっかりとした判断をし、エネルギー全体についての議論は、まさにこれから夏に向けて、まあ夏も入っていますけれども、これから何か月か掛けて徹底的にやって、日本は日本としてどういう判断をしていくのかという議論になってくるというふうに考えております。
  249. 市田忠義

    ○市田忠義君 まさにそのとおりで、政府が政治の決断として原発ゼロを決断するかどうかということが今問われていると。それに反して再稼働に前のめりになっているのが今の野田政権じゃないかということを私は冒頭にも申し上げたわけで、その決断がなかったら、どんな規制機関を設けても、結局は推進ということになっちゃうじゃないかということを福島原発事故の教訓からやっぱり学ぶべきだと。言葉で脱原発依存とか幾ら言っても、実態が伴わなかったら駄目だということを申し上げているんです。  福島県自身が何を言っているかということなんですけれども、原子力からの脱却と廃炉までの安全確保を強く福島県は求めています。  昨年の十二月、これはもう大臣当然御存じだと思いますけれども、福島県が策定した福島県復興計画、これ第一次ですけれども、ここでは、原子力災害が進行中であり、本県は深刻な影響を受け続けていることから、本県の復興に当たって原子力災害対策が極めて重要な位置を占めている。また、原子力災害による影響は、環境、健康、産業、教育などあらゆる分野に及ぶとともに、次の世代までの長期にわたることが想定される。したがって、本県は、原子力に依存しない社会を目指しており、国及び原子力発電事業者に対し、県内の原子力発電所については全て廃炉とすることを求める。廃炉が完了するまで、国及び原子力発電事業者責任の下、廃炉作業が安全に進められ、原子力関連施設安全性が確保されなければならないと。原発からの撤退と廃炉までの安全確保を強く福島県は県として求めておられます。  私は、大臣、この福島県の原発からの撤退と廃炉までの安全確保を図る原子力規制の要請に正面からおこたえになるべきだと思うんですけれども、改めていかがですか。
  250. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 再稼働も含めて、原発のことについて様々な判断をするときに常に私の頭の中にあるのは福島のことでございます。本当に厳しい中で生活をされている福島皆さん原発については廃炉にという思いを持っておられることは承知をしております。  あとはその判断をどう受け止め、判断そのものの最終判断をしていくのかというのは、これは規制委員会の方で行っていく、さらには、資源エネルギー庁のところで判断をすべき部分も恐らくあるだろうというふうに思います。そこで判断がなされるものというふうに思います。
  251. 市田忠義

    ○市田忠義君 もう時間が参りましたのでまとめに入りたいと思うんですけれども、ドイツでは、原子力基本法の目的の第一に原発の廃止を掲げているんです。その下で原子力への規制を行うと。ここが日本と違うところなんです。日本でも、原発が持つ特異な危険性を直視をして、政府原発からの撤退を政治決断して原発をゼロにする期限を決めたプログラムを作ることが私、不可欠だろうと、そうしてこそ日本が福島原発事故から学んだというふうに言い切れると思うんです。  やはり、改めて言いますけれども、福島原発事故の教訓から、原発ゼロの政治決断と一体に、原発推進政府機関から完全に分離独立をして原発廃炉を進めると。同時に、原発規制管理、事故、使用済核燃料核廃棄物などを規制する強力な権限を持った原子力規制機関とすべきではないかということを指摘して、ちょうど九十分になりましたので、終わります。
  252. 松村祥史

    委員長松村祥史君) この際、お諮りいたします。  委員議員福島みずほ君から両案件についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  253. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 御異議ないと認めます。  それでは、福島君に発言を許します。福島みずほ君。
  254. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 社民党の福島みずほです。委員外発言を許可してくださいまして、ありがとうございます。また、他の委員会があるので、質問の順番を変えていただいたことにも深く感謝をいたします。ありがとうございます。  まず、第一条に、我が国の安全保障に資するという目的が書いてあります。これは今回新たに修正で入りまして、原子力基本法もこれによって変わるということになっております。  今日の午前中に、世界平和アピール七人委員会、辻井喬さんや池田香代子さんや、それから武者小路公秀さんなどが、この安全保障に資すると加える改正案の撤回を求めるというアピールを出しております。その懸念は、原子力軍事利用のオプションないしは潜在的核能力にお墨付きを与えかねないんじゃないか、あるいは原子力事故の際に安全保障を理由に国民への情報共有が図られないおそれがあるのではないかなどの理由だと思いますが、いかがでしょうか。
  255. 松村祥史

    委員長松村祥史君) どなたに答弁を求めますか。
  256. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 環境大臣、済みません。
  257. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) この安全保障という文言は、まさに議員立法を反映をする形で衆法の中で取り入れられたものでございますので、もし立法者の意思ということであれば、提出者の皆さんにお聞きをいただければと思います。  私どもとしてどう解釈をしているかということで申し上げると、今回、この原子力規制委員会は、セーフティーだけではなくて、セキュリティーやセーフガードというものについても所管をすることになります。いわゆる核物質防護、そして保障措置ということになるわけですが、ここは核不拡散の観点から、若しくはテロ対策という観点から安全保障というものに深くかかわりますので、それで加えられた文言であるというふうに考えております。
  258. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 国会決議によって、平和利用に限り、公開、民主、自主の下で進められてきた日本の宇宙研究・開発利用が、宇宙基本法の目的に、我が国の安全保障に資すると含めることによって軍事利用の道を開いたことは忘れることができないというふうにアピールにあります。よもやそういうことはないという理解でよろしいでしょうか。提案者の方、お願いします。
  259. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) 全く今細野大臣がおっしゃったとおり、私たちはこれ、スリーS、セーフティー、セキュリティー、セーフガード、特にセーフガード、これ外れていました、政府案では。そこのところを一元化という形で持っていきましたので、セーフガードというのは核爆弾を造らないということです。このことを私たち規制委員会の方でやりたいということで、こういう文言が入ったわけであります。  以上です。
  260. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 大飯原発以降は原子力規制委員会が再稼働判断するということでよろしいですね。今後、原発の再稼働について四閣僚が判断するということはないということでよろしいでしょうか。
  261. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今、国会規制機関について御審議をいただいております。  この法律が可決、成立をして施行をされれば、施行された以降は安全性については一元的に規制委員会が行いますので、今の保安院と安全委員会を前提とした昨年七月の三大臣合意というのはそこで効力を当然に失うことになります。一応それまでの間は昨年の七月の三大臣合意に基づく手続ということが政府立場でございますが、御承知のとおり、保安院のプロセスは終わっているものがありますが、安全委員会のプロセスがなされておりません。安全委員会がこのプロセス、作業をしていただかなければ前には進まないと、こういう状況です。
  262. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 保安院が福井県に説明に行ったというのは、私は奇異だと思ったんですね。いつも保安院が説明に行く、それはおかしいじゃないか。  ですから、今回は、規制委員会規制官庁なわけですから、絶対に推進という立場で再稼働について自治体説明に行かない、だとすると、一体誰が自治体説明に行くんでしょうか。
  263. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 規制委員会はあくまでブレーキ役ですから、安全について判断をするわけですね。ですから、そこは、これまでの保安院は、もちろん安全について判断はしていたんだけれども、一方で供給サイドについても半分かかわっていたようなところがありますから、それとは性質を分けなければならないというふうに思っています。  ただ一方で、自治体から安全性について説明を求められた場合に、いや、規制委員会自治体には説明をしないんですというわけには私はいかないと思うんです。ですから、そこは安全性についてどう考えるのか、再稼働についてどう判断をしているのかということについては、これは説明に行かなければならないであろうというふうに思っております。  その上で、自治体に最終的に御理解をいただくプロセスの中で、なぜ原発が必要なのかとか、なぜエネルギー供給としてそれを活用するのかという説明については、これは資源エネルギー庁がやっていくと、そういう役割分担になります。そこをこれまでは混然一体としてやっていましたが、これからはしっかり分けなきゃいかぬと思います。  ですから、規制委員会安全性について説明するところはしっかりそれを説明をしていくという、そこについて推進側と何か密接不可分な関係にあるようなことが、少なくともそういう印象を持たれることがあってはならないというふうに考えております。
  264. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 規制委員会が強い権限を持つことはいいと思うんです。ただ一方で、大臣説明する、大臣が記者会見するという政治的決定が薄まることはいかがかというふうにも思っております。  ドイツは、先ほどもありましたが、科学者たちは日本の原発より安全だと言いました。しかし、倫理委員会で駄目だと。政治的判断で、幾ら科学者が言っても、政治的な判断として原発ゼロにするんだ、二〇二二年までにという政治決断をやったわけですね。私は、これから日本の原発においても、科学者が安全かどうかという、科学者がいかに安全と言っても政治が駄目だと言うときが必要だと。科学者が安全だと言い切っていないのに政治がやれと言う大飯原発のような判断は間違っていると思いますが、逆に、安全だと言ったところで政治が駄目だと言う決断はこれから大変必要だと思っています。そういう判断はきちっと経済産業省で逆にやっていただきたい。  枝野大臣、枝野さんは、私は、例えば四月二日、現時点原発稼働に反対ですと言ったり、脱原発依存社会とおっしゃっています。今回の再稼働とは別に、きちっと脱原発依存社会に向けての決意を示していただきたい。いかがですか。
  265. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 昨年の福島原発事故を踏まえると、これはある意味当然のことですが、人間のやることに絶対はない。絶対はないということは、必ず原子力発電にはリスクがあると。このリスクは極小化をするべく最大限努力をするわけですけれども、それが顕在化をした場合、あの福島の事例でも見られるように、そこで生じる被害というものは他の科学技術による副作用とは決定的に違うものであると。そういったことを踏まえれば、計画的、段階的に原発への依存度を限りなく引き下げていくということは、菅内閣以来、野田内閣においても一貫している姿勢でございます。  その計画的、段階的ということについての具体的な中身は、先ほどの質問者に対して細野大臣がお答えをされていたとおり、最終的にはエネルギー・環境会議を軸にして、幅広い意味でのこの夏の間には政府としての具体的な中身をお示しをしたいと思っております。
  266. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 枝野大臣、大間も上関もやめると言ってくださいよ。いかがですか。
  267. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 一つ一つの発電所のことについては、これは全体としてのまさに計画的、段階的な原発依存度の低減に向けた大きな枠組みが固まった後に、一つは新規制機関による安全性についての評価ということがあろうかと思いますが、もちろんそれ以外の要素によってどういうふうに段階的に減らしていくのかという部分があると思いますので、安全性以外の要素のことについては、大きな枠組みが決まりましたら、当然これは基本的には経済産業省の仕事だと思いますので、そこでそうした具体的なプログラムを示していくことになると思います。
  268. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 早く示していただきたいんですね。大飯原発稼働をやって、これからずるずると伊方とか、アリの一穴じゃないけれども行っちゃうんじゃないか。本当にこの政権が脱原発に向かうのか。臨界やっていない大間や上関はやめると言ってくれたら、住民がどれほど安心するかというふうに思っているんです。そのことを是非やっぱり決断していただきたい。いかがですか。
  269. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) まず、大飯の再稼働プロセスについて、これが一つ決定がなされたからといって、他の原発についてもずるずるとというか、なし崩し的に再稼働するつもりは全くありませんし、またそれができるプロセスにもなっておりません。  先ほど申しましたとおり、新規制機関ができれば新規制機関が完全に独立して御判断をされることでありますし、新規制機関ができる前のプロセスにおいても、これは安全委員会のプロセスがなければ前に進みませんが、現状においては、安全委員会においてはその作業をしていただけていないという状況が続いていて、今のところ、そのプロセスをしていただけるという可能性は残念ながら低いという状況でございますので、まず客観的にもそういう状況でありますし、一つ一つの発電所について、規制庁発足以前のプロセスにおいても、もし政治のプロセスに上がってくることになった場合であっても、今回の大飯のときと同じように、あるいはそれ以上に慎重、丁寧なプロセスを取るというつもりでおります。
  270. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 原子力規制委員会が厳正な安全基準を作成した際には、大飯原発を含めてバックフィットを実施すると、基準に達していなかったら大飯原発を含めて停止等の措置をとるということでよろしいですね。
  271. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) はい、そういうことになります。
  272. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) 人事のルールについて昨日議論し、採用する職員について、電気事業者等から採用すべきではないという議論をいたしました。  現在、原子力委員会で起きている様々な問題を踏まえれば、秘密会議は行わない、職員が電気事業者、メーカー等外部の者と面会する際は申告する、記録する、それが実施していなければ処分を行う等といった厳格なルールを決めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  273. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) ルールの中身はいろいろな議論があり得ると思うんですが、何らかの内部でルールを決めておくべきだろうというふうに思います。つまり、例えば委員が複数、一例ですよ、一例ですが、三名以上集まる場合はきちっと会議として残すであるとか、事業者と接触した場合はその記録を残すであるとか、そういったことのやはりガイドラインというのは必要であるというふうに考えております。
  274. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) ありがとうございます。  四十年ルールについてずっと議論がありますが、細野大臣がこれはきっぱりと結構言っていただいていると思います。社民党の立場は、実は四十年でもとてつもなく長い。福島原発事故が明らかだったように、古い順から壊れていっているわけですね、一号機から。ですから、四十年、あるいはプラス二十年があり得るというのは、老朽化したものを動かすのは危険だというふうに思っております。また、私の質問に対しても細野大臣、これはやっぱり私たちは四十年では長いと思っておりますが、ここで見直すというときに、四十年より長くするんじゃなくて四十年より短くしてほしい。いかがでしょうか。
  275. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そこは、四十年というところに一定の、中性子の脆化などでこれまで一定の線が引かれてきたということでつくったわけですね。  それより更に短くするということも含めて、さらにはバックフィットという意味ではいろんなケースがあり得ると思うんですが、そこの判断はやはり専門家皆さんにしていただくということになるのではないかと思います。
  276. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) これは本当はもう再稼働しないで、日本は地震が多いですし、安全な日本をつくるというふうにしてほしいというふうに思いますし、この点もしっかりやるべきだと思います。  規制委員会をつくるというのがやっぱりポイントで、例えば班目委員長は、東大教授だったときに浜岡原発の裁判で中部電力側の証人として出てきました。私は、原発が安全だと思っている人間規制委員会あるいは規制庁で頑張るのは間違っていると思っています。原発は危ない、原発は信用できない、こんな危険性があると言う人間規制委員会に、規制庁にいてこそバランスが取れる、牙となって原発を本当に安全にコントロールできるというふうに思っております。  大臣、いかがでしょうか。
  277. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 昨年の事故がありましたので、原発は安全で問題ないと思っている人は、これはそんなにはいないと思うんですね。いるとすれば、そういう人は就くべきではないと思います。それはもう大変ごもっともな話でありまして、そこは反省も含めてきちっとこの事故をとらえて、そして新しい規制で強化をしていくという、そういう姿勢は、これは委員ももちろんですし、職員も含めて必要であるというふうに思います。
  278. 福島みずほ

    委員以外の議員福島みずほ君) ありがとうございました。
  279. 平山誠

    ○平山誠君 新党大地・真民主の平山誠です。連日、大臣始め関係の皆様、お疲れさまです。  私は、この法案がスタートするに当たり、よいものであり、国民に安心、安全を与えられる法案であるということを目指していただきたいために幾つかの質問をさせていただきます。  昨日も冒頭、細野大臣に新聞からの報道の質問をさせていただきました。今日、朝の新聞にもうちょっと詳しく載っていまして、細野大臣は、アメリカからの汚染地図をなぜ公表しなかったのか、なぜ政府が住民安全対策に使わなかったのかといった私の昨日の質問で、日本ではSPEEDIの情報が二十三日に公開されたと、アメリカのエネルギー省のデータも同じ日に公開したのでそごはなかったと、そういうような御返答でしたが、私はそういう意味質問したんではなく、重要な情報があるセクションに、政府に入ったことが、ある職員の感覚で伏せられてしまった。  今日の記事の中にも、山本審査官という方ですか、答えていますが、そこの情報がどうして住民安全班に伝わらなかったのかということを聞いたら、分からないと。じゃ、重要なこの情報がどういうふうに扱われたのかということも分からないと。最後に山本審査官は、情報がなかった経緯は第三者の立場で検証していただくべきと。これはまさしく国会事故調でまた調べ、どうして情報が行かなかったのかということを調べ、要するに、大切な情報が来たときにどういうふうに誰が情報分析するか、職員の感覚で伝えたり伝えなかったりというんじゃなく、来た情報は全て上に回すというようなことが必要なんではないかと私は思います。  その辺を法案提案者の方はどう思われますか。どなたでも結構です。──じゃ、質問を、済みません。  要するに、そういう情報を的確にできるスタッフをそろえられるという自信がある法律なのかどうかというのを聞きたいんですよ。
  280. 横山北斗

    衆議院議員(横山北斗君) これは、立法者の意図としては、科学的知見を持った方々にやっていただくということですから、当然、そういう期待を持ってこういう法律を提出した次第です。
  281. 平山誠

    ○平山誠君 ちょっとよく分からないんですが。  細野大臣も枝野大臣もこの情報を、昨日、細野大臣は、東電に行っていたので、両方発表されればよかったということもありますが、要するに、情報が入ってきたときに的確に次のセクションへ回す、入口から出口までストレートに各段階を上がるとか、そういうルールはなかったんですか、保安院とかそういうところには。細野大臣、枝野大臣にお聞きします。
  282. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 残念ながら、何というんでしょう、こういった情報はこのレベルまで上げるということについての、少なくとも詳細、具体的な基準がなかったがために、今回の米軍のモニタリングの結果あるいはSPEEDIの一単位当たりのシミュレーション等が的確に幹部のところに上がってこなかったということであり、これは今回の事故対応に対する最も大きな教訓の一つであるというふうに思っておりますし、そのことについて、国民、特に避難者の皆さんには大変申し訳なく思っております。
  283. 平山誠

    ○平山誠君 それは今、枝野大臣のお気持ちだと思いますが、よく理解できます。  だとするならば、国会事故調でその結論を出し、入ってきた情報は全て上げるとか下ろすとかいう形でやるルールをつくってからこの法案を制作する、進めるべきだと私は思いますが、今のように、職員の感覚、スタッフの感覚で、もしも重要なもの、今回はあえて言うならば大丈夫だったかもしれませんけれども、本来、こんなことを言っては申し訳ないですけれども、枝野さんが言われた直ちにという言葉でいえば、百二十五マイクロシーベルトが流れる方向を示していたんですから、これは直ちに人体に影響があることだったんですよ。それを個人の感覚で、感覚ですよ、感覚とか概念でですよ、伝えなかった。もしそれが今度の規制庁の職員にもそういうことがあった場合、感覚を首にできますか、この法案で。法案提出者にお聞きします。
  284. 横山北斗

    衆議院議員(横山北斗君) 御質問は、委員のことを聞いておられますか、規制庁の職員のことを……
  285. 平山誠

    ○平山誠君 職員。
  286. 横山北斗

    衆議院議員(横山北斗君) 規制庁の職員はできます。
  287. 平山誠

    ○平山誠君 規制庁の職員は公務員じゃないんですか。首にできるんですか。
  288. 横山北斗

    衆議院議員(横山北斗君) もちろん、公務員の法律にのっとって対処した結果、そういうことになる可能性もありますということです。
  289. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 枝野大臣も先ほど答弁をされたように、情報をどのように共有するのかということについてのある程度のやはり中でのガイドラインというようなものは必要だというふうに思うんです。ただ、それは法律に書くというレベルのものではなくて、もう少し実務的なものですので、この法律を通していただいたら、それに基づいて今回の教訓をしっかり受けた様々なガイドラインを作っていくということになろうかと思います。  その上で、一方で、膨大な情報が当時は行き来していましたから、全ての情報を予測してガイドラインを作っていくことは、やはり現実的ではないと思うんですね。そのときに私が感じておりますのは、どういう情報は共有すべきなのかという目的意識なり方向性を明確にしておくべきだろうと思うんです。その意味でいうならば、保安院もそうですし、原子力安全委員会も、住民の安全にかかわる情報を共有しなかったという意味で非常に問題があると思うんです。  ですから、住民の安全とか健康であるとか命であるとか、そういったことについての情報は絶対にこれは共有するんだというルールさえつくっておけば、それをしなかった場合には、それはしかるべき様々な対応ができるわけでありますから、そこが私はポイントの一つではないかというふうに考えております。
  290. 平山誠

    ○平山誠君 ありがとうございます。  これは膨大な情報の中からでも、これは報道ベースですけれども、アメリカ大使館から外務省に再三使用するように、公表するようにという指示があったということが報道に書いてありました。ですから、多くの情報と一緒にしていいかどうかはまた別問題かなということがあります。  ただ、どんな組織をつくりましてもやはり完璧ということはあり得ませんので、やはりスタッフは、情報伝達ということは更に教育するべきと思います。旧態依然とした組織ではなかなかうまくいかない。幾らいい法案を作っても、仏作って魂入れずではしようがないと思います。  そのスタッフの中でお聞きしますと、大臣もおっしゃったように、いい人材が、お願いしようと思ってもなかなかよい返事がもらっていないというようなことを昨日おっしゃっておりましたが、野田首相の国会答弁で、やはりこの新しい組織に属する人は原発の近くに駐在し、敷地内にも行き来する検査官の職員を配置すること、これは当たり前だと思って、今までこれがなかったのかということが疑問になりますが、その次に、地域のコミュニティーの一員として生活すること、万が一の際には二十四時間直ちに駆け付けられるような体制を取るとありますけれども、私はよい意味質問するんですよ、よい意味質問するんですが、人には人生計画や家族もあります。今からノーリターンと言われて、その優秀な人が、その地域にこれは住みなさいということだと思うんですが、ここまで縛るような形の法律を作ったとするならば、若しくはこの法律を意識するとするならば、ノーリターンということを書くならば、このようなことで人は集まりますか、大臣
  291. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) これ、組織が変わりますが、特に検査の現場を担う人間は現状の保安院の人間で問題のない人間が多く行かれると思いますが、このまさに原子力の検査官の検査の業務に当たられている職員は、元々、原子力発電所の検査をするということでございますので、全国各地の原子力発電所の周辺地域に転勤が多いということは十分理解をして入省されているというふうに承知をしております。
  292. 平山誠

    ○平山誠君 では、今までの保安院の方は、大体保安院に行くと何年程度の異動なんでしょうか。
  293. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 済みません、ちょっと具体的な数字まで把握をしてきているわけではございませんが、ここは一般的な、特に現場を抱えている公務員の一般的な話として、余り長期にわたるとその地域の、逆に言うとその原子力発電所と癒着と誤解をされるようなことになってもいけないということと、一方で、ある程度、当該地域あるいは原発に慣れたり密着をしたりするということの兼ね合いの中から、二年から数年程度の単位で動いているというふうに認識しています。
  294. 平山誠

    ○平山誠君 今までの保安院やらそういう職員と、今回の規制庁に属される職員とはまた違うと思いますので、私は、いい意味でよい人材を確保するにはどうしたらいいかということで、こういうことも一考するのに必要であるかなということでお聞きしたまでです。  これはまた時間があるときに私なりの考えを述べさせていただきます。  法案提出者にお聞きしたいんですが、この規制庁は、廃炉や使用済燃料、高レベル廃棄物処理等の対応に対する法律というのはどこに書かれていますでしょうか──時間が掛かるようなら止めていただきたいんですが。
  295. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 速記を止めてください。    〔速記中止〕
  296. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 速記を起こしてください。
  297. 横山北斗

    衆議院議員(横山北斗君) 失礼いたしました。  炉規制法になります。
  298. 平山誠

    ○平山誠君 聞こえません。
  299. 松村祥史

    委員長松村祥史君) もう一度御答弁ください。
  300. 横山北斗

    衆議院議員(横山北斗君) 炉規制法になります。
  301. 平山誠

    ○平山誠君 何ページの何項目というのは。
  302. 横山北斗

    衆議院議員(横山北斗君) 何ページというのはちょっと……
  303. 平山誠

    ○平山誠君 いいです、時間が掛かるようなので。  現在、枝野大臣福島第一の使用済燃料、特に四号機は危険というような情報が流れておりますが、福島の使用済燃料の、四号機の状況はどんなような状況でしょうか。
  304. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) こちらはどちらかというと私が担当しておりますので、答弁させていただきます。  四号機のプールにつきましては、昨年の三月の時点から多くの懸念が表明をされておりましたので、安全性については繰り返し確認をしてまいりました。健全性については問題がないと。厳しい御意見の方は傾いているのではないかというような話をする方もおられますが、そこについてはしっかり水平であるということも確認をいたしております。それでもなおかつ、やはり健全性についてはしっかりと更に強化をしていく必要があるだろうということで、昨年のちょうど今ごろ、支柱を付けましてそれで補強するという、そういう工事も終わっております。  四号機のプールに一番新しい燃料が数多く入っているのは紛れもない事実でございますので、これからもしっかり監視をすると同時に、さらに、健全性について様々な対策を打つし、なおかつできるだけ早く燃料を取り出すということにもしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  305. 平山誠

    ○平山誠君 なぜ枝野大臣にお聞きしたかといいますと、これからは経済産業省推進側、まあ原発でいえばですよ、単純にいえば推進側、そして環境省というか、この委員会規制側という形になるので、枝野大臣に使用済燃料の危険性についてお聞きしようと思ったんですけれども。  要するに、いろんな原発の再起動やら利用の意見はありますが、私は未来に負の遺産を残さないというのがポリシーで活動しておりますので、やはり使用済燃料の処理方法が分からない限り、決まらない限り、原発は全てずっと永遠に規制すべきだと私は思っているんですが、その辺は、枝野大臣、どのようにお思いでしょうか。
  306. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) まず、経済産業省は、昨年の三月十一日までは原子力推進の官庁であったかもしれませんが、昨年の三月十一日の事故を踏まえ、特に菅内閣以来、原発依存からの脱却を目指すという内閣全体の方針の下にありますので、もはや原子力推進省庁ではありません。原子力の利用をする、何というんでしょう、部分についての行政を担う、やっぱりこれ利用と推進は違うと思っています。したがって、推進官庁ではありません。  ただ、利用側ということの立場からお答えを申し上げますと、先ほどまさに原発依存からの脱却を菅内閣以来、内閣の方針として揺るぎなく示してきていることの一番の理由は、あの事故の場合の、リスクが顕在化した場合の影響の大きさでありますが、それと同時に、それ以来、事故以来、国民の多くの皆さんが改めて注目をし、そして大きな問題になっているのは、使用済核燃料をどう扱っていくのかという、非常に長い年月にわたって対応が必要となる大きな命題を抱えてしまっているのが原子力発電である、だからこそ原発依存から早期に計画的、段階的に脱却を目指すと、こういう方針を出しているということでございます。
  307. 平山誠

    ○平山誠君 ありがとうございます。  売り言葉に買い言葉じゃないんですが、じゃ、経済産業省推進派じゃないとするならば、この法律で分離という、推進規制を分離と。私は、今まで保安院が、いい悪いは別としてですよ、ダブルチェックができていた部分はあると思うんですよ。どういう人格の人が保安院にいたか、原子力安全委員会にいたかは別としまして、仕組みとしてはダブルチェックというところがあったと思うんですが、新しい法案のダブルチェック的なところはどのようなところがありますでしょうか。提出者の方にお伺いします。
  308. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) お答え申し上げます。  ダブルチェックはありません。私は、ダブルチェックは、保安院のチェック、このデータ、同じデータで安全委員会がチェックするんです。ですから、答えは同じなんです。ダブルチェックということは私は言えないと思います。  そういう意味で、JNESと、JNESというのはまさに技術屋集団、専門家集団、そこに保安院の、保安院というのは事務屋さんなんです、正直言って。ここが本当にきちんとした真心を込めた、安全の精神に立ったチェックをしていくということで、私はこちらの方が本当のチェックができるというふうに信じております。  以上です。
  309. 平山誠

    ○平山誠君 吉野委員の御経験からそういうことは重々私も理解しようと思いますが、やはり私は、保安院がどうであれ、原子力安全委員会がどうであれ、ダブルチェックという、チェックを重ね、安全な方法で運用するのであれば運用していく、若しくは何か決めることがあれば決めるということは今後も必要ではないかと、この委員会が暴走しないためにも何かのチェック方法がなければいけない。  前にも出ましたが、予算環境大臣がお付けになる、しかし何も言えない、間違いがあっても何も言えないというような方法では、私は、やはりこの委員会が本当に生かされる委員会になっていくのかどうか、国民のためになる委員会なのかどうかということが心配であります。  そして、今、吉野先生がおっしゃったようなことが、私も報道ベースが好きなわけではありませんが、今日の報道で、これも細野大臣に環境省の一般質問のときにさせていただきましたが、燃料サイクルのことで使用済燃料をどうするかというところで、「もんじゅ」にもかかわる燃料サイクルの問題のときに、原子力委員会の小委員会で三つのシナリオが提案されたというのが新聞に出ていて、それを細野大臣に、今後「もんじゅ」はどうするんでしょうかというような意味を込めて質問しました。  今日の報道では、実は四つのシナリオがあったと。三つは、今まで、全部再処理をする、半分再処理して半分は直接処分する、直接処分するという三つのシナリオがあったと、細野大臣に三日前ほどでしょうかね、金曜日でしょうか、質問させていただきました。  今日、実はもう一つあって、これは「もんじゅ」にとって、また燃料サイクルにとって余り好ましくないので四つを三つにしたと。隠蔽というか、ゆがんだ密室会議というか、これもやっぱり感覚やら担当者の思いだと思うんですが。このような、大臣、どうですか、先ほどから言う、感覚的なものというのは教育できないじゃないですか。なかなか意思一つにできないじゃないですか。その辺をダブルチェックなしで大丈夫でしょうか。大臣、どう思われますか。
  310. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) まずダブルチェックの方は、もちろんダブルチェックが機能すれば、いい面もあるんですけれども、逆に無責任な体質になるという面もあったと思うんですね。原子力安全委員会というのは規制そのものはしませんので、意見は言うけれども最終的に取り入れられるかどうかは規制組織の方で保安院の方に任されるという面があって、先ほど質疑にも出ていましたけれども、例えばPAZのようなことが出てきたときに、安全委員会でそういう懸念を持った人がいたんでしょう、恐らく。そのときにそれが反映をされなかったことでさたやみになってしまうというようなことがあったのは、その辺の二つあることでむしろもたれ合いになっていたり、若しくは無責任な体質になっていたりする面があるんだろうというふうに思います。  あとは、様々な専門家が入って複数の目で見るということは重要ですので、規制委員会の下で、規制委員はもちろん、審査専門委員などの外部の専門家も含めて複数の目をしっかりとそこに集めていただいて、そしてそれを公開をすることで、ダブルチェックとは言わず、もっと多くの皆さんの目が入ってきちっと規制ができるというのが、これがあるべき姿ではないかというふうに思います。  今御質問の小委員会原子力委員会の方の小委員会議論というのは、ちょっと私も今朝の新聞は見たんですけれども、これ、「もんじゅ」については、全量を直接処分ということになればこれは存続しないということになっているんですね。ですから、「もんじゅ」の存続を残すために四つあったうちの一つのシナリオを消したということでは恐らくないんだろうと思うんです。余り選択肢がたくさんあっても選びにくいですから、その中で三つの選択肢に整理をされたものというふうに私は報告を受けております。  繰り返しになりますが、原子力委員会の鈴木委員長代理というのは、再処理については非常に元々厳しいスタンスの人です。さらに、その小委員会には鈴木委員長代理以上に厳しい立場の人が入っています。そういった方々も含めて徹底的に議論をして、全量直接処分で再処理も高速炉も、高速増殖炉も必要ないという、そういう案が出てきていますので、中身そのものについて影響したということではないと考えております。
  311. 平山誠

    ○平山誠君 ありがとうございます。  私も大臣と同じような思いはありますが、いかにこの法律が完成され、皆さんの言うとおりの委員会ができても、やはり働く当事者の意識が低かったり、今のような感覚の保安院やら安全委員会から行く方々がそのままの意識で行かれましたら、なかなかそれは変わらないと。じゃ、新しい器になったからみんな新しい気持ちになれよといいましても、今までの原子力の現場で働いた経験、そして保安院で働いた経験はなかなか抜け切るものではないと思います。  この新しい委員会委員長の登用の意味では、いろんな幅広い見識を持った方々の中から選ぶということでしたが、職員に関しましても、今、内閣府でやっているんでしょうか、それとも細野大臣及び枝野大臣も関与してやっているのでしょうか。やはり福島第一の経験を見ると、原発知識原発原子力工学というんですかね、原子力工学をよく知り得た人よりも、今現場は、もしかしましたら土木、建築であるとか電気、電子であるとか、そのようにたけている学問を学ばれた方がかなり能力を生かされるんじゃないかと私は思っているんですよ。ただ、それをするならば、経済産業省とか原子力安全委員会から人員を選ぶのでなく、多くの省庁又は多くの機会を与える門戸を開くべきだと思うんですが、大臣の考え方はいかがでしょうか。
  312. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 確かに、平山委員指摘されるように、原発を動かすためにはもちろん原子力工学の専門家というのは必要ですけれども、それだけではなくて、電気や機械、さらには土木、建設という幅広い知識専門家が集まらないと原発は動きません。ですから、東京電力の本店にもサイトにもそういう部門があって、それぞれどういう仕事をしているのかということについても私も何度か足を運びましたので、よく承知をしております。ですから、規制機関の方にも幅広い知識を持っている人間がいることは望ましいというふうには思います。  ただ、その一方で、オペレーションをする現場でやることと、オペレーションという表現は適切でないかもしれません、原発そのものを運営していくことで必要な土木とか建設とかという幅広い裾野と全く同じレベルのものを規制機関でやるということでは必ずしもなくていいんじゃないかと。むしろ大事なのは、規制機関の方の人材というのは、それこそ若干安全に対する哲学的な部分も含めて幅広い見識ですね、技術というよりは見識をしっかり広げる必要があるのではないかと思うんです。ですから、現場に強いことも非常に大事ですが、国際的ないろんな交流もしてしっかりと時間を掛けて学問を究める部分もあっていいと思います。そういう意味で、幅広い見識の方でできる限り多様な人材を集めていきたいというふうに思っています。  もちろん、原子力に関するこれまで事務をやってきた経済産業省文部科学省からは人を求めたいと思いますが、それ以外の省庁でもそういう有為な方がおられたら是非リクルートをしていい組織をつくりたいというふうに思うわけですが、それは私が決めることではなくて、原子力委員の皆さんがしっかり決めていただくことだというふうに思います。
  313. 平山誠

    ○平山誠君 その部分も分かりますが、実際には、やはり規制委員会ができますと、そこから現場に行った方々が指導なりするには、やっぱり機械的な部分、工学的な部分、電気的な部分も必要かと思いますので、あらゆる分野で教育、先日、谷岡議員がおっしゃいましたけれども、大学校でもつくって全ての教育をするということを願います。  それを承知の上で、またもう一つ。おまえは報道ベースって、報道ベースが好きだなということを言われてしまうかもしれませんが、四月二日の報道で、規制庁へ本当は入庁するはずだった十二人の方が、規制庁がまだできていないので保安院に十二人ほど就職したと。大臣、お笑いになっていますが、私の質問が分かると思いますけれども。  その中に、ちょっとこのニュースを見たんですが、この方しか名前が挙がっていなかったんですね。名前は伏せておきますが、この方が東京電力の子会社であるテプコシステムズの方、要するに有能なオペレーターの方で、五十五歳の女性という、この方を採用して、本当は規制庁に入れるはずだったけれども、今保安院にいると。このことと、あとほかの十一人の方の御経歴はどのような方なのか、御存じでしょうか。
  314. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 元々四月に発足をさせたいと思っていましたので、しっかりと人員は確保しようということで準備は進めてまいりました。ただ、定員が移っていませんので、定員を抱えている原子力安全・保安院で吸収せざるを得なかったということです。  若干経歴をだっと見たような記憶はあるんですが、個別に、済みません、今の方も含めて記憶にあるというところまでは行っておりません。
  315. 平山誠

    ○平山誠君 私は東京電力だから駄目だとか言っているんじゃないんですよ。もちろん、私もいろいろと反原発という立場原発の勉強は、薄学ですが、してきたつもりです。その中を鑑みると、やはり原発で従事した人、若しくは原発を学問から研究している人、若しくは電力会社で必要な知識を得た人、それは必要だと思うんですよ、そういう方を使うことは全然悪いことでは私はないと思うんですよ。  その見地から見て、要するに、こういうふうにまたスタートをする、新しくスタートをするというときに、実はもう十二人職員は決まっていたんですよ。でもそのときは庁ができていなかったので、今は保安院なんですよ。その保安院から、若しくは新しい委員会ができたとき、この十二人は規制庁に入れるつもりはないんですよというようなことになったら、それこそこの十二人の方をだますというようなことにもなりますし、有能な人材を潰すことにもなると私は思うんですよ。  あと、いろんな話でいえば、天下りではなく天上がりというような、電力会社からこれまで官庁に五十数人も過去二、三年の間にいるというんですが、この方々が今どこにいらしてどういう経歴なのか、若しくは、あとの残りの、この十二人も含め、経歴をできれば委員会の方に提出いただきたいと委員長お願いします。
  316. 松村祥史

    委員長松村祥史君) ただいまの件は後刻理事会で協議いたします。
  317. 平山誠

    ○平山誠君 何回も言うようですけれども、これは老婆心ということで言っているので、報道ベースで大変申し訳ないんですが、このテプコシステムズというのは今回の東電の事故原子力損害賠償支援機構の賠償請求の審査の下請もしているという会社という、書いて、報道ベースであるんですよ。そうすると、ここから人はいろんな、さっきの言った感覚、イマジネーションで、いろんな方向に考え、意識が進んでいってしまうわけですよ。  ですから、このようなことで今後生まれる新しい規制庁の職員が変な形でスタートしないように、また、この委員も変な形で、委員会も変な形でスタートしないように、ちゃんと国会事故調も終わり、方向が出たときにスタートしていくのがよいのではないかと私は思っております。  こんなところでまた大臣の揚げ足を取るわけではないですが、委員の場合も、昨日お聞きしましたが、五人の委員国会同意人事に出すときに、この委員は専任ですから、もう仕事を辞めて準備をしていただかなければ国会提出できません、したがいまして、例えば五人の委員ですけれども、十人選んで、皆さん辞めていただいて半分は失業ですよということは、こんなことはあり得ないわけですねと大臣は言っていますが。  この法案提出者にお聞きしますが、私はよかれと思って言うんですよ。今までの既成概念でスタートしたら、この委員会国民が納得しない。先日、吉野委員も、保安院、原子力安全委員会は地に落ちたんだとおっしゃったので、だったら、今までのいきさつはなしにして新しいやり方でスタートをする。  どうなんでしょうか。国会提出するときに、この人は見込み、誰かに交渉するとき、私たちもそうですけれども、おまえ、うまくいったらうちの会社に来ないか、うちの会社がおまえを雇うと言ったら今の会社辞めないかと。今の会社辞めろよ、うちの会社に来いよじゃなくて、今の会社、うちの会社が雇うからおまえ辞めないかという形だってあるわけですから、見込みという形で国会へ同意人事は提出できないんでしょうか。提出者の案、法律にあるんじゃないですか。
  318. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 見込みという形でもちろんお出しをするんです。お出しをするんですけれども、お出しをするときに、誠意を尽くしてそういう方になっていただくという面も含めて、どうなるか分かりませんから、取りあえず仕事辞められるようにしておいてくださいというようなことは言えないという、そういう趣旨で申し上げたんです。  ですから、五人ということになりますと、大勢選んでそのうちの五人とかいう、選挙とちょっと違いまして、この五人というものを、それぞれの専門分野も見てバランスよくしなければなりませんので、そこも含めてトータルに人選をさせていただいて、それを国会でできれば御承認いただきたいということでございます。
  319. 平山誠

    ○平山誠君 大臣、十分分かりますけれども、まあこれは後で。  吉野さん、お聞きしますけれども、国会同意人事というのもダブルチェックみたいなものだと私は思うんですよ。委員長を、吉野さんも国会で、委員国会で同意人事に賛否を出さなきゃいけないわけですよ。  私は、よくほかの国会討議の中でも、あのとき民主党も同意したじゃないか、自由民主党も同意したじゃないか、あなたも同意したじゃないかというような発言をよく聞きますよ。そんなことで、ほんの些少の経歴で同意する。  さっきのダブルチェックの話をするならば、吉野さん、この同意人事を五人、委員長一人は確定していますから、委員長一人と四人の委員、これでどうですかという出し方はダブルチェックと同じじゃないですか。吉野さん、どうでしょう。
  320. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) 規制委員会をどうチェックしていくかという質問でも、また我々実務者の中でも議論が起きました。そして、結果は、国会がチェックするんだということで意見を集約したところです。  まさに委員おっしゃるとおり、ダブルチェックの、委員会をチェックするのは国会そのものであります。そして、委員になられる候補の方々の経歴、これもきちんと示されるわけであります。衆議院の附帯決議の中にも、委員に選ばれる人は過去三年間寄附をきちんと公表しなさいとか、そういうところも附帯決議の中で決めたところでありまして、まさに国会が、ダブルチェック論で言えば国会が、(発言する者あり)いやいや、それは、原子炉、いわゆる物理学の世界です。  ダブルチェックというのは、縦方向で答えが出た、だったら横方向からぶつけて、答えが同じだったらオーケーですよというのがダブルチェックなんです。保安院のチェックは縦方向のチェックなんです。安全委員会のチェックも同じデータなんです。同じデータを使ってチェックするんですから、同じ縦方向なんです。横方向のぶつけたチェックじゃないんです。そういう意味で、それはダブルチェックじゃないというのが私の意見であります。  以上です。
  321. 平山誠

    ○平山誠君 それも、じゃ、横方向の情報というのはどこから入ってくるんでしょうかね。やっぱり国会人事で上がってきた情報を、上がってきたのは縦方向だと私は思うんですよ。じゃ、この方をどうですかって経歴が書いてあったら、横方向だとは私は思いません。やはり縦方向のダブルチェックだと思います。  だったら、候補者をなるべく人選を多くして、横方向という複数の中から国会議員がちゃんと責任を持って選べる人、国会議員はその人を選んでしまえば、その人は任期はあると思いますが、その人が選んだ政党なり国会議員は選挙という形で世の中から責任を問われることもあります。  できましたら、そのような真のダブルチェック、若しくは複数の候補、若しくはほかの方法で、本当にこの新しい委員会が任されるような委員長委員を選ぶ方法をもう一度真剣に、もう一度戻って考える、若しくは事故調の方から出たら方針をもう一度読んで先に延ばす。それまでは、いいじゃないですか、保安院も原子力安全委員会も今までの反省を、ないわけではないんですが、反省を持って運営されたらどうなんでしょうか。大臣、どうですか。
  322. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 委員人選については慎重に行って、できるだけ国会承認をいただけるような努力をしたいというふうに思います。  組織の発足そのものは、慎重に御審議をいただくことを大前提としながら、これはできるだけ早く発足をさせたいと思っています。それは、全国の原子力発電所を抱える自治体の声でもありますし、また、東京電力福島原発を抱える私は福島皆さんも新しい規制組織を望んでおられるというふうに思います。また、世界が見る目も我が国に対して今厳しくなってきていますから、それにこたえるという意味もございます。  ですので、是非、そこはできるだけ早い発足にお力添えをいただければというふうに思っております。
  323. 平山誠

    ○平山誠君 枝野大臣、昨日のほかの方の、委員にも大臣は答えていましたが、やはり稼働している原発稼働していない原発も含め、この行く末は新しい規制委員会が決めることであると。私もそれはいいことだと思いますけれども、議論の中にも、大臣というような政治的な責任を負う、国としての責任を負う立場の方がその発言に入っていないという中で、本当に原子力稼働とか、考えを次の委員会に委ねる気でしょうか。
  324. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 内閣としては、御指摘のような視点から、安全性技術的にチェック、確認をするのは専門家であっても、それを受け止めて国民皆さん責任を持って説明をする、そして政治的責任を負うのは内閣であるべきではないかということで国会法案提出したわけでありますが、日本の立法機関、国会でございます。衆議院において国会議員皆さんが、安全性については内閣責任は持たないという仕組みでむしろ徹底をした方がいいという御判断でございましたので、内閣としてはその御判断に従うということでございます。
  325. 平山誠

    ○平山誠君 時間も参りましたので、私は、この規制委員会が本当にいいものであってスタートしてほしい、国民に安心、安全ということを本当に分かってスタートしてほしいということを願って明日も質問させていただきますが、本当に初めよければ全てよしというスタートができるよう、もう一度いろんな方向で御再考願いますようよろしくお願いします。  ありがとうございました。
  326. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 亀井亜紀子でございます。  昨日の質問を続けたいと思います。  私は、今回の三党協議による修正で規制委員会が独立委員会になったことで責任と権限がどういうふうに変わってくるのかということに一番興味を持っています。ですので、そういった観点から質問をしたいと思います。  昨日、私、最後の質問でしたけれども、この法律が施行されたときに主務大臣規制委員会の方に変わるということで、主務大臣がいなくなる、所管官庁がなくなるということを指摘いたしました。  その中で、なかなかこの五人の委員が決まらなかったときに、大飯原発の再稼働は先に決めておいて、そして主務大臣がいなくなったとき、一体これは誰が責任を取るのかという質問をいたしました。それに対する枝野大臣のお答えが、今回の大飯の再稼働については、本来事業者判断で動かしていいものを行政指導によって止めていたと。そして、その行政指導で止めていたのを行政指導で開けたということなので、次の仕組みができるまでは今回の再稼働についての政治責任は枝野大臣が負っているという御答弁でありました。政治責任であり、そしておっしゃっていたのは、経済産業省設置法に基づく私の行政指導でということであったので、これ、ここに法的根拠があるのだと思っております。  私の質問は、では、これは大飯のケースだとして、今後、いろいろな原発がありますけれども、それについては誰が責任を負っていくのかということなんです。  まず、そもそもの質問ですけれども、原子力規制委員会、独立委員会というのは各省庁に対して、横並びの関係省庁に対して指揮命令ですとか法的拘束力を持つのでしょうか。つまり、命令をするということができるのでしょうか。これについて、私は、独立委員会を主張された自民党法案提出者の方にまず伺って、そして枝野大臣にお伺いしたいと思います。
  327. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) 規制委員会は他省庁に対して法的拘束力を持つ形で関与することはできません。
  328. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 規制委員会に限らず、日本の行政組織上は、他の府省、委員会等が他の府省、委員会等に対して指揮命令をするという組立てにはなっておりません。ただ、それぞれの法律上の根拠に基づいてそれぞれの権限を行使した決定が結果的に他の行政を事実上拘束する、つまり、例えばこの原子炉は安全じゃありませんと規制委員会が法律に、原子炉規制法に基づいて何か決定を下せば、その決定は当然他の行政機関にも及ぶという意味での効果ということになります。
  329. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 そういう御答弁だろうと思っておりました。  今回の法律の第四、所掌事務のところにも書かれておりますけれども、規制委員会は、関係行政機関の長に対し、原子力利用における安全の確保に関する事項について勧告し、及びその勧告に基づいてとった措置について報告を求めることができることと書いてありますから、どこにもその指揮命令というのはないわけですね。  そうしますと、今後どのように変わってくるのかということなのですが、例えば福島事故のことを例に取ります。SPEEDIのデータを早く出せという指摘があって、でもなかなか出てきませんでした。そのことを、ですから、もし規制委員会が出せというふうに文部科学省に言ったら、それはすぐに出てくるものなのか。  また、昨日、班目委員長が、ストレステストは本来一次と二次に分かれているものではないので、これ全て二次までやらないと完結をしないと、そういう御見解だということを改めておっしゃっていました。つまり、暗に安全は十分ではないと安全委員会委員長がおっしゃったと私は理解しておりますけれども、それはそれとして、勧告であって、大飯を動かすというその判断は政治的な判断ですよね。それが規制委員会になったときに、同じじゃないですか、結局、その指揮命令ができないということは。やはり、幾ら規制委員会がこれは安全ではありませんと言っても、それは勧告であって、余り省庁に対しての影響はないんじゃないでしょうか。
  330. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そこは権限を一元化をしますので、今御質問になった件は、両方、規制庁そのものの権限なんです。ですから、SPEEDIの運用も、これも規制委員会そのものがやりますので、規制委員会意思として、早くやれと言うまでもなく自分でやれるわけですね。再稼働についても、規制委員会自身がその是非について判断をしますので、政治的に四大臣というものはもうありませんから、そこは規制委員会そのものが判断をして、それを実行することができるということであります。
  331. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 朝から細野大臣の御答弁を伺っているんですけれども、ちょっと規制委員会の再稼働に関する権限のところがぶれているような気がします。午前中に伺っていたときには、規制委員会は再稼働判断はすべきではない、なぜかというと、そこで再稼働すべしと言ってしまうと、また規制と利用が、推進が一体となると見られてしまうので、ですから、規制委員会はあくまでも安全でありますと、それも、もう絶対的な安全宣言はないと大臣はおっしゃいました。ですから、絶対的な安全宣言ではないけれども、技術基準に適合をしていますと、そういう判断規制委員会は下せるわけであって、そのことと再稼働をする判断というのは私は別だと思います。それは現行法上も恐らく別だと思います。  つまり、今までの経産大臣の御答弁ですと、定期検査は保安院が行うものであって、それで、その保安院は経産省の所管であるので、経産大臣が検査の終了証を交付します。それをもって安全であると言っているわけでありますけれども、実質、再稼働オーケーですと承認しているわけですが、ただ、最終的な判断は多分事業者にあるんだろうと思うんですね。  ですから、本来事業者は動かせるものなのだけれども、それでは国民が納得しないだろうから行政指導で止めていたと、それを解除したという御答弁だったと思うんですね。ですので、規制委員会はあくまでも、今までの経産省がやっていた定期検査の結果ですね、安全かどうかというその判断をするのであって、再稼働承認を与えるわけではないという、そういう理解を私はしておりますし、そうであるべきだと思うんですが、これ私、自民党法案提出者に伺います。
  332. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) 今まで経産大臣が持っていた例えば炉規制法とか電気事業法関係、いわゆる定期検査をしなさいとかという、こういう権限は今度は規制委員会の方に移りますね。ですから、移るわけなんで、全てこれからは規制委員会で、再稼働判断規制委員会に移ってきます。そういうことです。
  333. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そこは完全に移ります。ですから、再稼働判断そのものは規制委員会がやるということです。ただ、従来は、従来というか三・一一までは、その許可が出た場合に、再稼働については事業者が安全協定に基づいてやれることになっていたんですが、昨年の三・一一を受けて、なかなかそれが受け入れられない状況の中で、いろんな説得に、例えば私も含めて説明に歩いたという経緯があるわけですね。  そこをじゃどうするのかという問題が残るので、あえてそういったことが必要だということになった場合は、規制委員会が動かさなきゃならないんですよということを説得に行くのはおかしいですから、許可はしますよ、再稼働そのものについては判断をするんですけれども、動かさなきゃならない必要性を訴えるのを規制委員会がやってしまうと、それは推進サイドと同じになってしまうので、そういう説明が必要であれば、そこは資源エネルギー庁が担当することになるということを申し上げたわけであります。
  334. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 後で議事録を私また確認いたしますけれども、朝は、やはりそこは規制と利用を分けたわけだから、再稼働判断規制委員会自体はすべきでないというような意味でおっしゃっていたと私は理解をしております。  それで、では安全ではないと言われた場合、先ほどの最初質問で、指揮命令ができないわけですから、規制委員会が安全ではないですと判断したものに対して、止めなさいと言っても従わないというか、その権限がない。  じゃ、例えば大飯の場合を例に挙げますが、大飯が動きました、規制委員会立ち上がりました、新しい基準に基づいて、安全ではありません、止めるべきですと言いました、けれどもそれは法的拘束力はない。どういう手順で大飯は止まるんでしょうか。これをまず私は法案提出者に伺いたいと思います。
  335. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) 例えば定期検査は、電気事業法五十四条に基づいて、今までは経産大臣が定期検査をしなさいと、こう言っていたんですけれども、これからは規制委員会に移ってくるわけです。ですから、これは電気事業法五十四条に基づいての判断でありますので、もし安全でなかったらば定期検査終了証交付ということはしないわけであります。ですから、運転できないわけであります。
  336. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 枝野大臣、補足答弁ありますか。
  337. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 今、法律の要件に該当せずに運転を止めろという話であった場合、今の吉野さんの御答弁のとおりであります。  ただ、今、大飯も現時点ではまだ止まっていますし、ほかの原発が止まっているのは、これは行政指導です。電気事業法の原子炉にかかわる部分等が、この法案が施行されますと委員会の方に権限が移りますので、止めろという行政指導の権限も規制委員会の方に移りますので、規制委員会として、少なくとも法律上の明文に基づいて止めろと言えない場合であっても、規制委員会が安全ではないと判断をすれば、経済産業大臣がこの間止めているのと同じように、行政指導権の行使によって止めることができると。これに電力会社が従わないというのは、やっぱり常識的には考えられないなと思っています。
  338. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 そうすると、常識的に考えて、規制委員会が止めろと言ったら、事業者が止めるべしと。そして、規制委員会は独立委員会なので、特に所管省庁もなければ、もちろん所管大臣もないということですけれども、それだけ大きな決定を規制委員会委員長が行って、そして、では例えば何か事故が起きたときに、その事故責任というのは、これは福島にも戻りますけれども、福島の場合は第一義的には東電に責任があると。同じように、規制委員会判断に従って何か事故が起きました、一義的には事業者責任があり、所管する官庁はございませんということになりますけれども、それで理解としてはよろしいでしょうか。
  339. 枝野幸男

    国務大臣(枝野幸男君) 一応、現状における原子力経済被害の担当大臣としてお答え申し上げますが、新規制機関発足後については、確かに所管大臣がなく、内閣から独立をしておりますので、もし規制委員会判断に従ったにもかかわらず事故が起きた場合、内閣の政治責任というのは、これは権限のないところに責任ないですから、ないですが、政府、国としては、国の機関でありますから、つまり今回の福島事故について、法的な責任はともかくとして、社会的な責任として福島の被害者の皆さんに対する様々な財政措置を含めた被害に対する対応をしていると。これについては変わらないというふうに思っています。
  340. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 法案提出者にも伺いたいと思います。  三条委員会ですから、政治から独立したところにあると。担当大臣はおりません。所管の官庁もありません。再稼働判断規制委員会が行います。何か起きたときにはどうなるんでしょうか。
  341. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) 大臣でなければとか、規制委員会では責任が取れないとかではないんです。規制委員会もきちんと責任を取るんです。例えば、環境省の職員は千二百名です。環境大臣も認証官です。規制委員会、千名規模になります。委員長は認証官です。十分な権限を与えています。十分な権限の裏には大きな責任があるんです。今までは、安全委員会の班目委員長は、助言機関だ、私は助言機関だと。責任取っていません。  そういう意味で、今度の規制委員会は、特に委員長は認証官で、十分な権限の裏には大きな責任がある。ですから、責任を取るわけであります。
  342. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 でも、認証官ではありますけれども、私の一番最初質問で、省庁に対して指揮命令はできない、法的な力はないわけですから、やはり勧告で終わってしまうというふうにここに書かれていると、そこはどうなんだろうかと今思っております。何か判断責任も民間人の科学者のところに委ねられて、政治の責任はどこに行くのだろうかという、そういう私は懸念をしております。  またあしたも時間ありますので、次の質問に移りたいと思います。  委員五人の人選についてですけれども、再生可能エネルギー価格調達委員会の人事のときに、初めから三人が再生可能エネルギーに比較的否定的な人物である、三対二であるというようなことが報道され、また、事前に与野党で協議をして推薦した人を役所が追認する形で国会に出してきたということが問題になりました。今回、また五人でして、そういう心配もちょっとされるのですけれども。  まず、これは原子力規制委員会で利用と規制は分けて、規制に重点を置いた委員会であるので、少なくとも誰が見ても原発推進というような人は最初から入れるべきではないのではないかと。中立的な人ですとか、やはり規制をする側ですから、慎重な人をそもそも選ぶべきではないだろうかと思っているんですけれども、これ、法案提出者の方、いかがでしょうか。
  343. 横山北斗

    衆議院議員(横山北斗君) 原子力委員会の決定が国のエネルギー政策に左右されることがあってはならないというお考えだろうと思います。ですから、そうであるならばなおのこと、推進派とか反対派とかそういうレッテルを張るのではなくて、原子力規制委員会設置法七条の一にあるような基準で選ばせていただきたいというのが法案提出者の意図でございます。
  344. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 ただ、レッテルを張るというつもりはなくても、大体、学者にしても、皆さん御自身の主張というのはあるわけで、それ、いい悪いは別として、ある程度もう皆さん分かっているわけですよね。ですので、その人の堂々とした主張がある中で、規制委員会であるわけですから、この趣旨から考えたら、推進派としてよく知られている人はそもそも入れるべきじゃないんじゃないですかということなんです。  先ほどの、私、同意人事の件、事前に与野党で水面下で協議するというようなことがあり得るのじゃないかと懸念いたしましたが、その可能性、そんなことはありませんよねということを私は法案提出者の方に確認をしたいと思います。
  345. 大谷信盛

    衆議院議員(大谷信盛君) 政治の責任においてそのようなことが絶対にないようにしてまいります。
  346. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 では次に、四十年廃炉の見直しについてお伺いをしたいと思います。  六月十四日付けの読売新聞の報道に、四十年廃炉が見送られた背景として、細田博之元官房長官が、定期的に部品を取り替えており、年数だけで劣化しているとは断じ難いと反対して、見直し規定を承諾させたとあります。これは事実でしょうか。これ、自民党の方にお伺いしたいと思います。
  347. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) 御指摘の細田議員の発言は、六月十二日に行われた我が自由民主党原子力規制組織に関するプロジェクトチームの会議におけるものと思われておりますけれども、私ども、何度もこの点御発言をさせていただきましたけれども、自民党として細田議員の発言をしんしゃくしてどうしたということは全くございません。何度も申し上げておりますように、新たにできた規制委員会が専門的な知見を持って正しい判断をしてくれるものと、このように思っておりますので、あくまでも、細田議員の発言があったとすれば、私自身は承知していないんですけれども、それは個人的な御発言だと思います。
  348. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 私がこの発言に注目いたしましたのは、島根原発を抱える同じ地域の代表でして、そして、この島根原発の一号機の問題があるんです。  もうすぐ、これ福島事故を起こした原子炉と同じタイプでして、間もなく四十年を迎えます。そして、三号機が今建設中で、もう九五%、ほとんど完成間近なんですね。ですので、これを動かすかどうか、新規に動かすかどうかということが一つの論点であり、また、地元としては古い一号機はもう止めてほしいという強い要望があるので、地元の市長がもう四十年たつので止めるべきだというような発言をされて、その後で国の四十年廃炉の方針が発表されたんですね。ですから、そこまでは連動していたと思うんです。ただ、その後でこの見直しということが聞こえてきましたので、ちょっとうがった見方をしますと、三号機が動かなかったときに一号機をもっと長く使いたいぞと、そういうことがあるのではないかというのを私、地元としてもちょっと気になりまして、それでお伺いをいたしました。  この島根の一号機もそうですが、原発というのは技術的にも元々アメリカから来ております。原発の運転に寿命を設けているのは米国以外にほとんどないということですけれども、四十年ルールというのは本当に妥当な判断だと思いますが、なぜ最長二十年を認めたのでしょうか。つまり、三年とか五年ではなくて、どうしていきなり二十年ということになったのか、それを法案提出者に伺いたいと思います。
  349. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) アメリカの四十年ルールは、安全性の観点のみならず、確かに独占禁止という経済的な側面だとかいろんなものに配慮していると、このように聞いております。また、日本の原子力発電所はそれぞれ設計や年数が異なっておりまして、一律に四十年で区切るということには疑問が残ると、こういう面もあるんだろうと思います。  いろんな観点から、元々政府案にあった二十年ということを我が党としても受け入れたという経過はありますけれども、重ねて申し上げますが、私たちは、どんなことが今あろうとも、三党の協議の中で約束ができていることは、当然法案の中にもありますように、新たなる委員会設置されて全てのものを決定をすると、このようなことでございますので、ここで私たちは整理が付いていると、このように思っております。
  350. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 確認ですけれども、バックフィットの考え方というのがあって、そして、昨日なども御答弁で、四十年と言わず、一年、二年で止めるようなものも出てくるんだと、だからということをおっしゃっていましたけれども、それとの関係でもう一度御説明いただけますか。
  351. 田中和徳

    衆議院議員田中和徳君) バックフィットの考え方につきましても、新たなる技術、新たなる安全性についての知見、こういうものが発見された時点で委員会はちゃんとそのことを反映できるように制度設計ができている法律でございます。  ですから、私たちはそういう面につきましては心配がないものだと、このように思っておるところでございます。
  352. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 これも自民党法案提出者の方に伺いますけれども、党の考え方はまだまとまっていないのかもしれませんが、一応、政府の方針としては、昨日、私、枝野大臣細野大臣にも確認いたしましたが、長期的に脱原発なんだと、そこは変わっていないですよねということを伺いました。そして、ほぼその事故のときから継続して政権内にいらっしゃるお二人は、その大方針のところは変わりがありませんと、ただスケジュール的な、どうやって原発依存を減らしていくかということで、大方針は変わっていないのだというような御答弁であったと思います。  今回、三党、それぞれ原発に対する距離感というのはあると思うんですけれども、規制機関をつくりましょうということで協議をされたのでしょうけれど、先ほどのなぜ四十年ルール例外が認められる可能性が出てきたのかという一つの考え方として、新規の増設を決めなければ順番に古いものから止まっていきます。そうすると、いつかはゼロになるわけですよね。今回、定期検査に入る順番で全国の原発が止まっていってゼロになりましたけど、同じように古いものから止まっていって最後ゼロになるわけですが、原発を長期的にそうやってゼロにするという考え方について、自民党さんは今どのようにお考えなんですか。
  353. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) お答え申し上げます。  我が党は、山本一太先生を委員長にして総合エネルギー政策特命委員会というのを開いてたくさんの議論をしました。五月の二十九日にその取りまとめをしたところであります。御紹介をします。  我が党は、エネルギー政策の根本に安全第一主義を据えており、特に原子力政策に関しては、権限、人事、予算面で独立した規制委員会による判断をいかなる事情よりも優先することとしております。また、将来の国民生活に責任の持てるエネルギー戦略の確立に向け、判断の先送りは避けつつ、遅くとも十年以内には将来にわたって持続可能な電源構成のベストミックスを確立することとしており、その判断に当たっても、原子力規制委員会が安全だと判断する新たな技術的対応が可能か否かを見極めることを基本にしております。したがって、ベストミックスを検討した結果として原発をどうするかということであって、検討もしないうちからゼロだとか何%だとかを想定しているものではありません。  いずれにしても、安全性を何よりも優先した上で、最新の知見に基づいた最も効率のよい電源構成を検討していくというのが我が党の姿勢であります。  以上です。
  354. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 関連で質問をいたします。ちょっと通告はしておりませんけれども。  エネルギーのベストミックスの中で原発というのもある一定必要なんだと、一定程度安定電源として必要なんだということで細々とでも延々長く続けていこうとすれば、それは四十年で順番に止まっていって最後ゼロになるということではなくて、新規に立ち上げないと、先ほどの島根の三号機の話じゃありませんけれども、そうやって続いていくのかしらというふうに思うんですけれども、自民党さんの考えとしては、原発依存を減らすとしても重要な電源であると、そういう考えに党として立ったならば、そういう新規増設もあり得るだろうというお考えですか。
  355. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) ここは、新しい技術開発等々も踏まえて十年以内にベストミックスを探るということでありまして、今、先の目標を決めてゼロにするとか何%にするとかという、そういうことはしないということで、十年掛けて、技術革新も踏まえた中で検討していくということであります。
  356. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 ただ、ちょっと十年は待てないですよね、国のエネルギー政策を。ですから、もっとそれは、今はもちろん与党ではないですけれども、ハイペースで決めていかないと、これは方針が定まらないといいますか、ちょっとおかしな話だなというふうに思っております。  ノーリターンルールの方に移りたいと思いますけれども、五年の経過期間を除けば例外はないということを昨日たしか細野大臣でしたか、おっしゃっていたと思うんです。枝野大臣でしたっけ、御発言あったと思います。  それで、私は、このノーリターンルール、ですから、経過措置期間の五年間は認めるということですけれども、片道切符で優秀な人材が集まらないという御指摘もありますけれども、それであれば外部から採用すればよいのではないかと思ったんですけれども、法案提出者の方はいかがでしょうか。
  357. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) まず、このノーリターンルールを徹底することで優秀な人材が確保できないのではないかというのは全く逆と考えております。  国会事故調の現時点での論点整理でも指摘されておりますけれども、原子力推進官庁を含む役所の中で、キャリアパスの一環という腰掛け意識がこの原子力規制組織における安全文化の醸成を妨げてきたと。こういうことを踏まえて、我々は、独立性を有する専門組織として原子力規制庁を構成して、他省庁の組織の論理に左右されない、そういう専門人材を育て上げる制度を確立する、その重要な一つノーリターンルールの徹底であるというふうに確信しております。  さらに、当然ですが、積極的に外部の知見技術も取り込んでいくという観点から、国内外の大学、研究機関、そして民間事業者から専門的な知識又は経験を有する者を積極的に登用するということを明記しておるところでございますので、ノーリターンルールを徹底するということが優秀な人材が確保できるというふうに確信しております。
  358. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 私もそう考えます。  やはり役所の人事というのは何年かで替わっていきますから、重大な決定をしても、何か起きたときにはその人は違うところに異動しているということが多々ございまして、私、公明党の先生が何度も要求しておられる広瀬研吉氏のことも今頭に浮かびましたけれども、なかなか異動されてしまっていると参考人招致ができないという問題がございますので、やはり腰掛け的ではなく、きちんと原子力規制責任を持って当たっていただきたいと思います。広瀬研吉氏については、ほかの方も御指摘ありますけれども、やはりきちんと国会で、委員会で招致して、いろいろ現場のことをよく御存じなので、今までのことをお伺いしたいと私からも申し入れたいと思います。  少し今日は御答弁が短めでハイペースで進みましたので、通告はありませんけれどももう一つ、これは細野大臣に伺いたいと思います。  先日、環境委員会質問で、研究機関の放射性廃棄物についてお伺いしました。つまり、放射性廃棄物を持っているのは商業用の原子炉だけではなくて、大学など研究機関の原子炉からも発生していると。それをどのように処分するかということについて、研究機関から発生したものは、今、縦割りですから文部科学省で、それで、商業炉は経産省でということで別ルートですよね。そのことを指摘しましたら、そういったことを解決するためにも原子力規制庁を早く発足させたいんだという御答弁があったんです。  ですから、今度この原子力規制庁が発足したときに、この辺の一元化というのはどのように行われていくのでしょうか。イメージがありましたら御答弁ください。
  359. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) これまで文部科学省が所管をしている研究にかかわるような原子力施設というのは文科省推進をし、文科省が監督してきたんです。今度新しい規制委員会になりますと、その監督も文部科学省から規制委員会の方に移りますので、一元的にこれをしっかり監督することができるようになるということです。  ただ、監督はしますが、その燃料自体を管理をしているのはそれぞれ事業者ですから、それをどのように最終的に処分していくのかという部分の問題は依然として残っているということでございます。
  360. 亀井亜紀子

    亀井亜紀子君 原子力発電の問題というのは、安全性もそうなんですけれども、やはりこれ、放射性廃棄物、核のごみをどうするかということに全て行き着きますから、この放置してきた問題をどこがきちんとやるのか、これが規制委員会になってくるんだと思いますけれども、しっかりやっていただきたいと思います。  ほぼ時間が参りましたので、今日はこれで終わりたいと思います。ありがとうございました。
  361. 松村祥史

    委員長松村祥史君) この際、お諮りいたします。  委員議員荒井広幸君から両案件についての質疑のため発言を求められておりますので、これを許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  362. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 御異議ないと認めます。  それでは、荒井君に発言を許します。荒井広幸君。
  363. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) お許しをいただきました。  公明党の提出者の方にお尋ねします。  政府提出をしました。そして、自民、公明が追いかけて法案提出して、三党合意で今、今日になっていると。国会事故調査の報告を待つべきが筋だと思いますが、どうお考えになりますか。
  364. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) 今、国会事故調の方では精力的に調査を行っていただいてまいりました。  公明党も、国会事故調の調査というのは、国会事故調を設定していく場合においても強力にそれを推進してきた方でございますので、もちろんこの国会事故調の重要性というのは、これはもう当然でございまして、この事故調の調査結果、提言を踏まえて更なる検討を図っていくというのは、もとより自公の法案からまたこの新法に至るまでございます。しかし、その中で、一日も早く新たな組織の下で放射線から人と環境を守る、こういう規制制度を、また防災体制をつくり上げるというのが国民の安心を踏まえる上でも大変重要であると、そういう観点から今進めてきているところでございます。  もちろん、これは法施行後三年以内、これ三年以内としておりますけれども、やはり事故調の報告が出れば、できるだけ速やかに、迅速に、これを反映して見直していくということを踏まえて、それも含めてこのように法案提出をさせていただいておるところでございます。
  365. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) 民主党提出者の方にお尋ねいたします。  この法案の重大性、この性格を含めまして、全ての党が参加できる復興特別委員会審議をするというのが筋だったのではないでしょうか。
  366. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) 昨日も同様な質問をいただきました。  参議院委員会審議在り方ということで申し上げますと、衆議院立場で言及すること、言及する立場ではない、適当ではないというふうに思っております。ただ、やはりこうしたことは、それぞれの院で判断がある。また、法案提出、また、何と申しましょうか、今回の原子力規制委員会というのは環境省の下にできるということでありますから、そうしたいろんな経緯があると思います。  ただ、多くの党が参加をしてこうした議論が進むということは、やはり大事なことだというふうに思っております。
  367. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) 委員委員というのは、委員長にお尋ねしますが、議論はできますが、大きなもの欠落しておりますが、御存じでしょうか。採決権がないんです。  衆議院参議院に対して我々中小政党は、復興特でないと全ての党が入っていないのでその場で協議をしてくださいとお願いした。一番に配慮するべきは政権民主党なんですよ。  そして、皆さん審議されていることは、国民信頼をある意味で委ねると言ってもいいですね。あるいは、国民のチェックの目を見方も含めて検証させるこの規制委員会でしょう。やはり急ぐのではなくて、国民議論を通じて提案をし、意見をもらい、そして我々が決めていくという時間を掛けたプロセスをしないと、そもそも三党で急にまとめて、そしてここで決めていくということで、本当に国民全体、分かって、あっ、決まったんですかと言うんでしょうかね。私は、非常にその基本的なところ、問題提起したいと思います。  国民がやっぱり参加していかないと、全ての問題と言ってもいいと思うんですよ、これからは結論出ないんじゃないですか。仕方ないけどそうするかという人もいるし、反対だけれどもそういう意見もあるのかと、そういう形でやっぱり大方の意見をまとめていかないと進めないと私は思いますから、特にこの原発について。やはり先ほど申し上げました一つ二つについての問題というものを我々はかみしめていかないと、国民自身が参加できていない、ここに疑問を持つんです。  その最大は、国としてのテーゼが決まらない中で、そんなに急いでどこに行くのというのが私の感想です。国が脱原発依存、これ、細野さんも何か細い感じで言っていますね。枝野さんも、何か幹じゃなくて枝のような感じで細く脱原発、言っていますよ。なぜ私、そういう嫌みを言うか。大飯を稼働するとき、総理の言葉から一言でもありましたか。脱原発依存というのは、民主党で決まっていないのかもしれませんけど、そう言って引き継いできたんですよ、大臣のところは。だから、そういう意味にいくと、どんどん何か方向性が分からなくなっちゃった。  そこで、この規制委員会の性格付けというのは中立で信頼を得るところにあるんですけれども、そこが揺るぎかねないと思いますので、一、二点、話を進めさせていただきたいと思うんですが、まず、民主党さん、自民さん、公明さん、それぞれの提出者にお尋ねいたしますけれども、これは脱原発依存という前提の下で、あるいはそういう下地があるということを理解してこの修正合意をしているということでしょうか。
  368. 近藤昭一

    衆議院議員(近藤昭一君) これも先般お答えをしました中にありますが、エネルギーの基本計画とは別のところでこの規制委員会協議はあるんだと思います。  ただ、根本的に大きな政策の中では脱原発依存だという認識で私はおります。
  369. 吉野正芳

    衆議院議員吉野正芳君) この与野党協議は、脱原発依存というものを前提として実務者で議論したわけではございません。
  370. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) 公明党は、これは、今回の原発事故を踏まえて、原発に依存しない安全・安心エネルギー社会へ今こそ移行していくべきだと、こういう考えを明確に持っております。  しかし、原子力規制委員会議論においては、この新しい規制組織をつくることは、原子力発電を推進するか否かという、そういう国のエネルギー政策に左右するものではありません。脱原発依存というのはエネルギー政策そのものであると考えられますので、そのようなことが本法案協議の前提となったということではありませんでした。
  371. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) そういう国の方向、こういったものが国会国民全体で決められていない中で中立性、信頼性を取ろうということですから、一見うまくいくように見えるんです。  どういうことでしょうか。国会同意人事、仮に三党でやったとしましょうか。政府が出してきた、民主党が。さあ、三党が一緒にしましょうということになった。そうしたら、国会同意人事というのは最初からこれ、もぬけの殻ですよ、最初から決まるんですよ。委員国会同意人事であっても、例えば過半数だけを占めているのが民主党だとすれば、そこが恣意的にある方向性を持ってきた委員が、この方々と言ったら、反対があったって通るんですよ。三党であったって通るんですよ。どうやって客観性、中立性というのを担保できるんでしょうか。これ、江田さん、申し訳ないですけど、公明党さん、どうですか。
  372. 江田康幸

    衆議院議員(江田康幸君) 我々は、この委員長並びに委員について、これは明確にこの法案の中に、人格が高潔、そして専門的知識経験、高い識見を有する者と、こういうことを規定し求めた上で、両院の同意を得て内閣総理大臣が任命すると、こういうふうに法律に明確に規定しているわけでございます。  原子力安全規制を担う組織の構成員に関しては、あくまでこのような専門技術的な能力と人格を有しているかどうかという視点から判断されるべきでありまして、また、今般の事故を受けて、国民の目も大変に厳しくなって、最大の関心事となっていることもございます。  そういうことを踏まえれば、政府も適切なこれは判断の下に原子力規制委員会委員長、また委員人選案を提示してくることになると思っておりますし、また、その場合においても、この同意人事に政権与党の恣意が介在するようなことは考えられないと。国会においても適切な判断がなされなければならないと、そのように思っております。
  373. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) 続いては、これ環境大臣、そういう意味じゃ難しいですよね、人選をしてくるということは。どのように中立性を担保されますか。
  374. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) そこは法律に書いてあるとおり、専門的なしっかりと能力のある方、そして人格が高潔で、危機管理ができないといけませんので、そういう方を人選をしたいというふうに思っております。これは私ということではなく、総理でありますが。  そのときに、専門分野のバランスというのをどうしても考えなきゃいかぬというふうに思っています。原子炉専門家は当然必要でありますが、放射線防護のような、そういう分野もやはり必要でしょうし、また地震の問題についての専門家もやはり必要だというふうに思います。それが果たして一人でいいのかということも考えると、それぞれ非常に人選は難しゅうございます。自ら手を挙げてやりたいという方がいるようにも思えません、厳しいですから。これだけの責任を持つ委員というのはほかにないぐらい厳しいですから。我々政治家の場合は我こそはという人がたくさんこうやって集まっていますが、この分野で我こそはという人がどれぐらいいるのかということも分かりません。  そういう意味では、まさに同意人事としては未知なる領域の問題だというふうに思いますので、誠心誠意やりますので、是非とも皆様にも、政治もいろいろこれから複雑になる要素もございますので、そこは是非、そういうことではなくて、しっかりと皆さんに選んでいただけるような候補を出しますので、受け止めていただければ有り難いなというふうに思っております。
  375. 荒井広幸

    委員以外の議員(荒井広幸君) 大変厳しい判断ですよね、提出するにしても。我々も十分な情報がなくてはできないんです。  それで、以前から提案されていることなんですが、こうした場合の人事については、委員会等で少なくとも見識ぐらいは聞く機会が必要なんじゃないかと。こういう国会全体の同意人事の在り方、こういったことも併せて各党で御協議する必要がないのかなと提案をさせていただきます。  スリーマイルに行きました。日本の原子力村よりも非常に難しい問題でした。日本は原子力村。アメリカはなぜ難しいかは行ったら分かりました。軍です。これは軍がありますから、全く我々とは違う根拠によっております。ですから、一番優秀な人は真っ先に軍に行きます。それは、原潜や空母、原子力ですから、直に命ですから。  いろいろなことを言っていますよ。アメリカも三条委員的な問題ですよね。ところが、新聞で何と言っているか。回転ドアと言っています。ぐるぐる回っているんです。政官財、そして軍、ぐるぐる回るんですよ。そういう抜け道、あるいは、本人は違ってもバックにそういうものが付いてしまう。こういったものをきちんとしていかないといけない。我々はアメリカを見習い過ぎてはならないんです。軍があるということですよ。  どうぞもう一回、三党でおまとめいただいたのも我々も真摯に検討いたしますが、願わくば、先ほど衆議院で、参議院から全党で提出したいわゆる、今日皆さんもおそろいでしたけれども、子ども・被災者支援法案が全会一致で衆議院を通ったわけです。そういう形でやっぱり進められるような工夫を、こういう時期だからこそ、急がずとも、回り道かもしれませんが取ることを要望して、苦言を呈して、終わります。
  376. 松村祥史

    委員長松村祥史君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。    午後五時二十八分散会