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河野分科員 角突き合わせてやることではないというのは、全くそのとおりなんです。岡田さん、枝野さん、古川さん、大串さんと一緒に、我々、超党派の改革案というのも出しております。
我々は、
民主党政権になって、少し
自公政権の呪縛から逃れて、
現行制度からきちっとした
制度変更ができるだろうと思っておったんですが、少なくともこの
現行制度の持続
可能性すら再
検証がされないんです。二〇〇九年の八月の総選挙で
政権交代が起きてから二〇一二年になるまで、
現行制度の持続
可能性すら
検証されないんですね。
この二〇〇四年の再
検証と二〇〇九年の再
検証を比べると、例えば二〇七〇年のときの
積立金は、二〇〇四年の再
検証では二百八十四兆円ですよ、こう言っているんですね。ところが、二〇〇九年に再
計算すると五百六十兆円ですと言うわけですよ。五年間しか違わないんですよ。五年間しか違わないのに、
積立金が二百八十兆円から五百六十兆円に、二〇七〇年、同じ年ですよ、倍になります、二百八十兆差額が出ます。それは
幾ら何でもこんな再
検証はおかしいよねと思うのは、多分私だけじゃないと思うんですね、
国民の皆さんがどこまでこの
数字を見ていらっしゃるかよくわかりませんが。
少なくとも、再
検証をやって、将来
推計をやっていますよというと、五年たって
検証したら、二百八十円が五百円になりますというお小遣いの話じゃないんですね、二百八十四兆円が、五年たって再
計算したら、同じ二〇七〇年で五百六十兆円になりますという
議論をしているわけですよ。それで、こういう
数字に基づいて
政府は
議論をしているから
年金は大丈夫ですよと言われても、いやいや、ちょっと待ってよというのが
国民の
考えだと私は思うんです。
さっき申し上げましたように、スタート台が百四十二兆円だったのが百四十兆円になっただけで、もう既に、百兆円のプラスですよと言っているのが、百兆円の
マイナスになりますよというぐらい長いスパンなんですね。
そうすると、リーマン・ショックという非常に大きな出来事があって、残念ながら、二〇〇九年の再
計算はそのリーマン・ショックを完全に吸収し切れていないわけです。
そうすると、
運用利回りが上に振れる下に振れるというのは、それはならせば一緒になっちゃうよ、それはそのとおりだと思うんですが、やはりああいうリーマン・ショックみたいなもの、百年に一度の出来事ですなんというのは、それはやはり早くから
計算に入れて、その中に吸収しておかないと、ほっておいただけで、五年たつだけで二百兆と五百兆と、これだけの差が出るというのがこの
計算なわけですから、あれだけのインパクトのあるものが起きたら、それはさっさと前倒しで
計算をしなかったら、それはほっておいてどうにかなりますよというものでは決してないんだろうと思うんです。だから、そこがやはり感度の問題なんじゃないのかな。だから、なるべくちゃんとやるというのが大事だと思うんですね。
それで、この百年
安心プランというのは、これはもう私は全く信用していませんし、二〇〇四年の
制度改正のときも、これはおかしいということをさんざん申し上げて、私は今でもこんなことはないと思っておりますが、少なくとも、百年後に一年分の
積立金が残っていて、
所得代替率は五〇%を下回りません、それが百年
安心と言っている根拠なわけです。
だけれども、それは、もう
足元の
数字に置きかえて再
検証しただけで、そんなのはうそだというのがわかっているわけですね。そうすると、それだけのことで百兆円のプラスが百兆円の
マイナスになりますよというものを
ベースにして百年
安心ですなんて、これはとてもじゃないけれども言えないですよね。極端なケースを
計算してみたら、ちょっと
マイナスになりましたというんだったら、それでも、それは上下のぶれの範囲で吸収できるから何とかなるかもしらぬということを言えるかもしれませんけれども、二〇〇九年の
計算を、少なくとも二〇一〇年の段階で
現実の発射台に置きかえたら真っ赤っかですというのは、それは誤差の範囲というよりは、もともとこれは成立をしていないと私は
考えざるを得ないですね。
今
大臣おっしゃったように、とにかく百年間もたせます、こうおっしゃっているわけですけれども、それは二〇〇四年の前と何ら変わらないわけですよ。つまり、二〇〇四年の前というのは何だったかというと、
保険料率を再
計算のたびに上げていきます、だから
保険料率はどこまで上がるかわかりません、
人口はどんどん減っていきます、
人口はどんどん高齢化します、だから当然
保険料率は上がります、場合によったら
年金給付を切ります、一体全体どうなっちゃうのかよくわからぬ。
だから、二〇〇四年は、一八・三%に固定をして、これでずっといって、百年後に
積立金が一年分残っていて、
所得代替率は五〇%で、これで百年
安心ですという
数字なわけですが、今の
大臣の御発言を聞いていると、結局、一八・三%は守られないわけですね。
百年間保たせなきゃいかぬということですから、そうすると、
保険料率は
計算して合わなかったら引き上げますよ、
給付、合わなかったら引き下げますよ、支給開始年齢、それはだめだったら六十五歳から引き上げますよということになると、それは二〇〇四年以前と全く何ら変わらない、再
計算をして合わなかったら、合うように
制度を変えますという話なんですよ。今ですら、二〇一〇年の
現実に置きかえてすら、
積立金は、二一〇五年度百三十二兆円あるはずのところ、もう既に
現実の
数字に置きかえたら
マイナス約百五十兆円になっちゃうわけですから。
しかも、ここから先、この
運用利回り四・一%、
賃金上昇率二・五%、
物価上昇率一%という
前提でいくわけですから、今の
デフレ下で。それは、
直近はもうちょっと
数字は違いますよと言うかもしれませんけれども、しばらくたったらそれでいきますと言っているわけで、この
デフレ下で
賃金も上がらない、国債の
利回り、極めて低利ですというときにこういう
状況で、二兆円発射台が違うだけでこれだけ差が出てきます。
では、来年はもっと違いますよね。あるいは一一年度末を締めたら、
積立金はもっと足らなくなります。それは、
積立金をいろいろなものに流用しちゃったからですよね。
そうすると、これで百年
安心ですと言っても
国民は信頼しませんよね。
大臣、
国民は信頼しないと思いませんか。