○東(順)
委員 ということは、英知ある解決というのは、これから意欲を持って英知ある解決に臨みたいという
思いである、こういうことですね。わかりました。それでは、この北方領土問題はこれで終わります。
私は、これから、選挙制度
改革、今
国会で大変大きな焦点の一つとなっております、これについて
質疑を申し上げたい。
質問をする前に、きょうは大変いい機会でございます。全閣僚がおそろいです。それからまた、各党各会派の
皆さんもここにおそろいです。あるいはまた、
国会テレビを通してやりとりを見ておられる議員の方も大変多いんではなかろうか。そういう
意味で、
質問に入る前に、私は、十五回に及ぶ
先国会、今
国会をまたがる各党
協議会、これの
議論の経過というものをぜひ
皆様に知っていただきたいという
思いで、あえてこの経過ということを語らせていただきたいと
思います。
お手元に紙があるかと
思いますが、この
協議会における三つのテーマ、一つが一票の格差、二つ目が定数削減問題、そして三つ目が、民意を削減しなくて済んで、かつ定数削減をしていく、民意削減に至らない定数削減のための制度改正、この三つが主なるテーマとして
協議がなされてまいりました。
一票の格差問題については、大変残念ながら、二月二十五日に勧告期限を越してしまったんですけれ
ども、これについては、各党とも、与党、野党を問わず、当然のことながら二月二十五日という期限は守らなきゃいけない、そして一票の格差というものは二倍以内にしっかり抑え込まなきゃいけない、これはもう共通した各党の意識でございます。これに対して反対する政党なんというのは一つもございません。
二番目の定数削減ですけれ
ども、これも、いろいろな党がこれまでの選挙で選挙公約として掲げてまいりました。そしてまた、今ここに至って、
国民の声に大変強いものがございます、削減をしろと。これらを含めて、これは全党とは申し上げませんが、ほとんどの党が、やはり定数削減すべし、我が党もそういうスタンスでございます、こういうことなんです。
問題は、この三番目なんですね。定数削減はすべしだが、定数削減することによってかえって民意というものの削減ということになってしまうと、これは悲劇になるじゃないか、何のための定数削減かということにもなる。主に中小政党に寄せられている民意、つまり、比例というものを舞台に当選をしてきている中小政党に寄せられた民意というものが削減された形での定数削減ということになってくると、これは大変な話になる。つまり、民主主義に逆行することになっちゃう、民主
政治に逆行することになる。私が今ここにこうやって立って発言できているのも、まさに汗と涙の、我が党に寄せてくださった方
たちの民意の結晶によって今ここに立っておられるわけで、そういう方
たちが、中小政党、たくさんいらっしゃるわけです。この民意を削減するということになってしまうと大変な問題になってくるということが、実は大
議論になっているわけでございます。
それを時系列的に言いますと、昨年、この
改革協議会が始まって最初に、いわば二段階論というものが一つの段取り案という形で、座長である
民主党さんから
提案されました。これはまさに、もう二月二十五日という期限が迫ってきているんだから、先に一票の格差だけきちんと決着をつけて、そしてその後に、追って、この定数削減の問題とそれからまた選挙制度そのものの改正、つまり、定数削減をすることによって民意を削減しなくて済むような制度設計、選挙制度の改正、これをやろうという、いわば二段階論の
提案がございました。
これはもう本当に昨年、大
議論になりまして、
議論の焦点はまさに私がさっき申し上げたところです。つまり、民意の削減につながるということを置き去りにして一票の格差だけをやるということになってくると、これは大きな大きな問題になっちゃうということで大
議論になって、年を越して、そして再びこの
協議会が開催をされました。
この大
議論を受けて、実は、
民主党の座長さんから、これまでの二段階論、段取り論、この
提案が撤回されたんです。そして新しい
提案が出てきたんです。その
提案とは何かといったら、今申し上げました一票の格差、定数削減、民意削減に至らない定数削減のための制度改正、この三つを同時決着しましょうという新
提案になったんですね。しかも期限を決めて、二月二十五日までに同時決着をしましょう。私は、なかなか
思い切った
提案だ、よし、これはいいということで了といたしました。それで、同時決着を目指して、二十五日まで精力的に、またこの
協議会の
議論が始まりました。
しかし、なかなかここは折り合いがつかない。なぜ折り合いがつかないか。それは、御党
民主党さんが、過去の国政選挙、衆参一回ずつ、マニフェストで比例から八十定数削減ということを高々とうたっておられる。それ自体は私は大きな問題にする気はないんですが、そういう、比例から削減ということだけをうたって、それによって中小政党に寄せられる民意というのが同時に削減をされるというところをうたっていないものですから、そこをどうするか、そこをどう制度設計し直すかということをうたっておられないものですから、それでいつも大
議論になってきたわけですね。
結果的に、制度設計をしないまま、比例からのみ削減をして、そして一票の格差問題に決着をつけようじゃないか、二月二十五日に間に合うように、
総理に対する勧告が間に合うように何とかやろうじゃないかということで、主に
民主党さんがそう主張される。
しかし、それは、とてもではないけれ
ども、中小政党にとってみればもちろん不安で仕方がないわけですね。その二つだけがどんと解決しちゃって、制度設計というのが後に残されちゃったらば、これはもう民意の削減ということに一気にいっちゃうわけですから、これは当然のごとく大変な不安になり、冗談じゃありませんよと。しかも座長は、同時決着ということを
提案して、それでずっと進んできたじゃないですかということになったんですね。
一票の格差を先行すべしとおっしゃっている自民党さんも、実は、単なる比例からの定数削減とだけはおっしゃっていないんです。やはり、中小政党に被害が及ばない、民意の削減にならないような制度改正あるいは制度設計をやるべし、自民党さんもこうおっしゃっているんですよ。
そこを明確に、制度設計をやり直すべきだ。抜本改正という言葉が使われたり、制度改正という言葉が使われたり、いろいろしているんですけれ
ども、そこを明言しないのは、大変申しわけないけれ
ども、
民主党という政党一党なんですよ。ところが、選挙制度というのは全党、全会派、全議員に及ぶことですから、第一党がよしとかオーケーとかノーとかいう、そういう次元の話ではないんです。
したがいまして、ここでぐっととどまっちゃって、大変きつい言い方になるかもしれませんけれ
ども、比例からのみ削減とだけおっしゃっている
民主党さんのその姿勢というものが実は足かせになって、そして一票の格差というところにいかない、定数削減ということもなかなか本当の
議論が始まらない、こういう状態に今なっているわけでございます。
私
たちは、当然のごとく、
国会が違法状態になっているなんというのはもう耐えられないんだよ。これは当たり前ですよ、
国会議員として。だから、違法状態から何としても脱出したい、そして、違憲、違反、違法、こう言われることも何としても脱出したい、こういう
思いでずっと進んでいるんですけれ
ども、残念ながらその一点が足かせになっている。
ということで、昨日、第十五回目の選挙制度
協議会となって、昨日は、御報告が上がっているかもしれませんけれ
ども、やはり
民主党さん、そこをもう一回真剣に
議論してほしい、外から見ていても熱が伝わってくるような
議論をしてほしい、そしてもう一回改めて各党の主張を確認してほしい、そしてその上で座長から新々
提案というものを持ってきてほしいと。そうしないと、もういつまでもいつまでも進まない。
きょうのどこかの新聞で、小田原評定なんて書かれていましたよ。いつまでもいつまでも結果の出ない選挙制度
協議会、小田原評定。心外ですよ、本当に。一生懸命、真剣に
議論を重ねているんだ、僕らは。一日も早く違法状態を脱したい
思いでやっているわけですから、そういうステップ、プロセスを踏んで十五回の
協議会が行われてきたということをぜひ
皆様に御認識をいただきたいというふうに思う次第でございます。
長々となりましたけれ
ども、経過についての
説明をさせていただきました。
そこで、
質疑に入らせていただきます。
最初に、
民主党さんが掲げておられます比例定数八十削減ということでございますが、
岡田副
総理にまず伺いたいんですが、よく、マニフェストの中間検証をずっとやってきたということをいろいろな場でおっしゃいますね。この比例定数八十削減についての中間検証というのは行われたんでしょうか。