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竹本委員 衆議院議員の
竹本直一でございます。
きょうは、私、
財務金融
委員会が長いので
野田さんらとはしょっちゅう会っていましたけれども、
予算委員会で討論するのは初めてでございます。ひとつよろしくお願いしたいと
思います。
時間はわずか三十分と限られていますので、余り多くのことは言いませんが、こういうテレビも
国民の方も見ておられるわけです。やはり、今の
日本の政治を見ますと、大きい
需給ギャップがあるなと私は思っております。
国民が
期待するものと政治家が
供給するものとが相当離れているんじゃないか。そういう
意味で、やはり余り細かい話をしても、
国民の方も関心も持たない。百円、二百円の手当が多い少ないというような話よりももっと、これからの
日本がどうなるのか、我々の生活はさらに悪くなるのかよくなるのか、こういう話を、短い時間でございますが、ちょっとやってみたいなと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
まず、
経済の話ですけれども、
日本の一人当たり
国民所得は世界で十六位だと聞いております。非常に少なくなっておりまして、四万二、三千ドルぐらいだと
思います。そういうふうに一人当たり所得がずっと落ちてきまして、この二十年、バブル崩壊以来、全然
経済が伸びておりません。他方、中国とかほかの国はどんどん伸びております。では、
日本はこれからどうなるのかということをちょっと
考えてみたいと
思います。
よく二十兆円ぐらいの
需給ギャップがあると言われますけれども、
供給力はいっぱいあるけれども、それを
需要というか要求する、使う側が少な過ぎるために、
経済がいびつな格好になっているのは事実であります。
そこで、我々、
経済統計では
GDPというのを使ってきましたけれども、GNI、グロス・ナショナル・インカムですね、所得を中心に我々の豊かさをはかってみたらいいのではないか。どこが違うかというと、国内で稼いだ金のみならず、外国で稼いだお金もこの統計の中に入れていく。こういうことで見れば、本当の
我が国の豊かさがどの
程度かということがわかると
思いますし、政治としては、その豊かさを、このGNIをふやす方向に
努力するのが一番いいんだろうというふうに思っております。
そこで、この間、あるところで、アメリカ人のジェラルド・カーティスさんが言っていましたけれども、
日本の政治の討論を聞いているとポリシーが感じられない、もっとポリシーを語れということを言っておりました。だから、そういう
意味で、国を豊かにするためにはどういうことをやればいいかということを中心に
考えていきたいと思っております。
まず、GNIを増すためには、
日本の
企業を
海外でどんどん稼がさなきゃいけない。この間、
野田さんも言っていましたけれども、私は、
円高対策のプロジェクトチームを自民党内につくりまして、座長をやっているんですけれども、そのときの
政府の対策としては、立地補助金の千五百億円を五千億円にふやす、これを対策の
一つとして出されました。それは悪くないんです。悪くないんですけれども、言ってみれば、けがした人に対する止血剤のような
程度しかない。つまり、圧倒的に十倍、二十倍と賃金が違うところで物をつくって、それに競争力を持たせようと思うと、補助金を出すぐらいではとても対抗できない。
だから、申しわけないが、止血剤という表現をしたんですけれども、抜本的に
考えるならどうすればいいか。外国で稼げるのなら外国でつくらせた方がいいと思うんですよ。そして、そこで上げた利益を本国に送還させて、そして
企業全体としては、トータルとしては
日本全体として、先ほど言いましたGNIが豊かになる、そういう構造が一番いいのではないかというふうに思うわけであります。
したがって、このGNIをふやすために、
海外へ出ていって、稼げるところはどんどん稼ぐ、こういうことにしてやるのが一番いい。実際、代表的な
日本の
企業に聞いてみましても、外国で稼いで、低賃金でやっているんですね。そして、その収益を
日本に持ってきて、そしてトータルとしては人件費は、
日本の方がもちろん賃金は高いですから、はるかに払っているわけですね。半分以上払っていると言いました。従業員、八割ぐらい
海外へ出ている
企業、大手
企業ですけれども、それでも人件費は国内でたくさん払っている。そういうことができるのは外国で稼いだからだ、こういう構造をきちっとしなきゃいけない。
ところが、外国で稼いだ金を
日本の国内へ持ってくるときが問題でして、実は、外国子会社配当益金不算入制度というのが三年ほど前にできました。つまり、従来は、国内と
海外で稼いだ利益を合算して、それに
日本の法人税率を掛けて、国内で徴収しておったんですね。ところが、それではなかなかいろいろ不都合がある。第一、外国の方が法人税率が安いですから、外国で先に税金を納めてしまって、一旦法人税を納めたところには
日本の
政府はそこから税金を取れませんから、どうしてもそういうのが多くなってしまう。
ですから、私は、外国で得た利益を
日本の国内へ返すときに、もう
一つの
企業の論理は、本国へ送るけれども本国で使い道がない、冒頭言いました
需給ギャップが大きいです、国内で使い道がない。だから、
海外で置いておいて、
海外で再
投資した方がいいんじゃないか、こうなるんです。永遠にお金がこちらへ返ってこない、こういう状態になるわけです。
企業としてはいいでしょうけれども、
日本の
政府としては非常に困るわけであります。
私は、そういう中で
考えられるのは、
海外で稼いだ金を
日本に送った場合に、それを特定の目的、例えば介護、福祉のような医療、福祉に投じた場合は減税するとか、住宅
投資減税というのがよく
議論になりますけれども、住宅に
投資した場合は減税するとか、何かそういうことを
考えたら、
海外で稼いだ金を
日本に送ってくる、こういうことが可能になるんではないかというふうに
思いますが、これについて、担当はどなた、では
財務大臣ですか、お願いします。