○額賀
委員 私は、二〇〇六年の2プラス2で合意したロードマップについて、
沖縄県を初め
米軍基地のある地域の
負担軽減と
抑止力の維持というのをキーワードにしてこのロードマップの整理をしてきました。
まず、
防衛庁長官になったとき、私は、
沖縄県とか東京とか神奈川とか
山口県、一都七県の知事さん、三十八市町村長さんにお会いしまして、
米軍再編と
地元の
負担軽減のための
地元の切実な要請をお聞きしましたよ。もちろん、お聞きした上で現場に行きました。そして、市町村長さんとかみんなから
説明を受けましたよ。ある
意味では御用聞き長官に徹し、その上で、きちっとした
整合性のある安全保障、この基地問題の整理をしなければならないという
思いがありました。厳しい注文、絶対反対だと、口角泡を飛ばして反論を受けたこともありました。
私は、
地元のそういう首長さんたちが、いろいろ話をする中で、しかし、情というものはつながるもので、よく来てくれた、よく話を聞いてくれたと、それが人間
関係だと思うんですよ。その上で、
防衛省の役人の
皆さん方も今度は細かい資料を持って
説明に行く、そういうやりとりが積み上がっていかないと、地域住民が悩まされている基地問題を解決することにはならない。
今の
民主党の先生方は、各
大臣は、一回か二回ぐらいは知事さんに会いに行ったりしますけれども、やはり現場に行って膝を突き合わせて話を聞くなんというのはないような気がする。これではこの
沖縄の問題を解決することはできない、私はそう思っております。
パネル二を見てください。
その結果、最終的にはどういうことになったかといいますと、今は
米軍再編は
沖縄の
普天間が象徴のようになっておりますけれども、例えば、騒音で悩まされている厚木の空母艦載機は、
岩国の
皆さん方には申しわけないけれども、
岩国に
移転されることになります。これは、
岩国の
皆さん方にも、我々も何回も何回も足を運んで、そして
理解をしてもらったわけでございます。
相模原駅前の基地は
返還されます。東京の横田基地も、これは石破先生などとも話をして、戦後六十年もたっているんだから、もうそろそろ、
日本の主権国家として、管理権とか返せ、そういうことも直談判したんだけれども、そこまではいかなかったが継続
協議になっております。その上で、その空域制限は一部解除してくれました。恐らく、JALとか全日空とかは、相当燃料費が削減されてコストダウンになっていると
思います。
この中で、こういうように全国的に、みんなが
負担軽減をさせていったわけです、
沖縄はもちろん当然のことでありますけれども。
象徴的なものが、
普天間の
移設でございました。
二〇〇五年の2プラス2で、キャンプ・シュワブの、大浦湾を埋め立てて、そこに海上のヘリポートを移すということになったわけでございますけれども、その後、私どもはよくよく相談をして、
一つは、必ず
普天間の危険性を除去するために、今度は実行可能でなければならないということ、それから、
地元の
理解を得なければならないということ、環境に目を配らなければならないということ、さまざまなことを考えて、キャンプ・シュワブの沿岸に、陸上とその海上に幾らかせり出す形でこの
移設先を選定したわけでございます。
当時の島袋市長さんは、住居の上を飛ばないでくれ、それから騒音は最小にしろ、もう
一つは環境、ジュゴンとか藻とかいろいろなことについて考えてくれ、もちろん最後は、名護市の地域
振興も考えてねというのが条件でした。
最も難しいのは、滑走路一本では、住居の上を飛ばないで済ませるということは、いろいろ角度を変えてやってみたけれども、できませんでした。いろいろ、いろいろな人の話を聞いたり見たりする中で、離陸する滑走路と着陸する滑走路を別々にすれば住居の上を飛ばなくてもいいじゃないかと。それで、技術屋さんと陸上
自衛隊のヘリに乗っているプロの連中に話を聞いて、それは支障はないということでしたから、V字形の滑走路をつくって、そして島袋さんにどうだと言って、
理解をしていただいたわけでございます。
これは、ちょうちょうはっし、すさまじい、血の出るような
努力をしなければできません。島袋市長さんだって、
地元の人たちを説得しなければならないわけでございます。
私は、その中で、この
普天間の
移設先の辺野古の滑走路ができるようになったときに、稲嶺知事さんにこう言ったんですよ、名護市の市長さんがオーケーしたんだから、知事さんも
理解してくれますねと。そうすると、知事さんは、なかなかうんとは言ってくれなかった。私の主張している軍民共用化は入っていない、いろいろなことを言いました。
だけれども、
総理、最後に稲嶺知事は、私は
沖縄県民の知事だから
地元の声を出すけれども、最後、安全保障は国の責任で決定すべきものですと言いましたよ。
これはやはり、
地元の声は聞かなければならない、しかし国の安全保障は、
総理大臣が、
防衛大臣が、
外務大臣が決断をするということであります。それは、
地元の声を誠意を持って聞いて、できないことは、
総理大臣が泥をかぶって、
防衛大臣が泥をかぶって、
外務大臣が泥をかぶって、できるものは、謙虚に、知事さんや市長さんの手柄になるということだろうと
思います。そういうことをしっかりとやっていただきたい。
そういう中で、
地元を説得していくことが大事だと
思いますが、この前の宜野湾市の市長選のときも、
民主党では仲間が反対していましたね。
民主党、
政府の考え方とは違った反対運動をしていましたね、選挙の際に。
この前、この
委員会で我々の同僚の町村先生もそういうことを
指摘しておりましたけれども、足元でそういう説得ができなければ、宜野湾市でも名護市でも、
沖縄県民を説得できないんじゃないんですか。これは
総理の責任だし、党の代表としてのリーダーシップではないですか。きちっと答えてください。