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塩崎委員 結局、今申し上げたように、独立性はない、そして世界の常識からも反し、IAEAからのアドバイスも無視しているというのが今の現状です。
そこで、次の一元化です。
一元化のことについても、十三ページの資料を見ていただくとわかるように、世界が大体一気通貫でやっていて、
総理が高らかに国連で一元化と言いながら、実はそうなっていない。
放射線防護は文科省、核セキュリティーの中のアイソトープも文科省。そして、下の保障
措置、これは細野さんもとってきたかったという話ですけれども、大抵抗に遭って文科省からとってこられなかったというふうに聞いていますよ。それから、もっと大事なのは、SPEEDIは、司令塔部分は来ると言っているけれども、平時の放射能のモニタリングは来ません。したがって、平時と緊急時というのは、何もここで遮断されているわけじゃなくて続いているんですから、そのことを言っておかないといけない。つまり、中途半端な一元化しか霞が関の抵抗でできなかったということです。
もう一つ大事なこと、ノーリターンルールの話。
十四ページにありますが、これを見ていただくと、「片道出向七ポストのみ」。これは前から僕は準備室から聞いていましたけれども、やはりなということであります。これの中を見ると、細野
大臣は一定クラス以上の幹部職員だけだと言っている。私は、それでは
総理がおっしゃっている規制と利用の分離というのはできないと思う。
問題は人ですから。規制庁にいるときに、出身元の経産省のエネ庁の人たちからいろいろなことを言われたらまずいなということになって、結局、戻ることを考えたらいいかげんなことが起こり得るというのは常識ですよ。したがって、人材確保のためには、報酬で手当てするか、あるいは活躍の場をもっとたくさんつくるとか、そういうことでないといけないというふうに私は思っているんです。
いずれにしても、一般職に至るまでノーリターンルールにしなければいけないし、再就職についても、エネ庁や経産省が扱っているところに再就職するようなことが起こることは絶対に禁止しなければ、結局、
総理のおっしゃっている規制と利用は尻抜けになるということだと私は思っています。
そこで、もう時間がないのであれですけれども、さっき申し上げたように、どうもこの人事ポストの分捕り合戦、現役とそれから再就職、それでやっているということでありますけれども、私は、規制と利用の分離とかいろいろなことを言いながらやっていながら、実は、その利益相反をのけるというための独立性を確立するということをやらずに、結局、大目的がどこかへ飛んでしまった。
三条
委員会を阻止できたということで、霞が関の影響力が残って、霞が関は一安心しているというふうに思います。それから、経産省は、人事や特会の資金を通じて引き続き安全規制に大きな影響を残せたということで、大喜びをしているというふうに私は思います。さらに文科省も、
平野さん、権益維持ができて大満足だというふうに思っているはずですよ。
結局、トータルで見れば、霞が関が高笑いをして、そして世界は日本を嘲笑する。IAEA基準の
基本中の
基本、緊急時に混同するなとまで言っていることを、そこまで明確に言っていることをアドバイスを聞かないというのは、私は信じられない思いなんですね。こういうことになるのも、やはり
野田内閣が官僚の言いなりになっている、もうしばしば言われてきたことでありますけれども、そういうことなんだろうなというふうに思うんです。
我々としては、今、
自民党内でいろいろ
議論しています。
野党の中でもいろいろすり合わせをしようと思っていますし、今
議論が進みつつあります。結局、考えてみれば、さっき申し上げたとおり、三条
委員会じゃないとどうもIAEA基準はやはり満たすことはできない、現行の国家行政
組織法を初めとする
法制のもとでこの条件を満たすのはやはりそれしかない。ですから、皆さんは正しいことを言っていたんですよ。やってみたらうまくいかないことがわかったというのは、それは結局、ではIAEAの基準を捨てて
機能だけをやりますと言っているのに等しいので、それは世界から全く認められないと私は思います。
それで、私は、細野
大臣は安全保障の問題で2プラス2ならぬ4プラス4なんかで
一緒に勉強会もやって、あなたの将来性に大いに期待をしています。したがって、つまずいてほしくないんだね。それで、
野党のときに、私が
官房長官のときにあなたから天下りの問題で鋭い突っ込みの
質問を受けて、さすがだなと思いました。しかし、今あなたはこの天下りの問題でつまずきそうになっているということを考えた方がいい、私はそう思うんです。
だから、あなたがここで失敗をしないでいただきたいし、このつまずきは単なる日本だけでのつまずきじゃないんですよ、あなた。これは世界的なつまずきになってしまうので、将来あるあなたのために、ここはIAEA基準をもう一回読み直して、報告書を読み直して、閣僚
理事会のサマリーも読み直して、もう一回この
法律をつくり直して出てこないと、私はまずいんじゃないかなというふうに思っているんです。
被災者の皆さん、そして今でもまだ放射能で心配をされている人たちにどうお応えをするか、それを最優先にしていったら、世界が考えていること、そして
野田総理も認めたように、IAEA基準は最低でも守って世界最高水準の安全性を達成するんだ、こうおっしゃったんですから、だったら、やはりそれにふさわしいものをつくっていただきたいと思うんですけれども、最後に細野
大臣と
総理にお
言葉をいただきたいと思います。