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下地委員 きょうは、普天間の問題について
質問をさせていただきたいと思っていますけれども、昨夜発表されました
再編の
見直し、六年ぶりに行われることになったわけであります。
二〇〇六年に決まった
ロードマップは
パッケージ、
嘉手納以南、普天間の辺野古移設、そして
グアムへの八千人移設、これが
パッケージだったんですけれども、今度のことでこの縛りが解けるということになりました。
嘉手納以南の土地も先行して返す、
グアムにも四千七百人と言われていますけれども、それをやられる。
この六年間、この
パッケージの縛りがあったことが
沖縄の負担軽減を進めない最大の要因だったんです。だから、この
パッケージが取れたということは本当に大きな
意味のある、私は、外交交渉はすばらしい成果を上げたのではないかなというふうに思いますね。何をやっても、辺野古ができなかったら、土地も返さない、そして
グアムにも行かない。これが縛りが解けたということは、
沖縄にとってはもう最大の私は負担軽減の第一歩になったというふうに思います。
それで、
総理、これまではいいんですね。
あとは、この文書の中に辺野古堅持と書いてあるんですよ。これを私は何とかしなければならないというふうに思っているんです。
橋本・モンデール会談からもう十六年間、普天間は辺野古移設と言って
一つも動かない、これを固定化というんですよね。今後も普天間の辺野古移設は不透明で、これがなかなか、できると思われている
方々は少ないと思うんです。だから、これまでの十六年間と、これにも書いてありますけれども、これからの不透明な時間をこのまま続けることは、私は
沖縄にとってはまさにこれこそが現実的な固定化になると思うんです。
だから、よくマスコミの
皆さんの中でも辺野古をやめると固定化するのではないかというようなことをおっしゃる方がいますけれども、違います。まずは辺野古をやめて、リセットして、
総理が
沖縄と向き合って、どうやったら普天間の危険の除去をやれるか、こういう新たな交渉に入っていくことが、私はこれからの
野田内閣のやらなければいけないことだと思うんです。
そして、こういうふうに先ほど申し上げた歴史的な
パッケージの縛りが取れたということを、何で起こったかを考えてみないといけないと思うんです。
一つ、それは、米国が財政再建で
グアムの予算がつかなくなった、そして
沖縄の政治
状況からしてもなかなか辺野古は難しいですねという環境になったことをお互いが
認識したというのも一点あるかもしれない。
二点目には、レビンさんとか、ウェッブさんとか、マケインさんとか、イノウエさんとか、こういうふうな上院
議員が、今まではキャンベルさんを初めとして
政府間交渉だけでやってきたものに、私の経験からすると、
議員が普天間の問題で発言をしてきたのは私は初めてだと思いますから、これも大きな今回の
見直しの要因になっているのが二点目にあると思うんです。
三点目には、
野田政権の外交、
一つはF35の購入を決断したこと、そして牛肉の問題を解決したこと、武器輸出三原則の緩和を行ったこと、南スーダンのPKOの自衛隊の派遣を決めたこと、私は反対ですけれどもTPPの決断をしたこと、これはアメリカにとっては、チーム
野田とは組めるぞ、この
内閣と話をしていって
沖縄問題も解決していける、そういうふうな思いになったから、私は今回のアメリカ側の柔軟な決断はあったと思うんですね。
そして四つ目には、国内問題ですけれども、自衛隊のF15の那覇基地への配備だとか、陸上自衛隊が旅団化されるとか、
防衛大綱で島嶼
防衛が行われるとか、こういうふうな安全保障問題に関してもしっかりと日本
政府で取り組む姿勢が見えたというのは四点目に大きなことです。
五点目には、
沖縄振興開発
計画、あした閣議決定されるはずですけれども、税制も予算も私は非常にすばらしい振興開発
計画ができたというふうに思うんです。
こういうふうに、今までの、
沖縄側と駆け引きをするんじゃなくて、もう先に
沖縄側の思いを酌んで振興策もやる、こういうふうな五点が重なり合って、今回のアメリカの柔軟な普天間の
対応を私は
野田政権が引き出したというふうに思うんです。オバマ大統領と
野田総理の信頼
関係が着実にでき上がってきた。だから、こういうふうな外交の変化が出てきたというふうに私は思うんです。
それで、
野田総理、僕は
一つだけ、こういう信頼
関係を深化させながら、
お願いしたいのが、オバマ大統領に対して
提案をしてもらいたい。
一つは、もう十六年間、普天間は動かないんですけれども、辺野古移設は動かないんですけれども、先ほどから申し上げたように、辺野古を断念することが普天間の固定化を解除する、その大きな要因になるので、一回普天間を断念して、新たな
協議を始めて、どうしたら普天間の危険の除去をできるか、
野田総理からそういうふうな
提案をして、新しい
仕組みをつくる。(発言する者あり)辺野古を断念するんです。そのことから新しい
仕組みをつくるということを未来に向かってやってもらいたいというのが一点。
それと二点目には、この米軍基地の過重な負担、それと一緒に
日米地位
協定、
沖縄にとっては非常に差別感のあるこの条件である。これは、五十二年間、
日米安保が一九六〇年に結ばれてから五十二年間、この
日米地位
協定が運用のみで解決を図るというのは私は限界があると思うんです。だから、そういう
意味でも、この
日米地位
協定に関しても、運用ではなくて、
沖縄の復帰四十周年、それに合わせて、私は、
日米間でもう一回抜本的に
日米地位
協定の
協議を行う、一年かけてもいいですよ、二年かけてもいいです、とにかく
協議を行うということを、
野田総理、ぜひこれをオバマ大統領に
提案してやってもらえないだろうか。
私は、十六年間の辺野古問題に決着をつけることと、断念をして新たな道筋をつけることと、
日米地位
協定に対して、両国で
協議機関をつくって、一方的に押しつけられた
日米地位
協定から両方で
合意した
日米地位
協定に変えていく、そういうふうなことを
総理がおやりになると、今までの
総理大臣、一番、
沖縄からすれば、復帰をやった佐藤栄作先生、それに、この普天間の移設を考えた橋本
総理、そして
沖縄にサミットを持ってきた小渕
総理、多くの決断が必要だったと思います。そして、
沖縄の振興の神様だと言われております山中貞則先生。こういうふうに、
沖縄に心血を注いで
沖縄問題をやってきた。しかし、この二つはなかなかできなかった。
野田総理、これに日本の
総理大臣が本気で取り組んでいる、その姿を私は
沖縄県民に見せてもらいたい。できるかできないかは、それは交渉だからやってみなきゃいけない。今は、やることが大事だと思いますから、そのことを
野田総理、
野田総理から
お願いします。だめだめ、
野田総理。時間がないから。