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竹下参考人 本日は、
特定失踪者家族のためにこのような
発言の
機会をいただきまして、まことにありがとうございます。
妹、古川了子の件につきましては、お手元に、妹古川了子の
失踪という
資料をお届けしましたので、それをごらんいただければありがたいと存じます。そして、その後の動きについてきょうは申し上げます。
平成十四年十二月には千葉県警察本部に対して古川了子の
北朝鮮による
拉致事案として捜査要請を行い、平成十六年一月には同警察本部に対して国外移送目的略取誘拐の告発をしました。
さらに、行政訴訟目的とその経緯という
資料にございますように、平成十七年四月十三日、東京地方裁判所に対して、古川了子さんの
拉致認定を求める行政訴訟を提訴しました。
この
資料は、
特定失踪者問題調査会が裁判のたびに
報道関係者に
報告した
資料やメールニュースに載せた文章を、日付を追ってまとめたものでございます。
この訴訟は、
北朝鮮当局による
拉致事件について、
被害者家族が
日本政府に対して
拉致認定を求めた初めての訴訟であり、
拉致被害者の
救出を実現するために裁判所が的確な
判断を行うことを求めた唯一のものです。また、この訴訟は、古川了子の母と、姉である私とが告発人になって提訴しましたが、本訴訟の背景には
政府認定されていない数多くの
被害者の存在があり、実質的には
被害者家族の
代表訴訟というべきものでした。
この訴訟は、平成十九年四月、法廷において当時の内閣府
拉致被害者等
支援担当室長が表明書というものを読み上げまして、私と弁護団は提訴を取り下げ、和解しました。その
状況は、口頭弁論調書と、和解に当たってというお手元の
資料も、後ほどお読みいただければありがたいと存じます。
この訴訟の後に変わったこととしましては、内閣府が
家族から
特定失踪者の
情報を文書で直接集めたことと、時々ではありますが、外国首脳との会談で
拉致問題を取り上げたりした
情報が直接
家族に届くようになったことです。
ここで特にお願いしたいことは
二つあります。
一つ目は、訴訟の目的とその経緯の最後に四角い枠の中で示しましたように、平成十四年の第一次小泉訪朝で曽我ひとみさん、ミヨシさん、石岡亨さんが
拉致認定された後に
拉致認定されたのは、平成十七年四月二十七日、
田中実さん、平成十八年十一月二十日、
松本京子さん、そして平成十九年四月十二日に高敬美さん、剛きょうだいだけであり、全て訴訟の期間中であります。和解成立の後は一人も認定には至っておりません。
二つ目は、表明書六、七、八でうたっていますように、
政府は、認定
被害者以外にも
北朝鮮当局による
拉致の
可能性を排除できない人が存在するとの認識のもと、国連の場や
政府の広報において、全ての
拉致被害者の速やかな帰国を実現すべく全力で取り組んでいることが対外的に認知されるよう努めるとおっしゃっていますけれ
ども、
政府のホームページでは、
北朝鮮に対して約三十名の安否確認をしているという文言はありましたが、これも裁判中の平成十八年のことでした。という文言はありますが、
特定失踪者四百七十人ということも、それから、昨年の十二月の
政府主催
拉致フォーラムで、三谷事務局長代理が壇上で、九百人にも及ぶ対象者がいるとおっしゃっていながら、これらの数字はどこにも出てきません。これは、
日本政府が、国の内外はもとより、
北朝鮮に対して、
拉致の
可能性を排除できない人々は三十人ほどである、そう認識しているという大変間違った
メッセージを発していることになると思います。
私
どもの
家族は既に高齢に達し、次々に他界している現実です。そしてこれは、四百七十人を上回る
特定失踪者の
家族たちは、
拉致認定もされず、
北朝鮮にも氏名すら公開、交渉されず、このまま
日本政府から
日本の中で
拉致被害者の切り捨てをされるのではないかと大変心配していますことを、どうぞ御
理解いただきたいと思います。
ありがとうございます。