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下村委員 全くの無責任答弁だというふうに思いますね。高校
授業料
無償化がスタートして、もう三年目ですよ。これは朝鮮
学校の
生徒にとってもかわいそうな話だと思いますよ、そういう期待感を持たせたわけですから。
ところが、二年間も、審査している、
調査しているとほっておいて、いまだに、三年たっても出す出さないも明確にできない。こんないいかげんな政府が国際
社会から信用されるのか。私はきっぱりと、これは朝鮮
学校の
学校の内容を内容的に変えない限りは対象にはならないということを日本として明確にすべきときだというふうに思います。
これは、野田総理から指示があるとかないとかじゃなくて、当事者である
平野文部科学大臣が独自に判断すべきであることだということを申し上げたいと思います。
次に移ります。
ことしは高校教科書図書採択の年であります。自民党の
文部科学部会、それから、自民党の中にある教科書
議員連盟合同
会議で、ことしの高校教科書についての、教科書記述と
文部科学省が検定意見を付したことについて調べました。
その結果について我々が共通認識として持ったのは、一つは、新しい
教育基本法が制定され、
学習指導要領も改訂されたが、教科書は
我が国と郷土を愛する点では記述が悪くなっており、検定制度も機能しているとは言えないというのが、全般的な、教科書を見渡した中での我々の判断です。
二つ目に、韓国併合や強制連行の記述は、日本を断罪するトーンがより強くなっているということです。
三つ目に、
中学校教科書から消えた従軍慰安婦記述が高校教科書では使用されているということです。
四つ目に、近隣諸国への加害記述には検定意見がついていない、一方、加害記述を検定で追加で入れろというふうにされた事例があります。これは、明成社の日本史Bでは、検定の結果、検定意見として、加害記述を追加して入れろというふうに
指導されました。マッカーサー証言も削除されました。
ちなみに、報道で出ていましたが、東京都の
教育委員会が独自に、都立高校の日本史必修教材、「江戸から東京へ」という教材があります。この中で、マッカーサー証言や、あるいはハル・ノートのソ連作成説を掲載しています。また、南京記述もさらに
改善する予定ですが、これについては
文科省が逆の立場から抑えているという実態があります。
この南京事件は、山川のAという教科書の中では、学者の間では三十万人説は誇大な数字というふうに疑問の記述が付されたものもありますが、全般的には依然否定説は掲載されず、かえって虐殺や暴行の事実が強調された、以前よりもそういう教科書に今回なっているという問題点があります。
唯一評価されるのは領土問題ですね、尖閣諸島の問題。これは、もともとの各教科書では、尖閣諸島は
我が国の固有の領土だと書かれていなかったんですね。書かれていなかったのを、教科書検定で
我が国の固有の領土ということを付すようにしてそれを変えたということが、今回の検定意見の我々から見ると唯一の評価する点であります。
これがなかったら、つまり原文では、どこの教科書も、尖閣諸島については中国とその領有権で争っている、こういうことしか書いていないんですね。ですから、石原都知事が今の政府のていたらくで見ていられないということで、あれを東京都が購入することというふうにしました。
これは
平野官房長官のときにも
質問したというふうに思いますが、
予算委員会で、本来尖閣諸島は国が領有すべきではないか、国有地とすべきではないかと提案したことがあるんですね。そのときも検討しますだけで終わって、いまだにそのままでありますけれ
ども、本来は国がしっかりとした所有権を持って、管理をするだけでなく実効支配をするということが必要なわけですが、それが全くされていないということで、やむにやまれぬ気持ちがあって石原知事が、東京都が買う、購入するということを決めたというふうなことでありまして、私はこれを評価いたします。
このことについて、これは中国だけではなくて、日本の
子供たちが、原文にあるような教科書記述だったら中国が抗議するのは当然だ、つまり領有権を争っているわけだから、
我が国の固有の領土と
学校で教わっていないわけですから、中国が非難するのは当然だというふうに恐らく日本の
子供たちの多くも思うような内容だったわけですね、もともとの教科書の原文は。それを検定意見で修正させたということについては評価いたしますが、それ以外は、今回、今申し上げたような教科書記述が非常に多くなっているということで、これは非常に問題だというふうに我々は思っております。
その中で具体的に、例えば従軍慰安婦の問題、これは
中学校の教科書でなくなったというのは当然のことだというふうに思っております。
しかし、高校の教科書で、例えば実教出版というところは、植民地や占領地では、日本軍も設置や監理に関与した慰安所に、朝鮮人を中心に、中国人、インドネシア人、フィリピン人、オランダ人などの多数の女性を、日本軍兵士の性の
相手である慰安婦として動員した、あるいは、東京書籍では、日本の植民地や占領地では、朝鮮人や中国人、フィリピン人、オランダ人など、多数の女性が慰安婦に駆り出されたというふうに記述されています。
平成十九年三月十六日の、これは辻元清美
議員の
質問主意書に対する答弁書において、強制連行については、「政府が発見した資料の中には、軍や官憲によるいわゆる強制連行を直接示すような記述も見当たらなかった」として、強制連行はなかったことを閣議決定している。
この政府見解にもかかわらず、通常、人が読めば強制連行と解釈できる記述、つまり、動員したとか、駆り出された、こういう記述、これが検定意見がつかなかったというのはなぜなのか、高校教科書では政府見解に反した記述を行っていても許されるべきことなのか、これについてお聞きしたいと思います。