○江藤
委員 自由
民主党の江藤拓でございます。
伊東委員に続きまして、本日は、
株式会社農林漁業成長産業化支援機構法案、いわゆる六次化
ファンド法案について、集中的な
質疑をさせていただきます。
農林漁業者がこれまで果たしてきた
役割につきましては、
伊東委員が極めて精緻にお話をしていただきました。この
方々が
伝統文化をきちっと守って、根づく
スキームの
一つとして、この
ファンド法はできるべきだというのが私の認識であります。
これを最初に私が聞いたのは二月でした。
農林水産省から局長、課長さんがたくさん来られて、いろいろ説明を精緻にしていただいたわけでありますけれ
ども、そのときに私の耳に強く残った言葉があります。それは、これは
出資ですから、
出資した、いわゆる主たる
経営者である
農林漁業者の
方々にも当然リスクを負っていただきます、
出資ですからリスクは当然あるのですということを、繰り返し繰り返し私に言いました。
普通に営農していても、畜産でも林業でも漁業でも園芸でも、それはリスクはあります。別に、
出資をしなくても、自分で
投資をする場面も、借金する場面もあるわけですから。だけれ
ども、こういう
出資とか
ファンドという、ハゲタカ
ファンドとかいろいろな言葉があるじゃないですか、こういうものが
農林水産業のいわゆる
世界になじむのかどうか、私は最初のときからちょっと不安な気持ちを持ったということであります。
そしてまた、先ほど
伊東委員からお話ありましたけれ
ども、平成十四年に、これは法律によってきちっと担保をされているアグリビジネス
投資株式会社があるわけで、そしてまた
投資円滑化法というものがあるわけですね。こちらをもっと充実、補完して使いやすい制度に改めていけば、
政策金融公庫ももっと生かすとか、そうすればもっとうまくいくんじゃないか、私はそういうふうに思ったわけであります。
しかし、正直、私は大反対からこの議論に入っていったわけでありますけれ
ども、いろいろ気持ちが変わるわけであります。というのは、まあ、聞いてください。東北のようなところ、全て被災してしまったところ、こういったところは、新たな
農業の形態をつくるには
一つのモデル的な地区になり得る場所であります。ですから、こういうところで、もしかしたら使えるかもしれない。ただ、それを見たときに、ポンチ絵の一番右のこの主たる
農業者の
方々は、根こそぎやられてしまったわけですから、
資金的から農地から何から、こんな人たちに
出資できる
お金があるはずがない。となると、やはり東北でも使えないのかなという気がします。
しかし、
企業経営的な
農業をやっている方のところも、私、大分現場を見に行ってきました。そうしたら、これからいい
農業をするにはやはり
資金が必要なんですね。ある方は百四十カ所の農地を持っています。集約できていないわけです。だけれ
ども、最低限の
人間で管理をしなきゃいけない。だから、ITを導入しています。農地に動画が見られるカメラをつけて、そして、畑には、pH値も出る、水分量も出る、施肥した農薬、どれぐらい土中に伝播しているかも、そういったものが全部数値としてグラフとして出る。それが本部の会社に全部集積されて、これが次の
経営ノウハウに伝わっていくんです。
これはすばらしいと思いました。すばらしいけれ
ども、やはりネックは金なんですね。さらに
出資者を募らないと、これ以上の設備
投資は苦しいと。そして、これは何がいいかというと、
農業というのはやはり職人の
世界で、どうしてもいい技術を持っている
人間じゃないといい品物はつくれない、そういうものであります。
しかし、クラウドの中にこの
農業技術をデータ化して蓄積していけば、今、新規就農
支援事業をやっておられるでしょう、そういった
方々にこれを利用していただくことで、それほど
農業経験が豊富でない方も、なるべく早い時期からいい
生産物をつくれるような
農業ができるんじゃないか。こういうところには、もしかしたらこういう
スキームはいいのかもしれない。ですから、前の
委員会のときに私は六十点と言ったんですよ。本当は三十点と言いたかったんですけれ
ども。ぎりぎり、赤点すれすれ。ただ、
伊東先生も今言われたように、これにはいろいろとやはり直すべき点、懸念すべき点がたくさんあると思います。
我々は、この六次化
法案について、党内で二月二十九日から議論を始めました。九回やりました。大体一回二時間ですから、もうこれで十八時間やっているわけですね。これは、農林部会だけでやったわけではありません。財政
金融部会の正副にも入ってもらって、財政
金融の観点から見た場合、この
法案はどういうものなのかと。かなりやはり農林族と財政
金融族では見方は違いますよ。でも、それはとても大事なことだと思います。
かなり対立する議論もありましたけれ
ども、我々はようやく、その後、農林部会で、役人は一切入れないで、農林幹部だけで十回以上さらに
会議を重ねて、そして、先週、修正案をお示しさせていただいたわけであります。そして、七月二十六日、平場の農林部会、これは全員、誰でも議員は参加できるわけですけれ
ども、そこでもう一回議論をして、説明をして、自民党所属議員の承認を得て、昨日の火曜日、党内手続が終わったということであります。
ですから、精緻に精緻を加えて、ある方は、修正されると聞いたけれ
ども何か答案用紙で言うと真っ赤っかになって返ってきちゃったと言われましたけれ
ども、意地悪でやっているんじゃないんですよ。真面目に取り組もうと思って頑張ったから、これだけ修正の部分がふえているということですから、その点は、評価してくれとは言いませんが、私はきちっと受けとめていただきたいと思います。四カ月かかりましたから、ここに至るまで。
これは、私たちは
地域政策の
一つのツール、
民主党の議員の方からも先ほどありました、
地域政策と
産業政策、このバランスはとても大事です。
地域がだめになってしまったら、話にならない。これは、やはり
地域政策の
一つのツールとして私たちはやっていきたいというふうに思っております。この
法案が、やはり多様な
農業の一助となれば、これは大変結構なことです。
ただ、さっきの繰り返しになりますけれ
ども、リスクを負ってもらいます、リスクを負ってもらいます、リスクを負ってもらいます。片っ方では戸別
所得補償なんでしょう。片っ方にはリスクを負ってもらいますよという
スキームでしょう。この
政策の一貫性がなじみますか。私は考え方がおかしいと思いますよ。片っ方にリスクを負ってくれ、片っ方は
所得補償すると。何かちょっと変だなと、やはり違和感がいまだに私からは拭われないわけであります。
ちょっと、きょうは農水省も来ているようですから、三役にも言っておきますけれ
ども、白書もひどいですよ。どうして、二〇一一年度の白書に、これがあたかももうこの
委員会の審議も終わって国会の承認も得たような書き方をするんですか。どれだけ
農林水産省、そして今の
政府が、この
法案を何が何でもごり押しでも通してしまおうという強い意志が私はここには見えます。何でそこまでやるのかと思いますよ。これは閣議決定するんですよね、白書って。閣議決定をして出した白書を訂正しなきゃならなかったんですよ。販売中止しなきゃならなかったんですよ。当然
お金も余計にかかっちゃったんです。啓蒙活動にも
お金がかかりましたね。この責任は大変重大だということも
指摘をさせていただきたいと思います。
嫌みったらしいことはこれぐらいにしまして、では、条文に従って若干
質問させていただきたいと思います。
まずは、第一条の「
機構の
目的」、これは大事です。
機構は何を目指すのか。何のために
機構が立ち上がるのか。この部分の書きぶりというのはこの
法案の肝となる部分でありますので、
大臣のお考え、短くですよ、何のためにこの
機構が立ち上げられるのか、この
目的についてのお考えをお述べください。