○江藤
委員 二級にしたいのは理由があるんですよ、高性能林業機械を入れたいからです。三・五メートルの幅員がないと入りません。
高知に行ってきました。前、
大臣と議論したときに、私は、架線集材の方が山を傷めないからいいですねと。
大臣も、そうですねと言っていただきました。ところが、高知で見てきた移動式のタワーヤーダーは、結局、車両も一応自走はできますけれども、とても登坂する能力はないんです。だから、それを引っ張るために、オーストリア製の百五十馬力のトラクターが必要なんですよ。タワーヤーダー自体が三千五百万、輸送経費が五百万、それを引っ張る機械が要る。
しかも、おろす集材じゃなくて、引き上げ集材なんですよ。だから、結局、山の一番上まで三・五メートルの路網整備をしないと、タワーヤーダーが生かされないんですよ。すばらしいんですよ、途中で支点を設けて、引きずらないように揚げ荷をしますから、性能的にはすばらしいです。でも、これはモデル事業で国が全額出してくれたからやれるものであって、モデルが終わってしまって、二分の一リースだか何だかよく知りませんけれども、いろいろ
考えていらっしゃるようですけれども、とてもじゃないけれども無理です。
そして、もう
一つ指摘しておきますけれども、施業が終わった後には、路網はきちっと
管理しなきゃいけないんです。だから、横断側溝をきちっとつけて、排水を
考えなきゃいけないんです。水が流れて、どこの沢に落ちていくのか。下手なところに流すと、路網が崩れちゃうんです。だから、でっかい立ち木を残して、そこに一回水がぶつかるようにして水が排水されるとか、そういった知識は山に生きている人間しか持っていないんですよ。ですから、三級を生かした方がいいんです。
三級の何がよかったかというと、つくった後で一万四千円しかもらえないかもしれないけれども、道をつくった後で申請すればお金がもらえるという、非常に使い勝手のいい
制度だったんです。それを変えてしまったんですよ、
皆さん方が。それはやはり現場に合っていないということは、あわせて言わせていただきたいと思います。
あと、もう余り時間がないので、山の話はまだ残っていますけれども、ちょっと飛ばします。
先ほどエコポイントの話もありましたけれども、WTOの話があって、国産材という言葉を使うわけにはいかないですよね、WTO違反になりますから。いわゆる
地域材という言葉しか使えないわけでありますけれども、たとえ、そういう、いわゆるCOP17、HWPの話、これはいい話なんです。しかし、これは有識者の
方々が言っていることであって、まだ政策に生かされているわけじゃない。材木を使っても、それは結局、日本の山に貢献するものでなければ、私はCO2の固定化にはつながらないというふうに思いますから、その点はぜひ御留意をいただきたいと思います。
それでは、この山の話もちょっと飛ばします。
材価も、前回、六千四百円まで落ちたと言いましたけれども、ちょっと上がって、二千円ぐらいふえました。八千四百円ぐらい、九千円弱ぐらいまで戻ってきています。ただ、これは林野庁の諸君にもぜひ
お願いをしたいんですけれども、これは繰り返されるんですよ。今何で戻ったかというと、結局、林家が出荷調整をしているんですよ。材を出さないようにしたから、若干材価が戻った。
それから、国有林野が行っているシステム販売、いわゆる契約をしている、これもやはり大きな問題です。前回の
委員会で林野法を通しましたけれども、これもあわせて見直していかないと、なかなか林家の収入は上がらない。山に人が定着しない、すると山が荒れる、水源地が荒れる。都会の人間も困るわけですから、ぜひ御
検討をいただきたいと思います。
それで、
委員の
皆様方のお手元にもお配りをさせていただきましたけれども、七月二十五日に自民党の農林部会の合同
会議を開催いたしまして、原発事故に伴う畜産物価格の風評
被害に対する政府申し入れというものを行いました。これは農林省に限ったものじゃありません。経産省、文科省、環境省、いろいろな省にまたがっている話でありますけれども、この二番のところだけきょうはやらせていただきたいと思います。
前回、小野寺
委員が、
農家に対して東電は全然払ってくれない、このままじゃもうみんな倒れてしまうと、
被災地の代表として悲痛な訴えをされました。そのお話を聞いて我々はこのペーパーを出したわけでありますけれども、損害賠償の
早期支払いのために、仮払い法、せっかくあるわけですから、これを、農畜産物という品目も追加をして、そして、とにかく、東電の腰が重いなら、
農家の
皆さん方にも、林家の
皆さん方にも、畜産家の
皆さん方にも国が仮払いをする、立てかえですから、そういうふうに私は改めるべきだと。
この申し入れについて、
大臣の御見解を求めます。